JPH0513004A - 直流型放電表示管およびその陰極の製造方法 - Google Patents
直流型放電表示管およびその陰極の製造方法Info
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- JPH0513004A JPH0513004A JP18395491A JP18395491A JPH0513004A JP H0513004 A JPH0513004 A JP H0513004A JP 18395491 A JP18395491 A JP 18395491A JP 18395491 A JP18395491 A JP 18395491A JP H0513004 A JPH0513004 A JP H0513004A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 特性の高い導電性酸化物を陰極材料に用い、
かつ透光性を付与することによって、輝度およびコント
ラストを増加させた直流型放電表示管およびその安価な
陰極の製造方法を提供する。 【構成】 (1)陰極が元素周期律表のIa,IIa,II
Ia族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する導
電性酸化物で形成され、該陰極の厚みが1μm以下で透
光性を有することを特徴とする直流型放電表示管。 (2) 元素周期律表のIa,IIa,IIIa族から選ば
れる少なくとも1種の元素を含有する有機金属化合物の
1種以上を溶剤で溶解して基体に塗布し、乾燥後、焼成
し、導電性酸化物を基体に被着させることを特徴とする
直流型放電表示管用陰極の製造方法。
かつ透光性を付与することによって、輝度およびコント
ラストを増加させた直流型放電表示管およびその安価な
陰極の製造方法を提供する。 【構成】 (1)陰極が元素周期律表のIa,IIa,II
Ia族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する導
電性酸化物で形成され、該陰極の厚みが1μm以下で透
光性を有することを特徴とする直流型放電表示管。 (2) 元素周期律表のIa,IIa,IIIa族から選ば
れる少なくとも1種の元素を含有する有機金属化合物の
1種以上を溶剤で溶解して基体に塗布し、乾燥後、焼成
し、導電性酸化物を基体に被着させることを特徴とする
直流型放電表示管用陰極の製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は陰極が透光性を有する導
電性酸化物で形成される直流型放電表示管およびその陰
極の製造方法に関する。
電性酸化物で形成される直流型放電表示管およびその陰
極の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】直流型放電表示管の陰極形成材料に要求
される条件としては以下のようなことが挙げられる。す
なわち、 仕事関数が低く、二次電子放射効率が高い
こと、 イオン衝撃に強く、飛散しにくいこと、
導電性であること、 放電ガス吸蔵が少ないこと、
製造が容易であること、 構造が複雑にならないこ
と、等である。
される条件としては以下のようなことが挙げられる。す
なわち、 仕事関数が低く、二次電子放射効率が高い
こと、 イオン衝撃に強く、飛散しにくいこと、
導電性であること、 放電ガス吸蔵が少ないこと、
製造が容易であること、 構造が複雑にならないこ
と、等である。
【0003】これらの条件を満足すべく、従来から多く
の陰極材料が検討されてきた。それらのなかで、上記条
件に適合し、従来汎用されているニッケル系金属よりも
効率のよい陰極材料が提案されている(特願平2−21
8947号、“「第4回マイクロエレクトロニクスシン
ポジウム論文集」、p.81〜84”等)。
の陰極材料が検討されてきた。それらのなかで、上記条
件に適合し、従来汎用されているニッケル系金属よりも
効率のよい陰極材料が提案されている(特願平2−21
8947号、“「第4回マイクロエレクトロニクスシン
ポジウム論文集」、p.81〜84”等)。
【0004】また、表示管特性として、輝度およびコン
トラストが高いことも重要である。
トラストが高いことも重要である。
【0005】高輝度を得る方法として、陰極、放電ガス
や蛍光体等の放電発光に関する材料特性を改善する他
に、単位面積当りの発光面積、表示部の透過率や表示部
以外の反射率を大きくすることも有用である。
や蛍光体等の放電発光に関する材料特性を改善する他
に、単位面積当りの発光面積、表示部の透過率や表示部
以外の反射率を大きくすることも有用である。
【0006】高コントラストを得るには、逆に表示部の
透過率や表示部以外の反射率を小さくすることが有効で
ある。この方法として、発光部と観視方向の間にフィル
ターを設置するのがよいが高コストになる。
透過率や表示部以外の反射率を小さくすることが有効で
ある。この方法として、発光部と観視方向の間にフィル
ターを設置するのがよいが高コストになる。
【0007】薄型の放電表示管構造は、通常、前面(ガ
ラス板)および背面(ガラス板)とで隔壁を挾んで構成
される。陰極形成場所は、次の場所が可能である。
ラス板)および背面(ガラス板)とで隔壁を挾んで構成
される。陰極形成場所は、次の場所が可能である。
【0008】(1)前面板に形成
この場合、陰極を大きくすると表示部が小さくなり、陰
極を小さくすると発光面積が小さくなったり、電流密度
が過大になってスパッタが増える。
極を小さくすると発光面積が小さくなったり、電流密度
が過大になってスパッタが増える。
【0009】(2)背面板に形成
この場合、陰極の反射率を大きくするとコントラストが
低下し、反射率を小さくすると輝度増加も小さい。ま
た、蛍光体を用いる放電表示管では、蛍光体が前面板に
