JPH05121736A - 過温度遮断回路を内蔵した半導体装置 - Google Patents

過温度遮断回路を内蔵した半導体装置

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JPH05121736A
JPH05121736A JP28102991A JP28102991A JPH05121736A JP H05121736 A JPH05121736 A JP H05121736A JP 28102991 A JP28102991 A JP 28102991A JP 28102991 A JP28102991 A JP 28102991A JP H05121736 A JPH05121736 A JP H05121736A
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resistor
temperature coefficient
resistance
temperature
overtemperature
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JP28102991A
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English (en)
Inventor
Hideki Tsunoda
英樹 角田
Isao Yoshida
功 吉田
Shigeo Otaka
成雄 大高
Mitsuzo Sakamoto
光造 坂本
Hiromi Shimamoto
裕巳 島本
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Hitachi ULSI Engineering Corp
Hitachi Ltd
Hitachi Consumer Electronics Co Ltd
Japan Display Inc
Original Assignee
Hitachi Device Engineering Co Ltd
Hitachi ULSI Engineering Corp
Hitachi Ltd
Hitachi Consumer Electronics Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、高感度な過温度遮断動作を実現でき
る過温度遮断回路を提供することにある。 【構成】正の温度係数R1の抵抗は基板内の抵抗により
構成され、負の温度係数R2は基板上に絶縁膜を介して
形成された多結晶シリコンにより構成される。R1,R
2の分圧電圧はチップ温度上昇により大幅に変化し、パ
ワーMOSFETQ1のドレイン電流が遮断される。 【効果】本発明によれば正及び負の温度係数を持つ抵抗
素子を用いて過温度遮断回路を構成することにより、温
度変動に対し高感度な過温度遮断動作を実現することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体装置に係わり、特
に過温度遮断回路を内蔵した電力用絶縁ゲート、特にパ
ワーMOSFETへの適用に関する。
【0002】
【従来の技術】過温度遮断回路内蔵パワーMOSFET
(TEMPFET)については、ザ エレクトロケミカル
ソサイアティ スプリング ミーティングのイクステ
ンディド アブストラクトVOL.89−1(1989年
5月)第413項から第414項(The Electrochemical
Society,EXTENDED ABSTRACTS,SPRINGMEETING,VOL.89
−1 May(1989),pp 413〜414)において述べ
られている。ここではパワーMOSFETのゲート−ソ
ース間に内蔵された過温度遮断回路は、プルダウン用M
OSFETとその前段に接続された負の温度係数を有す
る抵抗素子により構成されている。その動作について以
下に簡単に説明する。プルダウン用MOSFETのゲー
ト−ソース間電圧は負の温度係数を有する抵抗素子の分
圧により与えられ、ある温度に達するとプルダウン用M
OSFETが動作し、パワーMOSFETのゲート電圧
を短絡し、ドレイン電流を遮断する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術によれ
ば、温度係数が負である抵抗素子のみによって、プルダ
ウン用MOSFETのゲート電圧を与えているため、温
度変動に対し高感度な過温度遮断動作を実現するには、
