JPH05117508A - 紫外線遮蔽性能を有するポリエステル組成物、該ポリエステル組成物の製造方法および繊維 - Google Patents

紫外線遮蔽性能を有するポリエステル組成物、該ポリエステル組成物の製造方法および繊維

Info

Publication number
JPH05117508A
JPH05117508A JP30977991A JP30977991A JPH05117508A JP H05117508 A JPH05117508 A JP H05117508A JP 30977991 A JP30977991 A JP 30977991A JP 30977991 A JP30977991 A JP 30977991A JP H05117508 A JPH05117508 A JP H05117508A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester
polyester composition
glycol
esterification
added
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30977991A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadayoshi Koizumi
忠由 古泉
Hisashi Nagi
比佐志 凪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP30977991A priority Critical patent/JPH05117508A/ja
Publication of JPH05117508A publication Critical patent/JPH05117508A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた紫外線遮蔽効果を有する組成物および
該組成物からなる繊維を提供することである。 【構成】 平均粒子径が0.5μmの酸化アルミニウム
と酸化セリウムを各々2.0重量%、1.0重量%およ
びフェニルフォスファイト系抗酸化剤を1000ppm
含有したポリエステル組成物を溶融紡糸して繊維化す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紫外線遮蔽性に優れた
ポリエステル組成物および該ポリエステル組成物からな
る繊維に関するもので、例えば、ブラウス、サマースー
ツ、スポーツ衣料、カーテン、日傘、帆布、自動車カバ
ー等の衣料・産業資材に好適に使用される繊維に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、波長380nm以下の光をほぼ完
全に吸収し実質的に紫外線を遮蔽する樹脂組成物が知ら
れており、フィルムやボトル等に成形されて、写真等の
退色防止や食品、薬品、液晶等の変質防止あるいは窓ガ
ラス等に使用されている。紫外線を吸収したり遮蔽する
能力を付与する添加剤としては、従来、有機系の紫外線
吸収剤、有機染顔料、さらには酸化亜鉛、二酸化チタ
ン、タルク、カオリン、炭酸ソーダ等の無機粒子が知ら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の有機系の紫外線
吸収剤の中には優れた紫外線吸収能を有し、融点が高い
ものがあるので、高融点の熱可塑性樹脂へ溶融混練し成
形に供することが可能であるが、全般的に可視光線を良
く吸収するため、混練樹脂に着色が目立ち、これらを用
いるのは高濃度着色が許される場合に限られ、白度の要
求される樹脂成形物には好適でないとか、その物または
分解生成物が皮膚障害をもたらす危険性があるので注意
を要するという欠点があった。この点は、白色系の無機
微粒子を用いることによって解決可能であるが、従来の
無機微粒子は、ポリエステル中に均一に分散させること
が困難であり、ポリエステル重合時の粒子の凝集あるい
は紡糸性が不調となったり、微粒子が紫外線吸収能が弱
いために繊維の脆化等が起こり、繊維品質が不満足とな
りやすい。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の2種の無機微
粒子および抗酸化剤を特定の割合でポリエステル中に含
有させることによって本発明に到達した。すなわち本発
明は、平均粒子径が0.1〜3μmの酸化アルミニウム
(A)および酸化セリウム(B)がA/B=30/1〜
1/1の重量割合で合計1〜10重量%含有され、且
つ、抗酸化剤が500〜5000ppm含有されている
ことを特徴とするポリエステル組成物、該組成物を少な
くとも一成分とする繊維であり、必要に応じて、さらに
紫外線吸収剤が1000〜10000ppmの割合で含
有されているポリエステル組成物(繊維)である。ま
た、本発明は、ジカルボン酸成分とグリコール成分とか
らポリエステルを製造するに際し、グリコール中に分散
