JPH05116292A - インク滴噴射記録ヘツド及びその記録方法と装置 - Google Patents

インク滴噴射記録ヘツド及びその記録方法と装置

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JPH05116292A
JPH05116292A JP28321791A JP28321791A JPH05116292A JP H05116292 A JPH05116292 A JP H05116292A JP 28321791 A JP28321791 A JP 28321791A JP 28321791 A JP28321791 A JP 28321791A JP H05116292 A JPH05116292 A JP H05116292A
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ink
recording
ejection
bubbles
discharge
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JP28321791A
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English (en)
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Toshiji Inui
利治 乾
Kazuhiro Nakajima
一浩 中島
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Canon Inc
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 吐出した液滴に引きずられて行く追従、付随
インクが、吐出インクの体積を変化させ、画質を低下さ
せる新規課題を解決し、吐出インク滴自体を安定化せし
める記録ヘッド、記録方法、及び装置の提供である。 【構成】 吐出部と該平面発熱部との間で、記録用イン
クを滴状に吐出するための吐出部に連通するインク供給
路内の記録用インク液を吐出させるための発熱部とは異
なるインク供給路内壁位置にあってインク供給路内に突
出する突出部を具備したことを特徴とする。 【効果】 インクの分離を促進できるので、生起された
気泡を外気と連通させて液滴を吐出させる際の、液滴の
体積を常に安定化させサテライトによる画像乱れのない
高品位な記録画像を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱エネルギーを利用して
液滴を紙、樹脂シート、布等の記録材に対して飛翔させ
て記録を行なうためのインク滴噴射記録ヘッド及びその
記録方法と装置に関する。
【0002】
【従来技術】液体あるいは加熱により溶融可能な固体の
記録媒体(インク)を熱エネルギーを利用して被記録材
に付着させて画像形成を行なうインクジェット記録方法
は、高速記録が可能であり、また比較的記録品位も高
く、低騒音であるという利点を有している。さらに、こ
の方法はカラー画像記録が比較的容易であって、普通紙
等にも記録でき、さらに装置を小型化し易いといった多
くの優れた利点を有している。
【0003】このようなインクジェット記録方法を用い
る記録装置には、一般にインクを飛翔インク滴として吐
出させるための吐出口と、この吐出口に連通するインク
路とこのインク路の一部に設けられインク路内のインク
に吐出のための吐出エネルギーを与えるエネルギー発生
手段とを有する記録ヘッドが備えられる。例えば、特公
昭61−59911号、特公昭61−59912号、特
公昭61−59913号、特公昭61−59914号の
各公報には、エネルギー発生手段として電気熱変換体を
用い、電気パルス印加によってこれが発生する熱エネル
ギーをインクに作用させてインクを吐出させる方法が開
示されている。
【0004】すなわち、上記各公報に開示されている記
録方法は、熱エネルギーの作用を受けたインクが急峻な
体積の増大を伴なう状態変化を起こし、この状態変化に
基づく膜沸騰領域の気泡の主として成長と収縮により、
記録ヘッド部先端の吐出口よりインクを吐出し、この吐
出インク滴が被記録媒体に付着して画像形成を行なうも
のである。この方法によれば記録ヘッドにおける吐出口
を高密度に配設することができるので、高解像度、高品
質の画像を高速で記録することができ、この方法を用い
た記録装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリなどに
おける情報出力手段として用いることができる。
【0005】他方、熱エネルギを使用するものの実現条
件は不明なインクジェット記録方法としては、特開昭5
4−161935号公報に記載される方法がある。この
公報では円筒状発熱体によって液室内のインクをガス化
(核沸騰によると思われる)させ、このガスをインク滴
と共にインク吐出口より吐出させる。この方法によれ
ば、ガスを微小滴状に噴出させてしまい、画質は不良と
なる。また、このガスの噴出によってガス化したインク
がスプラッシュやミストなどを生じ、その結果記録紙の
地汚れとなったり、装置内の汚れとなることがあった。
【0006】また、例えば特開昭61−197246号
公報には、従来の熱エネルギーを用いたインクジェット
記録方法を変形させた方法を用いる熱転写的記録装置に
