JPH0512581U

JPH0512581U - ウインドウレギユレータ装置

Info

Publication number: JPH0512581U
Application number: JP6656591U
Authority: JP
Inventors: 寿吉岡; 淳一前川
Original assignee: Ohi Seisakusho Co Ltd
Current assignee: Ohi Seisakusho Co Ltd
Priority date: 1991-07-29
Filing date: 1991-07-29
Publication date: 1993-02-19

Abstract

(57)【要約】【目的】ドアパネルへの取付けを容易にし、かつ取付
けのスペースを必要としないウィンドウレギュレータ装
置を得る。【構成】第２の機構(３に)おいて、駆動手段(21)によ
りキャリヤ(19)が上下方向を向くガイドレール(17)に沿
って昇降させられると、そのときのキャリヤ(19)に突設
された軸(16)の昇降により第１の機構(２)における軸(1
6)に枢着されたＸ状に交差する両アーム(14)(15)が上下
方向に伸縮させられ、窓ガラス(７)とそれに固着された
ガイドレール(10)とが、ドアパネル(４)に固着されたガ
イドレール(６)に対して昇降させられる。このときの窓
ガラス(７)の昇降量は、キャリヤ(19)の昇降量より大と
なる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車のドアパネルに容易に取付けることができるようにしたウィンドウレギュレータ装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のウィンドウレギュレータ装置としては、いわゆるワイヤードラム式のものと、Ｘアーム式のものとが広く知られている。

【０００３】ワイヤードラム式のものは、自動車のドア又は車体に設けた略上下方向を向くガイドレールに、窓ガラスを支持するキャリヤを摺動自在に装着し、このキャリヤに一部が止着された上昇用及び下降用の両ワイヤを、ドアまたは車体に設けた巻取りドラムに互いに逆向きに巻取り、モータ等の駆動手段により、巻取りドラムを一方向又は他方向に回転させることによって、両ワイヤの一方を巻取りかつ他方を解きほぐして、キャリヤと窓ガラスとをガイドレールに沿って昇降させるようになっている。

【０００４】Ｘアーム式のものは、互いに中間部で枢着したＸ状に交差する２本のアームの各上端を、窓ガラスに固着した水平なガイドレールに摺動自在に嵌合し、一方のアームの下端を、ドアパネルに固着した水平なガイドレールに摺動自在に嵌合し、かつドア内に設けた駆動手段により、他方のアームを、その下端部を中心として上下方向に回動させることにより、窓ガラスを昇降させるようになっている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記した従来のワイヤードラム式およびＸアーム式のウィンドウレギュレータ装置にあってはドアのインナーパネルの内側に取付けを行なっており、この取付けの作業の多くは手作業のためにウィンドウレギュレータ装置の取付けおよび窓ガラスの取付作業に手間がかかり、作業効率が悪い。しかもウィンドウレギュレータ装置の取付け範囲が窓ガラスの昇降分だけ必要となるためウィンドウレギュレータ装置の取付けスペースが拡大する、等の問題点を有していた。

【０００６】本考案は上記の問題点を解消するためになされたもので、ドアパネルへの取付けを容易にし、しかも取付けのためのスペースをとらないウィンドウレギュレータ装置を提供することを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記した目的を達成するために本考案は、一方がドアパネルに、他方が窓ガラスに固着される２本のガイドレール内に、中間部で互いに交差するアームの各先端に取付けた回転ローラを転動または摺動自在に嵌合した第１の機構と、ドアパネルに固着された前記ガイドレールと中間部で交差するようにしてドアパネルに固着された上下方向を向くガイドレールに、キャリヤを摺動自在に装着し、該キャリヤに前記両アームの中間部を枢着する軸を突設し、前記キャリヤをドアパネルに設けた駆動手段により昇降させるようにした第２の機構とを、備えることを特徴としたものである。

【０００８】また、第２の機構の駆動手段が、キャリヤに連結したワイヤを、ドアパネルに枢着したドラムに巻取り、又は解きほぐすことにより、キャリヤを第２の機構におけるガイドレールに沿って昇降させるようにしたワイヤードラム式の昇降機構であることを特徴としたものである。

【０００９】

【作用】

第２の機構において、駆動手段によりキャリヤが上下方向を向くガイドレールに沿って昇降させられると、そのときのキャリヤに突設された軸の昇降により、第１の機構における上記軸に枢着されたＸ状に交差する両アームが上下方向に伸縮させられ、窓ガラスとそれに固着されたガイドレールとが、ドアパネルに固着されたガイドレールに対して昇降させられる。このときの窓ガラスの昇降量は、キャリヤの昇降量より大となる。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図１〜図５を参照して詳細に説明する。図１中(１)はウィンドウレギュレータ装置を示し、(２)はこの装置(１)を構成する第１の機構、(３)は第２の機構を示している。

