JPH0461312A - 電解コンデンサ用電極箔 - Google Patents

電解コンデンサ用電極箔

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JPH0461312A
JPH0461312A JP17351990A JP17351990A JPH0461312A JP H0461312 A JPH0461312 A JP H0461312A JP 17351990 A JP17351990 A JP 17351990A JP 17351990 A JP17351990 A JP 17351990A JP H0461312 A JPH0461312 A JP H0461312A
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capacitance
thin film
foil
thickness
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JP17351990A
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Takayoshi Akamatsu
孝義 赤松
Harunaka Nakano
中野 晴支
Tetsuo Oka
哲雄 岡
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、電解コンデンサ用電極箔に関する。
更に詳しくは、電解コンデンサの小型大容量化に寄与す
る電極箔に関する。
[従来の技術] 電解コンデンサ用電極としては、一般にアルミニウム箔
にエツチングを施して比表面積を拡大したものが用いら
れている。電極の比表面積を拡大することは、コンデン
サの静電容量を増加させるために必須であり、小型大容
量化への要求から更に電極の比表面積を拡大することが
求められている。しかしエツチングによるアルミニウム
箔の比表面積拡大は、アルミニウム箔の強度の低下など
から限界に近付いている。またアルミニウム箔を薄くす
ることは、コンデンサの小型化に効果が大きいが、エツ
チングによるアルミニウム箔の比表面積拡大倍率を維持
するためやアルミニウム箔の強度の維持のためにアルミ
ニウム箔を薄くすることも同様に限界に近付いている。
これに対して特開昭56−29669号公報では、30
度以上、好ましくは80〜85度の入射角で基体にアル
ミニウムやタンタルなどの弁金属の蒸気を入射させて多
孔質金属膜を作成し、表面積が拡大した電解コンデンサ
電極箔を得ることが提案されている。また特開昭59−
167009号公報では、アルミニウム箔などの基体上
にアルミニウム、タンタル、チタン、ニオブ、ジルコニ
ウムなどの弁金属をアルゴンなどの不活性ガス中で蒸着
して多孔質膜を形成し、電極の表面積を拡大すると共に
誘電率を増加させることが提案されている。
これらの技術は電解コンデンサの見掛けの単位面積当り
の静電容量の増加に大きな効果がある。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、充分な表面積拡大効果を得るためには、
該弁金属膜の厚みを1〜20μmと大きくしたり、また
は依然としてエツチングにより比表面積が拡大されたア
ルミニウム箔を基体とする必要があったりして、生産性
やコンデンサの小型化の効果大きさの点で問題があった
。さらにアルミニウム以外の弁金属は高融点材料である
ため上記のような比較的厚い膜を形成しようとすると、
蒸着時に基体が熱ダメージを受けて平坦性が損なわれや
すい問題があった。
本発明は上記のごとき従来技術の諸欠点に鑑み創案され
たもので、その目的とするところは、静電容量の増加お
よびコンデンサの小型化に効果が太き(かつ製造時の熱
ダメージの恐れがなく生産性に優れた電解コンデンサ用
電極箔材料を提供することにある。
[課題を解決するための手段] かかる本発明の目的は、基体上に金属薄膜が形成されて
