JPH0512114Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は手動バツクミラーにおけるミラーの回
転止め構造に関する。

［従来の技術］ 一般に手動バツクミラーは、ミラーの反射角度
を調節する場合、ミラーの周縁部を前方から押し
て調節するため、ミラーが上下左右に角度を変え
るだけでなく、周囲方向に回動してしまうことが
あつた。

そこで、このようなミラーの回動を防止するた
め、従来は例えば第６図に示すように、ミラーホ
ルダー３１の裏面部に半球状突部３２を形成し、
これを保持部材に設けた受座３３に連結部材を介
して傾動自在に保持させると共に、別に左右にボ
ール軸受３４を形成し、各ボール軸受に嵌合した
ボール３５が一端に形成された左右のピン３６
を、保持部材に設けた摺動孔３７に出入可能に挿
入して、それによりミラー３８の上下左右の角度
調節を妨げることなく、ミラー３８の回動を防止
するようにしたものが提案されている。

［考案が解決しようとする問題点］ しかるに、このような従来のものは、左右のピ
ン３６がミラーホルダーとは別部品として形成さ
れ、これをボール軸受に嵌合する作業が必要であ
つて部品数が多くなり、組立時の作業性が悪いも
のであつた。

しかも、この種のものは製品を薄型化するた
め、ミラーホルダー３１の回転中心をミラー面に
近づける傾向がある。そのため、実際にはミラー
ホルダーの上下左右の角度調節を可能にするため
ボール軸受３４とボール３５とを緩く嵌合させ、
またピン３６の摺動孔３７を比較的大径のものに
してスキマを設けなけらばならないから、ミラー
３８の周囲方向のがたつきが避けられない等の欠
点があつた。

本考案は上記のような従来型の欠点を解決し、
ミラーの周囲方向の回動を確実に防止すると共
に、構成が簡単で組立ての容易な手動バツクミラ
ーを提供することを目的とするものである。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は上記目的を達成するためにミラーベー
スに連結部材を介して傾動自在に保持されるミラ
ーホルダーにおいて、ミラーホルダー裏面に、そ
の回転中心の放射方向に幅広の回転防止プレート
を設け、かつこの回転防止プレートとミラーホル
ダーとを折り曲げ可能に可撓部を介して一体に形
成し、またミラーベースには前記回転防止プレー
トの後部が出入りできる筒状部を設けるようにし
たものである。

［実施例］ 次に本考案の構成を図面に示す実施例を参照し
て具体的に説明する。

第１図乃至第３図は本考案の一実施例を示し、
１はミラーボデー、２はボデー１内に固定された
取付ブラケツトであり、上部に合成樹脂のミラー
ベース３を取付けるフツク部４が対称状に設けら
れている。ミラーベース３は被掛止部５をフツク
部４に係合させ、ボデー底壁の外側から止めビス
６を螺着部６ａにねじ込むことにより、ミラーボ
デー１に固定されている。ミラーベース３の前面
部中央には、球面受座７が形成され、この受座７
に後記のとおり半球状突部を介して合成樹脂製ミ
ラーホルダー８が傾動自在に保持されている。因
みに符号９はミラーホルダー８の裏面中央に設け
た球面受座７に嵌合する半球状突部９である。符
号１０は前記ミラーホルダーの半球状突部９の内
面に嵌合させる合成樹脂製のクリツプであり、半
球面部からなるキヤツプ１１とその頂部から後方
に一体に突出形成されたフツク部１２とを有して
いる。

なお、前記のクリツプ１０をミラーホルダー８
の前方から挿入してミラーベース３の後方へ突出
させ、球面受座７の後面とクリツプ１０における
フツク部１２後端に配設した金属ピン又はボルト
１３との間にばね１４を縮設して第２図に示すよ
うにミラーベース３の球面受座に対してミラーホ
ルダー８を一定のトルクで傾動可能に保持する。
因みに符号１５は球面受座７の中央に設けたクリ
ツプ挿合用の角孔である。

ところで、本考案は前記ミラーホルダー８の裏
面であつて一例としてミラーホルダーの回転中心
に対し、その放射方向に複数本の回転防止プレー
ト１６を配設する。そして、この回転防止プレー
ト１６は、第３〜５図にも示すように厚みのある
幅広の板を用いて、ミラーホルダー８と一体に形
成させる。すなわち、本実施例における回転防止
プレート１６はミラーホルダー８の裏面の半球状
突部９をはさんで左右対称的に配設させていると
共に、このプレート１６とミラーホルダー８とは
蛇腹状をした可撓部１７を介して連結している。
ちなみに回転防止プレート１６は第５図のように
ミラーホルダー幅Ｗよりも狭小の幅１をもつた所
定の剛性を有するプラスチツク板製の可撓部１７
を介して、ミラーホルダー８と予め一体成形され
ている。可撓部１７は、図示の実施例では上下方
向に可撓言い換えれば折り曲げ可能に構成されて
いる。そしてこの回転防止プレート１６がミラー
の反射角度調節時に後記する筒状部１８を出入り
するものであり、この構成によりミラーホルダー
の上下、左右方向の調節を可能にし、併せてミラ
ーホルダーの回転を防止する。