温度係数の極めて大きな抵抗素子が必要となる。尚、温
度係数の極めて大きな抵抗素子を従来の半導体抵抗層で
形成することは難しい。
【0004】従って、本発明の目的とするところは正及
び負の温度係数を有する抵抗素子の組合せを用いること
により、高感度な過温度遮断動作を実現することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の一実施形態によれば第一導電形の半導体基
板(106)上の一部に第二導電形のベース領域(10
7)を有し、該ベース領域(107)中に第一導電形の
ソース領域(108)を有し、上記ベース領域(10
7)の周辺表面部分に存在する絶縁膜(116)を介
し、ゲート電極(114)を有する絶縁ゲート型トラン
ジスタにおいて、該トランジスタ動作時のチップ温度上
昇時に、導通電流の遮断が可能な負の温度係数を有する
抵抗体(112)と正の温度係数を有する抵抗体(11
7)を用いた過温度遮断回路を内蔵したことを特徴とす
るものである(図1(a)および(b)参照)。
【0006】また、本発明の好適な実施形態によれば、
過温度遮断回路中に逆方向動作の可能なダイオード(7
06)を組み込み、正の温度係数(704)と負の温度
係数(703)を持つ抵抗体によって与えられるバイア
ス電圧を利用することにより、温度上昇によってダイオ
ード(706)が逆方向動作を起こした場合のみに、過
温度遮断機能が働くことを特徴としたものである(図7
(a)および(b)参照)。また、本発明の好適な実施形態
によれば、正の温度係数を持つ抵抗体(421)を基板中
に形成し、更にその絶縁膜上(411)に負の温度係数
を持つ抵抗体(414)を形成し、これら同一領域内に
形成した抵抗体(411,412)を用いて過温度遮断
回路を形成したことを特徴とするものである(図4(a)
および(b)参照)。
【0007】
【作用】正及び負の温度係数を有する抵抗素子により、
プルダウン用MOSFETのゲート−ソース間電圧を分
圧することにより、その電圧変動幅を大きくすることが
できる。これにより温度変動に対し、パワーMOSFE
Tの高感度な過温度遮断動作を実現できる。正の温度係
数を持つシリコン抵抗に関しては、負の温度係数を持つ
多結晶シリコン抵抗と同一平面上に形成することによ
り、抵抗領域形成に伴うチップ面積の増大を最小限と
し、更にパワーMOSFETと同一プロセスで容易に実
現することが出来る。
【0008】
【実施例】図1(a),(b)に本発明の第1の実施例を示
す過温度遮断回路付きパワーMOSFETの回路図とそ
の断面構造を示す。図1(a)の回路においては、101,1
02は抵抗素子であり、103は定格電圧60V,定格
電流30AのNチャネル形パワーMOSFETである。
本実施例において101は多結晶シリコン、102は単
結晶シリコンによって構成された抵抗素子である。図1
(b)に図1(a)の回路の素子断面構造を示す。図1(a)
の抵抗素子101(R1),102(R2)は図1(b)のn
型拡散抵抗117(正の温度係数)と多結晶シリコン抵
抗112(負の温度係数)とによって構成されている。
従って、チップ温度の異常な上昇に際しては、Nチャネ
ルパワーMOSFET(Q1)のゲート電圧が低下して、
そのドレイン電流を減少させることができる。同図にて
104はドレイン電極、105はn型高濃度半導体基
板、106はn型低濃度半導体基板、107はp型ベー
ス領域、108はn型高濃度拡散領域、109は分離絶
縁膜、110はn型拡散抵抗取り出し電極、111は多
結晶シリコン抵抗取り出し電極、112は多結晶シリコ
ン抵抗、113はソース電極、114は多結晶シリコン
ゲート電極、115はリンガラス保護膜、116は膜厚
50nmのゲート絶縁膜、117はn型拡散抵抗であ
る。
【0009】図2は正及び負の温度係数を持つ抵抗素子
の比抵抗値と温度係数に関する測定結果である。本図よ
り多結晶,単結晶シリコン抵抗の温度係数はその比抵抗
値によって決定されていることがわかる。
【0010】次に過温度遮断動作解析結果について説明
する。解析条件はドレイン電圧10V,ゲート電圧10
Vとし、ドレイン電流遮断特性について解析した。図3
(a)に抵抗素子R1,R2の温度特性、図3(b)には温
度変動によるドレイン電流の遮断特性を示してある。始
めに図3(a)に示す抵抗素子R1の温度特性は単結晶シ
リコン抵抗を示してある。一般に単結晶シリコン抵抗の
温度係数は大きく、その温度特性は拡散層中のキャリヤ
移動度μによって決定される。単結晶シリコンにおいて
