JPH05116562A - 車両のスリツプ制御装置 - Google Patents

車両のスリツプ制御装置

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Publication number
JPH05116562A
JPH05116562A JP3278007A JP27800791A JPH05116562A JP H05116562 A JPH05116562 A JP H05116562A JP 3278007 A JP3278007 A JP 3278007A JP 27800791 A JP27800791 A JP 27800791A JP H05116562 A JPH05116562 A JP H05116562A
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JP
Japan
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stator
slip
speed
torque
torque converter
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Pending
Application number
JP3278007A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuya Sakida
克哉 崎田
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Filing date
Publication date
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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Auxiliary Drives, Propulsion Controls, And Safety Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 目標トルクをより確実に求めてトラクション
制御性を確保することができる車両のスリップ制御装置
を提供することにある。 【構成】 エンジン1の出力がトルクコンバータ16、
自動変速機17を介して後輪19,20に伝達され、ト
ルクコンバータ16のステータはブレーキ手段により固
定及び回転可能に支持されている。ECU33は各車輪
速センサ24,25,26,27からの信号により後輪
19,20のスリップの発生を判断する。トルクコンバ
ータECU51は後輪19,20にスリップが発生して
いないときにブレーキ手段を制御してコンバータレンジ
でトルクコンバータ16のステータを回転不能に固定
し、又、カップリングレンジでステータを回転自在な状
態にし、さらに、スリップが発生しているときにステー
タを回転不能に固定する。ECU33はスリップが発生
すると、駆動輪速度が車両速度に応じて定まる目標駆動
輪速度となるようにスロットル弁4の開度を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両のスリップ制御
装置に係り、詳しくは、トルクコンバータを備えた車両
のスリップ制御装置に関するするものである。
【0002】
【従来の技術】従来、特開平2−19622号公報には
トルクコンバータ付自動変速機を備えた車両のスリップ
制御装置が開示されている。この装置は、駆動輪速度が
車両速度に応じて定まる目標駆動輪速度になるように推
進力(駆動輪のトルク)をフィードバック制御するとと
もに、駆動輪にスリップが発生したときに駆動輪の加速
度を検出してフィードバック制御の初期値を駆動輪加速
度に応じて定めるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、エンジンから
駆動輪への動力伝達系にはトルクコンバータが介在され
ているので、図31のようにトルクコンバータでのクラ
ッチポイント(速度比e=ec )で速度比eに対するト
ルク比が変曲点を持つことになり、目標トルク算出時に
直線性を失ってトラクションの制御性が悪化してしま
う。
【0004】そこで、この発明の目的は、目標トルクを
より確実に求めてトラクション制御性を確保することが
できる車両のスリップ制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、図32に示
すように、エンジンから車両の駆動輪への動力伝達系に
配置されたトルクコンバータM1と、車両の駆動輪の速
度を検出する駆動輪速度検出手段M2と、車両の走行速
度を検出する走行速度検出手段M3と、前記駆動輪速度
検出手段M2と走行速度検出手段M3より前記駆動輪の
スリップの発生を判断するスリップ発生判断手段M4
と、前記トルクコンバータM1のステータを固定及び回
転可能に支持するブレーキ手段M5と、車両の推進力を
調整する推進力調整手段M6と、前記スリップ発生判断
手段M4により駆動輪にスリップが発生すると、駆動輪
速度が走行速度に応じて定まる目標駆動輪速度となるよ
うに前記推進力調整手段M6による推進力を制御する推
進力制御手段M7と、前記スリップ発生判断手段M4に
より駆動輪にスリップが発生していないときに前記ブレ
ーキ手段M5を制御してコンバータレンジでトルクコン
バータM1のステータを回転不能に固定し、又、カップ
リングレンジでトルクコンバータM1のステータを回転
自在な状態にする第1のステータ制御手段M8と、前記
スリップ発生判断手段M4により駆動輪にスリップが発
生しているときに前記ブレーキ手段M5を制御してトル
