JPH05129163A - 高容量電解コンデンサ用電極材料 - Google Patents

高容量電解コンデンサ用電極材料

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JPH05129163A
JPH05129163A JP34934591A JP34934591A JPH05129163A JP H05129163 A JPH05129163 A JP H05129163A JP 34934591 A JP34934591 A JP 34934591A JP 34934591 A JP34934591 A JP 34934591A JP H05129163 A JPH05129163 A JP H05129163A
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JP
Japan
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thin film
substrate
metal thin
electrolytic capacitor
metal
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JP34934591A
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English (en)
Inventor
Kazuyoshi Koide
和佳 小出
Tomoyuki Minami
智幸 南
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Toyo Metallizing Co Ltd
Original Assignee
Toyo Metallizing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基体に金属薄膜を形成した電解コンデンサ用
電極箔において、高い静電容量を得ること、および静電
容量の経時変化を防止すること。 【構成】 基体上に形成したカラム構造の集合体からな
る金属薄膜をプラズマ酸化してなる電解コンデンサ用電
極箔。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電解コンデンサ用電極
材料に関するものであり、さらに詳しくは、静電容量が
高く安定した電極材料に関する。
【0002】
【従来の技術】電解コンデンサ用電極箔としては、一般
にアルミニウム箔にエッチングを施して表面積を拡大し
たものが用いられている。電極の表面積を拡大すること
は、コンデンサの静電容量を増加させるために必須であ
り、小型大容量化への要求から更に電極の表面積を拡大
することが求められている。しかし、エッチングによる
アルミニウム箔の表面積拡大は、アルミニウム箔の強度
の低下などから限界に近付いている。
【0003】これに対して特開昭56−29669号公
報では、基体上にアルミニウムやタンタルなどの弁金属
の蒸気を入射させて多孔質金属膜を作成し、表面積が拡
大した電解コンデンサ電極箔を得ることが提案されてい
る。また特開昭59−167009号公報では、アルミ
ニウム箔などの基体上にアルミニウム、タンタル、チタ
ン、ニオブ、ジルコニウムなどの弁金属をアルゴンなど
の不活性ガス中で蒸着して多孔質膜を形成し、電極の表
面積を拡大すると共に誘電率を増加させることが提案さ
れている。
【0004】これらの技術は電解コンデンサの見掛けの
単位面積当たりの静電容量の増加に大きな効果がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の技術には未だ以下のような課題があった。
【0006】真空蒸着により金属薄膜をアルミニウム箔
基体に形成させる場合、真空中では金属薄膜表面はほと
んど酸化されず、誘電層が形成されないまま巻き上げら
れて真空系外に取り出される。大気中に取り出された該
金属薄膜表面は大気中の酸素と反応して金属酸化物とな
り誘電層が形成される。この時点では該誘電層の厚さは
薄く該金属薄膜蒸着アルミニウム箔は高い静電容量を示
すが、該金属薄膜蒸着アルミニウム箔を空気中に放置す
