JPH05117523A - 結晶性ポリオレフイン及びグラフトコポリマーによるポリアミドの改良 - Google Patents

結晶性ポリオレフイン及びグラフトコポリマーによるポリアミドの改良

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JPH05117523A
JPH05117523A JP28524891A JP28524891A JPH05117523A JP H05117523 A JPH05117523 A JP H05117523A JP 28524891 A JP28524891 A JP 28524891A JP 28524891 A JP28524891 A JP 28524891A JP H05117523 A JPH05117523 A JP H05117523A
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JP28524891A
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Casmir Stanislaus Ilenda
カスミル・スタニスラウス・イレンダ
Noel Gray Harvey
ノエル・グレイ・ハーベー
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Rohm and Haas Co
Original Assignee
Rohm and Haas Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 改良された性質を有するポリアミドを主要成
分とするポリマーブレンドの提供を目的とする。 【構成】 このポリマーブレンドは、a)100部のポ
リアミド、b)ポリアミド100部当たり10〜95部
のポリオレフィン、c)ポリオレフィンの第1セグメン
トとポリ(メタ)アクリル酸エステルなどの第2セグメ
ントとから成る相容化ポリマー、およびd)場合によっ
て慣用の添加剤など、から構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】ポリアミドはエンジニアリングプラスチ
ックのうちで最も広く用いられている。これは良好な機
械的特性、使用温度及び加工性を含む望ましい特徴が組
合わさっていることによるものである。
【0002】これらの特徴にもかかわらず、ポリアミド
はそれらのもつ欠点のために特定の市場では対抗するこ
とができない。その欠点とは、吸湿性が高いこと、極性
の有機薬品並びに酸及び塩の水性溶液に対する耐薬品性
が低いこと、並びに一般的な目的には適当であるが特別
な電気的用途には適当ではない電気的特性が含まれる。
【0003】これらの欠点の多くは、ポリプロピレンの
ような結晶性ポリオレフィンとブレンドすることによっ
て克服できる。しかしながら、ポリアミドとポリオレフ
ィンは極性が著しく異なるので、ポリオレフィンによる
改良を十分に利用しそしてまた異なるポリマーのブレン
ドに固有の脆性を減少させるためにポリマーを相容性に
する必要がある。相容性であるとは、ブレンドが各成分
の物理的、化学的特性の平均かまたは例えば良好な耐薬
品性を維持しながら使用温度が改善されているというよ
うな両者の最良の物理的、化学的特性を有する有用な目
的物に加工されることができることを意味する。しかし
ながらポリアミドと結晶性ポリオレフィンのブレンドの
ほとんどは不相容性で、弱く、チーズ状もしくは脆いか
または成型が困難である。
【0004】多くの不相容性ポリマーブレンドはポリマ
ー相容化剤の存在によって相容性にすることができ、少
量のそのような相容化剤は相容化剤の存在しない同様の
ブレンドに比べブレンド特性を改善する。
【0005】〔組成〕本発明者らは、ポリアミドと結晶
性ポリオレフィンのブレンドに非常に有用な相容化剤を
見出した。この相容化剤は、ブレンドが種々の重合体及
び非重合体付加成分を含む場合にも有用である。この相
容化剤はポリオレフィン及びポリメタクリレートとのセ