クコンバータM1のステータを回転不能に固定あるいは
回転自在な状態にする第2のステータ制御手段M9とを
備えた車両のスリップ制御装置をその要旨とするもので
ある。
【0006】
【作用】スリップ発生判断手段M4は駆動輪速度検出手
段M2と走行速度検出手段M3より駆動輪のスリップの
発生を判断する。そして、推進力制御手段M7はスリッ
プ発生判断手段M4により駆動輪にスリップが発生する
と、駆動輪速度が走行速度に応じて定まる目標駆動輪速
度となるように推進力調整手段M6による推進力を制御
する。又、第1のステータ制御手段M8はスリップ発生
判断手段M4により駆動輪にスリップが発生していない
ときにブレーキ手段M5を制御してコンバータレンジで
トルクコンバータM1のステータを回転不能に固定し、
又、カップリングレンジでトルクコンバータM1のステ
ータを回転自在な状態にする。又、第2のステータ制御
手段M9はスリップ発生判断手段M4により駆動輪にス
リップが発生しているときにブレーキ手段M5を制御し
てトルクコンバータM1のステータを回転不能に固定あ
るいは回転自在な状態にする。その結果、駆動輪にスリ
ップが発生した場合には、トルクコンバータM1での速
度比・トルク比特性において変曲点をもたないこととな
り、推進力制御手段M7による推進力制御が安定して行
われる。
【0007】
【実施例】以下、この発明を具体化した一実施例を図面
に従って説明する。図1には全体の概略構成を示す。内
燃機関1(以下、単にエンジンという)は火花点火式の
4気筒ガソリンエンジンであって、このエンジン1は車
両に搭載されている。エンジン1には吸気管2及び排気
管3が接続されている。吸気管2は図示しないエアクリ
ーナに接続された集合部2aと、この集合部2aと接続
されたサージタンク2bと、サージタンク2bからエン
ジン1の各気筒に対応して分岐した分岐部2cとからな
る。
【0008】集合部2aにはスロットル弁4が設けら
れ、スロットル弁4の開度調整によりエンジン1に吸入
される空気量が調節されてエンジン1で発生される出力
が調整される。このスロットル弁4の弁軸はステップモ
ータ5及びスロットルセンサ6が連結され、ステップモ
ータ5にてスロットル弁4の開度が調節されるとともに
スロットルセンサ6にてスロットル弁4の開度が検出さ
れる。尚、ステップモータ5にはモータ5の全閉位置を
検出するモータ全閉センサ7が設けられている。
【0009】又、集合部2aでのスロットル弁4の上流
位置には、吸気温度を検出する吸気温センサ8が設けら
れている。さらに、サージタンク2bには吸気管2内の
圧力を検出する吸気管圧力センサ9が設けられ、又、各
分岐部2cには分岐部2c内に燃料を噴射する電磁式燃
料噴射弁10が各々設けられている。
【0010】又、エンジン1には各気筒に対応して吸入
された混合気を点火するための点火プラグ11が設けら
れている。この点火プラグ11は高圧コードを介してデ
ィストリビュータ12と接続されており、このディスリ
ビュータ12はイグナイタ13と電気的に接続されてい
る。そして、上記ディストリビュータ12にはエンジン
回転に同期した信号を出力する回転センサ14が設けら
れている。さらに、エンジン1にはエンジン冷却水の温
度を検出する水温センサ15が設けられている。
【0011】エンジン1で発生された動力はトルクコン
バータ16,自動変速機17,ディファレンシャルギヤ
18等を介して駆動輪をなす右後輪19,左後輪20に
伝えられる。自動変速機17にはそのギヤ位置に対応し
たギヤ位置信号を出力するギヤ位置センサ21が備えら
れ、又、右後輪19,左後輪20及び従動輪をなす右前
輪22,左前輪23にはそれぞれ車輪速を検出するため
の車輪速センサ24,25,26,27が設けられてい
る。
【0012】アクセル操作量センサ28はアクセルペダ
ル29の操作量に対応した信号を出力する。アクセル全
閉センサ30はアクセルペダル29が開放されてアクセ
ル全閉となっている状態を検出する。ブレーキセンサ3
1はブレーキペダル32が踏み込まれたときにオンす
る。電子制御ユニット(ECU)33は上述の各センサ
からの信号を入力して、これらの信号に基づき上記ステ
ップモータ5,噴射弁10,イグナイタ13を駆動する
ための信号を出力する。
【0013】上記ECU33は、CPU34とRAM3
5,36とROM37と入力ポート38と入力カウンタ
39とタイマ40と割込制御部41と出力回路42,4
3,44とバスライン45と電源回路46,47とイン
ターフェース回路48とを備えている。CPU34は各
種の演算を実行し、RAM35にはCPU34での演算
で必要なデータが一時的に格納され、RAM36にはC
PU34での演算で必要でありエンジン作動中逐次更新
され車両のキースイッチ49がオフされた後であっても
記憶保持が必要なデータが格納される。ROM37はC
PU34での演算で用いられる定数等が予め格納されて
いる。入力ポート38は上記各センサの信号を入力し、
タイマ40は時間を測定し、割込制御部41は入力カウ
ンタ39及びタイマ40のデータ内容に従ってCPU3
4に対して割込をかける。出力回路42,43,44は
ステップモータ5,噴射弁10,イグナイタ13を駆動
するための信号を出力する。又、バスライン45にて上
記ECU構成要素間のデータ伝達路が形成されている。
さらに、電源回路46は、バッテリ50とキースイッチ
49を介して接続され、RAM36を除く他の各要素に
対して電力を供給する。電源回路47はバッテリ50と
直接接続され、RAM36に電力を供給する。
【0014】さらに、CPU34はインターフェイス回
路48を介してトルクコンバータECU51と相互通信
を行うことができるようになっている。図2にはトルク