なる電解コンデンサ用電極箔であって、該基体の表面粗
さが0.003〜0.2μmの範囲であり、かつ(単位
面積当りの静電容量/該金属薄膜の厚さ)が250〜9
000μF7cm2・μmの範囲にあることを特徴とす
る電解コンデンサ用電極箔により達成される。
本発明で使用される基体としては、アルミニウム箔など
の金属箔を用いることができる。また、アルミニウム箔
の他、アルミニウム合金箔やアルミニウム以外の金属箔
も用いることができるが、漏れ電流が小さい点、機械的
強度が高い点および電気抵抗が小さい点から、アルミニ
ウム箔、アルミニウム合金箔の採用が好ましい。該金属
箔の厚さは、機械的強度と占有体積の関係から5〜10
0μmの範囲が好ましい。該金属箔基体は、引張り強度
が7kg/mm2以上であることが金属箔膜蒸着工程で
の熱ダメージを小さ(する点で好ましい。
基体を薄くしてコンデンサの小型化を図るためや生産性
を上げるために、これらの基体の表面は、エツチングや
サンドブラストなどによる粗面化処理が施されておらず
、平坦であることが好ましい。
さらには、エツチングが施され表面がある程度以上に粗
された基体上に金属薄膜を設けた場合、製造直後の静電
容量は平坦な表面の基体上に金属薄膜を設けた場合に比
べて大きいが、保管時の経時変化による静電容量の減少
が大きく、結果としてかえって平坦な表面の基体を使っ
た場合より、静電容量が小さくなってしまうことがある
こ七が明らかになった。他方、圧延条痕などにより、あ
る程度以上の凹凸がある基体を使った場合は、平坦な表
面の基体を使った場合より、製造直後の静電容量が小さ
いことも明らかになった。本発明者らの検討の結果、該
基体の表面粗さは0. 2μm以下であることが、製造
直後の静電容量が大きく、かつ経時変化による静電容量
の減少を小さくし、最終的に大きな静電容量を得るため
に必要であることが判明した。一方、基体の走行を滑ら
かにし、基体にしわなどの変形が起きるのを防いだり、
走行系の磨耗を防ぐためには、ある程度の表面粗さを有
することが必要であり、このためには、該基体の表面粗
さは0.003μm以上であることが必要である。該表
面粗さは隣接する突起と谷の高低差の平均値であるRM
Sで表す。金属薄膜を付着させても基体の表面粗さはほ
とんど変化しないので、金属薄膜の上から表面粗さを測
定しても良い。
本発明において使用される金属薄膜としてはアルミニウ
ム、チタン、ジルコニウム、タンタル、ニオブおよびハ
フニウムなどのいわゆる弁金属の群から選ばれた少なく
とも1つの金属またはこれらの合金からなることが好ま
しいが、コバルト、クロム、ニクロム、ニッケル、銀、
銅、鉄、亜鉛などの金属やこれらの合金も採用可能であ
る。しかしながら、大きな静電容量を得るためには、あ
る程度融点が高い金属であることが望ましいので、アル
ミニウム以外の弁金属やコバルトなどが好適である。中
でもチタンは、静電容量の増加に効果が大きく最も好ま
しい。該金属または合金の純度は漏れ電流を小さ(する
ために99.8%以上、さらに好ましくは99.9%以
上であることが望ましい。
基体の熱ダメージを抑制するためと低コスト化を図るた
めに、金属薄膜の膜厚は薄い方が良く、一方、静電容量
を増大させるためには膜厚が厚い方が良いので、0.0
05〜0.5μmの範囲から選ばれることが好ましく、
0.01〜0.4μmの範囲から選ばれることが更に好
ましい。
本発明では基体上に形成された金属薄膜の厚さとこれに
よって得られる静電容量との間に以下に示すごとき関係
があることが必要である。すなわち、(単位面積当りの
静電容量/金属薄膜の厚さ)が250〜9000μF/
Cm2・μmの範囲にあることが必要である。ここで静
電容量の大きさはμF/cn+”で表し、金属薄膜の厚
さはμmで表す。
(単位面積当りの静電容量/金属薄膜の厚さ)が250
μF/cm2 ・μm未満であると、所定の静電容量を
得るために厚い金属薄膜が必要であり、生産性が劣るだ
けでなく、金属薄膜形成時の受熱により基体の損傷や変
