JPH05123638A - 模様塗膜の形成方法 - Google Patents

模様塗膜の形成方法

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JPH05123638A
JPH05123638A JP28745591A JP28745591A JPH05123638A JP H05123638 A JPH05123638 A JP H05123638A JP 28745591 A JP28745591 A JP 28745591A JP 28745591 A JP28745591 A JP 28745591A JP H05123638 A JPH05123638 A JP H05123638A
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JP
Japan
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coating film
coating
masking material
film
paint
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Application number
JP28745591A
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English (en)
Inventor
Takashi Arakawa
孝 荒川
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】上塗り塗膜に所望の模様を形成すると共に、特
に曲面を有する被塗物であっても鮮映な模様を提供す
る。 【構成】曲面1を有する被塗物2に形成した下地層3の
表面に第1上塗り塗膜4を形成し、所定形状の通孔5を
有すると共に磁性が付与されたマスキング材6を前記第
1上塗り塗膜4の表面に取り付けた後に、少なくとも前
記被塗物2の曲面1の裏面からマスキング材6に対して
磁力を作用させ、この状態で前記マスキング材6を介し
て第2上塗り塗料8を塗布し、その後、マスキング材6
を取り外して第2上塗り塗料8を焼き付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車車体あるいは部
品の外板に適用して好ましい模様塗膜の形成方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の自動車用上塗り塗膜としては、ソ
リッド塗膜、メタリック塗膜、およびパール塗膜が知ら
れている。このうち、ソリッド塗膜は着色顔料によって
所定の色彩を呈する一層からなる上塗り塗膜であるのに
対し、メタリック塗膜は着色顔料およびアルミ片を含有
するメタリックベース層と透明のクリヤ層の二層から構
成される塗膜である。
【0003】メタリック塗膜の形成方法は、図5に示す
ように、まず被塗物である鋼板10上に電着塗装を施
し、これを焼き付けることにより電着塗膜11を形成し
た後に、中塗り塗料を塗布して焼き付け、中塗り塗膜1
2を形成する。この中塗り塗膜上に着色顔料とアルミ片
13とを含有するメタリックベース塗料14を塗布し、
さらにウェットオンウェットでクリヤ塗料15を塗布
し、最後に、これらメタリックベースとクリヤとを同時
に焼き付ける。このようにして得られたメタリック塗膜
は、メタリックベース塗膜14の色彩がアルミ片13に
よる光の乱反射と相俟って、いわゆる「キラキラ感」た
る意匠を奏でることとなる。
【0004】一方、上述したメタリック塗膜の深み感を
改良したものがパール塗膜である。このパール塗膜の形
成方法は、図6に示すように、まず中塗り塗膜12上に
着色顔料を含有したカラーベース塗料を塗布して焼き付
けることによりカラーベース塗膜16を形成する。次い
で、このカラーベース塗膜上に、真珠片あるいは雲母片
17を含有した透明(着色顔料を含んでいない)のマイ
カベース塗料18を塗布し、ウェットオンウェットでク
リヤ塗料19を塗布し、最後に、これらマイカベースと
クリヤとを同時に焼き付ける。このパール塗膜は干渉塗
膜とも称され、クリヤ塗膜19を通過した光のうちの一
部はマイカベース塗膜18中の雲母片17で反射し、残
る光はこのマイカベース塗膜18をも通過してカラーベ
ース塗膜16で反射する。したがって、このマイカベー