形成されることとなり、これは発光を蛍光体を透過して
見ることになるので輝度が小さい。
低下し、反射率を小さくすると輝度増加も小さい。ま
た、蛍光体を用いる放電表示管では、蛍光体が前面板に
形成されることとなり、これは発光を蛍光体を透過して
見ることになるので輝度が小さい。
【0010】(3)隔壁に形成
この場合、上記した(1),(2)の難点は解消される
ものの、その形成には微細化が必要であり、繁雑で高コ
ストになる。
ものの、その形成には微細化が必要であり、繁雑で高コ
ストになる。
【0011】一方、導電性酸化物を安価に製造する方法
として、厚膜技術を用いることが提案されている。
として、厚膜技術を用いることが提案されている。
【0012】しかしながら、厚膜技術で用いる印刷ペー
ストには、粘結成分が必要なことが多く、この粘結成分
は通常は低融点物質であってその量も相当多い。これら
粘結成分は、低融点ゆえに導電性酸化物と反応し易く、
その特性に悪影響を与えたり、またスパッタによる飛散
量も多くなる。さらに、厚膜印刷ペーストに使用する導
電性酸化物は粉体なので、エージング時間は相当長いも
のである。
ストには、粘結成分が必要なことが多く、この粘結成分
は通常は低融点物質であってその量も相当多い。これら
粘結成分は、低融点ゆえに導電性酸化物と反応し易く、
その特性に悪影響を与えたり、またスパッタによる飛散
量も多くなる。さらに、厚膜印刷ペーストに使用する導
電性酸化物は粉体なので、エージング時間は相当長いも
のである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これら従来
技術の課題に鑑みなされたもので、特性の高い導電性酸
化物を陰極材料に用い、かつ透光性を付与することによ
って、輝度およびコントラストを増加させた直流型放電
表示管およびその陰極の安価な製造方法を提供すること
を目的とする。
技術の課題に鑑みなされたもので、特性の高い導電性酸
化物を陰極材料に用い、かつ透光性を付与することによ
って、輝度およびコントラストを増加させた直流型放電
表示管およびその陰極の安価な製造方法を提供すること
を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記した
従来技術の課題を解決すべく鋭意検討した結果、陰極形
成材料として元素周期律表Ia,IIa,IIIa族から選
ばれる少なくとも1種の元素を含有する導電性酸化物を
1μm以下に形成し、透光性を付与することによって、
上記目的が達成されることを知見し、本発明を完成する
に至った。
従来技術の課題を解決すべく鋭意検討した結果、陰極形
成材料として元素周期律表Ia,IIa,IIIa族から選
ばれる少なくとも1種の元素を含有する導電性酸化物を
1μm以下に形成し、透光性を付与することによって、
上記目的が達成されることを知見し、本発明を完成する
に至った。
【0015】すなわち、本発明の直流型放電表示管は、
陰極が元素周期律表のIa,IIa,IIIa族から選ばれ
る少なくとも1種の元素を含有する導電性酸化物で形成
され、該陰極の厚みが1μm以下で透光性を有すること
を特徴とする。
陰極が元素周期律表のIa,IIa,IIIa族から選ばれ
る少なくとも1種の元素を含有する導電性酸化物で形成
され、該陰極の厚みが1μm以下で透光性を有すること
を特徴とする。
【0016】以下、本発明の直流型放電表示管について
さらに詳しく説明する。
さらに詳しく説明する。
【0017】本発明の直流型放電表示管においては、陰
極形成材料としては、上述のように元素周期律表のI
a,IIa,IIIa族から選ばれる少なくとも1種の元素
を含む導電性酸化物を使用する。
極形成材料としては、上述のように元素周期律表のI
a,IIa,IIIa族から選ばれる少なくとも1種の元素
を含む導電性酸化物を使用する。
【0018】ここで、元素周期律表Ia族元素はリチウ
ム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フ
ランシウムであり、IIa族元素はベリリウム、マグネシ
ウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウ
ムであり、またIIIa族元素はスカンジウム、イットリ
ウム、ランタン、セリウム、ブラセオジウム、ネオジウ
ム、プロメチウム、サマリウム、ユウロビウム、ガドリ
ニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エ
ルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、ア
クチニウム、トリウム、プロトアクチニウム、ウラン、
ネプツニウム、プルトニウム、アメリシウム、キュリウ
ム、バークリウム、カリホルニウム、アインスタイニウ
ム、フェルミウム、メンデレビウム、ノーベリウム、ロ
ーレンシウムである。
ム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フ
ランシウムであり、IIa族元素はベリリウム、マグネシ
ウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウ
ムであり、またIIIa族元素はスカンジウム、イットリ
ウム、ランタン、セリウム、ブラセオジウム、ネオジウ
ム、プロメチウム、サマリウム、ユウロビウム、ガドリ
ニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エ
ルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、ア
クチニウム、トリウム、プロトアクチニウム、ウラン、
ネプツニウム、プルトニウム、アメリシウム、キュリウ
ム、バークリウム、カリホルニウム、アインスタイニウ
ム、フェルミウム、メンデレビウム、ノーベリウム、ロ