形をきたしやすい問題がある。
大きな静電容量が得られやすい高融点金属を採用した場
合、受熱による基体の損傷や変形は、時として電極箔の
製造を困難にするほど深刻である。
また、アルミニウムなどを除き金属薄膜は比較的体積抵
抗値か大きいので、金属薄膜が厚(なると、コンデンサ
の直列抵抗が増加し、誘電損失を大きくする問題もある
。また、金属薄膜が形成された電極箔は日程調整などの
ため製造後数日〜1カ月程度保管された後、次工程に移
されるのが通常であるが、(単位面積当りの静電容量/
金属薄膜の厚さ)が9000μF/cm2 ・μmを超
えると、金属薄膜の構造すなわち細孔や空隙が非常に微
細になり、金属薄膜製造後の大気中保存時の自然酸化に
よる該金属薄膜表面の膨張でこれらの細孔や空隙か容易
に消滅したり、金属薄膜内部から外部への出口が塞がれ
たりする。この結果、金属薄膜製造後の保管において陰
極箔の静電容量が犬きく減少する。さらに、非常に微細
な細孔や空隙には電解液や電解質が入り込みに<<、静
電容量が一定の値に落ち着きにくい問題があるほか、非
常に微細な細孔や空隙に入り込んだ電解液や電解質は直
列抵抗が高く、誘電損失を大きくする問題がある。
なお、本発明において、(単位面積当りの静電容量/金
属薄膜の厚さ)の値を算出するための電極箔の静電容量
とは、電極箔を通常通りコンデンサ素子に加工後分解し
たものについて測定された静電容量をいう。
(単位面積当りの静電容量/金属薄膜の厚さ)の値は、
300〜7500μF/cm2 ・μmの範囲にあるこ
とがさらに好ましく、350〜5500μF/cm2 
 ・μmの範囲にあることが最も好ましい。
次に、本発明の電解コンデンサ用電極箔の製造法の1例
を説明する。図は長尺基体走行系を備えた真空蒸着装置
の概略断面図である。真空槽1内に巻出し軸2、円筒状
の冷却ドラム3、巻取り軸4から成る長尺基体走行系が
設置されている。円筒状冷却ドラムとは、長尺基体を走
行させる走行系の一部であって、該基体上に蒸着にて薄
膜を形成する際に該基体を裏面から支持、冷却するため
のホルダーである。該基体走行系に所定厚み、所定の表
面粗さのアルミニウム箔基体5を設置する。
真空槽1は、巻出し軸、巻取り軸が収められた上槽6と
蒸発源7が収められた下槽8とに隔壁9.10およびマ
スク11.12で分離されており、排気口13および1
4よりそれぞれ真空排気される。マスク11および12
は、蒸発源からの蒸気の基体への初期入射角および最終
入射角か所定の角度になるように設置される。下槽内を
5×105Torr以下に排気し、バルブ15を開きノ
ズル16を通して隔壁9.10、マスク11.12およ
び冷却ドラム3に囲まれた蒸気の基体への入射領域へア
ルゴンガスを差し向け、下槽内圧力をI X 10−’
〜I X 10−2To r rの範囲の所定の圧力に
調整する。蒸発源は電子ビーム加熱器で、チタンのイン
ゴット17が充填されている。
基体を走行させつつ、チタンのインゴットを溶融蒸発さ
せて、基体上に所定の付着速度で所定の厚さのチタン膜
を付着させる。かくして電解コンデンサ用電極箔を得る
次に蒸発源からの蒸気の基体への入射角について説明す
る。冷却ドラムは矢視のごとく、マスク11からマスク
12に向かって回転する。蒸発源7の中心とマスク11
の基体走行方向下流端を結ぶ直線がドラム(基体)に入
射する点でドラム面に法線を立てる。該法線と該直線が
なす角が初期入射角である。マスク11、ドラム3およ
び蒸発源7の位置関係によって、初期入射角はドラム面
に立てた法線に対して基体走行方向の上流側である場合
と下流側である場合がある。該法線に対し基体走行方向
上流側を負値とし、基体走行方向下流側を正値とする。
蒸発源の中心とマスク12の基体走行方向上流端を結ぶ
直線がドラムに入射する点でドラム面に法線を立てる。
該法線と該直線がなす角が最終入射角である。最終入射
角も該法線に対し基体走行方向上流側を負値とし、基体
走行方向下流側を正値とする。マスク12、ドラム3お
