JPH05129899A - 負性抵抗型双安定回路とその負性抵抗の制御方法 - Google Patents
負性抵抗型双安定回路とその負性抵抗の制御方法Info
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- JPH05129899A JPH05129899A JP3290172A JP29017291A JPH05129899A JP H05129899 A JPH05129899 A JP H05129899A JP 3290172 A JP3290172 A JP 3290172A JP 29017291 A JP29017291 A JP 29017291A JP H05129899 A JPH05129899 A JP H05129899A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 シリコン半導体基板上にモノリシックに製作
するのに好適な負性抵抗型双安定回路とする。 【構成】 この負性抵抗型双安定回路は、PNPバイポ
ーラトランジスタTr1及びPチャンネルMOS型電界効
果トランジスタ(MOSFET)Tr2で構成され、制御
入力端子B,制御出力端子C,制御入力及び制御出力の
コモン端子Eが設けられている。制御入力端子Bへの電
流IB を変えることにより、制御出力端子C−コモン端
子Eに生ずる負性抵抗の領域及びその大きさを変化させ
ることができる。
するのに好適な負性抵抗型双安定回路とする。 【構成】 この負性抵抗型双安定回路は、PNPバイポ
ーラトランジスタTr1及びPチャンネルMOS型電界効
果トランジスタ(MOSFET)Tr2で構成され、制御
入力端子B,制御出力端子C,制御入力及び制御出力の
コモン端子Eが設けられている。制御入力端子Bへの電
流IB を変えることにより、制御出力端子C−コモン端
子Eに生ずる負性抵抗の領域及びその大きさを変化させ
ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、負性抵抗をもつ双安定
回路とその負性抵抗の制御方法に関し、シリコン半導体
基板上にモノリシックに回路を製作するのに好適なもの
である。
回路とその負性抵抗の制御方法に関し、シリコン半導体
基板上にモノリシックに回路を製作するのに好適なもの
である。
【0002】
【従来の技術】負性抵抗特性を有する半導体素子はアナ
ログ動作、或いはその双安定状態を利用してメモリ動作
などを行わせるなど電子回路の構成上非常に重要な役割
を果たしている。これらの負性抵抗を有する半導体素子
としてはトンネルダイオード、サイリスタ、MIM(Me
tal insulator Metal Diode )などが知られているが、
これらはサイリスタを除いて基本的には2端子素子であ
り、その負性抵抗特性を外部から目的に合わせて制御す
ることは困難である。これらのうちサイリスタは電流制
御型の負性抵抗を持つ素子であるため、直流電圧バイア
スが印加されているときに素子をオフにするのに回路上
の工夫を要する。
ログ動作、或いはその双安定状態を利用してメモリ動作
などを行わせるなど電子回路の構成上非常に重要な役割
を果たしている。これらの負性抵抗を有する半導体素子
としてはトンネルダイオード、サイリスタ、MIM(Me
tal insulator Metal Diode )などが知られているが、
これらはサイリスタを除いて基本的には2端子素子であ
り、その負性抵抗特性を外部から目的に合わせて制御す
ることは困難である。これらのうちサイリスタは電流制
御型の負性抵抗を持つ素子であるため、直流電圧バイア
スが印加されているときに素子をオフにするのに回路上
の工夫を要する。
【0003】電圧制御型の負性抵抗を持つ素子として
は、上記の素子以外に、「特開平2−44758」に記
載されているものがある。これは、等価的にバイポーラ
トランジスタとJ−FETを組み合わせたもので、商品
名「BANBIT」としてサンプル出荷された。しか
し、市場の反響は全くなく、現在量産されていない。
は、上記の素子以外に、「特開平2−44758」に記