ーレンシウムである。
【0019】本発明において使用する放電可能物質とし
ての導電性酸化物は、上記元素周期律表のIa,IIa,
IIIa族から選ばれる少なくとも1種の元素を含み、か
つ導電性を有する酸化物であればよい。上述のIa,II
a,IIIa族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有
しないと、低仕事関数および高二次電子放射効率が得ら
れず、動作電圧の低減が達成されない。本発明に係る導
電性酸化物は、上述のIa,IIa,IIIa族から選ばれ
る少なくとも1種の元素を含む複合酸化物か、それらの
混合物が好ましい。また、低仕事関数および高二次電子
放射効率を達成する点に関しては、Ia,IIa,IIIa
族元素のモル分率の大きな導電性酸化物を用いると一般
に有利である。
ての導電性酸化物は、上記元素周期律表のIa,IIa,
IIIa族から選ばれる少なくとも1種の元素を含み、か
つ導電性を有する酸化物であればよい。上述のIa,II
a,IIIa族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有
しないと、低仕事関数および高二次電子放射効率が得ら
れず、動作電圧の低減が達成されない。本発明に係る導
電性酸化物は、上述のIa,IIa,IIIa族から選ばれ
る少なくとも1種の元素を含む複合酸化物か、それらの
混合物が好ましい。また、低仕事関数および高二次電子
放射効率を達成する点に関しては、Ia,IIa,IIIa
族元素のモル分率の大きな導電性酸化物を用いると一般
に有利である。
【0020】また、この導電性酸化物の結晶構造は特に
制限されず、広汎なものが適用できる。例えばスピネル
型、ReO3型、ペロブスカイト型、K2NiF4型、パ
イロクロア型これらと類似の型、あるいは急冷等で非晶
質化したものが適用できる。
制限されず、広汎なものが適用できる。例えばスピネル
型、ReO3型、ペロブスカイト型、K2NiF4型、パ
イロクロア型これらと類似の型、あるいは急冷等で非晶
質化したものが適用できる。
【0021】本発明の直流型表示管における陰極は、本
発明の効果に悪影響を及ぼさない範囲で粘結成分や導電
性を補う金属成分等の他の成分を含有してもよい。ま
た、本発明に係る陰極形状は任意である。
発明の効果に悪影響を及ぼさない範囲で粘結成分や導電
性を補う金属成分等の他の成分を含有してもよい。ま
た、本発明に係る陰極形状は任意である。
【0022】しかしながら、本発明における陰極は厚み
が1μm以下の膜状であることが必要である。導電性酸
化物で形成される陰極の厚みが薄ければ薄いほど透光性
を有する。この厚みが1μmを超えると光透過率は著し
く小さくなる。厚みの下限は、その材質や膜質によって
変わり、適宜簡単な実験により放電特性、耐スパッタ
性、や光透過率を考慮して決められる。
が1μm以下の膜状であることが必要である。導電性酸
化物で形成される陰極の厚みが薄ければ薄いほど透光性
を有する。この厚みが1μmを超えると光透過率は著し
く小さくなる。厚みの下限は、その材質や膜質によって
変わり、適宜簡単な実験により放電特性、耐スパッタ
性、や光透過率を考慮して決められる。
【0023】さらに、例えば陰極が長く電極抵抗が高い
と、両端での放電特性やエージング特性に差があって都
合が悪い。このような場合、比抵抗の小さな導電性酸化
物を使用することが好ましい。
と、両端での放電特性やエージング特性に差があって都
合が悪い。このような場合、比抵抗の小さな導電性酸化
物を使用することが好ましい。
【0024】また、本発明においては上記陰極の下に金
属を形成することも有効である。放電特性は主に表面で
決定されるので下地金属は任意のものが選択でき、また
金属は充分低抵抗であるので、その上の陰極部分は厚み
方向の抵抗のみ考えればよい。従って、比抵抗が100
Ω・cm程度の導電性酸化物でも充分使用でき、無機絶
縁物量の混合範囲も広く取れる。この方法の他の利点と
しては、陰極を外部回路と接続する場合、金属を用いか
つその一部を露出しておけば、通常のハンダ性、溶接
性、ボンディング性、メッキ性等に問題がないパターン
を一括して形成できることである。また、金属の光沢面
は反射率が大きいので、その上の導電性酸化物によって
コントラストを低下させず輝度を増加できる。
属を形成することも有効である。放電特性は主に表面で
決定されるので下地金属は任意のものが選択でき、また
金属は充分低抵抗であるので、その上の陰極部分は厚み
方向の抵抗のみ考えればよい。従って、比抵抗が100
Ω・cm程度の導電性酸化物でも充分使用でき、無機絶
縁物量の混合範囲も広く取れる。この方法の他の利点と
しては、陰極を外部回路と接続する場合、金属を用いか
つその一部を露出しておけば、通常のハンダ性、溶接
性、ボンディング性、メッキ性等に問題がないパターン
を一括して形成できることである。また、金属の光沢面
は反射率が大きいので、その上の導電性酸化物によって
コントラストを低下させず輝度を増加できる。
【0025】また、本発明の放電表示管にあっては、導
電性酸化物および無機絶縁物がイオン衝撃に強いことか
ら管内封入ガスに有毒な水銀を含ませる必要がなく、従
って水銀を含有しない封入ガスを使用することが好まし
い。
電性酸化物および無機絶縁物がイオン衝撃に強いことか
ら管内封入ガスに有毒な水銀を含ませる必要がなく、従
って水銀を含有しない封入ガスを使用することが好まし
い。
【0026】本発明における陰極は、前面ガラス板に形
成するのが好ましい。その理由は、本発明で使用される
陰極が透光性を有するので、発光面積を大きくしても表
示の妨げとならないためである。また、本発明に係る陰
極を構成する導電性酸化物膜は透光性と共に濃色系の着
色を有するので、グレイフィルターとしての機能も有す
ることとなる。