関する記載がある。すなわち、この装置では、単発的な
インク吐出であり、加えて記録媒体と発熱素子とを完全
に密着させることが困難であるため、従来の吐出口を有
する記録ヘッドを用いたインクジェト記録方法に比べ、
熱効率が低下しやすく高速記録に適さないといった問題
がある。
【0007】[背景技術]以上説明したようなインクジ
ェット記録方式の問題点を解決するため、本出願人は吐
出のためにインクを加熱することにより生成される膜沸
騰による気泡を吐出口近傍で外気に連通させて吐出を行
うインクジェット記録方式(以下、この方式を連通吐出
方式とも言う)について提案した(特願平2−1128
32号,特願平2−112833号,特願平2−112
834号,特願平2−114472号,特願平3−16
9962号)。
【0008】上記連通吐出方式によれば、気泡を形成し
ているガスが吐出されるインク滴と共に噴出することは
ないので、スプラッシュやミストなどの発生を低減し、
被記録媒体上の地汚れや装置内の汚れを防ぐことができ
る。
【0009】また、上記連通吐出方式の基本的な作用と
して、気泡が生成される部位より吐出口側にあるインク
は原理的に全てインク滴となって吐出されるということ
がある。このため、吐出インク量は、吐出口から上記気
泡生成部位までの距離等、記録ヘッドの構造によって定
めることができる。この結果、上記連通吐出方式によれ
ば、インク温度の変化等の影響をそれ程受けずに吐出量
の安定した吐出を行うことが可能となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、液体のスプ
ラッシュやミストが上述したように解決されることで、
粉砕した画像である従来に比べて、画像品質は格段に優
れたものとなる。が、これに付随して、吐出した液滴に
引きずられて行く追従液体が、わずかに存在しているこ
とがわかった。通常では、この追従液体は、比較的微小
な滴になり、画像を大きく乱すものではない。しかしな
がら、多くの研究の中から、環境変化や使用する液体の
特性によっては、この微小滴はその体積を変化させてし
まい、画質を低下させてしまう場合が見られた。
【0011】この問題を追及すると、気泡の大気連通後
に、吐出している液体の後方に対して、液体供給路内か
ら、液体が供給されていることがわかった。この供給さ
れてしまう液体は、液体供給路の構造や液体自体の特性
によって変化やすいことがわかった。従って、適正な液
体組成を選出することはこの解決方法として一法であ
る。
【0012】しかし、インクや、液体には記録上の制約
や、液体噴射を適用する機器の要求から種々の改良を余
儀なくされてしまうものであるので、限定された解決方
法となるであろう。本発明は、この新規な技術課題に鑑
みて液体に種々の要求から特性を常温固体性や、定着性
等を考慮されたものであっても、液体に左右されずに確
実に吐出液体を安定したものにできる発明を提供するも
のである。
【0013】本発明の目的は、上記新規な技術課題を解
決し、吐出インク滴に影響を与えずに付随液体を最小限
に抑えることのできる記録ヘッド、記録方法さらには記
録装置を提供するものである。
【0014】また、本発明は、上記目的に加えて、従来
のスプラッシュやミストなどの発生を確実に防止でき、
画像を形成するための吐出インク滴自体を安定化せしめ
る液体噴射記録方法の提供を別の目的とするものであ
る。
【0015】[発明の概要]上記目的を達成するための
本発明記録ヘッドは、記録用インク滴を吐出するための
吐出部と、該吐出部に連通するインク供給路と、該イン
ク供給路の記録用インクに膜沸騰を生じせしめその気泡
を外気に連通させるための熱エネルギー発生手段と、該
吐出部と該熱エネルギー発生手段との間に位置し噴射さ
れるインクの吐出部側とインク供給路内のインクとの分
離を促進する分離促進部材と、を有することを特徴とす
るインク滴噴射記録ヘッドである。
【0016】また、本発明記録方法は、吐出部に連通す
るインク供給路に記録用インクを保持させる工程と、該
インク供給路の記録用インクに熱エネルギーを供給し膜
沸騰を生じせしめその気泡を外気に連通させる工程と、
該吐出部と該熱エネルギー発生手段との間に位置しイン
ク分離を促進する分離促進部材により、噴射されるイン
クの吐出部側とインク供給路内のインクとを分離する工
程と、を有することを特徴とするインク滴噴射記録方法
である。
【0017】更に、本発明記録装置は、記録用インク滴
を吐出するための吐出部と、該吐出部に連通するインク
供給路と、該インク供給路の記録用インクに形成した気
泡を外気に連通させるための熱エネルギー供給手段と、
該吐出部と該熱エネルギー供給手段との間に位置し噴射
されるインクの吐出部側とインク供給路内のインクとの
分離を促進する分離促進部材と、を有するインク滴噴射
記録手段と、該インク滴噴射記録手段に上記気泡を膜沸
騰で形成するための駆動信号を記録信号に応じて供給す
る駆動手段と、該インク滴噴射記録手段により記録され
る記録材を搬送する搬送手段とを有し該インク滴噴射記
録手段と記録媒体との相対移動において該インク滴によ
り記録を行うことを特徴とするインク滴噴射記録装置で
ある。
【0018】本発明は、上述した構成のうち、吐出部と
該熱エネルギー発生手段との間に位置しインク分離を促
進する分離促進部材を具備していることで、付随インク
や液体の影響を速やかに排除でき、吐出したインク滴の
状態を安定化できるものである。従って、本発明の各発
