JPH05128428A - 磁気ヘツドの製造方法 - Google Patents

磁気ヘツドの製造方法

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JPH05128428A
JPH05128428A JP31016091A JP31016091A JPH05128428A JP H05128428 A JPH05128428 A JP H05128428A JP 31016091 A JP31016091 A JP 31016091A JP 31016091 A JP31016091 A JP 31016091A JP H05128428 A JPH05128428 A JP H05128428A
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gap
glass
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magnetic
sio
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Tsuyoshi Sakata
強 坂田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フロントギャップを補強するためのガラス材
によるギャップスペーサの浸食を抑えて、ギャップ長の
変動を防止する。 【構成】 ガラス材の融点以上の温度T1 まで加熱し
て、当該ガラス材を完全に溶融させた状態でバックギャ
ップg2 のギャップ接合を行った後、このギャップ接合
時に使用したガラス材と同じ材質のガラス棒をフロント
ギャップ側の巻線溝4内のデプスエンドへ挿入し、上記
温度T1 よりも低い温度T2 でガラス融着を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、VTR(ビデオテープ
レコーダ)等の磁気記録再生装置又はフロッピーディス
ク駆動装置或いはハードディスク駆動装置等に搭載され
る磁気ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、VTR(ビデオテープレコー
ダ)等の磁気記録再生装置又はフロッピーディスク駆動
装置或いはハードディスク駆動装置等に搭載される磁気
ヘッドは、少なくとも一方に巻線溝が設けられたMn−
Znフェライト等からなる一対の磁気コア半体が突き合
わされ接合一体化された構成とされている。
【0003】これら磁気コア半体同士の接合には、従来
より化学的に安定で且つ高い接合強度が得られることか
ら高融点の融着ガラスが使用されている。従って、磁気
ギャップ部は、前記融着ガラスを融点以上の温度まで加
熱・溶融し、上記磁気コア半体間にガラス融着すること
により接合一体化がなされている。
【0004】これに対して、高記録密度化に伴いギャッ
プ長が狭められるにつれて、ギャップ長の精度の向上が
一層強く要求される。そこで、上記磁気コア半体の動作
ギャップ形成面に、例えばスパッタ等によるSiO2
等からなるギャップスペーサを挟み込み突き合わせるこ
とにより磁気ギャップを形成する磁気ヘッドが知られて
いる。
【0005】この種の磁気ヘッドは、上記一対の磁気コ
ア半体の磁気ギャップ形成部(フロントギャップ部)に
上記ギャップスペーサを挟み込み突き合わせてギャップ
接合した後、このギャップスペーサの膜厚と略等しい厚
みの隙間を有するバックギャップ部に融着ガラスを溶融
充填してガラス融着により接合一体化させることにより
作製される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な磁気ヘッドにおいては、上記フロントギャップ部の接
合強度を向上させる目的から、上記フロントギャップ近
傍の巻線溝内にガラス材が充填され補強される構造とし
ている。この場合、上記フロントギャップの接合を補強
するためのガラス材は、通常上記バックギャップのギャ
ップ接合に用いられる融着ガラスと同じものが使用さ
れ、このガラス材の上記フロントギャップ近傍の巻線溝
