JPH05131755A

JPH05131755A - 熱転写シート

Info

Publication number: JPH05131755A
Application number: JP3324075A
Authority: JP
Inventors: Koichi Nakamura; 公一中村; Masafumi Hayashi; 雅史林
Original assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Current assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date: 1991-11-13
Filing date: 1991-11-13
Publication date: 1993-05-28

Abstract

(57)【要約】【目的】従来技術の問題を解決し、耐熱性や耐擦過性
に優れたＯＨＰ画像やトレーシングペーパー画像を形成
することが出来る熱転写シートを提供すること。【構成】基材フイルムの一方の面に熱溶融性インキ層
を形成してなる熱転写シートと実質上透明なシートを剥
離可能に接着してなり、上記インキ層が実質上熱可塑性
樹脂からなることを特徴とする熱転写シート。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は熱転写シートに関し、更
に詳しくは熱転写シートと実質上透明なシートとが予め
仮接着されている新規な共巻熱転写シートに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、講演会、学校の授業、その他の説
明会等においてオーバーヘッドプロジェクター（ＯＨ
Ｐ）が広く使用されている。このＯＨＰで使用する透明
シートは主としてポリエステルやポリプロピレン等の透
明樹脂からなる厚み数十〜数百μｍのシート若しくはフ
イルムであり、該シート若しくはフイルムに対する画像
形成方法としては手書き、印刷、熱転写方法等が採用さ
れている。上記のＯＨＰシートに熱転写方法で画像を形
成する場合、プリンターに熱転写シートとＯＨＰシート
を別々に供給して行うことも可能であるが、ＯＨＰシー
トは通常枚葉型であるので、予めＯＨＰシート表面に熱
転写シートを剥離可能に仮留めした所謂共巻き熱転写シ
ートを使用することが好ましく、この様にすれば、簡便
なプリンターでＯＨＰ画像の形成が可能である。又、各
種設計図面等の作成にあたり、上記のＯＨＰシートに代
えて透明性の高いトレーシングペーパー等を被転写材と
した共巻熱転写シートも知られている。この場合には、
得られた画像はジアゾタイプの複写機で青焼きコピーが
多数とられる場合が多い。

【０００３】

【発明が解決しようとしている問題点】上記共巻き熱転
写シートにより形成されたＯＨＰ画像は、従来はワック
スを主体とするインキから形成されている為、光源光の
熱によって画像を形成しているインキ層が軟化し易く、
又、摩擦によって画像が崩れたり、インキ層が剥離した
るするという問題がある。この様な問題は被転写材にト
レーシングペーパーを使用した場合にも、複写時の光源
の熱によって原紙のインキ画像が滲んだり、歪んだり、
光源のドラムに転写したりして、正確な青写真が得られ
ないと云う問題がある。従って本発明の目的は、上記従
来技術の問題を解決し、耐熱性や耐擦過性に優れたＯＨ
Ｐ画像やトレーシングペーパー画像を形成することが出
来る熱転写シートを提供することである。

【０００４】

【問題点を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、基材フイルムの
一方の面に熱溶融性インキ層を形成してなる熱転写シー
トと実質上透明なシートを剥離可能に接着してなり、上
記インキ層が実質上熱可塑性樹脂からなることを特徴と
する熱転写シートである。

【０００５】

【作用】共巻熱転写シートの熱転写シートにおいて、そ
のインキ層を熱可塑性樹脂を主体として形成することに
よって、耐熱性や耐擦過性に優れたＯＨＰ画像やトレー
シングペーパー画像を形成することが出来る。

【０００６】

【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様により本発
明を更に詳しく説明する。本発明の熱転写シートの好ま
しい１例の断面図を図１に示す。本発明の熱転写シート
は、図示の通り熱転写シートＡと実質上透明なシートＢ
とが接着剤層Ｃによって剥離可能に接着してなる熱転写
シートである。上記熱転写シートＡは、図示の様に基材
フイルム１上に顔料と熱可塑性樹脂を主体としたバイン
ダーとからなる熱溶融性インキ層２が形成され、必要に
応じて基材フイルム１とインキ層２との間にはマット層
３及び／又はワックスからなる剥離層４が、そして背面
にはスリップ層５が形成されている。