成するのが好ましい。その理由は、本発明で使用される
陰極が透光性を有するので、発光面積を大きくしても表
示の妨げとならないためである。また、本発明に係る陰
極を構成する導電性酸化物膜は透光性と共に濃色系の着
色を有するので、グレイフィルターとしての機能も有す
ることとなる。
【0027】次に、本発明に係る陰極の好ましい製造方
法について説明する。
法について説明する。
【0028】導電性酸化物薄膜の形成は一般のセラミッ
ク薄膜の形成と同じものが使用できる。例えば蒸着法、
スパッタ法、CVD法等であり、パターニングには一般
の薄膜技術が適用できる。下地金属と本発明における陰
極との接合も公知のものが使用できる。
ク薄膜の形成と同じものが使用できる。例えば蒸着法、
スパッタ法、CVD法等であり、パターニングには一般
の薄膜技術が適用できる。下地金属と本発明における陰
極との接合も公知のものが使用できる。
【0029】ところで、一般に直流型放電表示管はフラ
ット型に形成する場合、その陰極は低コストのガラス板
(基体)上に形成される。低コストのガラスは耐熱性が
低く、適用できる温度は600℃位である。従って、本
発明に係る陰極構成材料の膜を加熱のみによって固着す
ることは困難である。この場合、スパッタや蒸着が一般
に適用されるが、これらの装置は一般に高価であり、し
かも量産性に優れたものとはいい難い。成膜されたもの
をエッチング等でパターニングする方法も同様である。
ット型に形成する場合、その陰極は低コストのガラス板
(基体)上に形成される。低コストのガラスは耐熱性が
低く、適用できる温度は600℃位である。従って、本
発明に係る陰極構成材料の膜を加熱のみによって固着す
ることは困難である。この場合、スパッタや蒸着が一般
に適用されるが、これらの装置は一般に高価であり、し
かも量産性に優れたものとはいい難い。成膜されたもの
をエッチング等でパターニングする方法も同様である。
【0030】本発明者等は、以下に詳述する陰極の製造
方法によると、通常の厚膜技術で使用される印刷技術等
によって、上記陰極を容易に製造できることを知見し
た。
方法によると、通常の厚膜技術で使用される印刷技術等
によって、上記陰極を容易に製造できることを知見し
た。
【0031】すなわち、本発明の陰極の製造方法は、元
素周期律表のIa,IIa,IIIa族から選ばれる少なく
とも1種の元素を含有する有機金属化合物の1種以上を
溶剤で溶解して基体に塗布し、乾燥後、焼成し、導電性
酸化物を基体に被着させることを特徴とするものであ
る。
素周期律表のIa,IIa,IIIa族から選ばれる少なく
とも1種の元素を含有する有機金属化合物の1種以上を
溶剤で溶解して基体に塗布し、乾燥後、焼成し、導電性
酸化物を基体に被着させることを特徴とするものであ
る。
【0032】上記有機金属化合物としては、金属アルコ
キシド、金属アセチルアセトナート等多くのものが使用
可能である。
キシド、金属アセチルアセトナート等多くのものが使用
可能である。
【0033】この有機金属化合物を溶剤により溶解する
際に、必要により膜形成用樹脂も併せて溶解してもよ
い。膜形成用樹脂としては、エチルセルロース、ニトロ
セルロース等のセルロース系やアクリル系の樹脂が使用
できる。また、溶剤としては広範なものが使用できる
が、印刷用としてはベンジルアルコール、ジプロピレン
グリコール等のアルコール類、ベンジルアセテート、カ
ルビトールアセテート等のエステル類、ブチルセロソル
ブ等のエーテル類等の高沸点溶剤が好ましい。
際に、必要により膜形成用樹脂も併せて溶解してもよ
い。膜形成用樹脂としては、エチルセルロース、ニトロ
セルロース等のセルロース系やアクリル系の樹脂が使用
できる。また、溶剤としては広範なものが使用できる
が、印刷用としてはベンジルアルコール、ジプロピレン
グリコール等のアルコール類、ベンジルアセテート、カ
ルビトールアセテート等のエステル類、ブチルセロソル
ブ等のエーテル類等の高沸点溶剤が好ましい。
【0034】上記有機金属化合物またはこれに加えて膜
形成用樹脂は、溶剤に相溶するものを選択すべきであ
る。しかし、焼成による熱分解過程の加熱により相溶す
る場合、成膜時に相溶している必要はない。また、膜形
成に阻害とならない範囲で、非溶解物である微粒子を懸
濁させてもよい。
形成用樹脂は、溶剤に相溶するものを選択すべきであ
る。しかし、焼成による熱分解過程の加熱により相溶す
る場合、成膜時に相溶している必要はない。また、膜形
成に阻害とならない範囲で、非溶解物である微粒子を懸
濁させてもよい。
【0035】このような有機金属化合物等からなる塗布
溶液の粘度は、5000〜50000センチポイズが好
適に使用できる。粘度が5000ポイズより小さいと、
膜厚が薄すぎて放電特性が劣化したり、塗布に印刷を適
用する場合に、細かなパターンが形成できなくなる。5
0000センチポイズより大きいと、塗布膜厚みが大き
くなり、焼成過程で亀裂が発生し、剥離も起こる。
溶液の粘度は、5000〜50000センチポイズが好
適に使用できる。粘度が5000ポイズより小さいと、
膜厚が薄すぎて放電特性が劣化したり、塗布に印刷を適
用する場合に、細かなパターンが形成できなくなる。5
0000センチポイズより大きいと、塗布膜厚みが大き
くなり、焼成過程で亀裂が発生し、剥離も起こる。
【0036】本発明においては、塗布溶液を基体に塗
布、乾燥後、焼成して基体に導電性酸化物を被着させる
が、この際の焼成温度は450〜600℃が好適であ
る。この温度範囲で溶剤および膜形成用の樹脂は充分に
飛散し、有機金属化合物は熱分解して導電性酸化物に変
換され基体に被着される。温度が低すぎると、これら反
応が充分でなく、また温度が高すぎると導電性酸化物と
下地金属や基体と余分な反応をして特性劣化を起こした
り、基体そのものの変形を招く危険がある。
布、乾燥後、焼成して基体に導電性酸化物を被着させる
