JPH0511631B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は現像時、現像ロールより感光体へト
ナーが転移することによつて生じる微弱電流を検
出して、この検出電流に応じてトナーの補給量を
制御する複写機のトナー供給率調整装置に関す
る。

従来の技術 従来電子複写機においては、露光工程により感
光体の表面に形成された静電潜像を、現像工程で
トナー像に現像し、転写工程でこのトナー像を用
紙へ転写している。また現像工程では、現像バイ
アスの印加された現像ロールにより感光体の表面
を現像しているが、現像時現像ロールより感光体
へトナーが転移する際、現像バイアス印加回路に
微弱電流が発生する。この微弱電流は現像ロール
より感光体へ転移したトナー量、すなわち現像時
のトナー消費量に比例するため、この電流値を検
出して、この電流値に見合つたトナーを新たに現
像装置へ補給すれば、現像装置内における現像剤
のトナー濃度は常に一定となり、これにより安定
した濃度の複写画像が得られるようになる。

また上記方法を利用した「複写機の自動画像濃
度制御方法」もすでに特願昭59−274175号、特願
昭59−274176号、特願昭59−274177号、特願昭59
−274178号などで出願されている。

発明が解決しようとする問題点 しかし何れの出願も「複写機の自動画像濃度制
御方法」に関する出願であつて、具体的な制御装
置については開示されていなかつた。

この発明は画像濃度を自動的に制御する複写機
において、最適なトナー供給率が簡単に調整でき
るようにしたトナー供給率調整装置を提供しよう
とするものである。

問題点を解決するための手段及び作用 現像時消費されたトナー量を現像バイアス印加
回路に設けた電流検出手段により検出して、この
電流値に応じてトナー供給モータを回転制御する
ことにより、トナー消費量に見合つた量のトナー
を現像装置へ供給するものにおいて、画像占有率
が既知で画像占有率が低い調整用原稿と画像占有
率が既知で画像占有率が高い調整用原稿の複写時
に消費されたトナー量に対応する電流値を電流検
出手段により検出し、トナー消費量に見合う電流
値の差から得られる最適なトナー供給率を算出す
る手段、上記トナー供給モータ１９の電流値に対
するモータの回転時間の関係を可変にするトナー
供給率調整手段、最適なトナー供給率となつたの
を表示する手段とを設けることにより、最適なト
ナー供給率の調整が測定器などを必要としないで
短時間で行なえるようにした複写機のトナー供給
率調整装置。

実施例 この発明の一実施例を図面を参照して詳述す
る。図において１は複写機の感光体、２は該感光
体１の表面を帯電する帯電器、３は原稿像を感光
体１の表面に導びいて感光体１の表面に静電潜像
を形成するセルホツクレンズなどの光学系を示
す。露光工程によつて感光体１の表面に形成され
た静電潜像は現像装置４によりトナー像に現像さ
れた後転写器５の部分で図示しない給紙装置によ
り給紙された用紙６に転写され、さらに搬送手段
７により図示しない定着装置へ送られ用紙６上の
トナー像が用紙６の表面に定着される。また用紙
６に転写されずに感光体１の表面に残留する未転
写トナーはクリーニング装置８により除去され
る。

一方上記現像装置４はハウジング４ａ内に感光
体１と近接して現像ロール１０が設けられてい
る。上記現像ロール１０は第２図に示すように磁
極を配置した磁石ロール１０ａの周囲に、図示し
ない駆動系により矢印方向へ回転されるスリーブ
１０ｂを設けた構造で、現像バイアス印加回面１
１により現像バイアス電源１２が印加されている
と共に、磁石ロール１０ａの磁気作用でスリーブ
１０ａの表面にはハウジング４ａ内の現像剤がブ
ラシ状に吸着されている。またスリーブ１０ｂの
表面に吸着され出現像剤はトリミングバー１３に
より穂立ち高さが一定となるようトリミングされ
た後感光体１に達して、感光体１の表面に形成さ
れた静電潜像を現像するようになつており、現像
ロール１０より感光体１へトナーが転写する際、
現像バイアス印加回路１１に次のように微弱電流
が流れる。

すなわち感光体１と現像ロール１０の間には第
２図に示すように通常1.0〜1.5mm程度の隙間があ
り、現像時この隙間は十分に絶縁性を有するキヤ
リアと、該キヤリアとの摩擦帯電によりキヤリア
に静電的に吸着された十分に絶縁性を有するトナ
ーによつて埋められる。

このとき摩擦帯電によりある電荷を有するトナ
ーとキヤリアは電気的にバランスしているが、静
電潜像の形成された感光体１の表面と接触した際
静電潜像が有している電荷量に見合う分だけ現像
剤中のトナーが感光体１側へ転移する。その結果
トナー粒子が帯びていた電荷分、現像ロール１０
上より電荷が消失し、これを補充するため現像ロ
ール１０へ微弱電流が流れる。