【０００７】本発明の熱転写シートで用いられる基材フ
イルムとしては、従来の熱転写シートに使用されている
と同じ基材フイルムがそのまま用いることが出来ると共
に、その他のものも使用することが出来、特に制限され
ない。好ましい基材フイルムの具体例としては、例え
ば、ポリエステル、ポリプロピレン、セロハン、ポリカ
ーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリ塩化
ビニル、ポリスチレン、ナイロン、ポリイミド、ポリ塩
化ビニリデン、ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、塩
化ゴム、アイオノマー等のプラスチック、コンデンサー
紙、パラフィン紙等の紙類、不織布等があり、又、これ
らを複合した基材フイルムであってもよい。この基材フ
イルムの厚さは、その強度及び熱伝導性が適切になる様
に材料に応じて適宜変更することが出来るが、その厚さ
は、好ましくは、例えば、２〜２５μｍである。

【０００８】上記基材フイルム上に設ける熱溶融性イン
キ層は、顔料とバインダーとからなり、更に必要に応じ
て種々の添加剤を加えたものでもよい。顔料は、ブラッ
ク単色印字用には勿論カーボンブラックが好ましく、多
色印字用にはシアン、マゼンタ、イエロー等の有彩色顔
料を使用する。これらの顔料の使用量はインキ層中で約
５〜７０重量％を占める割合が一般的に好ましい。熱可
塑性樹脂バインダーとしては、ポリエステル系樹脂、ポ
リアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、スチレンアクリレート系樹脂、ポリウレタ
ン系樹脂等が挙げられ、特に好ましいものは（メタ）ア
クリル酸エステル樹脂、例えば、メチルメタクリレート
（ＭＭＡ）、エチルメタクリレート（ＥＭＡ）、ブチル
メタクリレート（ＢＭＡ）、ヒドロキシエチルメタクリ
レート等のモノマーの単独重合体、共重合体、ブロック
共重合体及びグラフト共重合体等であり、耐熱性、耐擦
過性、転写性等を考慮すると、比較的Ｔｇの高いＭＭＡ
と比較的Ｔｇの低いＢＭＡを主体とした共重合体を使用
することが好ましい。これらの共重合体を使用する場合
のモノマーの共重合比率は、重量比で前者／後者＝２／
８〜８／２程度である。バインダーとしては上記の熱可
塑性樹脂のみでもよいが、バインダー全量の１０重量％
以下を占める割合で通常のワックスを混合して使用して
もよい。

【０００９】基材フイルム上に熱溶融インキ層を形成す
る方法としては、顔料及び熱可塑性樹脂を主体とするバ
インダー等の必要成分を溶融混練し、これをホットメル
トコーテイング法等で塗布したり、上記の熱可塑性樹脂
を主体とするバインダーをアルコール等を含でもよい水
性媒体中に乳化又は分散させたエマルジョンと、顔料の
水性分散体を混合したエマルジョンインキを塗工及び乾
燥して形成する方法等が挙げられる。この様にして形成
するインキ層は通常は０．５〜２０μｍ程度の厚みに形
成することが好ましい。又、上記のインキ層の形成に際
しては、基材フイルム面に厚さ０．１〜２０μｍ程度の
マット層３を形成して、印字物にマット感を与えること
が出来る。又、基材フイルム面又はマット層面に予めワ
ックスからなる透明剥離層４を形成しておき、転写後に
転写画像が滑り性に優れ、耐擦過性に優れた表面層を有
する様にすることが好ましい。かかる剥離層４はカルナ
バワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリ
ンワックス等の通常のワックスから形成することが好ま
しい。かかるワックス層は一般的には０．１〜５μｍ程
度の厚みである。

【００１０】被転写材Ｂとしては、従来ＯＨＰシートや
トレーシングペーパーとして使用されているものであれ
ばいずれの実質上透明なシートでもよく、例えば、ポリ
エステル、ポリプロピレン、セロハン、ポリカーボネー
ト、酢酸セルロース等のシート又はフイルム或は半透明
の合成紙、トレーシングペーパー等が挙げられる。これ
らの実質上透明なシートの厚みは数十〜数百μｍの範囲
でよい。これらの透明シートの印字面には、透明性を損
なわない範囲でインキ層と接着性の良い樹脂（例えば同
じ樹脂）からなるによって表面処理しておくことによっ
て、インキ層の転写性及び印字物の耐擦過性等の耐久性
を更に向上させることが出来る。又、これらの実質上透
明なシートには帯電防止処理を施しておくことが好まし
く、帯電防止剤としては、アニオン系、ノニオン系或は
カチオン系等の公知の帯電防止剤により行うことがで
き、実質上透明なシートの成形時に帯電防止剤をシート
中に練込んでもよいし、シートの表面に帯電防止塗料を
塗布及び乾燥させてもよい。帯電防止性能としては表面
抵抗値で１０⁸ 〜１０¹⁰Ω・ｃｍ程度が好適である。