が、この際の焼成温度は450〜600℃が好適であ
る。この温度範囲で溶剤および膜形成用の樹脂は充分に
飛散し、有機金属化合物は熱分解して導電性酸化物に変
換され基体に被着される。温度が低すぎると、これら反
応が充分でなく、また温度が高すぎると導電性酸化物と
下地金属や基体と余分な反応をして特性劣化を起こした
り、基体そのものの変形を招く危険がある。
【0037】本発明で用いる塗布溶液は、その成分中に
粘結成分を添加しなくても基体に被着できる。また、例
え粘結成分が必要でも、その量は有機金属化合物に対し
て1重量%以下で十分な効果を挙げることができる。従
って、本発明の製造方法により、スパッタされる量が少
なくてすむ。また、形成される陰極薄膜は充分に均質で
あるので、エージングが短くてよく、しかも放電特性も
良好である。
粘結成分を添加しなくても基体に被着できる。また、例
え粘結成分が必要でも、その量は有機金属化合物に対し
て1重量%以下で十分な効果を挙げることができる。従
って、本発明の製造方法により、スパッタされる量が少
なくてすむ。また、形成される陰極薄膜は充分に均質で
あるので、エージングが短くてよく、しかも放電特性も
良好である。
【0038】上記説明から判るように、本発明の直流型
放電表示管にあっては、本発明にかかる陰極構成とする
以外は特に制限されず、他の構造は従来既知の直流型放
電表示管と同様であってもよい。例えば、下面に陽極を
有する陽極基体(例えば前面ガラス)と、上面に陰極を
有する陰極基体(例えば背面ガラス)と、両基体の間を
封止して両極の間に放電セルを形成するための隔壁とを
具備し、かつ該放電セルにペニングガス等のガスを封入
した直流型放電表示管が挙げられる。
放電表示管にあっては、本発明にかかる陰極構成とする
以外は特に制限されず、他の構造は従来既知の直流型放
電表示管と同様であってもよい。例えば、下面に陽極を
有する陽極基体(例えば前面ガラス)と、上面に陰極を
有する陰極基体(例えば背面ガラス)と、両基体の間を
封止して両極の間に放電セルを形成するための隔壁とを
具備し、かつ該放電セルにペニングガス等のガスを封入
した直流型放電表示管が挙げられる。
【0039】
【作用】本発明で使用する陰極材料である特定の導電性
酸化物は、放電特性が良好な上、濃色系に着色された透
光性を有する薄膜である。従って、この陰極を前面ガラ
スに形成すれば、発光部を邪魔することなく発光面積を
大きくすることができる。また、これをフィルターとし
て作用させることも可能なので、コントラストの高い放
電表示管を安価に製造することができる。発光がガスに
よるタイプの場合、陰極グローが前面にきて視野角が改
善できる。蛍光体を用いるタイプでは、蛍光体を背面板
に形成でき、発光を直接見るので輝度が高い。
酸化物は、放電特性が良好な上、濃色系に着色された透
光性を有する薄膜である。従って、この陰極を前面ガラ
スに形成すれば、発光部を邪魔することなく発光面積を
大きくすることができる。また、これをフィルターとし
て作用させることも可能なので、コントラストの高い放
電表示管を安価に製造することができる。発光がガスに
よるタイプの場合、陰極グローが前面にきて視野角が改
善できる。蛍光体を用いるタイプでは、蛍光体を背面板
に形成でき、発光を直接見るので輝度が高い。
【0040】陰極を背面板に形成しても、その下地に反
射率の高い金属を形成すれば、コントラストを良好に保
つたまま輝度を高くできる。
射率の高い金属を形成すれば、コントラストを良好に保
つたまま輝度を高くできる。
【0041】このような直流型放電表示管は製造が容易
であり、また、本発明の製造方法によれば、印刷技術が
適用できるので陰極を安価に製造することができる。
であり、また、本発明の製造方法によれば、印刷技術が
適用できるので陰極を安価に製造することができる。
【0042】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例に基づい
てさらに詳しく説明する。
てさらに詳しく説明する。
【0043】[パネルの作成]下記に示す実施例および
比較例に用いたパネルの材質等の詳細について表1に示
す。
比較例に用いたパネルの材質等の詳細について表1に示
す。
【0044】
【表1】
【0045】また、図1に作成したパネルの表示面から
の模式平面図、図2に図1のパネルの模式断面図をそれ
ぞれ示す。図1〜2において、1は前面ガラス板、2は
背面ガラス板、3は線条電極群、3kは陰極、3aは陽
極、3uは下地金属、4は端子部、5は封止ガラス、6
は隔壁、7は蛍光体をそれぞれ示す。
の模式平面図、図2に図1のパネルの模式断面図をそれ
ぞれ示す。図1〜2において、1は前面ガラス板、2は
背面ガラス板、3は線条電極群、3kは陰極、3aは陽
極、3uは下地金属、4は端子部、5は封止ガラス、6
は隔壁、7は蛍光体をそれぞれ示す。
【0046】図1において、前面ガラス板1および背面
ガラス板2の相対する面には、陰極あるいは陽極の線条
電極群3とこれらに接続する端子部4が形成され、各線
条の電極群3は隔壁6を介して直交する向きに重ね合わ
され、周囲を封止ガラス5でシール後、放電ガスが封入
されている。電極群が直交する交点が放電セルを形成す
る。
ガラス板2の相対する面には、陰極あるいは陽極の線条
電極群3とこれらに接続する端子部4が形成され、各線
条の電極群3は隔壁6を介して直交する向きに重ね合わ
され、周囲を封止ガラス5でシール後、放電ガスが封入
されている。電極群が直交する交点が放電セルを形成す
る。
【0047】図2において、陰極3kが下地金属3u上
に形成され、隔壁6で隔てられて陽極3aが形成され
る。蛍光体7は陽極上に形成される。但し、次に示す実
施例および比較例では、下地金属や蛍光体を用いないも
の、あるいは陽極と陰極の上下が反対のものもある。
に形成され、隔壁6で隔てられて陽極3aが形成され