載されているものがある。これは、等価的にバイポーラ
トランジスタとJ−FETを組み合わせたもので、商品
名「BANBIT」としてサンプル出荷された。しか
し、市場の反響は全くなく、現在量産されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、電圧制
御型の負性抵抗を持つ素子は、一般に図7に示す特性を
持ち、定電流負荷若しくは抵抗負荷をつなぐことで、単
体で容易に双安定回路を作ることができるという大きな
利点がある。しかし、近年ではIC化が著しく色々の回
路をシリコン基板にモノリシックに製作して小形化軽量
化し、また、回路をモジュール化して設計上の負担を軽
減するようになってきている。電圧制御型の負性抵抗を
持つ素子についてもディスクリート部品として用いるだ
けでなく、シリコン基板にモノリシックに製作し得るこ
とが重要になってくる。このとき、負性抵抗領域の素子
設計の容易性,製造プロセスとのコンパティビリティな
どが要求される。特に、ディジタル回路に用いる場合、
CMOSプロセスとの相性が重要な点になっている。上
述の電圧制御型の負性抵抗を持つ素子では、このような
要求を満たすには至っていない。
御型の負性抵抗を持つ素子は、一般に図7に示す特性を
持ち、定電流負荷若しくは抵抗負荷をつなぐことで、単
体で容易に双安定回路を作ることができるという大きな
利点がある。しかし、近年ではIC化が著しく色々の回
路をシリコン基板にモノリシックに製作して小形化軽量
化し、また、回路をモジュール化して設計上の負担を軽
減するようになってきている。電圧制御型の負性抵抗を
持つ素子についてもディスクリート部品として用いるだ
けでなく、シリコン基板にモノリシックに製作し得るこ
とが重要になってくる。このとき、負性抵抗領域の素子
設計の容易性,製造プロセスとのコンパティビリティな
どが要求される。特に、ディジタル回路に用いる場合、
CMOSプロセスとの相性が重要な点になっている。上
述の電圧制御型の負性抵抗を持つ素子では、このような
要求を満たすには至っていない。
【0005】また、最近では、超格子構造のトランジス
タ、或いは共鳴トンネリングトランジスタなどでこのよ
うな負性抵抗素子を作る試みもなされている。これら
は、高度の薄膜作成技術を要し、シリコン基板にモノリ
シックに製作する上での難点となっている。
タ、或いは共鳴トンネリングトランジスタなどでこのよ
うな負性抵抗素子を作る試みもなされている。これら
は、高度の薄膜作成技術を要し、シリコン基板にモノリ
シックに製作する上での難点となっている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の負性抵抗型双安定回路は、キャリア制御電
極と、このキャリア制御電極に制御されるキャリアが流
出するキャリア出力電極と、キャリアが流入するキャリ
ア入力電極とを有した第1のトランジスタ(バイポーラ
トランジスタ,MOSFETなど)及び第1のトランジ
スタと同じキャリアで動作する第2のトランジスタ(バ
イポーラトランジスタ,MOSFETなど)を備え、第
1のトランジスタのキャリア制御電極と第2のトランジ
スタのキャリア出力電極を接続して制御入力とし、第1
のトランジスタのキャリア出力電極と第2のトランジス
タのキャリア制御電極を接続して制御出力とし、第1の
トランジスタのキャリア入力電極と第2のトランジスタ
のキャリア入力電極を接続して制御入力及び制御出力の
コモンとしたことを特徴とする。
に、本発明の負性抵抗型双安定回路は、キャリア制御電
極と、このキャリア制御電極に制御されるキャリアが流
出するキャリア出力電極と、キャリアが流入するキャリ
ア入力電極とを有した第1のトランジスタ(バイポーラ
トランジスタ,MOSFETなど)及び第1のトランジ
スタと同じキャリアで動作する第2のトランジスタ(バ
イポーラトランジスタ,MOSFETなど)を備え、第
1のトランジスタのキャリア制御電極と第2のトランジ
スタのキャリア出力電極を接続して制御入力とし、第1
のトランジスタのキャリア出力電極と第2のトランジス
タのキャリア制御電極を接続して制御出力とし、第1の
