JPH05117354A - 車両シート表皮材用樹脂組成物 - Google Patents
車両シート表皮材用樹脂組成物Info
- Publication number
- JPH05117354A JPH05117354A JP3286375A JP28637591A JPH05117354A JP H05117354 A JPH05117354 A JP H05117354A JP 3286375 A JP3286375 A JP 3286375A JP 28637591 A JP28637591 A JP 28637591A JP H05117354 A JPH05117354 A JP H05117354A
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- Japan
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- polyurethane resin
- skin material
- water
- composition
- resin
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Abstract
(57)【要約】
【目的】塗布量が少なくても所定の縫目疲労強度と難燃
性を有する車両表皮材用樹脂組成物を得る。 【構成】アジピン酸、ネオペンチルグリコール、ヘキサ
ンジオール、イソホロンジイソシアネートを主成分とす
る自己乳化性水系ポリウレタン樹脂に、アンモニア水、
増粘剤、三酸化アンチモン、デカブロモジフェニルエー
テルを加えた組成物をポリエステル織物に乾燥重量10
0g/m2となるように塗布し、乾燥して車両表皮材を
得た。 【効果】同量のアクリル系樹脂を用いて得た車両表皮材
は燃焼してしまうし、目的とする縫目疲労強度が得られ
ないが、ポリウレタン樹脂を用いて得たものは、このよ
うな欠点がないので、アクリル同様の性能が少しの塗布
量で得られる。
性を有する車両表皮材用樹脂組成物を得る。 【構成】アジピン酸、ネオペンチルグリコール、ヘキサ
ンジオール、イソホロンジイソシアネートを主成分とす
る自己乳化性水系ポリウレタン樹脂に、アンモニア水、
増粘剤、三酸化アンチモン、デカブロモジフェニルエー
テルを加えた組成物をポリエステル織物に乾燥重量10
0g/m2となるように塗布し、乾燥して車両表皮材を
得た。 【効果】同量のアクリル系樹脂を用いて得た車両表皮材
は燃焼してしまうし、目的とする縫目疲労強度が得られ
ないが、ポリウレタン樹脂を用いて得たものは、このよ
うな欠点がないので、アクリル同様の性能が少しの塗布
量で得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両シート表皮材用樹
脂組成物に関する。
脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】車両内装材の高級化にともない車両シー
トもファブリック化が進み織物、パイルモケット織物、
編物等の繊維基材に合成樹脂エマルジョン、合成樹脂水
溶液等をコーテイングして車両用シートを得ることは広
く行われており、その目的とするところは繊維基材の寸
法安定性、耐縫目疲労強度の付与、難燃性の付与等であ
る。車両シート表皮材のバッキング(裏打ち)として、
モケット織物用としては、主として遅燃性合成樹脂組成
物が、モケット以外の織物用にはアクリルエマルジョン
に難燃剤を併用した難燃性合成樹脂組成物がバッキング
されている。
トもファブリック化が進み織物、パイルモケット織物、
編物等の繊維基材に合成樹脂エマルジョン、合成樹脂水
溶液等をコーテイングして車両用シートを得ることは広
く行われており、その目的とするところは繊維基材の寸
法安定性、耐縫目疲労強度の付与、難燃性の付与等であ
る。車両シート表皮材のバッキング(裏打ち)として、
モケット織物用としては、主として遅燃性合成樹脂組成
物が、モケット以外の織物用にはアクリルエマルジョン
に難燃剤を併用した難燃性合成樹脂組成物がバッキング
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た如き従来のアクリル系難燃性合成樹脂組成物では、そ
の塗布量を多くしなければ目的とする難燃性及び耐縫目
疲労強度が得られない。従って、近年叫ばれている車両
の軽量化に伴う、バッキング剤の減少という課題に対し
ては対応できないという欠点があった。
た如き従来のアクリル系難燃性合成樹脂組成物では、そ
の塗布量を多くしなければ目的とする難燃性及び耐縫目
疲労強度が得られない。従って、近年叫ばれている車両
の軽量化に伴う、バッキング剤の減少という課題に対し
ては対応できないという欠点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記実状
に鑑みて鋭意検討したところ、意外にもアクリル系樹脂
の代わりにポリウレタン系樹脂を用いると、その塗布量
を著しく低下させても目的とする難燃性や耐縫目疲労強
度を維持でき、表皮材自体も格段に軽量化できることを
見出し、本発明を完成するに至った。
に鑑みて鋭意検討したところ、意外にもアクリル系樹脂
の代わりにポリウレタン系樹脂を用いると、その塗布量
を著しく低下させても目的とする難燃性や耐縫目疲労強
度を維持でき、表皮材自体も格段に軽量化できることを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】即ち本発明は、水系ポリウレタン樹脂を必
須成分として含有してなる車両シート表皮材用樹脂組成
物を提供するものである。本発明における水系ポリウレ
タン樹脂としては、公知慣用の水溶性ポリウレタン樹
脂、水分散性ポリウレタン樹脂のいずれもが使用でき
る。
須成分として含有してなる車両シート表皮材用樹脂組成
