JPH05119354A - 非線形素子およびその製造方法並びにその非線形素子を用いた電気光学装置 - Google Patents

非線形素子およびその製造方法並びにその非線形素子を用いた電気光学装置

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JPH05119354A
JPH05119354A JP30975691A JP30975691A JPH05119354A JP H05119354 A JPH05119354 A JP H05119354A JP 30975691 A JP30975691 A JP 30975691A JP 30975691 A JP30975691 A JP 30975691A JP H05119354 A JPH05119354 A JP H05119354A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 素子容量が小さく、しかも充分な容量比を確
保することのできる非線形素子およびその製造方法並び
に該非線形素子を用いた電気光学装置を提供することを
目的とする。 【構成】 基板上に第1の導電体と非線形電気伝導体お
よび第2の導電体とを順に積層してなり、それ等の重な
る部分が電流電圧特性に非線形性を有する非線形素子に
おいて、上記非線形電気伝導体を多孔質なアルミナ等よ
りなる絶縁体と、その多孔質なアルミナ等よりなる絶縁
体の空孔中に充填した有機導電体とで構成したことを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば液晶表示装置等
の電気光学装置に用いる非線形素子およびその製造方法
並びに該非線形素子を用いた電気光学装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば液晶表示装置において、液
晶パネルの液晶層を挟持する一対の基板の一方の基板上
に画素電極をマトリックス状に多数配置し、その各画素
電極を、電流電圧特性に非線形性を有する非線形素子を
介して駆動するものは知られている。
【0003】図10は上記のような液晶表示装置等にお
ける非線形素子の一例を示すもので、同図(a)は非線
形素子を有する側の基板(以下、素子基板という)の一
部の平面図、同図(b)は(a)におけるb−b線拡大
断面図である。図において、1は透明のガラス板等より
なる基板、2はその基板1上に設けた第1の導電体とし
ての下電極、3は非線形電気伝導体、4は第2の導電体
としての上電極、5は画素電極を示す。
【0004】上記の下電極2と非線形電気伝導体3およ
び上電極4は一部が重なるように設けられ、その重なる
部分が、電流電圧特性に非線形性を有する非線形素子と
してのMIM(Metal Insulator Metal)素子Sを構成し
ている。なお図の場合は上記の素子Sを構成する下電極
2と非線形電気伝導体3は、画素電極5への信号入力用
の画素間配線Lと連続的に形成されている。また上記画
素電極5およびMIM素子Sは基板1上にマトリックス
状に多数形成されているが、図には省略した。
【0005】上記のようなMIM素子、特に現在実用化
もしくはそれに近い段階にある液晶表示装置用のMIM
素子の材質は、上記下電極2等の第1の導電体としてタ
ンタル(Ta)、非線形電気伝導体3として酸化タンタ
ル(TaOx)が用いられ、また上電極4等の第2の導
電体としては、電流電圧特性の正負の対称性がよく液晶
と組合せやすいクロム(Cr)やチタン(Ti)等が多
く用いられている。
【0006】また上記のような酸化タンタルよりなる非
線形電気伝導体3は、タンタルを陽極酸化することによ
って形成することが行われており、そのように陽極酸化
によって非線形電気伝導体3を形成すると、膜厚・膜質
の均一性がよいため、素子間や基板間の均一性が非常に
よく実用的なプロセスマージンを大きくできる利点があ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
に非線形電気伝導体として酸化タンタルを用いるもの
は、比誘電率が約25〜27と大きく素子容量が大きく
なってしまう。そのため液晶と組合わせて用いるときに
