JPH05125234A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
熱可塑性樹脂組成物Info
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- JPH05125234A JPH05125234A JP29261391A JP29261391A JPH05125234A JP H05125234 A JPH05125234 A JP H05125234A JP 29261391 A JP29261391 A JP 29261391A JP 29261391 A JP29261391 A JP 29261391A JP H05125234 A JPH05125234 A JP H05125234A
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- phenylene ether
- olefin
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 (A)成分:炭素数が2〜12のα−オレフ
ィン50〜99.95モル%と、一般式(I)で示され
る水酸基を有する置換α−オレフィン 【化1】 (式中Rは炭素数0から20の炭化水素基であり、mは
1ないし3の整数である。)50〜0.05モル%との
共重合体10〜90重量%、(B)成分:カルボキシル
基またはエポキシ基を有する変性フェニレンエーテル系
樹脂90〜10重量%を含有することを特徴とする熱可
塑性樹脂組成物。 【効果】 成形性に優れ、耐衝撃強度、引張強度に優れ
た成形品を与える。
ィン50〜99.95モル%と、一般式(I)で示され
る水酸基を有する置換α−オレフィン 【化1】 (式中Rは炭素数0から20の炭化水素基であり、mは
1ないし3の整数である。)50〜0.05モル%との
共重合体10〜90重量%、(B)成分:カルボキシル
基またはエポキシ基を有する変性フェニレンエーテル系
樹脂90〜10重量%を含有することを特徴とする熱可
塑性樹脂組成物。 【効果】 成形性に優れ、耐衝撃強度、引張強度に優れ
た成形品を与える。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ますます多様化、かつ
高度化している自動車、電気電子分野の機器材料として
有用なオレフィン系樹脂とフェニレンエーテル系樹脂と
からなる樹脂組成物に関する。この樹脂組成物は、オレ
フィン系樹脂の特徴である成形性および耐有機溶剤性並
びにフェニレンエーテル系樹脂の特徴である耐熱性、機
械的強度及び寸法精度を兼ね備えた高性能な熱可塑性樹
脂組成物である。
高度化している自動車、電気電子分野の機器材料として
有用なオレフィン系樹脂とフェニレンエーテル系樹脂と
からなる樹脂組成物に関する。この樹脂組成物は、オレ
フィン系樹脂の特徴である成形性および耐有機溶剤性並
びにフェニレンエーテル系樹脂の特徴である耐熱性、機
械的強度及び寸法精度を兼ね備えた高性能な熱可塑性樹
脂組成物である。
【0002】
【従来の技術】オレフィン系樹脂は、成形加工性、耐有
機溶剤性などが優れ、低比重で安価であることから広く
成形品の製造に利用されているが、耐熱性がそれほど高
くなく、エンジニアリングプラスチック用途への利用に
は障害となっている。また、フェニレン環に非置換また
は置換基を有するフェニレンエーテル系樹脂、特に、ポ
リ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)
は耐熱性及び機械的強度が優れ、いわゆるエンジニアリ
ングプラスチックとして有名であるが、溶融粘度が高い
ので、射出成形等による成形加工が困難であるという望
ましくない性質を有している。また耐衝撃強度及び耐溶
剤性も耐熱エンジニアリングプラスチックとしての多く
の用途分野で不十分である。
機溶剤性などが優れ、低比重で安価であることから広く
成形品の製造に利用されているが、耐熱性がそれほど高
くなく、エンジニアリングプラスチック用途への利用に
は障害となっている。また、フェニレン環に非置換また
は置換基を有するフェニレンエーテル系樹脂、特に、ポ
リ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)
は耐熱性及び機械的強度が優れ、いわゆるエンジニアリ
ングプラスチックとして有名であるが、溶融粘度が高い
ので、射出成形等による成形加工が困難であるという望
ましくない性質を有している。また耐衝撃強度及び耐溶
剤性も耐熱エンジニアリングプラスチックとしての多く
の用途分野で不十分である。
【0003】単独の樹脂材料では、所望の諸性質を十分
に満たすことができない場合の試みの一つとして、他の
樹脂材料を混合することにより、不十分な性質を相補う
という手法はよく行われている。これにより、フェニレ
ンエーテル系樹脂とオレフィン系樹脂の両者の良好な性
質を併せ持ち、望ましくない点を相補う組成物が得られ
れば、利用分野の広い優れた樹脂材料の提供が可能とな
る。
に満たすことができない場合の試みの一つとして、他の
樹脂材料を混合することにより、不十分な性質を相補う
という手法はよく行われている。これにより、フェニレ
ンエーテル系樹脂とオレフィン系樹脂の両者の良好な性
質を併せ持ち、望ましくない点を相補う組成物が得られ
れば、利用分野の広い優れた樹脂材料の提供が可能とな
る。
【0004】しかし、フェニレンエーテル系樹脂とオレ
フィン系樹脂とは、非相溶であり、親和性を有していな
いため、単に両成分を混合した場合には、この二相構造
の界面の接着性は良好でない。そのため、得られた成形
品の相界面が欠陥部となり、機械的強度が低下する。ま
た、この二相は均一かつ微細な分散形態となり難く、射
出成形などの成形加工時にせん断応力を受けたとき、層
状剥離(デラミネーション)を生じやすい。
フィン系樹脂とは、非相溶であり、親和性を有していな
いため、単に両成分を混合した場合には、この二相構造
の界面の接着性は良好でない。そのため、得られた成形
品の相界面が欠陥部となり、機械的強度が低下する。ま
た、この二相は均一かつ微細な分散形態となり難く、射
出成形などの成形加工時にせん断応力を受けたとき、層
状剥離(デラミネーション)を生じやすい。
【0005】上記の問題を解決する方法の一つは、二成
分相互の親和性を改良するために、各々の樹脂を、互い
に反応する官能基で変性し、反応させることにより、化
学結合を介したブロックまたはグラフト共重合体生成物
を得る方法である。このような観点から、オレフィン系
樹脂とフェニレンエーテル系樹脂の親和性を改良するた
めに、変性オレフィン系樹脂と変性フェニレンエーテル
系樹脂とからなる樹脂組成物が数多く提案されている。
例えば、ポリオレフィンに水酸基を有する不飽和単量