移動度μは温度上昇により減少するため、正の温度係数
を示しその値は1〜5.0×10-3/℃ 程度である。図
3(a)中に示す抵抗素子R1の温度特性は、充分実現可
能である。更に、図3(a)中に示す多結晶シリコン抵抗
R2について述べる。多結晶シリコン抵抗の温度特性は
グレイン境界付近に生じた空乏領域が、キャリヤに対す
る障壁として働き、この障壁の高さが温度によって著し
く変化するために特性変動を生じる。またその温度特性
は比抵抗値によって決定され、その比抵抗値を適当な値
に設定すれば、所定の温度特性を得ることができる。図
3(a)に示す温度特性を実現する比抵抗値の算出を行な
う。図3(a)より拡散抵抗R1に関しては、T=25℃
で3500Ω, T=170℃で5000Ωである。この
とき抵抗素子R1の温度係数をαとすると、 R170=R25(1+αΔT) …(1) が成立ち、(1)式と図3(a)より 5000=3500(1+α〔170−25〕) となり α=0.002955=2955(ppm/℃) …(2) となる。図2より、(2)で算出した温度係数は、拡散
抵抗の比抵抗値ρを0.2(Ω−cm)に設定すれば実現で
きる。
【0011】同様に多結晶シリコン抵抗R2に関して
も、その温度特性は比抵抗値によって決められている。
拡散抵抗R1の場合と同様、温度係数をαとすれば、 R170=R25(1+αΔT) …(1) が成り立ち、図3(a)よりR2はT=25℃のとき15
00Ω,T=170℃のとき400Ωである。よって
(1)式と図3(a)より 400=1500(1+α〔170−25〕) となり α=−0.002758=−2758(ppm/℃) …(2) となる。図2より、(2)で算出した温度係数は、多結
晶シリコン抵抗の比抵抗値ρを0.2(Ω−cm)に設定す
れば実現することができる。この算出した比抵抗値は、
不純物濃度或いは抵抗素子の厚み,深さ等の制御といっ
た製造条件の設定によって実現することができる。図3
(b)に本実施例による温度上昇によるドレイン電流の遮
断特性解析結果を示す。本実施例によれば室温25℃に
おいて約1.2A のドレイン電流が観測されているが、
その後約170℃まで温度上昇するとドレイン電流はほ
ぼ完全に遮断されることが確認される。本実施例によれ
ば温度上昇に伴い、ドレイン電流を減少させることがで
きることがわかる。
【0012】図4(a), (b)に本発明の第2の実施例を
示す過温度遮断回路付きパワーMOSFETの回路図と
その断面構造を示す。図4(a)において405は定格電
圧60V,定格電流30A,nチャネル型パワーMOS
FETである。本実施例によれば過温度遮断回路は抵抗
素子は401,402,403と、nチャネル型MOS
FET404により構成されている。抵抗素子402は
負の温度係数を有する多結晶シリコン、401,403
は正の温度係数を有する単結晶シリコンによって構成さ
れた抵抗素子であり、その温度係数は相互に異なってい
る。図4(a)にて示すnチャネル型MOSFET404
(Q1)のゲート電圧には、パワーMOSFET405の
ゲート電圧VGが抵抗素子402,403によって分圧
された電圧が加えられており、室温25℃においては過
温度遮断回路は405(Q2)をオフしないものとす
る。
【0013】図4(b)は図4(a)に示した本発明の第2
の実施例を示す過温度遮断回路付きパワーMOSFET
の回路を実現するための断面構造を示したものである。
本図に於いて406はドレイン電極、407はn型高濃
度ドレイン半導体基板、408は比抵抗0.8(Ω−cm),
深さ10μmのn型低濃度ドレイン半導体基板、409は
深さ3μmのP型ベース領域、410は深さ1μmのn
型高濃度ソース拡散領域、411は分離絶縁膜、41
2,413はnチャネル型MOSFET404(Q1)の
ソース及びドレイン電極である。414は絶縁膜上に堆
積された多結晶シリコン抵抗、415はアルミニウムか
ら成るソース電極、416は膜厚50nmのゲート絶縁
膜、417は多結晶シリコンから成るゲート電極、41
8はリンガラス保護膜、419は多結晶シリコン抵抗の
取り出し電極、420は多結晶シリコンから成るパワー
MOSFETのゲート電極、421は基板中に形成した
n型拡散抵抗、422はn型拡散抵抗の取り出し電極で
ある。本実施例においてはnチャネル型MOSFET4
04(Q1)もシリコン基板中に形成されているが、酸化
膜上に堆積した多結晶シリコン中においても実現可能で
あるとする。
