JPH05122233A - 電力線搬送制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポーリング機能を有する電力線搬送制御装置
において、無駄な状態要求信号を出力することなく効率
の良いポーリングを行う。 【構成】 発信機11に、送信される状態要求信号のアド
レス上限値を設定するアドレス最上位設定スイッチ21を
設ける。 【効果】 アドレス最上位設定スイッチ21を操作するこ
とによって、ポーリングを行うアドレスの範囲を規制す
ることが可能となり、受信機12が割り当てられない空チ
ャンネルへの状態要求信号は出力されなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は電力線に重畳した制御信
号によって負荷を遠隔操作するとともに、この負荷の動
作状態を確認するためにポーリング機能を備えた電力線
搬送制御装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、電力線による搬送制御装置は例え
ば特開昭６１−１６１０３２号公報等に開示され、図４
に示すように、商用交流電源１に接続された電力線２の
両端に、送信回路，受信回路及びデータ処理回路を有す
る発信機３を接続するとともに、その発信機３と同様に
送信回路，受信回路及びデータ処理回路を有する複数の
受信機４を接続し、発信機３から受信機４へ負荷制御す
るための制御信号を送信し、受信機４に従属する照明器
具，冷暖房機などの各種電気装置から成る負荷５を制御
するものである。

【０００３】この種の電力線搬送制御装置は、学校，工
場あるいは交通機関のみならず、いわゆるホームオート
メーションシステムなどの開発によって、一般家庭でも
利用されてきているが、例えば一台の発信機３で最大12
8 台の受信機４を操作することができる。すなわち、発
信機３は図５に示すように、受信機４にチャンネルＣ１
を最下位として順にチャンネルＣ128 までのアドレスを
割り当て、このチャンネルＣ１〜Ｃ128 に対応して128
個のオンスイッチ６及びオフスイッチ７を設けて、各受
信機４に対する操作を個々に行うことができる。また、
発信機３にはチャンネルＣ１〜Ｃ128 に対応して128 個
の発光表示素子８が設けられており、発信機３は最下位
アドレスたるチャンネルＣ１に対応する受信機４より順
に状態要求信号を出力し、この状態要求信号に応答して
受信機４より負荷５の状態を示す状態応答信号を発信機
３に返答する、いわゆるポーリング機能によって、各受
信機４に接続された負荷５のオン，オフ状態を発光表示
素子８の表示によって確認することができるようになっ
ている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前記従来技術におい
て、一般家庭内で装置を利用する際には、制御しようと
する負荷５の数は学校や工場などと比べてはるかに少な
く、例えば受信機４を２０台設置した場合は、チャンネ
ルＣ21からチャンネルＣ128 の間に何も割り当てられな
い空チャンネルが存在することになる。従って、ポーリ
ング時において、発信機３側より空チャンネルに対する
状態要求信号が出力されることになるため、この間に全
く無駄な時間が費やされ、ポーリングの時間的な効率が
極めて悪くなるといった問題点を有していた。

【０００５】そこで本発明は上記問題点を解決して、必
要以外に無駄な状態要求信号を出力することなく、効率
の良いポーリングを行うことが可能な電力線搬送制御装
置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は電力線に高周波
信号を重畳して発信機により受信機に従属している負荷
を遠隔制御するとともに、前記発信機から最下位のアド
レスに対応する受信機より順次状態要求信号を出力し、
この状態要求信号に応答して負荷の動作状態を示す状態
応答信号を前記受信機から発信機に返答するポーリング
機能を有する電力線搬送制御装置において、前記状態要
求信号を送信するアドレス上限値を設定できるアドレス
最上位設定手段を設けたものである。

【０００７】

【作用】上記構成によって、発信機は最下位のアドレス
より、アドレス最上位設定手段によって定められたアド
レス値までの範囲において順次状態要求信号を出力して
ポーリングを行い、この間のアドレスに対応した各受信
機に従属する負荷の状態が確認される。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面を参照し
て説明する。