【００１１】上記熱転写シートＡと被転写材Ｂとを仮接
着させる接着剤層Ｃは従来公知のいずれの接着剤でもよ
いが、好ましい接着剤はガラス転移温度の低い粘着性樹
脂とワックスとからなる。かかる接着層の接着力（ｇ）
は、２５ｍｍ（幅）×５５ｍｍ（長さ）のサンプルを切
り取り、表面性摩擦測定機(HEIDON-14、新東科学製）に
て１，８００ｍｍ／ｍｉｎ．の引っ張り速度で測定した
際に３００〜２，０００ｇの範囲が好ましい。接着力が
上記範囲未満である場合には、熱転写シートと被転写材
の接着力が低過ぎ、両者が剥離し易く、熱転写シートに
皺がより易い。又、接着力が上記範囲を越えると、接着
力は十分であるが、非印字部においてもインキ層が被転
写材に転写され易く、被転写材の汚染が発生する。但
し、インキ層中の熱可塑性樹脂量を、例えば、酢酸ビニ
ル含有量２８％のエチレン−酢酸ビニル共重合体の場
合、インキ層中の固形分として９重量％以上とすれば、
基材フイルムとインキ層との接着性がそれだけ高くなる
ので、接着剤層の被転写材に対する接着力を１，３００
〜２，０００ｇの範囲としても被転写材の汚染を生じる
ことのない熱転写シートを得ることが出来る。

【００１２】上記粘着性樹脂のガラス転移温度は−９０
℃〜−６０℃の範囲であるのが好ましく、この様な粘着
性樹脂の例としてはゴム系の粘着性樹脂、アクリル系の
粘着性樹脂及びシリコーン系の粘着性樹脂、又、形態的
には溶剤溶液型、水溶液型、ホットメルト型、水性又は
油性エマルジョン型があり、いずれも本発明で使用する
ことが出来るが、本発明において特に好適であるものは
アクリル系の水性エマルジョン型である。上記粘着性樹
脂を単独で使用する場合には、優れた粘着性が得られる
が、被転写材の剥離性が不十分且つ不均一であり、製
造、保管、輸送時等、熱転写前に不意の力が加わった場
合、熱転写シートのインキ層が被転写材に転写され地汚
れを生じるという問題がある。又、熱転写時にはインキ
層の箔切れが劣り、例えば、サーマルヘッドによる熱印
加領域の周囲までインキ層が転写し、転写画像の解像性
が劣る。本発明では、上記問題は、上記エマルジョン粘
着性樹脂に、インキ層の形成に使用した様なワックスの
エマルジョンを添加することにより、粘着性が好ましい
範囲に調整出来、上記地汚れの問題が解決され、接着剤
層Ｃの箔切れが改良され、転写画像の解像性が著しく向
上することを見出した。上記粘着性樹脂とワックスとの
重量比は１：０．５〜４であるのが好ましく、この範囲
を外れると前記の如き種々の問題が発生し易く好ましく
ない。

【００１３】又、粘着性樹脂のエマルジョン中に更にガ
ラス転移温度の高い樹脂エマルジョンを添加することに
より、粘着性を容易に好ましい範囲に調整することも可
能である。この様な樹脂エマルジョンとしては、例え
ば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸エステル共重合体、ポリエチレン、ポリスチレン、
ポリプロピレン、ポリブデン、塩化ビニル樹脂、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂等の熱可塑性
樹脂、特にアクリルエマルジョンが好適である。この様
な樹脂は前記粘着性樹脂よりも高いガラス転移温度、例
えば、６０℃以上のガラス転移温度を有するものが好ま
しく、場合によっては熱硬化した樹脂であってもよい。
上記粘着性樹脂と高Ｔｇの樹脂とワックスとの重量比は
１〜３：０〜２：１〜３であるのが好ましい。この様な
３成分系の粘着剤は、被転写材に対して点接着する傾向
があり、被転写材の汚れが嫌われる場合、例えば、ＯＨ
Ｐ用シートやトレーシングペーパー等の透明性のある被
転写材である場合に好ましく、これらの被転写材を汚染
することがない。以上の成分からなる接着剤層Ｃは、被
転写材Ｂの表面に設けてもよいが、この場合には印字物
に粘着性が残る為、熱転写シートのインキ層２の表面に
設けることが好ましく、この場合、粘着性樹脂を水性の
エマルジョンとして使用するのでインキ層を損なうこと
もなく好ましい。エマルジョンの塗工方法や乾燥方法は
特に限定されない。上記接着剤層は、０．１〜１０μｍ
（固形分塗工量として０．１〜５ｇ／ｍ² ）の厚みが好
ましい。

