JP3969462B2 - 塗装方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗装時に排出される有機溶剤量を少なくした塗料の塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境保全のため、アメリカにおいてルール66の適用、ドイツにおけるTA−LUFTの適用、さらに日本国内においても大阪府条例の発布に見られるように塗料塗装時に排出される有機溶剤量の削減が必須要件となっている。現在、例えば2輪車の外板用塗料の塗装焼付方法は、着色顔料及びメタリック顔料を配合した熱硬化性エナメル塗料(以下、この塗料を「ベースコート」と略称する)を塗装した後、熱硬化性クリヤー塗料を塗装し、その後加熱硬化して両塗膜を同時に硬化せしめる2コート1べーク方式(以下、「2C1B方式」と略称する)が採用されている。このベースコートは、塗装時に排出される有機溶剤量の削減のため溶剤型塗料から水分散型塗料(以下、この塗料を「水系ベースコート」と略称する)への変換が進められている。しかしながらこの水系ベースコートは上塗り塗料としての厳しい色調性・外観性がもとめられるため、化成処理鋼板、亜鉛系合金メッキ鋼板上に塗装・焼付した場合の防錆力を付与できないのが現状である。2輪車の外板部に使用されているリン酸亜鉛化成処理鋼板上に水系ベースコートと熱硬化性クリヤー塗料を塗装・焼付した場合の塗膜物性は、耐食性のレベルが低く実用に耐え得るものではない。
そのため、リン酸亜鉛化成処理鋼板上に水系ベースコートを塗装する場合、防錆力を付与した下塗り塗料をあらかじめリン酸亜鉛化成処理鋼板上に塗装する工程が必須となる。通常の場合、この下塗り塗料にはカチオン型電着塗料が使用される。要するに、リン酸亜鉛化成処理鋼板上にカチオン型電着塗料を塗装・焼付した後に水系ベースコートと、熱硬化性クリヤー塗料を塗装・焼付を行う3コート2ベーク方式(以下、「3C2B方式」と略称する)が採用されている。この工程からなる塗膜は、機械的性質、耐候性、耐食性などの塗膜物性と仕上がり外観、色調が非常に優れている。またカチオン型電着塗料は水分散型塗料であり、塗装時に排出される有機溶剤量も非常に少ない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、下塗りとしてカチオン型電着塗料を塗装・焼付するため、上塗り工程を含めると塗装・焼付ラインを2回通過させなければならず、生産性の面で大きな障害となる。さらにカチオン型電着塗料の塗装・焼付ラインは膨大な設備投資が必要であり大幅なコストアップとなる。これらの短所があるため、リン酸亜鉛化成処理鋼板上にカチオン型電着塗料を塗装・焼付した上に水系ベースコートと、熱硬化性クリヤー塗料を塗装・焼付を行う3C2B方式での方法に替わる1回焼付の新規な塗装・焼付方法の開発が急務である。
そこで本発明は、塗装時に排出される有機溶剤を削減し、仕上がり外観性、耐食性、などを塗膜物性低下させることなく、さらに塗装・焼付工程短縮化を可能とすることを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、カチオン型電着塗料の塗装・焼付に代えて、水分散型防錆プライマー塗料を工程に組み入れることにより、3コート1ベーク方式(以下、「3C1B方式」と略称する)での塗装・焼付方法にて、塗装時に排出される有機溶剤を削減し、外観、耐食性などを塗膜物性を低下させることなく、工程を短縮化することを可能とした。この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は化成処理を施した鋼板もしくは亜鉛系合金メッキ鋼板(A)上に水分散型防錆プライマー塗料(B)を塗装した後、加温して塗着固形分を80%以上とすることで、前記プライマー塗料の塗膜中においてoil in waterからwater in oilへの相転移を起こさせた後、水分散型2液イソシアネート硬化ベースコート塗料(C)を塗装した後、加温して塗着固形分を80%以上とすることで、前記ベースコート塗料の塗膜中においてoil in waterからwater in oilへの相転移を起こさせ、さらにその後イソシアネート硬化型アクリルウレタン塗料(D)を塗装し、塗料(B)、(C)および(D)の塗膜を同時に40℃以上で乾燥させて架橋硬化せしめるようにしたことを特徴とする塗装方法に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