明によれば、気泡を大気等の外気に連通させて形成され
る液滴を極めて安定したものにできるので、記録画像を
高画質化できる。
【0019】本発明がより効果を発揮する構成として
は、インク供給路内の記録用インク液を吐出させるため
の熱エネルギーを供給する平面発熱部を備えた電気熱変
換体に対して、吐出部と該平面発熱部との間で該平面発
熱部とは異なるインク供給路内壁位置にあってインク供
給路内に突出する突出部を具備した記録手段を用いて、
前記電気熱変換体により平面発熱部に気泡を生起させて
外気と連通させるとともに記録用インク液を該突出部よ
り滴状に吐出させることを特徴とするインク滴噴射記録
方法である。
【0020】また、上記各発明を一層優れた発明にする
構成、条件としては、第1に上記連通時にインク路は上
記気泡で遮断されていないことを特徴とすること、第2
に上記連通時は、上記気泡の内圧が外気圧以下の条件で
前記気泡を外気と連通させること、第3に上記連通時
は、上記気泡の吐出方向先端部の移動速度の加速度が正
でない条件で上記気泡を外気と連通させること、或は第
4に上記平面発熱部の吐出部側端部とのバブルの吐出部
側端部との距離laが吐出エネルギー発生手段の吐出部
とは反対側の端部とバブルの吐出部とは反対側の端部と
の距離lbに対して、la/lb≧1なる条件下で該吐
出エネルギー発生手段により液体中に生起されたバブル
を吐出部より外気と連通させることの少なくとも1つを
挙げることができる。
【0021】
【実施例】第1図は本発明の液体噴射記録ヘッドの実施
例の要部斜視図で、記録用インクを滴状に吐出するため
の吐出部1と、該吐出部に連通するインク供給路2と、
該インク供給路2内の記録用インク液を吐出させるため
の熱エネルギーを供給する平面発熱部4を備えた電気熱
変換体と、該吐出部1と該平面発熱部4との間で該平面
発熱部4とは異なるインク供給路内壁を形成する天板7
のインク路側の位置に設けられインク供給路内に突出す
る突出部3と、を具備した構成を示しています。
【0022】この突出部3を持たない記録ヘッドでは、
インク供給路内の気泡が外気に連通した後に、吐出した
インクに引き続く付随インクが存在し、インク供給路2
内のインクが主として内壁7側からこの付随インクに供
給される。通常は、この付随インクは内壁7の幅の中心
部で適正に分離されるが、環境等の不安定要素がある
と、インク供給路2内のインクは内壁7の幅から連続し
て供給されてしまい、分離状態が不安定となり易い。
【0023】本記録ヘッドは、このような状態にあって
も、上記突出部3の存在によって、内壁7の幅全体及び
その幅の後方から供給されようとするインクをその高さ
H(突出成分)によって、供給を阻止して吐出液滴をイ
ンク路内インクから確実にしかも適正なタイミングで分
離できる。従って、吐出インク滴の体積や吐出状態を適
正なものとして記録を行なえるので、記録画像はバラツ
キの少ない、高画質なものとなる。
【0024】この突出部3による作用を示しているもの
が図2である。記録用インクを吐出させるための吐出部
1および液流路2を拡大したものである。液流路2中に
はエネルギー発生手段であるヒーターが設けられており
また吐出部1とヒーター4との間には突出部3がひさし
(以下図2ではひさし3と呼ぶ)のごとく位置してい
る。図1をひさし3としてみると、その高さが液流路2
の高さよりも低くなっている。図2(a)乃至図2
(e)は本発明の液体噴射記録ヘッドを用いた液体噴射
記録方法について示したものである。
【0025】図1、図2(a)乃至図2(e)におい
て、1は吐出部、3はひさし、4はヒーター、5は基
板、6はインク、7は天板、8は気泡、9は液滴、10
1は被記録媒体である。なお、液流路は基体5と天板7
および不指示の壁によって形成される。
【0026】図2(a)は、液流路内がインク6で満た
された初期状態である。まずヒータ4に瞬間的に電流を
流しパルス的にヒータ近傍のインクを加熱すると、イン
クは所謂膜沸騰による気泡(気泡)8がヒーター4上に
発生し、吐出部1の上部に向かって急激に膨張を始める
(図2(b))。さらに気泡8は膨張を続け、主として
慣性抵抗の低い吐出部1側へ成長し、ついには吐出部1
を越え、外気と気泡8が連通する(図2(C))。この
とき外気は気泡8内と平衡状態であるから気泡8内に流
入する。吐出部1より押し出されたインク6はこの瞬間
までに気泡8の膨張によって与えられた運動量のために
さらに前方へ飛翔を続け、ついには紙などの被記録媒体
101へ向かって飛翔する(図2(d))。
【0027】さてこの時、吐出部1とヒーター4との間
に設けられたひさし3により、吐出部1より押し出され
るインク6は素早く吐出部1側に残ったインク6と分断
されて独立な液滴となる。即ち気泡8の膨張によって吐
出部1の上部(ヒーター4の反対側の面)にインク6が
押し出され、そのインクが主たる液滴の後端部としてつ
ながって飛翔することを防止する。その結果、ひさしが
ない場合に比べインク滴が吐出部1より早く離れるの
で、被記録媒体に向かって飛翔する液滴はサテライトの
少ない概ね単独の液滴となる。
【0028】さらに吐出部1側先端部に生じた空隙は後
方のインク6の表面張力と液流路を形成する部材との濡
れによってインク6が図面右方向に供給され図2
(e))初期状態に戻る。前記被記録媒体101は、プ
ラテンに沿って、プラテン、ローラー、ベルト、或はそ