させた平均粒子径が0.1〜3μmの酸化アルミニウム
および酸化セリウムを、エステル反応後で重縮合反応前
の段階で添加し、抗酸化剤をエステル化前の原料仕込み
時、あるいはエステル化後で重縮合開始前までの間に添
加することを特徴とするポリエステル組成物の製造方法
である。
【0005】本発明においては、ポリエステル組成物中
に酸化アルミニウム(以下、単にA成分と略称すること
がある。)と酸化セリウムCe0↓2(以下、単にB成
分と略称することがある。)の両者が共存していなけれ
ばならず、どちらが一方欠けても優れた紫外線遮蔽効果
を達成することはできない。紫外線遮蔽効果を有する成
分となる酸化アルミニウム、酸化セリウムの平均粒子径
は0.1〜3μmでなければならず、好ましくは0.3
〜1μmである。粒子径が0.1μm未満では重合時の
熱凝集により、例えば、重合後繊維化するまでの工程で
フィルター詰まりを起こしやすくなる。一方、粒子径が
3μmを越えてもフィルター詰まりを起こしやすくな
り、断糸などの紡糸不調となりやすい。仮に紡糸性が良
い場合でも延伸工程においてローラー巻き付き、毛羽発
生などの原因となることが多い。なお、本発明における
平均粒子径は、遠心沈降法によって求められるメジアン
径である。また、本発明において、A成分とB成分はA
/Bの重量比が30/1〜1/1でなければならず、ま
た、この両者が合計で1〜10重量%含有されていなけ
ればならない。該重量比が30/1を越えると紫外線遮
蔽効果に劣り、1/1未満でも本発明の目的を十分に達
成できない。好ましくはA/B=15/1〜3/2であ
る。両者の合計の含有量が1重量%未満であると目標と
する紫外線遮蔽効果が得られない。一方、10重量%を
越えると紡糸時に粘度低下が著しくなり紡糸が実質的に
不可能となる。特に本発明においてはB成分がポリエス
テル中に1〜2%程度含有されてれば極めて良好な紫外
線遮蔽効果が達成できるので、A、B成分の合計含有量
として10重量%のように高率で添加する場合は、B成
分は高々1〜2重量%にとどめ、A成分の比率を高くし
ておかないとコストの面で実用性が低いものとなる。
【0006】また、本発明のポリエステル組成物は、5
00〜5000ppmの抗酸化剤を含有しており、これ
を含有することによりポリエステルの酸化防止あるいは
安定化を図ることができる。含有量が500ppm未満
では、ポリマーの色を悪化させたり、繊維化後の耐光性
不良、繊維物性の低下などを招きやすい。一方、500
0ppmを越えるとポリマーの変色をきたすほかコスト
高になるので好ましくない。本発明において使用できる
抗酸化剤としてはフェノール系、フェニルフォスファイ
ト系、アミン系、硫黄系等があるが抗酸化剤の耐熱性お
よび白色や鮮明色の繊維の製造を考慮すると分子量が5
00以上のフェノール系またはフェニルフォスファイト
系抗酸化剤を用いることが好ましい。ここで使用される
分子量500以上のフェノール化合物およびフェニルフ
ォスファイト系化合物としては、1,1,3−トリス
(2−メチル−4−ジトリデシルホスファイト−5−t
−ブチルフェニル)ブタン(三洋化成工業(株)製、抗
酸化剤F)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒ
ドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン(ICI社
製、Topanol CA)、1,3,5−トリメチル
−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシベンシル)ベンゼン(シェル化学社製、Io
nox 330)、テトラキス−〔メチレン−3−
(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート〕メタン(日本チバガイギー社製、
Irganox 1010)、ビス−〔3,3′−ビス
−(4′ヒドロキシ−3′−t−ブチルフェニル)ブチ
リックアシッド〕グリコールエステル(ヘキスト社製、
Antioxidant Hoechst TMO
Z)、トリフェニルフォスファイト(住友化学社製、ス
ミライザーTPP)、ジフェニルイソデシルフォスファ
イト(三光化学社製、DPDP)、フェニルジイソデシ
ルフォスファイト(堺化学社製、Chelex−D)、
4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブ
チルフェニル−ジ−トリデシル)フォスファイト(旭電
化社製、マーク260)、トリス(ノニルフェニル)フ
ォスファイト(住友化学社製、スミライザーTNP)等
の化合物をあげることができる。
【0007】本発明におけるポリエステルは、繊維形成
性のポリエステルであれば特に限定されないが、ポリエ
チレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレー
トを主成分とするポリエステルであり、テレフタル酸、
