JPH05117916A - 耐光性の良好な酸化チタン含有繊維およびその製造方法 - Google Patents

耐光性の良好な酸化チタン含有繊維およびその製造方法

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JPH05117916A
JPH05117916A JP3299957A JP29995791A JPH05117916A JP H05117916 A JPH05117916 A JP H05117916A JP 3299957 A JP3299957 A JP 3299957A JP 29995791 A JP29995791 A JP 29995791A JP H05117916 A JPH05117916 A JP H05117916A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸化チタンを多量に含有する繊維は、太陽光
に長時間暴露されると黄変するという欠点を有している
のを改善し、耐光性に優れた有機合成繊維を提供する。 【構成】 酸化チタンを多量に含有する熱可塑性樹脂
(ロ)からなる繊維に、特定の最大反射率波長を有する
蛍光化合物と非蛍光着色化合物を含有させた繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は酸化チタンを多量に含有
している熱可塑性樹脂からなる有機合成繊維であって、
耐光性の極めて良好な繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、太陽光に人体が長時間さらされる
と皮膚ガンが発生することが医学的に証明されており、
衣服、カーテン、帽子、日傘等に用いられる繊維とし
て、種々の顔料を多量に添加して太陽光を遮蔽する性質
を付与した繊維が求められている。これに用いられる顔
料としては酸化チタンがもっとも一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、酸化チ
タンを多量に熱可塑性繊維構成ポリマー中に練り込み紡
糸すると、得られる繊維は、耐光変色性、すなわち太陽
光に暴露されると繊維が黄変するという問題があり、白
度が要求される用途、たとえばカーテン、シャツ、ゴル
フウェア、テニスウェア、テニスパンツ等のインテリ
ア、衣料には使用することが困難であるのが現状であ
る。
【0004】本発明は、前記の従来技術の問題点を克服
すること、すなわち多量の酸化チタンを含有しているに
もかかわらず耐光変色性の点で極めて優れている繊維を
提供するものであり、即ち耐光変色性が高度に要求され
る用途、たとえばカーテン、シャツ、ゴルフウェア、テ
ニスウェア、テニスパンツ、帽子、日傘、ビーチウェア
等のインテリア、外衣、小物向けの繊維素材として極め
て優れた繊維を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、酸化チタンを
2重量%以上含有する熱可塑性樹脂からなる繊維であっ
て、かつ下記式[I]で示される反射特性を有する蛍光
化合物[A]および非蛍光着色化合物[B]が下記式
[II]で示される量比で付与されていることを特徴と
する酸化チタン含有有機合成繊維である。 λ↓A+15≧λ↓B≧λ↓A−15・・・・・[I] 但し、λ↓Aは着色成分として上記化合物[A]のみを
0.2重量%含む場合の該繊維を、キセノン光源の白色
光照明下で測定した場合の可視部の反射率スペクトルよ
り求めた最大反射率に於ける波長(nm)であり、λ↓
Bは着色成分として上記化合物[B]のみを0.4重量
%含む場合の上記と同様にして得られる波長(nm)で
ある。 5×10↑-4≦C↓B/C↓A≦1×10↑-2・・・・・[II] 但し、C↓Aは化合物[A]の量(重量%)、C↓Bは化
合物[B]の量(重量%)である。また本発明は、酸化
チタンを2重量%以上含有する熱可塑性樹脂からなる繊
維を、上記の化合物[A]および化合物[B]を上記の
量比[II]で含有する水溶液で処理することを特徴と
する酸化チタン含有有機合成繊維の製造方法である。な
お、上記λ↑A,λ↑Bの説明で、着色成分の中に、酸化
チタンは含まれない。したがって、λ↓A,λ↓Bは、本
発明の繊維を着色している化合物[A]と[B]のいず
れか一方で着色した場合の最大反射率波長(nm)を意
味する。
【0006】繊維を蛍光染料で染色すると、繊維中に配
合される蛍光染料(蛍光化合物)の分子が近紫外部に於
いて吸収励起を高度に発現して可視部の反射率を高らし
め、その結果、可視部の発光量を向上させ、白度の優れ
た繊維にすることが知られている。しかし酸化チタンを
多量に含有する繊維の場合には、該繊維を構成する酸化
チタン含有熱可塑性樹脂が優先的に近紫外部の光を吸収
するために、該繊維に蛍光化合物が配合されていても該
蛍光化合物の分子が上述した吸収励起を発現することを