ス塗膜で反射した光とカラーベース塗膜で反射した光と
が相俟って、メタリック塗膜における「キラキラ感」に
加えて、深み感を奏でることとなる。しかも、この深み
感は見る角度によって異なるという特徴をも有してい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来の塗膜は同一色彩の範囲内で多少異なった色彩感覚を
提供するものであるから、その意匠性にも自ずと限界が
あった。本発明は、このような従来技術の問題点に鑑み
てなされたものであり、上塗り塗膜に所望の模様を形成
すると共に、特に曲面を有する被塗物であっても鮮映な
模様を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、曲面を有する被塗物に模様塗膜を形成する
方法において、前記被塗物に形成した下地層の表面に第
1上塗り塗膜を形成し、所定形状の通孔を有すると共に
磁性が付与されたマスキング材を前記第1上塗り塗膜の
表面に取り付けた後に、少なくとも前記被塗物の曲面の
裏面からマスキング材に対して磁力を作用させ、この状
態で前記マスキング材を介して第2上塗り塗料を塗布
し、その後、マスキング材を取り外して第2上塗り塗料
を焼き付けることを特徴とする模様塗膜の形成方法であ
る。
【0007】
【作用】このように構成した本発明にあっては、被塗物
に形成した下地層の表面に第1上塗り塗膜を形成し、所
定形状の通孔を有すると共に磁性が付与されたマスキン
グ材を第1上塗り塗膜の表面に取り付ける。ついで、少
なくとも被塗物の曲面の裏面からマスキング材に対して
磁力を作用させると、マスキング材が第1上塗り塗膜の
表面に馴染み、マスキング材と塗面とが密着する。この
状態で第2上塗り塗料を吹き付けるとマスキング材の通
孔から第2上塗り塗料が第1上塗り塗膜表面に付着し、
これを焼き付けることにより第1上塗り塗膜表面に部分
的に第2上塗り塗膜が形成され、これが上塗り塗膜の模
様を構成する。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は本発明の塗装工程を示す工程図、図2は
本発明の一実施例に係るマスキング材取り付け工程を示
す塗膜断面図、図3は本発明の一実施例に係る磁石取り
付け工程を示す塗膜断面図、図4は本発明により形成し
た塗膜を示す塗膜断面図である。
【0009】本実施例の模様塗膜は自動車車体あるいは
バンパーなどの部品の下地上に形成される。本実施例に
係る下地層3は、一般的な自動車の前処理、電着および
中塗り塗膜により構成されているが、その形成方法をさ
らに詳述すれば以下のようになる。
【0010】すなわち、車体溶接工程から搬送された塗
装前のボデー(被塗物2)は、洗浄工程でプレス工程時
に塗布された防錆油や車体溶接時にボデーに付着した塵
埃等が除去される。この洗浄工程は40〜50℃の湯
洗、脱脂、化成処理等の工程から構成されており、除塵
および、電着塗膜と鋼板との密着性を高める化成皮膜の
生成が主な目的である。この洗浄、化成処理工程を終え
たボデーはその後乾燥され、下塗り工程に搬送される。
【0011】下塗り工程は、乗用車にあってはエポキシ
樹脂からなる塗料により電着塗装が行われるのが一般的
であるが、静電塗装を行うことも可能である。この電着
塗装にあってはボデーを電着塗料が収容された電着槽に
全没させるフルディップ塗装を採用すると共に、塗料側
を陽極にボデー側を陰極に印加するカチオン型電着方法
を採用することが防錆性能上好ましいといえる。次に、
この電着塗装が行われたボデーを約200℃の高温で加
熱乾燥し、乾燥膜厚が10〜25μmとなる電着塗膜を
形成する。
【0012】電着塗膜が形成されたボデーは中塗りブー
スに搬送されて乾燥膜厚が15〜30μmの中塗り塗膜
が形成される。中塗り塗料はポリエステル−メラミン樹
脂を主成分とした熱硬化性塗料であって、塗膜耐候性お
よび上塗り塗膜との密着性に優れた性質を有しているこ
とが好ましい。なお、中塗り塗料の着色顔料として無機
顔料あるいは有機顔料を使用して外板色と同様の色彩を
提供する、いわゆる内板色塗料を採用することも可能で
ある。このようにして本実施例の下地層3が形成される
が、本発明は上述した実施例にのみ限定されることはな
い。
【0013】次に、上述した下地層3の表面に第1上塗
り塗膜4を形成する。この第1上塗り塗膜4は、ソリッ