物を提供するものである。本発明における水系ポリウレ
タン樹脂としては、公知慣用の水溶性ポリウレタン樹
脂、水分散性ポリウレタン樹脂のいずれもが使用でき
る。
【0006】水系ポリウレタン樹脂の製造方法は、特に
限定されるものではないが、例えばポリヒドロキシ化合
物に過剰のポリイソシアネートを反応させて末端イソシ
アネート基プレポリマーを得、これに更に2個以上の活
性水素原子を有する鎖伸長剤をイソシアネート基/活性
水素原子=1/0.8〜1.2(当量比)で反応させれ
ば、容易に得られる。
限定されるものではないが、例えばポリヒドロキシ化合
物に過剰のポリイソシアネートを反応させて末端イソシ
アネート基プレポリマーを得、これに更に2個以上の活
性水素原子を有する鎖伸長剤をイソシアネート基/活性
水素原子=1/0.8〜1.2(当量比)で反応させれ
ば、容易に得られる。
【0007】ポリウレタン樹脂そのものとしては、分
子中に親水性基を有しているもの、親水性基を有さな
いものに分類できる。 のタイプの水系ポリウレタン樹脂としては、エチレン
オキサイド重合単位を有するアルキレンオキサイド骨格
を分子中に有する中和によらなくとも親水性を有するも
のを水性媒体中に分散又は溶解させたものと、−COO
H、−SO3H、−PO4H、第3級窒素原子等の中和に
より親水性となりうる基を有するポリウレタン樹脂を中
和剤で中和して水性媒体中に分散又は溶解させたものが
挙げられる。以下、これらのタイプのものをあわせて
自己乳化性ポリウレタン樹脂という。
子中に親水性基を有しているもの、親水性基を有さな
いものに分類できる。 のタイプの水系ポリウレタン樹脂としては、エチレン
オキサイド重合単位を有するアルキレンオキサイド骨格
を分子中に有する中和によらなくとも親水性を有するも
のを水性媒体中に分散又は溶解させたものと、−COO
H、−SO3H、−PO4H、第3級窒素原子等の中和に
より親水性となりうる基を有するポリウレタン樹脂を中
和剤で中和して水性媒体中に分散又は溶解させたものが
挙げられる。以下、これらのタイプのものをあわせて
自己乳化性ポリウレタン樹脂という。
【0008】勿論、のタイプのポリウレタン樹脂とし
ては、異なる中和により親水性となりうる基の2種以上
を含有するものであってもよいし、エチレンオキサイド
重合単位を有するアルキレンオキサイド骨格と中和によ
り親水性となりうる基を中和した基を両方有しているも
のでもよい。さらにまたのタイプとのタイプの樹脂
を混合して用いてもよい。
ては、異なる中和により親水性となりうる基の2種以上
を含有するものであってもよいし、エチレンオキサイド
重合単位を有するアルキレンオキサイド骨格と中和によ
り親水性となりうる基を中和した基を両方有しているも
のでもよい。さらにまたのタイプとのタイプの樹脂
を混合して用いてもよい。
【0009】ポリヒドロキシ化合物としては、公知慣用
のものがいずれも使用できるが、両末端に水酸基を有す
る平均分子量500〜5000程度のものでポリエステ
ルジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルポリ
エーテルジオール、ポリカーボネートジオール等が好ま
しい。
のものがいずれも使用できるが、両末端に水酸基を有す
る平均分子量500〜5000程度のものでポリエステ
ルジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルポリ
エーテルジオール、ポリカーボネートジオール等が好ま
しい。
【0010】ポリエステルジオールとしては、例えばア
ジピン酸、セバチン酸等の脂肪族ジカルボン酸とエチレ
ングリコール、ブチレングリコール、ヘキサメチレング
リコール等の脂肪族グリコール及び必要に応じてジメチ
ロールプロピオン酸、プロパンサルトン等の中和により
親水性となりうる基を有するポリヒドロキシ化合物を重
縮合することにより得たポリエステルジオールやポリカ
プロラクトンジオール等が、またポリエーテルジオール
としては、例えばポリプロピレングリコール、ポリテト
ラメチレンゴリコール、ポリエチレングリコールの如き
ポリアルキレングリコール等が、上記ポリエーテルポリ
オールと上記グリコール及び酸との共重合により得られ
る様なポリエステルポリエーテルジオールが、上記グリ
コールとエチレンカーボネートの反応等で得られるポリ
カーボネートポリオール等も使用することができる。
尚、後述する表皮材がポリエステル素材のものである場
合には、ポリヒドロキシ化合物として、ポリエステルジ
オールを用いるのが好ましく、耐加水分解性が要求され
るような用途の場合は、ポリカーボネートジオール、ポ
リエーテルジオールが好ましく、耐候性が要求される様
な用途の場合、特にポリカーボネートジオールが好まし
い。
ジピン酸、セバチン酸等の脂肪族ジカルボン酸とエチレ
ングリコール、ブチレングリコール、ヘキサメチレング
リコール等の脂肪族グリコール及び必要に応じてジメチ
ロールプロピオン酸、プロパンサルトン等の中和により
親水性となりうる基を有するポリヒドロキシ化合物を重
縮合することにより得たポリエステルジオールやポリカ
プロラクトンジオール等が、またポリエーテルジオール
としては、例えばポリプロピレングリコール、ポリテト
ラメチレンゴリコール、ポリエチレングリコールの如き
ポリアルキレングリコール等が、上記ポリエーテルポリ
オールと上記グリコール及び酸との共重合により得られ
る様なポリエステルポリエーテルジオールが、上記グリ
コールとエチレンカーボネートの反応等で得られるポリ
カーボネートポリオール等も使用することができる。
尚、後述する表皮材がポリエステル素材のものである場
合には、ポリヒドロキシ化合物として、ポリエステルジ
オールを用いるのが好ましく、耐加水分解性が要求され
るような用途の場合は、ポリカーボネートジオール、ポ