体、例えばヒドロキシエチルアクリレートを有機パーオ
キサイドの存在下でグラフト変性したポリオレフィン
と、カルボン酸またはカルボン酸無水物を有する化合物
で変性したポリフェニレンエーテルとからなる樹脂組成
物(特開昭63−221154号、特開平2−1731
36号)が提案されている。
分相互の親和性を改良するために、各々の樹脂を、互い
に反応する官能基で変性し、反応させることにより、化
学結合を介したブロックまたはグラフト共重合体生成物
を得る方法である。このような観点から、オレフィン系
樹脂とフェニレンエーテル系樹脂の親和性を改良するた
めに、変性オレフィン系樹脂と変性フェニレンエーテル
系樹脂とからなる樹脂組成物が数多く提案されている。
例えば、ポリオレフィンに水酸基を有する不飽和単量
体、例えばヒドロキシエチルアクリレートを有機パーオ
キサイドの存在下でグラフト変性したポリオレフィン
と、カルボン酸またはカルボン酸無水物を有する化合物
で変性したポリフェニレンエーテルとからなる樹脂組成
物(特開昭63−221154号、特開平2−1731
36号)が提案されている。
【0006】これらは、それぞれに一応の相溶性は認め
られるが、オレフィン系樹脂への水酸基の導入量が不十
分であり、両者の相溶性が実用上十分とは言えない。ま
た、ポリオレフィンへの水酸基の導入量を多くしようと
すると有機パーオキサイドによりポリオレフィンの結合
鎖の分断が生じ、オレフィン系樹脂の分子量の著しい低
下がみられ、機械的強度が低下する問題があり、実用
上、満足できるものが得られていないのが現状である。
られるが、オレフィン系樹脂への水酸基の導入量が不十
分であり、両者の相溶性が実用上十分とは言えない。ま
た、ポリオレフィンへの水酸基の導入量を多くしようと
すると有機パーオキサイドによりポリオレフィンの結合
鎖の分断が生じ、オレフィン系樹脂の分子量の著しい低
下がみられ、機械的強度が低下する問題があり、実用
上、満足できるものが得られていないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、オレフィン
系樹脂とフェニレンエーテル系樹脂の相溶性を改良し
て、従来技術では到達し得なかった安定な分散構造をと
り、かつ優れた機械的強度を有する成形品を与える樹脂
組成物を提供することを目的とする。
系樹脂とフェニレンエーテル系樹脂の相溶性を改良し
て、従来技術では到達し得なかった安定な分散構造をと
り、かつ優れた機械的強度を有する成形品を与える樹脂
組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)成分:
炭素数が2〜12のα−オレフィン50〜99.95モ
ル%と、一般式(I)で示される水酸基を有する置換α
−オレフィン
炭素数が2〜12のα−オレフィン50〜99.95モ
ル%と、一般式(I)で示される水酸基を有する置換α
−オレフィン
【0009】
【化2】
【0010】(式中Rは炭素数0から20の炭化水素基
であり、mは1ないし3の整数である。)50〜0.0
5モル%との共重合体10〜90重量%、(B)成分:
カルボキシル基またはエポキシ基を有する変性フェニレ
ンエーテル系樹脂90〜10重量%を含有することを特
徴とする熱可塑性樹脂組成物を提供するものである。
であり、mは1ないし3の整数である。)50〜0.0
5モル%との共重合体10〜90重量%、(B)成分:
カルボキシル基またはエポキシ基を有する変性フェニレ
ンエーテル系樹脂90〜10重量%を含有することを特
徴とする熱可塑性樹脂組成物を提供するものである。
【0011】(A)共重合体 (A)成分の共重合体は、炭素数が2〜12のα−オレ
フィン50〜99.95モル%と、前記式(I)で示さ
れる水酸基を有する置換α−オレフィン50〜0.05
モル%との混合物をチーグラー・ナッタ触媒を用いて、
α−オレフィン重合体の製造の方法及び装置を用いて共
重合させることによって製造することができる。製造法
は特に限定されないが、例えば、特開昭55−1659
07号、同56−30414号、同56−36508
号、同57−155206号各公報記載のものを挙げる
ことができる。
フィン50〜99.95モル%と、前記式(I)で示さ
れる水酸基を有する置換α−オレフィン50〜0.05
モル%との混合物をチーグラー・ナッタ触媒を用いて、
α−オレフィン重合体の製造の方法及び装置を用いて共
重合させることによって製造することができる。製造法
は特に限定されないが、例えば、特開昭55−1659
07号、同56−30414号、同56−36508
号、同57−155206号各公報記載のものを挙げる
ことができる。
【0012】水酸基を有する置換α−オレフィンはその
ままα−オレフィンと共重合することができるが、例え
ば、特開昭55−98209号、USP3,492,2
77号、同4,423,196号明細書のように、重合
時に使用する助触媒などと錯化させた後、α−オレフィ
ンと共重合させることが好ましい。水酸基を有する置換
α−オレフィンの使用量は0.05−50モル%であ
る。水酸基を有する置換α−オレフィンの使用量がこれ
未満では変性共重合体としての水酸基の導入効果が出に
くく、50モル%を越えてはポリオレフィンの性質が損
なわれてしまう。好ましくは0.1〜40モル%、特に
好ましくは0.1〜30モル%使用する。
ままα−オレフィンと共重合することができるが、例え
ば、特開昭55−98209号、USP3,492,2
77号、同4,423,196号明細書のように、重合
時に使用する助触媒などと錯化させた後、α−オレフィ
ンと共重合させることが好ましい。水酸基を有する置換
α−オレフィンの使用量は0.05−50モル%であ
る。水酸基を有する置換α−オレフィンの使用量がこれ
未満では変性共重合体としての水酸基の導入効果が出に
くく、50モル%を越えてはポリオレフィンの性質が損
なわれてしまう。好ましくは0.1〜40モル%、特に
好ましくは0.1〜30モル%使用する。
【0013】(α−オレフィン)共重合体を構成する単
量体のα−オレフィンの具体例としては、エチレン、プ
ロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1
−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1
−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、4,4−
ジメチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ヘキセン、
4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘ
キセン、5−メチル−1−ヘキセン、アリルシクロペン