る。蛍光体7は陽極上に形成される。但し、次に示す実
施例および比較例では、下地金属や蛍光体を用いないも
の、あるいは陽極と陰極の上下が反対のものもある。
【0048】実施例1
前面ガラス板上に、ピッチ0.5mm、線幅0.05m
mのAlからなる陰極下地を形成した。組成がLa0.7
Sr0.3MnO3の導電酸化物焼結体をスパッタリングタ
ーゲットとして使用し、下地金属上にスパッタ膜を形成
後、所定の形状にエッチングして陰極とした。この陰極
は厚み0.3μmで茶褐色を呈し、光透過率は50%で
あった。また、陽極として反射率70%のAuを背面ガ
ラス板上に形成した。
mのAlからなる陰極下地を形成した。組成がLa0.7
Sr0.3MnO3の導電酸化物焼結体をスパッタリングタ
ーゲットとして使用し、下地金属上にスパッタ膜を形成
後、所定の形状にエッチングして陰極とした。この陰極
は厚み0.3μmで茶褐色を呈し、光透過率は50%で
あった。また、陽極として反射率70%のAuを背面ガ
ラス板上に形成した。
【0049】この陰極および陽極を用い、上記の形状お
よび材質等からなるパネルを作成した。なお、放電ガス
としてNe−Arガス(0.5%)、350Torrを
用いた。
よび材質等からなるパネルを作成した。なお、放電ガス
としてNe−Arガス(0.5%)、350Torrを
用いた。
【0050】パネルを作成後、放電電圧が充分に低下し
安定化するまでエージングし、放電電流を一定として、
駆動電圧、輝度、コントラストおよびエージング時間を
測定し、結果を表2に示した。
安定化するまでエージングし、放電電流を一定として、
駆動電圧、輝度、コントラストおよびエージング時間を
測定し、結果を表2に示した。
【0051】比較例1
前面ガラス板上に、平均粒径1μmで組成がLa0.7S
r0.3 MnO3の粉体100容量部と低融点ガラス(ノ
リタケ カンパニー リミテド社製:商品名No.NP
−7095)15容量部とをエチルセルロースをブチル
セロソルブに溶解した液体ビヒクルと共に混練した印刷
ペーストを用い、下地金属上に線幅0.15mmに印刷
した後、550℃で焼成し、陰極を形成した。このよう
にして得られた陰極の厚みは10μmであった。
r0.3 MnO3の粉体100容量部と低融点ガラス(ノ
リタケ カンパニー リミテド社製:商品名No.NP
−7095)15容量部とをエチルセルロースをブチル
セロソルブに溶解した液体ビヒクルと共に混練した印刷
ペーストを用い、下地金属上に線幅0.15mmに印刷
した後、550℃で焼成し、陰極を形成した。このよう
にして得られた陰極の厚みは10μmであった。
【0052】この陰極を用い、上記の形状および材質等
からなるパネルを作成した。なお、使用した下地金属、
陽極および放電ガスは実施例1と同様のものとした。
からなるパネルを作成した。なお、使用した下地金属、
陽極および放電ガスは実施例1と同様のものとした。
【0053】パネルを作成後、実施例1と同様にエージ
ングし、放電電流を一定として、駆動電圧、輝度、コン
トラストおよびエージング時間を測定し、結果を表2に
示した。
ングし、放電電流を一定として、駆動電圧、輝度、コン
トラストおよびエージング時間を測定し、結果を表2に
示した。
【0054】実施例2
背面ガラス板上に、ピッチ0.5mm、線幅0.25m
mのAlからなる陰極下地を形成した。La,Srおよ
びMnの各金属アセチルアセトナート化合物を熱分解
後、組成がLa0.7Sr0.3MnO3となるように、ブチ
ルカルビトールアセテートに溶解混合した。さらにエチ
ルセルロースを添加溶解し、粘度10000センチポイ
ズの塗布溶液を調製した。この塗布溶液を印刷、乾燥
後、550℃で焼成して陰極とした。この陰極は厚み
0.2μm、光透過率は60%であった。また、陽極と
してITO(インジウム−錫化合物)を背面ガラス板上
に形成した。
mのAlからなる陰極下地を形成した。La,Srおよ
びMnの各金属アセチルアセトナート化合物を熱分解
後、組成がLa0.7Sr0.3MnO3となるように、ブチ
ルカルビトールアセテートに溶解混合した。さらにエチ
ルセルロースを添加溶解し、粘度10000センチポイ
ズの塗布溶液を調製した。この塗布溶液を印刷、乾燥
後、550℃で焼成して陰極とした。この陰極は厚み
0.2μm、光透過率は60%であった。また、陽極と
してITO(インジウム−錫化合物)を背面ガラス板上
に形成した。
【0055】この陰極および陽極を用い、上記の形状お
よび材質等からなるパネルを作成した。なお、使用した
放電ガスは実施例1と同様のものとした。
よび材質等からなるパネルを作成した。なお、使用した
放電ガスは実施例1と同様のものとした。
【0056】パネルを作成後、実施例1と同様にエージ
ングし、放電電流を一定として、駆動電圧、輝度、コン
トラストおよびエージング時間を測定し、結果を表2に
示した。
ングし、放電電流を一定として、駆動電圧、輝度、コン
トラストおよびエージング時間を測定し、結果を表2に
示した。
【0057】比較例2
ニッケルを含有する印刷ペースト(デュポン社製:商品
名No.No.9535)を用い、前面ガラス板に線幅
0.15mmに印刷した後、585℃で焼成し、陰極を
形成した。このようにして得られた陰極の厚みは10μ
mであった。なお、ここでは下地金属は使用しなかっ
た。
名No.No.9535)を用い、前面ガラス板に線幅
0.15mmに印刷した後、585℃で焼成し、陰極を
形成した。このようにして得られた陰極の厚みは10μ
mであった。なお、ここでは下地金属は使用しなかっ
た。
【0058】この陰極を用い、上記の形状および材質等
からなるパネルを作成した。なお、使用した陽極は実施
例1と同様のものとし、放電ガスには水銀を封入した。
からなるパネルを作成した。なお、使用した陽極は実施
例1と同様のものとし、放電ガスには水銀を封入した。