まず、前記本発明に使用される各成分について説明する。
前記本発明の鋼板もしくは亜鉛系合金メッキ鋼板(A)は、表面にリン酸亜鉛・リン酸鉄等の化成処理を施した板材が挙げられる。
この板材の表面に化成処理を施す工程は、ディップ・シャワーのどちらでもよい。
【0007】
前記本発明の水分散型防錆プライマー塗料(B)は、水分散型塗料であることが必須である。但し、水分散の形態は、エマルション、コロイダルディスパーションのどちらでもよい。
【0008】
前記本発明の水分散型2液イソシアネート硬化ベースコート塗料(C)は、主剤がイソシアネートとの反応可能な官能基である−OH基を有する水分散型塗料であることが必須である。但し、水分散の形態はエマルション、コロイダルディスパーションのどちらでもよい。また、硬化剤としてはポリイソシアネート化合物が用いられる。これら主剤と硬化剤とを所定の割合で混合して使用する。
【0009】
前記本発明のイソシアネート硬化型アクリルウレタン塗料(D)は、主剤がイソシアネートとの反応可能な官能基である−OH基を有する溶液型塗料であり、樹脂組成はアクリル樹脂である。そして、硬化剤は前述のポリイソシアネート化合物である。主剤と硬化剤を所定の割合で混合して使用する。
【0010】
次に、前記本発明の塗装方法を構成する各工程を説明する。
前述の化成処理を施した鋼板もしくは亜鉛系合金メッキ鋼板(A)上に、前述の水分散型防錆プライマー塗料(B)を塗装した後、加温して塗着固形分を80%以上とする。
この工程において、oil in water型のエマルション或いはコロイダルディスパーションであった塗料(B)の塗膜が、加温によってwater in oil型に相転移する。換言すると、この工程では塗料(B)の塗膜中において、oil in waterからwater in oilへの相転移を起こさせる加温処理を被塗装物に施すものである。塗着固形分が80%以上になるように加温した場合、上記の相移転が十分に起こっているため、その後、その上面に水分散型の塗料(C)を塗装しても問題は生じない。しかし、塗着固形分が80%未満となる加温では、相移転が十分には起こらないため、その後に塗料(C)を塗装すると、塗料(C)中の水分によりプライマーである塗料(B)が溶解され、仕上がり外観性不良の問題が生じる。
したがって、前述の加温工程における加温処理は、塗着固形分が80%以上になるものであれば良く、特にその方法を限定するものではない。例えば工程の時間短縮のため、エアブローまたは熱風、あるいは遠赤外線ランプによる加熱乾燥が好ましい。
【0011】
さらに前述の塗料(C)を塗装した後、乾燥して塗着固形分を80%以上とする。
この工程では、前述の塗料(C)の塗膜の乾燥と同様に、塗料(C)の塗膜中においてoil in waterからwater in oilへの相転移を起こさせる乾燥処理を被塗装物に施すものである。塗着固形分が80%以上になるように乾燥した場合、相移転が十分に起こっているため、その後、その上面に(D)塗料を塗装しても問題は生じない。しかし、塗着固形分が80%未満となる乾燥では、相移転が十分には起こらないため、その後塗料(D)を塗装すると、仕上がり外観性不良の問題が生じる。したがって、この工程における加温処理は塗着固形分が80%以上になるものであれば良く、特にその方法を限定するものではない。例えば工程の時間短縮のため、エアブローまたは熱風あるいは遠赤外線ランプによる加熱乾燥が好ましい。
【0012】
その後、前述の塗料(D)を塗装し、前述の塗料(B)、(C)および(D)の塗膜を同時に40℃以上で乾燥させ架橋硬化させる。
この工程において、塗料(D)の硬化はイソシアネート硬化であるため、室温でも架橋反応するが、40℃以上、特に60〜80℃で30分程度の強制乾燥が好ましい。
【0013】
【作用】
本発明の塗装方法は、塗装時に排出される有機溶剤量を増量させることなく、塗装・乾燥工程を大幅に削減可能ならしめることができる。さらに本発明によって形成された塗膜の物性は、仕上がり外観性や耐食性などの塗膜物性を低下させることが全くない。
【0014】
【実施例】