ド塗料あるいは1C1Bメタリック塗料を用い、エアー
霧化式静電塗装ガンあるいは回転霧化式静電塗装ガンに
て、エアー霧化圧が3乃至6kg/cm2 (回転霧化式
静電塗装ガンにあってはエアー霧化式静電塗装ガンにお
けるエアー霧化圧が3乃至6kg/cm2 に相当する回
転数)となる塗装条件にて塗装を行う。ついで、所定の
自然乾燥時間(セッティングタイム)をおいて140℃
の加熱下で20分間保持しながらこの第1上塗り塗料を
焼き付ける。
【0014】このようにして形成された第1上塗り塗膜
4上にマスキング材6を取り付ける。本実施例に係るマ
スキング材6は、真綿あるいは不織布などの複数の通孔
5を有する材料であって、予めニッケルなどに代表され
る磁性体を含浸させている。マスキング材6に磁性体を
含浸させる場合、真綿や不織布に直接ニッケル粉などを
付着させても良く、また、ニッケル粉を含有した塗料を
真綿や不織布に塗装しても良い。このような複数の通孔
5を有する真綿や不織布などを介して塗料を塗布する
と、塗料が通孔5を通過して被塗物に付着する一方で、
通孔が開設されていない部分は吹き付けられた塗料はマ
スキング材6に付着することになるから部分的に塗膜が
形成され、これが上塗り塗膜の模様を構成する。
【0015】ここで、自動車車体などにあっては、ドア
アウタ、フェンダ、クォータ、フードなどの外板に多数
の曲面が形成されている。この曲面は自動車の意匠性を
向上させたり、また外板パネルの剛性を高める機能を司
るものであるが、特にドアアウタなどに形成される深絞
りの曲面にあっては、マスキング材6が曲面に馴染まず
にマスキング材と塗布面との間に隙間が生じることにな
る(図2に「S」にて示す)。このようにマスキング材
6と塗布面4との間に隙間Sが生じると、吹き付けられ
た塗料はマスキング材6の通孔5を介してこの隙間Sに
侵入し、ここでダスト状態となったまま塗布面に付着す
ることになる。したがって、このような隙間が生じた部
位は、他の部位と同様な模様を形成することができな
い。
【0016】ところが、本実施例の模様塗膜の形成方法
によれば、マスキング材6に磁性体を含浸させ、これを
第1上塗り塗膜4上に取り付けた後に、特に深絞りの曲
面1が形成された被塗物2の裏面に磁石7を取り付け、
この状態で第2上塗り塗料8を塗布している。本実施例
に係る磁石7は、磁性体が含浸されたマスキング材6に
磁力を作用させるものであれば良く、したがって磁石7
にのみ限定されることなく他の磁力発生装置を用いても
良い。また、上述した実施例においては、深絞りの曲面
1が形成された被塗物2の裏面に磁石7を取り付けるよ
うにしているが、本発明はかかる実施例のみに限定され
ることなく、被塗物全体に磁力を作用させても良い。こ
の場合には、深絞りの曲面1はもちろんのこと、他の一
般面においてもマスキング材と塗布面との間に隙間が生
じることがなく、形成される模様の輪郭が鮮映となる。
【0017】なお、この工程で用いられる第2上塗り塗
料8は、上述した第1上塗り塗料4と同様に、ソリッド
塗料あるいは1C1Bメタリック塗料を用いることがで
き、エアー霧化式静電塗装ガンあるいは回転霧化式静電
塗装ガンにて、エアー霧化圧が3乃至6kg/cm
2 (回転霧化式静電塗装ガンにあってはエアー霧化式静
電塗装ガンにおけるエアー霧化圧が3乃至6kg/cm
2 に相当する回転数)となる塗装条件にて塗装を行う。
【0018】第2上塗り塗料8を塗布した後、磁石7お
よびマスキング材6を取り外し、所定の自然乾燥時間
(セッティングタイム)をおいて140℃の加熱下で2
0分間保持しながらこの第2上塗り塗料8を焼き付け
る。
【0019】このように本発明によれば、複数の曲面1
が形成された自動車車体などにあってもマスキング材6
を塗布面4の形状に追従させることができ、任意の塗色
の組み合わせで任意の模様を形成することができる。
【0020】次に、本発明をさらに具体化して説明す
る。実施例1 中央に凹部(曲面)が形成された鋼板テストピース(3
00mm×300mm×0.8mm)をリン酸塩素系皮
膜化成処理剤であるグラノジンSD5000(日本ペイ
ント(株)社製)を用いて前処理し、ついで、カチオン
電着塗料としてパワートップU−100(日本ペイント
(株)社製)を用いて乾燥膜厚で20μmに塗装し、1
80℃で20分間焼き付けた。次に、この電着塗膜上
に、中塗り塗料としてハイエピコN01(日本油脂