ると蒸着金属薄膜の表面は自然酸化され誘電層の厚みが
増大し静電容量は低下する。この変化は徐々に進み静電
容量が安定するまでには数日間から十数日間を要すると
いう問題があった。
【0007】本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み
創案されたもので、その目的とするところは製造直後か
ら静電容量が安定した電解コンデンサ用電極箔を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる発明の目的は、基
体の少なくとも片面に金属薄膜が形成されてなる電解コ
ンデンサ用電極材料であって、該金属薄膜がカラム構造
の集合体からなり、該金属薄膜をプラズマ酸化すること
により達成される。
【0009】本発明において用いられる基体としては、
アルミニウム箔などの金属箔を用いることができる。ま
た、アルミニウム箔の他にアルミニウム合金箔やアルミ
ニウム以外の金属箔、プラスチックフィルム、紙なども
用いることができるが、漏れ電流が小さい点や機械的強
度が高い点からアルミニウム箔、アルミニウム合金箔ま
たはプラスチックフィルムの採用が好ましく、さらに電
気抵抗が小さい点からアルミニウム箔、アルミニウム合
金箔の採用が好ましい。該基体の厚さは、機械的強度と
占有体積の関係から5〜100μmの範囲が好ましい。
該基体は、引っ張り強度が7kg/mm以上であるこ
とが金属薄膜蒸着工程での熱ダメージを小さくする点で
好ましい。
【0010】基体がプラスチックフィルムの場合、該プ
ラスチックフィルムの材料としてはポリエチレンテレフ
タレート、ポリカーボネートなどのポリエステル類、ポ
リプロピレンなどのポリオレフィン類、ポリフェニレン
スルフィドなどのポリアリレンスルフィド類、ポリアミ
ド類、芳香族ポリアミド類、ポリエーテルケトン類およ
びポリイミド類などか挙げられるが、電気的特性や価格
の点でポリエチレンテレフタレートまたはポリプロピレ
ンが好ましい。
【0011】該基体の表面はエッチングによって形成さ
れるボアやサンドブラストなどによる粗面化処理が施さ
れておらず、実質的に平坦であることが好ましい。さら
に具体的には、隣接する突起と谷との高低差の平均値で
あるRMSで表面粗さを表した時、0.03μm以下で
あることが好ましい。これにより、基体を薄くして生産
性の向上やコンデンサの小型化を図ることができる。
【0012】本発明の金属薄膜がプラスチックフィルム
などの非導電性基体の片面だけに形成される場合は、こ
れらの膜が形成される方とは反対の面が金属化されてい
る必要がある。プラスチックフィルムの金属化は蒸着や
スパッタによる金属膜の形成でなされる。この金属膜は
導電性が高いほど誘電損失が小さくなり好ましいのでア
ルミニウム膜または亜鉛膜であることが好ましい。ま
た、該金属膜の厚さは厚いほど導電性が良好になり、一
方薄いほどセルフヒーリングしやすいので、0.03〜
0.15μmの範囲が好ましい。
【0013】本発明の金属薄膜形成をチタン、ジルコニ
ウム、タンタル、ニオブ、ハフニウムなどの導電性が高
くない金属を用いてプラスチックフィルムなどの非導電
性基体に形成する場合は、それに先だって該金属薄膜が
形成される面を金属化しておくことが誘電損失を小さく
できる点で好ましい。さらに、該金属化に先立ち易接着
化処理などの前処理が行われても良い。
【0014】本発明でいう金属薄膜はアルミニウム、チ
タン、ジルコニウム、タンタル、ニオブおよびハフニウ
ムのいわゆる弁金属もしくは金、白金、パラジウムなど
の貴金属の群から選ばれた少なくとも1種の金属または
これらの合金からなることが好ましいが、コバルト、ク
ロム、ニッケル、銀、銅、鉄、亜鉛などの金属やこれら
の合金も採用可能である。チタンは、静電容量の増加に
効果が大きく好ましい。該チタンはMg、Ca、Sr、
BaおよびAlから選ばれた少なくとも1種の金属を含
む合金であっても良い。
【0015】該金属または合金薄膜の純度は漏れ電流を
小さくするために99.8%以上、さらに好ましくは9
9.9%以上であることが望ましい。
【0016】この金属薄膜には特性を損なわない範囲
で、酸素、窒素などが含まれていても良い。