れらの任意の組み合せによって吐出部1に対向する位置
に搬送される。或は、被記録媒体101を固定し、吐出
部1を移動させる(記録ヘッドを移動させる)ようにし
てもよく、また、それらを組み合わせてもよいものであ
る。要は、吐出部1と被記録媒体101とが相対的に移
動可能とされ、被記録媒体101の所望の位置に所望の
吐出部1が対向するようにすれば良い。
【0029】さて、図2(c)では気泡8が外気と連通
したときに外気と気泡内の気体の移動がないか、外気が
気泡内に流入するためには、気泡の内圧が外気圧と等し
いかより低い条件で気泡を外気と連通させることが好ま
しい。この条件を得るための方法を図3、4で説明す
る。
【0030】図3ではt≧t1 の時刻で気泡を外気と
連通させればよい。実際には、気泡の成長に伴ってイン
クが吐出されてしまうため、気泡内圧または体積と時間
との関係のグラフは図4(a)に示されるようになる。
即ち、図4(a)において、t=tb(t1≦tb)の
時刻で気泡を外気と連通させれば良い。図4(b)はこ
の体積の時間に対する変化(dV/dt)がt=tbで
減少する時を示している。この条件で液滴を吐出させる
と、気泡内圧が外気圧より高い条件で気泡を外気と連通
させて液滴を吐出させる(ガスが大気中に噴出する)場
合に比べ、前述したようにインクのミストやスプラッシ
ュによる記録紙や装置内の汚れを防止できる。また、気
泡の体積が増大してから気泡を外気と連通させるので、
インクに対して十分な運動エネルギーを伝達することが
でき、吐出速度が大きくなるという効果が得られる。
【0031】即ち、気泡の内圧が外気圧よりも低い条件
で気泡を外気と連通させることは気泡の内圧が外気圧よ
り高い条件で連通させる場合に生じていた吐出部近傍の
不安定な液体を飛散させることがなく、また更には、該
圧力が等しい場合よりもその不安定な液体に液流路内に
引き込む力が僅かであるが、働くためより一層安定した
液体の吐出と不要液体の飛散防止を図ることができる。
【0032】記録ヘッドに設けられたひさし3は、図1
に示すように液流路に平行に設けた形状が付随インクの
集合を吐出インクに対して防止する効果から最適である
が、以下に同様の効果を得られる変形例を図5、6を用
いて説明する。これらは、付随インクとなるインクがイ
ンク路の幅方向の両端から天板7側の幅中央部に集まる
成分が最終的に重要であるため、これを阻止もしくは大
幅に減少させるか或は所定量に規定する構成例である。
これらにおいて、吐出部側の図1で言う高さHは、図示
していないが、図1と同様に満足されているものであ
る。
【0033】図5(a)は、図1の幅Wを吐出部側に形
成するようにインク供給路の上流側に向かって角度αを
形成する3角柱の形状である。これは、インクの再供給
を向上できるもので、図1例と、同様の付随インク阻止
効果がある。図5(b)は、図5(a)とは逆の無期の
3角柱の形状で、インク供給路の上流側では、天板側の
幅と同一の幅を有し、ここで、付随インクとなるインク
の継続を立つもので、ここから吐出部側へ向かう部分の
体積分は吐出インク滴になるため、液滴の体積をより定
量化する効果がある。図5(c)は、インク供給路の上
流側から徐々にインク路炉内に突出する構成で、液滴の
吐出と、インクの再供給を向上でき、主として、インク
路の幅方向の両端から天板7側の幅中央部に集まる成分
を阻止するものである。図5(d)は図1のひさし3の
幅Wを小さくし、高さHを大きくしたものである。図6
(a)、(b)はインク路の幅方向の両端から幅中央部
に向かって、インク路内に突出する傾斜部(角度θ1、
θ2等)を持つもので、角度θ1、θ2を持つ図6
(a)は、図5(b)と同様の作用構成を有し、図6
(b)は、図5(a)、(c)の構成の中間に位置する
効果を持つものである。
【0034】さらに、ひさし3は少なくとも吐出部とヒ
ーター間のみに設けることが、好ましいが、ヒーター4
上方間で延在してもよいし、ヒーター4よりもインク供
給路の上流側まで設けられていてもよい。本発明には、
吐出部1より飛翔したインクの後端が吐出部1の上部に
押しやられたインクとつながらずに早く離れるように吐
出部上部に設けられたひさしすべてを含むものである。
【0035】上記ひさし3の好ましい実用例は、上記高
さHが3μm以上、好ましくは、5μm以上で、インク
路のこの方向の高さの1/2以下が好ましい。また、上
記幅Wは、インク路の幅の1/2以下が好ましい。幅W
の下限は、1μm以上でよく実用上は3μm以上で十分
である。
【0036】ここで、本発明の記録ヘッドの製造につい
て、2種類の感光性材料を基板上に積層することによっ
て得る例について説明する。本発明は、この製造方法に
限定されないことは言うまでもないことである。
【0037】即ち、図7(a)に示すようにヒーター4
が設けられた基板20上に第1感光性材料層21を設
け、フォトマスク23を用いて該第1感光性材料層21
に所望のパターン露光を行なう。このときのパターン露
光は、図8(a)の斜線部に示す部分、即ち液流路壁と
なる部分が後の現像工程で残るように行なわれる。次い
で図7(b)に示すように、前記第1感光性材料層21
上に更に第2感光性材料層22を設けて該第2感光性材
料層22に所望のパターン露光をフォトマスク24を用
いて行なう。このときのパターン露光は、図8(b)の
斜線部、即ち液流路壁およびひさしの部分が後の現像工
程で残るように行なわれる。更に、図9(a)に示すよ