グメントコポリマーであって、以下の記載及び実施例で
さらに詳しく述べる。
【0006】本発明で用いたポリアミドには脂肪族ポリ
アミド、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,9、
ナイロン6,10、ナイロン6,12、ナイロン6,4、
ナイロン11及びナイロン12が含まれる。また、それ
にはこれらのナイロンのブレンドも含まれる。そしてさ
らに芳香族ポリアミド、例えばポリ(アジピン酸−m−
フェニレンメチレンジアミン)等が含まれる。
【0007】ポリアミドとブレンドしたとき前記欠点の
一つ以上を解消する改善された特性を示す適当な結晶性
ポリオレフィンはポリプロピレンであり、それにはアイ
ソタクチックポリプロピレン並びに25%までのエチレ
ン、ポリエチレン、ポリ−1−ブテン及びポリメチルペ
ンテンを含むランダム及びブロックコポリマーが含まれ
る。また、それにはこれらのポリマー単位のコポリマ
ー、これらのポリオレフィンのブレンド、並びに例えば
ポリエチレン、エチレンプロピレンコポリマーゴム及び
EPDMのようなゴム状ポリオレフィンを40%まで含
むブレンドが含まれる。
【0008】ブレンド中に必要とする結晶性ポリオレフ
ィンの量は使用するポリアミド及びポリオレフィンの種
類、結晶性ポリオレフィンが関心のある性質に及ぼす影
響及び応用に依存している。一般に有意な効果を得るた
めには最低10部の結晶性ポリオレフィン(ポリアミド
100部に基づく)を使用できるが約10〜約95部の
量も使用できる。使用する結晶性ポリオレフィンの量
は、ブレンドのポリアミド性質を保持するために一定の
限界以下に維持すべきである。一般に、ブレンド中のポ
リアミド相の容積がブレンド中の結晶性ポリオレフィン
の容積よりも大きいならば、一定の限界を越えることは
ない。密なポリアミドに関して、限界は最も密度の低い
ポリオレフィン(ポリメチルペンテン)について約75
部位であろう。しかしながら最も密度の高いポリオレフ
ィン(高密度ポリエチレン)では最も低密度のポリアミ
ドを95部位用いることができる。
【0009】グラフトコポリマーのようなセグメントコ
ポリマー相容化剤の機能は、ポリオレフィンをポリアミ
ドと相容化することである。セグメントコポリマーなし
ではブレンドはチーズ状で低い強度を示す。ある場合に
は、コポリマー相容化剤はまた結晶性ポリオレフィンの
効率を増加させるかまたはポリオレフィンの有益な効果
に寄与することによってブレンドの性能を高める一助と
なる。
【0010】相容化ポリマーはポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリブチレン、ポリ(4−メチルペンテン)、
前記オレフィン相互のコポリマー及び前記オレフィンと
少量の1−アルケン、ビニルエステル、塩化ビニル、
(メタ)アクリル酸エステル及び(メタ)アクリル酸と
の一つ以上のコポリマーからなる群から選ばれる少なく
とも一つの第1セグメント;及び式 CH2=C(CH3)
COOR(式中、Rはアルキル、アリール、置換アルキ
ル、置換アリールまたはシクロアルキルである)を有す
るメタクリル酸エステルのモノマー少なくとも約80%
及び前記メタクリル酸エステルと共重合性のアクリルま
たはスチレンモノマー約20%未満から誘導されるポリ
マーであり、前記の第1セグメントと共有結合で結合し
ている少なくとも1つの第2セグメントからなるセグメ
ントコポリマーである。ナイロンと反応可能な基を含む
グラフトコポリマーが特に適当である。例えば、酸また
はその塩を含有するオレフィン(エチレン−メタクリル
酸コポリマー及びそれらの塩)にグラフト化させて形成
された酸基またはその塩の基またはメチルメタクリレー
トと酸(メタクリル酸、アクリル酸)、無水物(無水マ
レイン酸、無水イタコン酸)、エポキシド(グリシジル
メタクリレート)またはアミノ(メタクリル酸−t−ブ
チルアミノエチル、ジメチルアミノプロピルメタクリレ
ート)との混合物をグラフト化させることにより形成さ