【0059】パネルを作成後、実施例1と同様にエージ
ングし、放電電流を一定として、駆動電圧、輝度、コン
トラストおよびエージング時間を測定し、結果を表2に
示した。
ングし、放電電流を一定として、駆動電圧、輝度、コン
トラストおよびエージング時間を測定し、結果を表2に
示した。
【0060】実施例3
前面ガラス板に、ピッチ0.5mm、線幅0.05mm
のAlからなる陰極下地を形成した。La,Srおよび
Coの各金属アセチルアセトナート化合物を熱分解後、
組成がLa0.5Sr0.5CoO3となるように、ブチルカ
ルビトールアセテートに溶解混合した。さらにエチルセ
ルロースを添加溶解し、粘度10000センチポイズの
塗布溶液を調製した。この塗布溶液を印刷、乾燥後、5
50℃で焼成して陰極とした。この陰極は厚み0.3μ
mで黒灰色を呈し、光透過率は50%であった。また、
陽極としてITO(インジウム−錫化合物)を背面ガラ
ス板上に形成した。さらに、この陽極上に蛍光体を被着
した。
のAlからなる陰極下地を形成した。La,Srおよび
Coの各金属アセチルアセトナート化合物を熱分解後、
組成がLa0.5Sr0.5CoO3となるように、ブチルカ
ルビトールアセテートに溶解混合した。さらにエチルセ
ルロースを添加溶解し、粘度10000センチポイズの
塗布溶液を調製した。この塗布溶液を印刷、乾燥後、5
50℃で焼成して陰極とした。この陰極は厚み0.3μ
mで黒灰色を呈し、光透過率は50%であった。また、
陽極としてITO(インジウム−錫化合物)を背面ガラ
ス板上に形成した。さらに、この陽極上に蛍光体を被着
した。
【0061】この陰極および陽極を用い、上記の形状お
よび材質等からなるパネルを作成した。なお、使用した
放電ガスはHe−Xeガス(2%)、250Torrで
あった。
よび材質等からなるパネルを作成した。なお、使用した
放電ガスはHe−Xeガス(2%)、250Torrで
あった。
【0062】パネルを作成後、実施例1と同様にエージ
ングし、放電電流を一定として、駆動電圧、輝度、コン
トラストおよびエージング時間を測定し、結果を表2に
示した。
ングし、放電電流を一定として、駆動電圧、輝度、コン
トラストおよびエージング時間を測定し、結果を表2に
示した。
【0063】実施例4
陰極の組成がLa0.8Ca0.2CrO3とした以外は実施
例3と同様にして前面ガラス板上に陰極を形成した。こ
の陰極は厚み0.35μmで黒緑色を呈し、光透過率は
50%であった。また、陽極としてITO(インジウム
−錫化合物)を背面ガラス板上に形成した。さらに、こ
の陽極上に蛍光体を被着した。
例3と同様にして前面ガラス板上に陰極を形成した。こ
の陰極は厚み0.35μmで黒緑色を呈し、光透過率は
50%であった。また、陽極としてITO(インジウム
−錫化合物)を背面ガラス板上に形成した。さらに、こ
の陽極上に蛍光体を被着した。
【0064】この陰極および陽極を用い、上記の形状お
よび材質等からなるパネルを作成した。なお、使用した
放電ガスは実施例3と同様であった。
よび材質等からなるパネルを作成した。なお、使用した
放電ガスは実施例3と同様であった。
【0065】パネルを作成後、実施例1と同様にエージ
ングし、放電電流を一定として、駆動電圧、輝度、コン
トラストおよびエージング時間を測定し、結果を表2に
示した。
ングし、放電電流を一定として、駆動電圧、輝度、コン
トラストおよびエージング時間を測定し、結果を表2に
示した。
【0066】実施例5
陰極の組成がNi80重量%、Li2O20重量%とし
た以外は実施例3と同様にして洗面ガラス板上に陰極を
形成した。この陰極は厚み0.3μmで黒灰色を呈し、
光透過率は40%であった。また、陽極としてITO
(インジウム−錫化合物)を背面ガラス板上に形成し
た。さらに、この陽極上に蛍光体を被着した。
た以外は実施例3と同様にして洗面ガラス板上に陰極を
形成した。この陰極は厚み0.3μmで黒灰色を呈し、
光透過率は40%であった。また、陽極としてITO
(インジウム−錫化合物)を背面ガラス板上に形成し
た。さらに、この陽極上に蛍光体を被着した。
【0067】この陰極および陽極を用い、上記の形状お
よび材質等からなるパネルを作成した。なお、使用した
放電ガスは実施例3と同様であった。
よび材質等からなるパネルを作成した。なお、使用した
放電ガスは実施例3と同様であった。
【0068】パネルを作成後、実施例1と同様にエージ
ングし、放電電流を一定として、駆動電圧、輝度、コン
トラストおよびエージング時間を測定し、結果を表2に
示した。
ングし、放電電流を一定として、駆動電圧、輝度、コン
トラストおよびエージング時間を測定し、結果を表2に
示した。
【0069】比較例3
背面ガラス板上に、平均粒径1μmで組成がLa0.5S
r0.5CoO3の粉体100容量部と低融点ガラス(ノリ
タケ カンパニー リミテド社製:商品名No.NP−
7095)15容量部とをエチルセルロースをブチルセ
ロソルブに溶解した液体ビヒクルと共に混練した印刷ペ
ーストを用い、下地金属上に線幅0.15mmに印刷し
た後、550℃で焼成し、陰極を形成した。このように
して得られた陰極の厚みは10μmであった。また、陽
極としてITO(インジウム−錫化合物)を背面ガラス
板上に形成した。さらに、この陽極上に蛍光体を被着し
た。
r0.5CoO3の粉体100容量部と低融点ガラス(ノリ
タケ カンパニー リミテド社製:商品名No.NP−
7095)15容量部とをエチルセルロースをブチルセ
ロソルブに溶解した液体ビヒクルと共に混練した印刷ペ
ーストを用い、下地金属上に線幅0.15mmに印刷し
た後、550℃で焼成し、陰極を形成した。このように
して得られた陰極の厚みは10μmであった。また、陽
極としてITO(インジウム−錫化合物)を背面ガラス
板上に形成した。さらに、この陽極上に蛍光体を被着し
た。