リエーテルジオールが好ましく、耐候性が要求される様
な用途の場合、特にポリカーボネートジオールが好まし
い。
【0011】ポリイソシアネートとしては、例えばナフ
タリンジイソシアネート、P,P′−ジフェニルメタン
ジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、2,
4(または2,6)−トリレンジイソシアネート等芳香
族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメ
タンジイソシアネート等の脂肪族、脂環族ジイソシアネ
ートが挙げられるが耐光性が要求される用途の場合は、
脂肪族、脂環族ジイソシアネートを用いることが好まし
い。
タリンジイソシアネート、P,P′−ジフェニルメタン
ジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、2,
4(または2,6)−トリレンジイソシアネート等芳香
族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメ
タンジイソシアネート等の脂肪族、脂環族ジイソシアネ
ートが挙げられるが耐光性が要求される用途の場合は、
脂肪族、脂環族ジイソシアネートを用いることが好まし
い。
【0012】必要に応じて用いる鎖伸長剤としては、分
子内に少なくとも2個の活性水素原子を持つ化合物がい
ずれも使用でき、例えばヒドラジン、エチレンジアミ
ン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ピペラジ
ン、2−メチルピペラジン、イソホロンジアミン、フェ
ニレンジアミン、トリレンジアミン、キシレンジアミ
ン、N−エタノールエチレンジアミン等の脂肪族、脂環
族、芳香族ジアミンまたはエチレングリコール、ブチレ
ングリコール等の脂肪族グリコール、ジエタノールアミ
ン、N−メチルジエタノールアミン等のアミノアルコー
ルが使用できる。
子内に少なくとも2個の活性水素原子を持つ化合物がい
ずれも使用でき、例えばヒドラジン、エチレンジアミ
ン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ピペラジ
ン、2−メチルピペラジン、イソホロンジアミン、フェ
ニレンジアミン、トリレンジアミン、キシレンジアミ
ン、N−エタノールエチレンジアミン等の脂肪族、脂環
族、芳香族ジアミンまたはエチレングリコール、ブチレ
ングリコール等の脂肪族グリコール、ジエタノールアミ
ン、N−メチルジエタノールアミン等のアミノアルコー
ルが使用できる。
【0013】上記のタイプのなかでも中和により親水
性となりうる基を有するポリウレタン樹脂を中和剤で中
和して水性媒体中に分散又は溶解させたものを得るため
には、中和により親水性となりうる基を有し、イソシア
ネート基と反応しうる活性水素化合物を通常用いる。こ
の様なものとしては、例えば2−オキシエタンスルホン
酸、フェノールスルホン酸、スルホ安息香酸、スルホコ
ハク酸、5−スルホイソフタル酸等のスルホン酸基を含
有するもの、2,2−ジメチロールプロピオン酸、ジオ
キシマレイン酸、2,6−ジオキシ安息香酸、3,4−
ジアミノ安息香酸等のカルボキシル基を有するものが挙
げられる。
性となりうる基を有するポリウレタン樹脂を中和剤で中
和して水性媒体中に分散又は溶解させたものを得るため
には、中和により親水性となりうる基を有し、イソシア
ネート基と反応しうる活性水素化合物を通常用いる。こ
の様なものとしては、例えば2−オキシエタンスルホン
酸、フェノールスルホン酸、スルホ安息香酸、スルホコ
ハク酸、5−スルホイソフタル酸等のスルホン酸基を含
有するもの、2,2−ジメチロールプロピオン酸、ジオ
キシマレイン酸、2,6−ジオキシ安息香酸、3,4−
ジアミノ安息香酸等のカルボキシル基を有するものが挙
げられる。
【0014】上記した様な中和により親水性となりうる
基を有し、イソシアネート基と反応しうる活性水素化合
物の親水性となりうる基を中和するのに用いる中和剤と
しては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の
不揮発性塩基、トリメチルアミン、トリエチルアミン等
の揮発性塩基、アンモニア等が挙げられる。中和により
親水性となりうる基が第3級窒素原子である場合は、例
えば塩酸等の無機酸、ギ酸、酢酸等の有機酸、あるいは
ジメチル硫酸エステル、ベンジルクロライド等が使用で
きる。
基を有し、イソシアネート基と反応しうる活性水素化合
物の親水性となりうる基を中和するのに用いる中和剤と
しては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の
不揮発性塩基、トリメチルアミン、トリエチルアミン等
の揮発性塩基、アンモニア等が挙げられる。中和により
親水性となりうる基が第3級窒素原子である場合は、例
えば塩酸等の無機酸、ギ酸、酢酸等の有機酸、あるいは
ジメチル硫酸エステル、ベンジルクロライド等が使用で
きる。
【0015】ポリウレタン樹脂の水溶化又はエマルジョ
ン化の方法としては、例えば中和により親水性となりう
る基を有するものは、末端イソシアネート基プレポリマ
ーと、鎖伸長剤と、中和剤を同時に反応させて水に溶
解、分散させる方法等が、予め親水基を有するものにつ
いては、水に攪はんしながら加える方法が、親水性基も
中和により親水性となりうる基のいずれも有していない
ものは、界面活性剤と水を併用して機械的に溶解、乳化
させる方法が採用できる。
ン化の方法としては、例えば中和により親水性となりう
る基を有するものは、末端イソシアネート基プレポリマ
ーと、鎖伸長剤と、中和剤を同時に反応させて水に溶
解、分散させる方法等が、予め親水基を有するものにつ
いては、水に攪はんしながら加える方法が、親水性基も
中和により親水性となりうる基のいずれも有していない