マッチングが悪くて駆動マージンが取りにくい。また上
記のような非線形素子と液晶とを組合せた液晶表示装置
等の電気光学装置は、例えば図11のような駆動波形
(フレーム時間1/30秒の1/400Dマルチプレッ
クス駆動)によって、駆動されるが、このとき非線形素
子に(初期的に)かかる電圧は、液晶および非線形素子
の容量に依存する。すなわち、液晶の容量をCLC、非線
形素子の容量をCMIM としたとき、CLC/(CLC+C
MIM )に依存し、容量比C.R.(=CMIM /CLC)が
小さい方がよいが、酸化タンタルを用いたMIM素子で
はフォトパターニング精度等のプロセス制限で容量比が
1/2程度しかとれていないのが実情である。
【0008】本発明は上記の問題点に鑑みて提案された
もので、素子容量が小さく、しかも充分な容量比を確保
することのできる非線形素子およびその製造方法並びに
該非線形素子を用いた電気光学装置を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、以下の構成としたものである。即ち、本
発明による非線形素子は、基板上に第1の導電体と非線
形電気伝導体および第2の導電体とを順に積層してな
り、それ等の重なる部分が電流電圧特性に非線形性を有
する非線形素子において、上記非線形電気伝導体を多孔
質な絶縁体と、その多孔質な絶縁体の空孔中に充填した
有機導電体とで構成したことを特徴とする。
【0010】また本発明による非線形素子の製造方法
は、基板上に第1の導電体と非線形電気伝導体および第
2の導電体とを順に積層してなり、それ等の重なる部分
が電流電圧特性に非線形性を有する非線形素子を製造す
るに当り、上記第1の導電体を基板上に形成し、その第
1の導電体の少なくとも一部を陽極酸化して多孔質な絶
縁体を形成すると共に、その多孔質な絶縁体の空孔中に
電解重合により有機導電体を充填することを特徴とす
る。
【0011】さらに本発明による電気光学装置は、基板
上に第1の導電体と非線形電気伝導体および第2の導電
体とを順に積層してなり、それ等の重なる部分が電流電
圧特性に非線形性を有する非線形素子における上記非線
形電気伝導体を多孔質な絶縁体と、その多孔質な絶縁体
の空孔中に充填した有機導電体とで構成し、その非線形
素子を画素電極と画素間配線との間に設けてなる素子基
板を、対向電極を有する対向基板に対面させて配置し、
その両基板間に液晶層を介在させてなることを特徴とす
る。上記の第1の導電体としては、例えばアルミニウム
単体もしくはアルミニウム合金を用い、上記絶縁体とし
ては例えば上記の第1の導電体の少なくとも一部を陽極
酸化したアルミナを用いるものである。
【0012】
【作用】上記のように本発明による非線形素子は、非線
形電気伝導体として多孔質なアルミナ等の絶縁体の空孔
中に有機半導体を充填した構成であるから、非線形素子
の容量を小さく、しかも充分な容量比を確保することが
可能となる。また上記のような非線形素子は、基板上に
形成した例えばアルミニウム単体もしくはアルミニウム
合金等よりなる第1の導電体の少なくとも一部を陽極酸
化して多孔質なアルミナ等よりなる絶縁体を形成し、そ
の空孔中に電解重合により有機導電体を充填することに
よって容易に製造可能である。さらに上記のような非線
形素子を用いて前記のような電気光学装置を構成するこ
とで、電気光学特性の優れた電気光学装置を提供するこ
とが可能となる。
【0013】
【実施例】以下、本発明による非線形素子およびその製
造方法並びに該非線形素子を用いた電気光学装置を、図
の実施例に基づいて具体的に説明する。
【0014】〔実施例1〕図1は本発明による非線形素
子の一実施例を示すもので、同図(a)は素子基板の平
面図、同図(b)は(a)におけるb−b線拡大断面図
であり、前記図10と同様の機能を有する部材には同一
の符号を付して説明する。本例は下電極2をアルミニウ
ムもしくはアルミニウム合金で形成すると共に、非線形
電気伝導体3を、多孔質なアルミナよりなる絶縁体3a
と、その空孔内に充填した有機導電体3bとで構成した
ものである。上記の構成により、細いワイヤ状の非線形
性の大きな有機導電体3bを、アルミナよりなる絶縁体
3a中に多数立てた構造とすることができる。
【0015】上記の下電極2は、例えば上記のようにア