【0014】図5(a),(b)に本発明の第3の実施例を
示す過温度遮断回路付きIGBT(絶縁ゲート型バイポ
−ラトランジスタ)の回路図とその断面構造を示す。図
5(a)において505は定格電圧1000V,定格電流
60AのIGBT(絶縁ゲート型バイポ−ラトランジス
タ)である。本実施例によれば図3(a),(b)に示すパ
ワーMOSFETの場合と同様に、過温度遮断回路は抵
抗素子は501,502,503と、nチャネル型MO
SFET504(Q1)により構成されている。抵抗素子
502は多結晶シリコン抵抗、501,503は拡散抵
抗によって構成されている。抵抗素子501(RL)は温
度変動に係わらず、ほぼ一定の抵抗値であり、抵抗素子
502(R1)に関しては、負の温度係数,抵抗素子50
3(R2)には正の温度係数が与えられている。
【0015】図5(b)は本発明の第2の実施例を示す過
温度遮断回路付きIGBT(絶縁ゲート型バイポ−ラト
ランジスタ)の断面構造を示したものである。本図に於
いて506はIGBT505(Q2)のコレクタ電極、5
07はn型高濃度半導体基板、508はn型低濃度領
域、509は深さ3μmのp型ベース領域、510は深
さ1μmのn型高濃度拡散領域、511は分離絶縁膜、
512,513はnチャネル型MOSFET504(Q
1)のソース及びドレイン電極である。514は絶縁膜
上に堆積された多結晶シリコンであり、図5(a)におい
て抵抗素子502に相当している。415はアルミニウ
ムから成るソース電極、516は膜厚50nmのゲート
絶縁膜、517は多結晶シリコンから成るゲート電極、
518はリンガラス保護膜、519は多結晶シリコン抵
抗の取り出し電極、520はp型半導体高濃度基板、5
21は抵抗素子501,503に相当するn型拡散抵
抗、522はn型拡散抵抗の取り出し電極である。
【0016】図6(a)に図4(a),(b)に示した本発明
の第2の実施例を示す過温度遮断回路付きパワーMOS
FETに用いた抵抗素子R1,R2の温度特性を示す。
同図に示す温度特性を実現する比抵抗値の算出を行な
う。図6(a)より拡散抵抗R2に関しては、T=25℃
で1000Ω,T=170℃で1700Ωである。この
とき抵抗素子R2の温度係数をαとすると、 R170=R25(1+αΔT) …(1) が成立ち、(1)式と図6(a)より 1700=1000(1+α〔170−25〕) となり α=0.004827=4827(ppm/℃) …(2) となる。図2より、(2)で算出した温度係数は、拡散抵
抗の比抵抗値ρを0.4(Ω−cm)に設定すれば実現す
ることができる。
【0017】同様に多結晶シリコン抵抗R1に関して
も、その温度特性は比抵抗値によって決められている。
拡散抵抗R2の場合と同様、温度係数をαとすれば、 R170=R25(1+αΔT) …(1) が成り立ち、図6(a)よりR2はT=25℃のとき80
00Ω,T=170℃のとき5000Ωである。よって
(1)式と図6(a)より 5000=8000(1+α〔170−25〕) となり α=−0.002586=−2586(ppm/℃) …(2) となる。図2より、(2)で算出した温度係数は、多結
晶シリコン抵抗の比抵抗値ρを0.2(Ω−cm)に設定す
れば実現することができる。この算出した比抵抗値は、
不純物濃度或いは抵抗素子の厚み,深さ等の制御といっ
た製造条件の設定によって実現することができる。
【0018】図6(b)は本発明の第2の実施例によるド
レイン電流の遮断特性の解析結果を示す。解析条件はド
レイン電圧10V,ゲート電圧10Vとしてある。本実
施例によればパワーMOSFETのゲート直列抵抗RL
が500Ωの場合、室温25℃において約5.0A のド
レイン電流が観測されているが、その後約170℃まで
温度上昇するとドレイン電流は完全に遮断されることが
確認できる。本発明によれば温度上昇に伴い、ドレイン
電流を減少させる効果を有していることがわかる。
【0019】図7(a)に本発明の第4の実施例を示す過
温度遮断回路内蔵のパワーMOSFETの回路図を示す。本図
において701(Q1)は定格電圧60V,定格電流30
Aのnチャネル型パワーMOSFETである。本実施例
にて過温度遮断回路はゲート直列抵抗702,ゲート−
ソース間抵抗703,704,705,ダイオード70
6,nチャネル型MOSFET707により構成されて
いる。ゲート直列抵抗703,抵抗素子705,ダイオ
ード706に関しては、絶縁膜上に堆積した多結晶シリ
コンにより形成されている。抵抗素子702,704,