ものは、界面活性剤と水を併用して機械的に溶解、乳化
させる方法が採用できる。
【0016】本発明で用いる水系ポリウレタン樹脂とし
ては、後述するバッキングを行った後の皮膜の耐水性の
点では、中和により親水性となりうる基を有し、それが
揮発性塩基で中和されたものが好ましい。又、後述する
バッキング後のシートの縫目疲労強度の点で、溶融開始
温度が120℃以上のポリウレタンが好ましい。
ては、後述するバッキングを行った後の皮膜の耐水性の
点では、中和により親水性となりうる基を有し、それが
揮発性塩基で中和されたものが好ましい。又、後述する
バッキング後のシートの縫目疲労強度の点で、溶融開始
温度が120℃以上のポリウレタンが好ましい。
【0017】本発明の車両表皮材用樹脂組成物は、上記
水系ポリウレタン樹脂のみからなっていてもよいが、必
要に応じて難燃剤、架橋剤、充填剤、増粘剤、界面活性
剤、撥水撥油剤等を加えて用いてもよい。中でも難燃剤
を用いると、ポリウレタン樹脂と難燃剤とが相乗的に作
用し難燃性が格段に向上する。
水系ポリウレタン樹脂のみからなっていてもよいが、必
要に応じて難燃剤、架橋剤、充填剤、増粘剤、界面活性
剤、撥水撥油剤等を加えて用いてもよい。中でも難燃剤
を用いると、ポリウレタン樹脂と難燃剤とが相乗的に作
用し難燃性が格段に向上する。
【0018】難燃剤としては例えば非ハロゲンリン酸エ
ステル、含ハロゲンリン酸エステル、含ハロゲン有機化
合物、無機化合物が用いられる。非ハロゲンリン酸エス
テルとしては、例えばトリアルキルフォスフェート、ト
リクレジルフォスフェート、トリフェニルフォスフェー
ト、クレジルジフェニルフォスフェート、オクチルジフ
ェニルフォスフェート等が、含ハロゲンリン酸エステル
としては、例えばトリス(クロロアルキル)フォスフェ
ート、トリス(ジクロロプロピル)フォスフェート、ビ
ス(2,3−ジブロモプロピル)2,3−ジクロロプロ
ピルフォスフェート、ビス(クロロプロピル)モノオク
チルフォスフェート等が、含ハロゲン有機化合物として
は、例えば塩素化パラフィン、塩素化ポリエチレン、パ
ークロロペンタシクロデカン、ヘキサブロモベンゼン、
デカブロモジフェニルエーテル、テトラブロモビスフェ
ノールA、ヘキサブロモシクロドデカン等が、無機化合
物としては、例えば三酸化アンチモン、ほう酸亜鉛、ほ
う砂、ポリ燐酸アンモニウム、臭化アンモニウム、三臭
化リン、水酸化アンモニウム等が挙げられる。これらは
単独使用でも二種以上の併用でもよい。難燃剤として
は、含ハロゲンリン酸エステルがその使用量が少量でも
難燃化効果に優れる点で特に好ましい。
ステル、含ハロゲンリン酸エステル、含ハロゲン有機化
合物、無機化合物が用いられる。非ハロゲンリン酸エス
テルとしては、例えばトリアルキルフォスフェート、ト
リクレジルフォスフェート、トリフェニルフォスフェー
ト、クレジルジフェニルフォスフェート、オクチルジフ
ェニルフォスフェート等が、含ハロゲンリン酸エステル
としては、例えばトリス(クロロアルキル)フォスフェ
ート、トリス(ジクロロプロピル)フォスフェート、ビ
ス(2,3−ジブロモプロピル)2,3−ジクロロプロ
ピルフォスフェート、ビス(クロロプロピル)モノオク
チルフォスフェート等が、含ハロゲン有機化合物として
は、例えば塩素化パラフィン、塩素化ポリエチレン、パ
ークロロペンタシクロデカン、ヘキサブロモベンゼン、
デカブロモジフェニルエーテル、テトラブロモビスフェ
ノールA、ヘキサブロモシクロドデカン等が、無機化合
物としては、例えば三酸化アンチモン、ほう酸亜鉛、ほ
う砂、ポリ燐酸アンモニウム、臭化アンモニウム、三臭
化リン、水酸化アンモニウム等が挙げられる。これらは
単独使用でも二種以上の併用でもよい。難燃剤として
は、含ハロゲンリン酸エステルがその使用量が少量でも
難燃化効果に優れる点で特に好ましい。
【0019】難燃剤の使用量は、特に制限されないが通
常ポリウレタン樹脂固形分100重量部当たり3〜80
重量部である。これらの難燃剤は、水系ポリウレタン樹
脂中に直接添加してもよいが、一般的に用いられる水溶
性増粘剤で水性ポリウレタン樹脂を増粘した後でこれを
添加すると均一にしかも安定に混合できる。
常ポリウレタン樹脂固形分100重量部当たり3〜80
重量部である。これらの難燃剤は、水系ポリウレタン樹
脂中に直接添加してもよいが、一般的に用いられる水溶
性増粘剤で水性ポリウレタン樹脂を増粘した後でこれを
添加すると均一にしかも安定に混合できる。
【0020】増粘剤としては、メチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアクリ
ル酸ソーダ、水溶性(メタ)アクリル酸エステル−(メ
タ)アクリル酸共重合体、ポリビニルアルコール等が挙
げられる。
ロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアクリ
ル酸ソーダ、水溶性(メタ)アクリル酸エステル−(メ
タ)アクリル酸共重合体、ポリビニルアルコール等が挙
げられる。
【0021】架橋剤としては、例えばメラミン樹脂、エ
ポキシ樹脂、ブロックイソシアネート化合物、ポリイソ
シアネート化合物、アジリジン化合物等の通常の架橋剤
を用いることができる。架橋剤を用いると最終的に得ら
れる皮膜強度、各種耐久性をより向上させることができ
る。これらの架橋剤の使用量は、通常ポリウレタン樹脂
固形分100重量部当たり1〜5部である。
ポキシ樹脂、ブロックイソシアネート化合物、ポリイソ
シアネート化合物、アジリジン化合物等の通常の架橋剤
を用いることができる。架橋剤を用いると最終的に得ら
れる皮膜強度、各種耐久性をより向上させることができ
る。これらの架橋剤の使用量は、通常ポリウレタン樹脂
固形分100重量部当たり1〜5部である。
【0022】充填剤としては、汎用のものを使用するこ