コンバータ16及びその制御系統を示す。
【0015】トルクコンバータ16はポンプインペラ5
2とタービンライナ53とステータ54とから構成され
ている。ポンプインペラ52はエンジンクランク軸55
に連結され、タービンライナ53は自動変速機17の入
力軸となる出力軸56に連結されている。ステータ54
は例えば湿式多板ブレーキ手段57を介してトランスミ
ッションハウジング等の固定部材に連結されている。
【0016】ブレーキ手段57は、その締結及び開放を
制御するピストン58を内装したシリンダ59を有し、
このシリンダ59に流体圧配管60を介して所定圧力の
ライン圧が供給されている。又、流体圧配管60の途中
には、高圧部の油圧低下を防止するオリフィス61を介
挿した分岐管62が連結され、この分岐管62とドレン
ポート63との間に電磁開閉弁64が介挿されている。
【0017】トルクコンバータECU51には、インタ
ーフェース回路66、CPU67及び記憶装置68が備
えられている。入力側回転数センサ69はエンジンクラ
ンク軸55の回転数を検出するとともに、出力側回転数
センサ70は出力軸56の回転数を検出する。そして、
各センサ69,70の検出信号がトルクコンバータEC
U51のインターフェイス66に供給されており、か
つ、インターフェイス66の出力側に前記電磁開閉弁6
4を駆動する駆動回路65が接続されている。
【0018】そして、駆動回路65への開弁指令により
(ソレノイド制御情報SOL=0)、電磁開閉弁64が
開放状態に制御されると、ブレーキ手段57に供給され
るライン圧がドレーンポート63を介してタンクに戻さ
れるので、ブレーキ手段57が非作動状態となる。その
結果、トルクコンバータ16のステータ54が固定部に
対して自由回転し得る状態となる。又、駆動回路65へ
の閉弁指令により(ソレノイド制御情報SOL=1)、
電磁開閉弁64が閉鎖状態に制御され、ブレーキ手段5
7に所定圧力のライン圧が供給され、これによりピスト
ン58が左方に押圧されてブレーキ手段57が作動状態
となる。その結果、トルクコンバータ16のステータ5
4が固定部材に固定することになる。
【0019】記憶装置68は、CPU67の演算処理に
必要な処理プログラムを予め記憶しているとともに、演
算処理に必要な各種データを記憶しており、さらに演算
処理結果を逐次記憶する。又、CPU67はインターフ
ェース回路66を介してECU33との相互通信を行
う。
【0020】本実施例では、スロットル弁4にて推進力
調整手段を、車輪速センサ24,25にて駆動輪速度検
出手段を、車輪速センサ26,27にて走行速度検出手
段を、ECU33にてスリップ発生判断手段及び推進力
制御手段を、トルクコンバータECU51にて第1及び
第2のステータ制御手段を構成している。
【0021】次に、このように構成した車両のスリップ
制御装置の作用を説明する。まず、トルクコンバータE
CU51の処理手順を図3,4を用いて説明する。トル
クコンバータECU51は、常時は図3に示すメインプ
ログラムを実行しており、ステップ100で、特開昭5
7−47056号公報の第12図に記載されている変速
制御メインルーチンと同様の変速メインルーチンを実行
する。この変速制御メインルーチンは、少なくとも車速
とエンジン負荷としてのスロットル開度とから所定の変
速記憶テーブルを参照して変速段を決定するとともに、
これに応じたシフトソレノイドの組合せを指定し、これ
らに基づき変速が行われたか否かを判定し、1速から2
速への1−2アップシフト時及び2速から3速への2−
3アップシフト時にこれらを表す“12”及び“23”
をアドレスCHANGEで指定される記憶装置68の記
憶領域に記憶し、且つ変速段に応じたライン圧制御を行
うための低油圧目標値を設定する。
【0022】そして、トルクコンバータECU51は、
タイマで設定される場所時間(例えば20msec)毎
に図3のメインプログラムに対して図4に示すタイマ割
込処理を実行する。
【0023】このタイマ割込処理は、まず、ステップ2
00で、ECU33からの送信データで後述するトラク
ション実行フラグFTとアクセル全閉センサ30、ブレ
ーキセンサ31、入力側回転数センサ69、出力側回転
数センサ70の各検出信号を読込み、これらを夫々検出
値IDL, BF ,NE ,NT として記憶装置68の所定
記憶領域に一時記憶する。
【0024】次いで、ステップ300に移行して、回転
数検出値NE ,NT を読出し、これらに基づき速度比e
(=NT /NE )を算出し、その算出結果を記憶装置6
8の所定記憶領域に記憶する。
【0025】次のステップ400ではトラクション実行
フラグFTの判定を行い、トラクション実行中の場合は
ステップ600へ移行し、実行中でない時にはステップ
500へ移行する。
【0026】このステップ500では、前記ステップ3
00で算出した速度比eが所定設定値、即ち、クラッチ
ポイントに対応する速度比ec 未満であるか否かを判定
し、e<ec であるときには、ステップ600に移行し
て、電磁開閉弁64を閉弁(ブレーキ手段57を締結)
させるようにソレノイド制御情報SOL=1をセット
し、e≧ec であるときには、ステップ700に移行し
て電磁開閉弁64を開弁状態(ブレーキ手段57を解
放)とするソレノイド制御情報SOL=0をセットす
る。
【0027】その後、ステップ600及び700からス
テップ800に移行して、ソレノイド制御情報SOLに
対応する指令をインタフェース回路66から駆動回路6
5に出力する。さらに、ステップ900で制御結果のデ
ータをECU33へ出力してから割込処理を終了して、
前記メインプログラムに復帰する。
【0028】このように、トラクション制御中でないと
