JPH0512516B2

JPH0512516B2 -

Info

Publication number: JPH0512516B2
Application number: JP63199669A
Authority: JP
Inventors: Kazuo Murazaki
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1988-08-10
Filing date: 1988-08-10
Publication date: 1993-02-18
Also published as: JPH0249888A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、アースオーガドリルの下端に設けら
れる回転式掘削ビツトに係り、特にコンクリー
ト、岩盤、転石等を掘削する場合に使用するに好
適なものに関する。

（従来の技術）従来のアースオーガドリルは、スクリユー羽根
を設けた回転軸、すなわちスクリユーオーガの下
端に掘削ビツトを取付け、該掘削ビツトは、中心
側に１本以上を掘削爪を配設し、その周囲に、そ
れぞれ超硬チツプでなる掘削刃を有する複数個の
掘削爪を、オーガ軸に取付けられる回転体に回転
方向に配設してなり、この回転方向に配設した各
掘削爪の掘削刃は、掘削爪とほぼ同じ幅を有し、
かつ先端縁を水平に形成したものであつた。

（発明が解決しようとする課題）しかしこの従来構造の掘削ビツトによれば、玉
石層程度までしか掘削しえず、掘削途中に岩盤が
現われると、掘削を中断せざるをえないという問
題点があつた。

本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもの
で、岩盤、コンクリートあるいは転石等を掘削す
ることができる回転式掘削ビツトを提供すること
を目的とする。

（問題点を解決するための手段）この目的を達成するため、本発明は、アースオ
ーガドリルの下端に設けられる回転式掘削ビツト
において、オーガの回転体に傾斜して取付けられ
る複数個の掘削爪を、その内外周面が回転中心を
中心とする円弧に合致するように、弧状でかつ捻
じれた形状に形成し、前記複数個の掘削爪とし
て、超硬チツプの先端下辺に掘削爪の約半幅の水
平エツジでなる掘削部をそれぞれ掘削爪の外側、
内側に偏位させて設けた掘削爪を備え、これらの
複数個の掘削爪を、オーガ回転軸に取付けられる
回転体に、その回転中心から同じ回転半径の位置
に周方向に配設すると共に、前記水平エツジでな
る掘削部を掘削ビツトの外側に設けた掘削爪と、
内側に設けた掘削爪とを回転体の周方向に交互に
配置したことを特徴とする。また本発明におい
て、前記水平エツジでなる掘削部の幅を掘削爪の
１／３の幅にし、これをそれぞれ外側、中間、内側
に配置してもよい。

（実施例）第１図は本発明による回転式掘削ビツトの一実
施例を示す底面図、第２図はその側面図であり、
該掘削ビツト１０は、アースオーガドリルの回転
軸１１に嵌合される筒状嵌合部１２を有し、該筒
状嵌合部１２の外周には、回転軸１１に挿通する
抜け止めピン（図示せず）を嵌合する溝１３を有
する。嵌合部１２の下部には回転軸１１の下端を
当接させるフランジ１４が設けてあり、その下方
には前記嵌合部１２に内部が連通する円筒状の回
転軸１５が設けてある。該回転軸１５には３枚の
螺旋羽根１７が溶接等により周方向に等間隔に固
着され、そのうちの一枚は上方に延長させ、該延
長部１７ａが前記回転軸１１の周囲に固着した螺
旋羽根１７Ａの下端に連続するように突き合わせ
ている。なお、アースオーガドリルは長尺円筒体
であるケーシングに収容されて作業を行なう場合
もある。また、複数本のドリルが並設されて作業
を行なう場合もある。

前記３枚の螺旋羽根１７の外縁には、円筒体１
６の内周面が溶接等により固着され、これにより
円筒体１６が前記回転軸１５に同心に取付けられ
ている。なお、螺旋羽根１７は、掘削ビツト１０
の直径に応じて枚数を変えることができる。

円筒体１６の外周には偶数個の掘削爪取付け座
１８が固着され、各取付け座１８にはストツパ１
９と突条部２０とを有する。２１，２２は各取付
け座１８に取付けられる掘削爪であり、これらの
掘削爪２１，２２は、その上端面を前記ストツパ
１９に当接させ、かつ掘削爪２１，２２の取付け
面に設けた溝２３（第３図、第４図参照）を前記
突条部２０に嵌合し、ボルト２４を該掘削爪２
１，２２に設けたボルト取付け孔３３（第３図、
第４図参照）に挿通し、突条部２０に設けたねじ
孔に螺合することにより、取付け座１８に着脱自
在に取付けられる。

