JP2947597B2 - 鋳物加工品の塗装方法及びそれによって得られた意匠性鋳物塗装品 - Google Patents

鋳物加工品の塗装方法及びそれによって得られた意匠性鋳物塗装品

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は鋳物加工品の新規な塗装方法、及びそれによ
って得られた意匠性鋳物塗装品に関するものである。さ
らに詳しくいえば、本発明は、鋳鉄又はアルミニウムや
亜鉛などの低温溶融合金製鋳造物を切削又は研削した加
工品の表面に、密着性及び耐久性に優れ、かつ意匠性を
有する塗膜を形成させる塗装方法、及びこの方法によっ
て得られた意匠性鋳物塗装品に関するものである。
[従来の技術] 従来、鋳鉄又は低温溶融合金静鋳造物から成る加工
品、すなわち鋳物加工品の塗装方法としては、通常錆止
めを目的としたリン酸塩系化成処理を施したのち、上塗
塗料用の粉体塗料を塗装し、加熱硬化させる方法が用い
られている。しかしながら、この方法においては、鋳造
物の切削加工や研削加工により鋳物加工品を作成する場
合、加工部の表面は切削加工や研削加工によって多孔質
巣や小孔が露出するため、そのまま粉体塗料を塗装し、
加熱硬化させると、該多孔質巣や小孔の影響によって発
泡、ピンボールなどが発生して平滑な塗装画が得られ
ず、したがって塗装前に十分な研磨処理を施す必要があ
り、コスト高になるのを免れないという欠点がある。
また、切削加工や研削加工により得られた鋳物加工品
を表面にリン酸塩処理を施したのち、水溶性プライマー
若しくはフェノールアルキッドジンクロプライマーを浸
漬塗装して190〜200℃の温度で25分間焼付乾燥し、さら
に下塗塗料として変性エポキシ樹脂二液性塗料若しくは
純エポキシ樹脂系二液性塗料を塗装し、加熱硬化させ、
次いで上塗塗料としてポリエステル樹脂系、エポキシ樹
脂系、ポリエステル/エポキシ樹脂系粉体塗料を塗布し
加熱加工させる方法が提案されている(特公照58−4931
4号公報)。しかしながら、この方法においては、リン
酸塩処理後、水溶性プライマー若しくはフェノールアル
キッドジンクロプライマーを浸漬塗装させるために、溶
剤及び水の蒸発による粘度上昇を抑制するための粘度管
理や皮張り、沈殿などを防止するための管理などが煩雑
である上、浸漬塗装による上下の膜厚差やタマリの発生
など塗装上の問題が生じ、さらに、下塗塗装後の加熱温
度が上塗塗装後の加熱温度よりも極端に低いと上塗塗装
後の加熱によって、下塗塗装面に割れが生じたりするた
め、下塗塗装後の加熱温度が上塗塗装後の加熱温度と同
等か、それより高いことが望ましく、したがって焼付炉
の温度を高くするため、燃費が高くなるという問題も生
じる。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、鉄鋳又は低温溶融合金静鋳造物を切削又は
研削した加工品の表面に、密着性、耐久性及び意匠性に
優れた塗膜を、作業性及び経済性より形成させるための
塗装方法、及びこの方法により得られた意匠性行写塗装
品を提供することを目的としてなされたものである。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を
重ねた結果、鋳鉄又は低温溶融合金製鋳造物から成る加
工品に、錆止め用前処理工程、及び特定の下塗塗装工
程、中塗塗装工程、粉体塗装工程を順次施すことによ
り、その目的を達成しうることを見い出し、この知見に
基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、鋳鉄又は低温溶融合金製鋳造物
から成る加工品を塗装するに当たり、該加工品に (A)錆止め用前処理工程、 (B)前処理後の水切り乾燥の余熱による温かい状態の