トランジスタのキャリア入力電極と第2のトランジスタ
のキャリア入力電極を接続して制御入力及び制御出力の
コモンとしたことを特徴とする。
【0007】また、本発明の負性抵抗の制御方法は、上
述の負性抵抗型双安定回路について、制御入力とコモン
との間に所定のバイアス電流を流して制御出力とコモン
との間で負性抵抗が発生する電圧を調節することを特徴
とする。
述の負性抵抗型双安定回路について、制御入力とコモン
との間に所定のバイアス電流を流して制御出力とコモン
との間で負性抵抗が発生する電圧を調節することを特徴
とする。
【0008】ここで、第1のトランジスタ及び第2のト
ランジスタがMOSFETであることを特徴としても良
い。
ランジスタがMOSFETであることを特徴としても良
い。
【0009】さらに、第1のトランジスタ及び第2のト
ランジスタがバイポーラトランジスタであることを特徴
としても良い。
ランジスタがバイポーラトランジスタであることを特徴
としても良い。
【0010】
【作用】本発明の負性抵抗型双安定回路では、制御入力
にある一定のバイアス電流を流している場合、制御出力
−コモン間の電圧をゼロから徐々に増加すると、第2の
トランジスタは初めはオフであるため、第1のトランジ
スタのキャリア出力電極−キャリア入力電極間の電流電
圧特性にしたがって制御出力に流れる電流が増加する。
第2のトランジスタがそのバイアス電流に対するキャリ
ア出力電極−キャリア制御電極の電圧特性にしたがって
バイアス電流に対しそのキャリア出力電極を低下させる
程度に制御出力−コモン間の電圧が大きくなると、第1
のトランジスタのキャリア制御電極−キャリア入力電極
間の電圧は低下しはじめ、第1のトランジスタのキャリ
ア出力電極−キャリア入力電極間の電流電圧特性にした
がって制御出力に流れる電流が減少する。ついには第1
のトランジスタのリーク電流程度の非常に小さな値にな
る。
にある一定のバイアス電流を流している場合、制御出力
−コモン間の電圧をゼロから徐々に増加すると、第2の
トランジスタは初めはオフであるため、第1のトランジ
スタのキャリア出力電極−キャリア入力電極間の電流電
圧特性にしたがって制御出力に流れる電流が増加する。
第2のトランジスタがそのバイアス電流に対するキャリ
ア出力電極−キャリア制御電極の電圧特性にしたがって
バイアス電流に対しそのキャリア出力電極を低下させる
程度に制御出力−コモン間の電圧が大きくなると、第1
のトランジスタのキャリア制御電極−キャリア入力電極
間の電圧は低下しはじめ、第1のトランジスタのキャリ
ア出力電極−キャリア入力電極間の電流電圧特性にした
がって制御出力に流れる電流が減少する。ついには第1
のトランジスタのリーク電流程度の非常に小さな値にな
る。
【0011】本発明の負性抵抗の制御方法では、所定の
バイアス電流をあたえることで第2のトランジスタがそ
のキャリア出力電極を低下させる制御出力−コモン間の
電圧が調節されている。
バイアス電流をあたえることで第2のトランジスタがそ
のキャリア出力電極を低下させる制御出力−コモン間の
電圧が調節されている。
【0012】ここで、第1のトランジスタ及び第2のト
ランジスタをMOSFETとした場合、第1のトランジ
スタのキャリア出力電極−キャリア入力電極間の電流電
圧特性はそのゲート長及びゲート幅で調節でき、第2の
トランジスタのバイアス電流に対するキャリア出力電極
−キャリア制御電極の電圧特性もそのゲート長及びゲー
ト幅で調節できるため、制御出力に流れる電流及びそれ
が低下し始める制御出力−コモン間の電圧に自由度を持
たせ得る。
ランジスタをMOSFETとした場合、第1のトランジ
スタのキャリア出力電極−キャリア入力電極間の電流電
圧特性はそのゲート長及びゲート幅で調節でき、第2の
トランジスタのバイアス電流に対するキャリア出力電極
−キャリア制御電極の電圧特性もそのゲート長及びゲー
ト幅で調節できるため、制御出力に流れる電流及びそれ
が低下し始める制御出力−コモン間の電圧に自由度を持
たせ得る。
【0013】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照して説明する。
