JPH05116929A - MgO−SiO2系酸化物の製造方法 - Google Patents

MgO−SiO2系酸化物の製造方法

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JPH05116929A
JPH05116929A JP30521991A JP30521991A JPH05116929A JP H05116929 A JPH05116929 A JP H05116929A JP 30521991 A JP30521991 A JP 30521991A JP 30521991 A JP30521991 A JP 30521991A JP H05116929 A JPH05116929 A JP H05116929A
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JP
Japan
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mgo
composition
sio
powder
magnesium
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Application number
JP30521991A
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English (en)
Inventor
Toichi Takagi
東一 高城
Hiroshi Inomata
浩 猪又
Kouhei Ametani
公兵 飴谷
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Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高純度かつ組成制御性に優れたMgO-SiO2系酸
化物の製造方法を提供する。 【構成】 マグネシウム成分と珪素成分を含む酸性液を
ゲル化したのち、焼成することを特徴とするMgO-SiO2
酸化物の製造方法である。溶液中に含まれる珪素成分が
ゲル化する時にマグネシウム成分もすべてこのゲル中に
取り込まれるのでMgO とSiO2の比を厳密に制御すること
ができ、目的とする鉱物組成のセラミックスを容易に得
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高純度で組成制御された
MgO-SiO2系酸化物の製造方法に関する。MgO-SiO2系酸化
物には、高周波用絶縁材料として有用なステアタイト
(MgO ・ SiO2)やフォルステライト(2MgO・ SiO2)など
の磁器が知られている。
【0002】
【従来技術】従来、MgO-SiO2系酸化物を製造する方法と
しては、MgO 、SiO2などの酸化物や炭酸塩などの各種塩
類を混合して熱処理する固相法が一般的である。また、
沈澱法としてはマグネシウム及び珪素を含む酸性液から
沈澱を形成し濾過する方法が行なわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、固相法
では組成の均一性が悪く、特性のバラツキが問題であ
り、さらに不純物が混入し易く、固相法により製造され
た粉末の焼結性は非常に低いという問題もあった。ま
た、沈澱法ではマグネシウム成分の組成制御が問題であ
る。例えはマグネシウム及び珪素成分を含む酸性液から
沈澱を形成する場合、マグネシウムを水酸化物として完
全に沈澱させるためにはpHが10以上の強アルカリ性が必
要であり、多量のアルカリが必要である点で実用的でな
いばかりでなく、強アルカリ液の処理は容易ではない。
沈澱剤としてアルカリではなく炭酸塩などを用いる方法
もあるがマグネシウム成分が溶液中に溶出してロスする
のを完全に抑制することは困難であり、かつ高価な炭酸
塩などの沈澱剤を用いることは実際的でない。本発明は
上記問題点を解決するためになされたものであり、高純
度で組成制御性の優れたMgO-SiO2系酸化物の製造方法を
提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明はマグ
ネシウム成分と珪素成分を含む酸性液をゲル化したの
ち、焼成することを特徴とするMgO-SiO2系酸化物の製造
方法である。
【0005】以下、本発明についてさらに詳細に説明す
る。マグネシウム成分としては硝酸塩、塩化物、硫酸塩
及び各種有機酸塩等の塩が挙げられるが、焼成時に分解
除去され不純物を残留しないものが好ましい。また、金