各掘削爪２１，２２には、それぞれ先端部に超
硬チツプでなる掘削刃２５Ａ，２５Ｂが溶接によ
り設けられている。一方の掘削刃２５Ａは、第５
図Ａに示すように、先端の水平状の掘削部ａが掘
削爪の幅Ｌの約半分の幅L1（L1＝0.4L〜0.6L）を
有して掘削刃２５Ａの内側部分に形成され、掘削
刃２５Ａの水平エツジでなる掘削部ａの外側に傾
斜面ｂが形成されている。また、他方の掘削刃２
５Ｂは、第５図Ｂに示すように、先端の水平エツ
ジでなる掘削部ａが掘削爪の幅Ｌの約半分の幅
L1（L1＝0.4L〜0.6L）を有して掘削刃２５Ｂの外
側部分に形成され、掘削刃２５Ｂの掘削部ａの内
側に傾斜面ｂが形成されている。これらの掘削爪
２１，２２は、第１図に示すように、回転方向Ｅ
にそつて同一半径位置に交互に配設されている。

なお、本実施例においては、前記円筒体１６と
回転軸１５との間の螺旋羽根１７の下端縁に、そ
れぞれ２本１組として３組の掘削爪２７，２８が
固着され、各掘削爪２７，２８の先端には超硬チ
ツプ２９が固着されている。また、第１図に示す
ように、回転軸１５の下端には、中心部を掘削す
る超硬チツプ３１を有する掘削爪３０が固着さ
れ、回転軸１５の下面開口部には、掘削土砂を回
転軸１５内に導入するゴム等からなる蓋３２が取
付けてある。

また、第３図および第４図に示すように、掘削
爪２１（２２も同様）は、円筒体（回転体）１６
に傾斜して取付けた状態においては第３図の平面
図に示すように、掘削爪２１の内周面ｅおよび外
周面ｄが回転中心Ｏを中心とした円弧に一致する
ように、全体として弧状をなし、かつ捻れた形状
をなしている。このような弧状でかつ捻れた形状
とすることにより、掘削爪２１，２２を円筒体１
６に傾斜して取付けた場合、掘削部ａを水平に設
定することが可能となり、捻れていない例えば、
単なる弧状のものでは、傾斜して取付けた場合、
掘削部ａが水平にはならず、掘削部ａが回転方向
に対して直角をなさないのである。

また、本実施例においては、下面４の回転方向
の幅W3よりも下向き傾斜面５の上下方向の幅W4
を大としており、また、従来の下向き傾斜面５の
角度θは55度程度に設定されていたが、本発明を
実施する場合、該傾斜角Ａを60〜80度程度に設定
することが、硬質地盤を掘削する場合の切れ味を
良好とする上で好ましい。また、実施例において
は、取付け時における掘削爪２１，２２の上面３
４の水平面に対する傾斜角Ｂを45度、該上面３４
と掘削爪２１，２２の上面３５とのなす角度Ｃを
22度、掘削爪２１，２２の先端部下面３６の水平
面に対する傾斜角Ｄを９度とした。３９は爪２
１，２２の外周面に肉盛りされた硬質部材であ
る。

前述のように、掘削刃２５Ａの掘削部ａを内側
に設けた掘削爪２１と、掘削部ａを外側に設けた
掘削爪２２とを回転体に交互に配設すれば、各掘
削刃２５Ａ，２５Ｂによる掘削部ａが狭くなつた
ことにより、岩盤等の硬質地盤に対する掘削能力
が向上し、また、掘削刃２５Ａにより掘削し残し
た部分を掘削刃２５Ｂによつて掘削できるので、
全体として掘削跡は従来とほぼ同様となる。

また、掘削爪２１，２２の幅は掘削部ａの約２
倍の幅となるので、岩盤のような硬い地盤を掘削
する場合においても、掘削爪２１，２２の折損が
生じにくくなる。

また、単に掘削刃２５Ａ，２５Ｂの先端を尖鋭
に形成したのでは、尖鋭部分が摩滅することによ
つて比較的に切れ味が悪くなるが、掘削爪２１，
２２を弧状でかつ捻じれた形状に形成したことに
より、掘削部ａが水平に設定でき、切れ味を長期
にわたり維持できる。また、掘削刃２５Ａ，２５
Ｂの先端の下向き傾斜面５の幅W4を下面の幅よ
り大きくした形状とすることにより、該傾斜面５
が長期にわたつて存続され、長寿命化が達成され
る。なお、実施例に示したように、掘削爪２１，
２２をボルト２４によつて着脱自在に取付けるこ
とにより、これらの爪２１，２２が摩耗した際に
現場において容易に新品と交換することができ、
従来のように工場まで掘削ビツト１０を持ち込む
必要がなくなるので、実用上極めて有益である。
また、掘削爪２１，２２をその内外周面が回転中
心を中心とする円弧に合致するように、弧状でか
つ捻じれた形状に形成したことにより、掘削部ａ
を水平にかつ回転方向に対して直角をなす方向に
設定しうるのみならず、掘削爪２１，２２の内外
周面において、局部的に摩耗する事がなく、掘削
爪２１，２２の長寿命化が達成できる。このこと
は、掘削爪２７，２８，３１についても同様のこ
とが言える。