図1の負性抵抗型双安定回路は、PNPバイポーラトラ
ンジスタTr1及びPチャンネルMOS型電界効果トラン
ジスタ(MOSFET)Tr2で構成され、制御入力端子
B,制御出力端子C,制御入力及び制御出力のコモン端
子Eが設けられている。制御入力端子Bには、トランジ
スタTr1のベース(キャリア制御電極)とMOSFET
Tr2のドレイン(キャリア出力電極)が接続され、制御
出力端子Cには、トランジスタTr1のコレクタ(キャリ
ア出力電極)とゲート(キャリア制御電極)が接続さ
れ、コモン端子Eには、トランジスタTr1のエミッタ
(キャリア入力電極)とMOSFETTr2のソース(キ
ャリア入力電極)が接続されている。
図1の負性抵抗型双安定回路は、PNPバイポーラトラ
ンジスタTr1及びPチャンネルMOS型電界効果トラン
ジスタ(MOSFET)Tr2で構成され、制御入力端子
B,制御出力端子C,制御入力及び制御出力のコモン端
子Eが設けられている。制御入力端子Bには、トランジ
スタTr1のベース(キャリア制御電極)とMOSFET
Tr2のドレイン(キャリア出力電極)が接続され、制御
出力端子Cには、トランジスタTr1のコレクタ(キャリ
ア出力電極)とゲート(キャリア制御電極)が接続さ
れ、コモン端子Eには、トランジスタTr1のエミッタ
(キャリア入力電極)とMOSFETTr2のソース(キ
ャリア入力電極)が接続されている。
【0014】この回路は、つぎのような動作によって負
性抵抗特性を示す。制御入力端子Bへ一定の電流IB を
流した時、制御出力端子C−コモン端子Eの電圧VCEが
0Vから徐々に増加すると、MOSFETTr2のゲート
電圧も増加する。このゲート電圧がMOSFETTr2の
閾値電圧VT を越えるとMOSFETTr2のドレイン電
流が流れはじめ、電流IB を分流し、トランジスタTr1
のベースに流れる電流が減少し始める。このベース電流
の減少によりトランジスタTr1のコレクタ電流が減少
し、制御出力端子Cに流れる電流ICが減少する。この
ようにして負性抵抗が現れ、電流IC と電圧VCEは、図
2に示す特性になっている。電圧VCEが十分に大きくな
ると、MOSFETTr2がオン状態になり、電流IC は
トランジスタTr1のジャンクションリーク電流程度(バ
レー電流は20nA程度になっている。)の小さなもの
になる。
性抵抗特性を示す。制御入力端子Bへ一定の電流IB を
流した時、制御出力端子C−コモン端子Eの電圧VCEが
0Vから徐々に増加すると、MOSFETTr2のゲート
電圧も増加する。このゲート電圧がMOSFETTr2の
閾値電圧VT を越えるとMOSFETTr2のドレイン電
流が流れはじめ、電流IB を分流し、トランジスタTr1
のベースに流れる電流が減少し始める。このベース電流
の減少によりトランジスタTr1のコレクタ電流が減少
し、制御出力端子Cに流れる電流ICが減少する。この
ようにして負性抵抗が現れ、電流IC と電圧VCEは、図
2に示す特性になっている。電圧VCEが十分に大きくな
ると、MOSFETTr2がオン状態になり、電流IC は
トランジスタTr1のジャンクションリーク電流程度(バ
レー電流は20nA程度になっている。)の小さなもの
になる。
【0015】この図からも明らかなように制御入力端子
Bへの電流IB を変えることにより、制御出力端子C−
コモン端子Eに生ずる負性抵抗の領域及びその大きさを
変化させることができる。通常の負性抵抗デバイスが2
端子素子であり、その負性抵抗を制御しえないが、この
図1の回路は制御入力端子Bを使って負性抵抗を制御し
得る点に大きな特徴がある。
Bへの電流IB を変えることにより、制御出力端子C−
コモン端子Eに生ずる負性抵抗の領域及びその大きさを
変化させることができる。通常の負性抵抗デバイスが2
端子素子であり、その負性抵抗を制御しえないが、この
図1の回路は制御入力端子Bを使って負性抵抗を制御し
得る点に大きな特徴がある。
【0016】また、制御出力端子Cに定電流負荷(例え
ば、−2mA)を設け、電流IB を−220μAとする
と、図2の特性図から電圧VCEが−0.25Vと−1.