うに前記第2感光性材料層22上に天板25を設けた
後、前記第1および第2の感光性材料層の現像を行なう
ことで本発明の記録ヘッドを得ることができる。尚、天
板25を設ける際に、天板25と第2感光性材料層22
との間の密着力を上げるために接着層を設けてもよい。
【0038】前記第1感光性材料層21に使用される材
料としては、通常使用される感光性樹脂が挙げられる。
一般的に感光性材料としては、現像後に光照射部が残存
するネガ型と、光照射部が溶解するポジ型、および紫外
線や可視光に感光するタイプと、遠紫外線、電子線およ
びXー線等の電離放射線に感光するタイプの4種に大別
できる。
【0039】電離放射線用ネガ型レジスト材料として
は、分子構造内に不飽和二重結合を有する高分子化合
物、エポキシ基を有する化合物、シリコーン系高分子化
合物等が挙げられる。また紫外線や可視光用ネガ型レジ
ストは、前記したネガ型電離放射線材料に紫外線や可視
光用光重合開始剤、光架橋剤を添加したものである。ポ
ジ型レジスト材料としてはノボラック樹脂やビニルフェ
ノール等のアルカリ溶解性樹脂とキノンジアジド化合物
との混合系からなるポジ型レジストが挙げられる。また
電離放射線用ポジ型レジストとしては、ノボラック樹脂
やポリビニルフェノール等のアルカリ溶解性樹脂と2ー
メチルペンテンー1ースルフォン等のオレフィンスルフ
ォン化合物との混合系からなるレジスト、あるいは電離
放射線崩壊型樹脂からなるポジ型レジストを挙げること
ができる。
【0040】第1感光性材料層21を基板20上に形成
する方法としては、感光性材料を溶解した溶液をソルベ
ントコート法によって塗布してもよいし、また感光性材
料を塗布したドライフィルムを作製し、ラミネート法に
よって基板20上に積層してもよい。また第2感光性材
料層22に使用できる材料としては、前記した第1感光
性材料層21に使用する感光性材料の何れもが基本的に
は使用できる。しかし、第1および第2層に使用する感
光性材料は、感光性材料の形成工程および露光工程にお
いて相互に影響を及ぼさないように選択する必要があ
る。例えば、第1感光性材料層21上に第2感光性材料
層22を形成するに際しては、第1感光性材料層21に
影響を及ぼさないための手段が必要になる。例えば、第
2感光性材料層22の形成がドライフィルムによるラミ
ネート法であれば極めて第1感光性材料層22に対する
影響が軽微である。またソルベントコート法を使用する
場合においても、第1および第2感光性材料層の材料の
溶解特性を若干でも変化せしめれば形成可能となる。例
えば、第1感光性材料層21の材料として、水あるいは
アルコール等の極性の強い溶剤に溶解する材料を使用
し、その上にソルベントコートする第2感光性材料層2
2の樹脂材料として芳香族等の極性の低い溶剤に溶解す
る材料を選択し、第1感光性材料層21を溶解しないよ
うに塗布形成する等の方法がある。
【0041】また本発明の記録ヘッドは、簡単には樹脂
成形によって液流路および天井部分を一体成形して形成
し、基板と張り合わせることでも得ることができる。
【0042】更に本発明の記録ヘッドは、前記した感光
性材料を一層のみ設けることによっても得ることができ
る。例えばポジ型レジスト26を基板20上に形成し、
図9(b)に示すように斜線部には光が照射されないよ
うなフォトマスクを使って露光を行なう。次いで露光部
のレジストを現像除去した後、残った未露光部のレジス
ト上にエポキシ樹脂等の被覆樹脂を塗布形成し、更に天
板を張り合わせて前記被覆樹脂を硬化させ、最後に残っ
た未露光部のレジストを現像除去して所望のヘッドを得
ることができる。この方法ではひさしの形成される部分
のフォトマスクに細いパターン27が設けてあるが、該
パターン27の幅は前記ポジ型レジストの厚みに比べ十
分細いために忠実に解像させることができない。その結
果パターン露光を行なった後露光部を現像すると、パタ
ーン27に相当するところは図9(c)に示すように窪
み27aとなり、この部分に前記被覆樹脂28を形成し
レジスト26を現像除去すると所望のひさし部となる。
【0043】本発明の記録ヘッドに設けられるヒーター
4の位置は吐出部1の方向に近付けた位置に設けてあ
る。これは気泡を外気と連通させるために最も間便にと
れる手法である。しかしながら、単にヒーターを吐出部
に近付けるだけでは本発明の上記した条件を満たすこと
ができない。したがって、本発明の上記条件を満たすた
めには、ヒーターの発生する熱エネルギー量(ヒーター
の構成、形成材料、駆動条件、面積、ヒーターの設けら
れる基体の熱容量等)、インク物性、記録ヘッドの各部
の大きさ(吐出部とヒーター間の距離、吐出部や液流路
の幅および高さ)などを所望に応じて選択することによ
り気泡を所望の状態で外気と連通させることができる。
【0044】以上本発明の液体噴射記録ヘッドおよび液
体噴射記録方法について説明した。次にいくつかの例を
以下の実施例を用いて説明する。
【0045】(実施例1)図10〜11に示す記録ヘッ
ドを用いて画像形成を行なった。図10は作成した記録
ヘッドの斜視図、図11は一吐出部の拡大斜視図であ
る。この記録ヘッドは、基板10上に各液流路12を隔
てるように配置された壁11と、該壁に接するガラスの
透明天板7と、インク供給口13と、各液流路12に設
けられたヒータ4と、各液流路12内の上部(基板10
と対向する側)に設けられたひさし3より構成されてい
る。壁11は2種類の感光性樹脂層21および22によ