イソフタル酸、ナフタリン−2,6−ジカルボン酸、フ
タル酸、α,β−(4−カルボフェノキシ)エタン、
4,4′−ジカルボキシジフェニル−5−ナトリウムス
ルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン
酸、セバチン酸などの脂肪族ジカルボン酸またはこれら
のエステル類と、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ポリエ
チレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなど
のジオール化合物とから合成されるものであり、その構
成単位の80モル%以上が、特には、90モル%以上が
エチレンテレフタレート単位またはブチレンテレフタレ
ート単位であるポリエステルが好ましく、なおかつ融点
が200℃以上であることが好ましい。融点が低いもの
は耐熱性が不十分である等の理由により衣料用などの繊
維素材としての用途がやや限定される。また、ポリエス
テル中には少量の添加剤、例えば、難燃剤、抗菌剤、消
臭剤、蛍光増白剤、安定剤などを含んでいても良い。
【0008】このような本発明のポリエステル組成物は
繊維のほかフイルム状物などの成形物に成形することが
可能であるが、該組成物を一成分とする本発明の繊維
は、上記のポリエステルを有効量(少なくとも50重量
%以上)含有していれば製造方法自体は特に限定され
ず、従来公知の繊維化技術を採用することが可能であ
る。紡糸時に使用される口金は丸型の外、楕円、3〜6
角等の多角断面、3〜14葉等の多葉断面、T字型、U
字型、Y字型、W字型、十字型、ドックボーン型、中空
など各種の孔形を有する口金が使用できる。また、芯鞘
型、サイドバイサイド型、多層貼合型、海島型等の各種
の複合形態を取ることが可能である。特に、繊維断面に
関しては、偏平の多葉断面が隠蔽性に優れているので好
ましい。
【0009】次に、本発明のポリエステル組成物は、上
記したジカルボン酸成分とグリコール成分とからポリエ
ステルを製造するに際し、グリコール中に分散させた平
均粒子径が0.1〜3μmのA成分およびB成分を、エ
ステル反応後で重縮合反応前の段階で添加し、抗酸化剤
を、エステル化前の原料仕込み時あるいはエステル化後
で重縮合開始前までの間に添加する事によって製造する
ことができる。A、B成分をグリコールに分散させるの
は、各成分の組成物または繊維中への分散性を高めるた
めである。A、B成分は、エステル化反応前に添加する
と微粒子の凝集が生じ、また、重縮合後に添加するとポ
リマーの解重合が生じるので好ましくない。グリコール
中での各成分の濃度は20〜50%であることが望まし
い。分散には、振動ミル、パールミル等を用い、1〜5
時間程度分散させることが好ましい。分散が不十分であ
ると凝集物が生じやすく繊維化時のフィルター詰まりや
繊維中での分散不良の原因となる。
【0010】本発明のポリエステル組成物は、本発明の
効果を損なわない範囲で紫外線吸収剤を含有していても
よく、重縮合反応完了後にポリエステルに対し1000
〜10000ppm添加することが好ましい。紫外線吸
収剤は、ポリエステル重合時に使用したグリコール成分
と同じ種類のグリコール中に溶解して添加することが好
ましく、その際、なるべく少量のグリコール中に溶解さ
せて添加することが好ましい。添加量が1000ppm
未満では紫外線吸収効果が十分でなく、10000pp
mを越えるとポリマーの変色等を生じることがある。ま
た、紫外線吸収剤を重縮合開始前に添加した場合は、該
吸収剤が熱分解したり、揮発してしまうので好ましくな
い。使用される紫外線吸収剤は特に限定されないが、熱
安定性、紫外線吸収性能を考慮すると、2−(2′−ヒ
ドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−ブチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−
3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ
ール等のベンゾトリアゾール系化合物や2,4−ジヒド
ロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ
ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベン
ゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベ
ンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物の紫外線吸収
剤を使用することが好ましい。
【0011】この様にして得られた本発明のポリエステ
ル組成物は極めて優れた紫外線遮蔽効果を有するため繊
維製品としたり、フイルム状物に成形することが可能で
あり、とくに、繊維化して日焼け防止の衣料等に好適に
利用できる。繊維は、その使用目的によってフィラメン