3Vの2つの安定点を持つ双安定回路として動作する。
また、抵抗負荷の場合でも同様、図2の特性図におい
て、所定の電流IB のVCE−IC 曲線とその抵抗の負荷
線とは2つの交点をもち双安定回路として動作する。
ば、−2mA)を設け、電流IB を−220μAとする
と、図2の特性図から電圧VCEが−0.25Vと−1.
3Vの2つの安定点を持つ双安定回路として動作する。
また、抵抗負荷の場合でも同様、図2の特性図におい
て、所定の電流IB のVCE−IC 曲線とその抵抗の負荷
線とは2つの交点をもち双安定回路として動作する。
【0017】この回路は、設計製造時の設定即ちプロセ
ス条件やレイアウト設計上の設計パラメータなどの設定
によって、図2の特性を自由に制御可能である。例え
ば、トランジスタTr1のベース濃度を小さくすると、ト
ランジスタTr1の電流増幅率β(即ち制御出力端子Cに
流れる電流IC /電流IB )を増加させることができ、
ピーク電流値IC を変えることができる。また、ピーク
電流値をとる制御出力端子C−コモン端子Eの電圧VCE
(ピーク電圧)については、MOSFETTr2のW/L
比(ゲート幅−ゲート長比)を変えると、MOSFET
Tr2のドレイン特性が変わり、スレーショルド電圧が変
わって、ピーク電圧VCEを変化させることができる。同
時に、ピーク電流値IC も変えることができる。バレー
電流については、MOSFETTr2のチャンネル幅を広
げるとより小さくなる。さらに、素子のレイアウトによ
って非常に高速動作をさせることが可能である。また、
トランジスタTr1のベース−コレクタ間をショットキー
ダイオードでクランプすることによって高速化し得る。
この回路はBi−CMOSプロセスで製作するのが好適
である。
ス条件やレイアウト設計上の設計パラメータなどの設定
によって、図2の特性を自由に制御可能である。例え
ば、トランジスタTr1のベース濃度を小さくすると、ト
ランジスタTr1の電流増幅率β(即ち制御出力端子Cに
流れる電流IC /電流IB )を増加させることができ、
ピーク電流値IC を変えることができる。また、ピーク
電流値をとる制御出力端子C−コモン端子Eの電圧VCE
(ピーク電圧)については、MOSFETTr2のW/L
比(ゲート幅−ゲート長比)を変えると、MOSFET
Tr2のドレイン特性が変わり、スレーショルド電圧が変
わって、ピーク電圧VCEを変化させることができる。同
時に、ピーク電流値IC も変えることができる。バレー
電流については、MOSFETTr2のチャンネル幅を広
げるとより小さくなる。さらに、素子のレイアウトによ
って非常に高速動作をさせることが可能である。また、
トランジスタTr1のベース−コレクタ間をショットキー
ダイオードでクランプすることによって高速化し得る。
この回路はBi−CMOSプロセスで製作するのが好適
である。
【0018】図3の負性抵抗型双安定回路は、トランジ
スタ両方をNチャンネルMOS型電界効果トランジスタ
(MOSFET)Tr1,Tr2で構成されたもので、通常
のCMOSプロセスをそのまま使って1.2μmルール
で製作されている。
スタ両方をNチャンネルMOS型電界効果トランジスタ
(MOSFET)Tr1,Tr2で構成されたもので、通常
のCMOSプロセスをそのまま使って1.2μmルール
で製作されている。
【0019】この回路は、電流IC と電圧VCEの間に図
4に示す特性を持ち、前述の回路と同様、負性抵抗が現
れる。この回路の電流増幅率(電流IC /電流IB )
は、12.4となっている。この回路も図1の回路と同
様プロセス条件及び設計パラメータの設定によって、図
3の特性を自由に制御可能である。
4に示す特性を持ち、前述の回路と同様、負性抵抗が現
れる。この回路の電流増幅率(電流IC /電流IB )
は、12.4となっている。この回路も図1の回路と同
様プロセス条件及び設計パラメータの設定によって、図
3の特性を自由に制御可能である。
【0020】図1の回路と比較して、通常の集積回路技
術(CMOSプロセス)とのコンパティビリティが良く
高集積化が可能になり、基板上に占める面積がバイポー
ラトランジスタと比較して非常に小さくなり、消費電力
が少なくなる、という利点がある。これは、SRAMへ
の応用に向いている。また、新たな設備投資が不要で、
製造コストが低い、という利点がある。一方、電流増幅
率(電流IC /電流IB )を大きくとれない、電流駆動
能力が小さい、という欠点はあるが、これらは、プロセ
ス条件の設定または設計パラメータの変更によって、例
えば、MOSFETTr1,Tr2のW/L比をかえること
で調節可能である。