ルミニウム単体もしくはアルミニウム合金で形成するも
ので、アルミニウム合金としては、アルミニウムを主体
とした例えばAl−Cu合金やAl−Mg合金等を用い
ることができる。ただし、陽極酸化することによって多
孔質な絶縁体が得られるものであれば、上記以外の材質
のものでもよい。有機導電体3bとしては、例えばアニ
リン、ピロール、チオフェン、フェノール、チオフェノ
ール等およびその誘導体等の芳香族化合物の重合体が典
型的なものとして用いることができる。
【0016】上電極4としては、電気を充分に流せれば
何でもよく、例えばAl、Cu、Fe、Ni、Cr、M
o、Mnなどの金属、およびそれ等の合金、もしくはポ
リアセチレン等の有機導電体、あるいはITO、Zn
O、SnO、CuOなどの酸化物導電体および半導体で
もよい。画素電極5としては、例えばITO等を用い
る。又その画素電極5と上電極4とは同材質で一体に形
成することもできる。また基板1は、本実施例において
はガラス基板を用いたが、これに限らず合成樹脂基板等
を用いてもよい。
【0017】上記のように非線形電気伝導体3を多孔質
なアルミナ等の絶縁体3aと、その空孔内に充填した有
機導電体3bとで形成したことによって、絶縁体3aと
有機導電体3bとはそれぞれ以下のような役割分担をし
て良好な非線形素子が得られる。すなわち、絶縁体3a
は有機導電体3bを支持する支持体としての機能と、小
さな静電容量と絶縁性とを有し、一方、有機導電体3b
は導電体としての機能と、電流電圧特性に非線形性を持
たせる機能を発揮する。
【0018】その結果、絶縁体3aにより有機導電体3
bに流れる電流を制限でき、大きな電界を小さな領域に
閉じ込めて大きな非線形性を引き出すと同時に静電容量
を下げることができる。また上記のように有機導電体3
bが導電性を維持し、絶縁体3aが支持体として小さな
静電容量を作るという機能分担ができるため、絶縁体単
独もしくは有機導電体単独で用いた場合と比べて導電部
位の制御性が高くなる。さらに絶縁体3aによる機械的
強度の増加により、有機導電体3b単独で用いた場合に
比べてショートや通電破壊を減少させることが可能とな
るものである。
【0019】次に、上記のような非線形素子を製造する
場合のプロセスの一例を、図2に基づいて具体的に説明
する。 下電極の形成 予め洗浄し、所定の下地形成を行った基板1上に、導電
体をスパッタ等で形成し、フォトエッチング等で所定の
形状にパターニングして図2の(a)のように下電極2
を形成する。上記の下地形成は、例えばSiO2 等をス
パッタ・EB蒸着・ディップ後焼成等により行う。また
上記導電体としては、陽極酸化性が良好な硬い合金、例
えばAl−Mg(例えば1%)合金を用い、厚さ400
nm程度に形成する。
【0020】 陽極酸化 次に上記の下電極2の表面を陽極酸化することにより、
図2の(b)のように多孔質のアルミナよりなる絶縁体
3aを形成する。このとき多孔質となった酸化膜の空孔
の底には通常バリア層が形成されるが、そのバリア層の
厚さは数〜数十nm以下、また絶縁体の厚さは数十nm
〜数μmに設定する。具体的には、例えば化成液1.5
M硫酸系を用い、10V以上たとえば30Vで陽極酸化
を行って、約30nmの非線形電気伝導体を形成する。
なお高濃度の硫酸浴系、例えば13Mの硫酸浴系ではバ
リア層がなくなるが、それでもよい。上記の陽極酸化は
自己制御的に進むため、絶縁体膜厚、空孔密度および空
孔の大きさは同一の陽極酸化条件では再現性がよい。ま
た基板内の均一性も良好となる。
【0021】 電解重合 上記絶縁体3aに例えばポリピロール誘導体を電解重合
させることによって、多孔質なアルミナよりなる絶縁体
3aの空孔内に、図2の(c)のように有機導電体3b
を充填して非線形電気伝導体3を形成する。上記の電解
重合は、例えば支持電解質としてBF4 を用い、電圧
1.8Vで行う。なお有機導電体3bの材質によっては
ドープまたは脱ドープが必要である。また電解重合では
空孔内部への充填は電界による分子の入り込みと、電極
と絶縁体との界面近傍における場重合によって余分な空
隙を生じずに可能となる。
【0022】 封孔処理 上記のように多孔質な絶縁体3aの空孔内に有機導電体