り構成されておりその厚みはそれぞれ12μm、6μm
である。更に天板7との間には接着層15が設けられて
いる。ヒータ4は図示しない電極によって画信号に応じ
て通電される。液流路12、ヒータ4、オリフィス1で
構成されるノズルの寸法は、高さは感光性樹脂層21お
よび22の厚みの合計であり18μm、幅が26μmで
あり、ひさしの幅は12μm、長さ12μm、高さは感
光性樹脂層22の厚みであり6μmである。またヒータ
のサイズは幅20μm×長さ29μm、ヒータ位置はそ
の最もオリフィス側の端からオリフィスまでの長さが1
2μmであり、1インチ当たり360ノズルの密度で4
8ノズル配置した。図13(a)はこのヘッドの上面図
である。
【0046】この記録ヘッドに、 C.I. フードブラック2 3.0重量% ジエチレングリコール 15.0重量% N- メチル-2- ピロリドン 5.0重量% イオン交換水 77.0重量% よりなる各配合成分を容器中で撹拌し、均一に混合溶解
させた後、孔径0.45μmのテフロン製フィルタで濾
過して得た粘度2.0cps(20℃)のインクをイン
ク供給口11より液室10に供給し吐出を試みた。
【0047】記録ヘッドのヒータ2の加熱条件は、1
0.0V,2.5μsec とし、これを2kHzで駆動し
た。まず、連続する16ノズルよりインクを吐出させた
状況をパルス光源と顕微鏡を用い観察したところ、発泡
開始より約1μsec 後に気泡が外気と連通している様子
が確認された。またオリフィスより吐出した液滴を観察
したところ、主たる液滴とサテライトが一つ確認され
た。主たる液滴の体積は各ノズルとも8±1plの範囲
に収まっており、またサテライトの体積はいずれも1p
l以下であった。また液滴の吐出速度は約23m/sec で
あった。
【0048】そこで次に1画素毎の市松模様になるよう
に画信号を48個のヒータ4に与えてインクを吐出、記
録紙に付着させたところ、記録紙上には印字ムラのない
所望の市松模様のパターンが作画された。この画像を拡
大して観察したところ余分なインクの飛散や地汚れのな
い鮮明な画像であった。
【0049】(実施例2)実施例1と同様の方法で図1
2に示すようなノズルおよびひさしの形状、寸法となる
ような記録ヘッドを作製した。すなわち、厚さ18μm
の第1感光樹性脂層および厚さ9μmの第2感光性樹脂
層を用い、ノズルの高さが27μm、幅が40μmであ
り、ひさしの高さが9μとなるようにした。またヒータ
ーのサイズは幅34μm×長さ40μm、ヒータ位置は
その最もオリフィス側の端からオリフィスまでの長さが
25μmであり、1インチ当たり400ノズルの密度で
64ノズル配置した。
【0050】この記録ヘッドに実施例1と同じインクを
供給し吐出を試みた。
【0051】記録ヘッドのヒータ4の加熱条件は、1
6.0V,2.5μsec とし、これを2kHzで駆動し
た。
【0052】まず、連続する16ノズルよりインクを吐
出させた状況をパルス光源と顕微鏡を用い観察したとこ
ろ、発泡開始より約1μsec 後に気泡が外気と連通して
いる様子が確認された。またオリフィスより吐出した液
滴を観察したところ、主たる液滴と1〜3個のサテライ
トが確認された。主たる液滴の体積は約33plであ
り、吐出速度は約16m/sであった。
【0053】そこで次に1画素毎の市松模様になるよう
に画信号を64個のヒータ42に与えてインクを吐出、
記録紙に付着させたところ、実施例1と同様に記録紙上
には印字ムラのない所望の市松模様のパターンが作画さ
れた。この画像を拡大して観察したところ余分なインク
の飛散や地汚れのない鮮明な画像であった。
【0054】(実施例3)ひとつのノズル部分が図13
(b)に示すようなパターンのフォトマスクを用いて、
基板上に厚み20μmで形成されたポジ型レジストに対
しパターン露光を行なった。ひさしに相当するパターン
27は線幅0.5μmでピッチが1μmのものを6本配
した。露光後、露光部のレジストを現像除去したところ
図13(c)に示す形状のパターンが得られた。この上
にエポキシ樹脂を被覆樹脂として形成した後天板を前記
被覆樹脂上に設けて被覆樹脂を硬化させ、さらに未露光
部のレジストを現像除去して所望の記録ヘッドを得た。
この記録ヘッドのヒータのサイズは幅18μm×長さ2
6μm、ヒータ位置はその最もオリフィス側の端からオ
リフィスまでの長さが15μmであり、1インチ当たり
400ノズルの密度で64ノズル配置した。
【0055】この記録ヘッドに実施例1と同じインクを
供給し、記録ヘッドのヒータ4の加熱条件は、10.0
V,2.5μsec とし、これを2kHzで駆動した。
【0056】まず、連続する16ノズルよりインクを吐
出させた状況をパルス光源と顕微鏡を用い観察したとこ
ろ、発泡開始より約1μsec 後に気泡が外気と連通して
いる様子が確認された。またオリフィスより吐出した液
滴を観察したところ、主たる液滴と1〜2個のサテライ
トが確認された。主たる液滴の体積は,約8plであ
り、吐出速度は約20m/sであった。
【0057】そこで次に1画素毎の市松模様になるよう
に画信号を64個のヒータ42に与えてインクを吐出、
記録紙に付着させたところ、実施例1と同様に記録紙上
には印字ムラのない所望の市松模様のパターンが作画さ
れた。この画像を拡大して観察したところ余分なインク
の飛散や地汚れのない鮮明な画像であった。
【0058】以上の例は、ヒータと吐出部が対向してい
