JPH0512708Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案は、合成樹脂の化粧枠を備え、この化粧
枠にガスケツト取付け用のサツシを係着するよう
にした断熱扉に関する。

（従来の技術） 例えば、冷蔵庫用の扉は一般に、背面を開放せ
る外殻体内に断熱材を充填して構成されている。
そして、その外殻体としては、扉前面を構成する
前面板の側縁に合成樹脂製の化粧枠を取付け、こ
の化粧枠に、ガスケツト取付用のサツシを係着す
る構成のものがある。その従来例を第５図乃至第
８図に示している。これらの図において、１は外
殻体で、これは扉前面を構成する鋼板製の前面板
２と、合成樹脂製の化粧枠３と、同じく合成樹脂
製のサツシ４とから、背面開放形に構成されてい
る。化粧枠３は、前側の張出し部５と挟持片部６
とで前面板２の側縁を挟着することによつて、こ
の前面板２に取付けられている。そして、化粧枠
３の後側の端縁には、係合鍔７が形成されてお
り、又内面側には板状をなす受部８が形成されて
いる。この受部８には、第６図に示すように、そ
の数箇所に該受部８端縁より若干突出する係合爪
部９が形成されている。サツシ４は、断面略矩形
状の主体部１０とこの主体部１０から延出した片
部１１とを有して成り、主体部１０の一壁部には
ガスケツト取付用の溝１２を形成している。この
サツシ４はその主体部１０を前記係合鍔７と係合
爪部９とで係着するようにして前記受部８に取付
けられている。１３はこのような外殻１の内部に
充填された断熱材であり、１４は断熱材１３の充
填時にその漏出を防止するためのシール材であ
る。

（考案が解決しようとする課題） ところで、サツシ４を化粧枠３に取付ける場合
には、第７図に示すように、主体部１０の角部１
０ａを係合鍔７の裏側に挿入した後、該サツシ４
を矢印Ａ方向へ回動操作して、以て上記角部１０
ａの対角側にある角部１０ｂを、係合爪部９を乗
越えてこれに係合させることを行なうが、係合爪
部９の剛性がかなり高いことから、上記角部１０
ｂを、係合爪部９を乗越えさせる折りにかなりの
力を必要とし、総じて、化粧枠３に対するサツシ
４の取付けがしづらい問題があつた。又、化粧枠
３が第８図に示すように反り変形している場合に
は、その反りを矯正したとしても、復元力が内在
するからどうしても係合爪部９のサツシ４に対す
る係合が外れやすくなり、断熱材１３の発泡充填
時とか、他の場所への運搬作業時等にサツシ４が
化粧枠３から外れる虞があつた。

本考案は上記事情に鑑みてなされたものであ
り、その目的は、化粧枠に対するサツシの取付け
が容易で、しかも取付けたサツシの外れもなくす
ことができる断熱扉を提供するにある。

［考案の構成］ （課題を解決するための手段） 本考案は、扉前面を構成する前面板と、この前
面板の側縁に取付けられ端縁に係合鍔を形成する
と共に内面側に係合爪部を有する受部を形成した
合成樹脂製の化粧枠と、この化粧枠の受部に前記
係合鍔及び係合爪部によつて係着されたガスケツ
ト取付け用のサツシとから、背面を開放する外殻
体を構成し、この外殻体内に断熱材を充填して成
るものにおいて、前記受部にあつて前記係合爪部
との境界部分に切欠部を形成すると共に、該係合
爪部に返し部を形成し、前記サツシにこの係合爪
部の返し部と係合する突出部を形成したことを特
徴とするものである。

（作用） 上記手段によれば、受部にあつて係合爪部との
境界部分に切欠部を形成したから、係合爪部の弾
性変形が容易となり、化粧枠に対するサツシの取
付けが容易となる。又、係合爪部に返し部を形成
し、サツシにこの返し部と係合する突出部を形成
したから、それらの係合によつてサツシが化粧枠
に確実に取付けられ、以てサツシが外れるような
ことはない。