タン、アリルシクロヘキサン、アリルベンゼン、3−シ
クロヘキシル−1−ブテン、ビニルシクロプロパン、ビ
ニルシクロヘキサン、2−ビニルビシクロ[2,2,
1]−ヘプタンなどを挙げることができる。これらのう
ち好ましくは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1
−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1
−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、5−メチル−
1−ヘキセンなどを挙げることができる。
量体のα−オレフィンの具体例としては、エチレン、プ
ロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1
−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1
−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、4,4−
ジメチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ヘキセン、
4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘ
キセン、5−メチル−1−ヘキセン、アリルシクロペン
タン、アリルシクロヘキサン、アリルベンゼン、3−シ
クロヘキシル−1−ブテン、ビニルシクロプロパン、ビ
ニルシクロヘキサン、2−ビニルビシクロ[2,2,
1]−ヘプタンなどを挙げることができる。これらのう
ち好ましくは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1
−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1
−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、5−メチル−
1−ヘキセンなどを挙げることができる。
【0014】特に、エチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、3−メチル−1−ブテンまたは4−メチル−1−ペ
ンテンが好ましい。これらのα−オレフィンは1種でも
よく、また2種以上用いても差し支えない。2種以上の
α−オレフィンを用いる場合は、各α−オレフィンは共
重合体中にランダムまたはブロック的に分布していても
よい。
ン、3−メチル−1−ブテンまたは4−メチル−1−ペ
ンテンが好ましい。これらのα−オレフィンは1種でも
よく、また2種以上用いても差し支えない。2種以上の
α−オレフィンを用いる場合は、各α−オレフィンは共
重合体中にランダムまたはブロック的に分布していても
よい。
【0015】(水酸基を有する置換α−オレフィン)水
酸基を有する置換α−オレフィンの好適な具体例として
は、下記のものがある。4−ペンテン−1−オール、5
−ヘキセン−1−オール、6−ヘプテン−1−オール、
7−オクテン−1−オール、8−ノネン−1−オール、
9−デセン−1−オール、10−ウンデセン−1−オー
ル、11−ドデセン−1−オール、ビニルアルコールな
どである。
酸基を有する置換α−オレフィンの好適な具体例として
は、下記のものがある。4−ペンテン−1−オール、5
−ヘキセン−1−オール、6−ヘプテン−1−オール、
7−オクテン−1−オール、8−ノネン−1−オール、
9−デセン−1−オール、10−ウンデセン−1−オー
ル、11−ドデセン−1−オール、ビニルアルコールな
どである。
【0016】これらの置換α−オレフィンは単独でもま
た2種以上を併用してもよい。なお、この共重合体の製
造においては、上記両単量体の合計量に対して15モル
%程度までの他の共重合可能な単量体をさらに含有して
いてもよい。かかる単量体としては、4−ペンテン酸メ
チル、6−ヘプテン酸エチル、8−ノネン酸メチル、1
0−ウンデセン酸メチル、10−ウンデセン酸エチル、
10−ウンデセン酸プロピル、10−ウンデセン酸ブチ
ル、10−ウンデセン酸シクロヘキシル、10−ウンデ
セン酸フェニル、10−ウンデセン酸−2,6−キシリ
ル、6−ペンテン酸、7−オクテン酸、8−ノネン酸、
9−デセン酸、10−ウンデセン酸、10−ウンデセニ
ルアミンなどである。
た2種以上を併用してもよい。なお、この共重合体の製
造においては、上記両単量体の合計量に対して15モル
%程度までの他の共重合可能な単量体をさらに含有して
いてもよい。かかる単量体としては、4−ペンテン酸メ
チル、6−ヘプテン酸エチル、8−ノネン酸メチル、1
0−ウンデセン酸メチル、10−ウンデセン酸エチル、
10−ウンデセン酸プロピル、10−ウンデセン酸ブチ
ル、10−ウンデセン酸シクロヘキシル、10−ウンデ
セン酸フェニル、10−ウンデセン酸−2,6−キシリ
ル、6−ペンテン酸、7−オクテン酸、8−ノネン酸、
9−デセン酸、10−ウンデセン酸、10−ウンデセニ
ルアミンなどである。
【0017】この(A)成分の水酸基を有する共重合体
の数平均分子量(Mn)は、3000以上、好ましくは
6,000〜200,000、重量平均分子量(Mw)
は、10,000以上、好ましくは50,000〜30
0,000であり、その融点(顕微鏡による)は40℃
以上、好ましくは約70〜約300℃である。
の数平均分子量(Mn)は、3000以上、好ましくは
6,000〜200,000、重量平均分子量(Mw)
は、10,000以上、好ましくは50,000〜30
0,000であり、その融点(顕微鏡による)は40℃
以上、好ましくは約70〜約300℃である。
【0018】(B)変性フェニレンエーテル系樹脂 (B)成分のカルボキシル基もしくはエポキシ基変性フ
ェニレンエーテル系樹脂は、フェニレンエーテル系樹脂
分子にエチレン性二重結合を有するカルボン酸またはそ
の酸無水物基、またはエポキシ基を有する化合物を化学
反応によって導入したものである。なお、エチレン性二
重結合を有するカルボン酸またはその酸無水物の含有量
は、赤外線分光分析法によって定めることができる。ま
た、アルカリによる中和滴定法を採用することも可能で
ある。
ェニレンエーテル系樹脂は、フェニレンエーテル系樹脂
分子にエチレン性二重結合を有するカルボン酸またはそ
の酸無水物基、またはエポキシ基を有する化合物を化学
反応によって導入したものである。なお、エチレン性二
重結合を有するカルボン酸またはその酸無水物の含有量
は、赤外線分光分析法によって定めることができる。ま
た、アルカリによる中和滴定法を採用することも可能で
ある。
【0019】(フェニレンエーテル系樹脂)化学反応に
供されるフェニレンエーテル系樹脂は、一般式(II)