ない構成であるが、本発明はこれらが対向している記録
ヘッドにおいても適用可能なものである。図14は、こ
の構成を表すもので、矢印のインク供給方向に関して、
吐出口1に内方に突出する突出部3A、3Bを備えたも
のである。この構成は、吐出口にヒータ4を対向させた
もので有るので、上記本発明の実施例で言う外気連通報
式の液滴吐出によれば通常は付随インクの存在は吐出口
中央部側になる(図15参照)ので、本発明は不要で有
る。しかし、製造上の不都合から、吐出部とヒータの位
置関係が乱れてしまい、気泡の外気に連通する部分が一
様でなくなると、上述した付随インクの発生による不都
合が見られる。本実施例は、この構成において、付随イ
ンクが発生し易い2か所の部分、即ちインク路方向に位
置する吐出口部分に上記突出部を設けたもので有る。本
例において、突出部の大きさは3A、3Bとで異なって
いてもよいし同一でもよいが、上記実施例の作用が得ら
れる範囲内の変更は任意で有る。
【0059】図15について簡単に説明する。図15
(a)、(b)は、本発明の概念のうち好ましい形態を
示すもので、代表的な液路Bの構成の2例を示すが、本
発明はこれに限定されない。図15(a)は、基板(不
図示)上に発熱抵抗層2を具備し、その面の側方吐出口
5(複数)を備える記録ヘッドを示している。E1、E
2は選択電極、共通電極を示す従来の構成である。Dは
保護層で、Cは共通液室である。電極E1、E2からの
記録信号に応じた電極信号(パルス信号)に応じて電極
E1、E2間の発熱部が膜沸騰を生じる急激な温度上昇
を短時間のうちに発生せしめ(300℃以上)、気泡6
を生成せしめる。この結果、本例では、吐出口5の発熱
抵抗層2側の端部Aで気泡6は大気と連通して安定した
液滴(破線7)を形成する。このように、吐出口5の周
縁近傍で大気(外気)と連通することで、スプラッシュ
することなく又、霧(ミスト)状のインク滴を発生する
ことなく液体を記録信号に応じて吐出することができ
る。この記録原理は、気泡6の成長段階で液路Bを完全
に遮断しないので、後続のインク記録のためのリフィル
特性が優れており、300℃以上の高温部の高熱も外気
側へ液出されるので応答周波数も優れている。図15
(b)は、共通液室Cを不図示としているが、液路Bを
屈曲した経路の液路としているもので、屈曲部の基板面
に発熱抵抗部2を備えている。吐出口は、吐出方向に面
積を減少する形状で、発熱抵抗部2に対向している。吐
出口(複数)はオリフィスプレートOPに形成されてい
る。図15(b)においても、上記図15(a)と同様
に膜沸騰(300℃以上)を生じせしめると、気泡6は
成長して、オリフィスプレートOPの厚み部分のインク
を押しやり、その部分のインクを希薄にする。この後気
泡6は、吐出口5の外気側周縁A1から内部側の吐出口
近傍領域A2で大気と連通する。このような連通状態に
よれば、スプラッシュすることなくミストも発生せずに
安定液滴(破線7)を吐出口中心部から吐出することが
できる。この時、気泡の成長は液路を遮断するものでは
ないので、吐出方向へ向かう必要のない液体を液路内液
体と連続した集合体として残すことができ、安定液滴7
の吐出量の安定化及び吐出速度の安定化へ貢献できる。
本実施例では膜沸騰のうち特に300℃以上の安定化域
を利用して急速且つ気泡成長を吐出口近傍へ急激にしか
も確実にすることができるので非遮断状態の液路のリフ
ィル性も手伝って高安定高速記録を達成できる。
【0060】図15(c)は、図15(b)の液路Bの
共通液室C側から発熱抵抗層2へ向う方向に関して一側
面側の該方向に関しての断面図である。図15(c)で
わかるように、液路B中の液体(斜線部)は、液滴7に
対して連通しており、その時の中央側の吐出口近傍の気
泡6が吐出口近傍で大気と連通する際に、液滴7と液路
内液体とが連通状態を保っていることが理解されよう。
6Wは、気泡のこの断面における気泡端部の形状を示し
ている。前述したように、図15(a)も同様に気泡が
大気と連通する際に、液路内液体が吐出口から突出した
液滴と連通しながら、液滴を徐々に分離していくので従
来のようなスプラッシュを防止でき、本発明の好ましい
条件の1つで有る。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように本発明の液体噴射記
録ヘッドによれば、吐出部とヒーター間に液流路よりも
その高さが低くなるようにひさしの如き、分離促進部材
を備えているので、生起された気泡を外気と連通させて
液滴を吐出させる際の、液滴の体積を常に安定化させサ
テライトによる画像乱れのない高品位な記録画像を得る
ことができる。
【0062】また、気泡の内圧が外気圧よりも低い状態
で気泡を外気と連通させるので、気泡内のガスが噴出す
ることを防ぎ、その結果ミストやスプラッシュによる記
録紙の地汚れや装置内の汚れを防止できる。更に、イン
クに対して気泡の運動エネルギーを十分に伝達すること
ができるので、吐出効率が高くなり、目詰まりを解消で
きる。また液滴の吐出速度が向上するため液滴の吐出方
向が安定すると共に、記録ヘッドと記録紙間の距離を広
げることができ、装置設計が容易になる。
【0063】更に、生起した気泡の消泡過程がないた
め、消泡によるヒータ破壊現象が解消され、記録ヘッド
の寿命が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体噴射記録ヘッドの概念を説明する
図である。