抑制されるため、可視部の発光量が少なくなり、その結
果として蛍光化合物の機能が発揮されないこととなる。
そして蛍光化合物の機能が発揮されない以上、繊維の耐
光変色性も殆んど改善されないこととなる。
【0007】本発明者等は、以上述べたこれらの点につ
いて鋭意検討した結果、驚くべき事実を見い出したもの
である。即ち該繊維において、上記の配合される蛍光化
合物の近紫外部に於ける吸収励起の抑制を特定の化合物
を添加することにより達成でき、そして同時に繊維の耐
光変色性が極めて顕著に改善されることを見い出したも
のである。その特定の化合物とは、非蛍光性でかつ前述
した蛍光化合物の可視部における最大反射率を表す発光
波長とほぼ同じ波長において最大反射率を示す非蛍光着
色化合物、特に非蛍光性の染料分子のことであり、この
化合物を配合すると本発明の目的とする耐光変色性が極
めて良好である繊維を得ることが可能となった。
【0008】本発明の繊維を構成する熱可塑性樹脂は、
ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン
12、ナイロン11、ナイロン4、ナイロン46などの
ポリアミド類、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレー
トなどのポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレ
ンなどのポリオレフィン類等から選択されるが、特にポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
トを主成分とするポリエステル系ポリマーの場合には、
酸化チタンを多量に添加すると光暴露による黄変が著し
く、また前記化合物[A]と[B]を存在させることに
より得られる耐光変色性も絶大であることより、本発明
には極めて適している。これらのポリエステル系ポリマ
ーとしては、少量の第3成分を共重合したものを用いる
ことができる。より詳細にポリエステル系ポリマーにつ
いて説明すると、ポリエステル系ポリマーとは、テレフ
タル酸、イソフタル酸、ナフタリン−2,5−ジカルボ
ン酸、α,β−(4−カルボキシフェノキシ)エタン、
4,4′−ジカルボキシジフェニル、ビスフェノールA
のアルキレンオキサイド付加物、アジピン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−
1,4−ジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリ
テトラメチレングリコールなどの芳香族、脂肪族、脂環
族のジカルボン酸やジオール類、オキシカルボン酸等か
ら合成されるポリエステルポリマーであり、特に構成単
位の80モル%以上が、特に90モル%以上がエチレン
テレフタレート単位またはブチレンテレフタレート単位
であるポリエステルポリマーが前述したように好まし
い。
【0009】むろん本発明において、酸化チタンが添加
される熱可塑性樹脂は、それ単独では繊維形成性を有し
ていないが、他の繊維形成性ポリマーと複合または混合
紡糸することにより繊維を形成できるものであっても本
発明に用いることができる。したがって本発明で言う酸
化チタンを2重量%以上含有する熱可塑性樹脂からなる
繊維とは、該樹脂からの単独紡糸繊維および該樹脂と他
の樹脂との混合および複合繊維の全てを意味している。
もちろん酸化チタンを2重量%以上含有する熱可塑性樹
脂が繊維形成性を有している場合であっても、それを一
成分として得られる混合紡糸繊維や複合紡糸繊維は本発
明に含まれる。本発明の繊維が混合紡糸あるいは複合紡
糸により得られる繊維である場合には、繊維構成成分の
10重量%以上が酸化チタンを2重量%以上含む熱可塑
性樹脂であるのが好ましい。
【0010】前述したように、本発明において、酸化チ
タンを2重量%以上含有する熱可塑性樹脂としては、そ
れ単独では繊維形成能を有していない樹脂であつてもよ
く、そのような樹脂の場合、該樹脂を芯成分、繊維形成
性の他の樹脂を鞘成分とする芯鞘型複合繊維とすること
により好適な繊維となる。特に酸化チタンを2重量%以
上含有する熱可塑性樹脂を構成する樹脂として熱可塑性
のエラストマーを用いると、酸化チタンが多量に添加さ
れているにもかかわらず紡糸性が損われることが少な
く、とりわけ熱可塑性エラストマーとして、芳香族ビニ
ルブロックと共役ジエンブロックからなるブロック共重
合体の水素添加物が酸化チタンを多量に添加しても紡糸
性が損なわれないことより好ましい。
【0011】このようなブロック共重合体の好適な例と
しては、例えば、SBS(ポリスチレン−ポリブタンジ
エン−ポリスチレンのブロック共重合体)の水素添加
物、SIS(ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチ
レンのブロック共重合体)の水素添加物、SI(ポリス
チレン−ポリイソプレンのブロック共重合体)の水素添
加物、ポリα−メチルスチレン−ポリイソプレン−ポリ
α−メチルスチレンのブロック共重合体の水素添加物、
ポリα−メチルスチレン−ポリブタジエン−ポリα−メ
チルスチレンのブロック共重合体の水素添加物、ポリα
−メチルスチレン−ポリイソプレンのブロック共重合体
の水素添加物などが挙げられ、とくにポリ芳香族ビニル
ブロックを両末端ブロックとするトリブロック共重合体
の水素添加物が好ましく、なかでも、上記SISの水素
添加物が好ましい。
【0012】本発明に用いられる該ブロック共重合体
は、共役ジエン部分の30%以上が水素添加されている
ことが必要であり、30%未満の場合には、溶融紡糸時
に該ブロック共重合体が熱分解するという欠点が生ず
る。なお、ここで言う水素添加率は、ブロック共重合体
に含まれている共役ジエン中の炭素−炭素不飽和二重結
合が水素化されている割合を意味し、水素添加前のヨウ
素価と水素添加後のヨウ素価を求め、前者に対する後者
の百分率を算出することにより求められる。より好まし
くは、水素添加率50%以上である。
【0013】本発明に用いられる該ブロック共重合体の
数平均分子量としては、3万以上15万以下特に4万以
上10万以下が好ましい。数平均分子量は、常法のGP
C法により求められる。またブロック共重合体における
芳香族ビニルブロック/共役ジエンブロックの重量比と
しては5/95〜80/20の範囲内が好ましく、特に
10/90〜70/30の範囲内が好ましい。芳香族ビ
ニルとしてはスチレンやメチルスチレンなどが挙げら
れ、また共役ジエンとしてはイソプレンやブタジエンや
ピペリンなどが挙げられる。また本発明に用いられるブ
ロック共重合体は主として芳香族ビニルブロックと共役
ジエンブロックからなるものであるが、分子鎖中の分子
末端にカルボキシル基や水酸基、酸無水物などの官能基
を有していてもよい。
【0014】さらに本発明において、繊維表面に酸化チ
タンが多量に存在すると、繊維の延伸工程や熱処理工程
等で延伸ローラーや延伸プレート、ガイド、トラベラー
等の表面が走行する繊維によって削り取られ摩耗するこ
ととなる。したがってこのような摩耗を防ぐために、芯
成分に酸化チタンを多量に含む熱可塑性樹脂、たとえば
ポリエステル系ポリマー、鞘成分として酸化チタンを少
量含むかあるいは全く含まない熱可塑性樹脂、たとえば
ポリエステル系ポリマーを用いた芯鞘型複合繊維が好ま
しい。特に繊維が長繊維(フィラメント)である場合に
は、このような複合繊維が好ましい。
【0015】このような芯鞘型複合繊維を得るための方
法としては前記の鞘成分ポリマーと芯成分ポリマーを別
々の溶融糸で加熱溶融しておき、それぞれ通常の押出装
置により紡糸口金まで送り、紡糸口金直前で両ポリマー
を例えば同心芯鞘型の複合形状に合わせて合流し、押し
出して得られる糸条を巻き取るかあるいは一旦ケンスに
蓄えた後、さらに延伸熱処理することにより得られる。
【0016】本発明に於いて上記の熱可塑性樹脂中に占
める酸化チタンの含有量は目的とする繊維によって異な
るが、酸化チタンを2重量%以上含有されなければなら
ない。2重量%未満である場合には本発明の解決課題そ
のものが存在しないし、また太陽光の遮蔽性も低下す
る。しかし10重量%以上であると本発明の課題である
白度の優れた耐光性の良好な繊維とすることが難しくな
る。ここで言う酸化チタンとは二酸化チタンのことであ
り、二酸化チタンの平均粒子径としては5μ以下が好ま
しく、さらに好ましくは1μ以下である。粒子径が大き
すぎると、紡糸時のフィルターでの詰まりや糸切れなど
の問題を生じ、さらに延伸時にも糸切れが発生する。こ
こで言う平均粒子径とは、堀場製作所製粒度分布測定装
置(CAPA−500)を用いて測定される値である。
【0017】さらに本発明において、酸化チタンを多量
に含有する熱可塑性樹脂の紡糸性を高めるために、ステ
アリン酸金属塩またはチタン系カップリング剤が添加さ
れているのが好ましく、特にステアリン酸のマグネシウ
ム塩やカルシウム塩、亜鉛塩等が好ましく、そのうちで
もステアリン酸マグネシウムが好ましい。そしてこれら
化合物の添加量としては、二酸化チタンに対して1〜1
0重量%が好ましい。さらに熱可塑性樹脂と酸化チタン
の混練性を高めるために、種々の分散助剤が添加されて
いるのが好ましい。
【0018】本発明に於ける課題を達成するための重要
な構成要件となる蛍光化合物[A]とは、The So
ciety of Dyers and Colori
stsとAmerican Association
of Textile Chemists and C
olouristsの共編のカラーインデックスに蛍光
染料として分類されるものを意味しており、特にスチル
ベン系、クマリン系、ベンゾオキサゾール系化合物等が
挙げられる。その量としては、繊維の重量に対して0.