705は基板中に生成した拡散抵抗である。nチャネル
型MOSFET707(Q1)に関しては、シリコン基板
中に形成してあるが、絶縁膜上に堆積された多結晶シリ
コン中にも形成可能である。次に遮断動作解析結果につ
いて説明する。本実施例において抵抗素子705,70
2については温度変動に係わらず一定の抵抗値であると
する。多結晶ダイオード706の降伏電圧は約7Vであ
るとする。ダイオード706には、パワーMOSFET
701のゲート電圧VGが、相反する温度係数を有する
抵抗素子703,704によって分圧され、その電圧値
がダイオード706の逆方向電圧として加えられてい
る。この逆方向電圧は室温(25℃)においては、降伏
電圧よりも低く、電流は何ら発生していない。しかし、
チップ温度上昇により、抵抗素子703は低抵抗化、抵
抗素子704は高抵抗化し、ある温度に達するとダイオ
ード706は降伏し、nチャネル型MOSFET707
(Q1)のゲート−ソース間に電圧が加わる。本方式によ
ればダイオード706が降伏する温度に達するまで、プ
ルダウン用MOSFET(707,Q1)は動作しないの
で、急峻な遮断特性を実現することができる。
【0020】図7(b)に本発明の第4の実施例に示す過
温度遮断回路中に組み込んだ抵抗素子R1(703),R
2(704)の温度特性を示す。R2は基板中に生成した
拡散抵抗の温度特性を示してある。拡散抵抗の温度係数
をαとすれば、図7(b)よりT=25℃のとき3000
Ω,T=170℃のとき5200Ωである。よって、 R170=R25(1+αΔT) …(1) 式より 5200=3000(1+α〔170−25〕) より α=0.005057=5057(ppm/℃) …(2) である。図2より、(2)で算出した温度係数は、比抵
抗値ρを0.4(Ω−cm)に設定すれば実現することがで
きる。
【0021】同様に多結晶シリコン抵抗R1に関して
も、その温度特性は比抵抗値によって決められている。
拡散抵抗R2の場合と同様、温度係数をαとすれば、 R170=R25(1+αΔT) …(1) が成り立ち、図7(b)より多結晶シリコン抵抗R2はT
=25℃のとき1000Ω,T=170℃のとき400
Ωである。よって 400=1000(1+α〔170−25〕) より α=−0.004137=−4137(ppm/℃) …(2) となる。図2より、(2)で算出した温度係数は、比抵
抗値ρを0.5(Ω−cm)に設定すれば実現することがで
きる。この比抵抗値は、不純物濃度或いは抵抗素子の厚
み,深さ等の制御といった製造条件の設定によって実現
することができる。
【0022】図8に本発明の第3の実施例によるドレイ
ン電流の遮断特性の解析結果を示す。解析条件はドレイ
ン電圧10V,ゲート電圧10Vとしてある。パワーMO
SFETのゲート直列抵抗RLがそれぞれ600Ωと800
Ωの場合について行った。本解析結果によれば、ドレイ
ン電流の遮断特性は約60℃位から観測され、ダイオー
ド706が降伏する温度に達するまで、プルダウン用M
OSFET707(Q1)は動作していないことが確認でき
る。
【0023】図9(a)に本発明の第4の実施例を示す過
温度遮断回路内蔵パワーMOSFETの回路図を示す。本図に
おいて901は定格電圧60V,定格電流30Aのnチ
ャネル型パワーMOSFETである。902,903,
904,905,906は抵抗素子、907はnチャネ
ル型MOSFET、908はnチャネル型MOSFET、90
9はpチャネル型MOSFETであり908,909に
よりCMOSが構成されている。910はプルダウン用
MOSFETである。911は降伏電圧5Vのツエナー
ダイオードである。本実施例によれば抵抗素子902,
903,905,906は酸化膜上に堆積した多結晶シリコ
ンにより構成するものとし、抵抗素子903(R1)に関
しては負の温度係数を与える。また、同図中に示す抵抗
素子904(R2)に関しては、基板中に生成した拡散抵
抗によって構成する。nチャネル型MOSFET90
7,910に関しては基板中に生成しているものとする
が、酸化膜上に堆積した多結晶シリコン中に形成したも
のを用いても構わないものとする。またnチャネル型M
OSFET908,pチャネル型MOSFET909に
よって構成されたCMOS構造は横型パワーMOSFE
T或は縦型パワーMOSFETとも共存可能であるもの
とする。
【0024】図9(b)に本発明の第4の実施例に示すパ
ワーMOSFETに用いた抵抗素子R1,R2の温度特