3bを充填した非線形電気伝導体3を熱水中に浸漬して
表面の水和酸化物により図2の(d)のように空孔の表
面開口部を塞ぎ、例えば250℃で30分間乾燥させ
る。
【0023】 画素電極形成 基板1の表面に、図2の(e)のように画素電極5を形
成する。その画素電極としては、例えばITO等を用
い、スパッタ等で100nm程度の厚さに形成した後、
200℃で約1時間アニールする。
【0024】 下電極の形成 上記画素電極5と前記非線形電気伝導体3との上面に、
図2の(f)のように上電極4を形成する。その上電極
4としては、エッチング性のよい例えばAl−Cu(C
u0.5%)合金等を用い、スパッタ等で厚さ50nm
に形成した後、フォトエッチング等で所定の形状にパタ
ーニングすればよい。
【0025】なお上記の上電極4と画素電極5とは、前
述のように同材質(例えば、ITO等)で一体に形成し
てもよく、その場合には上記の封孔処理を行った後に
上電極4と画素電極5とを同時に形成することができ
る。また上電極材料としては、本実施例においては素子
特性の正負の対称性が確保できる材料を選ぶ必要があ
る。このとき、上電極の配線長は短いので、大きな抵抗
率を有しても問題とならない。よってその形成手段は低
温スパッタ法や蒸着法により、できる範囲で薄く形成す
ることで非線形電気伝導体にできるだけダメージを与え
ないようにするのが望ましい。
【0026】これに対して下電極は配線材としても用い
られるので、信号の遅延時間を短くするために低抵抗に
したい。この場合、下電極の幅を広くして低抵抗にする
ことは、あまり有効ではないので、厚くすることで対応
するとよい。しかし、あまり厚くしすぎると上電極のカ
バレージ不足で断線が続出する可能性が高い。よって膜
厚は数百nm程度以下とするのが普通である。また、H
3 PO4 とCH 3COOHおよびHNO3 とからなるA
lエッチャント中のHNO3 の割合を増してテーパー加
工することによっても断線の減少を図っている。
【0027】さらに前記の画素電極形成は、前記の実
施例においてはの封孔処理を施した後に行ったが、
の下電極形成との陽極酸化との間に行ってもよい。図
3はその場合の製造プロセスを示す説明図である。前記
例の場合と同様に予め洗浄し且つ所定の下地形成を行っ
た基板1上に、導電体をスパッタ等で形成し、フォトエ
ッチング等で所定の形状にパターニングして図3の
(a)のように下電極2を形成する。次いで、基板1お
よび下電極2の表面に例えばITOをスパッタ等で所定
の厚さに形成しパターニングして同図(b)のように画
素電極5を形成する。以後は前記例と同様に下電極2の
表面を陽極酸化することにより、同図(c)のように多
孔質のアルミナ等よりなる絶縁体3aを形成すると共
に、その空孔内に同図(d)のように有機導電体3bを
充填し、同図(e)のように封孔処理を施す。そして最
後に同図(f)のように上電極4を形成すればよい。
【0028】上記のように画素電極形成を下電極形成と
陽極酸化との間に行うと、画素電極5を形成する際に、
下電極2上にITO膜を形成しパターニングして除去す
るときに下電極2上にITOが僅かに残っていても、後
の陽極酸化時にITO内のインジウムなどが溶けて素子
部から排出させることができる。
【0029】図4は上記のような非線形素子を電気光学
装置としての液晶表示装置に適用した例を示すもので、
同図(a)は液晶表示装置の平面図、同図(b)は正面
図である。図示例の液晶表示装置は、前記図1に示す素
子基板1に対面させて、ITO等の対向電極12を有す
る対向基板11を向かい合わせに配置し、その両基板1
・11間に液晶層10を介在させた構成である。13・
14は偏光板を示す。なお上記図3においては、1つの
画素を示したものであるが、例えばマトリックス型の液
晶表示装置においては、図4の(a)における画素電極
5が縦横に多数設けられ、画素間配線Lと対向電極12
が互いに直交する方向に連続的に設けられる。
【0030】上記のように構成した液晶表示装置のV−
T曲線を図5に示す。同図中、C1は本発明による非線
形素子を用いた液晶表示装置のV−T曲線、C2は非線
形素子を用いない通常の単純マトリックス型液晶表示装
置のV−T曲線である。非線形素子を付加することによ