れた酸基またはその塩の基である。
【0011】「セグメントコポリマー」という用語はグ
ラフトコポリマー及びブロックコポリマー両方を含むも
のを意味している。ポリオレフィンセグメントの分子量
は好ましくは約50,000〜約1,000,000のMWw
(重量平均分子量):ポリメタクリル酸エステルセグメ
ントの分子量は好ましくは約20,000〜約200,0
00MWw(重量平均分子量)である。ポリオレフィンセ
グメントのポリ(メタクリル酸エステル)セグメントに
対する割合は好ましくは約9:1〜約1.4である。
【0012】適当なグラフトコポリマーは米国特許第
4,957,974号に記載されている。好ましいのは、
幹がポリプロピレンのホモポリマーであり、グラフトが
少なくとも80%のメチルメタクリレートのポリマーで
あるグラフトコポリマーである。類似構造のブロックコ
ポリマーもまた用いることができる。
【0013】適当なグラフトコポリマーは米国特許第
4,957,974号に教示されているように製造可能で
ある。そこでは、少なくとも80%アルキルメタクリレ
ートを含むモノマー混合物をポリプロピレンのようなポ
リオレフィンの存在下で、溶媒またはスラリー処理中で
フリーラジカル開始剤を加え、ポリメタクリレートエス
テルの分子量を制御する特定のラジカルを還流させる条
件下で重合させている。適当なブロックコポリマーはイ
ソプレン及びメチルメタクリレートの逐次アニオン重合
により形成されるブロックコポリマーの水素添加のよう
な方法によって製造することができる。
【0014】ブレンド中に存在するセグメントコポリマ
ー相容化剤の量はポリアミド100部に対して約3〜約
35部の間で変化させることができる。
【0015】〔付加的な添加成分〕ほとんどのポリマー
ブレンドでは特に「エンジニアリングレジン」として使
用する場合商業的な成功を得るためにはさらに添加剤が
必要である。添加剤はブレンドの化学特性、例えば酸
化、熱、溶媒、光等に対する耐性を改善するために使用
される。もう1つの効用として操作を改善すること例え
ば流動性の改善、熱金属表面への接着性の克服、熱成型
の改善等がある。添加剤の3番目の効用としてブレンド
の物理的特性の改善、例えば熱歪みの改善、より高いモ
ジュラス、靭性等の改善がある。そのような添加剤はた
びたびポリアミドまたは結晶性ポリオレフィンとは別々
に用いられる。
【0016】他の成分の添加は多くのこれらの用途に有
利である。そのような添加剤には耐衝撃性改良剤、充填
剤、強化剤、抗酸化剤、熱安定剤、紫外線(UV)安定
剤、帯電防止剤、難燃剤、相乗剤、可塑剤、滑剤、離型
剤、及び着色剤がある。もちろん必要に応じて用いる添
加剤が異なるのでこれらの物質の添加は任意である。
【0017】種々の目的に使用される添加剤の量は所望
の結果によるが、一般にその使用濃度は所望により、抗
酸化剤、オゾン亀裂防止剤、紫外線安定剤、帯電防止
剤、着色剤、滑剤または加工助剤のうちの少なくとも一
つである添加剤、約5部までであり、そして所望によ
り、耐衝撃性改良剤、強化充填剤、非強化充填剤、難燃
剤または可塑剤のうちの少なくとも一つである添加剤、
約5〜約200部(phr)またはそれ以上である。耐衝
撃性改良剤は約80phr以上を必要とすることはほとん
どなく、通常、40phrを越えることはない。
【0018】本発明のセグメントポリオレフィン/ポリ
メタクリレート相容化剤は重合体添加剤、特にブレンド
のポリプロピレン成分の中の耐衝撃性改良剤の分散及び
分布の促進にも有用である。
【0019】耐衝撃性改良剤は、ブレンドの衝撃強度を
改善するために添加される。耐衝撃性改良剤はポリアミ
ド相、結晶性ポリオレフィン相、その両相またはその界
面で作用することができる。耐衝撃性改良剤の例として
は、MBSコア−シェル改質剤、すべてのアクリルコア
−シェル改質剤、ブタジエン−スチレンランダム及びブ
ロックコポリマー、酸改質ブタジエン−スチレンコポリ
マー、エチレン−プロピレン(EP)コポリマーゴム、
エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー、酸改質E
P、酸改質EPOM、ポリエチレン、塩素化ポリエチレ
ン、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、イオノマー及
びエチレン−酢酸ビニルコポリマーがある。もし耐衝撃
性改良剤の機能がポリアミド相を改質することであるな
ら、その耐衝撃性改良剤はコポリマー化したまたはグラ
フト化した酸または酸無水物の基を含むことが有利であ
る。
【0020】充填剤及び強化剤は上記のポリマーとたび
たび一緒に用いられそして好都合にもブレンド中へ混合
することができる。適当な充填剤及び強化剤の中に含ま
れるものとしては固体ガラスビーズ、炭酸カルシウム、
木粉、クレー、アルミナ、雲母、珪酸アルミニウム、カ
ーボンブラック、中空ガラス及びセラミック球、珪灰石
のような珪酸カルシウム、金属フレーク及びファイバ
ー、フロック、ガラスファイバー、ポリマーファイバー
並びにカーボンファイバーがある。
【0021】防炎性が重要な用途では難燃性の化合物を
添加することができる。適当な難燃剤及び相乗剤にはリ
ン酸エステル、デカブロモジフェニルオキシドのような
芳香族臭化物、三酸化アンチモン、水素化アルミナ、ポ
リリン酸アンモニウム、三酸化モリブデン、塩素化アル
カン及びシクロアルカン、並びに硼酸亜鉛がある。
【0022】発泡剤もまたこれらのブレンド中、特に軽
量、強度または絶縁性の重要な用途において好都合に使
用される。適当な発泡剤には窒素及び二酸化炭素のよう
なガス、並びにアゾジカーボンアミド、アゾイソブチロ
ニトリル、ヒドラゾ化合物及びニトロソ基を含む化合物
のような化学発泡剤がある。
【0023】安定剤は高温で処理するときに、高められ
た温度で伸長使用するとき、または光に暴すなどのいず
れかの場合にポリマーを安定化させるためにしばしば必
要である。ラジカルを補獲して連鎖の劣化機作を停止さ
せるヒンダードフェノール及び2級芳香族アミンのよう
な抗酸化剤が使用される。硫黄または燐を含む化合物
は、存在する過酸化物を分解することにより安定化する
のに使用される。チオエステル及びリン酸塩は代表的な
例である。鉛−、カドミウム−及びスズをベースとする
化合物はPVC安定に重要である。ベンゾフェノン、ベ
ンゾトリアゾール及びヒンダードアミンは光誘引性分解
を防ぐのに重要である。フタル酸エステル、アジピン酸
エステル、グルタル酸エステル、アゼライン酸エステ
ル、リン酸エステル、トリメリト酸エステル及びセバシ
ン酸エステルのような可塑剤は柔軟性の改良が必要な場
合の重要な添加剤である。添加剤は溶融ポリマーが金属
表面に粘着せずよく流動することを確実にするために処
理中も重要である。これらの滑剤あるいは離型剤はたい
てい脂肪酸もしくはそれらのエステル、アミドまたは金
属塩である。パラフィン、シリコン及びフルオロカーボ
ンポリマー滑剤もたびたび使用される。
【0024】特定の部分を着色しなければならないと
き、追加の添加剤により内部着色することができる。カ
ーボンブラック、アゾ染料及びアントラキノンのような
染料、無機顔料並びに有機顔料が使用される。
【0025】ブレンドはさらに1またはそれ以上の付加
的な極性ポリマーを含むことができる。その例として
は、ポリアミド/ABS/ポリプロピレン、ポリアミド
/ポリグルタルイミド/ポリプロピレン、ポリアミド/
ポリフェニレンオキシド/ポリエチレン等がある。
【0026】〔応用及び使用〕 感水性 ポリアミドの欠点の一つは水分を素早くそしてかなりの
程度まで吸収することである。水分はポリアミドを可塑
化しそして湿分含量に大きく依存する特性を導く。その
結果、成形(乾燥)したナイロンの特性は水蒸気を含む
雰囲気に暴されたナイロンで測定されたものと大変異な
る。この可塑化の効果は衝撃強度を増すがモジュラス、
強度及びDTUFLを減少させる。
【0027】水分による可塑化はまた寸法不安定性を導
く。すなわち、ナイロンが水分を吸収するにつれて膨潤
するからである。複合部分の形状においてこの膨潤は均
