JPH05115289A - 新規化合物rgt−2、その製造法および該化合物を有 効成分とする抗腫瘍剤 - Google Patents

新規化合物rgt−2、その製造法および該化合物を有 効成分とする抗腫瘍剤

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JPH05115289A
JPH05115289A JP28012591A JP28012591A JPH05115289A JP H05115289 A JPH05115289 A JP H05115289A JP 28012591 A JP28012591 A JP 28012591A JP 28012591 A JP28012591 A JP 28012591A JP H05115289 A JPH05115289 A JP H05115289A
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JP
Japan
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rgt
methanol
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compound
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JP28012591A
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Inventor
Masayuki Satake
真幸 佐竹
Takeshi Yasumoto
健 安元
Hiroshi Nagai
宏史 永井
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Taiyo Fishery Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Fishery Co Ltd
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  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 下記式 に示す新規化合物(RGT−2),渦鞭毛藻ガンビエデ
ィスカス・トキシカス(Gambierdiscus toxicus )によ
るRGT−2の製造法およびRGT−2を有効成分とす
る抗腫瘍剤。 【効果】 上記化合物RGT−2は抗腫瘍剤として有用
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は渦鞭毛藻 ガンビエディ
スカス・トキシカス(Gambierdiscus toxicus)が生産
する新規化合物RGT−2、その製造法および該化合物
を有効成分とする抗腫瘍剤に関する。
【0002】
【従来の技術】多くの海藻や単細胞藻類が抗菌または抗
カビ、抗腫瘍作用を示す物質を含むことが報告されてい
る。それらの物質は、一般にハロゲン化合物、コリン
類、フェノール化合物、タンニン、有機酸、マクロライ
ドなどがあり、褐藻類からフェノール化合物 zonarol
(Fenical.W.et.al.: "Food-Drugs from the Sea, Proce
edings 1972" M.T.S.(1973), pp199-202)や渦鞭毛藻か
らのゴニオドミン-A (Murakami.M.et.al.: Tetrahedron
Lett. 29 : 1149-1152 (1988)) などの抗腫瘍物質が得
られている。また渦鞭毛藻由来のアンフィジノライド
(J.Kobayashi.et.al.:Teterahedron Lett. 27. 5755 (1
986))は抗腫瘍活性を有することが知られている。しか
しながら、これらの研究は発展途上にあり、海産生物由
来の抗腫瘍物質の開発は未だ実用に至っていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、様々
な海産生物から優れた生理活性を有する物質を見いだ
し、これを抗腫瘍物質として提供することである。そし
て、このことは海産生物における産業上の応用分野を広
げる上で極めて重要なことである。このような見地か
ら、本発明者らは海産プランクトンから有用な生理活性
物質を種々検索した結果、渦鞭毛藻ガンビエディスカス
・トキシカス(Gambierdiscus toxicus) の培養物中より
抽出、単離した化合物が抗腫瘍作用を有することを見い
だし本発明を完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は次式
【0005】
【化2】
【0006】を示す新規化合物RGT−2である。さら
に、本発明は、渦鞭毛藻ガンビエディスカス・トキシカ
ス(Gambierdiscustoxicus) を培地に培養し、培養物か
ら新規化合物RGT−2を採取することを特徴とする新
規化合物RGT−2の製造法である。さらに、本発明
は、新規化合物RGT−2を有効成分として含む抗腫瘍
剤である。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
ガンビエディスカス・トキシカスは渦鞭毛藻である海産
プランクトンでポリネシアのランギロア珊瑚礁で採取さ
れ、継続培養を行った株である。培養はES-1培地 (Prov
a-soli.L.(1966) in Proceeding ofU.S. Japan Confere
nce Held at Hkone, Sep-tember 12-15 (Watanabe.A. &
Hattori.A., eds.) pp63-75.Japan Society of Plant
Physiology, Tokyo)を用い、3リットルのカブ型フラス
コ中で25℃、21日間静地培養を行った。また明18時間、
暗6時間の間隔で4000−8000ルクスの照度を与えた。し