（実施例） 以下本考案を冷蔵庫用の断熱扉に適用した一実
施例につき第１図乃至第４図を参照して説明す
る。

２１は外殻体で、これは扉前面を構成する鋼板
製の前面板２２と、合成樹脂製の化粧枠２３と、
同じく合成樹脂製のサツシ２４とから、背面開放
形に構成されている。化粧枠２３は、前側の張出
し部２５と挟持片部２６とで前面板２２の側縁を
挟着することによつて、この前面板２２に取付け
られている。そして、化粧枠２３の後側の端縁に
は、係合鍔２７が形成されており、又内面側には
板状をなす受部２８が形成されている。この受部
２８には、第２図に示すように、その数箇所に該
受部２８端縁より若干突出する係合爪部２９が形
成されている。この場合、受部２８にあつて係合
爪部２９との境界部分には第３図にも示すよう
に、切欠部３０が形成されている。又、係合爪部
２９には第１図に示すように化粧枠２３裏面側へ
向く返し部３１が形成されている。サツシ２４
は、断面略矩形状の主体部３２とこの主体部３２
から延出した片部３３とを有して成り、主体部３
２の一壁部にはガスケツト取付用の溝３４を形成
している。さらにこのサツシ２４の角部には突出
部３５が形成されている。このサツシ２４はその
主体部３２を前記係合鍔２７と係合爪部２９とで
係着するようにして前記受部２８に取付けられて
いる。この場合、サツシ２４の主体部３２の角部
３２ａが係合鍔２７に係合され、突出部３５が係
合爪部２９の返し部３１に係合されている。３６
はこのような外殻体２１の内部に充填された断熱
材であり、３７は断熱材３６の充填時にその漏出
を防止するためのシール材である。

上記構成において、サツシ２４を化粧枠２３に
取付ける場合には、第４図に示すように、主体部
３２の角部３２ａを係合鍔２７の裏側に挿入した
後、該サツシ２４を矢印Ａ方向へ回動操作し、以
て上記角部３２ａの対角側にある突出部３５を、
係合爪部２９の返し部３１を乗越えてこれに係合
させることを行なうが、本実施例では、受部２８
にあつて係合爪部２９との境界部分に切欠部３０
を形成していることから、この係合爪部２９の弾
性変形（第４図二点鎖線参照）が容易であり、こ
の結果、上記突出部３５を、返し部３１を乗越え
させる折りにさほど力を要せず、総じて、化粧枠
２３に対するサツシ２４の取付けが極めて容易と
なる。又、化粧枠２３の反り変形を矯正した場
合、復元力が内在するとしても、係合爪部２９の
返し部３１とサツシ２４の突出部３４とがその復
元力に抗する方向で確実に係合しているから、断
熱材３６の発泡充填時とか、他の場所への運搬作
業時等にサツシ２４が化粧枠２３から外れる虞は
全くない。

尚、上記実施例では、冷蔵庫用の断熱扉に適用
した例を示したが、本考案はこれに限られず、保
温庫用の扉にも適用することができ、その要旨を
逸脱しない範囲内で種々変更して実施できるもの
である。

［考案の効果］ 本考案は、以上の記述にて明らかなように、扉
前面を構成する前面板と、この前面板の側縁に取
付けられ端縁に係合鍔を形成すると共に内面側に
係合爪部を有する受部を形成した合成樹脂製の化
粧枠と、この化粧枠の受部に前記係合鍔及び係合
爪部によつて係着されたガスケツト取付け用のサ
ツシとから、背面を開放する外殻体を構成し、こ
の外殻体内に断熱材を充填して成るものにおい
て、前記受部にあつて前記係合爪部との境界部分
に切欠部を形成すると共に、該係合爪部に返し部
を形成し、前記サツシにこの係合爪部の返し部と
係合する突出部を形成したことを特徴とするもの
であり、これにて、化粧枠に対するサツシの取付
けが極めて容易となり、しかも、取付けたサツシ
が外れるようなこともないという優れた効果を奏
する。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案の一実施例を示し、
第１図は要部の横断平面図、第２図は化粧枠の第
１図−線に沿う断面図、第３図は第２図の
部分の拡大図、第４図は取付け手順を説明するた
めの横断面図である。そして第５図乃至第８図は
従来例を示し、第５図は第１図相当図、第６図は
化粧枠の第５図−線に沿う断面図、第７図は
第４図相当図、第８図は化粧枠が反り変形状態に
ある場合の横断面図である。 図中、２１は外殻体、２２は前面板、２３は化
粧枠、２４はサツシ、２７は係合鍔、２８は受
部、２９は係合爪部、３０は切欠部、３１は返し
部、３５は突出部、３６は断熱材である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扉前面を構成する前面板と、この前面板の側縁
   に取付けられ端縁に係合鍔を形成すると共に内面
   側に係合爪部を有する受部を形成した合成樹脂製
   の化粧枠と、この化粧枠の受部に前記係合鍔及び
   係合爪部によつて係着されたガスケツト取付け用
   のサツシとから、背面を開放する外殻体を構成
   し、この外殻体内に断熱材を充填して成るものに
   おいて、前記受部にあつて前記係合爪部との境界
   部分に切欠部を形成すると共に、該係合爪部に返
   し部を形成し、前記サツシにこの係合爪部の返し
   部と係合する突出部を形成したことを特徴とする
   断熱扉。