一ではないので形状の歪みを生じる。
【0028】結晶性ポリオレフィン及びセグメントコポ
リマーの添加は水分の吸収を減少させポリアミドの寸法
安定性を増加させる。結晶性ポリオレフィン最低10部
で多少の効果は得られるが寸法安定性をもっと増大させ
たい場合には30部かそれ以上必要である。ポリオレフ
ィン及びポリアミドにより最高75〜95部の量を使用
することができる。これを越える量を加えるとブレンド
中のポリアミドの性質を破壊し好ましいポリアミドの特
性を失う結果となる。
【0029】これらの処方物中のセグメントコポリマー
相容化剤の目的はブレンドを相容化することである。す
なわち、ポリアミドと結晶性ポリオレフィン相との間に
十分な接着性を与え離層を最小にすることである。場合
によっては、それはまた水分吸収に対する耐性に寄与す
る。一般に約5〜約20phrのセグメントコポリマーで
付加的な接着性を得るには十分であるが、より多量で用
いてもしばしば有益である。
【0030】付加的な添加剤のあるものは水分による可
塑化を減少させるのに役立つ。特に記載されるべきもの
としてガラスのような繊維状強化剤並びにタルク及び炭
酸カルシウムのような充填剤がある。
【0031】上記の付加的な添加剤もまた安定性の増
加、着色、衝撃強度またはそれらが与えるその他のいず
れかの利点のために含有させることができる。
【0032】水分吸収の減少による利点をもたらすポリ
アミドのいくつかの用途がある。これらには、エンジン
ルーム機器及び自動車の外装品、例えばルーフラック、
ミラーのブラケット及びウォーターポンプハウジング、
電気器具の部品及び電動工具の部品並びにハウジングが
含まれる。
【0033】極性有機化学薬品に対する耐性 化学薬品はプラスチックに様々の影響を与えることがで
きる。これらの範囲はわずかな重量増加のように穏やか
なものからさらに激しいもの(変色、表面の曇り)、最
も激しいもの(歪み、点食または溶解もしくは化学反
応)にわたる。影響はポリマーの型、溶媒並びにさらさ
れる時間と温度に依存している。
【0034】ポリアミドの耐薬品性は一般に良好であ
る。注目すべきことは脂肪族炭化水素及び比較的非極性
の化学薬品に対する耐性である。しかしながら、特定の
極性有機化学薬品並びに酸及び塩の水性溶液に対する耐
薬品性が良好ではない。その例として、酢酸、無機酸
(硫酸、硝酸、リン酸及び塩酸)、有機酸(酢酸、乳
酸、マレイン酸、安息香酸)、酸性塩(アルミニウム、
銅、鉄(III)、スズ(IV)及び亜鉛の塩化物及び硫化物)メ
タノール及びフェノールがある。
【0035】結晶性ポリオレフィンはポリアミドのこれ
らの化学薬品の影響を阻止するのに効果的である。特に
効果的なのは高結晶性のものである。効果に必要とされ
る量はその用途または条件に依存している。わずかな効
果しか必要としない穏やかな条件では最低25部で効果
的である。さらに激しい条件では最高75〜95部(極
性ポリマーによる)必要なことがある。
【0036】セグメントコポリマー相容化剤のいくつか
は耐薬品性に対して少しは寄与するかもしれないが、そ
れらの主な機能は極性ポリマー及びポリプロピレンを相
容化することである。必要量はポリプロピレンの基準で
約5〜約35phrである。
【0037】この効果が所望される用途には電気器具の
部品、電動工具の部品及びハウジングがある。
【0038】〔電気的特性〕ナイロンはかなり良好な電
気的特性を有しており一般の目的の電気的用途に用いら
れる。しかしながらナイロンは高周波の用途へ用いるこ
とはできない。さらに水分吸収への感受性は電気的用途
におけるポリアミドの有用性を減少させる。これは電気
的特性の多くが水分吸収により減少するからである。
【0039】電気的特性を改善するために結晶性ポリオ
レフィンをポリアミドと好都合にブレンドすることがで
きる。これは成形された電気的特性の改善ばかりでな
く、水の依存性を減少させたことにもよる。特に適当な
ものはポリメチルペンテンであるが、すべての結晶性ポ
リオレフィンは有益な効果を有する。ポリアミドの電気