とができるが、例えば重質炭酸カルシュウム、水酸化ア
ルミニウム、クレー、タルク、カオリンクレー等が挙げ
られる。充填剤のうち難燃性を考慮すると、水酸化アル
ミニウムが好ましい。
とができるが、例えば重質炭酸カルシュウム、水酸化ア
ルミニウム、クレー、タルク、カオリンクレー等が挙げ
られる。充填剤のうち難燃性を考慮すると、水酸化アル
ミニウムが好ましい。
【0023】本発明の合成樹脂組成物は作業性の点から
5,000〜30,000 CPSとなる様に調整してから使用するこ
とが好ましい。本発明の合成樹脂組成物は、繊維基材に
塗布又は含浸した後乾燥することにより、その基材に難
燃性を付与し、しかも優れたバッキング強度を得ること
ができる。
5,000〜30,000 CPSとなる様に調整してから使用するこ
とが好ましい。本発明の合成樹脂組成物は、繊維基材に
塗布又は含浸した後乾燥することにより、その基材に難
燃性を付与し、しかも優れたバッキング強度を得ること
ができる。
【0024】車両表皮材として用いられる繊維基材の形
態は、例えば、糸、編物、織物、不織布等の形態があげ
られる。繊維基材の種類は、ナイロン、アクリル、ポリ
エステル等の合成繊維、レーヨン、ビスコースレーヨ
ン、セルロースアセテート等の人工繊維、綿、絹等の天
然繊維があげられこれらの混合繊維であってもよい。中
でもポリエステル織物、交織織物等が好ましい。
態は、例えば、糸、編物、織物、不織布等の形態があげ
られる。繊維基材の種類は、ナイロン、アクリル、ポリ
エステル等の合成繊維、レーヨン、ビスコースレーヨ
ン、セルロースアセテート等の人工繊維、綿、絹等の天
然繊維があげられこれらの混合繊維であってもよい。中
でもポリエステル織物、交織織物等が好ましい。
【0025】本発明の組成物は、そのまま用いることも
できるが、発泡させた後に塗布又は含浸させることも可
能であり、その結果繊維基材への浸透が少なくなって、
バッキング後の基材はソフトな風合いを示す。又、組成
物の乾燥性の向上をも図ることができる。この様な発泡
処方を行う場合に用いる場合の水系ポリウレタン樹脂と
しては、高濃度の水分散タイプのものが作業性の点より
好ましい。
できるが、発泡させた後に塗布又は含浸させることも可
能であり、その結果繊維基材への浸透が少なくなって、
バッキング後の基材はソフトな風合いを示す。又、組成
物の乾燥性の向上をも図ることができる。この様な発泡
処方を行う場合に用いる場合の水系ポリウレタン樹脂と
しては、高濃度の水分散タイプのものが作業性の点より
好ましい。
【0026】この際の発泡の方法としては熱分解型発泡
剤等を用いた化学発泡、膨張性熱可塑性樹脂粒子を用い
たマイクロカプセル発泡、攪拌機で物理的に発泡させる
機械発泡のいずれでもよいが機械発泡が好ましい。機械
発泡の方法としては、例えば、高速攪拌機、オークスミ
キサー等の連続発泡装置を通過させるという方法があげ
られる。そのさいの発泡倍率は特に限定されないが、通
常1〜2倍である。この発泡に際して必要に応じてAB
S、ステアリン酸アンモニウム等の起泡剤を少量添加し
てもよい。
剤等を用いた化学発泡、膨張性熱可塑性樹脂粒子を用い
たマイクロカプセル発泡、攪拌機で物理的に発泡させる
機械発泡のいずれでもよいが機械発泡が好ましい。機械
発泡の方法としては、例えば、高速攪拌機、オークスミ
キサー等の連続発泡装置を通過させるという方法があげ
られる。そのさいの発泡倍率は特に限定されないが、通
常1〜2倍である。この発泡に際して必要に応じてAB
S、ステアリン酸アンモニウム等の起泡剤を少量添加し
てもよい。
【0027】繊維基材への本発明の合成樹脂組成物の塗
布または含浸方法としては、例えば、ドクターナイフコ
ート法、ロールコート法、スプレーコート法、スピンコ
ート法あるいは含浸法のごとき通常の加工方法を適用す
ることが出来るが、含浸法よりは塗布法の方が好まし
い。
布または含浸方法としては、例えば、ドクターナイフコ
ート法、ロールコート法、スプレーコート法、スピンコ
ート法あるいは含浸法のごとき通常の加工方法を適用す
ることが出来るが、含浸法よりは塗布法の方が好まし
い。
【0028】合成樹脂組成物の繊維基材への塗布量は、
乾燥重量にして20〜100g/m 2好ましくは40〜
80g/m2である。車両用表皮材は、本発明の組成物
を繊維基材に塗布した後、乾燥してやればよい。乾燥に
当たっては、常温で風乾してもよいが、乾燥機内60〜
170℃で強制乾燥してもよい。勿論乾燥は、遠赤外線
照射装置、マイクロ波照射装置によるエネルギー線照射
によってもよい。
乾燥重量にして20〜100g/m 2好ましくは40〜
80g/m2である。車両用表皮材は、本発明の組成物
を繊維基材に塗布した後、乾燥してやればよい。乾燥に
当たっては、常温で風乾してもよいが、乾燥機内60〜
170℃で強制乾燥してもよい。勿論乾燥は、遠赤外線
照射装置、マイクロ波照射装置によるエネルギー線照射
によってもよい。
【0029】本発明の組成物は、自動車、船舶、航空機
等の車両表皮材のバッキングのみならず、カーペットバ
ッキング材や難燃性接着剤として使用することができ
る。
等の車両表皮材のバッキングのみならず、カーペットバ
ッキング材や難燃性接着剤として使用することができ
る。
【0030】
【実施例】以下に実施例、比較例をあげ、本発明を具体
的に説明する。特に断わりのない限り、部数は固形分重
量基準である。 比較例1 ボンコート350〔大日本インキ化学工業(株)製アク
リル酸エステル共重合体エマルジョン、固形分60%、
溶融開始温度160℃〕100部に、三酸化アンチモン
分散液17部、デカブロモジフェニルエーテル分散液3
3部、ボンコートHV〔大日本インキ化学工業(株)製
アクリル酸エステルエマルジョン型増粘剤、固形分31
%〕3部と28%アンモニア水を見かけで3部、固形分
が50%となるように水を加えて組成物を調製した。