前処理品にポリウレタン樹脂系下塗塗料を塗装するか、
又は前処理後、湯洗、エアーブローしたのち、ポリウレ
ン樹脂系下塗塗料を塗装し、水切り乾燥で加熱硬化させ
る工程、 (C)ポリウレタン樹脂系中塗塗料を塗装し、加熱硬化
させる工程、 及び (D)意匠性粉体塗料を塗装し、加熱硬化させる工程、 を順次施すことを特徴とする鋳物加工品の塗装方法、及
びこの塗装方法により得られた意匠性鋳物塗装品を提供
するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において用いられる鋳物加工品としては、鋳鉄
又は低温溶融合金製鋳造物に切削加工や研削加工を施し
て得られたのを挙げることができる。該低温溶融合金と
しては、例えばアルミニウムや亜鉛などが挙げられる。
本発明の塗装方法においては、前記鋳物加工品に、ま
ず(A)工程として、錆止めを目的とした前処理が施さ
れる。この前処理は通常該鋳物加工品をアルカリ脱脂し
たのち施される。また、前処理方法については特に制限
はなく、従来鋳物加工品の塗装において慣用されている
方法、例えばリン酸亜鉛系処理やリン酸鉄系処理法など
が用いられる。
本発明においては、このようにして前処理が施された
のち、(B)工程としてポリウレタン樹脂系下塗塗料に
よる塗装が施される。この下塗塗装では、(1)前処理
後の水切り乾燥の余熱による温かい状態の前処理品にポ
リウレタン樹脂系下塗塗料を塗装する方法、又は(2)
前処理後、湯洗、エアーブローしたのち、ポリウレタン
樹脂系下塗塗料を塗装し、水切り乾燥で加熱硬化させる
方法が用いられる。
前記(1)の方法においては、通常160〜170℃の範囲
の温度において、15分間程度水切り乾燥するが、それに
よって前処理加工品の温度は110〜130℃程度となってい
るので、適当な時間放置して好ましくは30〜90℃の範囲
でポリウレタン樹脂系下塗塗料が塗装される。この場
合、該加工品の温度が90℃を超えると下塗塗料中の希釈
シンナーが突沸して発泡の原因となりやすいし、30℃未
満では下塗塗料と中塗塗料とが混ざり合い、発泡の原因
となるおそれがあり、好ましくない。
一方、(2)の方法においては、前処理後、湯洗、エ
アーブローしたのち、前処理加工品を通常30〜50℃の範
囲の温度においてポリウレタン樹脂系下塗塗料で塗装
し、次いで水切り乾燥により該塗料を加熱硬化させる。
この(B)工程における、ポリウレタン樹脂系下塗塗
料としては、通常樹脂100重量部当たり、顔料を0〜30
重量部、好ましくは0〜25重量部の割合で含有するもの
が用いられる。該顔料の含有量が30重量部を超えると得
られる塗膜に発泡が生じやすくなる上、密着性も低下す
る傾向がみられ、好ましくない。
次に、このようにして設けられた下塗塗装面に、
(C)工程としてポリウレタン樹脂系中塗塗料を塗装
し、加熱硬化させる。このポリウレタン樹脂系中塗塗料
における樹脂成分については、ポリウレタン樹脂系のも
のであればよく特に制限はないが、前記下塗塗料の樹脂
成分と同一のものが好ましい。また、該中塗塗料は、樹
脂100重量部当たり、顔料を31〜200重量部、好ましくは
50〜150重量部の割合で含有するものが好適である。該
顔料の含有量が31重量部未満では上塗塗料を塗装した
際、スケが発生するなど作業性に劣るし、200重量部を
超えると密着性が低下し、好ましくない。
さらに、このようにして設けられた中塗塗装面に、
(D)工程として意匠性粉体塗料を塗装し、加熱硬化さ
せる。該意匠性粉体塗料としては、特異な意匠性、例え
ばハンマートーン、ちぢみ模様、パールトーン、スエー
ド調などの模様を有する塗膜を与える粉体塗料が用いら