性を示す。R1(903)は酸化膜上に堆積した多結晶シ
リコン抵抗の温度特性を示している。多結晶シリコン抵
抗の温度特性はその比抵抗値の設定によって決められ
る。本図よりR1(903)に関しては、T=25℃にて
R1=10000Ωであり、T=170℃にてR1=8
000Ωである。よって温度係数をαとすれば、 R170=R25(1+αΔT) …(1) 式と図9(b)より 8000=10000(1+α〔170−25〕) となり α=−0.001380=−1380(ppm/℃) …(2) となる。図2より(2)で算出した温度係数αは、比抵
抗値ρを0.05(Ω−cm)に設定することにより実現す
ることができる。次に単結晶シリコンによって構成し
た、抵抗素子R2(904)の温度特性について説明す
る。図9(b)に示す様に、本抵抗素子はT=25℃にて
R1=1500Ωであり、T=170℃にてR1=26
00Ωである。よって温度係数をαとすれば、 R170=R25(1+αΔT) …(1) 式と図9(b)より 2600=1500(1+α〔170−25〕) α=0.005057=5057(ppm/℃) …(2) である。図2より、(2)で算出した温度係数は、比抵
抗値ρを0.4(Ω−cm)に設定することによって実現す
ることができる。この比抵抗値は不純物濃度或は抵抗素
子の厚み,深さ等の制御により容易に実現することがで
きる。
【0025】図10に本発明の第4の実施例によるドレ
イン電流の遮断特性の解析結果を示す。本発明によれば
プルダウン用MOSFETがCMOS駆動されることに
より、ある特定の温度に達した場合にのみ、急峻な遮断
特性を実現することができる。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば正及び負の温度係数を有
する抵抗素子を用いた過温度遮断回路をパワーMOSF
ETに内蔵することにより、高感度な過温度遮断動作を
実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例を示す過温度遮断回路内
蔵パワーMOSFETの回路図と素子断面図である。
【図2】単結晶及び多結晶シリコン抵抗の比抵抗値と温
度係数の関係を示す図である。
【図3】図1の回路の抵抗素子の温度特性とドレイン電
流遮断特性を示す図である。
【図4】本発明の第二の実施例を示す過温度遮断回路内
蔵パワーMOSFETの回路図と素子断面図である。
【図5】本発明の第三の実施例を示す過温度遮断回路内
蔵IGBTの回路図と素子断面図である。
【図6】図4の回路の抵抗素子の温度特性とドレイン電
流遮断特性を示す図である。
【図7】本発明の第四の実施例を示す過温度遮断回路内
蔵パワーMOSFETの回路図と抵抗素子の温度特性を
示す図である。
【図8】図5の回路のドレイン電流遮断特性を示す図で
ある。
【図9】本発明の第五の実施例を示す過温度遮断回路内
蔵パワーMOSFETの回路図と抵抗素子の温度特性を
示す図である。
【図10】図7の回路のドレイン電流遮断特性を示す図
である。
【符号の説明】
101,102…抵抗素子、103…60V級nチャネ
ル型パワーMOSFET、104…ドレイン電極、105…n
型高濃度半導体基板、106…n型低濃度半導体基板、
107…p型ベース領域、108…n型高濃度拡散領
域、109…分離絶縁膜、110…n型拡散抵抗取り出
し電極、111…多結晶シリコン抵抗取り出し電極、1
12…多結晶シリコン抵抗、113…ソース電極、11
4…ゲート電極、115…リンガラス保護膜、116…
膜厚50nmのゲート絶縁膜、401,402,403
…抵抗素子、404…nチャネル型MOSFET、405
…60V級nチャネル型パワーMOSFET、406…
ドレイン電極、407…n型高濃度半導体基板、408
…n型低濃度半導体基板、409…p型ベース領域、4
10…n型高濃度拡散領域、411…分離絶縁膜、41
2,413…nチャネル型MOSFETのソース及びド
レイン電極、414…多結晶シリコン抵抗、415…ソ
ース電極、416…膜厚50nmゲート絶縁膜、417
…多結晶シリコンゲート電極、418…リンガラス保護
膜、419…多結晶シリコン抵抗取り出し電極、420
…多結晶シリコンゲート電極、421…n型拡散抵抗、
422…n型拡散抵抗取り出し電極、501,502,5
03…抵抗素子、504…nチャネル型MOSFET、
505…1000V級IGBT、506…ドレイン電
極、507…n型高濃度半導体基板、508…n型低濃
半導体基板、509…p型ベース領域、510…n型高