【００１１】第１の機構(２)は、従来のＸアーム式ウィンドウレギュレータと類似の機構を採用したものである。すなわち、第１の機構(２)は、両端に固着したブラケット(５)をもって、図５に示すようなドアパネル(インナーパネル)(４)にほぼ水平に固着された角管状のガイドレール(６)と、窓ガラス(７)が１対のボルト(８)とナット(９)によって固定されたほぼ水平な角管状のガイドレール(10)とを備えている。窓ガラス(７)はこのガイドレール(10)のアウターパネル(図示略)側の側面、すなわち図１の右方の側面(10a)に固定されている。

【００１２】この２本のガイドレール(６)(10)の互いに対向する側面には、長手方向を向く案内溝(11)(12)が切設されている。２本のガイドレール(６)(10)には、中央で軸(16)をもって互いに枢着されたＸ字状の２本のアーム(14)(15)の各先端に水平な軸(13a)をもって枢着された上下２個ずつの回転ローラ(13)が転動または摺動自在にそれぞれ嵌合されている。

【００１３】アーム(15)は、公知のＸアーム型のウィンドウレギュレータのように、他方のアーム(14)の両側方に配設された２つのアーム片(15a)(15b)からなり、一方のアーム片(15b)の基部にエンボス成形した短円筒状の突部(15c)を、他方のアーム(1 4)の中央に穿設した大径の軸孔(14a)に回転自在に嵌合し、突部(15c)の遊端面に、他方のアーム片(15a)の基部の側面を固着することにより、両アーム片(15a)(1 5b)は一体となって軸(16)を中心に回動しうるようになっている。

【００１４】第２の機構(３)は、従来のワイヤードラム式のウィンドウレギュレータと略同様のものを採用している。すなわち、第２の機構(３)は、上下の端部がブラケット(18)をもってドアパネル(４)に固着されたほぼ上下方向を向く断面コ字状のガイドレール(17)を備えている。ガイドレール(17)の中間部は、第１の機構(２)におけるガイドレール(６) の中間部に形成した切欠き(6a)に嵌合して固着され、ガイドレール(６)に対してほぼ十字状に交差している。

【００１５】ガイドレール(17)の上下方向の長さは、窓ガラス(７)の昇降範囲のほぼ２分の１としてある。またガイドレール(17)は、窓ガラスの湾曲形状に合わせて、正面形が外側方に向かって膨出する弓形としてある。

【００１６】ガイドレール(17)には、キャリヤ(19)が摺動自在に装着されており、このキャリヤ(19)には、２本のアーム(14)(15)の中心を枢着している前記軸(16)が突設されている。

【００１７】ガイドレール(17)の上下の端部には、後述する昇降用のワイヤ(25)(26)を案内するガイド片(20)が固着されている。キャリヤ(19)は、ワイヤードラム式の昇降機構とした駆動手段(21)により昇降させられるようになっている。

【００１８】駆動手段(21)は、ガイドレール(６)(17)に固着されたブラケット(22)と、ブラケット(22)に枢支された巻取りドラム(23)と、ブラケット(22)に固着され、巻取りドラム(23)を正逆回転させるモータ(24)と、一端がキャリヤ(19)に止着され、中間部がガイドレール(17)の上端に設けられたガイド片(20)に掛け回されるとともに、他端が巻取りドラム(23)に巻取られた上昇用ワイヤ(25)と、一端がキャリヤ(19)に止着され、中間部がガイドレール(17)の下端に設けられたガイド片(20) に掛け回されるとともに、他端が巻取りドラム(23)に、上記上昇用ワイヤ(25)の巻回方向と逆向きとして巻取られた下降用ワイヤ(26)とを備えている。

【００１９】この駆動手段(21)により、すなわち、モータ(24)により巻取りドラム(23)を正逆回転させて、両ワイヤ(25)(26)の一方を巻取り、かつ他方を解きほぐすことにより、キャリヤ(19)はガイドレール(17)に沿って昇降させられる。

【００２０】次に、本考案のウィンドウレギュレータ装置(１)の作用を、図２〜図４を参照して説明する。図２は図１と同じ状態、すなわちキャリヤ(19)がガイドレール(17)の上限に位置し、窓ガラス(７)が完全に閉じた状態を示している。この状態から窓ガラス( ７)が、略半開した状態が図３に示されている。

【００２１】図示しないスイッチの操作により、モータ(24)を作動させ、巻取りドラム(23) を図2における反時計方向に回転(逆転)させると、下降用のワイヤ(26)が巻取りドラム(23)に巻取られ、上昇用ワイヤ(25)が同一量だけ解きほぐされて、両ワイヤ(25)(26)はガイドレール(17)に沿って図２に示す矢印Ｘ方向に回走させられ、キャリヤ(19)は下降させられる。このキャリヤ(19)の下降に伴って、両アーム(1 4)(15)は軸(16)を中心として倒伏させられ、ガイドレール(６)(10)に嵌合された各回転ローラ(13)は２つのガイドレール(６)(10)に沿って外方に徐々に転動又は摺動し、ガイドレール(10)及び窓ガラス(７)は、図示しない前後のガラスランチャンネルに沿って若干前下方に斜めに下降する。