り、急峻性(V10/V90)が向上していることが分か
る。よって高コントラスト、高視野角の液晶表示装置を
高デューティ比で動作させることが可能となる。以上の
ように本発明による非線形素子は構成が簡単で工程が短
く、スループットの低いドライエッチやCVDも不要で
あるため、これを液晶表示装置に適用することによって
高コントラスト、高性能の液晶表示装置を容易安価に提
供することが可能となる。
【0031】なお反射型液晶表示装置等の特殊なモード
(例えば、反射板と液晶の間に偏光板のいらない複屈折
を利用したモードや、ゲスト−ホストモードなど)にあ
っては、上記の画素電極5として反射性のよい材質を用
いることにより、反射板として兼用させることもでき
る。図6の(a)はその一例を示すもので、画素電極5
としてAl等の反射性のよい材質を用いたものである。
そのようにすると、上記のような反射型液晶表示装置等
にあっては従来は例えば同図(b)のように素子基板1
の下側に偏光板14や反射板15を設ける必要があった
が、それらを省略することができる。また本例において
も、上記画素電極5と下電極4とを同材質で一体に形成
することも可能であり、そのようにすると構成をさらに
簡略化することができる。
【0032】〔実施例2〕図7は本発明による非線形素
子の他の実施例を示すもので、同図(a)は非線形素子
の平面図、(b)は(a)におけるb−b線拡大断面
図、(c)は(a)におけるc−c線拡大断面図であ
る。本例は画素間配線Lと画素電極5との間に2つの非
線形素子S1・S2を直列に設けた、いわゆるバック−
トゥ−バック(B−B)型とした例を示す。画素間配線
Lは一方の非線形素子S1の上電極41と連続的に形成
され、その上電極41と、画素間配線Lと画素電極5と
の間に設けた下電極2および非線形電気伝導体3とで非
線形素子S1が構成されている。また他方の非線形素子
S2は上記下電極2および非線形電気伝導体3と、上電
極42とで構成され、その上電極42は画素電極5に接
続されている。
【0033】画素間配線Lからの信号は、その画素間配
線Lに連続的に形成した上電極41を経て、第1の非線
形素子S1すなわち上電極41・非線形電気伝導体3・
下電極2を通った後、第2の非線形素子S2すなわち下
電極2・非線形電気伝導体3・上電極42を通って画素
電極5に入力される。このため、配線Lと画素電極5間
において、正負の電界をどちら向きに印加しても、電流
の経路は同等となり、上電極41および42と、下電極
2の材質に拘らず素子特性は対称となる。
【0034】本実施例においても、非線形電気伝導体3
として多孔質なアルミナ等よりなる絶縁体3aの空孔中
に有機導電体3bを充填したもので、前記実施例の場合
と同様の効果が得られると共に、バック−トゥ−バック
型としたことによって素子特性の対称性が確保され、極
性差をなくすことができる。上記非線形電気伝導体3お
よび下電極2、上電極41・42は、前記実施例1と同
様に前記の各種の材質のものを用いることができる。ま
た本実施例においては、上電極41は配線材料としても
用いているが、バック−トゥ−バック構造のため素子特
性は必ず対称となるので、広い範囲の材料から選択が可
能である。配線材兼用の上電極材料に低抵抗配線材料を
用いれば、配線パターンを細かくでき、高開口率とする
ことが容易である。又この構成の場合は配線材を厚く付
けても断線欠陥は起きない等の利点がある。
【0035】上記のようなバック−トゥ−バック型の非
線形素子を製造する場合には、例えば以下の要領で製作
すればよい。先ず、前記実施例1に記載した製造方法プ
ロセスにおけるの下電極形成、の陽極酸化、の電
解重合、およびの封孔処理を行って図8の(a)に示
すように下電極2と非線形電気伝導体3を基板1上に形
成する。次いで、同図(b)のように非線形素子となる
部分以外の下電極2と非線形電気伝導体3を除去する。
その後、前記実施例1の場合と同様の要領で、図8の
(c)のように画素電極5を形成し、次いで同図(d)
のように画素間配線Lを兼ねる上電極41と他方の上電
極42とを形成すればよい。
【0036】なお上記実施例において画素間配線Lを形
成する箇所に図8の(a)のように非線形素子となる部
分以外の下電極2と非線形電気伝導体3とを形成したの