的に説明する。特に断わりのない限り、部数は固形分重
量基準である。 比較例1 ボンコート350〔大日本インキ化学工業(株)製アク
リル酸エステル共重合体エマルジョン、固形分60%、
溶融開始温度160℃〕100部に、三酸化アンチモン
分散液17部、デカブロモジフェニルエーテル分散液3
3部、ボンコートHV〔大日本インキ化学工業(株)製
アクリル酸エステルエマルジョン型増粘剤、固形分31
%〕3部と28%アンモニア水を見かけで3部、固形分
が50%となるように水を加えて組成物を調製した。
【0031】次いで乾燥時の塗布量が130g/m2と
なるようにこの組成物をドクターナイフを用いてポリエ
ステル織物にバッキングし、140℃で3分乾燥し、加
工織物を得た。この加工織物について下記の試験を行っ
た。その結果を第1表に記載した。
なるようにこの組成物をドクターナイフを用いてポリエ
ステル織物にバッキングし、140℃で3分乾燥し、加
工織物を得た。この加工織物について下記の試験を行っ
た。その結果を第1表に記載した。
【0032】(燃焼性試験)加工織物の縦方向の燃焼速
度をMVSS−302法で燃焼速度を測定。燃焼が60
秒以内、5cm以下で自己消化となるものについては燃
焼速度を算出せずに難燃性と表示する。
度をMVSS−302法で燃焼速度を測定。燃焼が60
秒以内、5cm以下で自己消化となるものについては燃
焼速度を算出せずに難燃性と表示する。
【0033】(剛軟度)カンチレバー法(JIS・L−
1004)で測定した。上記加工織物から幅25mm、
長さ200mmの試験片を縦方向から各々3枚以上ずつ
とり先端が45度の斜面を持つ表面平滑な平台上に置
き、それとほぼ同じ大きさの押え板で軽く抑えて、斜面
の方向に試験片を緩やかに押し出し、試験片の先端が斜
面に接したとき、他端の位置をスケールによって読み、
押し出された距離を測る。試験片の押出速度は5mm/
秒とする。
1004)で測定した。上記加工織物から幅25mm、
長さ200mmの試験片を縦方向から各々3枚以上ずつ
とり先端が45度の斜面を持つ表面平滑な平台上に置
き、それとほぼ同じ大きさの押え板で軽く抑えて、斜面
の方向に試験片を緩やかに押し出し、試験片の先端が斜
面に接したとき、他端の位置をスケールによって読み、
押し出された距離を測る。試験片の押出速度は5mm/
秒とする。
【0034】(縫目疲労強度)幅100mm×長さ10
0mmのコーテイング加工織物を縦、横方向からそれぞ
れ2枚1組で2組以上とり、その裏面に同じ大きさのス
ラブウレタンフォーム(密度0.02±0.002g/
cm2、厚さ5mm)に裏基布(ナイロン不織布40g
/m2)を添えたものの複合体2枚の表側を合わせて重
ね、長辺の端から10mmのところをミシンがけし、縦
横それぞれ2組以上の試験片を作る。次にアムスラー型
織布摩耗試験機を利用して2組の試験片を取り付けて、
加重3kgで繰り返し引っ張り、2500回後の縫目の
滑脱の状態について調べる。 比較例2 ボンコートHVを4.0部に増量し、水で固形分を40
%に調整する以外は比較例1と同一配合を行い組成物を
得た。この組成物を乾燥重量が100g/m2となるよ
うにバッキングし、乾燥し加工織物を得た。
0mmのコーテイング加工織物を縦、横方向からそれぞ
れ2枚1組で2組以上とり、その裏面に同じ大きさのス
ラブウレタンフォーム(密度0.02±0.002g/
cm2、厚さ5mm)に裏基布(ナイロン不織布40g
/m2)を添えたものの複合体2枚の表側を合わせて重
ね、長辺の端から10mmのところをミシンがけし、縦
横それぞれ2組以上の試験片を作る。次にアムスラー型
織布摩耗試験機を利用して2組の試験片を取り付けて、
加重3kgで繰り返し引っ張り、2500回後の縫目の
滑脱の状態について調べる。 比較例2 ボンコートHVを4.0部に増量し、水で固形分を40
%に調整する以外は比較例1と同一配合を行い組成物を
得た。この組成物を乾燥重量が100g/m2となるよ
うにバッキングし、乾燥し加工織物を得た。
【0035】この加工織物を用いた以外は比較例1と同
様の試験を行った。この結果を第1表に記載した。 実施例1 ボンコート350の100部の代わりに、アジピン酸、
ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、
イソホロンジイソシアネートを主成分として得た自己乳
化性水系ポリウレタン樹脂A(固形分50%、溶融開始
温度175℃、100%モジュラス26kg/cm2)
を100部用い、28%アンモニア水を見かけで4部と
する以外は比較例2と同様にして、固形分が40%とな
るように水を加えて組成物を調製した。
様の試験を行った。この結果を第1表に記載した。 実施例1 ボンコート350の100部の代わりに、アジピン酸、
ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、
イソホロンジイソシアネートを主成分として得た自己乳
化性水系ポリウレタン樹脂A(固形分50%、溶融開始
温度175℃、100%モジュラス26kg/cm2)
を100部用い、28%アンモニア水を見かけで4部と
する以外は比較例2と同様にして、固形分が40%とな
るように水を加えて組成物を調製した。
【0036】この組成物を乾燥重量が比較例2と同じに
なるようにバッキングし、乾燥し加工織物を得た。この
加工織物を用いた以外は比較例1と同様の試験を行っ
た。この結果を第1表に記載。溶融開始温度と100%
モジュラスは次の方法にて測定した。
なるようにバッキングし、乾燥し加工織物を得た。この
加工織物を用いた以外は比較例1と同様の試験を行っ
た。この結果を第1表に記載。溶融開始温度と100%
モジュラスは次の方法にて測定した。
【0037】(溶融開始温度)水系ポリウレタン樹脂
を、ガラス板上に乾燥膜厚が約0.3mmとなるように