供されるフェニレンエーテル系樹脂は、一般式(II)
【0020】
【化3】
【0021】(式中、Q1は各々独立してハロゲン原
子、第一級もしくは第二級アルキル基、フェニル基、ア
ミノアルキル基、炭化水素オキシ基またはハロ炭化水素
オキシ基を表わし、Q2は各々独立して水素原子、ハロ
ゲン原子、第一級若しくは第二級アルキル基、フェニル
基、ハロアルキル基、炭化水素オキシ基またはハロ炭化
水素オキシ基を表わす。nは10以上の数を表わす。)
で示される構造を有する単独重合体またはその共重合体
である。
子、第一級もしくは第二級アルキル基、フェニル基、ア
ミノアルキル基、炭化水素オキシ基またはハロ炭化水素
オキシ基を表わし、Q2は各々独立して水素原子、ハロ
ゲン原子、第一級若しくは第二級アルキル基、フェニル
基、ハロアルキル基、炭化水素オキシ基またはハロ炭化
水素オキシ基を表わす。nは10以上の数を表わす。)
で示される構造を有する単独重合体またはその共重合体
である。
【0022】式(II)におけるQ1およびQ2の第一級
アルキル基の好適な例は、メチル、エチル、n−プロピ
ル、n−ブチル、n−アミル、イソアミル、2−メチル
ブチル、n−ヘキシル、2,3−ジメチルブチル、2
−,3−若しくは4−メチルペンチルである。第二級ア
ルキル基の好適な例は、イソプロピル、sec−ブチル
または1−エチルプロピルである。多くの場合、Q1は
アルキル基またはフェニル基、特に炭素数1−4のアル
キル基であり、Q2は水素原子である。
アルキル基の好適な例は、メチル、エチル、n−プロピ
ル、n−ブチル、n−アミル、イソアミル、2−メチル
ブチル、n−ヘキシル、2,3−ジメチルブチル、2
−,3−若しくは4−メチルペンチルである。第二級ア
ルキル基の好適な例は、イソプロピル、sec−ブチル
または1−エチルプロピルである。多くの場合、Q1は
アルキル基またはフェニル基、特に炭素数1−4のアル
キル基であり、Q2は水素原子である。
【0023】好適なフェニレンエーテル系樹脂の単独重
合体としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,
4−フェニレンエーテル)である。好適な共重合体とし
ては、2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル
単位と2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエ
ーテル単位との組合せからなるランダム共重合体であ
る。多くの好適な、単独重合体またはランダム共重合体
が特許、文献に記載されている。例えば、分子量、溶融
粘度及び/または衝撃強度等の特性を改良する分子構成
成分を含むフェニレンエーテル系樹脂も、また好適であ
る。(USP3,422,062号、同3,306,8
74号、同3,306,875号、USP3,257,
257号、同3,257,358号等。)フェニレンエ
ーテル系樹脂の分子量は通常クロロホルム中で30℃の
固有粘度が0.2〜0.8dl/g程度に相当するもので
ある。〔式(II)において、nが25〜300の数のも
の。〕フェニレンエーテル系樹脂は、通常前記のモノマ
ーの酸化カップリングにより製造される。フェニレンエ
ーテル系樹脂の酸化カップリング重合に関しては、上記
文献に記載される数多くの触媒系が使用できる。触媒の
選択に関しては特に制限がなく、公知の触媒のいずれも
用いることができる。例えば、銅、マンガン、コバルト
等の重金属化合物の少なくとも1種を種々の他の物質と
の組合せで含むものである。
合体としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,
4−フェニレンエーテル)である。好適な共重合体とし
ては、2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル
単位と2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエ
ーテル単位との組合せからなるランダム共重合体であ
る。多くの好適な、単独重合体またはランダム共重合体
が特許、文献に記載されている。例えば、分子量、溶融
粘度及び/または衝撃強度等の特性を改良する分子構成
成分を含むフェニレンエーテル系樹脂も、また好適であ
る。(USP3,422,062号、同3,306,8
74号、同3,306,875号、USP3,257,
257号、同3,257,358号等。)フェニレンエ
ーテル系樹脂の分子量は通常クロロホルム中で30℃の
固有粘度が0.2〜0.8dl/g程度に相当するもので
ある。〔式(II)において、nが25〜300の数のも
の。〕フェニレンエーテル系樹脂は、通常前記のモノマ
ーの酸化カップリングにより製造される。フェニレンエ
ーテル系樹脂の酸化カップリング重合に関しては、上記
文献に記載される数多くの触媒系が使用できる。触媒の
選択に関しては特に制限がなく、公知の触媒のいずれも
用いることができる。例えば、銅、マンガン、コバルト
等の重金属化合物の少なくとも1種を種々の他の物質と
の組合せで含むものである。
【0024】(有機カルボン酸またはその酸無水物化)
前記のフェニレンエーテル系樹脂と反応されるカルボン
酸またはその無水物としては、マレイン酸、シトラコン
酸、イタコン酸等で例示されるα,β−不飽和ジカルボ
ン酸;アクリル酸、フラン酸、メタクリル酸、クロトン
酸、ビニル酢酸、ペンテン酸等で例示される不飽和モノ
カルボン酸;あるいはこれらの酸無水物が使用できる。
前記のフェニレンエーテル系樹脂と反応されるカルボン
酸またはその無水物としては、マレイン酸、シトラコン
酸、イタコン酸等で例示されるα,β−不飽和ジカルボ
ン酸;アクリル酸、フラン酸、メタクリル酸、クロトン
酸、ビニル酢酸、ペンテン酸等で例示される不飽和モノ
カルボン酸;あるいはこれらの酸無水物が使用できる。
【0025】フェニレンエーテル系樹脂に不飽和カルボ
ン酸またはその酸無水物を導入する方法としては、例え
ば特開平2−654号及び特開昭63−128056号
各公報に記載されるような、フェニレンエーテル系樹脂
をトルエンやクロロホルムなどの有機溶媒中で、この溶
剤の還流温度までの温度で変性剤を反応させる方法、あ
るいは、フェニレンエーテル系樹脂と変性剤とをロール
ミル、バンバリーミキサー、押出機等を用い、150〜
300℃の温度で溶融混練して、反応させる方法により
行なうことができる。
ン酸またはその酸無水物を導入する方法としては、例え
ば特開平2−654号及び特開昭63−128056号
各公報に記載されるような、フェニレンエーテル系樹脂
をトルエンやクロロホルムなどの有機溶媒中で、この溶
剤の還流温度までの温度で変性剤を反応させる方法、あ
るいは、フェニレンエーテル系樹脂と変性剤とをロール