は、専ら前記の陽極酸化や電解重合を行う際の電界印加
用配線として用いるためであり、本例においては、のち
にその配線を図8の(b)のように全て除去したが、非
線形素子となる部分の下電極2および非線形電気伝導体
3と単に切離し、その配線の上に上電極41を形成して
もよい。また上記のプロセスにおいても多孔質なアルミ
ナよりなる絶縁体3aの封孔処理を施すようにしたが、
本実施例においては素子部のみにアルミナが開口した非
線形電気伝導層が存在するので、場合によっては封孔処
理は省略してもよい。
【0037】さらに前記のようなバック−トゥ−バック
型の非線形素子を製造する場合のプロセスや各部材の配
置構成等は適宜変更可能であり、図9は他のプロセス例
を示す。本例は前記のプロセスと同様に図9の(a)に
示すように下電極2と非線形電気伝導体3を基板1上に
形成すると共に、その下電極2と非線形電気伝導体3の
非線形素子となる部分を前記図8の場合よりも長く形成
し、それ等を含む基板上に同図(b)の鎖線示のように
画素電極5を形成するためのITO膜等を設け、それを
レジストを用いて所定の形状にパターニングして画素電
極5を形成する際に、同図(c)のように非線形素子と
なる部分以外の下電極2と非線形電気伝導体3、すなわ
ち電界印加用配線L´を同時に除去する。次いで残った
下電極2と非線形電気伝導体3の上記電界印加用配線L
´と反対側の端部近傍に上電極41・42を形成すると
共に、その上電極41の画素間配線Lとなる部分を、上
記電界印加用配線L´と反対側に隣り合う画素電極5´
との間に形成するようにしたものである。なお、このと
き非線形素子部に残った画素電極材も除去する。ただ
し、上電極41・42の下に相当する部分の画素電極材
は残り、非線形素子の上電極は画素電極材と上電極材が
積層した2層構造となる。
【0038】上記のように画素電極5をレジストを用い
て所定の形状にパターニングして形成する際に、電界印
加用配線L´を同時に除去すると、製造が容易になるだ
けでなく、上記のレジストによって非線形素子となる部
分の下電極2と非線形電気伝導体3とを保護することが
できる。また上電極41・42を上記のように電界印加
用配線L´と反対側に形成すると、電界印加用配線L´
を除去する際に、非線形素子となる部分の下電極2と非
線形電気伝導体3の上記配線L´側の端部がダメージを
受けても素子特性に悪影響を及ぼすのを防ぐことができ
る等の利点がある。
【0039】なお上記のようなバック−トゥ−バック型
の非線形素子おいても、前記実施例1の場合と同様に液
晶表示装置に適用することができる。また液晶表示装置
に限らずその他の各種電気光学装置にも適用可能であ
り、その点は前記の実施例1においても同様である。さ
らに上記の各実施例の製造プロセスにおける電極や非線
形電気伝導体の形成方法も適宜変更可能であり、例えば
電極形成方法としては、メッキ法や塗布焼結法などでも
よく、また有機導電体による空孔充填方法としては、電
着法やアルミナの吸着を利用する方法等によっても本発
明の非線形素子やそれを用いた電気光学装置を作成する
ことができる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明による非線形
素子は、非線形電気伝導体を多孔質のアルミナ等よりな
る絶縁体と、その空孔内に充填した有機導電体とで構成
したことにより、アルミナ等よりなる絶縁体の低い誘電
率と厚い膜厚とで非線形素子を構成できるので、素子容
量が小さくできる。また非線形性の大きい有機導電体材
料を電流経路を限定して使えるので、非線形素子の非線
形性を大きくできる。また本発明による非線形素子の製
造方法によれば、陽極酸化により空孔数、空孔の大き
さ、および絶縁体膜厚、膜質を再現性、均一性よく作る
ことができる。また電解重合により形成した有機導電体
は空孔の充填性がよく、自己制御により再現性・均一性
もよくなる。これらによって、非線形電気伝導体の形成
は、今までのMIM型非線形素子における酸化物非線形
電気伝導体と同等の均一性・再現性を確保することがで
きる。さらに本発明による液晶表示装置等の電気光学装
置は、素子容量が小さくなるため、容量比がとれる。し
かも容量比をとってもパターン精度が厳しくならないの