この微弱電流は現像時現像ロール１０より感光
体１へ転移したトナー量、すなわち現像により消
費されたトナー消費量と比例するもので、現像バ
イアス印加回路１１に設けられた電流検出器１４
により検出されて、マイクロコンピユータよりな
る制御装置１５へと取込まれる。制御装置１５に
は第３図に示すようにトナー供給率を調整するた
めの可変抵抗器１６と、トナー供給率が最適値と
なつたときに点滅する発光ダイオード１７及びト
ナー供給率調整時オンにしてトナー供給率調整モ
ードとする切換えスイツチ１８が設けられてい
て、次のようにトナー供給率が調整できるように
なつている。

トナー供給率の調整に当つては、第４図に示す
ようなトナー濃度調整用原稿２０を用意する。こ
の原稿２０は前半分が白紙、すなわち画像占有率
が０％、そして後半分が画像占有率15％となつて
おり、この原稿２０を原稿台に載置して切換えス
イツチ１８をオンにした状態で複写を行うと、原
稿２０の前半分を現像した際に消費されたトナー
量と、後半分を現像した際のトナー消費量が電流
値として現像バイアス印加回路１１に設けられた
電流検出器１４により検出されて制御装置１５へ
取込まれる。制御装置１５はこれらトナー消費量
に見合う電流値の差から最適なトナー供給率を算
出し、トナー供給率調整用の可変抵抗器１６で設
定された値と比較し、その結果を発光ダイオード
１７へ出力する。もし可変抵抗器１６で設定され
たトナー供給率が、制御装置１５が算出した最適
トナー供給率より限度以上に高い場合は発光ダイ
オード１７は消灯し、また逆に低い場合は点灯す
るので、可変抵抗器１６により設定したトナー供
給率が最適値より高いか、低いかが容易に判別で
きる。高い場合はトナー供給率が低くなるよう、
そして低い場合は高くなるよう可変抵抗器１６を
調整する。調整によつて可変抵抗器１６による設
定値が最適トナー供給率の許容範囲に入ると、発
光ダイオード１７に「Ｈ」と「Ｌ」の信号が交互
に出力されて発光ダイオード１７が点滅するた
め、最適トナー供給率の調整が容易に行なえる。

調整後は切換えスイツチ１８をオフにしてトナ
ー供給率調整モードを解除すると、以後は可変抵
抗器１６で設定された最適トナー供給率により補
正された制御信号が制御装置１５よりトナー供給
モータ１９へ出力されてトナー供給モータ１９の
動作時間が制御される。トナー供給モータ１９は
トナー供給用オーガ２１に接続されていて、動作
時間に応じてトナー供給用オーガ２１を駆動し、
現像時消費されたトナー量に見合つた量のトナー
を現像装置４へと供給するようになつている。

なおトナー供給率調整用に使用した原稿２０の
後半分の画像占有率を15％としたが、これは一般
原稿のもつとも画像占有率の高い原稿が通常15％
程度であるためこの値としたが、この値に限定さ
れるものではない。

発明の効果 この発明は以上詳述したように、現像時消費さ
れたトナー量を現像バイアス印加回路に設けた電
流検出手段により検出して、この電流値に応じて
トナー供給モータを回転することにより、現像時
消費されたトナー量に見合つた量のトナーを現像
装置へ供給するようにした複写機において、画像
占有率が既知で画像占有率が低い調整用原稿と画
像占有率が既知で画像占有率が高い調整用原稿の
複写時に消費されたトナー量に対応する電流値を
電流検出手段により検出し、トナー消費量に見合
う電流値の差から得られる適なトナー供給率を算
出する手段、上記トナー供給モータ１９の電流値
に対するモータの回転時間の関係を可変にするト
ナー供給率調整手段、トナー供給率が最適値とな
つたのを表示する手段を設けたことから、複写機
毎にトナー供給率にバラツキがあつても簡単に最
適値に調整することが可能である。また従来では
複写機毎にトナー消費量を測定して、これらデー
タにより最適なトナー供給率を算出し、得られた
値によりトナー供給率を設定する等の複雑な手順
が必要であつたが、これら手順を全く必要としな
いため、最適トナー供給率の調整が短時間で能率
よく行なえるようになる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の一実施例を示し、第１図は全
体の構成図、第２図は現像装置及び制御系の説明
図、第３図はこの発明装置のブロツク図、第４図
はトナー濃度調整用原稿の説明図である。 １１は現像バイアス印加回路、１５は制御装
置、１９はトナー供給モータ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 現像時消費されたトナー量を現像バイアス印
   加回路１１に設けた電流検出手段により検出し
   て、この電流値に応じてトナー供給モータ１９を
   回転制御することにより、トナー消費量に見合つ
   た量のトナーを現像装置４へ供給するものにおい
   て、 画像占有率が既知で画像占有率が低い調整用原
   稿と画像占有率が既知で画像占有率が高い調整用
   原稿の複写時に消費されたトナー量に対応する電
   流値を電流検出手段により検出し、トナー消費量
   に見合う電流値の差から得られる最適なトナー供
   給率を算出する手段、上記トナー供給モータ１９
   の電流値に対するモータの回転時間の関係を可変
   にするトナー供給率調整手段、トナー供給モータ
   １９のトナー供給率が前記最適なトナー供給率と
   なつた時に表示する表示手段、とを備えたことを
   特徴とする複写機のトナー供給率調整装置。