ミル、バンバリーミキサー、押出機等を用い、150〜
300℃の温度で溶融混練して、反応させる方法により
行なうことができる。
【0026】(エポキシ化フェニレンエーテル系樹脂)
フェニレンエーテル系樹脂にエポキシ基を導入する方法
としては、例えば、特開昭63−125525号公報に
記載されたフェニレンエーテル系樹脂の末端フェノール
性水酸基を利用した反応、具体的にはエピクロルヒドリ
ンの付加反応や2,2−ビス(4−グリシジルフェニレ
ンエーテル)プロパン、ポリエポキシ化合物の付加反応
を用いることができる。また、特開昭63−12805
6号公報に記載されたフェニレンエーテル系樹脂にグリ
シジルメタアクリレートまたはモノグリシジルマレエー
トなどをラジカル反応で導入することもできる。
フェニレンエーテル系樹脂にエポキシ基を導入する方法
としては、例えば、特開昭63−125525号公報に
記載されたフェニレンエーテル系樹脂の末端フェノール
性水酸基を利用した反応、具体的にはエピクロルヒドリ
ンの付加反応や2,2−ビス(4−グリシジルフェニレ
ンエーテル)プロパン、ポリエポキシ化合物の付加反応
を用いることができる。また、特開昭63−12805
6号公報に記載されたフェニレンエーテル系樹脂にグリ
シジルメタアクリレートまたはモノグリシジルマレエー
トなどをラジカル反応で導入することもできる。
【0027】熱可塑性樹脂組成物 成分(A)及び(B)の配合比 熱可塑性樹脂組成物の成形加工性、機械的強度、耐溶剤
性、寸法精度、高温剛性等の性質は、各構成成分の特徴
とその配合比で調整できる場合が多いものの、例えば剛
性と衝撃強度のように、発現機構の相反する性質は、両
立させるのが困難な場合が多い。実用上の目的のため、
通常、成形性、機械的強度、高温剛性等の諸性質の調和
を適切にする観点から行われる。従って、本発明におけ
る組成物の各成分の配合比には、本質的に限界的なもの
は存在しないが、実用的には、二成分系の場合、(A)
成分の共重合体が10〜90重量%、好ましくは20〜
80重量%、(B)成分は90〜10重量%、好ましく
は80〜20重量%である。
性、寸法精度、高温剛性等の性質は、各構成成分の特徴
とその配合比で調整できる場合が多いものの、例えば剛
性と衝撃強度のように、発現機構の相反する性質は、両
立させるのが困難な場合が多い。実用上の目的のため、
通常、成形性、機械的強度、高温剛性等の諸性質の調和
を適切にする観点から行われる。従って、本発明におけ
る組成物の各成分の配合比には、本質的に限界的なもの
は存在しないが、実用的には、二成分系の場合、(A)
成分の共重合体が10〜90重量%、好ましくは20〜
80重量%、(B)成分は90〜10重量%、好ましく
は80〜20重量%である。
【0028】(A)成分が10重量%未満では、フェニ
レンエーテル系樹脂の成形性、耐溶剤性の改良効果が十
分でない。また、90重量%を越えては、オレフィン系
樹脂に比較して耐熱性、剛性の改良効果が十分でない。
これら(A)成分と(B)成分の他に、他の熱可塑性樹
脂、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、プロピレン
・エチレン共重合体、プロピレン・ブテン−1共重合
体、プロピレン・エチレン・ブテン−1共重合体、エチ
レン・アクリル酸共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重
合体、ポリスチレン、エチレン・メタクリル酸共重合体
の金属塩(Li+ ,Na+ ,K+ ,Zn++,A
l+++ )、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン、ポ
リフェニレンエーテル、ヒドロキシアルキル化ポリフェ
ニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエ
チレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン6,6、
ナイロン6,10、ナイロン6,12、ポリカーボネー
ト等を樹脂組成物中に5〜70重量%含有させてもよ
い。
レンエーテル系樹脂の成形性、耐溶剤性の改良効果が十
分でない。また、90重量%を越えては、オレフィン系
樹脂に比較して耐熱性、剛性の改良効果が十分でない。
これら(A)成分と(B)成分の他に、他の熱可塑性樹
脂、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、プロピレン
・エチレン共重合体、プロピレン・ブテン−1共重合
体、プロピレン・エチレン・ブテン−1共重合体、エチ
レン・アクリル酸共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重
合体、ポリスチレン、エチレン・メタクリル酸共重合体
の金属塩(Li+ ,Na+ ,K+ ,Zn++,A
l+++ )、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン、ポ
リフェニレンエーテル、ヒドロキシアルキル化ポリフェ
ニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエ
チレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン6,6、
ナイロン6,10、ナイロン6,12、ポリカーボネー
ト等を樹脂組成物中に5〜70重量%含有させてもよ
い。
【0029】本発明の熱可塑性樹脂組成物には、更に他
の付加的成分を添加することができる。例えば、酸化防
止剤、耐候性改良剤、増核剤、難燃剤、スリップ剤を
0.5〜3重量%、可塑剤、流動性改良剤、離型剤等を
3〜15重量%付加成分として使用できる。更に、有機
・無機充填剤、補強剤、特にガラス繊維、マイカ、タル
ク、ワラストナイト、チタン酸カリウム、炭酸カルシウ
ム、シリカ等の樹脂組成物中の5〜40重量%添加は剛
性、耐熱性、寸法精度、寸法安定性等の向上に有効であ
る。実用のために各種着色剤およびそれらの分散剤など
も1〜10重量%の割合で使用できる。さらに、ゴム成
分の添加、特にスチレン−ブタジエン共重合体ゴム、も
しくはスチレン−イソプレン共重合体ゴム、及びそれの
水素添加物、エチレン−プロピレン(−ジエン)共重合
体ゴム等は、組成物の衝撃強度向上に有効である。ゴム
の配合量は、目標とする物性値により異なるが、例え
ば、組成物の剛性と衝撃強度のバランス改良の場合は、
組成物中5〜30重量%である。
の付加的成分を添加することができる。例えば、酸化防
止剤、耐候性改良剤、増核剤、難燃剤、スリップ剤を
0.5〜3重量%、可塑剤、流動性改良剤、離型剤等を
3〜15重量%付加成分として使用できる。更に、有機
・無機充填剤、補強剤、特にガラス繊維、マイカ、タル