的性能を十分に改善するには25〜95部の結晶性ポリ
オレフィンが必要である。
【0040】グラフトコポリマー相容化剤はポリアミド
/ポリオレフィンブレンドの電気的用途において強度を
増加させるためばかりでなく非相容性ポリマーの界面で
生じる欠陥を除去するためにも重要である。これらの欠
陥はまた電気的性能が劣悪であることの原因でもある。
ポリアミド100部に対してグラフトコポリマー相容化
剤5〜25部が必要である。
【0041】これらの処方物はポリアミドが許容できな
いような高周波、低損失用途のいくつかを含む広く様々
の用途に有用である。利用できるものとしてはプラグ、
電気スイッチの部品、ワイヤー絶縁のための外部被膜及
びコイル成型品がある。
【0042】
【実施例】表1に各表及び実施例中に使用したポリマー
を挙げる。
【表1】
【0043】〔実施例1〕この実施例は他の方法では相
容性に乏しいポリアミド6,6(Zytel 101)及びポリプ
ロピレン(Pro-fax6523)のための相容化剤として本発
明の特定のセグメントコポリマーの効果を示している。
表2は相容化剤が存在するブレンドポリマーの引っ張り
強度の改善されたことを示しておりそしてこれは本発明
のグラフトポリマーの存在下ではブレンドポリマーの相
容性はお互いに増加することを示している。より高い引
っ張り強度は有用な市販製品に加工されるときにブレン
ドの実用性が改善されることを示している。
【0044】ブレンドはスクリューの長さと直径の比が
10:1である二軸スクリュー押出機を200rpmでか
らみあわせ、共に回転させながら配合して調製し、種々
のブレンドが各組成に合うように、そして加工可能な溶
融物が得られるように温度を調節した。溶融物を長さと
直径が8:1で38mmの一軸スクリューペレット成型押
し出し機に直接送り込んだ。それから材料片を引っ張り
強度測定用の試料に射出成型した。相容化剤は米国特許
第4,957,974号の実施例52に記載されているよ
うにポリプロピレン(mfr=4)上のメチルメタクリレ
ート/エチルアクリレート(95/5)コポリマーのグ
ラフトコポリマーで、そして約45%のポリプロピレン
を含有する。
【0045】
【表2】
【0046】〔実施例2〕本実施例は実施例1で使用さ
れたものと同じセグメントコポリマーを用いたポリアミ
ド6,6及びポリエチレン(HMN 5060)の相容化を例示
している。操作条件は実施例1で用いたのと同じであ
る。表3は相容化剤の存在するブレンドポリマーの引っ
張り強度の改善を示しておりそしてこれは、本発明のグ
ラフトコポリマーの存在下でブレンドポリマーの相容性
が互いに増加することを示している。
【0047】
【表3】
【0048】〔実施例3〕本実施例もまたポリアミド6
(Capron 8253)及びポリプロピレン(Pro-fax 6523)
が本発明のセグメントコポリマーによって相容化される
ことを示している。表4の結果はセグメントコポリマー
を添加すると引っ張り強度が増加することを示してい
る。
【0049】
【表4】
【0050】〔実施例4〕さらにポリアミドと結晶性ポ
リオレフィンの相容化のデータを表5に示した。約50
%ポリプロピレン及び50%アクリレートポリマー(9
5MMA/5EA)からなるポリオレフィン/アクリル
グラフトコポリマーを米国特許第4,957,974号の
実施例52に記載と類似の方法で調製した。このグラフ
トコポリマー相容化剤を25mm単軸スクリューKill
ion押し出し成型機中でナイロン6(Allied Capron
8202)及びポリプロピレン(Himont Pro-fax 6723)と
ブレンドした。真空弁付き高性能二段階スクリューを1
00rpmで使用した。設定温度は240〜255℃であ
った。ペレット化した材料を乾燥しそしてASTMクラ
スター型へ射出成形した。引っ張り試験の結果(表5)
は、相容化剤は引っ張り強度だけでなくモジュラスもま
た増加させることを示している。
【0051】