かし、これらの培地組成物、培養温度等の培養条件は、
好ましい結果が得られるように適宜調節選択されること
はいうまでもない。
【0008】本発明の新規物質RGT−2を培養物から
採取するには、後述するように当該物質の理化学的性質
を考慮して、微生物代謝産物を採取するのに通常用いら
れる分離、精製の手段が適宜利用される。例えば、溶剤
による抽出、夾雑物との溶解度の差を利用する方法、あ
るいはクロマトグラフィーなどが単独もしくは組み合わ
せて用いられる。クロマトグラフィーで用いられる担体
としては慣用の無機及び有機の担体、例えばシリカゲ
ル、ポリビニル樹脂、ポリスチレン樹脂などが利用され
る。
【0009】培養物中に生産蓄積されたRGT−2を採
取するには、あらかじめ遠心分離あるいは濾過などで分
離して得られた培養藻体をメタノール等の溶剤で抽出し
て得られる抽出液を濃縮後ジクロロメタン等の有機溶剤
で抽出する。得られた抽出液を濃縮した後これをシリカ
ゲルカラムに付す。シリカゲルカラムにおいてアセトン
−メタノール (9:1) などで活性成分を溶出させる。
さらに活性成分をポリビニル樹脂のカラムクロマトグラ
フィーに付す。カラムをメタノール、含水メタノールな
どで展開し、活性成分を集めて濃縮後、逆相系のポリス
チレン、シリカゲルカラムなどで含水アセトニトリルを
溶媒として精製を行いRGT−2を白色粉末として得る
ことができる。
【0010】RGT−2の理化学的性質は次の通りであ
る。 1)形状:白色粉末 2)分子量測定:m/z 1023 (M+H)+ 3)溶解性:メタノール、ジクロロメタン、ピリジンに
可溶、水に不溶 4)1H-NMRスペクトル(400MHZ、重メタノール中):図
1に示す。
【0011】次にRGT−2の抗腫瘍作用について述べ
る。DBA/2マウス1匹について5×105 細胞のマウスリ
ンパ腫細胞L5178Yを腹腔内に接種した。1群につき3匹
のマウスを用いた。検体はL5178Y細胞を接種後当日そし
て五日ごとに0.1mg/kgを腹腔内投与した。各投与群
(T) と対照群 (C)の平均生存日数を求め、これからT
/C (%) 延命率として算出した。 表−1 RGT−2の抗腫瘍効果 薬 物 投与量 (mg/kg) 生存日数 延命率 (T/C%) RGT−2 0 22 100 0.1 30 132 表1から明らかなようにRGT−2はマウスリンパ腫に
対して抗腫瘍活性を示す。これらのデータから明らかな
ようにRGT−2を含有する粗成物または精製物は、ヒ
ト癌患者の治療用組成物として使用しうる。例えばヒト
に経口的、非経口的または外用的に投与することによっ
て、癌の治療に用いることができる。
【0012】以上述べた諸性質から明らかなごとくRG
T−2は新規抗腫瘍物質である。
【0013】
【発明の効果】本発明により、抗腫瘍作用を示す新規な
化合物RGT−2を提供するとともに、渦鞭毛藻ガンビ
エディスカス・トキシカスからの該物質の製造法を提供
する。そしてこの化合物は癌患者に対する抗癌物質とし
て有効である。
【0014】
【実施例】
(1) ガンビエディスカス・トキシカスの培養 3リットル容器のカブ型フラスコにES-1培地 (pH7.5)
2000mlを注入後滅菌し、さらに滅菌濾過したビタミン混
液0.5ml (ビタミンB12 4μg、チアミン0.2μg、
ビオチン2μg含有) を加えた。これにガンビエディス
カス・トキシカス培養物200ml (約20万細胞) を加え25
℃、明6000ルクス16時間、暗8時間の照光周期で21日間
静地培養を行った。
【0015】(2) 培養物からの抽出 (1) の方法により3リットル容量カブ型フラスコ50本
の培養によって得られた培養液 (600リットル) を濾紙
(アドバンテック社製) で濾過し、得られた藻体を含む
濾過残渣にメタノール (3リットル) を加え30分間超音
波破砕する。破砕後、濾過して得られたメタノール抽出
液を濃縮し溶媒溜去後60%メタノールとジクロロメタン
で分配を行った。ジクロロメタン可溶区を濃縮し粗粉末
(47.4mg) を得た。
【0016】(3) 精製 得られた粗粉末をヘキサン−アセトン (4:1) に溶解
させフロリジルカラムに供した。ヘキサン−アセトン
(4:1) についでアセトン−メタノール (9:1) を
溶媒として展開し、アセトン−メタノール区に活性成分
を得た。またさらにトヨパールHW−40 (トーソー)
を用いたゲル濾過クロマトグラフィー (メタノール) を
行い精製した。活性画分をさらに Asahipak ODP-50 (2
×25cm、75-100%アセトニトリル) 、 Capcell Pak C-8
(2×25cm、65-100%アセトニトリル) の各逆相系クロ
マトグラフィーで精製を行い、最終的に Asahipak ODP-
50 (75%アセトニトリル) で白色粉末0.6ミリグラムを
得た。
【0017】構造決定はおもに1H-NMR、13C-NMR、高分
解能マススペクトルにより行った。
【図面の簡単な説明】
【図1】RGT−2の1H核磁気共鳴スペクトル(400MH
Z、重メタノール−重ピリジン1:1中)を示す図であ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式で表わされる新規化合物 (RGT−
    2)。 【化1】
  2. 【請求項2】 渦鞭毛藻 ガンビエディスカス・トキシ
    カス (Gambierdiscus toxicus) を培養し、培養物より請
    求項1記載の化合物RGT−2を採取することを特徴と
    する化合物RGT−2の製造法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の化合物RGT−2を有効
    成分とする抗腫瘍剤。
JP28012591A 1991-10-25 1991-10-25 新規化合物rgt−2、その製造法および該化合物を有 効成分とする抗腫瘍剤 Pending JPH05115289A (ja)

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