れる。該粉体塗料を種類としては、例えばポリエステル
樹脂系、エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、フッ素樹脂
系塗料などが好ましく挙げられ、これらは1種用いても
よいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
次に本発明の塗装方法の好適な実施態様の1例につい
て説明すると、まず、アルカリ脱脂処理された鋳物加工
品にリン酸塩系前処理を施したのち、前処理後の水切り
乾燥の余熱を利用して該前処理加工品が温かい状態で、
樹脂100重量部当たり、顔料を好ましくは0〜30重量部
の割合で含有するポリウレタン樹脂系下塗塗料を塗装す
るか、あるいは前処理後、湯洗、エアーブローしたの
ち、前記ポリウレタン樹脂系下塗塗料を塗装し、次いで
水切り乾燥により加熱硬化させる。この際、下塗塗料は
切削又は切削加工を施した表面のみに塗装し、施さない
面には塗装しなくてもよい。また、この塗装は吹付塗
装、ハケ塗り、ロール塗り、静電塗装など公知の方法で
行うことができる。
次に、このようにして設けられた下塗塗装面に、指触
乾燥の状態下又は乾燥の状態下にいて、ポリウレタン樹
脂系中塗塗料を塗装する。この塗装は、吹付塗装や静電
塗装などの公知の方法で行い、通常室温にて5分間以上
放置したのち、好ましくは130〜170℃の範囲の温度にお
いて20〜30分間程度加熱して硬化させる。
最後に、このようにして設けられた中塗塗装面に、上
塗塗装として意匠性粉体塗料を、静電塗装や流動浸漬塗
装などの公知の方法によって塗装したのち、好ましくは
170〜200℃の範囲の温度において、20〜30分間程度加熱
して硬化させる。
このようにして得られた本発明の鋳物塗装品は、発泡
がなく平滑で、密着性及び耐久性に優れ、かつハンマー
トーン、ちぢみ模様、パールトーン、スエード調などの
模様をもつ塗膜を有し、意匠性に優れている。
なお、第1図(a)及び(b)に、本発明塗装方法の
異なった例のフローチャートを示す。
[実施例] 次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、
本発明はこれらの例によってなんら限定されるものでは
ない。
なお、第2図(a)及び(b)にそれぞれ工業用ミシ
ン頭部の断面図及び斜視図を示す。この工業用ミシン頭
部は鋳鉄により鋳造されたアーム1及びベッド2から成
り、ベッド2上面の切削加工を含む機械加工後、両者を
組み付けることにより得られる。切削加工されたベッド
2上面には、鋳造時には表出していなかった多孔質巣や
小孔が表面に露出している。このベッド2(材質:鋳
鉄、表面加工剤)を用いて塗装実験を行った。
実施例1 ベッドをリン酸亜鉛化成処理[パルボンド139、日本
パーカーライジング(株)製、商品名]を行い、水切り
乾燥したのち、次の塗装を用いて、下塗塗装、中塗塗装
及び上塗塗装を行った。
下塗塗装の種類 a:エポキシ樹脂系二液塗料 (エピコNo2000) b:ポリウレタン樹脂系二液塗料 (ハイウレタンNo2000) c:アルキッド樹脂系一液塗料 (メラミNo1) d:アミノアルキッド樹脂系一液塗料 (スーパーメラミNo90) e:水溶性アミノアルキッド樹脂系一液塗料 (アクアNo9500) 中塗塗料の種類 イ:エポキシ樹脂系二液塗料 (エピコNo2000) ロ:ポリウレタン樹脂系二液塗料 (ハイウレタンNo2000) ハ:アミノアルキッド樹脂系一液塗料 (スーパーメラミNo90) 上塗塗料 意匠性アクリル変性ポリエステル樹脂系粉体塗料(コ
ナックNo5000) ()内はいずれも商品名で日本油脂(株)製である。
まず、下塗塗料用専用シンナーを用い、各下塗塗料を