流延し室温で24時間放置する。その後ガラス板から剥
し140℃×5分の熱処理を行ったフィルムを得た。こ
のフィルムを、ダイ(ノズル)1mmф、荷重10k
g,昇温速度3℃/分の条件で高化式フローテスター
(島津製作所製、CFT−500A)にて溶融開始温度
を測定した。
を、ガラス板上に乾燥膜厚が約0.3mmとなるように
流延し室温で24時間放置する。その後ガラス板から剥
し140℃×5分の熱処理を行ったフィルムを得た。こ
のフィルムを、ダイ(ノズル)1mmф、荷重10k
g,昇温速度3℃/分の条件で高化式フローテスター
(島津製作所製、CFT−500A)にて溶融開始温度
を測定した。
【0038】(100%モジュラス)上で得たフィルム
を、幅5mm×長さ80mmにダンベルにて打ち抜き、
つかみ間距離50mm,標線間距離20mmで300m
m/分の速度で引っ張り100%伸長時のモジュラスを
測定した。
を、幅5mm×長さ80mmにダンベルにて打ち抜き、
つかみ間距離50mm,標線間距離20mmで300m
m/分の速度で引っ張り100%伸長時のモジュラスを
測定した。
【0039】
【表1】 第1表からもわかる様に、比較例1はアクリル系樹脂組
成物をバッキングした加工織物であり、難燃性や皮膜強
度は高いが、かなり重いことがわかる。ポリウレタン樹
脂組成物をバッキングした加工織物(実施例1)は、比
較例1に比べ20%強も軽量化された上同等の難燃性を
保持し、しかも縫目疲労強度は大幅に向上している。実
施例1と同じ塗布量でアクリル系樹脂組成物をバッキン
グした加工織物(比較例2)は、同様の条件では燃焼し
てしまうし、縫目疲労強度もかなり悪いことがわかる。 実施例2 実施例1で用いた水系ポリウレタン樹脂A100部、ト
リスジクロロプロピルフォスフェート50部、ボンコー
トHV4部、28%アンモニア水を見かけで2部、固形
分が40%となるように水を加えて調整した組成物を得
た。この組成物を乾燥重量が100g/m2となるよう
にバッキングし、乾燥し加工織物を得た。 この加工織
物を用い、比較例1と同様の試験を行った。この結果を
第2表に記載した。 実施例3 実施例1においてボンコートHVを5部に増量し、水で
固形分を35%となるに調製する以外は実施例2と同一
配合を行い組成物を得た。
成物をバッキングした加工織物であり、難燃性や皮膜強
度は高いが、かなり重いことがわかる。ポリウレタン樹
脂組成物をバッキングした加工織物(実施例1)は、比
較例1に比べ20%強も軽量化された上同等の難燃性を
保持し、しかも縫目疲労強度は大幅に向上している。実
施例1と同じ塗布量でアクリル系樹脂組成物をバッキン
グした加工織物(比較例2)は、同様の条件では燃焼し
てしまうし、縫目疲労強度もかなり悪いことがわかる。 実施例2 実施例1で用いた水系ポリウレタン樹脂A100部、ト
リスジクロロプロピルフォスフェート50部、ボンコー
トHV4部、28%アンモニア水を見かけで2部、固形
分が40%となるように水を加えて調整した組成物を得
た。この組成物を乾燥重量が100g/m2となるよう
にバッキングし、乾燥し加工織物を得た。 この加工織
物を用い、比較例1と同様の試験を行った。この結果を
第2表に記載した。 実施例3 実施例1においてボンコートHVを5部に増量し、水で
固形分を35%となるに調製する以外は実施例2と同一
配合を行い組成物を得た。
【0040】この組成物を乾燥重量が65g/m2とな
るようにバッキングし、乾燥し加工織物を得た。この加
工織物を用い、比較例1と同様の試験を行った。この結
果を第2表に記載した。 実施例4 ポリカーボネートジオール、平均分子量2000のポリ
プロピレングリコール、ヘキサメチレンジイソシアネー
トを主成分として得た自己乳化性水系ポリウレタン樹脂
B(固形分40%、溶融開始温度165℃、100%モ
ジュラス20kg/cm2)100部 、トリスジクロロ
プロピルフォスフェート50部、ボンコートHV5部、
28%アンモニア水を見かけで5部、固形分が35%と
なるように水を加えて組成物を調製した。
るようにバッキングし、乾燥し加工織物を得た。この加
工織物を用い、比較例1と同様の試験を行った。この結
果を第2表に記載した。 実施例4 ポリカーボネートジオール、平均分子量2000のポリ
プロピレングリコール、ヘキサメチレンジイソシアネー
トを主成分として得た自己乳化性水系ポリウレタン樹脂
B(固形分40%、溶融開始温度165℃、100%モ
ジュラス20kg/cm2)100部 、トリスジクロロ
プロピルフォスフェート50部、ボンコートHV5部、
28%アンモニア水を見かけで5部、固形分が35%と
なるように水を加えて組成物を調製した。
【0041】この組成物を乾燥重量が65g/m2とな
るようにバッキングし、乾燥し加工織物を得た。この加
工織物を用い、比較例1と同様の試験を行った。この結
果を第2表に記載した。 実施例5 平均分子量1000のポリプロピレングリコール、平均
分子量2000のポリプロピレングリコール、イソホロ
ンジイソシアネートを主成分として得た、乳化剤で分散
させたタイプの水系ポリウレタン樹脂C(固形分45
%、溶融開始温度170℃、100%モジュラス30k
g/cm2)100部 、トリスジクロロプロピルフォス
フェート50部、ボンコートHV5部、28%アンモニ
ア水を見かけで5部、固形分が35%となるように水を
加えて組成物を調製した。
るようにバッキングし、乾燥し加工織物を得た。この加
工織物を用い、比較例1と同様の試験を行った。この結
果を第2表に記載した。 実施例5 平均分子量1000のポリプロピレングリコール、平均
分子量2000のポリプロピレングリコール、イソホロ
ンジイソシアネートを主成分として得た、乳化剤で分散
させたタイプの水系ポリウレタン樹脂C(固形分45
%、溶融開始温度170℃、100%モジュラス30k
g/cm2)100部 、トリスジクロロプロピルフォス