05〜0.5重量%の範囲が好ましい。蛍光化合物
[A]は酸化チタンを2重量%以上含有する熱可塑性樹
脂中に添加されていてもよく、またそのような樹脂成分
を芯成分とする芯鞘型複合繊維である場合には、主とし
て鞘成分中に含有あるいは鞘成分表面に重点的に付与さ
れていてもよい。
【0019】しかしながら、このような蛍光化合物
[A]のみでは、酸化チタンを多量に含む熱可塑性樹脂
の光変色(黄変)を防ぐことはできない。本発明では、
この点を解決するために、前述した非蛍光着色化合物
[B]を付加する。ここで言う非蛍光着色化合物[B]
とは、前述したような特定の可視部反射特性を有する化
合物であって、特に前述したカラーインデックスに染料
として分類される分散染料および酸性染料が好ましい。
そして繊維形成性熱可塑性ポリマーとしてポリエステル
系のポリマーが用いられる場合には、上記の化合物の内
の特に分散染料が好ましい。
【0020】前述したように、化合物[A]と化合物
[B]の可視部最大反射率波長(nm)λ↓Aおよびλ
↓Bがλ↓A+15≧λ↓B≧λ↓B−15を満足している
ことが必須であり、この範囲から外れる蛍光化合物
[A]と非蛍光着色化合物[B]の組合わせが用いられ
る場合には、本発明の目的である耐光変色性(黄変性)
に優れた繊維を得ることができない。更に蛍光化合物
[A]と非蛍光着色化合物[B]との配合比は5×10
↑-4以上で1×10↑-2以下が必要で、この範囲を外れ
る場合には所期の目的は達成されない。非蛍光着色化合
物[B]に関しても、化合物[A]と同様に、酸化チタ
ンを多量に含有する熱可塑性樹脂中に添加されていても
よく、またそれとは別の成分中に付与されていてもよ
い。もちろん化合物[A]成分と化合物[B]成分は繊
維内の同一部分に存在していても、また別々の部分に存
在していてもよいが、同一部分に存在しているのが好ま
しい。
【0021】該蛍光化合物[A]と非蛍光着色化合物
[B]を前述の繊維に配合させる方法としては、繊維化
する際の紡糸時の練り込み法及び繊維化後の後処理法等
が挙げられるが、実用面での工程性を考慮すると後処理
法が好ましく、より好ましくは酸化チタンを多量に含有
する熱可塑性樹脂からなる繊維を、上述した化合物
[A]および化合物[B]を前述した量比で含有する水
溶液中に浸漬して加熱する方法、あるいは該水溶液をパ
ッド、スプレー、シャワー等の方式で該繊維に付与し加
熱処理する方法である。
【0022】なお、ここで言う繊維とは、マルチフィラ
メント等の長繊維、ステープル等の短繊維、フィラメン
ト糸、紡績糸、本発明の繊維と天然繊維、半合成繊維、
他の合成繊維との混繊糸や混紡糸、合撚糸、交絡糸や捲
縮糸等のその他の加工糸等のいずれであってもよい。更
に本発明の繊維製品は、それらの繊維や糸をその一部ま
たは全部として形成された編織物、不織布、最終的な衣
類、タオル、カーテン等の繊維製品のいずれでもよい。
図面は本発明繊維の横断面形状の一例を示したものであ
り、図中、斜線部が酸化チタンを多量に含有する熱可塑
性樹脂成分で、非斜線部が酸化チタンを少量含むかある
いは全く含まない熱可塑性樹脂成分である。図1は一芯
芯鞘、図2は3芯芯鞘、図3は4芯芯鞘の複合繊維、図
4は酸化チタンを多量に含有する熱可塑性樹脂の単独紡
糸繊維の場合である。
【0023】
【実施例】以下に、実施例等により本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれによって何ら限定されるもので
はない。 実施例1 二酸化チタンを5重量%そしてステアリン酸マグネシウ
ムを0.2重量%含有するポリエチレンテレフタレート
(以下PETと略記)を芯成分となるように、一方二酸
化チタンを0.5重量%含有するPETを鞘成分となる
ように、それぞれ別の押出機で溶融押し出しし、紡糸温
度290℃にてノズル部で両者成分を合流し、芯成分と
鞘成分の複合重量比を変化し断面を図1のような形状に
して紡糸速度1000m/分で巻き取り、二酸化チタン
を多量に含有する熱可塑性樹脂の含有量の異なる、種々
の紡糸原糸を得た。得られた紡糸原糸をホットローラー