ク、ワラストナイト、チタン酸カリウム、炭酸カルシウ
ム、シリカ等の樹脂組成物中の5〜40重量%添加は剛
性、耐熱性、寸法精度、寸法安定性等の向上に有効であ
る。実用のために各種着色剤およびそれらの分散剤など
も1〜10重量%の割合で使用できる。さらに、ゴム成
分の添加、特にスチレン−ブタジエン共重合体ゴム、も
しくはスチレン−イソプレン共重合体ゴム、及びそれの
水素添加物、エチレン−プロピレン(−ジエン)共重合
体ゴム等は、組成物の衝撃強度向上に有効である。ゴム
の配合量は、目標とする物性値により異なるが、例え
ば、組成物の剛性と衝撃強度のバランス改良の場合は、
組成物中5〜30重量%である。
【0030】組成物の混合方法 本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記の各成分を、各種
混練機、例えば一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミ
キサー等で混練混合する方法で調製することができる。
また、混合の順序は、可能な組み合せのいずれの順序に
よってもよいが、溶融混練法によって混合する場合に
は、粘度の高いものから逐次混合する方法が好ましい方
法である。
混練機、例えば一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミ
キサー等で混練混合する方法で調製することができる。
また、混合の順序は、可能な組み合せのいずれの順序に
よってもよいが、溶融混練法によって混合する場合に
は、粘度の高いものから逐次混合する方法が好ましい方
法である。
【0031】
【作用】溶融混合することにより、(A)成分の共重合
体の水酸基(−OH)と、(B)成分の変性フェニレン
エーテル系樹脂のカルボキシル基(−COOH)または
エポキシ基
体の水酸基(−OH)と、(B)成分の変性フェニレン
エーテル系樹脂のカルボキシル基(−COOH)または
エポキシ基
【0032】
【化4】
【0033】と反応したものが生成され、(A)成分と
(B)成分の相溶性が向上すると共に、耐熱性が向上す
る。
(B)成分の相溶性が向上すると共に、耐熱性が向上す
る。
【0034】
【実施例】以下、実施例により、本発明を詳細に説明す
るが、これにより本発明の範囲は特に限定されるもので
はない。
るが、これにより本発明の範囲は特に限定されるもので
はない。
【0035】(A)共重合体の製造例 例1 300mlのガラス製フラスコ内にヘプタン100mlを入
れた後、10−ウンデセン−1−オール22.14gと
ジエチルアルミニウムクロライド/ヘプタン溶液(20
重量%)109.2mlを加えたのち、70℃に昇温し、
1時間攪拌を行なった。この溶液に、全量が250mlに
なるようにヘプタンを加えた。
れた後、10−ウンデセン−1−オール22.14gと
ジエチルアルミニウムクロライド/ヘプタン溶液(20
重量%)109.2mlを加えたのち、70℃に昇温し、
1時間攪拌を行なった。この溶液に、全量が250mlに
なるようにヘプタンを加えた。
【0036】攪拌及び温度制御装置の付いた内容積1リ
ットルのステンレス鋼製オートクレーブ内に、先に調製
したジエチルアルミニウムクロライド/ヘプタン溶液1
4.4ml、丸紅ソルベイ社製TiCl3 触媒0.7gを
導入し、水素120mlを添加後、プロピレンを圧力0.
5kg/cm2 G供給しながら、65℃で2時間重合を行な
った。
ットルのステンレス鋼製オートクレーブ内に、先に調製
したジエチルアルミニウムクロライド/ヘプタン溶液1
4.4ml、丸紅ソルベイ社製TiCl3 触媒0.7gを
導入し、水素120mlを添加後、プロピレンを圧力0.
5kg/cm2 G供給しながら、65℃で2時間重合を行な
った。
【0037】重合終了後、重合溶液にブタノール50ml
およびメタノール800mlを添加し攪拌後、濾別して樹
脂を回収した。この回収された樹脂を500mlの攪拌機
付のガラス製フラスコ内に投入し、イソプロパノール2
80mlおよび塩酸(36%)20mlを加え55℃で2時
間攪拌した。得られた反応物を濾別し、イソプロパノー
ルで洗浄後、減圧乾燥することにより、共重合体樹脂
(I)88.4gを得た。赤外線分光分析法により33
40cm-1に水酸基に由来する吸収がみられた。この樹脂
のMFRは6.9g/10分であり、水酸基の含量は 1
H−NMRより2.2モル%であった。また、数平均分
子量(Mn)は51,000であった。
およびメタノール800mlを添加し攪拌後、濾別して樹
脂を回収した。この回収された樹脂を500mlの攪拌機
付のガラス製フラスコ内に投入し、イソプロパノール2
80mlおよび塩酸(36%)20mlを加え55℃で2時
間攪拌した。得られた反応物を濾別し、イソプロパノー
ルで洗浄後、減圧乾燥することにより、共重合体樹脂
(I)88.4gを得た。赤外線分光分析法により33
40cm-1に水酸基に由来する吸収がみられた。この樹脂
のMFRは6.9g/10分であり、水酸基の含量は 1
H−NMRより2.2モル%であった。また、数平均分
子量(Mn)は51,000であった。
【0038】例2 事前に調製する溶液の10−ウンデセン−1−オールを
8.52g、ジエチルアルミニウムクロライド/ヘプタ
ン溶液を42ml用いる他は実施例1と同様の条件で実施
し、共重合体(II)を得た。 収量;95.13g MFR;1.2g/10分 水酸基含量;0.63モル% 数平均分子量;75,000
8.52g、ジエチルアルミニウムクロライド/ヘプタ
ン溶液を42ml用いる他は実施例1と同様の条件で実施
し、共重合体(II)を得た。 収量;95.13g MFR;1.2g/10分 水酸基含量;0.63モル% 数平均分子量;75,000
【0039】ヒドロキシエチルメタクリレート変性ポリ
プロピレン樹脂の製造例 例3 プロピレンのホモポリマー粉末(230℃のMFR:1
g/10分、融点約164℃)250gと2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート75gを、あらかじめ十分に窒
素置換をした10リットルの攪拌機付のガラス製のフラ
スコ内に投入し、クロルベンゼン5リットルを加え、1
10℃に加熱攪拌して溶解した。
プロピレン樹脂の製造例 例3 プロピレンのホモポリマー粉末(230℃のMFR:1
g/10分、融点約164℃)250gと2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート75gを、あらかじめ十分に窒
素置換をした10リットルの攪拌機付のガラス製のフラ
スコ内に投入し、クロルベンゼン5リットルを加え、1
10℃に加熱攪拌して溶解した。
【0040】この溶液にクロルベンゼン500mlに溶解
したベンゾイルパーオキシド20gを2時間かけて滴下