トとしたりステープルとすることができるが、隠蔽性と
いう点からはステープルであることが好ましい。また、
単繊維繊度も1デニール以下の細ものから数100デニ
ールのものまで所望の繊度とすることが可能である。そ
してこのような繊維から製造される織編物、不織布等の
布帛は極めて優れた紫外線遮蔽性能を有するものである
ので、例えば、ブラウス、シャツ、ワンピース、サマー
スーツ、サマーセーター、トーブ、スポーツ衣料(テニ
スウエアー、キャディーウエアー、ゴルフウエアー、ス
キーウエアー等)、ヤッケ、ヴェール、下着、冬用肌
着、作業服等の衣類、帽子、日傘、ピーチパラソル、手
袋、うで抜き、ストッキング、日よけ用タオル等のファ
ッション小物、カーテン、レース、障子紙、ブラインド
用スラット、暗幕等のインテリア用品、テント地、スク
リーン、自動車カバー、帆布、寒冷沙、工事用シート、
農園芸用遮熱ネット、各種機器保護カバー等の資材など
種々の用途に応用できるものである。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが本発明は何等これらに限定されるものではない。
尚、紫外線遮蔽性、耐光性の評価方法は以下の通りであ
る。紫外線遮蔽性:光源として紫外線ランプ(400W
高圧メタルハライドランプ:フナコシ社製ELC400
0)を使用し、波長260〜390nm領域の紫外線を
次の手順で紫外線センサー SUV−T (東レテクノ
社製−以下UVセンサーと略称)を使用し15分間積算
測定し算出する(光源とUVセンサーの距離40c
m)。まづ、UVセンサー上にサンプルを乗せない状態
で紫外線量を測定(UV1)し、次いでUVセンサー上
にサンプルをのせサンプルを透過する紫外線量を測定す
る(UV2)。紫外線透過率(UVT)は(UV2/U
V1)×100(%)であり、この値が低ければ低いほ
ど紫外線遮蔽性に優れる。耐光性:島津フェードテスタ
ーCF−202型(島津製作所製)を用いてJIS L
0842に準拠し評価した。主要条件は、適宜引伸ばし
て平坦とされた原綿のサンプルを83±3℃×200時
間の条件下にて照射し、照射後の強力保持率、伸度保持
率を求め、強力、伸度共に70%以上の保持率を示すも
のを良好とし、いずれか一方でも70%に満たないもの
は不良とした。
【0013】実施例1 テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコー
ル60重量部、三酸化アンチモン0.04重量部、フェ
ノール系抗酸化剤(三洋化成社製、抗酸化剤F)0.1
重量部をエステル交換反応槽へ仕込み160℃から24
0℃まで徐々に昇温しながらエステル化反応を行いエス
テル化反応終了後に平均粒径0.5μmの酸化セリウム
および酸化アルミニウムを各々1重量部、2重量部、エ
チレングリコールに分散させて濃度30%として添加し
た。次に、エステル化反応生成物を重縮合反応槽に移送
し、常圧から1mmHg以下まで1時間かけて徐々に減
圧し、同時に280℃まで昇温して280℃、1mmH
g以下の所定の重合度まで重縮合した後、N↓2で真空
破壊し、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(BASF社
製、UVA635L)0.1重量部をエチレングリコー
ルに分散させて添加し、15分間攪拌し、2kg/cm
↑2に加圧し、チップ造粒を行った。該チップを285
℃の紡糸温度条件で溶解押出し後、1000m/分の引
取り速度で引取り、集束して、120万デニールのトウ
となし、浴温94℃、延伸倍率3.2倍の条件で延伸
し、130℃で熱処理、切断し、2デニール×51mm
の原綿を得た。 繊維中の酸化アルミナ、酸化セリウム
の分散性を光学顕微鏡で観察した結果、凝集粒子が少な
く、極めて均一に分散していた。次いで、該原綿を用い
てカードウェブとなし、ニードルパンチを施し目付40
g/m↑2、厚み1mmの不織布を作成し、その紫外線
透過率について測定した。その結果を表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】実施例2 酸化アルミニウムの添加量を3重量部、紫外線吸収剤の
添加量を0.05重量部とすること以外は実施例1と同
様にして繊維化を行い、実施例1と同様にして不織布を
作成し、その紫外線遮蔽効果を調べた(表1参照)。
【0016】比較例1 抗酸化剤および紫外線吸収剤を添加しないこと以外は実
施例2と同様にして繊維化を行った。この結果、重合に
よりできたチップの色相は悪く、繊維の耐光性は極めて
悪く実用性のある繊維は得られなかった。
【0017】比較例2 実施例2と同じ条件で重合を行うにあたり、酸化セリウ
ムおよび酸化アルミニウムを抗酸化剤と共に仕込時に添
加した結果、エステル化槽から重合槽への中間フィルタ
ーに詰まりが認められ分散性が極めて不良であった。
【0018】比較例3 抗酸化剤を1.0重量部添加すること以外は実施例2と
同様にして重合、繊維化をおこなった。この結果、繊維