【０００９】図１乃至図３は本発明の一実施例を示して
おり、図１及び図２において、商用電源１の電力線２に
は発信機11と受信機12が接続されており、これらはとも
にマイクロコンピュータ13，13Ａにより制御され、それ
ぞれ同一の回路構成からなる結合回路14，受信回路15，
送信回路16，同期回路17を有している。

【００１０】発信機11は、図４に示す電力線搬送制御装
置と同様にチャンネルＣ１〜Ｃ128間において、最大128
台の受信機12に従属する負荷名を制御することが可能
であり、各チャンネルＣ１〜Ｃ128 の負荷５などを任意
に記入可能な表示ラベル部18と、予め割り当てられた各
チャンネルに従属する負荷５のオン，オフ状態を表示す
るＬＥＤ等の複数の発光表示素子19と、各負荷５に対し
て個々にオン，オフ指令を出すオン，オフスイッチ20が
並設される。また、21はロータリー式のスイッチを２個
並設してなるアドレス最上位設定スイッチであり、これ
はポーリング時において、発信機11から送信される状態
要求信号のアドレス上限値を設定するために発信機11に
設けられたものである。

【００１１】一方、受信機12は従属する負荷５を接続す
るコンセント22と、この受信機12固有のチャンネルを設
定可能なチャンネル設定器23と、従属する負荷５をオ
ン，オフするオン，オフスイッチ24と、負荷５に対して
電源供給，遮断を行うリレー25とを備えている。

【００１２】以上のように構成される本発明の動作を次
に詳述する。発信機11により受信機12に従属している負
荷５のオン，オフ制御を行う場合、先ず各受信機12のチ
ャンネル設定器23を操作して、各受信機12のチャンネル
Ｃ１〜Ｃ128 を選択する。このとき、例えば、受信機12
を５台用意し、最下位のチャンネルＣ１よりチャンネル
Ｃ５を順次上位にチャンネル設定し、チャンネルＣ６以
降を空チャンネルとした場合、アドレスデータは「０」
より「４」までが割り当てられる。次に、オン，オフ制
御を行いたい負荷５に対して該当するオン，オフスイッ
チ20を操作すると、設定されているチャンネルＣ１〜Ｃ
128 のアドレスデータと、オンまたはオフを示す制御デ
−タがマイクロコンピュータ13に送られ、マイクロコン
ピュータ13はこの情報を判別して、コード化された信号
を制御信号として送信回路16を介して結合回路14へ出力
する。結合回路14はこのコード化された信号を、電力線
２の交流電源波形に重畳させて受信機12に搬送する。
尚、同期回路17は送信機11と受信機12との通信を同期さ
せるものである。そして、受信機12では結合回路14及び
受信回路15を介してマイクロコンピュータ13Ａへデータ
が読み込まれ、アドレスデータに該当するチャンネルの
受信機12に従属する負荷５が、リレー25の動作によって
オン，オフ制御される。