一方、ミラーホルダー３における球面受座７の
左右部には、前記回転防止プレート１６に対応さ
せて該プレートの後部が挿合する筒状部１８を設
ける。この筒状部１８は、回転防止プレート１６
の厚み方向の運動を規制し、また前後方向の運動
は許容するように若干ルーズな孔でもつて形成さ
れており、この筒状部１８に回転防止プレート１
６を挿合して製品としている。

なお、回転防止プレート１６は少なくとも一枚
あればよく、また該プレート及び筒状部１８を設
ける位置は、ミラーホルダーの回転中心に対し、
その放射方向ならば、どんな位置でも何枚設けて
もよいが、プレート幅１は長い程回転防止効果が
高い。

次に上記のような構成からなる本実施例の作用
について第３図と第４図を参照して説明する。

上記のバツクミラーはミラーホルダー８に外力
を加えて左右（Ｘ−Ｘ）方向に動かした場合、ク
リツプ１０は球面受座７の角孔１５に挿合されて
全く動くことなく、回転防止プレート１６がルー
ズな筒状部１８内をその摩擦力に抗して出入り摺
動して、ミラーホルダー８のみが左右方向に変位
することになる。

またミラーホルダー８に外力を加えて上下（Ｙ
−Ｙ）方向に動かした場合は、クリツプ１０は動
くことはないが、回転防止プレート１６は、その
可撓部１７が上下方向に曲がるため、ミラーホル
ダー８は第４図のように上下方向にもスムーズに
回動され、同時にミラーホルダーの回転中心の芯
ズレも吸収することとなる。

このようにしてミラー１９の反射角を上下左右
に角度を変え、両者の合成により任意の角度に調
節されることになる。そして、この調節の際、ミ
ラー１９を周囲方向に回動させるような外力が加
つた場合にあつては、筒状部１８に剛性のある回
転防止プレート１６の後部が挿入されて上下方向
の運動が規制され、かつ可撓部１７の剛性により
微量な回転を除いてミラーホルダーは周囲方向の
回転に対して回転止めされているから、周囲方向
の回動が実質的に防止される。

因みにミラーベース３とミラーホルダー８は少
なくとも球面受座７と筒状部１８の２箇所で接触
連結されているから、それらの接触抵抗により、
ミラー１９のビビリを防止することができるもの
である。

［考案の効果］ 以上述べたように、本考案はミラーホルダーの
裏面にその回転中心の放射方向に幅広の回転プレ
ートを設けると共に、この回転防止プレートとミ
ラーホルダーとを剛性のある可撓部を介して一体
に形成し、またミラーベースに前記回転防止プレ
ートの後部が出入りできる筒状部を設けるように
した構成であるからミラーの周囲方向の回動を確
実に防止することができる。本考案の回転防止プ
レートは幅広の板材で構成されているから、ミラ
ーホルダーに対する取付強度は高く、しかもミラ
ーボデーにねじれ方向の力が加わつても前記プレ
ートとこれが挿合される筒状部との協同作用でね
じれに対する耐性が大きくなる。また、従来のも
のに比較して部品点数を確実に少なくすることが
でき、したがつて組立てを容易にして生産性を上
げ、コストの低減化を図ることができ、さらに従
来のものでは避けられなかつたミラー周囲方向の
がたつきも極めて少ないものとすることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す分解斜視図、
第２図は上記実施例のバツクミラーに於て、ミラ
ーベースとミラーホルダーの嵌合状態を示す要部
の拡大断面図、第３図及び第４図は回転防止プレ
ートと筒状部の関係を示す要部の拡大断面図、第
５図はミラーホルダーの裏面図、第６図は従来型
の一例を示す概略断面図である。 １……ミラーボデー、２……取付ブラケツト、
３……ミラーベース、６……止めビス、７……球
面受座、８……ミラーホルダー、９……半球状突
部、１０……クリツプ、１１……キヤツプ、１２
……フツク部、１３……ピン、１４……ばね、１
５……角孔、１６……回転防止プレート、１７…
…可撓部、１８……筒状部、１９……ミラー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ ミラーベースに連結部材を介して傾動自在に
   保持されるミラーホルダーにおいて、ミラーホ
   ルダー裏面に、その回転中心の放射方向に幅広
   の回転防止プレートを設け、かつこの回転防止
   プレートとミラーホルダーとを折り曲げ可能に
   可撓部を介して一体に形成し、またミラーベー
   スには前記回転防止プレートの後部が出入りで
   きる筒状部を設けたことを特徴とするバツクミ
   ラーの回転止め構造。 ２ 回転防止プレートの可撓部が折り曲げ可能な
   蛇腹部で形成されている実用新案登録請求の範
   囲第１頁記載のバツクミラーの回転止め構造。 ３ ミラーベースに設ける筒状部が回転防止プレ
   ートの厚み方向の運動を規制し、前後方向の運
   動を許容するように形成されている実用新案登
   録請求の範囲第１頁記載のバツクミラーの回転
   止め構造。