80℃、プレート温度135℃、延伸倍率3.3倍の条
件で延伸し75デニール24フィラメントのマルチフィ
ラメントを得た。これらの延伸糸を用い経密度95本/
インチ緯密度60本/インチの織密度で平織物を作製し
精錬し下記の条件及び表1に示す条件の如く非蛍光着色
化合物[B]処理濃度(y%)を変化することにより蛍
光化合物[A]及び非蛍光着色化合物[B]の配合比を
変えて浸漬加熱処理を行ない、JIS−L0842に準
じて耐光性(退色)の評価を行った。 <液浸漬加熱処理条件> owf:繊維に対する重量%
の略 液組成 蛍光化合物[A]:Uvitet EBF (チバーガ
イギー製) 1%owf <ベンゾオキサゾール系化合物> 非蛍光着色化合物[B]の二種類 略号 (B−1):Sumikaron UL Blue G
F y%owf (B−2):Sumikaron Violet E−
RL y%owf 分散剤:Irgasol NA 1g/l 浴比50:1 加熱温度 130℃ 加熱時間 40分 化合物[A]と化合物[B]の配合比の求め方 処理繊維についてジメチルホルムアミドによって72時
間ソックスレー抽出を行いその抽出液について分光光度
計により吸光度測定より配合比を求めた。この染色処理
により、繊維に対する蛍光化合物[A]の染色量は0.
2重量%であった。
【0024】本実施例1および2に於いては前記の
[I]及び[II]式の満足する蛍光化合物[A]、非
蛍光着色化合物[B]を配合せしめることで耐光性の良
好な酸化チタン含有の繊維となる。比較例1は酸化チタ
ン含有量の少ない繊維の本発明の課題を必要としない例
である。比較例2〜4は本発明の課題の解決を必要とす
る繊維の前記の規定を外れた例である。比較例5〜7は
本発明の課題の解決を必要とする繊維の前記の[I]及
び[II]式の条件を外れた例である。
【0025】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明繊維の横断面形状の一例である。
【図2】本発明繊維の横断面形状の別の一例である。
【図3】本発明繊維の横断面形状のさらに別の一例であ
る。
【図4】本発明繊維の横断面形状の別の一例である。
【符号の説明】
イ 酸化チタンが少量含まれているか又は全く含まれて
いない成分 ロ 酸化チタンが多量に含まれている成分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 一郎 岡山県倉敷市玉島乙島7471番地 株式会社 クラレ内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化チタンを2重量%以上含有する熱可
    塑性樹脂からなる繊維であって、かつ下記式[I]で示
    される反射特性を有する蛍光化合物[A]および非蛍光
    着色化合物[B]が下記式[II]で示される量比で付
    与されていることを特徴とする酸化チタン含有有機合成
    繊維。 λ↓A+15≧λ↓B≧λ↓A−15・・・・・[I] 但し、λ↓Aは着色成分として上記化合物[A]のみを
    0.2重量%含む場合の該繊維を、キセノン光源の白色
    光照明下で測定した場合の可視部の反射率スペクトルよ
    り求めた最大反射率に於ける波長(nm)であり、λ↓
    Bは着色成分として上記化合物[B]のみを0.4重量
    %含む場合の上記と同様にして得られる波長(nm)で
    ある。 5×10↑-4≦C↓B/C↓A≦1×10↑-2・・・・・[II] 但し、C↓Aは化合物[A]の量(重量%)、C↓Bは化
    合物[B]の量(重量%)である。
  2. 【請求項2】 酸化チタンを2重量%以上含有する熱可
    塑性樹脂からなる繊維を、請求項1に記載の化合物
    [A]および化合物[B]を請求項1記載の量比[I
    I]で含有する水溶液で処理することを特徴とする酸化
    チタン含有有機合成繊維の製造方法。
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