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
なお、試験内容は下記のように評価した。
【0015】
(1)単位面積当たりの有機溶剤排出量(g/m2 ):
各塗料における単位面積当たりの有機溶剤排出量を下記の算出方法にて計算した。
【数1】
Figure 0003969462
塗装系における単位面積当たりの有機溶剤総排出量は、各塗料における単位面積当たりの有機溶剤排出量の合計とし、60g/m2 以下を○(合格)、60g/m2 を超える場合を×(不合格)とした。
【0016】
(2)耐食性(塩水噴霧試験):
乾燥後、室温にて72時間放置後の試験片を、新しいカッターナイフの先で塗膜の素地に達する2本の対角線を引く。塩水噴霧試験装置(JIS−K−5400(1990)9.1耐塩水噴霧性による)に固定し、塩化ナトリウム5±1%水溶液をJIS−K−5400(1990)9.1耐塩水噴霧性の試験条件にて噴霧試験を実施した。360時間の試験を終えた試験片の塗面を清浄な流水で洗浄し、室内にたてて2時間放置した。その後、JIS−K−5400(1990)8、5、3×カットテープ法により対角線部のセロハン粘着テープ剥離試験を実施する。ふくれ・剥離・発錆が対角線より片側2mm以内のものを○(合格)、片側2mmを超えるものを×(不合格)とした。
【0017】
(3)仕上がり外観性:
塗面状態を調べた。艶引け、光沢低下、アルミ動き発生、塗膜反転等の欠陥のないものを○(合格)、塗面状態でこれらの欠陥の見られるものを×(不合格)とした。
【0018】
(4)生産性:
焼付工程が1回(3C1B、2C1B)であるものを○(合格)とし、2回以上の焼付工程が必要であるもの(3C2B)を×(不合格)とした。
【0019】
[実施例1]
まず、150×70×0.8mm鋼板に、リン酸亜鉛表面処理〔日本パーカライジング(株)製パルボンドL3020、商品名〕を施した鋼板(A)上に、水分散型防錆プライマー塗料(B)〔日本油脂(株)製アクア防錆プライマー、登録商標〕を乾燥膜厚が10μmになるよう塗装した。その後、被塗装物を遠赤外線乾燥炉(雰囲気温度75℃設定)内に5分間通過させ、水分散型防錆プライマー塗料(B)の塗着固形分を80%にした。
その上に水分散型2液イソシアネート硬化ベースコート塗料(C)〔日本油脂(株)製アクア2K−1シルバーメタリック、登録商標〕を乾燥膜厚が12μmになるよう塗装した。その後、被塗装物を遠赤外線乾燥炉(雰囲気温度75℃設定)内に5分間通過させ、水分散型2液イソシアネート硬化ベースコート塗料(C)の塗着固形分を80%にした。
その上にイソシアネート硬化型アクリルウレタン塗料(D)〔日本油脂(株)製ハイウレタンLV−7クリヤー、登録商標〕を乾燥膜厚が25μmになるよう塗装した。室温で5分間程度放置した後、75℃で30分間強制乾燥して試験片を得た。
【0020】
[実施例2]
前記実施例1と同じリン酸亜鉛化成処理鋼板(A)上に、前記実施例1と同じ水分散型防錆プライマー塗料(B)、水分散型2液イソシアネート硬化ベースコート塗料(C)及びイソシアネート硬化型アクリルウレタン塗料(D)を塗装するが、水分散型防錆プライマー塗料(B)及び水分散型2液イソシアネート硬化ベースコート塗料(C)の各加温処理を共に75℃で10分間通過させ、それぞれ塗着固形分を95%とした。他の工程は前記実施例1と同一とした。
【0021】
[実施例3]
まず、150×70×0.8mmの溶融亜鉛メッキ鋼板〔新日本製鉄(株)製シルバージンク、商品名〕を施した鋼板(A)上に、水分散型防錆プライマー塗料(B)〔日本油脂(株)製アクア防錆プライマー、登録商標〕を乾燥膜厚が10μmになるよう塗装した。その後、被塗装物を遠赤外線乾燥炉(雰囲気温度75℃設定)内に7分間通過させ、水分散型防錆プライマー塗料(B)の塗着固形分を85%にした。
その上に水分散型2液イソシアネート硬化ベースコート塗料(C)〔日本油脂(株)製アクア2K−1シルバーメタリック、登録商標〕を乾燥膜厚が12μmになるよう塗装した。その後、被塗装物を遠赤外線乾燥炉(雰囲気温度75℃設定)内に7分間通過させ、水分散型2液イソシアネート硬化ベースコート塗料(C)の塗着固形分を80%にした。
その上にイソシアネート硬化型アクリルウレタン塗料(D)〔日本油脂(株)製ハイウレタンLV−7クリヤー、登録商標〕を乾燥膜厚が25μmになるよう塗装する。室温で5分間程度放置した後、75℃で30分間強制乾燥して試験片を得た。