き(駆動輪にスリップが発生していないとき)には、ス
テップ500,600,700での処理によりブレーキ
手段57が制御されて、図5での破線で示すようにコン
バータレンジ(エンジンクランク軸55と出力軸56の
速度比が小さい場合)ではトルクコンバータ16のステ
ータ54を回転不能に固定する。その結果、エンジン1
のクランク軸55の回転によりポンプインペラ52が回
転するとフルードが外周方向へ流れタービンライナ53
を回そうとする力が発生して出力軸56が回転するとと
もに、ステータ54が固定されているのでステータ5に
フルードの流れが当たりポンプインペラ52を回転させ
ようとする方向に転換されてトルクが増幅される。又、
カップリングレンジ(タービンライナ53の回転数が高
くなりポンプインペラ52の回転数に近くなったとき)
においてはトルクコンバータ16のステータ54が回転
自在な状態になり、ワンウェイクラッチとして機能す
る。
【0029】この際、車両が加速状態にあるときには、
速度比eが所定設定速度比ec 未満となりクラッチポイ
ントより小さいコンバータレンジとなるので、ステップ
500からステップ600に移行してソレノイド制御情
報SOL=1をセットして加速走行状態における駆動ト
ルクを大きくすることができる。
【0030】又、トラクション制御中のとき(駆動輪に
スリップが発生しているとき)には、ステップ400→
600の処理によりブレーキ手段57が締結状態に制御
されてトルクコンバータ16のステータ54を回転不能
に固定する。その結果、図5での実線で示すように変曲
点のない特性を得ることができる。
【0031】図6にはECU33が実行する処理のフロ
ーチャートを示す。この処理は電源投入時に起動しステ
ップ2000で各制御変数を初期化する。次に、ステッ
プ3000でアクチュエータの動作位置の初期化並びに
プライマリーチェックとして知られる動作確認を行う。
次のステップ4000ではデジタル及びアナログ信号の
入力、車両走行状態の判定、並びにその判定に対応した
データ作成を行う。続いて、ステップ5000では後述
する燃料噴射実行処理のための燃料噴射量の算出を行
い、ステップ6000ではスロットル制御ベース処理を
行い、目標スロットル開度を算出する。そして、ステッ
プ6000終了後、定時割込み待ちの状態に移る。定時
割込みはステップ2000に図1のタイマ40に設定
し、その後10ms毎に発生しステップ4000以下が
起動される。
【0032】次に、ステップ4000の信号入力ベース
処理を図7を用いて説明する。この処理ではまずステッ
プ4100でアナログ信号の吸気温度HTA,アクセル
操作量AA,吸気管圧PM,冷却水温HTW,スロット
ル開度TA,ギヤ位置GPを入力し、ステップ4200
でデジタル信号のアクセル全閉信号IDL,モータ全閉
信号MOFF,ブレーキ踏込み信号BRKを入力する。
次に、ステップ4250でトルクコンバータECU51
との通信によりトルクコンバータ16の速度比eとブレ
ーキ手段57の作動状態を示すフラグFBKを入力す
る。ここで、トルクコンバータ16のブレーキ手段57
の締結時はFBK=1,解放時はFBK=0となる。
【0033】次に、ステップ4300で車速信号処理を
行うが、ここでは図8に示すような車輪速に同期した車
速割込み処理で得られた右前輪速度VFR,左前輪速度
VFL,右後輪速度VRR,左後輪速度VRLから制御
に必要な基準速度などを算出する。
【0034】具体的には図9に示すようにステップ43
10で従動輪である右前輪の速度VFRと左前輪の速度
VFLとを平均して車両速度(走行速度)Vを求める。
次に、ステップ4320で車両速度Vと第1判定速度K
Sを比較し、V≧KSならばステップ4330へ、V<
KSならばステップ4340へ進む。ステップ4330
では目標駆動輪速度VtをV×目標スリップ率Sと定
め、ステップ4340ではVt=V+第1オフセット速
度Soff と定める。尚、ここで第1判定速度KSはSof
f =KS×Sとなるように設定されている。
【0035】即ち、図10に示すように駆動輪速度は少
なくとも第1オフセット速度Soffだけは車速より大き
な速度で回転し続けるように設定される。目標駆動輪速
度Vtを決定すると、次にステップ4350で車両速度
Vと第2判定速度KTを比較し、V≧KTならばステッ
プ4370へ、V<KTならばステップ4360へ進
み、ステップ4370ではトラクション制御開始速度V
hをV×トラクション制御開始スリップ率Hと定め、ス
テップ4360ではVh=V+オフセット速度Hoff と
定める。尚、ここで第2判定速度KTはHoff =KT×
Hとなるように設定されている。
【0036】従って、図10に示すように駆動輪速度が
車速に対して少なくとも第2オフセット速度Hoff 以上
になったときに駆動輪がスリップしたと判断し、そのス
リップを抑制するためのトラクション制御が開始される
ようトラクション制御開始速度Vhが設定される。
【0037】尚、本発明者らは上記処理中の定数の値と
してS=0.1,Soff =2Km/h,KS=20Km
/h,H=0.2,Hoff =4Km/h,KT=20K
m/hと選んだ。
【0038】次のステップ4380,4390では左右
の駆動輪速度信号VRL,VRRからタイヤと路面の摩
擦で生じる振動を取除くための処理を行う。この振動
は、周期30〜50ms程度となることが多く、車両挙
動を表す成分ではないため精度の高い制御を行う場合取
除かねばならない。本実施例では10〜30Hzの領域
のみ除く帯域除去フィルタを用いてノイズ除去してい
る。なお、発進加速時のみに対応する場合は10Hz以
上の成分をすべて除く処理を行ってもよい。こうして得
られた左右の駆動輪信号をそれぞれVRLF,VRRF