フェート50部、ボンコートHV5部、28%アンモニ
ア水を見かけで5部、固形分が35%となるように水を
加えて組成物を調製した。
【0042】この組成物を乾燥重量が65g/m2とな
るようにバッキングし,乾燥し加工織物を得た。この加
工織物を用い、比較例1と同様の試験を行った。この結
果を第2表に記載した。
るようにバッキングし,乾燥し加工織物を得た。この加
工織物を用い、比較例1と同様の試験を行った。この結
果を第2表に記載した。
【0043】
【表2】 第2表からわかる通り、含ハロゲンリン酸エステルを含
有するポリウレタン樹脂組成物を用いた場合には、その
塗布量を65g/m2としても100g/m2の場合と同
様の難燃性と縫目疲労強度を維持することができる。ア
クリル系樹脂組成物を基準にすると、上記ポリウレタ樹
脂組成物を用いて塗布量を65%としたもの(実施例
3)はアクリル系樹脂組成物を用いた例(比較例1)の
半分の塗布量で同様の難燃性、皮膜強度が得られている
ことがわかる。
有するポリウレタン樹脂組成物を用いた場合には、その
塗布量を65g/m2としても100g/m2の場合と同
様の難燃性と縫目疲労強度を維持することができる。ア
クリル系樹脂組成物を基準にすると、上記ポリウレタ樹
脂組成物を用いて塗布量を65%としたもの(実施例
3)はアクリル系樹脂組成物を用いた例(比較例1)の
半分の塗布量で同様の難燃性、皮膜強度が得られている
ことがわかる。
【0044】
【発明の効果】本発明の車両表皮材用樹脂組成物は、樹
脂成分としてポリウレタン樹脂を用いているので、従来
のアクリル系樹脂を用いた組成物の場合の塗布量の50
%でも難燃性、縫目疲労強度が優れており、バッキング
剤を50%軽量化することができるという格別顕著な効
果を奏する。従って、車両重量を軽量とすることができ
るし、燃費を高めることもできる。
脂成分としてポリウレタン樹脂を用いているので、従来
のアクリル系樹脂を用いた組成物の場合の塗布量の50
%でも難燃性、縫目疲労強度が優れており、バッキング
剤を50%軽量化することができるという格別顕著な効
果を奏する。従って、車両重量を軽量とすることができ
るし、燃費を高めることもできる。
Claims (4)
- 【請求項1】 水系ポリウレタン樹脂を必須成分として
含有してなる車両シート表皮材用樹脂組成物。 - 【請求項2】 難燃剤を更に含有する請求項1記載の組
成物。 - 【請求項3】 難燃剤が、含ハロゲンリン酸エステル系
化合物である請求項1記載の組成物。 - 【請求項4】 水系ポリウレタン樹脂の溶融開始温度が
120℃以上のものである請求項1記載の組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3286375A JPH05117354A (ja) | 1991-10-31 | 1991-10-31 | 車両シート表皮材用樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3286375A JPH05117354A (ja) | 1991-10-31 | 1991-10-31 | 車両シート表皮材用樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05117354A true JPH05117354A (ja) | 1993-05-14 |
Family
ID=17703582
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3286375A Pending JPH05117354A (ja) | 1991-10-31 | 1991-10-31 | 車両シート表皮材用樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05117354A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07149866A (ja) * | 1993-08-04 | 1995-06-13 | L'oreal Sa | 新規なポリエステルポリウレタン、その製造方法、ポリエステルポリウレタンから製造したプソイドラテックス及びそれを含む化粧料組成物 |
WO2004110219A1 (de) * | 2003-06-17 | 2004-12-23 | Klaus Heckmann | Polster, insbesondere anti-dekubitus-matratze |
CN110903631A (zh) * | 2019-11-13 | 2020-03-24 | 东莞市雄林新材料科技股份有限公司 | 一种氯化聚乙烯改性tpu薄膜及其制备方法 |
-
1991
- 1991-10-31 JP JP3286375A patent/JPH05117354A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07149866A (ja) * | 1993-08-04 | 1995-06-13 | L'oreal Sa | 新規なポリエステルポリウレタン、その製造方法、ポリエステルポリウレタンから製造したプソイドラテックス及びそれを含む化粧料組成物 |
WO2004110219A1 (de) * | 2003-06-17 | 2004-12-23 | Klaus Heckmann | Polster, insbesondere anti-dekubitus-matratze |
CN110903631A (zh) * | 2019-11-13 | 2020-03-24 | 东莞市雄林新材料科技股份有限公司 | 一种氯化聚乙烯改性tpu薄膜及其制备方法 |
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