の色が黄味をおび顕著に耐光性の悪いものとなった。
【0019】比較例4 酸化セリウム、酸化アルミニウム、抗酸化剤および紫外
線吸収剤を全く含まないレギュラーのポリエステル短繊
維(2デニール×51mm)を用いて実施例2と同様に
して不織布を作成し、紫外線効果を評価した結果、紫外
線透過率は50%と極めて性能が悪いものであった。
【0020】
【発明の効果】以上のごとく、本発明のポリエステル繊
維は紫外線透過率が7%以下であり、優れた紫外線遮蔽
効果を示し、かつ耐光性に優れているので、衣料分野、
産資分野など広い範囲に適用が可能である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒子径が0.1〜3μmの酸化アル
    ミニウム(A)および酸化セリウム(B)がA/B=3
    0/1〜1/1の重量割合で合計1〜10重量%含有さ
    れ、且つ、抗酸化剤が500〜5000ppm含有され
    ていることを特徴とするポリエステル組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のポリエステルに対し紫
    外線吸収剤が1000〜10000ppmの割合で含有
    されていることを特徴とするポリエステル組成物。
  3. 【請求項3】 ジカルボン酸成分とグリコール成分とか
    らポリエステルを製造するに際し、該グリコール中に分
    散させた平均粒子径が0.1〜3μmの酸化アルミニウ
    ムおよび酸化セリウムを、エステル化後で重縮合反応前
    の段階で添加し、抗酸化剤をエステル化前の原料仕込み
    時、あるいはエステル化後で重縮合開始前までの間に添
    加することを特徴とするポリエステル組成物の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のポリエステル組成物を
    少なくとも一成分として含む繊維。
JP30977991A 1991-10-28 1991-10-28 紫外線遮蔽性能を有するポリエステル組成物、該ポリエステル組成物の製造方法および繊維 Pending JPH05117508A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30977991A JPH05117508A (ja) 1991-10-28 1991-10-28 紫外線遮蔽性能を有するポリエステル組成物、該ポリエステル組成物の製造方法および繊維

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30977991A JPH05117508A (ja) 1991-10-28 1991-10-28 紫外線遮蔽性能を有するポリエステル組成物、該ポリエステル組成物の製造方法および繊維

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05117508A true JPH05117508A (ja) 1993-05-14

Family

ID=17997151

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30977991A Pending JPH05117508A (ja) 1991-10-28 1991-10-28 紫外線遮蔽性能を有するポリエステル組成物、該ポリエステル組成物の製造方法および繊維

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05117508A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008102822A1 (ja) 2007-02-20 2008-08-28 Fujifilm Corporation 紫外線吸収剤を含む高分子材料
WO2008123504A1 (ja) 2007-03-30 2008-10-16 Fujifilm Corporation 紫外線吸収剤組成物
WO2009022736A1 (ja) 2007-08-16 2009-02-19 Fujifilm Corporation ヘテロ環化合物、紫外線吸収剤及びこれを含む組成物
WO2009123141A1 (ja) 2008-03-31 2009-10-08 富士フイルム株式会社 紫外線吸収剤組成物
WO2009123142A1 (ja) 2008-03-31 2009-10-08 富士フイルム株式会社 紫外線吸収剤組成物
WO2009136624A1 (ja) 2008-05-09 2009-11-12 富士フイルム株式会社 紫外線吸収剤組成物
JP2014523960A (ja) * 2011-07-29 2014-09-18 シャンハイ ザイホーア インダストリアル インベストメント カンパニー リミテッド 新型生物分解性マスターバッチとその調製方法