よび蒸発源7の位置関係によって、最終入射角も負値で
ある場合と正値である場合とかある。
本発明の電解コンデンサ用電極箔の静電容量を大きくす
るためおよび生産性を上げるためには、該初期入射角と
該最終入射角は特定の範囲の組み合わせであることが好
ましい。初期入射角が一30〜30度でありかつ最終入
射角が−90〜−45度の組み合わせと、初期入射角が
90〜45度でありかつ最終入射角が一30〜30度の
組み合わせとが好ましい。初期入射角が一30〜30度
でありかつ最終入射角が−85〜−50度の組み合わせ
と、初期入射角が85〜50度でありかつ最終入射角が
一30〜30度の組み合わせとがさらに好ましい。
該蒸気の基体への入射領域へ差し向けるガスは、アルゴ
ン、ネオン、クリプトン、ヘリウムなどの希ガス、水素
、窒素やこれらの混合ガスが採用できる。中でもアルゴ
ン、窒素が取扱いが容易で効果が大きいため好ましい。
少量の酸素を添加することは、金属薄膜の微細構造の粒
径を細かくして、静電容量を増加させる効果があるので
好ましい。
該蒸気の基体への入射領域へ差し向けるガスは、金属蒸
気の基体への初期入射角と最終入射角の組み合わせに対
応して、特定の方向から供給することが、静電容量を大
きくすること、誘電損失を小さくすること、静電容量の
経時変化を小さくすることなどの点で好ましい。初期入
射角が一30〜30度でありかつ最終入射角が−90〜
−45度の組み合わせのとき、金属蒸気の基体への入射
領域へ基体走行方向上流側および/または下流側からガ
スを差し向けることが好ましい。生産性向上や熱ダメー
ジを回避するなどの目的で金属薄膜の膜厚を例えば0.
2μm未満に薄く制限した上でなるべく大きな静電容量
を得るためには、蒸気の基体への入射領域へ基体走行方
向下流側からガスを差し向けるか、もしくは基体走行方
向上流側および下流側からガスを差し向けることが好ま
しい。
静電容量の経時変化を特に抑制するためには蒸気の基体
への入射領域へ基体走行方向上流側からガスを差し向け
ることが好ましい。初期入射角が90〜45度でありか
つ最終入射角が一30〜30度の組み合わせのとき、金
属蒸気の基体への入射領域へ基体走行方向下流側からガ
スを差し向けることが好ましい。
金属の蒸発源としては誘導加熱器、抵抗加熱器、レーザ
ー加熱器なども採用できるが、高速に高融点金属を蒸発
させるために電子ビーム加熱器を採用することが好まし
い。これらの蒸発源と基体の間に高周波電力を放射する
などしてイオンプレティングを行うことは適宜許される
。またこれらの蒸発源はドラムの真下にある必要はなく
、材料使用効率などの点から好適な位置を適宜選んで良
い。
金属薄膜の形成に先立ち、接着性改良などを目的として
、既知の方法で基体が前処理されることは適宜許される
[発明の効果] 本発明の電解コンデンサ用電極箔は、上述のごとく金属
薄膜を所定の表面粗さの基体上に形成するとともに(単
位面積当たりの静電容量/該金属薄膜の厚さ)が特定範
囲の値を有するものとじたので、より薄い金属薄膜膜厚
でありながら製造直後の静電容量を大きくし、かつ静電
容量の経時変化による減少を抑制することができたもの
である。
またエツチングしていない強度の高い基体を使用するこ
とができる。これらにより、電解コンデンサ用電極箔の
生産性の向上や基体の熱ダメージ防止のみならず、電解
コンデンサの小型大容量化に顕著な効果を奏するもので
ある。
[発明の作用] 本発明の作用の詳細は明らかでないが次のように推測さ
れる。
基体の表面粗さが適度であると金属薄膜の比表面積を拡
大する効果があるが、大きすぎると、金属薄膜に生成す
る微細な孔や空隙の配列が乱れ、互いに重なってかえっ
て比表面積が減少したり、少しの体積膨張によって塞が
れたりしやすくなる。
またこれらの作用は表面の粗さのみならず、粗さの形状
にも左右されるので単純ではないが、金属薄膜を所定の
表面粗さの基体上に形成することで、製造直後の静電容
量を大きくし、かつ静電容量の経時変化による減少を抑