【0070】この陰極および陽極を用い、上記の形状お
よび材質等からなるパネルを作成した。なお、使用した
下地金属は実施例1および放電ガスは実施例3と同様の
ものとした。
よび材質等からなるパネルを作成した。なお、使用した
下地金属は実施例1および放電ガスは実施例3と同様の
ものとした。
【0071】パネルを作成後、実施例1と同様にエージ
ングし、放電電流を一定として、駆動電圧、輝度、コン
トラストおよびエージング時間を測定し、結果を表2に
示した。
ングし、放電電流を一定として、駆動電圧、輝度、コン
トラストおよびエージング時間を測定し、結果を表2に
示した。
【0072】
【表2】
【0073】表2に示された実施例と比較例との対比か
ら明らかなように、実施例1〜5は比較例1〜3に比較
して、低電圧で駆動でき、輝度およびコントラストを大
きくなり、また、エージング時間も短縮することができ
る。
ら明らかなように、実施例1〜5は比較例1〜3に比較
して、低電圧で駆動でき、輝度およびコントラストを大
きくなり、また、エージング時間も短縮することができ
る。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の直流型放
電表示管においては、陰極自身が透光性を有するので、
低電圧で駆動でき高輝度および高コントラストを得るこ
とができる。また、陰極材料が耐スパッタに強いので、
水銀封入なしで駆動でき、環境衛生上も好ましい。
電表示管においては、陰極自身が透光性を有するので、
低電圧で駆動でき高輝度および高コントラストを得るこ
とができる。また、陰極材料が耐スパッタに強いので、
水銀封入なしで駆動でき、環境衛生上も好ましい。
【0075】また、本発明の製造方法によって、印刷技
術が適用でき安価に陰極を製造することができる。
術が適用でき安価に陰極を製造することができる。
【図1】 各実施例および比較例で作成したパネル構造
を説明する模式平面図。
を説明する模式平面図。
【図2】 図1の断面の一例を示す模式断面図。
1 前面ガラス板、2 背面ガラス板、3 線条電極
群、3k 陰極、3a 陽極、3u 下地金属、4 端
子部、5 封止ガラス、6 隔壁、7 蛍光体。
群、3k 陰極、3a 陽極、3u 下地金属、4 端
子部、5 封止ガラス、6 隔壁、7 蛍光体。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 横井 達政
愛知県海部郡八開村大字鵜多須字中道74番
地
(72)発明者 神谷 孫典
愛知県豊田市上挙母1丁目5番地
(72)発明者 浅井 秀之
愛知県愛知郡長久手町大字長湫字中池5番
地
(72)発明者 中野 竜次
愛知県名古屋市中川区富田町大字戸田字宮
田30番地
(72)発明者 菊地 直哉
愛知県西加茂郡三好町大字三好字東山300
番地
Claims (8)
- 【請求項1】 陰極が元素周期律表のIa,IIa,III
a族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する導電
性酸化物で形成され、該陰極の厚みが1μm以下で透光
性を有することを特徴とする直流型放電表示管。 - 【請求項2】 前記陰極が前面ガラス板に形成される請
求項1に記載の直流型放電表示管。 - 【請求項3】 前記陰極の下地に金属を有する請求項1
または2に記載の直流型放電表示管。 - 【請求項4】 管内封入ガスが水銀を含まないものであ
る請求項1〜3のいずれかに記載の直流型放電表示管。 - 【請求項5】 元素周期律表のIa,IIa, IIIa族か
ら選ばれる少なくとも1種の元素を含有する有機金属化
合物の1種以上を溶剤で溶解して基体に塗布し、乾燥
後、焼成し、導電性酸化物を基体に被着させることを特
徴とする直流型放電表示管用陰極の製造方法。 - 【請求項6】 前記有機金属化合物を膜成形用樹脂と共
に溶剤に溶解し、基体に塗布する請求項5に記載の陰極
の製造方法。 - 【請求項7】 前記有機金属化合物の塗布が印刷よるも
のである請求項5または6に記載の陰極の製造方法。 - 【請求項8】 前記焼成温度が450〜600℃である
請求項5,6または7に記載の陰極の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18395491A JPH0513004A (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | 直流型放電表示管およびその陰極の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18395491A JPH0513004A (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | 直流型放電表示管およびその陰極の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0513004A true JPH0513004A (ja) | 1993-01-22 |
Family
ID=16144725
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18395491A Pending JPH0513004A (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | 直流型放電表示管およびその陰極の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0513004A (ja) |
-
1991
- 1991-06-28 JP JP18395491A patent/JPH0513004A/ja active Pending
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