【0022】
[比較例1]
前記実施例1と同じリン酸亜鉛化成処理鋼板(A)上に、前記実施例1と同じ水分散型防錆プライマー塗料(B)、水分散型2液イソシアネート硬化ベースコート塗料(C)及びイソシアネート硬化型アクリルウレタン塗料(D)を塗装するが、水分散型防錆プライマー塗料(B)及び水分散型2液イソシアネート硬化ベースコート塗料(C)の各加温処理を省略し、それぞれ塗着固形分を40%とした。他の工程は前記実施例1と同一とした。
【0023】
[比較例2]
前記実施例1と同じリン酸亜鉛化成処理鋼板(A)上に、前記実施例1と同じ水分散型防錆プライマー塗料(B)、水分散型2液イソシアネート硬化ベースコート塗料(C)及びイソシアネート硬化型アクリルウレタン塗料(D)を塗装するが、水分散型防錆プライマー塗料(B)については加温処理を前記実施例1と同様に75℃で5分間通過させ、塗着固形分を80%としたものの、水分散型2液イソシアネート硬化ベースコート塗料(C)については加温処理を省略し、塗着固形分を40%とした。他の工程は前記実施例1と同一とした。
【0024】
[比較例3]
前記実施例1と同じリン酸亜鉛化成処理鋼板(A)上に、前記実施例1と同じ水分散型防錆プライマー塗料(B)、水分散型2液イソシアネート硬化ベースコート塗料(C)及びイソシアネート硬化型アクリルウレタン塗料(D)を塗装するが、水分散型防錆プライマー塗料(B)については加温処理を省略し、塗着固形分を40%とした。水分散型2液イソシアネート硬化ベースコート塗料(C)については加温処理を前記実施例1と同様に75℃で5分間通過させ、塗着固形分を80%とした。他の工程は前記実施例1と同一とした。
【0025】
[比較例4]
前記実施例1と同じリン酸亜鉛化成処理鋼板(A)上に、前記実施例1と同じ水分散型防錆プライマー塗料(B)、水分散型2液イソシアネート硬化ベースコート塗料(C)及びイソシアネート硬化型アクリルウレタン塗料(D)を塗装するが、水分散型防錆プライマー塗料(B)及び水分散型2液イソシアネート硬化ベースコート塗料(C)の各加温処理を共に75℃で2分間通過させ、それぞれ塗着固形分を70%とした。他の工程は前記実施例1と同一とした。
【0026】
[比較例5]
前記実施例1と同じリン酸亜鉛化成処理鋼板(A)上に、下塗り塗料として水分散型防錆プライマー塗料(B)を塗装しないでカチオン型電着塗料〔日本油脂(株)製アクア−EC4200、登録商標〕を乾燥膜厚が18μmになるよう塗装した。その後、被塗装物を175℃で30分間焼付けた。その後の上塗り塗料〔水分散型2液イソシアネート硬化ベースコート塗料(C)及びイソシアネート硬化型アクリルウレタン塗料(D)〕については前記実施例1と同じ塗料を塗装し、塗装・加温処理・強制乾燥工程も前記実施例1と同一とした。
【0027】
[比較例6]
前記実施例1と同じリン酸亜鉛化成処理鋼板(A)上に、下塗り塗料として水分散型防錆プライマー塗料(B)を塗装しないで剤型防錆プライマー塗料〔日本油脂(株)製エピコ防錆プライマー、登録商標〕を乾燥膜厚が15μmになるよう塗装した。その後の上塗り塗料〔水分散型2液イソシアネート硬化ベースコート塗料(C)及びイソシアネート硬化型アクリルウレタン塗料(D)〕については前記実施例1と同じ塗料を塗装し、塗装・加温処理・強制乾燥工程も前記実施例1と同一とした。
【0028】
[比較例7]
前記実施例1と同じリン酸亜鉛化成処理鋼板(A)上に、下塗り塗料として水分散型防錆プライマー塗料(B)を塗装しないで、リン酸亜鉛化成処理鋼板(A)上に直接、前記実施例1と同じ上塗り塗料〔水分散型2液イソシアネート硬化ベースコート塗料(C)及びイソシアネート硬化型アクリルウレタン塗料(D)〕を塗装し、塗装・加温処理・強制・乾燥工程も前記実施例1と同一とした。
【0029】
前記実施例1〜3及び比較例1〜7に用いた各塗料の特性値(単位面積当たりの有機溶剤排出量、乾燥膜厚、乾燥塗膜比重、希釈塗料中の有機溶剤重量、希釈塗料中の固形分量、塗着効率)を表1に示した。
【表1】
Figure 0003969462
【0030】
前記実施例1〜3及び比較例1〜7に用いた塗料種類、加温処理条件、加温処理後の塗着固形分、強制乾燥条件、加温処理後の塗着固形分を表2に示した。