内への充填は、上記ガラス融着と同時に行われる。
【0007】ところが、この際に、上記ガラス材(融着
ガラス)をその融点以上の温度まで加熱・溶融して、当
該ガラス材を上記巻線溝のデプスエンドに流し込もうと
すると、このガラス材が上記フロントギャップ部に介在
した上記SiO2 膜間に浸食してしまう。このために、
ギャップ長の変動が起こり、磁気ヘッドの信頼性が著し
く低下するという問題が起こる。
【0008】そこで本発明は、上述の従来の実情に鑑み
て提案されたものであり、ギャップスペーサがフロント
ギャップを補強するためのガラス材により浸食されるの
を防止し、ギャップ長の変動を低減することが可能な磁
気ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の目
的を達成せんものと鋭意研究の結果、フロントギャップ
の補強するためのガラス材を上記フロントギャップ近傍
の巻線溝内へ充填する工程と、バックギャップのギャッ
プ接合を別々に行い、上記ガラス材による補強材の形成
を上記ギャップ接合に使用する融着ガラスの融点よりも
低温で行うことにより、上記ガラス材によって上記フロ
ントギャップのギャップスペーサが浸食されるのを防止
できることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0010】即ち、本発明は、SiO2 膜をフロントギ
ャップのギャップスペーサとする磁気ヘッドの製造方法
において、バックギャップ側をガラス材により所定の温
度T1 でガラス融着した後、上記フロントギャップ近傍
の巻線溝内に上記ガラス材と同様なガラス材を挿入して
前記温度T1 よりも低い温度T2 でガラス融着すること
を特徴とするものである。
【0011】
【作用】フロントギャップを補強するためのガラス材
は、前記フロントギャップ近傍の巻線溝内に流し込めば
良いので、完全に溶融した状態で充填する必要はなく、
従って必ずしもこのガラス材の融点以上の温度まで加熱
する必要はない。
【0012】これに対して、バックギャップのギャップ
接合に使用される融着ガラスは、前記バックギャップの
微小な隙間に充填する必要があり、上記融着ガラスは完
全な溶融状態になければならない。本発明においては、
上記バックギャップのギャップ接合は、上記融着ガラス
の融点以上の温度T1 まで加熱することにより行ってい
るので、ガラス材がバックギャップの隙間に十分に流れ
込み、接合強度が確保される。一方、フロントギャップ
側のデプスエンドへのガラス材の流し込みは、上記温度
1 よりも低い温度T2 で行っているので、溶融された
ガラス材によるSiO2 膜(ギャップスペーサ)の浸食
が抑制される。
【0013】
【実施例】以下、本発明を適用した磁気ヘッドを具体的
な実施例に基づき説明する。本実施例の製造方法によっ
て磁気ヘッドを作製するには、先ず、図1に示すよう
に、Mn−Znフェライト又はNi−Znフェライト等
の酸化物磁性材料よりなる長方形状のヘッドコアブロッ
ク1を用意し、このヘッドコアブロック1を長さ方向で
略2等分する中央位置より各端面1a,1bまでの領域
を第1の領域X1 及び第2の領域X2 として、当該ヘッ
ドコアブロック1の一主面1cに断面矩形状のガラス溝
3を形成する。
【0014】この結果、上記第1の領域X1 の長さ方向
略中央部に幅方向全域に亘って上記ガラス溝3が形成さ
れる。このガラス溝3は、上記第2の領域X2 寄りの側
壁面が上記ヘッドコアブロック1の一主面1cに対して
所定の角度をなした傾斜面3aとなっており、この傾斜
面3a側から後述するバックギャップg2 部に融着ガラ
スが充填される。
【0015】なお、上記ヘッドコアブロック1として
は、通常磁気コア材として使用されるものであれば如何
なるものも使用可能である。
【0016】次に、上記第1の領域X1 に上記ガラス溝
3と平行で且つこのガラス溝3よりも上記ヘッドコアブ
ロック1の内方側に断面矩形状のコイル巻線溝4を形成
する。この結果、上記第1の領域X1 の全幅に亘って上
記コイル巻線溝4が形成される。このコイル巻線溝4
