JPH05122825A - ケ−ブル接続ユニツト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 このユニットは、その芯部７がケーブル端末
のストレスコーン４を押し付けることができるよう、硬
質樹脂モールドにより成型される。しかしそのサイズは
やや小さく選定され、要求される絶縁特性を満たすため
に、芯部７の外周に熱収縮性絶縁チューブから成る絶縁
補強層８が積層される。また、必要に応じて絶縁補強層
８の層間には、電界調整のための電極層が挟み込まれ
る。 【効果】 硬質樹脂モールドを行う芯部７自体は、十分
小さな金型により製造され十分信頼性の高いものが得ら
れる。また、絶縁補強層８の積層作業は比較的簡単で、
これにより十分な絶縁特性を満たすユニットができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、高電圧ケーブルの直線
接続などに使用されるケーブル接続ユニットに関する。

【０００２】

【従来の技術】高電圧ケーブルを布設しその電気接続を
行う場合、工期を短縮するためにプレハブ工法が採用さ
れる。このプレハブ工法には、予め工場でユニット化さ
れたプレハブジョイントが使用される。図３に、従来の
プレハブ工法で使用されるケーブル接続ユニット縦断面
図を示す。

【０００３】図において、ケーブル１がその端末におい
て絶縁体が剥離され、露出した導体２が接続スリーブ３
を介して相互に圧縮接続されている。またケーブル１の
絶縁体外周面には、絶縁補強のためにストレスコーン４
が嵌め込まれている。このストレスコーン４は図に示す
ように、ケーブル１の端部に向かって次第に外型が縮径
されるテーパ面を有している。この接続部全体の絶縁を
補強するために、エポキシユニット６が設けられてい
る。このエポキシユニット６の上記接続スリーブ３を取
り巻く部分には、電界調整のための内部電極５が埋め込
まれている。通常上記ストレスコーン４はゴム等により
構成され、その外周面はエポキシユニット６のテーパ孔
に強く押し付けられて絶縁を保つ構成とされる。なおこ
のエポキシユニット６は工場において予めエポキシ樹脂
の注型により製造される。上記のようなプレハブ工法に
よれば、高電圧ケーブル接続作業が極めて簡略化され、
短時間で終了する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、図３に示し
たようなエポキシユニット６は、先に説明したように予
め工場において、金型を用いて注型される。この場合エ
ポキシユニット６が大型化すれば、全体にわたって均一
な高品質なものを製造することが難しくなる。特に超高
圧ケーブルに付いてはこのエポキシユニット６の寸法が
非常に大きくなり、注型作業の際金型の内部で樹脂に複
雑な内部応力が加わる。従って、何らかの原因で気泡が
生じたり歪が生じ、長期間使用された場合に電気的な弱
点が生じる恐れがある。このような電気的な弱点におい
てコロナ放電などが発生すると、その後絶縁破壊に至る
恐れもある。本発明は、以上の点に着目してなされたも
ので、この種のエポキシユニットの製造上の問題を解決
し、超高圧ケーブルに於いても安定した絶縁特性を得る
ことのできるケーブル接続ユニットを提供することを目
的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、ケーブル端末
を受け入れるための硬質樹脂モールドにより成型された
芯部と、この芯部外周に、要求される絶縁特性を満たす
厚さまで積層被覆された熱収縮性絶縁チューブから成る
絶縁補強層とを備えたことを特徴とするケーブル接続ユ
ニットに関する。

【０００６】

【作用】このユニットは、その芯部がケーブル端末のス
トレスコーンを押し付けることができるよう、硬質樹脂
モールドにより成型される。しかしそのサイズはやや小
さく選定され、要求される絶縁特性を満たすために芯部
の外周に熱収縮性絶縁チューブから成る絶縁補強層が積
層される。また、必要に応じて絶縁補強層の層間には、
電界調整のための電極層が挟み込まれる。これにより硬
質樹脂モールドを行う芯部自体は、十分小さな金型によ
り製造され十分信頼性の高いものが得られる。絶縁補強
層の積層作業は比較的簡単で、これにより十分な絶縁特
性を満たすユニットができる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明を図の実施例を用いて詳細に説
明する。図１は、本発明のケーブル接続ユニット実施例
を示す縦断面図である。図において、ケーブル１はその
端末に於いて絶縁層が剥離され、導体２が露出されてい
る。そして、左右の導体２は接続スリーブ３により圧縮
接続されている。これらのケーブル端末を受け入れ電気
的絶縁補強を行うために、芯部７が設けられている。こ
の芯部７はエポキシ樹脂などの硬質樹脂をモールドして
成型されたものである。

