JPH05113372A - 連続プロセス炉における板材温度計測方法 - Google Patents

連続プロセス炉における板材温度計測方法

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JPH05113372A
JPH05113372A JP3300995A JP30099591A JPH05113372A JP H05113372 A JPH05113372 A JP H05113372A JP 3300995 A JP3300995 A JP 3300995A JP 30099591 A JP30099591 A JP 30099591A JP H05113372 A JPH05113372 A JP H05113372A
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JP
Japan
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temperature
radiant heat
heat source
furnace
plate
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JP3300995A
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English (en)
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Tomotaka Marui
智敬 丸井
Shinichi Takechi
真一 武智
Kazuo Arai
和夫 新井
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 板温計算値の板温実測値に対する誤差を極め
て小さくして、板温計算精度を向上させる。 【構成】 補正前板材温度TS を計算する第1の板材温
度計算過程(10)と、補正前板材温度TS の誤差を極
小とする総括熱吸収率関数ΦCGのパラメータを決定する
非線形最適化過程(10)と、決定パラメータを含む総
括熱吸収率関数ΦCG * と板温実測データTS * とを用い
て補正輻射熱源温度Tf * を計算する補正輻射熱源温度
計算過程(10)と、炉温データTf を補正して補正輻
射熱源温度Tf * を導く輻射熱源温度推定関数Tffを作
成する輻射熱源温度推定関数作成過程(20)と、補正
板材温度TS ′を計算する第2の板材温度計算過程(3
0)とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ステンレス鋼板の連続
焼鈍炉等において、被プロセス材料の温度を計測するた
めの連続プロセス炉における板材温度計測方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼板の連続焼鈍炉のような連
続プロセス炉においては、材料再結晶等の材質変化を誘
起させる環境温度下に、被プロセス材料を所定時間だけ
保持することが技術上の目的となっている。
【0003】しかし、実際の連続プロセス炉では、被プ
ロセス材料の温度が所望の温度になっているか否かをオ
ンラインで監視することは困難である。
【0004】この困難性は、温度計測技術に起因するも
のである。
【0005】温度計測技術には、被プロセス材料に温度
センサを接触させて材料温度を計測する接触式の温度計
測技術と、温度センサを接触させずに計測する非接触式
の温度計測技術とがある。
【0006】しかし、接触式の温度計測技術では、被プ
ロセス材料等に温度センサを接触させるために、材料ダ
メージやセンサダメージが生じる問題がある。
【0007】又、非接触式の温度計測技術の代表的なも
のは、材料輻射を計測する放射測温技術である。
【0008】この材料輻射は、プロセス進行中の材料表
面の変化を反映する。
【0009】即ち、材料表面の変化は、温度変化だけで
なく、表面酸化膜厚、表面酸化膜物性、表面の三次元形
態(粗度等)の変化による影響を受けている。
【0010】従って、放射測温技術で材料温度を計測す
るには、温度変化以外の物性変化を無視できるようにす
るか、又は温度による輻射への影響だけを理論的に分離
する必要がある。
【0011】しかし、温度変化以外の物性変化は実際上
無視できない。又、連続プロセス炉内での被プロセス材
料の物性現象は複雑であるので、温度による輻射への影
響だけを分離することはできない。表面物性変化の物理
は、材料表面条件やプロセス条件に大きく依存するの
で、温度変化や温度変化以外の物性変化による影響を定