(株)社製)を乾燥膜厚で35μmに塗装し、140℃
で20分間焼き付けた。得られた中塗り塗膜上に、ベー
スコート塗料としてクリーム色に調色したベルコートN
O6000(日本油脂(株)社製)を乾燥膜厚で25μ
mに塗装し、140℃で20分間焼き付けた。ここで、
予め磁性体としてニッケルを含有した真綿を任意の形に
引き延ばし、上記塗膜上にセットする。さらに、鋼板テ
ストピースの凹部の曲面に対応する部位の裏面に磁石を
セットした後に、ベースコート塗料であるグリーン色に
調色したベルコートNO6000(日本油脂(株)社
製)を乾燥膜厚で25μmに塗装し、この塗装直後に真
綿を取り除いて5分間のフラッシュタイムをおき、ウェ
ットオンウェットにて、クリヤ塗料であるベルコートN
O6000クリヤ(日本油脂(株)社製)を乾燥膜厚で
30μmに塗装し、140℃で20分間焼き付けた。
【0021】実施例2 実施例1でマスキング材として用いた真綿を不織布とし
た以外は実施例1と同様にして塗装を行った。
【0022】実施例3 実施例1でマスキング材として用いた真綿を、単なる真
綿にニッケルを含有した塗料であるベルコートNO60
00クリヤ(日本油脂(株)社製)を塗布したものに変
更した以外は実施例1と同様に塗装した。
【0023】実施例4 実施例2でマスキング材として用いた真綿を、単なる不
織布にニッケルを含有した塗料であるベルコートNO6
000クリヤ(日本油脂(株)社製)を塗布したものに
変更した以外は実施例1と同様に塗装した。
【0024】比較例1 実施例1で用いたマスキング材を単なる真綿に変更した
以外は実施例1と同様に塗装した。
【0025】以上の実施例1〜4および比較例1にて得
られた鋼板テストピースの光沢、促進耐候性、模様の形
成具合をそれぞれ評価した。その結果を表1に示すが、
光沢の評価はJIS K−5400 6.7の60°グ
ロスにて行い、促進耐候性の評価はJIS K−540
0 6.17の500時間後の目視評価を行った。な
お、表1において、「○」は変化なし、「×」は著しく
変化した場合を表わしている。
【0026】
【表1】
【0027】この結果からも明らかなように、本発明の
模様塗膜の形成方法によれば、塗膜の基本的特性である
光沢や耐候性を何ら低下させることなく、所望の模様を
得ることができる。
【0028】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、複数
の曲面が形成された被塗物であってもマスキング材を塗
布面の形状に適宜追従させることができ、任意の塗色の
組み合わせで任意の模様を形成することができる。した
がって、従来にない新規な意匠性を備えた塗膜を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の塗装工程を示す工程図であ
る。
【図2】図2は、本発明の一実施例に係るマスキング材
取り付け工程を示す塗膜断面図である。
【図3】図3は、本発明の一実施例に係る磁石取り付け
工程を示す塗膜断面図である。
【図4】図4は、本発明により形成した塗膜を示す塗膜
断面図である。
【図5】図5は、従来のメタリック塗膜を示す塗膜断面
図である。
【図6】図6は、従来のパール塗膜を示す塗膜断面図で
ある。
【符号の説明】
1…曲面、 2…被塗物、 3…下地層、 4…第1上塗り塗膜、 5…通孔、 6…マスキング材、 7…磁石、 8…第2上塗り塗膜

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】曲面を有する被塗物に模様塗膜を形成する
    方法において、前記被塗物に形成した下地層の表面に第
    1上塗り塗膜を形成し、所定形状の通孔を有すると共に
    磁性が付与されたマスキング材を前記第1上塗り塗膜の
    表面に取り付けた後に、少なくとも前記被塗物の曲面の
    裏面からマスキング材に対して磁力を作用させ、この状
    態で前記マスキング材を介して第2上塗り塗料を塗布
    し、その後、マスキング材を取り外して第2上塗り塗料
    を焼き付けることを特徴とする模様塗膜の形成方法。
JP28745591A 1991-11-01 1991-11-01 模様塗膜の形成方法 Pending JPH05123638A (ja)

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