【００１４】熱転写シートＡと被転写材Ｂとの接着は、
好ましくは熱転写シートのインキ層の表面に接着剤層を
形成しつつ連続的に被転写材を接着し、これをロール状
に巻き取ることによって行われ、巻き取る際には被転写
材を外側にしても、熱転写シートを外側にしてもよく、
更にこれらを枚葉に裁断したものであってもよい。以上
は本発明の共巻熱転写シートの基本的構成であるが、勿
論、図１の様に熱転写シートの背面にサーマルヘッドの
粘着を防止し且つ滑り性を良くするスリップ層５を設け
たり、基材フイルムとインキ層との間に、転写後表面層
となるワックス層４やマット層４を設けることにより印
字を艶消しにする、インキ層をブラック以外の他の色相
にする等、熱転写シート分野で周知の技術はいずれも本
発明の熱転写シートに付加することが出来る。以上の本
発明の熱転写シートを、例えば、プリンターやプロッタ
ーにセットし、図２に矢印で示す様に搬送し、サーマル
ヘッド６で印字後被転写材Ｂを剥離することによって被
転写材Ｂ上に所望の画像７が形成される。

【００１５】

【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に具体的に説明する。尚、文中、部又は％とあるのは特
に断りのない限り重量基準である。実施例１裏面にスリップ層が設けられている厚さ４．５μｍのポ
リエチレンテレフタレートフイルムを基材フイルムと
し、その一方の面に、カルナウバワックスの４０％含水
イソプロピルアルコールエマルジョンを固形分で０．７
ｇ／ｍ² の割合で塗布し、６０〜７０℃で乾燥してワッ
クス層を形成し、更にその表面に下記のインキ組成物を
固形分で０．７ｇ／ｍ² となる割合で塗工し、８０〜９
０℃で乾燥してインキ層を形成した。インキ組成物カーボンブラック１５部アクリル酸エステル樹脂（ＭＭＡ／ＥＭＡ／ＢＭＡ共重合体）３０部メチルエチルケトン／トルエン（１／１）９０部更に上記インキ層上に下記組成の仮接着剤をグラビアコ
ート法で、乾燥時の塗工量が０．５ｇ／ｍ² となる割合
で塗工後、厚さ１００μｍのポリエステルシート（表面
抵抗値４．５×１０⁸ Ω・ｃｍ）とニップ温度５０℃、
ニップ圧５Ｋｇ／ｃｍ² で貼り合せ、本発明の熱転写シ
ートを得た。

【００１６】実施例２裏面にスリップ層が設けられている厚さ４．５μｍのポ
リエチレンテレフタレートフイルムを基材フイルムと
し、その一方の面に、カルナウバワックスの４０％含水
イソプロピルアルコールエマルジョンを固形分で５ｇ／
ｍ² の割合で塗布し、５０〜６０℃で乾燥してワックス
層を形成し、更にその表面に下記のインキ組成物を固形
分で４ｇ／ｍ² となる割合で塗工し、６０〜７０℃で乾
燥してインキ層を形成した。インキ組成物エチレン／酢酸ビニル共重合体エマルジョン（固形分４０％）７５部カルナバワックスエマルジョン（固形分４０％）５部カーボンブラック水性分散体（固形分４０％）２０部更に上記インキ層上に下記組成の仮接着剤をグラビアコ
ート法で、乾燥時の塗工量が０．５ｇ／ｍ² となる割合
で塗工後、厚さ１００μｍのポリエステルシート（表面
抵抗値４．５×１０⁸ Ω・ｃｍ）とニップ温度５０℃、
ニップ圧５Ｋｇ／ｃｍ² で貼り合せ、本発明の熱転写シ
ートを得た。仮接着剤組成アクリル系粘着性樹脂ディスパージョン（固形分４０％、ガラス転移温度 −５８℃）１０部カルナバワックス水系ディスパージョン（固形分４０％、融点８３℃）１５部水１０部イソプロパノール２０部