第６図（掘削ビツトの底面図）および第７図
（掘削爪の正面図）は本発明の他の実施例を示す
ものである。この実施例は、掘削爪を４１〜４３
に示す３種に分け、各掘削爪４１，４２，４３の
各掘削刃２５Ｃ，２５Ｄ，２５Ｅは、それぞれ第
７図Ａ，Ｂ，Ｃに示すように、先端の水平状の掘
削部ａが掘削爪の幅Ｌの約３分の１の幅L2（L2＝
0.27L〜0.40L）を有して形成され、また、第１の
掘削刃２５Ｃ、第２の掘削刃２５Ｄの掘削部ａの
それぞれ外側部分、内側部分に傾斜面ｂが形成さ
れ、第３の掘削刃２５Ｅの掘削部ａの両側に傾斜
面ｂが形成されている。

このように、掘削部ａの幅を狭くすることによ
り、硬質地盤の掘削能力はさらに大となる。

上記実施例においては、いずれも回転体の外周
側の掘削爪２１，２２，４１〜４３について、掘
削部ａの幅を狭く形成した例について示したが、
内周側の爪２７，２８についても、前記各実施例
に示した掘削部ａと傾斜面ｂを有する構成を採用
しても良い。

（発明の効果）請求項１においては、掘削部を掘削爪の約半幅
をなすように掘削刃の外側あるいは内側に形成
し、内側に掘削部を形成した掘削爪と外側に掘削
部を形成した掘削爪とを、互いの掘削部を補うよ
うに回転方向に交互に設けたので、硬質地盤への
掘削爪の食込み性能が良好となり、コンクリー
ト、岩盤、転石等の掘削を行なうことができ、掘
削面も従来と同様に形成できる。

また、掘削爪をその内外周面が回転中心を中心
とする円弧に合致するように、弧状でかつ捻じれ
た形状に形成したことにより、掘削部を水平にか
つ回転方向に対して直角をなす方向に設定できた
ため、掘削部を先鋭に形成したものに比較し、掘
削部の摩耗による切れ味の低下が起きにくくな
る。

また、掘削爪の幅は掘削部の倍の幅となるの
で、岩盤を掘削する場合でも掘削爪が折れるおそ
れがなく、また、掘削爪の内外周面が回転中心を
中心とする円弧に合致するので、掘削爪の内外周
面において、局部的に摩耗する事がなく、掘削爪
の長寿命化が達成できる。

請求項２においては、掘削部を掘削爪の約1/3
の範囲にわたつて形成した３種の掘削爪を互いの
掘削部を補うように回転方向に順に設けたので、
硬質地盤への食込み性能が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による掘削ビツトの一実施例を
示す底面図、第２図は該実施例の側面図、第３図
は該実施例の掘削爪の取付け状態における形状を
示す平面図、第４図は同じくその側面図、第５図
Ａ，Ｂは該実施例の掘削爪の正面図、第６図は本
発明による掘削ビツトの他の実施例を示す底面
図、第７図はＡ，Ｂ，Ｃは該実施例の掘削爪の正
面図である。

Claims

【特許請求の範囲】１アースオーガドリルの下端に設けられる回転
式掘削ビツトにおいて、オーガの回転体に傾斜して取付けられる複数個
の掘削爪を、その内外周面が回転中心を中心とす
る円弧に合致するように弧状でかつ捻れた形状に
形成し、前記複数個の掘削爪として、超硬チツプの先端
下辺に掘削爪の約半幅の水平エツジでなる掘削部
をそれぞれ掘削爪の外側、内側に偏位させて設け
た掘削爪を備え、これらの複数個の掘削爪を、オーガ回転軸に取
付けられる回転体に、その回転中心から同じ回転
半径の位置に周方向に配設すると共に、前記水平エツジでなる掘削部を掘削ビツトの外
側に設けた掘削爪と内側に設けた掘削爪とを回転
体の周方向に交互に配置したことを特徴とする回転式掘削ビツト。２アースオーガドリルの下端に設けられる回転
式掘削ビツトにおいて、オーガの回転体に傾斜して取付けられる複数個
の掘削爪を、その内外周面が回転中心を中心とす
る円弧に合致するように弧状でかつ捻じれた形状
に形成し、前記複数個の掘削爪として、超硬チツプの先端
下辺に掘削爪の約1/3の幅の水平エツジでなる掘
削部をそれぞれ掘削爪の外側、中間、内側に配設
した掘削爪を備え、これらの複数個の掘削爪を、オーガ回転軸に取
付けられる回転体に、その回転中心から同じ回転
半径の位置に周方向に配設すると共に、前記水平エツジでなる掘削部を掘削ビツトの外
側、中間、内側にそれぞれ設けた掘削爪を回転体
の周方向に順に配置したことを特徴とする回転式掘削ビツト。