術(CMOSプロセス)とのコンパティビリティが良く
高集積化が可能になり、基板上に占める面積がバイポー
ラトランジスタと比較して非常に小さくなり、消費電力
が少なくなる、という利点がある。これは、SRAMへ
の応用に向いている。また、新たな設備投資が不要で、
製造コストが低い、という利点がある。一方、電流増幅
率(電流IC /電流IB )を大きくとれない、電流駆動
能力が小さい、という欠点はあるが、これらは、プロセ
ス条件の設定または設計パラメータの変更によって、例
えば、MOSFETTr1,Tr2のW/L比をかえること
で調節可能である。
【0021】上述の回路以外に、図5に示すような構成
をとることが可能である。
をとることが可能である。
【0022】これら図5の回路はいずれも、制御入力端
子Bへ一定の電流IB を流した時、図6に示すような電
圧制御型の負性抵抗特性をしめす。図5(a),(b)
は、図1,図3の回路を構成するトランジスタの極性を
変えたものであり前述の回路とほぼ同様の動作をする。
図5(c),(d)はバイポーラトランジスタのみで構
成したもので、シリコンの場合ピーク電圧VCEはおよそ
0.6Vの一定の値になり、バレー電流は十分に小さく
ならず消費電流が大きくなるが、高速動作になるという
利点がある。
子Bへ一定の電流IB を流した時、図6に示すような電
圧制御型の負性抵抗特性をしめす。図5(a),(b)
は、図1,図3の回路を構成するトランジスタの極性を
変えたものであり前述の回路とほぼ同様の動作をする。
図5(c),(d)はバイポーラトランジスタのみで構
成したもので、シリコンの場合ピーク電圧VCEはおよそ
0.6Vの一定の値になり、バレー電流は十分に小さく
ならず消費電流が大きくなるが、高速動作になるという
利点がある。
【0023】
【発明の効果】以上の通り本発明の負性抵抗型双安定回
路によれば、定電流負荷若しくは抵抗負荷をつなぐこと
で、容易に双安定回路を作ることができ、これを用いて
メモリなどを構成することができる。また、制御入力と
コモンとの間のバイアス電流にてこの双安定回路の安定
点を調節でき、第1のトランジスタ及び第2のトランジ
スタをMOSFETとした場合、負性抵抗型双安定回路
の特性に自由度を持たせ得るため、使用される設計条件
に応じて負性抵抗型双安定回路を応用することができ
る。
路によれば、定電流負荷若しくは抵抗負荷をつなぐこと
で、容易に双安定回路を作ることができ、これを用いて
メモリなどを構成することができる。また、制御入力と
コモンとの間のバイアス電流にてこの双安定回路の安定
点を調節でき、第1のトランジスタ及び第2のトランジ
スタをMOSFETとした場合、負性抵抗型双安定回路
の特性に自由度を持たせ得るため、使用される設計条件
に応じて負性抵抗型双安定回路を応用することができ
る。
【図1】本発明の負性抵抗型双安定回路をPNPバイポ
ーラトランジスタ及びPチャンネルMOSFETで構成
したときの回路図。
ーラトランジスタ及びPチャンネルMOSFETで構成
したときの回路図。
【図2】図1の回路の特性図。
【図3】本発明の負性抵抗型双安定回路をNチャンネル
MOSFETで構成したときの回路図。
MOSFETで構成したときの回路図。
【図4】図3の回路の特性図。
【図5】本発明の負性抵抗型双安定回路の他の構成例の
回路図。
回路図。
【図6】本発明の負性抵抗型双安定回路の負性抵抗を表
す図。
す図。
【図7】負性抵抗素子の一般的特性図。
Tr1,Tr2…バイポーラトランジスタまたはMOSFE
T B…制御入力端子 C…制御出力端子 E…コモン端子
T B…制御入力端子 C…制御出力端子 E…コモン端子
Claims (4)
- 【請求項1】 キャリア制御電極と、このキャリア制御
電極に制御されるキャリアが流出するキャリア出力電極
と、前記キャリアが流入するキャリア入力電極とを有し
た第1のトランジスタ及び前記第1のトランジスタと同
じ前記キャリアで動作する第2のトランジスタを備え、 前記第1のトランジスタのキャリア制御電極と前記第2
のトランジスタのキャリア出力電極を接続して制御入力
とし、 前記第1のトランジスタのキャリア出力電極と前記第2
のトランジスタのキャリア制御電極を接続して制御出力
とし、 前記第1のトランジスタのキャリア入力電極と前記第2
のトランジスタのキャリア入力電極を接続して前記制御
入力及び前記制御出力のコモンとしたことを特徴とする
負性抵抗型双安定回路。 - 【請求項2】 請求項1記載の負性抵抗型双安定回路に
ついて、 前記制御入力と前記コモンとの間に所定のバイアス電流
を流して前記制御出力と前記コモンとの間で負性抵抗が