【００１７】実施例３実施例１と同様の基材フイルムを用い、その一方の面に
カルナウバワックスの４０％含水イソプロピルアルコー
ルエマルジョンを固形分で０．７ｇ／ｍ² の割合で塗布
し、５０〜６０℃で乾燥してワックス層を形成し、更に
その表面に下記のインキ組成物を固形分で２．０ｇ／ｍ
² となる割合で塗工し、６０〜７０℃で乾燥してインキ
層を形成した。インキ組成物ポリメチルメタクリレート／ポリブチルメタクリレ−ト混合エマルジョン（１／１）（固形分４０％）７５部エチレン／酢酸ビニル共重合体エマルジョン（固形分４０％）５部カーボンブラック水性分散体（固形分４０％）２０部更に上記インキ層上に実施例１と同様にして仮接着剤層
を形成後ポリプロピレンシート（厚さ１２０μｍ、表面
抵抗値５×１０⁹ Ω・ｃｍ）を貼りあわせ本発明の熱転
写シートを得た。

【００１８】実施例４裏面にスリップ層が設けられている厚さ６．０μｍのポ
リエチレンテレフタレートフイルムを基材フイルムと
し、その一方の面に、カルナウバワックスの４０％含水
イソプロピルアルコールエマルジョンを固形分で０．７
ｇ／ｍ² の割合で塗布し、５０〜６０℃で乾燥してワッ
クス層を形成し、更にその表面に下記のインキ組成物を
固形分で２ｇ／ｍ² となる割合で塗工し、６０〜７０℃
で乾燥してインキ層を形成した。インキ組成物ポリエチルメタクリレート／ポリヒドロキシエチルメタクリレ−トエマルジョン（１／２）（固形分４０％）７０部パラフィンワックスエマルジョン（固形分４０％）３部エチレン／酢酸ビニル共重合体エマルジョン（固形分４０％）７部カーボンブラック水性分散体（固形分４０％）２０部更に上記インキ層上に実施例１と同様にして仮接着剤層
を形成後セルローストリアセテートシート（厚さ１５０
μｍ、表面抵抗値１×１０⁹ Ω・ｃｍ）を貼り合わせて
本発明の熱転写シートを得た。

【００１９】比較例１実施例１におけるインキ層を下記組成物からホットメル
ト法で形成した以外は実施例１と同様にして比較例の共
巻熱転写シートを得た。インキ組成物カルナバワックス７０部エチレン／酢酸ビニル共重合体１０部カーボンブラック２０部使用例１上記実施例及び比較例の熱転写シートを用いて大型プロ
ッターで作図して画像を得た。この画像について表面性
摩擦測定機(HEIDON-14、新東科学製）にて耐擦過性試験
を行った。試験条件として直径１ｃｍの鋼球に３００ｇ
加重し、これを印字面にあて６，０００ｍｍ／ｍｉｎ．
の速度で２０回往復後の印字状態を評価して下記表１の
結果を得た。

【表１】 ○：滲みが認められない。 △：やや滲みが認められる。 ×：滲みが著しく認められる。

【００２０】使用例２上記実施例及び比較例の熱転写シートを用いて大型プロ
ッターで作図して画像を得た。この画像の８０〜１００
℃の温度で３分間加熱して耐熱性を調べ下記第１表の結
果を得た。

【表２】 ○：滲みが認められない。 △：やや滲みが認められる。 ×：滲みが著しく認められる。

【００２１】

【効果】以上の如き本発明によれば、共巻熱転写シート
の熱転写シートにおいて、そのインキ層を熱可塑性樹脂
を主体として形成するこによって、耐熱性や耐擦過性に
優れたＯＨＰ画像やトレーシングペーパー画像を形成す
ることが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の熱転写シートの断面を図解的に説明す
る図である。

【図２】本発明の熱転写シートの転写機構の断面を図解
的に説明する図である。

【符合の説明】

Ａ：熱転写シートＢ：実質上透明なシートＣ：接着剤層１：基材フイルム２：インキ層３：マット層４：剥離層５：スリップ層６：サーマルヘッド７：画像

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】基材フイルムの一方の面に熱溶融性イン
キ層を形成してなる熱転写シートと実質上透明なシート
を剥離可能に接着してなり、上記インキ層が実質上熱可
塑性樹脂からなることを特徴とする熱転写シート。
【請求項２】熱可塑性樹脂がアクリル系樹脂である請
求項１に記載の熱転写シート。
【請求項３】インキ層上にワックス層が形成されてい
る請求項１に記載の熱転写シート。
【請求項４】実質上透明なシートがＯＨＰ用シートで
ある請求項１に記載の熱転写シート。
【請求項５】実質上透明なシートがトレーシングペー
パーである請求項１に記載の熱転写シート。