とし、最後にステップ4395でVRLF,VRRFの
前回値VRLFO,VRRFOとの差分を取って左駆動
輪加速度GVRL,右駆動輪加速度GVRRをそれぞれ
求め、車速信号処理を終了する。
【0039】再び図7に戻って、ステップ4400では
図11に示したようなスリップ状態判定処理を実行す
る。まずステップ4410で左後輪(駆動輪)20の速
度VRLFとトラクション目標駆動輪速度Vtを比較
し、VRLF<Vtならばステップ4420へ進む。ス
テップ4420では左後輪保留速度XVRLと左後輪速
度VRLFを比較し、XVRL=VRLFならばステッ
プ4450でカウンタCRLの値を1インクリメントす
る。XVRL≠VRLFならばステップ4430で左後
輪保留速度XVRLに左後輪速度VRLFを代入しステ
ップ4440でカウンタCRLの値を1とする。ステッ
プ4440,4450の後はステップ4460で左駆動
輪初期加速度GRLをクリア(=0)し、ステップ45
20の右駆動輪処理に移る。
【0040】前記ステップ4410においてVRLF≧
Vtと判定されるとステップ4470へ進み、VRLF
とトラクション制御開始速度Vhとを比較し、VRLF
<Vhならばステップ4480でカウンタCRLの値を
1インクリメントしてからステップ4520へ移行す
る。前記ステップ4470においてVRLF≧Vhなら
ばステップ4490で左駆動輪終端速度YVRLに左駆
動輪速度VRLFの値を代入し、次のステップ4500
ではXVRL,YVRL,CRLから左駆動輪初期加速
度GRLを求め、ステップ4510でトラクション速度
条件フラグFTSをセットしてステップ4520へ進
む。従って、ステップ4410〜4510の処理により
左後輪20のスリップ発生が判断されるとともに、その
判断時点での左後輪20の加速度(左駆動輪初期加速
度)GRLが求められる。
【0041】続くステップ4520では左後輪20につ
いて行った上記処理(ステップ4410〜4510)と
同じ処理を右後輪19についても行い右後輪19のスリ
ップ発生を判断するとともに、その判断時点での右後輪
の加速度、すなわち右駆動輪初期加速度GRRを求め
る。最後にステップ4530で左駆動輪初期加速度GR
Lと右駆動輪初期加速度GRRから初期加速度GFIを
求め、終了する。
【0042】図7の信号入力ベース処理ステップ400
0におけるスリップ状態判定ステップ4400の次には
ステップ4600でトラクション制御の開始及び終了を
判定する。その詳細を図12に示す。まず、ステップ4
610でスロットル弁4の駆動系等の異常の有無を判断
する別処理にて異常有と判断されたときにセットされる
フェイルフラグFFをみて、セットされていればステッ
プ4660でトラクション実行フラグFTをリセットし
て終了する。ステップ4610においてフェイルフラグ
FFがリセットされていれば、ステップ4615でブレ
ーキセンサ31からのブレーキ踏込み信号BRKがON
ならばステップ4660へ、OFFならばステップ46
20に進む。ステップ4620ではアクセル操作量AA
をみて操作量判定値KA(本実施例ではKA=1.5
°)と比較し、AA≦KAならばステップ4660へ進
み、又、AA>KAならばステップ4630に進む。ス
テップ4630ではトラクション実行フラグFTをみて
トラクション実行中かを判定しセットされていれば、ス
テップ4670でスロットル制御ベース処理ステップ6
000で算出される目標スロットル開度THとトラクシ
ョン時目標開度THTRCを比較し、TH≦THTRC
ならばステップ4680でトラクション実行フラグFT
をリセットしてからステップ4690へ進み、TH>T
HTRCならばそのままステップ4690へ進み、ステ
ップ4690ではトラクション速度条件フラグFTSを
リセットして本処理を終える。前記ステップ4630に
おいてトラクション実行フラグFTがリセットされてい
るとき、即ち、トラクションが実行されていないときは
ステップ4640でトラクション速度条件フラグFTS
を見てセットされていればステップ4650でトラクシ
ョン実行フラグFTをセットし、リセットされていなけ
ればステップ4650を迂回して本処理を終了する。
【0043】以上の信号入力ベース処理ステップ400
0によりトラクション制御に必要なデータ及びフラグが
用意され、次にそれらを使った制御が順次行われる。図
13に燃料噴射ベース処理ステップ5000を示す。ま
ず、ステップ5100で、吸気管圧力PM,エンジン回
転数Neから基本パルス幅を決め、さらにエンジン冷却
水温THW,吸気温度THAより基本パルス幅を補正し
て燃料噴射パルス幅TIを求める。次に、ステップ52
10でトラクション実行フラグFTがセットされている
かを見て、リセットされていればステップ5280に移
行する。
【0044】前記ステップ5210においてトラクショ
ン実行フラグFTがセットされている場合はステップ5
220に進み、トラクション実行フラグFTがセットさ
れた直後かを判断して、直後と判断した場合はステップ
5230に進む。ステップ5230ではスリップ状態判
定ステップ4400で求めた駆動輪の初期加速度GFI
に応じて予め定めたROM37内に記憶しておいたマッ
プより燃料カット期間KCFCを設定する。尚、燃料カ
ット期間KCFCは初期加速度GFIが大きい時ほど、
即ち、摩擦係数μが低く路面からの摩擦反力が小さいほ
ど長くなったおり、マップの内容としては例えば図14
のように定められている。次に、ステップ5240で燃
料カット期間KCFCを燃料カットカウンタCFCにセ
ットして、ステップ5270に進む。前記ステップ52
20においてトラクション実行フラグFTがセットされ
た直後でない、即ち、発生したスリップを抑制するため