属マグネシウムを酸性液に溶解する方法も適用できる。
珪素成分としては、コロイダルシリカ等のシリカゾル、
あるいはアルコキシドなど溶液中でシリカゾルとなる成
分が好ましい。また、酸性液中のマグネシウムや珪素な
どの金属成分濃度は高いほどゲル化した際の均一性の保
持及び生産性の点から好ましい。このためマグネシウム
成分は、珪素成分を含む溶液、例えばシリカゾルと液状
で混合するのではなく、粉末状などの固体状で混合し酸
性液を調製することが好ましい。酸性液中のマグネシウ
ム、珪素の金属濃度、特に形成されるシリカゾルの濃度
が重要であり、SiO2換算で1.0 mol/l 以上が好ましい。
【0006】例えば、珪素成分として、シリカゾルを使
用した場合、ゲル化の方法としては酸性液にアルカリを
加える方法あるいは水分を除去してゲル化する方法があ
る。加えるアルカリとしてはアンモニア水が金属不純物
の混入がなく好ましい。アルカリを加えてゲル化する際
のpHとしてはゲルの粘度が最大となる範囲が望まし
く、具体的にはpH7付近が好ましく、pH5〜9の範
囲が好ましい。ゲル化したのち濾過を行なわない点が本
発明の特徴であり、得られたゲルをそのまま焼成する。
水分を除去してゲル化する方法としては真空濃縮法や加
熱濃縮法などが適用できる。
【0007】焼成温度は塩類の分解に充分な温度が必要
であり、具体的には500 ℃以上が好ましい。また、粉末
形態を製造する際の焼成温度は組成によって異なるが、
例えばステアタイト(MgO ・ SiO2)組成では1400℃以下
が好ましく、フォルステライト(MgO ・2SiO2)組成では
1600℃以下が好ましい。これはこの温度以上では粉末の
凝集が強固になり易く、得られる粉末の成形性や焼結性
などの粉末特性が低下するからである。また、ゲルをそ
のまま焼成によって焼結体を製造する際の焼成温度は組
成によって異なるが、例えばステアタイト(MgO ・ Si
O2)組成では1200℃〜1500℃程度であり、フォルステラ
イト(MgO・2SiO2)組成では1550℃〜1850℃程度であ
る。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例について具体的に説明
する。 [実施例1]SiO2濃度20重量%のコロイダルシリカ(日
産化学(株)社製「Snowtex-O 」)に硝酸マグネシウム
(Mg(NO3)2・6H2O )をステアタイト(MgO ・ SiO2)組成
となるように添加溶解した。この酸性液中のシリカゾル
の濃度はSiO2換算で約 2.2 mol/lであった。この酸性液
にアンモニア水(28%溶液)を徐々に添加してpH7とし
てゲル化した。得られたゲルをアルミナ製ルツボに入
れ、温度1100℃で3 時間空気中で焼成した。得られた酸
化物をボールミルにより20時間解砕して粉末を得た。
【0009】得られた粉末の不純物分析を行なったとこ
ろ原料に含まれるNa2Oが約0.01重量%検出された以外、
不純物はなく高純度であることが確認された。また、組
成分析の結果、MgO とSiO2の組成比は分析誤差範囲内で
仕込組成通りであり組成制御性が高いことが確認され
た。この粉末に5 重量%のポリビニルアルコール水溶液
を粉体重量に対して5 重量%加えて造粒した。造粒粉末
を20 mm φの円筒形状の金型に入れ圧力 1 t/cm2で加圧
成形した。その成形体を温度1400〜1500℃で2 時間焼結
したところ、焼結体の密度は理論密度の97.2%で高密度
焼結体を得た。また、焼結体の組成分布観察をEPMA
(電子プローブマイクロアナライザー)を用いて行なっ
た結果、Mg及びSi成分とも均一に分布しており偏析は見
られなかった。
【0010】[比較例1]沈澱法により実施例1で合成
したステアタイト(MgO ・ SiO2)組成の酸化物を合成し
た。シリカ原料としては実施例1で用いたコロイダルシ
リカを用いた。また、マグネシウム溶液は実施例1で用
いた硝酸マグネシウムを水に溶解して濃度1.56 m mol/g
の飽和水溶液として調製した。これらの溶液をステアタ
イト(MgO・ SiO2)組成となるように混合して酸性液を
調製した。沈澱形成には水酸化マグネシウム沈澱が形成
されるまで実施例1で用いたアンモニア水を添加して、
pH10程度とした。得られた沈澱を濾過し、得られた沈澱
を実施例1同様にアルミナ製ルツボに入れ、温度1100℃
で3 時間空気中で焼成した。得られた粉末の組成分析の
結果、MgO 成分が仕込に対して43%しか検出されず、組
成ずれを起こしており組成制御性が非常に悪いことが判