は、上記ガラス溝3と同様に上記第2の領域X2 寄りの
側壁面が傾斜面4aとなっており、この傾斜面4aによ
り後述するフロントギャップg1 のデプスを規制してい
る。ここで、このコイル巻線溝4と上記ガラス溝3に挟
まれた上記ヘッドコアブロック1の平坦な主面1cが上
記バックギャップg2 形成面2に相当する。
【0017】次に、図2に示すように、上記ヘッドコア
ブロック1の第1の領域X1 と第2の領域X2 の境界に
上記ガラス溝3及びコイル巻線溝4と平行な分断溝を入
れ、当該ヘッドコアブロック1を分断する。この結果、
上記ガラス溝3、コイル巻線溝4が形成された第1の磁
気コア1Aと、この第1の磁気コア1Aと略同一サイズ
の第2の磁気コア1Bとが形成される。
【0018】続いて、所定のパターンを有するマスクを
用いてスパッタリングを行い、上記バックギャップg2
形成面2を除く上記第1の磁気コア1Aの主面上と、上
記第2の磁気コア1Bの各端面から所定の位置までの領
域上にSiO2 膜5a,5b,5c,5dをそれぞれ被
着形成する。この時、当該SiO2 膜5bとSiO2
5c、及びSiO2 膜5aとSiO2 膜5dの幅がそれ
ぞれ略等しくなるように形成し、上記第1の磁気コア1
Aと第2の磁気コア1Bを突き合わせた時に、上記Si
2 膜5bとSiO2 膜5cとが、またSiO2 膜5a
とSiO2 膜5dとがそれぞれ対向して接合されるよう
に形成する。
【0019】これらSiO2 膜5a,5b,5c,5d
の膜厚tは、後述のガラス融着時に上記第1及び第2の
磁気コア1A,1Bが酸化されて磁気特性が劣化するこ
とを防ぐために、少なくとも50Å以上とされることが
望ましい。但し、この膜厚tの上限は、得られる磁気ヘ
ッドの上記フロントギャップg1 のギャップ長L1 の1
/2以下とすることは言うまでもない。
【0020】また、上記SiO2 膜5a,5b,5c,
5dの成膜方法として、本実施例ではスパッタリングを
用いたが、特にこれに限定されるものではなく、この他
真空蒸着法、イオンプレーティング法、クラスター・イ
オンビーム法等に代表される真空薄膜形成技術が挙げら
れる。
【0021】そして、図3に示すように、上記第1の磁
気コア1Aと第2の磁気コア1Bを外形基準で突き合わ
せる。この結果、上記SiO2 膜5bとSiO2 膜5
c、及びSiO2 膜5aとSiO2 膜5dの位置がそれ
ぞれ一致し、これらを当接面として各磁気コア1A,1
B同士の接合一体化がなされる。そして、上記SiO2
膜5bとSiO2 膜5cを介して対向配置される上記第
1の磁気コア1Aと第2の磁気コア1B間にフロントギ
ャップg1 が形成される。従って、上記SiO2 膜5
b,5cは、上記フロントギャップg1 のギャップスペ
ーサとされる。このフロントギャップg1 のギャップ長
1 は、上記SiO2 膜5bとSiO2 膜5cの膜厚の
和に応じて規定され、トラック幅は各磁気コア1A,1
Bの接合体の一側面X、即ちこれら第1の磁気コア1A
及び第2の磁気コア1Bから構成される磁気ヘッドの磁
気記録媒体との摺動面の幅とされる。
【0022】そして、上記ガラス溝3内にガラス棒6を
配置した後、高温の炉内にて当該ガラス棒6を温度T1
で加熱溶融してガラス融着を行う。この結果、図4に示
すように、上記バックギャップg2 形成面2と上記第2
の磁気コア1Bの主面に挟まれた隙間にガラス7が充填
され、上記上記第1の磁気コア1Aと第2の磁気コア1
Bが合体される。そして、上記フロントギャップg1
介在する上記SiO2 膜5bとSiO2 膜5cの膜厚の
和に相当したギャップ長L2 (=L1 )を有するバック
ギャップg2 が形成される。
【0023】この時、上記隙間の厚みは非常に薄いの
で、この隙間に均一に上記ガラス7を充填するために
は、上記ガラス棒6が完全な溶融状態となるまで加熱す
る必要がある。従って、上記温度T1 は、上記ガラス棒
6を構成するガラス材の融点以上の温度とする。これに
より、上記ガラス棒6が完全に溶融されて上記バックギ
ャップg2 の隙間に十分に流れ込み、高い接合強度を得
ることができる。この温度T1 は、使用するガラス材の