【0017】本発明の金属薄膜は、カラム構造の集合体
からなることが静電容量の増大のために不可欠である。
以下カラム構造について図2を用いて説明する。図2は
カラム構造の集合体を模式的に示したものであり、薄膜
の厚さ方向に伸びた柱状の粒子(カラム)の集合体であ
る。図2においてaは基体、bは金属薄膜を構成するカ
ラムの一つである。該カラムは、基体側より金属薄膜表
面側で細い場合、金属薄膜表面側より基体側で細い場
合、金属薄膜の厚さ方向にほぼ均一な太さの場合などが
あるが、電解液の浸透のしやすさの点で、該カラムは基
体側より金属薄膜表面側で細いこと、もしくは金属薄膜
の厚さ方向にほぼ均一な太さであることが好ましい。ま
た、カラムは湾曲していたり、基体表面に対して傾いて
いても良い。
【0018】該カラムは基体表面上に密度5×10
1×1012個/cm、間隔50〜1000オングス
トロームの範囲内で、表面拡大率が30〜1000倍と
なるように形成されていることが特に好ましい。これよ
り密度が低くカラム間隔が広い場合は電解液の浸透は十
分であるが表面積拡大効果が小さく低い静電容量しか得
られない。逆にこれより密度が高くカラム間隔が狭い場
合は表面積は十分拡大されているが狭小なカラム間に電
解液が十分浸透せず同様に低い静電容量しか得られな
い。
【0019】該カラムの集合体からなる金属薄膜の膜厚
さは、基体の熱ダメージを抑制するためと低コスト化を
図るためには薄い方が良く、一方、静電容量を増大させ
るには厚い方が良いので、膜厚は100オングストロー
ム以上10000オングストローム未満の範囲から選ば
れるのが好ましく、200〜8000オングストローム
の範囲から選ばれるのがさらに好ましく、300〜50
00オングストロームの範囲から選ばれるのが最も好ま
しくい。
【0020】なお、上述の図2に示した例では各カラム
がそれぞれ分離された構造を持つ場合であるが、もちろ
んこれらの構造のものに限定されるものでなく、例え
ば、各カラムが部分的に分離されておらず、例えば図2
のcに模式的に示すように隣接するカラムが基体側にお
いてある範囲で一体構造をとっても良い。
【0021】金属薄膜がカラム構造の集合体からなって
いることは、金属薄膜を超薄切片に切り出し、透過型電
子顕微鏡にて観察することで確認することができる。膜
厚さおよびカラム間隔も同様に求めることができる。カ
ラム密度は薄膜表面の走査型電子顕微鏡写真から求める
ことができる。表面拡大率はBET法による表面積の測
定結果から求めることができる。
【0022】金属薄膜は真空蒸着、スパッタ、CVDな
といわゆる真空薄膜析出技術により形成される。高速に
薄膜形成ができる点で、真空蒸着法の採用が好ましい。
真空蒸着法の蒸発源加熱方法としては電子ビーム加熱器
の他に誘導加熱器、抵抗加熱器、レーザー加熱器などが
採用できるが、高速に高融点金属を蒸発できることから
電子ビーム加熱器を採用することが好ましい。これらの
蒸発源と基体との間に高周波電力を放射するなどしてイ
オンプレーティングを行うことは適宜許される。また、
これらの蒸発源はドラムの真下にある必要はなく、材料
使用効率などの点から好適な位置を適宜選んでもよい。
真空蒸着においては、金属薄膜の静電容量を大きくする
ために金属蒸気が基体へ入射する領域に不活性ガスを差
し向けるのが好ましい。該不活性ガスとしては、アルゴ
ン、ネオン、クリプトン、ヘリウムなどの希ガスの他、
窒素や水素も採用することができる。また、不活性ガス
に少量の酸素を添加することは、薄膜の微細構造を細か
くして、静電容量を増加させる効果があるので好まし
い。
【0023】真空蒸着法による本発明の金属薄膜の形成
を図1にしたがって説明する。図1は長尺基体巻出し巻
取り走行系を備えた本発明に使用される真空蒸着装置の
好適例を模式的に示したものである。真空槽16内に巻
出し軸2、巻取り軸3、円筒状の冷却ドラム4から成る
長尺基体走行系が設置されている。該基体走行系に所定
の長尺基体1を設置する。真空槽16は巻出し軸2、巻
取軸3およびプラズマ処理部12、13、15、15′
などが収められた上室17と、蒸発源6が収められた下
室18とに隔壁8、8′およびマスク19、19′で分
離されており排気口10および11よりそれぞれ真空排