【表5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ノエル・グレイ・ハーベー アメリカ合衆国ペンシルベニア州19454. ノースウエールズ.ハイランドアべニユー 120

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a) 100部のポリアミド; b) 約10〜約95phr(ポリアミド100部当たり
    の部)のポリオレフィン; c) 約3〜約35部の相容化ポリマー;前記相容化ポ
    リマーがポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレ
    ン、ポリ(4−メチルペンテン)、前記オレフィン相互
    のコポリマー及び前記オレフィンと少量の1−アルケ
    ン、ビニルエステル、塩化ビニル、(メタ)アクリル酸
    エステル及び(メタ)アクリル酸との一つ以上のコポリ
    マーからなるポリオレフィンの群から選ばれる少なくと
    も一つの第1セグメント;並びに式CH2=C(CH3)C
    OOR(式中、Rはアルキル、アリール、置換アルキ
    ル、置換アリールまたはシクロアルキルである)を有す
    るメタクリル酸エステルのモノマー少なくとも約80%
    及び前記メタクリル酸エステルと共重合可能なアクリル
    またはスチレンモノマー約20%未満から誘導されるポ
    リマーであり、前記の第1セグメントと共有結合で結合
    している少なくとも1つの第2セグメントからなるセグ
    メントコポリマーである; d) 場合により約5部までの添加剤;前記添加剤は抗
    酸化剤、オゾン亀裂防止剤、紫外線防止剤、帯電防止
    剤、着色剤、滑剤または加工助剤のうちの一つである; e) 場合により約5部〜約200部までの添加剤;前
    記添加剤は耐衝撃性改良剤、強化充填剤、非強化充填
    剤、難燃剤または可塑剤のうちの少なくとも一つであ
    る;からなるブレンド。
  2. 【請求項2】 ポリアミドが脂肪族ポリアミドであり、
    ポリオレフィンがポリプロピレンまたはポリエチレンで
    あり、そして相容化ポリマーがポリプロピレン上へのメ
    チルメタクリレートのグラフトコポリマーである請求項
    1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 ポリアミドがナイロン6であり、そして
    耐衝撃性改良剤が酸または無水酸の基を有する請求項2
    記載の組成物。
  4. 【請求項4】 ポリオレフィンセグメントが約50,0
    00〜約1,000,000の平均分子量を有する請求項
    1記載の組成物。
  5. 【請求項5】 第2のセグメントが約20,000〜約
    200,000の平均分子量を有する請求項1の組成
    物。
  6. 【請求項6】 前記ブレンドが押し出し組成物である請
    求項1によるブレンド。
  7. 【請求項7】 前記ブレンドが熱成形組成物である請求
    項1によるブレンド。
  8. 【請求項8】 前記ブレンドが射出成型または吹込成形
    組成物である請求項1によるブレンド。
JP28524891A 1991-10-31 1991-10-31 結晶性ポリオレフイン及びグラフトコポリマーによるポリアミドの改良 Withdrawn JPH05117523A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1117123C (zh) * 2000-03-30 2003-08-06 上海杰事杰新材料股份有限公司 一种燃油箱材料
JP2018520250A (ja) * 2015-07-17 2018-07-26 ピーピージー・インダストリーズ・オハイオ・インコーポレイテッドPPG Industries Ohio,Inc. 成型ポリマー物品を調製するための組成物

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