15秒/FC#4に希釈し、温度50〜60℃及び30〜40℃の前
処理ベッド表面に、膜厚が2〜10μmになるように下塗
塗料を施した。
次に、中塗塗料用専用シンナーを用い、各中塗塗料を
20秒/FC#4に希釈し、膜厚が30〜40μmになるように
手吹塗装法により、中塗塗装を施したのち、室温にて10
分間放置してから、140℃で20分間加熱して硬化させ
た。
最後に、意匠性ポリエステル変性ポリエステル樹脂系
粉体塗料を膜厚が80〜100μmになるように静電塗装法
により上塗塗装を施したのち、室温にて5分間放置して
から180℃で20分間加熱して硬化させた。
前記組合せによって得られたベッド塗装面の目視によ
る外観及びクロスカットテスト後、さらにナイフにて切
削する密着テスト(2mm角100個のマスを作り、さらにそ
上から素地面へカッターナイフで切削する)の結果を第
1表に示す。
なお、次の判定基準に従い、外観及び密着性を評価し
た。
外観 ◎:発泡及びピンホールを発生なし ○:2〜3か所にピンホールが発生 △:多数のピンホールが発生 ×:多数の発泡が発生 密着性 ◎:剥がれなし ○:やや剥がれ発生 △:剥がれ発生 ×:全面剥がれる 第1表から明らかなように、下塗塗装時のベッド温度
が50〜60℃及び30〜40℃で、下塗塗料としてポリウレタ
ン樹脂系二塗料を塗装し、さらに中塗塗料としてポリウ
レタン樹脂系二液塗料を塗装し、140℃で加熱硬化した
のち、さらに上塗塗料として意匠性アクリル変性ポリエ
ステル樹脂系粉体塗料を塗装した場合、発泡がなく、か
つ密着性に優れたハンマートーンの模様をもつ塗膜を得
ることができる。
実施例2 実施例1の結果、下塗塗料及び中塗塗料ともにポリウ
レタン樹脂系二液塗料を用いると良好な結果が得られる
ことが分かったので、この結果をもとに、下塗塗料及び
中塗塗料と検討を実施した。
第2表及び第3表に、それぞれ用いた下塗塗料の組成
(主剤)及び中塗塗料の組成(主剤)を示す。
ベッドにリン酸亜鉛化成処理を施し、水切り乾燥した
のち、次のようにして下塗塗装、中塗塗装及び上塗塗装
を行った。
すなわち、第2表に示す下塗塗料組成(主剤)A、B
及びCそれぞれ100重量部と硬化剤コロネートEH60B[日
本ポリウレタン工業(株)製、商品名、ウレタン塗料用
硬化剤]25重量部を混合後、シンナー(キシレン/酢酸
ブチル重量比60/40)を加え、15秒/FC#4に希釈し、こ
れを温度50〜60℃の前処理ベッド表面に、膜厚が4〜7
μmになるように手吹塗装法により下塗塗装を施した。
また、第2表に示す下塗塗料組成(主剤)D、E及び
Fそれぞれ100重量部と硬化剤スミジュールN50E[住友
バイエルウレタン(株)製、商品名、ウレタン塗料用硬
化剤]15重量部を混合後、前記と同様にして下塗塗装を
施した。
次に、第3表に示す中塗塗料組成(主剤)G100重量部
と硬化剤スミジュールHT[住友バイエルウレタン(株)
製、商品名、ウレタン塗料用硬化剤]20重量部を混合
後、シンナー(キシレン/酢酸ブチル重量比60/40)を
加え、25秒/FC#4に希釈し、これを前記下塗塗装面上
に膜厚が30〜40μmになるように、R・E・Aガン(ラ
ンズバーグ社製)を用いて静電塗装法により中塗塗装を
施したのち、室温にて10分間放置してから140℃で20分
間加熱硬化させた。
また、第3表に示す中塗塗装組成(主剤)H100重量部
と硬化剤バーノックDN−955[大日本インキ化学工業
(株)製、商品名、ウレタン塗料用硬化剤]20重量部を
混合後、前記と同様に静電塗装法により、中塗塗装を施
したのち、140℃で20分間加熱硬化させた。
さらに、実施例1で用いたものと同じ意匠性アクリル
変性ポリエステル樹脂系粉体塗料を、膜厚が80〜100μ