種類に応じて適宜設定されることが望ましい。
【0024】このようなギャップ接合に用いられる上記
ガラス材としては、その軟化温度が400℃以上のもの
が接合強度の観点からは好ましい。例えば、軟化温度が
400℃以上のガラス材としては、SiO2 :15〜4
0重量%、Na2 O:0〜20重量%、B2 3 :10
〜20重量%、Al2 3 :5〜20重量%、ZnO:
0〜20重量%、PbO:0〜40重量%程度の組成を
有するケイ素−ナトリウム系ガラス(軟化温度500〜
700℃)や、PbO:50〜80重量%、B2 3
10〜20重量%、ZnO:0〜10重量%、Bi
2 :0〜20重量%、Al2 3 :0〜15重量%、
SiO2 :0〜10重量%、Na2 O:0〜10重量%
程度の組成を有する鉛−ホウ素系ガラス(軟化温度35
0〜500℃)が挙げられる。
【0025】また、上述のガラス融着は、不活性ガス雰
囲気中、或いは所定量の酸素を含む不活性ガス雰囲気中
で温度を上昇させて行うことが望ましい。ここで、上記
酸素の導入量は、10〜500ppmの範囲内に制御す
ることが好ましい。上記導入量が10ppm以下ではガ
ラス泡の制御が難しく、逆に500ppm以上では上記
バックギャップg2 以外で上記第1及び第2の磁気コア
1A,1Bが露出する部分のダメージ(酸化等)が顕著
となり、電磁変換特性の劣化をもたらす。
【0026】また、上記不活性ガスとしては、窒素ガ
ス、Arガス等が使用可能である。このように不活性ガ
ス中に酸素を混合させることにより、温度上昇時に発生
する有機物を炭化させずに燃焼できるので、上記溶融さ
れたガラスと炭化物との反応に起因するガラス泡の発生
が防止できる。
【0027】次に、上述のギャップ接合に使用したガラ
ス材と同じものからなるガラス棒8を上記フロントギャ
ップg1 近傍のコイル巻線溝4内に配置した後、このガ
ラス棒8を温度T2 で加熱溶融してガラス融着を行う。
この結果、図6に示すように、上記コイル巻線溝4の上
記フロントギャップg1 側のデプスエンド部に溶融され
たガラス9が流れ込み、上記フロントギャップg1 のギ
ャップ接合が補強される。
【0028】上記温度T2 は、上記温度T1 よりも低い
温度に設定する。このように、上記バックギャップg2
におけるガラス融着と上記フロントギャップg1 部の接
合強度を補強するためのガラス融着とを別々に行い、そ
の際に後者のガラス融着時の処理温度を前者のそれより
も低い温度に設定することにより、上記バックギャップ
2 の隙間に確実にガラス材を充填できるとともに、上
記溶融されたガラス9が上記フロントギャップg1 部に
介在する上記SiO2 膜5bとSiO2 膜5c間に侵入
する(図7)ことなく、上記コイル巻線溝4の上記フロ
ントギャップg1 側のデプスエンド部に埋め込むことが
できる。この結果、上記溶融されたガラス9の浸食によ
る上記ギャップ長L1 の変動が抑えられる。
【0029】従って、上記温度T2 は、より低い温度と
されるほど、上記SiO2 膜5bとSiO2 膜5c間へ
の浸食を抑えることができるが、少なくとも上記コイル
巻線溝4のフロントギャップ側のデプスエンドに流し込
める程度に溶融される必要がある。このような条件か
ら、この温度T2 は、上記温度T1 よりも20〜30℃
低い温度に設定されることが望ましい。本実施例では、
上記温度T1 は680〜690℃程度とされることが好
ましく、より好ましくは680℃とされる。
【0030】また、このようなガラス融着によって既に
ガラス融着された上記バックギャップg2 部がアニール
処理されるので、このバックギャップg2 部に発生した
気泡が減少される。続いて、図5に示すように、上記第
1及び第2の磁気コア1A,1Bよりなる接合体の磁気
記録媒体との対接面と反対の面側より平面研磨を行って
上記バックギャップg2 のデプスが所定値となるように
して磁気ヘッドを得る。
【0031】なお、このようにして製造される磁気ヘッ
ドにおいては、上記SiO2 膜5a,5b,5c,5d
を成膜する前に、上記第2の磁気コア1B上の前記Si
2 膜5b,5cが形成される領域に金属磁性薄膜が被