発生する電圧を調節することを特徴とする負性抵抗の制
御方法。 - 【請求項3】 前記第1のトランジスタ及び前記第2の
トランジスタがMOSFETであることを特徴とする請
求項1記載の負性抵抗型双安定回路。 - 【請求項4】 前記第1のトランジスタ及び前記第2の
トランジスタがバイポーラトランジスタであることを特
徴とする請求項1記載の負性抵抗型双安定回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29017291A JP3290452B2 (ja) | 1991-11-06 | 1991-11-06 | 負性抵抗型双安定回路とその負性抵抗の制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29017291A JP3290452B2 (ja) | 1991-11-06 | 1991-11-06 | 負性抵抗型双安定回路とその負性抵抗の制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05129899A true JPH05129899A (ja) | 1993-05-25 |
JP3290452B2 JP3290452B2 (ja) | 2002-06-10 |
Family
ID=17752684
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29017291A Expired - Fee Related JP3290452B2 (ja) | 1991-11-06 | 1991-11-06 | 負性抵抗型双安定回路とその負性抵抗の制御方法 |
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JP (1) | JP3290452B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5519348A (en) * | 1992-12-28 | 1996-05-21 | Oki Electric Industry Co., Ltd. | Sense circuit, memory circuit, negative-resistance circuit, schmitt trigger, load circuit, level shifter, and amplifier |
US7206329B2 (en) | 2004-01-30 | 2007-04-17 | Ricoh Printing Systems Co., Ltd. | Driving system for a semiconductor laser device |
WO2022202238A1 (ja) * | 2021-03-25 | 2022-09-29 | 株式会社オートネットワーク技術研究所 | ラッチ回路及び給電制御装置 |
-
1991
- 1991-11-06 JP JP29017291A patent/JP3290452B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US5519348A (en) * | 1992-12-28 | 1996-05-21 | Oki Electric Industry Co., Ltd. | Sense circuit, memory circuit, negative-resistance circuit, schmitt trigger, load circuit, level shifter, and amplifier |
US7206329B2 (en) | 2004-01-30 | 2007-04-17 | Ricoh Printing Systems Co., Ltd. | Driving system for a semiconductor laser device |
WO2022202238A1 (ja) * | 2021-03-25 | 2022-09-29 | 株式会社オートネットワーク技術研究所 | ラッチ回路及び給電制御装置 |
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Publication number | Publication date |
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JP3290452B2 (ja) | 2002-06-10 |
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