mになるように静電塗装法により上塗塗装を施したの
ち、室温にて5分間放置してから、180℃で20分間加熱
し、硬化させた。
前記組合せによって得られたベッド塗装面の目視によ
る外観及び密着性テストの結果を第4表に示す。
第4表から明らかなように、下塗塗料としてポリエス
テル樹脂系ウレタン塗料を塗装し、その上に中塗塗料と
してポリエステル樹脂系ウレタン塗料を塗装し、140℃
で加熱硬化させたのち、さらに上塗塗料として実施例1
で用いたものと同じ意匠性アクリル変性ポリエステル樹
脂系粉体塗料を塗装した場合、発泡がなく、かつ密着性
に優れたハンマートーンの模様をもつ塗膜を形成させる
ことができた。
実施例3 実施例2の結果、下塗塗料及び中塗塗料ともにポリエ
ステル樹脂系ウレタン樹脂を用いると、より良好な結果
が得られることが分かったので、この結果をもとに下塗
塗料及び中塗塗料の塗装条件を検討した。
ベッドにリン酸亜鉛化成処理を施し、水切り乾燥した
のち、次のようにして下塗塗装、中塗塗装及び上塗塗装
を施した。
すなわち、実施例2で用いた下塗塗料組成(主剤)A1
00重量部と硬化剤コロネートEH60B(前出)25重量部と
を混合後、シンナー(キシレン/酢酸ブチル重量比60/4
0)を用い、15秒/FC#4に希釈し、これを温度50〜60の
前処理ベッド表面に膜厚が2〜10μm及び15〜25μmに
なるように、それぞれ手吹塗装法により下塗塗装を施し
た。
次に、実施例2で用いた中塗塗料組成(主剤)G100重
量部と硬化剤スミジュールHT(前出)25重量部を混合
後、シンナー(キシレン/酢酸ブチル重量比60/40)を
用い、18秒/FC#4に希釈し、膜厚30〜40μm及び50〜6
0μmになるように、それぞれ手吹塗装法により中塗塗
装を施したのち、室温で20分間放置してから、140℃で2
0分間及び170℃で20分間それぞれ加熱し、硬化させた。
最後に、実施例1と同様にして、上塗塗装を施し、加
熱硬化させた。
前記組合せによって得られたベッドの塗装面の目視に
よる外観及び密着テスト結果を第5表に示す。
第5表から明らかなように、下塗塗装の膜厚が2〜10
μm、中塗塗装の膜厚が30〜40μmであれば、140℃、1
80℃それぞれ20分間保持し加熱硬化させたのちに、さら
に上塗塗料として意匠性アクリル変性ポリエステル樹脂
系粉体塗料を塗装した場合、発泡がなく、かつ密着性に
優れたハンマートーンの模様をもつ塗膜を形成させるこ
とができた。
以上の結果からも明らかなように、切削加工されたベ
ッドをリン酸亜鉛化成処理後の水切り乾燥を余熱を利用
し、下塗塗装としてポリエステル樹脂系ウレタン塗料を
塗装し、さらに中塗塗料としてポリエステル樹脂系ウレ
タン塗料を塗装し、140〜170℃で20〜30分間加熱硬化さ
せ、最後に上塗塗料として意匠性アクリル変性ポリエス
テル樹脂系粉体塗料を塗装し、170〜200℃で20〜30分間
加熱硬化させた場合、発泡がなく、かつ密着性に優れた
ハンマートーンの模様をもつ塗膜を形成させることがで
きた。これは、下塗塗料として用いられる顔料分の少な
いポリエステル樹脂系ウレタン塗料が塗装面の発泡防
止、密着性の向上に寄与するためである。このことは、
該下摂塗塗料が切削加工されたベッドの多孔質巣や小孔
に入りやすく、かつ加熱硬化時に中塗塗料であるポリエ
ステル樹脂系ウレタン塗料と親和性がよく、柔軟な塗膜
を形成する上、上塗塗料である意匠性アクリル変性ポリ
エステル樹脂系粉体塗料との親和性も良いことが、切削
加工されたベッド表面の多孔質や小孔の影響が上塗塗装
面に表れないものと判断される。
実施例4 実施例3では水切り乾燥したのち、下塗塗装、中塗塗
装及び上塗塗装を施した。該下塗塗装の変更した塗装条
件を検討した。
ベッドにリン酸亜鉛化成処理を施し、湯洗、エアーブ