【００２２】このときのキャリヤ(19)の下降距離はガイドレール(10)の下降距離に比して図２〜図３に示すように略２分の１となる。さらに窓ガラス(７)を全開させるために、巻取りドラム(23)を反時計方向に引き続いて回転させると、ガイドレール(1 0)は固定のガイドレール(６)を越えて下降し、回転ローラ(13)は、ガイドレール (６)(10)内を互いに内方へ向かって転動または摺動する。そして図４に示すようにキャリヤ(19)がガイドレール(17)の下限において停止し窓ガラス(７)が全開した状態となる。

【００２３】図３から図４に示すように、キャリヤ(19)の移動距離はガイドレール(10)の下降距離の略２分の１であるので、全体としてのキャリヤ(19)の移動距離はガイドレール(10)の下降距離の略２分の１であり、したがってガイドレール(17)の取付範囲が少なくなてすむ。なお窓ガラス(７)を上昇させるにはモータ(24)により、巻取りドラム(23)を時計方向に回転(正転)させる。すると上昇用ワイヤ(25)が巻取りドラム(23)に巻取られ、下降用ワイヤ(26)が同一量だけ解きほぐされて、両ワイヤ(25)(26)はガイドレール(17)に沿って図４の矢印Ｙ方向に回走させられ、キャリヤ(19)は上昇用ワイヤ(25)により引き上げられ、窓ガラス(７)は、上述と逆の作動により上昇させられる。

【００２４】以上述べたように、ウィンドウレギュレータ装置(１)の取付範囲はガイドレール(17)の取付範囲はガイドレール(10)の下降分よりも少ないので、図５に示すようにインナーパネル(４)の狭い範囲内でウィンドウレギュレータ装置(１)の取付けが可能となり、さらにインナーパネル(４)の外側から取付けを行なうことができる。

【００２５】また装置(１)をインナーパネル(４)の外側から取付けを行なうことができるため、ウィンドウレギュレータ装置(１)の取付けの自動化が可能となる。

【００２６】なお、上述の実施例においては、各アーム(14)(15)における軸(16)からガイドレール(６)までの長さと、軸(16)からガイドレール(10)までの長さをほぼ１：１とすることにより、窓ガラス(７)を、キャリヤ(19)のほぼ２倍の範囲にわたって昇降しうるようにしてあるが、上記の長さの比を１：２、又は１：３とすることにより、窓ガラス(７)を、キャリヤ(19)の昇降範囲の３倍又は４倍の範囲にわたって昇降させるようにすることができる。

【００２７】

【考案の効果】

本考案は下記の効果を奏する。 (a) 窓ガラスの上下の移動範囲に比べてインナーパネルに取付けられるガイドレールの上下の長さを著しく短くすることができるので、ドアパネルへのウィンドウレギュレータ装置の取付け範囲を窓ガラスの昇降範囲より著しく小とすることができる。 (b) ウィンドウレギュレータ装置を外側からドアパネルに取付けることができるので、自動化が図れ、しかも窓ガラスの取付けが容易となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の前方斜視図である。

【図２】同じく窓ガラスが全閉した状態の側面図であ
る。

【図３】窓ガラスが半開となった状態の図２と同様の側
面図である。

【図４】窓ガラスが全開した状態の図２と同様の側面図
である。

【図５】ウィンドウレギュレータ装置のドアへの取付時
の状態を示す分解斜視図である。

【符号の説明】

(１)ウィンドウレギュレータ装置 (２)第
１の機構 (３)第２の機構 (４)ド
アパネル (５)ブラケット (5a)取
付孔 (６)ガイドレール (6a)切
欠き (７)窓ガラス (８)ボ
ルト (９)ナット (10)ガ
イドレール (10a)側面 (11)(1
2)案内溝 (13)回転ローラ (13a)
軸 (14)(15)アーム (14a)
軸孔 (15a)(16b)アーム片 (15c)
突部 (16)軸 (17)ガ
イドレール (18)ブラケット (19)キ
ャリヤ (20)ガイド片 (21)駆
動手段 (22)ブラケット (23)巻
取りドラム (24)モータ (25)(2
6)ワイヤ

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】一方がドアパネルに、他方が窓ガラスに
固着される２本のガイドレール内に、中間部で互いに交
差するアームの各先端に取付けた回転ローラを転動また
は摺動自在に嵌合した第１の機構と、ドアパネルに固着された前記ガイドレールと中間部で交
差するようにしてドアパネルに固着された上下方向を向
くガイドレールに、キャリヤを摺動自在に装着し、該キ
ャリヤに前記両アームの中間部を枢着する軸を突設し、
前記キャリヤをドアパネルに設けた駆動手段により昇降
させるようにした第２の機構とを、備えることを特徴と
するウィンドウレギュレータ装置。
【請求項２】前記第２の機構の駆動手段が、キャリヤ
に連結したワイヤを、ドアパネルに枢着したドラムに巻
取り、又は解きほぐすことにより、キャリヤを第２の機
構におけるガイドレールに沿って昇降させるようにした
ワイヤドラム式の昇降機構であることを特徴とする請求
項１記載のウィンドウレギュレータ装置。