CN113265720A (zh) * 2021-05-17 2021-08-17 福建师范大学泉港石化研究院 一种具有抗紫外性能的涤纶纤维及其制备方法
JP2021127447A (ja) * 2020-02-14 2021-09-02 東レ株式会社 ポリエステル樹脂組成物及びその製造方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008102822A1 (ja) 2007-02-20 2008-08-28 Fujifilm Corporation 紫外線吸収剤を含む高分子材料
WO2008123504A1 (ja) 2007-03-30 2008-10-16 Fujifilm Corporation 紫外線吸収剤組成物
WO2009022736A1 (ja) 2007-08-16 2009-02-19 Fujifilm Corporation ヘテロ環化合物、紫外線吸収剤及びこれを含む組成物
WO2009123141A1 (ja) 2008-03-31 2009-10-08 富士フイルム株式会社 紫外線吸収剤組成物
WO2009123142A1 (ja) 2008-03-31 2009-10-08 富士フイルム株式会社 紫外線吸収剤組成物
WO2009136624A1 (ja) 2008-05-09 2009-11-12 富士フイルム株式会社 紫外線吸収剤組成物
JP2014523960A (ja) * 2011-07-29 2014-09-18 シャンハイ ザイホーア インダストリアル インベストメント カンパニー リミテッド 新型生物分解性マスターバッチとその調製方法
JP2021127447A (ja) * 2020-02-14 2021-09-02 東レ株式会社 ポリエステル樹脂組成物及びその製造方法
CN113265720A (zh) * 2021-05-17 2021-08-17 福建师范大学泉港石化研究院 一种具有抗紫外性能的涤纶纤维及其制备方法
WO2022242168A1 (zh) * 2021-05-17 2022-11-24 福建师范大学泉港石化研究院 一种具有抗紫外性能的涤纶纤维及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DE69025361T2 (de) Temperaturempfindliche farbwechselnde Verbundfaser
DE69932090T3 (de) Polyesterharz-zusammensetzung und fasern
EP2144950A1 (de) Halogenfreie flammschutzmittel
US20080233395A1 (en) Flame Retardant Artificial Polyester Hair
US3594448A (en) Filament comprising a polymer blend of polyester and polyamide containing a sterically hindered phenolic compound
JPH05117508A (ja) 紫外線遮蔽性能を有するポリエステル組成物、該ポリエステル組成物の製造方法および繊維
KR101028577B1 (ko) 원착사를 포함하는 스크린용 원단
CA2138465C (en) High-tenacity, low flammability polyester yarn, production thereof and use thereof
JP2003027337A (ja) 蓄熱保温性複合繊維
JP5297331B2 (ja) 芯鞘型複合繊維
JPH05331754A (ja) 吸発熱性複合繊維不織布
JP5122236B2 (ja) 遠赤外線放射繊維およびこれからなる布帛ならびにその製造方法
JPH01272820A (ja) ポリエステル繊維およびその製造方法
JP4704197B2 (ja) ポリエステル繊維
JP3053248B2 (ja) 紫外線遮蔽性能を有するポリエステル組成物、該ポリエステル組成物の製造方法および繊維
JP2012136810A (ja) 染色性に優れたポリエステル繊維および繊維集合体
JPH08269850A (ja) 建築資材用ネットおよびメッシュ
JPS59204920A (ja) 耐熱性、耐薬品性良好な複合繊維
JPH03137255A (ja) 安全ネット
JP3659379B2 (ja) 人工芝用原糸およびそれを用いた人工芝
JP3613362B2 (ja) 熱可塑性樹脂用着色剤
US20120244336A1 (en) Spun-dyed hmls monofilaments, production thereof and use thereof
JPH11107048A (ja) 染色性及び紫外線遮蔽性に優れた芯鞘型ポリエステル繊維及びその製造方法
JP4715387B2 (ja) ポリエステル繊維
JP2634072B2 (ja) 蛍光性ポリエステル長繊維不織布