のトラクション制御が実行中であるならば、ステップ5
250に進む。ステップ5250では、燃料カットカウ
ンタCFCの値を見て、CFC=0ならばステップ52
80に進み、CFC≠0ならばステップ5260にて燃
料カットカウンタCFCを1デクリメントし、ステップ
5270に進む。ステップ5270ではステップ510
0で定めた燃料噴射パルス幅TIを0とする。そして、
上述の各ステップを終えてステップ5280に進むと、
ステップ5280では点火時期SAを各種入力信号に基
づいて算出してから本処理を終了する。
【0045】尚、上述の処理で用いられるエンジン回転
数Neの算出と上述の処理で定められた燃料噴射パルス
幅TIに応じた噴射弁10の開弁処理は図15に示すエ
ンジン回転割込み(クランク過度30度毎に発生)にて
行われる。
【0046】そして、図13のステップ5210〜52
70の処理により駆動輪のスリップ発生と判断された時
点から初期加速度GFIで定まる所定時間は燃料の噴射
が停止される。これは、トラクション制御の開始直後は
吸気系の応答遅れにより後述するスロットル弁4による
トルク低減だけでは充分すみやかにエンジントルクの低
減ができないのを補うためである。
【0047】次に、スロットル制御ベース処理ステップ
6000を図16に基づき説明する。まず、ステップ6
010でエンジン回転数Neに対応した最大スロットル
開度THMAXをROM37内に格納され図17のよう
に設定されたデータ・テーブルを補間演算して求める。
これは、スロットル開度に対してエンジントルクが飽和
する点を求め、それ以上スロットル弁4を開けないよう
にして閉弁時のスロットル弁4の応答性を確保するため
のものである。ステップ6020ではこの最大スロット
ル開度THMAXとアクセル操作量AAに応じて定まる
アクセル対応目標スロットル開度THAAとの内の小さ
い方を目標スロットル開度THとする。次のステップ6
030ではトラクション実行フラグFTを調べトラクシ
ョン実行フラグFTがセットされていればステップ60
40へ、リセットされていれば6050へ進む。ステッ
プ6050ではスロットル弁4によるトラクション開始
フラグFTTをリセットしステップ6060で上記目標
スロットル開度THをステップモータ目標ステップ数C
MDとし、ステップ6070へ進む。ステップ6040
ではトラクション開始フラグFTTを調べリセットされ
ていればスロットル弁4によるトラクション制御実行時
の初回処理と判断し、ステップ6100で現在(スリッ
プ発生と判断した時点)の駆動輪トルクTWを算出す
る。
【0048】ここで、駆動輪トルクTW算出ステップ6
100における処理を図18に示す。まず、ステップ6
110においてエンジン回転数Neに応じて図19に示
すように、トルクサチュレート開度Tsat とゼロトルク
開度Tzeroを補間演算にて求める。尚、トルクサチュレ
ート開度Tsat はスロットル開度とエンジントルクとの
関係を示す線における直線部分の上限であり、前述の最
大スロットル開度THMAX以下の開度である。又、ゼ
ロトルク開度Tzeroはエンジントルクが零となるスロッ
トル開度のことである。このTsat とTzeroのマップの
一例を図21に示す。
【0049】次に、図18のステップ6120では現在
のスロットル開度TAとトルクサチュレート開度Tsat
との関係を判断し、Tsat >TAならばステップ613
0にてトルクサチュレート開度Tsat とゼロトルク開度
zeroと現在のスロットル開度TAと最大スロットル開
度におけるエンジントルク(飽和トルクMAXT)とを
用いて現在のエンジントルクTEを算出し、またTsat
≦TAならばステップ6140にて飽和トルクMAXT
を現在のエンジントルクTEとする。
【0050】次に、ステップ6150でギヤ位置センサ
21からのギヤ位置信号に応じてトータルの変速比TS
HFTを予め求められた値より検索する。図20はその
値の一例である。
【0051】次に、ステップ6160でブレーキ状態の
フラグFBKの判定を行い、1であれば例えば図22の
マップより速度比eを基にトルクコンバータのトルク増
幅率RTORを補間演算して求める。前記ステップ61
60においてFBK≠1であればステップ6180では
トルク増幅率RTOR=1とする。次のステップ619
0では次式より駆動輪トルクTW TW=TE×TSHFT×RTOR を算出して本処理を終了する。
【0052】尚、上述TW算出処理における飽和トルク
MAXTは一定値でもよいが、エンジントルクは空気密
度によって変化することから空気密度が変化する要因
(空気温度,大気圧)によって飽和トルクを補償するよ
うにしてもよい。
【0053】図16のステップ6100の処理が終わる
と、ステップ6200にて現在(スリップ発生と判断し
た時点)の駆動輪トルクTWと駆動輪の初期加速度GF
Iとを用いて後述する目標駆動トルクFXの算出で用い
る積分制御項FIの初期値を求めて、制御項の前回値F
IOに代入する。
【0054】FIO=KG×GFI+KT×TW 尚、上述の式により駆動輪の初期加速度GFIと現在の
駆動輪トルクTWとを用いることで、積分制御項FIの
初期値が定められるが、その理由については、特開平2
−19622号公報に記載されているので、ここでは省
略する。
【0055】ステップ6200の処理を終えると、続く
ステップ6090にてトラクション開始フラグFTTを
セットしてステップ6300に進む。又、ステップ60
40にてトラクション開始フラグFTTがセットされて
いれば、上述のステップ6100,6200,6090
を迂回してステップ6300に進む。つまり、ステップ
6100,6200,6090はトラクション実行フラ