気される。マスク19、19′は蒸発源6からの蒸気の
基体1への到達量を調節する。下室18内を5×10
−5torr以下に排気した後、バルブ9および/ある
いは9′を開き、ノズル7および/あるいは7′を通し
て下室に不活性ガスを導入し、下室内圧力を2×10
−4〜1×10−2torrの範囲の所定の圧力に調整
する。蒸発源6は電子ビーム加熱器(図示せず)で加熱
される。基体1を走行させつつ蒸発源を溶融蒸発させ
て、基体上に所定の厚さの金属薄膜を付着させる。同様
にして基体のもう一方の面にも金属薄膜を付着させる。
【0024】本発明においてプラズマ酸化とは、金属薄
膜を大気圧もしくは減圧下の酸素ガス中にてグロー放電
処理することをいう。処理効果の大きさの点から減圧下
でのグロー放電処理が好ましい。グロー放電処理とは、
発生させたグロー放電に処理物を晒すことをいう。減圧
下のグロー放電処理の処理時の圧力は10×10−3
10torrの範囲が好ましく、5×10−3〜1to
rrの範囲がさらに好ましい。処理雰囲気は酸素ガスが
好ましいが、酸素ガスとアルゴン、ネオン、ヘリウムな
どの不活性ガスや窒素、水素、二酸化炭素などの混合ガ
ス、あるいは空気であっても良い。これらの混合ガス系
の酸素濃度は10容量%以上が好ましい。
【0025】グロー放電の放電強度は200〜1000
0W・min/mの範囲が好ましく、500〜300
0W・min/mの範囲が更に好ましい。放電強度が
小さすぎると金属薄膜の酸化が不十分となり、逆に放電
強度が大きすぎると基体が熱変形を起こすので好ましく
ない。ここで言う放電強度とは、放電に使われる電力を
長尺基体走行方向に対して直角方向に配置されたグロー
放電電極の長さとグロー放電処理を受ける基体の速度で
除した値である。グロー放電のための電力の供給は直流
であっても交流であっても良い。交流の周波数は特に限
定されないが、グロー放電の広がりが大きい点で50k
Hz以上の高周波が好ましい。
【0026】グロー放電処理に使われる電極の形状は円
筒形、平板形などから選ばれる。円筒形の電極には、金
属の棒、金属パイプ、ガラス被覆した金属の棒やパイ
プ、中に電極を通したガラスパイプなどから選ばれる。
平板電極には、金属板、ガラス被覆した金属板などから
選ばれる。該電極は、グロー放電処理効果を高めるため
に、同軸マグネトロンと呼ばれる電極も用いることがで
きる。同軸マグネトロンとは、電極として使う金属パイ
プの中に磁石をいれたもので、磁界の作用によって電子
が電極近傍に収束されるのでより強い処理を行うことが
できる。また、これらの電極は内部からもしくは外部か
ら冷却されるほうが好ましい。該電極と基体との距離は
1mm〜100mmが好ましく、5mm〜70mmがさ
らに好ましい。
【0027】長尺基体をプラズマ酸化する場合は、長尺
基体を走行させながらグロー放電処理するのが好まし
い。更に基体上に金属薄膜を蒸着する領域の後方にグロ
ー放電処理電極を設けることにより、金属薄膜の蒸着と
グロー放電処理を同一真空槽内で連続して処理すること
は、生産性向上の点で好ましい。もちろん金属薄膜の蒸
着とグロー放電処理を異なる装置で実施してもかまわな
い。
【0028】長尺基体走行系にグロー放電電極を設けた
本発明に使用される装置の好適例の概略を図1に示す。
15、15′はグロー放電電極、12はグロー放電電極
を取り囲むように設けられた覆いである。覆い12は必
ずしも必要でないが、覆いを設置することはノズル13
から導入した酸素ガスをグロー放電電極の近房に閉じ込
めるので、グロー放電処理に必要なガス量を少なくし真
空排気系の負担を軽減する効果があるので好ましい。覆
いの材料は金属でも絶縁物でもよい。グロー放電電極1
5、15′は電源20と接続され電力が供給される。グ
ロー放電電極15と15′の距離は2〜200mmの範
囲が好ましく、さらに10〜140mmが好ましい。
【0029】
【作用】本発明の作用の詳細は明らかでないが次のよう
に推測される。
【0030】本発明の金属薄膜を構成するカラムの間隔
は50〜5000オングストロームと非常に狭く、空気
などの気体の自然な出入りは極めてわずかなものと推測
される。したがって、金属薄膜を大気中に放置した場
合、該金属薄膜の表面を構成するカラムの頭部は比較的