着形成しても良い。即ち、図10に示すように、上記第
1の磁気コア1Aの上記フロントギャップg1 が形成さ
れる面に上記SiO2 膜5b,5cを介して突き合わさ
れる上記第2の磁気コア1Bの表面、及び上記第1の磁
気コア1Aと上記SiO2 膜5a,5dを介して突き合
わされる上記第2の磁気コア1Bの表面に金属磁性薄膜
10a,10bがそれぞれ形成される。従って、上記第
1の磁気コア1Aと第2の磁気コア1Bを接合一体化す
ることで、これら磁気コア1A,1Bと金属磁性薄膜1
0a,10bにより閉磁路が構成される。
【0032】上記金属磁性薄膜10a,10bには、高
い飽和磁束密度を有し且つ軟磁気特性に優れた強磁性材
料が使用されるが、かかる強磁性材料としては、従来よ
り公知のものがいずれも使用でき、結晶質、非結晶質を
問わない。例示するならば、Fe−Al−Si系合金、
Fe−Al系合金、Fe−Si−Co系合金、Fe−N
i系合金、Fe−Al−Ge系合金、Fe−Ga−Ge
系合金、Fe−Si−Ge系合金、Fe−Co−Si−
Al系合金等の強磁性金属材料、或いはFe−Ga−S
i系合金、更には前記Fe−Ga−Si系合金の耐蝕性
や耐摩耗性の一層の向上を図るために、Fe,Ga,C
o(Feの一部をCoで置換したものを含む)、Siを
基本組成とする合金に、Ti,Cr,Mn,Zr,N
b,Mo,Ta,W,Ru,Os,Rh,Ir,Re,
Ni,Pb,Pt,Hf,Vの少なくとも1種を添加し
たものであってもよい。また、強磁性非結晶質金属合
金、いわゆるアモルファス合金(例えば、Fe,Ni,
Coの1つ以上の元素とP,C,B,Siの1つ以上の
元素とからなる合金、またはこれを主成分としAl,G
e,Be,Sn,In,Mo,W,Ti,Mn,Cr,
Zr,Hf,Nb等を含んだ合金等のメタル−メタロイ
ド系アモルファス合金、或いはCo,Hf,Zr等の遷
移元素や希土類元素等を主成分とするメタル−メタル系
アモルファス合金)等も使用される。
【0033】これら金属磁性薄膜10a,10bの成膜
方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオン
プレーティング法、クラスター・イオンビーム法等に代
表される真空薄膜形成技術が採用される。
【0034】ここで、上記第2の磁気コア1Bの上記第
1の磁気コア1Aとの接合面に上記金属磁性薄膜が形成
された磁気ヘッドにおいて、上記バックギャップg2
ギャップ接合時の処理温度T1 及び上記フロントギャッ
プg1 部の接合強度を補強するためのガラス融着時の処
理温度T2 を下記の表1に示すように変化させた場合の
上記フロントギャップg1 のギャップ長L1 の変化量、
バックギャップg2のガラス充填率、及び上記金属磁性
薄膜の浸食の状態を調べた。この結果を下記の表1に示
す。
【0035】なお、上記ガラス棒6,8としては、Si
2 :Na2 O:B2 3 :BaO:Fe2 3 :Zn
O=46:14:16:10:7.8:6.2(重量
%)なる組成を有する直径0.215mmのケイ素−ナ
トリウム系ガラス棒(ソニー・マグネ・プロダクツ社
製,商品名HS−200,転移点550℃、屈服点60
0℃、作業温度T1 670〜750℃)を使用した。
【0036】また、上述の2回に亘るガラス融着の温度
プロファイルを図9に示す。即ち、先ず、5℃/分の昇
温速度にて上記ガラス材の転移点付近(ここでは500
℃とした。)まで加熱した後、60分間この温度を保持
し、更に昇温速度を2.5℃/分として徐々に温度T1
とされる710℃まで加熱し、この温度T1 で60分間
保温して上記バックギャップg2 のギャップ接合を行っ
た。その後、冷却速度を5℃/分に保って室温付近まで
温度を下げた。
【0037】その後、再び昇温速度5℃/分として50
0℃まで加熱し、この温度で60分間保持した後、昇温
速度2.5℃/分として上記温度T2 とされる680℃
まで加熱し、この温度T2 で60分間保温して上記コイ
ル巻線溝4の上記フロントギャップg1 側のデプスエン
ド部におけるガラス融着を行った。そして、一定の冷却
速度で徐々に冷却した。