【表2】
Figure 0003969462
【0031】
前記実施例1〜3及び比較例1〜7について、前述の(1)単位面積当たりの有機溶剤総排出量(g/m2 )、(2)耐食性(塩水噴霧試験)、(3)仕上がり外観性、(4)生産性の各試験を行なった結果を表3に示した。
【表3】
Figure 0003969462
【0032】
表3から明らかなように、本発明の塗装方法では、3C1Bの生産方式にて排出される単位面積当たりの有機溶剤総量は60g/m2 以下であり、仕上がり外観・耐食性においても満足した結果を示しており、本発明が優れていることが確認された。
【0033】
これに対して、比較例1〜4では水分散型防錆プライマー塗料(B)、水分散型2液イソシアネート硬化ベースコート塗料(C)の塗装後の各加温処理の何れか一方もしくは両方が省略されたため、塗着固形分80%以上を満足しない。このため水分散型防錆プライマー塗料(B)と水分散型2液イソシアネート硬化ベースコート塗料(C)との間、もしくは水分散型2液イソシアネート硬化ベースコート塗料(C)とイソシアネート硬化型アクリルウレタン塗料(D)との間(界面)で塗料が入り混じり、仕上がり塗膜の光沢が低下したり、光輝剤の配向が乱れて「メタルムラ」が発生した。
比較例5は、下塗り塗料として水分散型防錆プライマー塗料(B)でなくカチオン型電着塗料を使用した3C2B方式の塗装方法である。この比較例5では、有機溶剤総排出量・仕上がり外観性・耐食性等については実施例と同じ結果を示したが、カチオン型電着塗料の175℃で30分焼付工程が必要であるため、生産性は低く、生産コストは上昇する。
比較例6は、下塗り塗料として水分散型防錆プライマー塗料(B)でなく溶剤型防錆プライマー塗料を使用した塗装方法である。この比較例6では、溶剤型防錆プライマー塗料から排出される単位面積当たりの有機溶剤量が70.0g/m2 であるため、塗装系総量では、120.6g/m2 となり非常に多くの有機溶剤が排出された。
比較例7は、下塗り塗料を全く塗装せず、リン酸亜鉛処理鋼板(A)上に直接上塗り塗料〔水分散型2液イソシアネート硬化ベースコート塗料(C)及びイソシアネート硬化型アクリルウレタン塗料(D)〕を塗装した塗装方法である。この比較例7では、耐食性(塩水噴霧試験)360時間後の試験片の剥離試験結果が、片側5mm剥離発生し、実用に耐え得るものではない。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の塗装方法は、カチオン型電着塗料塗装・焼付に替わり、水分散型防錆プライマー塗料を工程に組み入れることにより、3C1B方式の塗装焼付方法にて、塗装時に排出される有機溶剤を削減し、外観、耐食性、耐候性など塗膜物性を低下させることなく、工程の短縮化を可能ならしめるものである。
そして、今後、地球環境保全のため、塗料塗装時に排出される有機溶剤量の削減が必須要件となり、該塗装方法は、耐食性が必要な部品に長大な設備を必要としないで、優れた仕上がり外観を付与する有効な方法である。

Claims (3)

  1. 化成処理を施した鋼板もしくは亜鉛系合金メッキ鋼板(A)上に水分散型防錆プライマー塗料(B)を塗装した後、加温して塗着固形分を80%以上とすることで、前記プライマー塗料の塗膜中においてoil in waterからwater in oilへの相転移を起こさせた後、水分散型2液イソシアネート硬化ベースコート塗料(C)を塗装した後、加温して塗着固形分を80%以上とすることで、前記ベースコート塗料の塗膜中においてoil in waterからwater in oilへの相転移を起こさせ、さらにその後イソシアネート硬化型アクリルウレタン塗料(D)を塗装し、塗料(B)、(C)および(D)の塗膜を同時に40℃以上で乾燥させて架橋硬化せしめるようにしたことを特徴とする塗装方法。
  2. 塗料(B)、(C)および(D)の塗膜を同時に60〜80℃で強制乾燥させることを特徴とする請求項1に記載の塗装方法。
  3. 単位面積当たりの有機溶剤総排出量が60g/m 2 以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗装方法。
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