し、滴下終了後、更に110℃で3時間反応を行なっ
た。得られた反応物を15リットルのアセトン中に注
ぎ、生成物を析出させて濾別洗浄する操作を3回実施し
た後、ついで減圧乾燥して、ヒドロキシエチルメタクリ
レートグラフト変性プロピレン樹脂(III )を得た。こ
のグラフト変性プロピレン樹脂の2−ヒドロキシエチル
メタクリレートの含量は、赤外線分光分析法より0.9
重量%であった。またMFRは18.9g/10分であ
った。
したベンゾイルパーオキシド20gを2時間かけて滴下
し、滴下終了後、更に110℃で3時間反応を行なっ
た。得られた反応物を15リットルのアセトン中に注
ぎ、生成物を析出させて濾別洗浄する操作を3回実施し
た後、ついで減圧乾燥して、ヒドロキシエチルメタクリ
レートグラフト変性プロピレン樹脂(III )を得た。こ
のグラフト変性プロピレン樹脂の2−ヒドロキシエチル
メタクリレートの含量は、赤外線分光分析法より0.9
重量%であった。またMFRは18.9g/10分であ
った。
【0041】無水マレイン酸変性フェニレンエーテル系
樹脂の製造例 例4 ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテ
ル)(日本ポリエーテル社製、30℃におけるクロロホ
ルム中で測定した固有粘度:0.3dl/g)500g
に、無水マレイン酸125gおよびクロルベンゼン5リ
ットルを10リットルの攪拌機付のガラス製フラスコ内
に仕込み、窒素ガス雰囲気下、加熱攪拌することによ
り、これらを溶解させた。
樹脂の製造例 例4 ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテ
ル)(日本ポリエーテル社製、30℃におけるクロロホ
ルム中で測定した固有粘度:0.3dl/g)500g
に、無水マレイン酸125gおよびクロルベンゼン5リ
ットルを10リットルの攪拌機付のガラス製フラスコ内
に仕込み、窒素ガス雰囲気下、加熱攪拌することによ
り、これらを溶解させた。
【0042】溶解後、更に130℃に加熱昇温し、7時
間攪拌を続け反応させた。反応終了後、反応混合物を1
5リットルのアセトン中に注ぎ、生成した変性フェニレ
ンエーテル系樹脂を沈殿させた。濾別後、再びアセトン
15リットルで洗浄濾別し、80℃で減圧乾燥させ、変
性フェニレンエーテル系樹脂(IV)を得た。この変性樹
脂の無水マレイン酸含有量は赤外線分光分析法より、フ
ェニレンエーテル系樹脂と無水マレイン酸とから事前に
作成しておいた検量線を用いて、フェニレンエーテル系
樹脂に結合した無水マレイン酸の構成単位量を算出した
ところ、結合量は0.12重量%であった。
間攪拌を続け反応させた。反応終了後、反応混合物を1
5リットルのアセトン中に注ぎ、生成した変性フェニレ
ンエーテル系樹脂を沈殿させた。濾別後、再びアセトン
15リットルで洗浄濾別し、80℃で減圧乾燥させ、変
性フェニレンエーテル系樹脂(IV)を得た。この変性樹
脂の無水マレイン酸含有量は赤外線分光分析法より、フ
ェニレンエーテル系樹脂と無水マレイン酸とから事前に
作成しておいた検量線を用いて、フェニレンエーテル系
樹脂に結合した無水マレイン酸の構成単位量を算出した
ところ、結合量は0.12重量%であった。
【0043】エポキシ変性フェニレンエーテル系樹脂の
製造例 例5 十分に窒素ガス置換した内容積10リットルの攪拌機付
のガラス製フラスコ内に、エピクロルヒドリン5リット
ルを入れ、次いでポリ(2,6−ジメチル−1,4−フ
ェニレンエーテル)(日本ポリエーテル社製、30℃に
おけるクロロホルム中で測定した固有粘度0.3dl/
g)350gを加えた。
製造例 例5 十分に窒素ガス置換した内容積10リットルの攪拌機付
のガラス製フラスコ内に、エピクロルヒドリン5リット
ルを入れ、次いでポリ(2,6−ジメチル−1,4−フ
ェニレンエーテル)(日本ポリエーテル社製、30℃に
おけるクロロホルム中で測定した固有粘度0.3dl/
g)350gを加えた。
【0044】ついで、100℃まで加熱昇温し、攪拌し
ながら同温度に約30分保ってポリマーを完全に溶解さ
せた後、あらかじめ、エタノール300mlにナトリウム
エトキシド70gを溶解させた溶液を30分かけて滴下
し、窒素ガス雰囲気下で更に100℃にて4時間反応さ
せた。反応混合物をメタノール10リットル中に注ぎ攪
拌後、生成物の変性フェニレンエーテル系樹脂(V)を
沈殿させた。生成物を濾別して、同量のメタノールで更
に1回洗浄濾過した。得られた生成物を水10リットル
中に注ぎ、攪拌後、沈殿させた。生成物を濾別して、同
量の水で更に1回洗浄濾別した。最後にもう一度、メタ
ノール10リットル中に注ぎ、攪拌洗浄後、濾別し、8
0℃で減圧乾燥した。紫外線分光分析法より、原料のポ
リフェニレンエーテル末端フェノール性水酸基は、9
2.6%までが反応していることが判明した。
ながら同温度に約30分保ってポリマーを完全に溶解さ
せた後、あらかじめ、エタノール300mlにナトリウム
エトキシド70gを溶解させた溶液を30分かけて滴下
し、窒素ガス雰囲気下で更に100℃にて4時間反応さ
せた。反応混合物をメタノール10リットル中に注ぎ攪
拌後、生成物の変性フェニレンエーテル系樹脂(V)を
沈殿させた。生成物を濾別して、同量のメタノールで更
に1回洗浄濾過した。得られた生成物を水10リットル
中に注ぎ、攪拌後、沈殿させた。生成物を濾別して、同
量の水で更に1回洗浄濾別した。最後にもう一度、メタ
ノール10リットル中に注ぎ、攪拌洗浄後、濾別し、8
0℃で減圧乾燥した。紫外線分光分析法より、原料のポ
リフェニレンエーテル末端フェノール性水酸基は、9
2.6%までが反応していることが判明した。
【0045】[実施例1,2,3,4,5及び比較例
1,2]製造例1と2で得られたヒドロキシ基含有共重
合体樹脂(I),(II)、製造例3で得られたヒドロキ
シエチルメタクリレート変性ポリプロピレン樹脂(II
I)、プロピレンホモ重合体樹脂〔三菱油化(株)製M
A3(商品名)〕、製造例4と5で得られた変性フェニ
レンエーテル系樹脂(IV)および(V)、ポリ(2,6
−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)(日本ポリ
エーテル社製、30℃におけるクロロホルム中で測定し
た固有粘度:0.3dl/g)を使用して、内容積60cc
の東洋精機社製のラボプラストミルにて表1に示す配合
組成で230℃、回転数180rpm の条件にて5分間溶
融混練した。得られた樹脂組成物を下記物性評価に供し
た。
1,2]製造例1と2で得られたヒドロキシ基含有共重
合体樹脂(I),(II)、製造例3で得られたヒドロキ
シエチルメタクリレート変性ポリプロピレン樹脂(II
I)、プロピレンホモ重合体樹脂〔三菱油化(株)製M
A3(商品名)〕、製造例4と5で得られた変性フェニ