で、プロセスがつらくならない。また素子の非線形性が
大きいため、駆動波形のON−OFF比を大きくするこ
とができ、駆動マージン(電圧)がとれる。さらに駆動
波形のON−OFF比が大きいためパネルギャップむら
によるパネルのONおよびOFF変動や容量比変動に対
する許容範囲が大きくなる。よって、パネル組立マージ
ンが大きくなる等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明による非線形素子の一実施例を
示す平面図。 (b)は(a)におけるa−a線拡大断面図。
【図2】(a)〜(f)は非線形素子の製造工程の一例
を示す説明図。
【図3】(a)〜(f)は非線形素子の他の製造工程を
示す説明図。
【図4】(a)は本発明による非線形素子を適用した液
晶表示装置の平面図。 (b)はその縦断面図。
【図5】本発明による非線形素子を用いた液晶表示装置
のV−T特性を示す説明図。
【図6】(a)は本発明による非線形素子を用いた反射
型液晶表示装置の縦断面図。 (b)は従来の反射型液晶表示装置の縦断面図。
【図7】(a)は本発明による非線形素子の他の実施例
を示す平面図。 (b)は(a)におけるb−b線拡大断面図。 (c)は(a)におけるc−c線拡大断面図。
【図8】(a)〜(d)は上記実施例における非線形素
子の製造工程の説明図。
【図9】(a)〜(d)は上記実施例における非線形素
子の他の製造工程の説明図。
【図10】(a)は従来の非線形素子の平面図。 (b)は(a)におけるa−a線拡大断面図。
【図11】駆動電圧波形の一例を示す説明図。
【符号の説明】 1 基板 2 下電極 3 非線形電気伝導体 3a 絶縁体 3b 有機導電体 4 上電極 5 画素電極 S、S1、S2 非線形素子

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に第1の導電体と非線形電気伝導
    体および第2の導電体とを順に積層してなり、それ等の
    重なる部分が電流電圧特性に非線形性を有する非線形素
    子において、上記非線形電気伝導体を多孔質な絶縁体
    と、その多孔質な絶縁体の空孔中に充填した有機導電体
    とで構成したことを特徴とする非線形素子。
  2. 【請求項2】 上記の多孔質な絶縁体はアルミナよりな
    る請求項1記載の非線形素子。
  3. 【請求項3】 基板上に第1の導電体と非線形電気伝導
    体および第2の導電体とを順に積層してなり、それ等の
    重なる部分が電流電圧特性に非線形性を有する非線形素
    子を製造するに当り、上記第1の導電体を基板上に形成
    し、その第1の導電体の少なくとも一部を陽極酸化して
    多孔質な絶縁体を形成すると共に、その多孔質な絶縁体
    の空孔中に電解重合により有機導電体を充填して非線形
    電気伝導体を形成することを特徴とする非線形素子の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 上記第1の導電体をアルミニウムもしく
    はアルミニウム合金で形成し、その少なくとも一部を陽
    極酸化して多孔質なアルミナよりなる絶縁体を形成する
    と共に、その多孔質なアルミナよりなる絶縁体の空孔中
    に電解重合により有機導電体を充填して非線形電気伝導
    体を形成することを特徴とする請求項3記載の非線形素
    子の製造方法。
  5. 【請求項5】 基板上に第1の導電体と非線形電気伝導
    体および第2の導電体とを順に積層してなり、それ等の
    重なる部分が電流電圧特性に非線形性を有する非線形素
    子における上記非線形電気伝導体を多孔質な絶縁体と、
    その多孔質な絶縁体の空孔中に充填した有機導電体とで
    構成し、その非線形素子を画素電極と画素間配線との間
    に設けてなる素子基板を、対向電極を有する対向基板に
    対面させて配置し、その両基板間に液晶層を介在させて
    なる電気光学装置。
  6. 【請求項6】 上記の多孔質な絶縁体はアルミナよりな
    る請求項5記載の電気光学装置。
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