【図2】本発明の液体噴射記録方法の吐出状態の模式図
である。
【図3】内圧または体積と時間との関係を説明する図で
ある。
【図4】内圧または体積と時間との関係での連通時説明
する図である。
【図5】本発明の液体噴射記録ヘッドの他の形態を説明
する図である。
【図6】本発明の液体噴射記録ヘッドの他の形態を説明
する図である。
【図7】本発明の記録ヘッドを作製法を説明する図であ
る。
【図8】本発明の記録ヘッドを作製法を説明する図であ
る。
【図9】本発明の記録ヘッドを他の作製法を説明する図
である。
【図10】本発明の実施例で用いた記録ヘッドを説明す
る図である。
【図11】本発明の実施例で用いた記録ヘッドの部分を
説明する図である。
【図12】本発明の実施例で用いた他の記録ヘッドを説
明する図である。
【図13】本発明の実施例で用いた別の記録ヘッドを説
明する図である。
【図14】本発明の別の実施例を説明する図である。
【図15】本発明の実施例に適用可能な気泡外気連通方
式を説明する図である。
【符号の説明】
1 吐出部 2 液流路 3 ひさし 4 ヒーター 5 基体 6 インク 7 天板 8 気泡 9 液滴 10 基板 11 壁 12 液流路 13 インク供給口 15 接着層 20 基板 21 第1感光性樹脂層 22 第2感光性樹脂層 23 フォトマスク 24 フォトマスク 25 天板、 26 レジスト 27 パターン 28 被覆樹脂層 101 被記録媒体

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録用インク滴を吐出するための吐出部
    と、該吐出部に連通するインク供給路と、該インク供給
    路の記録用インクに膜沸騰を生じせしめその気泡を外気
    に連通させるための熱エネルギー発生手段と、該吐出部
    と該熱エネルギー発生手段との間に位置し噴射されるイ
    ンクの吐出部側とインク供給路内のインクとの分離を促
    進する分離促進部材と、を有することを特徴とするイン
    ク滴噴射記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 吐出部に連通するインク供給路に記録用
    インクを保持させる工程と、該インク供給路の記録用イ
    ンクに熱エネルギーを供給し膜沸騰を生じせしめその気
    泡を外気に連通させる工程と、該吐出部と該熱エネルギ
    ー発生手段との間に位置しインク分離を促進する分離促
    進部材により、噴射されるインクの吐出部側とインク供
    給路内のインクとを分離する工程と、を有することを特
    徴とするインク滴噴射記録方法。
  3. 【請求項3】 記録用インク滴を吐出するための吐出部
    と、該吐出部に連通するインク供給路と、該インク供給
    路の記録用インクに形成した気泡を外気に連通させるた
    めの熱エネルギー供給手段と、該吐出部と該熱エネルギ
    ー供給手段との間に位置し噴射されるインクの吐出部側
    とインク供給路内のインクとの分離を促進する分離促進
    部材と、を有するインク滴噴射記録手段と、 該インク滴噴射記録手段に上記気泡を膜沸騰で形成する
    ための駆動信号を記録信号に応じて供給する駆動手段
    と、 該インク滴噴射記録手段により記録される記録媒体を搬
    送する搬送手段と、 を有し、該インク滴噴射記録手段と記録媒体との相対移
    動において該インク滴により記録を行うことを特徴とす
    るインク滴噴射記録装置。
  4. 【請求項4】 記録用インクを滴状に吐出するための吐
    出部と、該吐出部に連通するインク供給路と、該インク
    供給路内の記録用インク液を吐出させるための熱エネル
    ギーを供給する平面発熱部を備えた電気熱変換体と、該
    吐出部と該平面発熱部との間で該平面発熱部とは異なる
    インク供給路内壁位置にあってインク供給路内に突出す
    る突出部と、を具備した記録手段を用いて、前記電気熱
    変換体により平面発熱部に気泡を生起させて外気と連通
    させるとともに記録用インク液を該突出部より滴状に吐
    出させることを特徴とするインク滴噴射記録方法。
  5. 【請求項5】 上記連通時にインク路は上記気泡で遮断
    されていないことを特徴とする請求項4に記載のインク
    滴噴射記録方法。
  6. 【請求項6】 上記連通時は、上記気泡の内圧が外気圧
    以下の条件で前記気泡を外気と連通させるものである請
    求項4または請求項5に記載のインク滴噴射記録方法。
  7. 【請求項7】 上記連通時は、上記気泡の吐出方向先端
    部の移動速度の加速度が正でない条件で上記気泡を外気
    と連通させるものである請求項4乃至請求項6いずれか
    に記載のインク滴噴射記録方法。
  8. 【請求項8】 上記平面発熱部の吐出部側端部とのバブ
    ルの吐出部側端部との距離laが吐出エネルギー発生手
    段の吐出部とは反対側の端部とバブルの吐出部とは反対
    側の端部との距離lbに対して、la/lb≧1なる条
    件下で該吐出エネルギー発生手段により液体中に生起さ
    れたバブルを吐出部より外気と連通させる請求項4乃至
    請求項7いずれかに記載のインク滴噴射記録方法。
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