グFTがセットされた直後に一度だけ実行される。
【0056】ステップ6300では目標駆動トルクFX
を比例・積分処理(PI処理)により求める。詳しくは
図23に示すように、まずステップ6310で目標駆動
輪速度Vtと、車体信号処理ステップ4300で求めた
左後輪速度VRLFと右後輪速度VRRFとの大きい方
との差を求め、駆動輪速偏差DVとする。ステップ63
20では比例制御項FPを求めるために、比例ゲインK
FPに偏差DVをかける。ステップ6330では積分制
御項FIを求めるために積分ゲインKFIと偏差DVと
の積を積分制御項FIの前回値FIOに加える。ステッ
プ6340でFP,FIから目標駆動トルクFXを求
め、最後にステップ6350でステップ6330で求め
た積分制御項FIを前回値FIOとしてから終了する。
【0057】続いて、図16のステップ6400では上
述のステップ6300で求まった目標駆動トルクFXか
らトラクション時目標開度THTRCを算出する。この
算出処理も前述の図19に示したエンジントルクとスロ
ットル開度との直線性を利用してトラクション時目標開
度THTRCを図24に示す処理に基づいて算出する。
まず、ステップ6410では図18の駆動輪トルクTW
算出ステップ6100のステップ6110と同様にして
トルクサチュレート開度Tsat とゼロトルク開度Tzero
とをエンジン回転数Neに基づいて求める。ステップ6
420ではギヤ位置GPからギヤ比TSHFTを求め、
ステップ6430では前記ステップ6160〜6180
トルクコンバータ同様にトルク増幅率RTORを求め
る。そして、ステップ6440では上述のステップ64
10で求めたTsat ,Tzeroにより目標駆動トルクFX
を一次変換するとともに、ステップ6420,6430
で求めたTSHFT,RTORで補正してトラクション
時目標開度THTRCを定めて、本処理を終了する。
【0058】図16のステップ6400の処理を終える
と、ステップ6095に進み、ステップ6095では求
めたトラクション時目標開度THTRCを目標ステップ
数CMDにセットし、ステップ6070に進む。ステッ
プ6070では目標ステップ数CMDとステップモータ
5を駆動する際に用いるステップモータ5の現在位置を
示す実ステップ数POSとを比較し、両者が異なればス
テップ6080にてモータ駆動割込みを開始する処理を
行ってから本処理を終了し、両者が一致していれば、ス
テップ6080を迂回して本処理を終了する。
【0059】そして、上記モータ駆動割込みでは図25
に示すように、まずステップ1310で励磁相を更新し
てからステップ1320で実ステップ数POSを1増や
す。ステップ1330で目標ステップ数CMDと実ステ
ップ数POSとを比較し、一致していればステップ13
30でこの割込みの禁止処理を行ってステップモータ5
の回転を止める。不一致ならステップ1340,135
0で次回の励磁相と割込時刻とをセットし、本処理を終
了する。
【0060】このようなトラクション制御を行ったとき
の圧雪路面での実車走行データを、図26に示す。又、
図27には従来のトラクション制御装置を用いた場合を
示す。
【0061】図27の従来のトラクション制御装置にお
いては発進時に装置の応答遅れのために大きな初期スリ
ップが発生した後、目標速度にフィードバックするが、
目標駆動力の推定精度が悪いためにフィードバックの偏
差が大きく過剰なスリップが発生する。
【0062】それに対し図26の本実施例によるもので
は、発進時のスリップと同時にステータ54を固定する
ので、目標駆動力の推定精度が高くフィードバックの偏
差も小さく、車両の安定性が高い。又、ステータ54が
固定されているのでスリップが小さい領域ではトルクが
減少して、発進時の初期スリップの速度ピークが小さく
なる。
【0063】このように本実施例では、トルクコンバー
タ16のステータ54を固定及び回転可能に支持するブ
レーキ手段57を設け、車輪速センサ24,25(駆動
輪速度検出手段)により車両の後輪19,20(駆動
輪)の速度を検出するとともに、車輪速センサ26,2
7(走行速度検出手段)により車両の走行速度を検出す
るようにし、ECU33(スリップ発生判断手段、推進
力制御手段)は、各センサ24,25,26,27によ
り後輪19,20のスリップの発生を判断して、後輪1
9,20にスリップが発生すると、駆動輪速度が車両速
度に応じて定まる目標駆動輪速度となるようにによる推
進力を制御する。さらに、トルクコンバータECU51
(第1及び第2のステータ制御手段)はスリップが発生
していないときにブレーキ手段57を制御してコンバー
タレンジでトルクコンバータ16のステータ54を回転
不能に固定し、又、カップリングレンジでトルクコンバ
ータ16のステータ54を回転自在な状態にし、さら
に、後輪19,20にスリップが発生しているときにブ
レーキ手段57を制御してトルクコンバータ16のステ
ータ54を回転不能に固定する。よって、後輪19,2
0にスリップが発生した場合には、図5に示すように、
トルクコンバータ16での速度比・トルク比特性におい
て変曲点をもたないこととなり、目標トルクをより確実
に求めてトラクション制御性を確保することができる。
【0064】尚、この発明は上記実施例に限定されるこ
となく、例えば、前記実施例ではトラクション実行時に
ステータ54を回転不能に固定したが、図4に代わる図
28のフローチャートでのステップ400→700のよ
うにトラクション実行時、ステータ54を回転自在な状
態にしても図29のように変曲点が無くなるので同様の
効果が得られる。又、この場合には、トルクコンバータ
のトルクの増幅が無くなり、駆動トルクが小さくなるの
で、初期スリップが小さくなる。尚、図28には、トラ