濃度拡散領域、511…分離絶縁膜、512,513…
nチャネル型MOSFETのソース及びドレイン電極、
514…多結晶シリコン抵抗、515…ソース電極、5
16…ゲート絶縁膜、517…多結晶シリコンゲート電
極、518…リンガラス保護膜、519…多結晶シリコ
ン抵抗取り出し電極、520…p型半導体高濃度基板、
521…n型拡散抵抗、522…n型拡散抵抗取り出し
電極、701…60V級nチャネル型パワーMOSFE
T、702,703,704,705…抵抗素子、70
6…多結晶シリコンダイオード、707…nチャネル型
MOSFET、901…60V級nチャネル型パワーM
OSFET、902,903,904,905,906
…抵抗素子、907,908,910…nチャネル型M
OSFET、909…pチャネル型MOSFET、911…ツ
エナーダイオード。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 角田 英樹 東京都小平市上水本町5丁目20番1号 日 立超エル・エス・アイ・エンジニアリング 株式会社内 (72)発明者 吉田 功 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 大高 成雄 東京都小平市上水本町五丁目20番1号 株 式会社日立製作所半導体設計開発センタ内 (72)発明者 坂本 光造 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 島本 裕巳 千葉県茂原市早野3681番地 日立デバイス エンジニアリング株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第一導電形の半導体基板上の一部に第二導
    電形のベース領域を有し、該ベース領域中に第一導電形
    のソース領域を有し、上記ベース領域の周辺表面部分に
    存在する絶縁膜を介し、ゲート電極を有する絶縁ゲート
    型トランジスタにおいて、該トランジスタ動作時のチッ
    プ温度上昇時に、導通電流の遮断が可能な負の温度係数
    を有する抵抗体と正の温度係数を有する抵抗体を用いた
    過温度遮断回路を内蔵したことを特徴とする半導体装
    置。
  2. 【請求項2】過温度遮断回路中に逆方向動作の可能なダ
    イオードを組み込み、正の温度係数と負の温度係数を持
    つ抵抗体によって与えられるバイアス電圧を利用するこ
    とにより、温度上昇によってダイオードが逆方向動作を
    起こした場合に、過温度遮断機能が働くことを特徴とす
    る請求項1記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】正の温度係数を持つ抵抗体を基板中に形成
    し、更にその絶縁膜上に負の温度係数を持つ抵抗体を形
    成し、これら同一領域内に形成した抵抗体を用いて過温
    度遮断回路を形成したことを特徴とする請求項1記載の
    半導体装置。
  4. 【請求項4】抵抗体とトランジスタ,ダイオードによっ
    て構成された過温度遮断回路を同一チップ内に形成した
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
JP28102991A 1991-10-28 1991-10-28 過温度遮断回路を内蔵した半導体装置 Withdrawn JPH05121736A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010258233A (ja) * 2009-04-24 2010-11-11 Toyota Motor Corp 半導体装置
US8487330B2 (en) 2007-12-07 2013-07-16 Kabushiki Kaisha Toshiba Phosphor and LED light-emitting device using the same
JP2014229653A (ja) * 2013-05-20 2014-12-08 株式会社デンソー 半導体装置

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JP2014229653A (ja) * 2013-05-20 2014-12-08 株式会社デンソー 半導体装置

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