早く自然酸化されるが、カラムの中段や根元の側面の自
然酸化速度は極めて遅いものと推測される。表面に金属
薄膜を形成しただけの基体を大気中に保管すると、静電
容量の経時変化が極めて大きいのはこのことに因るもの
と推測される。一方、本発明の特長は該金属薄膜をプラ
ズマ酸化するものであり、減圧下のグロー放電にて活性
化された酸素原子もしくは酸素分子が、減圧により長く
なった自由行程の範囲内で活発に飛翔する。このため、
該酸素は間隔の狭いカラム間に十分侵入しカラムの側面
を迅速に酸化する。その結果、本発明の金属薄膜が形成
された電解コンデンサ用電極箔は製造直後から安定した
静電容量を示すものと推定される。
【0031】
【特性の測定法、評価法】(1)静電容量の測定方法 試料を50mm×50mmの大きさに切り出し、被測定
面だけが露出するようにホルダーに取り付ける。10重
量%硼酸アンモニウム水溶液を電解液として、試料ホル
ダーとカーボン板(日本カーボン(株)製EG−NP
L)を30mm間隔で対抗させた。試料とカーボン板を
電極としてLCRメーター(横河ヒューレット・パッカ
ード(株)製4261A型)にて120Hzのときの静
電容量を測定した。測定された値を25(cm)で除
して単位面積当たりの静電容量とした。
【0032】(2)金属薄膜断面の観察 試料を超薄切片に切り出し、透過型電子顕微鏡(日本電
子(株)製JEM−1200EX)にて金属薄膜の断面
を40万倍にて観察した。観察されたカラム集合体の基
体表面からの高さの平均値を金属薄膜の厚さとした。ま
た、表面から該カラム集合体の厚さの8分の1の深さの
位置で計った該カラム間の距離をカラム間隔とした。
【0033】(3)金属薄膜表面の観察 電界放射型走査電子顕微鏡(日立制作所(株)製S−8
00)によって試料表面を5万倍に拡大して観察した。
顕微鏡像の任意の位置の1μm内にあるカラムの数か
らカラム密度(個/cm)を求めた。
【0034】(4)表面積拡大率 BET法により金属薄膜蒸着前の基体表面積と金属薄膜
蒸着後の表面積を求め、両者の比から表面拡大率を求め
た。
【0035】(5)表面粗さの測定 万能表面形状測定器((株)小坂研究所製ET−10)
で基体の表面粗さを測定した。該表面粗さは隣接する突
起と谷の高低差であるRMSで表す。金属箔は通常圧延
方向に条痕があることが多く、表面粗さに方向性があ
る。このときは、基体の長さ方向と幅方向の両方につい
て測定を行い、粗いほうの測定値を採用した。基体の表
面粗さを金属薄膜の上から測定しても、基体を直接測定
してもほとんど測定値は変わらないので、表面粗さの測
定は、金属薄膜の形成前でも後でも良い。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0037】実施例1 図1の超尺基体走行系およびグロー放電電極を備えた真
空蒸着装置に、厚さ40μm、表面粗さRMS=0.0
4μmの実質上平坦なアルミニウム箔基体を装着した。
マスク19、19′を調整してマスク開口部の長さを2
00mm、冷却ドラム4上の基体と蒸発源6の距離を3
00mmとした。グロー放電電極15、15′は同軸マ
グネトロン電極を用い間隔を20mmに設定した。るつ
ぼ5には蒸発源としてチタンインゴット6を充填した。
【0038】真空槽16内を排気口10および11より
真空排気して真空槽16内を3.0×10−5torr
以下にした。その後、バルブ9を開きノズル7を通して
金属蒸気の基体への入射領域に向けて200cc/mi
nの量のアルゴンガスを供給し下室18内圧力を0.8
×10−4torrに調節した。アルミニウム箔基体1
を速度2.0m/minで走行させながら出力12キロ
ワットの電子ビーム(図示せず)をチタンインゴット6
に照射して溶融蒸発させてアルミニウム箔基体1上にチ
タン薄膜を形成した。チタン薄膜を形成する際、ドラム
4は約15℃に冷却した。
【0039】さらに該アルミニウム箔基体1を走行させ
ながらバルブ14を開きノズル13を通して覆い12で
囲まれたグロー放電領域に100cc/minの量の酸
素ガスを供給し覆い12内の圧力を1.0×10−2
orrに調節した後、グロー放電電極15、15′に1
10kHzの高周波電力を投入して2700W・min