【００１３】次に、本実施例におけるポーリングの動作
について、図３のフローチャートを参照して説明する。
先ず、予め状態要求信号を送信する最上位のアドレスを
設定するために、発信機11のアドレス最上位設定スイッ
チ21を操作する。例えば、受信機12を５台制御する場合
は、アドレスの最下位は「０」であるため、アドレス最
上位は「４」となる。この状態において、商用交流電源
１からの電源が投入されると、ポーリングを行うアドレ
スカウンタは、最下位である「０」にリセットされる。
そして、チャンネル設定器23の操作時や、負荷５のオ
ン，オフ制御が行われている場合など、ポーリング以外
の処理がマイクロコンピュータ13により行われていると
きには、この処理による動作が優先して行われ、一方、
それ以外の何も処理動作が行われていない場合には、ポ
ーリングを行う時間であると判断して、このアドレスカ
ウンタ「０」に示されるアドレスデータのコード信号
と、状態要求信号が発信機11より出力され、電力線２を
介して搬送される。このとき、アドレスデータ「０」に
該当するチャンネルＣ１の受信機12は、この状態要求信
号に応答して従属する負荷５の動作状態を示す状態応答
信号を発信機11に返答し、これによって発信機11は負荷
５がオン状態のときにはチャンネルＣ１の発光表示素子
19を点灯させるのに対して、負荷５がオフ状態のときに
はチャンネルＣ１の発光表示素子19を消灯させ、さら
に、アドレスカウンタを１進める。その後、このアドレ
スカウンタの値と、アドレス最上位設定スイッチ21によ
り予め設定された最上位アドレスの値とを比較し、アド
レスカウンタの値が最上位アドレスの値以下であれば、
ポーリング実行時において発信機11は次のアドレスデー
タ「１」のコード信号と状態要求信号とを出力し、以
下、アドレスカウンタの値が最上位アドレスの値に達す
るまで、アドレスデータの値を１ずつ増やしながらポー
リングを行う。そして、アドレスカウンタの値と最上位
アドレスの値が一致すると、マイクロコンピュータ13は
全ての受信機12に対してポーリングが行われたものと判
断して、アドレスカウンタを強制的に「０」にリセット
し、再び最下位のアドレスより最上位のアドレスの範囲
でポーリングを行う。こうして、各発光表示素子19の表
示によって、全ての負荷５のオン，オフ状態が常時確認
される。

【００１４】このように、上記実施例においては、アド
レス最上位設定スイッチ21を操作することによって、ポ
ーリングを行うアドレスの範囲を規制することが可能と
なり、例えば一般家庭などにおいて、制御する負荷５の
数が装置自体の総チャンネル数よりもはるかに少なく、
受信機12が割り当てられない空チャンネルが多数存在す
る場合であっても、この空チャンネルに対する無駄な状
態要求信号は出力されなくなり、受信機12が割り当てら
れている必要なチャンネルのみ極めて効率良くポーリン
グが行われる。

【００１５】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく本発明の要旨の範囲内において種々の変形実
施が可能であり、例えば、実施例中においてアドレス最
上位設定手段としてロータリー式のスイッチを用いた
が、ＲＯＭやＲＡＭ等の記憶素子を組み合わせてアドレ
ス最上位を設定することも可能である。また本発明は、
一般家庭向けに使用される、いわゆるホームバスシステ
ムの伝送等にも適応できる。

【００１６】

【発明の効果】本発明は電力線に高周波信号を重畳して
発信機により受信機に従属している負荷を遠隔制御する
とともに、前記発信機から最下位のアドレスに対応する
受信機より順次状態要求信号を出力し、この状態要求信
号に応答して負荷の動作状態を示す状態応答信号を前記
受信機から発信機に返答するポーリング機能を備えた電
力線搬送制御装置において、前記状態要求信号を送信す
るアドレス上限値を設定できるアドレス最上位設定手段
を設けたものであり、必要以外に無駄な状態要求信号を
出力することなく、効率の良いポーリングを行うことが
可能な電力線搬送制御装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す発信機と受信機のブロ
ック図である。

【図２】本発明の一実施例を示す発信機の正面図であ
る。

【図３】本発明の一実施例を示すポーリング動作時のフ
ローチャートである。

【図４】一般的な電力線搬送制御装置の概略図である。

【図５】従来例を示す発信機の正面図である。

【符号の説明】 ２ 電力線 ５ 負荷 11 発信機 12 受信機 21 アドレス最上位設定スイッチ（アドレス最上位設定
手段）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電力線に高周波信号を重畳して発信機に
   より受信機に従属している負荷を遠隔制御するととも
   に、前記発信機から最下位のアドレスに対応する受信機
   より順次状態要求信号を出力し、この状態要求信号に応
   答して負荷の動作状態を示す状態応答信号を前記受信機
   から発信機に返答するポーリング機能を備えた電力線搬
   送制御装置において、前記状態要求信号を送信するアド
   レス上限値を設定できるアドレス最上位設定手段を設け
   たことを特徴とする電力線搬送制御装置。