制することができたものと思われる。さらに静電容量を
所定の範囲に限定することにより、生産性の向上と熱ダ
メージの回避ならびに静電容量の経時変化による減少を
抑制することができたものと思われる。
[特性の測定方法、評価方法] (1)静電容量の測定方法 基体の両面に金属薄膜が形成された試料を切り出し、2
0mmX20mmの開口部をもつホルダー2枚で試料を
挟み込み固定する。すなわち、試料の表裏で20mm角
が露出された状態となる。
このようにホルダーに固定された2枚の試料を用意し、
10重量%ホウ酸アンモニウム水溶液の電解液中で上記
試料が平行になるように固定する。
2枚の試料を電極として、LCRメーター(安藤電気(
株)製AG−4311)にて100Hzのときの静電容
量を測定した。測定された値の2分の1を単位面積当た
りの静電容量とした。本発明ではコンデンサ素子に加工
後、分解して測定した陰極箔が250μF/cm2 ・
μm≦(単位面積当りの静電容量/金属薄膜の厚さ)≦
9000μF/cm2・μmを満たすことが重要である
。なお、大気中保管時の静電容量の経時変化を評価する
ため製造直後の陰極箔の静電容量についても測定した。
(2)表面粗さの測定 万能表面形状測定器((株)小板研究所製ET10)で
基体の表面粗さを測定した。該表面粗さは隣接する突起
と谷の高低差の平均値であるRMSで表す。金属箔は圧
延方向に条痕かあることが多く、表面粗さにも方向性が
ある。このときは、基体の長さ方向と幅方向とについて
測定を行い、粗い方の測定値を採用した。基体の表面粗
さを金属薄膜の上から測定しても基体を直接測定しても
ほとんど測定値は変わらないので、表面粗さの測定は、
金属薄膜形成前でも後でもどちらでも構わない。
(3)金属薄膜の膜厚の測定 試料を超薄切片に切り出し、透過型電子顕微鏡(日本電
子(株)製JEM−1200EX)にて金属薄膜の断面
を40万倍にて観察し、金属薄膜の膜厚を測定した。ま
たイオンエツチングとオージェ電子分光法を組合わせて
、深さ方向の組成分析を行い、組成の変化点とエツチン
グ深さとの対応から、金属薄膜の膜厚を算出することも
できる。
[実施例] 以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明
はこれらに限定されるものではない。
実施例1 図に示す長尺基体走行系を備えた真空蒸着装置に厚さ2
2μm、表面粗さが0.1.25μmの長尺のアルミニ
ウム箔基体を装着した。マスク11および12を調節し
て、初期入射角が0度、最終入射角が一52度になるよ
うにした。またマスク開口部端部とドラムの距離は30
mmとした。電子ビーム加熱器7にチタンのインゴット
」7を充填した後、真空槽1内を排気口13および14
より真空排気して隔壁9.10、マスク11.12およ
び冷却ドラム3でしきられた下槽8内圧力を5X10−
5Torr以下にした。次にバルブ15およびノズル1
6を通して蒸気の基体への入射領域に向けてアルゴンガ
スを供給し、下槽内圧力を7xlO=Torrに調整し
た。基体を走行させながらチタンのインゴットを溶融蒸
発させてアルミニウム箔基体上に2.5μm/分の蒸着
速度で厚さ0.3μmのチタン薄膜を形成した。チタン
薄膜を形成する際、冷却ドラム3は一20℃に冷却した
かくして得た電解コンデンサ用電極箔には、熱による変
形はほとんどなく平坦性は良好であった。
製造直後の電極箔の静電容量は385μF/cm2・μ
mであり、また製造後大気中に20日間保管した後、該
電極箔を電解液、セパレータなどと合わせて巻き回し封
缶してコンデンサ素子に加工後、分解して静電容量を測
定したところ、345μF/cm2 ・μmと大きな静
電容量が得られ、経時変化も比較的小さかった。上記の
結果から、(単位面積当りの静電容量/金属薄膜の厚さ
)の値は、1150μF/cm2 ・μmであツタ。
実施例2 基体を厚さ12μm、表面粗さが0.04μmのアルミ
ニウム箔とした以外は実施例1と同様にして、電解コン
デンサ用電極箔を作成した。