/mの放電強度のグロー放電処理を施した。
【0040】同様にして該アルミニウム箔基体1の反対
の面にもチタン薄膜を形成した。
【0041】かくして得られた電解コンデンサ用電極箔
のチタン薄膜の厚みは約5500オングストローム、カ
ラム数1.2×1010個/cm、平均のカラム間隔
は約400オングストローム、表面拡大率は約230倍
であった。この電極箔を気温25℃、相対湿度60%の
大気中に放置したときの静電容量の経時変化を図3に示
す。本発明の電解コンデンサ用電極箔は静電容量の経時
変化が極めて小さく、作製直後から安定した静電容量を
示した。
【0042】比較例1 覆い12への酸素ガスの供給およびグロー放電電極への
電力の供給を止め、グロー放電処理を行わなかったこと
以外は実施例1と同様にして電解コンデンサ用電極箔を
作製した。かくして得られた電解コンデンサ用電極箔の
静電容量は図3に示すように極めて経時変化が大きく不
安定なものであった。
【0043】
【発明の効果】上述したように、本発明では基体上に形
成した金属薄膜をプラズマ酸化するのので、図3に示し
たように静電容量の経時変化が極めて小さく、電解コン
デンサ用陰極箔の静電容量を著しく安定させる効果があ
る。さらに、プラズマ酸化処理は真空蒸着処理と同時に
連続して実施できるので生産性の点でも優れている。ま
た、本発明では金属薄膜がカラムの集合体からなり、該
カラムの数が5×10〜1×1012個/cm、カ
ラム間隔が50〜5000オングストローム、厚さ10
0〜5000オングストローム、表面拡大率30〜10
00倍の独立したカラム状をなすので、電解コンデンサ
用陰極箔の静電容量を著しく増大させる効果がある。ま
た、本発明では該基体はボアを含まなく実質上平坦であ
るので、基体の機械的強度の低下がなく、その分基体の
厚みを薄くすることができ、電解コンデンサのサイズを
小さくできる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電解コンデンサ用陰極箔を製造するめ
の真空蒸着装置の一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の金属薄膜の一例を示す概略断面図であ
る。
【図3】本発明の電解コンデンサ用陰極箔の静電容量の
経時変化の一例を示す図である。
【符号の説明】
a:基体 b:金属薄膜を構成するカラムの一つ c:隣接するカラムの一体構造部 1:アルミニウム箔基体 2:巻出し軸 3:巻取り軸 4:冷却ドラム 6:蒸発源 7および7′:ガス導入ノズル 10および11:真空排気口 12:覆い 13:グロー放電用ガス導入管 15および15′:グロー放電電極 16:真空槽 19および19′:マスク 20:グロー放電用電源

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体の少なくとも片面に金属薄膜が形成
    されてなる電解コンデンサ用電極材料であって、該金属
    薄膜がカラム構造の集合体からなり、且つプラズマ酸化
    されていることを特徴とする高容量電解コンデンサ用電
    極材料。
  2. 【請求項2】 該金属薄膜がTiあるいはMg、Ca、
    Sr、BaおよびAlから選ばれた金属を含むTi合金
    からなることを特徴とする請求項1記載の高容量電解コ
    ンデンサ用電極材料。
  3. 【請求項3】 該金属薄膜が、密度が5×10〜1×
    1012個/cm、間隔が50〜5000オングスト
    ローム、厚さが100オングストローム以上10000
    オングストローム未満、表面拡大率が30〜1000倍
    の独立したカラム状をなすことを特徴とする請求項1記
    載の高容量電解コンデンサ用電極材料。
  4. 【請求項4】 該基体がボアを含まず、実質上平坦であ
    ることを特徴とする請求項1記載の高容量電解コンデン
    サ用電極材料。
JP34934591A 1991-11-05 1991-11-05 高容量電解コンデンサ用電極材料 Pending JPH05129163A (ja)

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