【0038】表1中、上記フロントギャップg1 のギャ
ップ長L1 の変化量は、上記コイル巻線溝4の上記フロ
ントギャップg1 側のデプスエンドから上記フロントギ
ャップg1 の5μm内方側の位置qにおけるテーパ量に
より表した。
【0039】
【表1】
【0040】表1に示すように、処理温度T1 ,T2
高くすると、バックギャップg2 部へのガラス充填率は
十分に確保することができるが、上記フロントギャップ
1 のギャップ長の変化が大きくなると同時に、金属磁
性薄膜の浸食も顕著となった。また、処理温度T1 が低
すぎると、バックギャップg2 部へガラス材を十分に充
填することができなくなり、信頼性が著しく低下した。
このことから、上記バックギャップg2 部におけるガラ
ス融着時の処理温度T1 は、710℃以上とされること
が必要であると言える。
【0041】これに対して、本実施例のように、上記処
理温度T2 を処理温度T1 よりも低く設定した場合に
は、ガラス融着によるギャップ接合を良好に行うことが
できるとともに、上記フロントギャップg1 のギャップ
長の変化が小さく、金属磁性薄膜の浸食も抑えられるこ
とが判った。
【0042】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明では、バックギャップ部のギャップ接合とフロントギ
ャップ側の巻線溝のデプスエンド部におけるガラス融着
を2回の作業にすることで上記デプスエンド部における
ガラス融着を低温で行うことができるので、融着ガラス
により上記フロントギャップ部のギャップスペーサとし
て使用されるSiO2 膜が浸食されるのを防止すること
ができる。従って、フロントギャップのギャップ長の変
動が抑えられ、信頼性に優れた磁気ヘッドを得ることが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した製造方法の一例を示すもの
で、ガラス溝及びコイル巻線溝形成工程を示す正面図で
ある。
【図2】SiO2 膜形成工程を示す斜視図である。
【図3】1対の磁気コア同士のガラス融着工程を示す正
面図である。
【図4】フロントギャップの接合を補強するためのガラ
ス融着工程を示す正面図である。
【図5】本発明を適用した製造方法によって作製される
磁気ヘッドの構成を示す斜視図である。
【図6】フロントギャップ側のコイル巻線溝内にデプス
エンドを補強するためのガラス融着が施された状態を示
す模式図である。
【図7】フロントギャップに介在されるSiO2 膜間に
融着ガラスが浸食した状態を示す模式図である。
【図8】フロントギャップのギャップ長の変化量の定義
を説明するための要部拡大図面である。
【図9】バックギャップのガラス融着工程及びフロント
ギャップ側の巻線溝のデプスエンド部におけるガラス融
着工程の温度プロファイルである。
【図10】磁気コア同士がSiO2 膜を介して突き合わ
される接合面に金属磁性薄膜が成膜された磁気ヘッドの
構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・ヘッドコアブロック 3・・・ガラス溝 4・・・コイル巻線溝 5a〜d・・・SiO2 6,8・・・ガラス棒 7,9・・・ガラス g1 ・・・フロントギャップ g2 ・・・バックギャップ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SiO2 膜をフロントギャップのギャッ
    プスペーサとする磁気ヘッドの製造方法において、 バックギャップ側をガラス材により所定の温度T1 でガ
    ラス融着した後、 上記フロントギャップ近傍の巻線溝内に上記ガラス材と
    同様なガラス材を挿入して前記温度T1 よりも低い温度
    2 でガラス融着することを特徴とする磁気ヘッドの製
    造方法。
JP31016091A 1991-10-30 1991-10-30 磁気ヘツドの製造方法 Withdrawn JPH05128428A (ja)

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