ローしたのち、下塗塗装を施し、水切り乾燥により該塗
料を加熱硬化させる。次に実施例3と同様に中塗塗装及
び上塗塗装を施した。
すなわち、実施例2で用いた下塗塗料組成(主剤)A1
00重量部と硬化剤コロネートEH60B(前出)25重量部と
を混合後、シンナー(キシレン/酢酸ブチル重量比60/4
0)を用い、15秒/FC#4に希釈し、これを前処理後、湯
洗、エアーブローした温度30〜50℃のベッド表面に膜厚
が2〜10μm及び15〜25μmになるように、それぞれ手
吹塗装法により下塗塗装を施した。これを水切り乾燥で
加熱硬化させた。
次に、実施例2で用いた中塗塗装組成(主剤)G100重
量部と硬化剤スミジュールHT(前出)25重量部を混合
後、シンナー(キシレン/酢酸ブチル重量比60/40)を
用い、18秒/FC#4に希釈し、膜厚30〜40μm及び50〜6
0μmになるように、それぞれ手吹き塗装法により中塗
塗装を施したのち、室温で20分間放置してから、140℃
で20分間及び170℃で20分間それぞれ加熱し、硬化させ
た。
最後に、実施例1と同様にして上塗塗装を施し、加熱
硬化させた。
前記組合せによって得られたベッドの塗装面を目視に
よる外観及び密着テスト結果を第6表にに示す。
第6表から明らかなように、実施例3と同様な結果が
得られた。
したがって下塗塗装の条件を変更しても、発泡がな
く、かつ密着性に優れたハンマートーンの模様をもつ塗
膜を形成させることができた。
以上の結果からも明らかなように、切削加工されたベ
ッドをリン酸亜鉛化成処理後、湯洗、エアーブローした
後に下塗塗料としてポリエステル樹脂系ウレタン塗料を
塗装し、水切り乾燥により該塗料を加熱硬化させ、さら
に中塗塗料としてポリエステル樹脂系ウレタン塗料を塗
装し、140〜170℃で20〜30分間加熱硬化させ、最後に上
塗塗料として意匠性アクリル変性ポリエステル樹脂系粉
体塗料を塗装し、170〜200℃で20〜30分間に加熱硬化さ
せた場合、発泡がなく、かつ密着性に優れたハンマート
ーンの模様をもつ塗膜を形成させることができつ。これ
は、下塗塗料として用いられる顔料分の少ないポリエス
テル樹脂系ウレタン塗料が塗装面の発泡防止、密着性の
向上に寄与するためである。このことは、該下塗塗料が
切削加工されたベッドの多孔質巣や小孔に入りやすく、
かつ加熱硬化時に中塗塗料であるポリエステル樹脂系ウ
レタン塗料と親和性がよく、柔軟な塗膜を形成する上、
上塗塗料である意匠性アクリル変性ポリエステル樹脂系
粉体塗料との親和性も良いことが、切削加工されたベッ
ド表面の多孔質巣や小孔の影響が上塗塗装面に表れない
ものと判断される。
比較例 実施例1と同じベッドを用い、パルボンド139(前
出)で処理後、膜厚が5〜10μmになるようにアクアNo
9500(前出)による浸漬塗装を施し、10分間放置したの
ち、190℃で25分間加熱硬化させ、前処理を行った。
次に、エピコNo2000(前出)をエピコNo2000用シンナ
ーで25秒/FC#4になるように希釈し、これを膜厚が40
〜50μmになるように塗装して20分間室温で放置後、14
0℃で20分間加熱硬化させた。
最後に、コナックNo2500[日本油脂(株)製、商品
名、ポリエステル/エポキシ樹脂粉体塗料]を静電塗装
法により、膜厚が80〜100μmになるように上塗塗装を
施し、5分間室温で放置後、190℃にて20分間加熱硬化
させた。
前記組合せによって得られたベンド塗装面の目視によ
る外観の評価は◎であるが、密着製の評価は×であった
(判定基準は実施例1と同じである)。
この結果から、比較例の方法によると外観は良いが、
密着性に劣ることが分かった。また、ベッド底部に前処
理工程で使用したアクアNo9500の浸漬塗装におけるタマ