かくして得た電解コンデンサ用電極箔には、熱による変
形はほとんどなく平坦性は良好であった。
製造直後の電極箔の静電容量は375μF/cm2・μ
m、同様に大気中に20日間の保管を経てコンデンサ素
子に加工後、分解したものについて測定した静電容量は
335μF/cn+2 ・μmであり、大きな静電容量
が得られるとともに、経時変化も比較的小さかった。(
単位面積当りの静電容量/金属薄膜の厚さ)の値は、1
116. 7 μF/cm20μmであった。
比較例1 基体を厚さが12μm、表面粗さが0.43μmのアル
ミニウム箔とした以外は実施例1と同様にして、電解コ
ンデンサ用電極箔を作成した。
得られた電解コンデンサ用電極箔は、熱による変形はほ
とんどなく平坦性は良好であったが、製造直後の電極箔
の静電容量は188μF/cm2 ・μmと低く、また
、大気中に20日間の保管を経てコンデンサ素子に加工
後、分解して測定した静電容量は140μF/cm2 
・μmであり、経時変化もやや大きかった。(単位面積
当りの静電容量/金属薄膜の厚さ)の値は、466.7
μF/cm2 ・μmであった。
比較例2 アルゴンガスの供給量を調節して下槽内圧力を3X10
−’Torrにしたこと、チタン薄膜の膜厚を0. 7
μmとしたこと、基体を厚さが12μm、表面粗さが0
.04μmのアルミニウム箔とした以外は実施例1と同
様にして、電解コンデンサ用電極箔を作成した。
得られた電解コンデンサ用電極箔は、熱による変形が著
しく、平坦性が損なわれていた。
製造直後の電極箔の静電容量は165μF/cm2・μ
mと低く、また、大気中に20日間の保管を経て同様に
加工後、分解したものについて測定した静電容量は16
3μF/cm2 ・μmであった。
(単位面積当りの静電容量/金属薄膜の厚さ)の値は、
232.9μF/cm2 ・μmであった。
比較例3 アルゴンガスの替わりに窒素ガスを供給して下槽内圧力
を6X10−’Torrにしたこととチタン膜厚を0.
 1μmとしたこと以外は実施例1と同様にして、電解
コンデンサ用電極箔を作成した。
かくして得た電解コンデンサ用電極箔には、熱による変
形はほとんどなく平坦性は良好であり、また、製造直後
の電極箔の静電容量は2890μF/cm2 ・μmと
非常に大きな静電容量が得られたが、大気中に20日間
の保管を経て加工後、分解して測定した静電容量は18
50μF/cm2 ・μmと大きな経時変化を示した。
(単位面積当りの静電容量/金属薄膜の厚さ)の値は、
18500μF/cm2  ・μmであった。
【図面の簡単な説明】
図は本発明の電解コンデンサ用電極箔を製造するための
真空蒸着装置の一例である。 3:冷却ドラム、5:基体、7:蒸発源、11.12:
マスク、15:ガス供給用バルブ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 基体上に金属薄膜が形成されてなる電解コンデンサ
    用電極箔であって、該基体の表面粗さが0.003〜0
    .2μmの範囲であり、かつ(単位面積当りの静電容量
    /該金属薄膜の厚さ)が250〜9000μF/cm^
    2・μmの範囲にあることを特徴とする電解コンデンサ
    用電極箔。
JP17351990A 1990-06-29 1990-06-29 電解コンデンサ用電極箔 Pending JPH0461312A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007227904A (ja) * 2006-01-24 2007-09-06 Sachiko Ono エッチング用アルミニウム基材及びそれを用いた電解コンデンサ用アルミニウム電極材
JP2009081343A (ja) * 2007-09-27 2009-04-16 Sumitomo Light Metal Ind Ltd 蒸着用アルミニウム箔材

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