レンエーテル系樹脂(IV)および(V)、ポリ(2,6
−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)(日本ポリ
エーテル社製、30℃におけるクロロホルム中で測定し
た固有粘度:0.3dl/g)を使用して、内容積60cc
の東洋精機社製のラボプラストミルにて表1に示す配合
組成で230℃、回転数180rpm の条件にて5分間溶
融混練した。得られた樹脂組成物を下記物性評価に供し
た。
【0046】<測定及び評価> (1)分散形態 得られた樹脂組成物の2相分散状態を調べるために、日
立製作所製S−2400型走査型電子顕微鏡により断面
を観察した。 (2)アイゾット衝撃強度 カストム サイエンティフィク(Custom Sci
entific)社製CS−183MMXミニマックス
射出成形機(商品名)を用いて長さ31.5mm、幅6.
2mm、厚さ3.2mmの試験片を温度230℃で射出成形
し、同社社製ミニマックスアイゾット衝撃試験機CS−
138TI型を用いて、23℃におけるノッチ無しのア
イゾット衝撃強度を測定した。 (3)引張り伸び 上記射出成形機を用いて温度230℃で、平行部長さ7
mm、平行部直径1.5mmの引張り試験片を射出成形し、
カストム サイエンティフィク社製、引張り試験機CS
−183TE型を用いて、引張り速度1cm/分の条件で
引張り試験を行ない破断点伸びを測定した。以上の試験
結果を表1に示す。
立製作所製S−2400型走査型電子顕微鏡により断面
を観察した。 (2)アイゾット衝撃強度 カストム サイエンティフィク(Custom Sci
entific)社製CS−183MMXミニマックス
射出成形機(商品名)を用いて長さ31.5mm、幅6.
2mm、厚さ3.2mmの試験片を温度230℃で射出成形
し、同社社製ミニマックスアイゾット衝撃試験機CS−
138TI型を用いて、23℃におけるノッチ無しのア
イゾット衝撃強度を測定した。 (3)引張り伸び 上記射出成形機を用いて温度230℃で、平行部長さ7
mm、平行部直径1.5mmの引張り試験片を射出成形し、
カストム サイエンティフィク社製、引張り試験機CS
−183TE型を用いて、引張り速度1cm/分の条件で
引張り試験を行ない破断点伸びを測定した。以上の試験
結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】表1の結果から明らかなように、(A)
成分のヒドロキシ含有共重合体と(B)成分のカルボキ
シル基またはエポキシ基変性フェニレンエーテル系樹脂
の樹脂組成物は、公知のポリオレフィンとポリフェニレ
ンエーテルとからなる系の樹脂組成物に比べて、著しく
両樹脂間の相溶性が改良され、優れた分散形態を示し、
耐衝撃強度及び引張り強度が向上した樹脂成形品を与え
る。
成分のヒドロキシ含有共重合体と(B)成分のカルボキ
シル基またはエポキシ基変性フェニレンエーテル系樹脂
の樹脂組成物は、公知のポリオレフィンとポリフェニレ
ンエーテルとからなる系の樹脂組成物に比べて、著しく
両樹脂間の相溶性が改良され、優れた分散形態を示し、
耐衝撃強度及び引張り強度が向上した樹脂成形品を与え
る。
【0049】この樹脂組成物は、オレフィン系樹脂の特
徴と、フェニレンエーテル系樹脂の特徴を兼ね備えた優
れた機械的特性、成形加工性、寸法精度及び耐溶剤性を
有する成形材料として極めて有用なものである。
徴と、フェニレンエーテル系樹脂の特徴を兼ね備えた優
れた機械的特性、成形加工性、寸法精度及び耐溶剤性を
有する成形材料として極めて有用なものである。
フロントページの続き (72)発明者 山内 伸一 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社四日市総合研究所内 (72)発明者 安良城 雄介 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社四日市総合研究所内
Claims (1)
- 【請求項1】 (A)成分:炭素数が2〜12のα−オ
レフィン50〜99.95モル%と、一般式(I)で示
される水酸基を有する置換α−オレフィン 【化1】 (式中Rは炭素数0から20の炭化水素基であり、mは
1ないし3の整数である。) 50〜0.05モル%との共重合体10〜90重量% (B)成分:カルボキシル基またはエポキシ基を有する
変性フェニレンエーテル系樹脂90〜10重量%を含有
することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29261391A JPH05125234A (ja) | 1991-11-08 | 1991-11-08 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29261391A JPH05125234A (ja) | 1991-11-08 | 1991-11-08 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05125234A true JPH05125234A (ja) | 1993-05-21 |
Family
ID=17784068
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29261391A Pending JPH05125234A (ja) | 1991-11-08 | 1991-11-08 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05125234A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013002962A3 (en) * | 2011-06-27 | 2013-02-28 | Sabic Innovative Plastics Ip B.V. | Poly(arylene ether)-poly(hydroxy ether) block copolymer and method of making |
-
1991
- 1991-11-08 JP JP29261391A patent/JPH05125234A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013002962A3 (en) * | 2011-06-27 | 2013-02-28 | Sabic Innovative Plastics Ip B.V. | Poly(arylene ether)-poly(hydroxy ether) block copolymer and method of making |
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