リが発生していた。
[発明の効果] 本発明によると、鋳鉄又は低温溶融合金製鋳造物を切
削又は研削した加工品に、錆止め用前処理工程、及び特
定の勝塗塗装工程、中塗塗装工程、粉体塗装工程を順次
施すことにより、発泡のない滑らかな密着性及び耐久性
に優れた意匠性塗膜を形成させることができる。
このような塗装方法により得られた鋳物塗装品は良好
な意匠性を有し、商品価値の高いものである。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)及び(b)は、それぞれ本発明塗装方法の
異なった例のフローチャート、第2図(a)及び(b)
は、それぞれ実施例、比較例において、塗装に用いたベ
ッドを有する工業用ミシン頭部の1例の断面図及び斜視
図であって、図中符号1はアーム、2はベッドである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B32B 15/08 B32B 15/08 T (56)参考文献 特開 昭64−51175(JP,A) 特公 昭55−29741(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B05D 7/14 B05D 7/14 101 B05D 7/24 301 B05D 7/24 302 B05D 7/24 303 B05D 3/02 - 3/10 B32B 15/08 B05D 1/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋳鉄又は低温溶融合金製鋳造物から成る加
    工品を塗装するに当たり、該加工品に (A)錆止め用前処理工程、 (B)前処理後の水切り乾燥の余熱による温かい状態の
    前処理品にポリウレタン樹脂系下塗塗料を塗装する工
    程、 (C)ポリウレタン樹脂系中塗塗装を塗装し、加熱硬化
    させる工程、 及び (D)意匠性粉体塗料を塗装し、加熱硬化させる工程、 を順次施すこと特徴とする鋳物加工品の塗装方法。
  2. 【請求項2】鋳鉄又は低温溶融合金製鋳造物から成る加
    工品を塗装するに当たり、該加工品に (A)錆止め用前処理工程、 (B)前処理後、湯洗、エアーブローしたのち、ポリウ
    レタン樹脂系下塗塗料を塗装し、水切り乾燥で加熱硬化
    させる工程、 (C)ポリウレタン樹脂系中塗塗料を塗装し、加熱硬化
    させる工程、 及び (D)意匠性粉体塗料を塗装し、加熱硬化させる工程、 を順次施すことを特徴とする鋳物加工筆の塗装方法。
  3. 【請求項3】ポリウレタン樹脂系下塗塗料が、樹脂100
    重量部当たり、顔料0〜30重量部を含有するものである
    請求項1又は2記載の鋳物加工品の塗装方法。
  4. 【請求項4】ポリウレタン樹脂中塗塗装が、樹脂100重
    量部当たり、顔料31〜200重量部を含有するものである
    請求項1、2又は3記載の鋳物加工品の塗装方法。
  5. 【請求項5】意匠性粉体塗料が、ポリエステル樹脂系、
    エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系多びフッ素樹脂系塗料
    の中から選ばれた少なくとも1種から成り、かつ意匠性
    模様を付与しうるものである請求項1、2、3又は4記
    載の鋳物加工品の塗装方法。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5のいずれかに記載の塗装
    方法により得られた意匠性鋳物塗装品。
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