【０００８】ここで、図１のケーブル接続ユニットを、
既に説明した従来の図３に示すケーブル接続ユニットと
比較すると、エポキシ樹脂等によりモールド成型された
芯部７の外径は、本来要求される絶縁特性を満たすこと
ができないような比較的小さい半径に選定されている。
それ以外の構成即ち、接続スリーブ３の外周に配置され
た内部電極５等の構成は図３に示した従来のものと変わ
るところがない。この構成により、ケーブル端末のスト
レスコーン４が芯部７のテーパ孔に挿入され強い力で押
し付けられても、十分な機械的強度を保つことができ
る。しかも、十分半径が小さいため、硬質樹脂モードに
よる成型が容易で、欠陥の少ない高品質なものを製造す
ることが可能である。

【０００９】ここで、上記のような芯部７は超高圧ケー
ブルの接続に十分な絶縁特性が得られない。従って本発
明においては、この芯部７の外周に要求される絶縁特性
を満たす厚さまで熱収縮性絶縁チューブから成る絶縁補
強層８が積層される。この絶縁補強層の積層は、例えば
熱収縮性絶縁チューブ一枚だけでも良いし、何層も積層
することにより必要な厚みを得るようにしても良い。

【００１０】図２に、本発明の変形例に関わるケーブル
接続ユニット実施例縦断面図を示す。このケーブル接続
ユニットは、その概略構成は図１に示した実施例と同様
で、ケーブル端末を受け入れるための芯部９の外周に熱
収縮絶縁チューブから成る絶縁補強層１０が積層された
構成と成っている。しかしながら、このユニットの場
合、より高い電圧に耐えるように、各絶縁補強層１０の
層間に電界調整のための電極層１１を挟み込んでいる。
この電極層１１は、アルミニウムや銅などによるテープ
巻き付け層から構成される。

【００１１】図２のような構成のユニットを製造する場
合、芯部９の外周に熱収縮性絶縁チューブから成る絶縁
補強層１０を一枚形成する度に、その外周に銅テープな
どの電極層１１を巻き付ける。そしてさらに絶縁補強層
１０と電極層１１とを交互に積層していく。以上のよう
な構成にすることにより、ユニットの半径方向及びその
端部の電界調整がより容易になり、高い電圧のケーブル
接続が可能となる。

【００１２】本発明は以上の実施例に限定されない。上
記芯部７や９を構成する絶縁材料として、エポキシ樹脂
を使用した例を示したが、同様の特性を持ち、ケーブル
端部を受け入れるために十分な機械的強度を持つ材料で
あればどのような硬質樹脂を使用しても差し支えない。
また熱収縮性絶縁チューブ８や１０の材料として、例え
ば、ポリエチレンチューブなどを使用することができる
が、この他従来よりよく知られている各種の材料により
構成した熱収縮性絶縁チューブを使用することが可能で
ある。また電極層１１として熱収縮性の半導電チューブ
などを使用することも可能である。

【００１３】

【発明の効果】以上説明した本発明のケーブル接続ユニ
ットは、ケーブル端末を受け入れるための所定の機械特
性を要求される芯部を、比較的小さいサイズで硬質樹脂
モールドにより成型し、成型作業を容易にして高品質化
している。その一方で、要求される絶縁特性を満たすた
めに、必要な厚さだけ、熱収縮性絶縁チューブから成る
絶縁補強層を積層する。これにより比較的容易に、信頼
性の高い、高圧ケーブル接続用のユニットとすることが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１発明に係るケーブル接続ユニット
における実施例を示す縦断面図である。

【図２】本発明の変形例によるケーブル接続ユニット実
施例を示す縦断面図である。

【図３】従来のケーブル接続ユニット縦断面図である。

【符号の説明】

１ ケーブル ２ 導体 ３ 接続スリーブ ４ ストレスコーン ５ 内部電極 ７ 芯部 ８ 絶縁補強層

フロントページの続き (72)発明者 藤原 靖隆 神奈川県川崎市川崎区小田栄２丁目１番１ 号 昭和電線電纜株式会社内 (72)発明者 新井 敦夫 神奈川県川崎市川崎区小田栄２丁目１番１ 号 昭和電線電纜株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ケーブル端末を受け入れるための硬質樹脂
   モールドにて成型された芯部と、 この芯部外周に、要求される絶縁特性を満たす厚さまで
   積層被覆された熱収縮性絶縁チューブから成る絶縁補強
   層とを備えたことを特徴とするケーブル接続ユニット。