クション実行時にステータ54を回転自在な状態にした
場合における圧雪路面での実車データを示す。又、上記
実施例ではスロットル弁4を用いた吸気量調整によるト
ラクション制御と燃料カットによるトラクション制御と
に適用したものについて述べたが、ブレーキについても
同様に適用でき、このブレーキ制御も併用すると、さら
により最適なトラクション制御が可能となる。さらに、
スリップ制御の手段としてエンジンの点火時期の制御が
あり、これはトルクの低減率20%程度であるが、最も
応答が早く、特に摩擦係数が小さいときは駆動輪のスリ
ップが大きくなるのを素早く抑えるために、遅角させる
と制御性が向上するものである。さらには、ガソリンエ
ンジン以外にも、ディーゼルエンジンに対しても適用可
能である。このブレーキ制御、エンジンの点火時期制
御、ディーゼルエンジンに適用した場合については、特
開平2−19622号公報に記載されているように行え
ばよく、ここではその説明は省略する。
【0065】
【発明の効果】以上詳述したようにこの発明によれば、
目標トルクをより確実に求めてトラクション制御性を確
保することができる優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の構成を示す図である。
【図2】トルクコンバータの構成を示す図である。
【図3】変速制御処理を示すフローチャートである。
【図4】トルクコンバータのステータ処理を示すフロー
チャートである。
【図5】速度比とトルク増幅率の関係を示す特性図であ
る。
【図6】フローチャートである。
【図7】信号入力ベース処理を示すフローチャートであ
る。
【図8】車速割込み処理を示すフローチャートである。
【図9】車速信号処理を示すフローチャートである。
【図10】タイムチャートである。
【図11】スリップ状態判定処理を示すフローチャート
である。
【図12】トラクション制御の開始及び終了判定処理を
示すフローチャートである。
【図13】燃料噴射ベース処理を示すフローチャートで
ある。
【図14】マップの内容を示す図である。
【図15】燃料噴射処理を示すフローチャートである。
【図16】スロットル制御ベース処理を示すフローチャ
ートである。
【図17】マップの内容を示す図である。
【図18】駆動輪トルク算出処理を示すフローチャート
である。
【図19】エンジントルクとスロットル開度との関係を
示す特性図である。
【図20】マップの内容を示す図である。
【図21】マップの内容を示す図である。
【図22】マップの内容を示す図である。
【図23】目標駆動トルク算出処理を示すフローチャー
トである。
【図24】トラクション時目標開度算出処理を示すフロ
ーチャートである。
【図25】モータ駆動割込み処理を示すフローチャート
である。
【図26】速度の推移を示す図である。
【図27】速度の推移を示す図である。
【図28】別例のトルクコンバータのステータ処理を示
すフローチャートである。
【図29】別例の速度比とトルク増幅率の関係を示す図
である。
【図30】別例の速度の推移を示す図である。
【図31】速度比とトルク比の関係を示す特性図であ
る。
【図32】クレーム対応図である。
【符号の説明】
1 エンジン、16 トルクコンバータ、19 駆動輪
としての右後輪、20駆動輪としての左後輪、24 駆
動輪速度検出手段としての車輪速センサ、25 駆動輪
速度検出手段としての車輪速センサ、26 走行速度検
出手段としての車輪速センサ、27 走行速度検出手段
としての車輪速センサ、33 スリップ発生判断手段及
び推進力制御手段としてのECU、51 第1及び第2
のステータ制御手段としてのトルクコンバータECU、
54 ステータ、57 ブレーキ手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 41/04 380 G 9039−3G 45/00 330 8109−3G 345 G 8109−3G

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンから車両の駆動輪への動力伝達
    系に配置されたトルクコンバータと、 車両の駆動輪の速度を検出する駆動輪速度検出手段と、 車両の走行速度を検出する走行速度検出手段と、 前記駆動輪速度検出手段と走行速度検出手段より前記駆
    動輪のスリップの発生を判断するスリップ発生判断手段
    と、 前記トルクコンバータのステータを固定及び回転可能に
    支持するブレーキ手段と、 車両の推進力を調整する推進力調整手段と、 前記スリップ発生判断手段により駆動輪にスリップが発
    生すると、駆動輪速度が走行速度に応じて定まる目標駆
    動輪速度となるように前記推進力調整手段による推進力
    を制御する推進力制御手段と、 前記スリップ発生判断手段により駆動輪にスリップが発
    生していないときに前記ブレーキ手段を制御してコンバ
    ータレンジでトルクコンバータのステータを回転不能に
    固定し、又、カップリングレンジでトルクコンバータの
    ステータを回転自在な状態にする第1のステータ制御手
    段と、 前記スリップ発生判断手段により駆動輪にスリップが発
    生しているときに前記ブレーキ手段を制御してトルクコ
    ンバータのステータを回転不能に固定あるいは回転自在
    な状態にする第2のステータ制御手段とを備えたことを
    特徴とする車両のスリップ制御装置。
JP3278007A 1991-10-24 1991-10-24 車両のスリツプ制御装置 Pending JPH05116562A (ja)

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