明した。
【0011】[比較例2]固相法により実施例1で合成
したステアタイト(MgO ・ SiO2)組成の酸化物を合成し
た。酸化マグネシウム(MgO )及びシリカ(SiO2)粉末
をボールミルを用いて10時間混合した。得られた混合物
を実施例1と同様に温度1100℃で3 時間空気中で仮焼し
た。得られた仮焼物をボールミルにより20時間解砕して
粉末を得た。また、実施例1と同様の条件で成形体を作
製し、温度1400〜1500℃で2時間焼結したところ、焼結
体の密度は理論密度の88.6%で密度の低い焼結体であっ
た。また、焼結体の組成分布観察をEPMA(電子プロ
ーブマイクロアナライザー)を用いて行なった結果、Mg
及びSi成分とも偏析が観察された。したがって実施例に
比較して組成の均一性が低いことが判明した。
【0012】[実施例2]実施例1においてステアタイ
ト(MgO ・ SiO2)組成の替わりにフォルステライト(2M
gO・ SiO2)組成となるように酸性液を調製した。この酸
性液中のシリカゾルの濃度はSiO2換算で約 1.6 mol/lで
あった。この酸性液にアンモニア水(28%溶液)を徐々
に添加してpH7 としてゲル化した。得られたゲルをアル
ミナ製ルツボに入れ、温度1400℃で3時間空気中で焼成
した。得られた酸化物をボールミルにより20時間解砕し
て粉末を得た。得られた粉末は実施例1と同様に高純度
で組成制御性の高いことが確認された。また、実施例1
と同様の条件で成形体を作製し、温度1600〜1700℃で2
時間焼結したところ、焼結体の密度は理論密度の96.5%
で高密度焼結体を得た。また、焼結体の組成分布観察を
EPMA(電子プローブマイクロアナライザー)を用い
て行なった結果、Mg及びSi成分とも均一に分布しており
偏析は見られなかった。
【0013】[比較例3]固相法により実施例2で合成
したフォルステライト(2MgO・ SiO2)組成の酸化物を合
成した。酸化マグネシウム(MgO)及びシリカ(SiO2
粉末をボールミルを用いて10時間混合した。得られた混
合物を実施例2と同様に温度1400℃で3時間空気中で仮
焼した。得られた仮焼物をボールミルにより20時間解砕
して粉末を得た。また、実施例1と同様の条件で成形体
を作製し、温度1600〜1700℃で2 時間焼結したところ、
焼結体の密度は理論密度の86.3%で密度の低い焼結体で
あった。また、焼結体の組成分布観察をEPMA(電子
プローブマイクロアナライザー)を用いて行なった結
果、Mg及びSi成分とも偏析が見られ特にMgの偏析が顕著
に観察された。したがって実施例に比較して組成の均一
性が低いことが判明した。
【0014】
【発明の効果】本発明の方法によれば高純度で均一性が
高く組成制御されたMgO-SiO2系酸化物を製造することが
でき、焼結性の高い粉末を合成することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネシウム成分と珪素成分を含む酸性
    液をゲル化したのち、焼成することを特徴とするMgO-Si
    O2系酸化物の製造方法。
JP30521991A 1991-10-24 1991-10-24 MgO−SiO2系酸化物の製造方法 Pending JPH05116929A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002368388A (ja) * 2001-06-11 2002-12-20 Murata Mfg Co Ltd 回路基板の反り防止方法、反り矯正方法およびそれに用いる治具
US7208434B2 (en) 2003-12-12 2007-04-24 Electronics And Telecommunications Research Institute Dielectric ceramic composition of forsterite system for microwave and millimeter-wave application and method for forming the same

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002368388A (ja) * 2001-06-11 2002-12-20 Murata Mfg Co Ltd 回路基板の反り防止方法、反り矯正方法およびそれに用いる治具
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