量的に表わす理論は未だに研究段階にあり、完成されて
いない。
【0012】又、このような温度計測技術があったとし
ても、温度センサを連続プロセス炉内の全長にわたって
配備することは事実上不可能であるので、被プロセス材
の温度が連続プロセス炉内で、どのように時間変化して
いるかを連続計測することはできない。
【0013】従って、現状の操炉技術は、蓄積されたデ
ータからの回帰による炉温・板温相関関係を利用した間
接的、且つ経験的な板温制御方法をとっている。即ち、
熱電対を接触させて非製品のダミー材の温度を実験的に
複数ケース実測し、それらの統計的な回帰操作で得られ
る炉温・板温関係データを基に炉温を設定して操業して
いる。
【0014】故に、このような操炉技術では、実測デー
タが少ない特注仕様材料や新製品等において、被プロセ
ス材料が所望の温度で所望時間だけ加熱されないことが
ある。
【0015】その結果、被プロセス材料が期待した材料
特性を有さず、不良品が発生することが多かった。
【0016】そこで、このような問題を解決するため
に、温度計測ができない状況を理論計算によって推定
し、この推定値で計測を補完しようとする試みがなされ
ている。
【0017】この推定計算は、周知の輻射伝熱理論に基
づく輻射伝熱方程式による計算であり、連続プロセス炉
内の被プロセス材料が薄板状であることから、一次元計
算によってかなりの近似値を得ることができる。
【0018】上述した輻射伝熱方程式による近似計算計
測技術は、図7に示すように、制御用の熱電対55を連
続プロセス炉51に通し、この熱電対55で検出した炉
温データを被プロセス材料100に対する輻射熱源温度
とみなしていた。
【0019】図8は、熱電対55による炉温データの値
1 と、このデータ値T1 に基づく板温計算用の輻射熱
源温度T2 との関係を示す。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た技術では、図9に示すように、輻射伝熱方程式による
近似計算結果T3 と、実測した板温データT4 との間の
誤差が著しく大きい。
【0021】これは、次の理由によるものと考えられ
る。
【0022】熱電対55が炉壁に挿入されているため、
熱電対55による炉温データT1 が計算上の輻射熱源温
度T2 と著しく異なってしまう。特に、加熱ゾーンの中
間部分52の位置には、被プロセス材料100を支持す
るハースロール53があり、このハースロール53の耐
高温保護のための冷却の影響で、実際の中間部分52の
環境温度は低い。このことは、図9の実線で示すよう
に、実測データT4 の温度勾配が中間部分52のところ
で寝ていることからも明らかである。又、被プロセス材
料100とハースロール53との接触による熱伝導への
影響を考慮しなければならない。
【0023】即ち、上述した技術では、中間部分52の
輻射熱源温度計測ができないので、中間部分52の前後
における低温化領域がどのような値を示すのかが不明と
なり、輻射伝熱温度を炉壁熱電対測定温度とした近似計
算結果T3 と、実測した板温データT4 とに大きな誤差
が生じるのである。
【0024】本発明は、上述した従来の課題を解決する
ためになされたもので、板温計算値の板温実測値に対す
る誤差を極めて小さくして、板温計算精度を向上させる
ことができる、連続プロセス炉における板材温度計測方
法を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、炉温データTf とパラメータを含む総括熱
吸収率関数ΦCGとを用いて、下記式(1)
【数4】 から補正前の板材温度TS を計算する第1の板材温度計
算過程と、板温実測データTS * に対する上記補正前板
材温度TS の誤差を極小とするように総括熱吸収率関数
ΦCGのパラメータを決定する非線形最適化過程と、上記
決定パラメータを含む総括熱吸収率関数ΦCG * と、上記
板温実測データTS * とを用いて下記式(4)
【数5】 から補正輻射熱源温度Tf * を計算する補正輻射熱源温
度計算過程と、上記炉温データTf と補正輻射熱源温度
f * とを比較して、炉温データTf を補正して補正輻
射熱源温度Tf * を導くための輻射熱源温度推定関数T
ffを作成する輻射熱源温度推定関数作成過程と、上記輻
射熱源温度推定関数Tffに上記炉温データTf を代入し
て変換された環境推定温度を用いて、下記式(5)
【数6】 から補正板材温度TS ′を計算する第2の板材温度計算
過程とを有することを特徴とする。
【0026】又、上記輻射熱源温度推定関数Tffは、板
材の支持ロールがある連続プロセス炉中間部分での炉温
データTf と、上記補正輻射熱源温度Tf * との差の平
均値を頂点とした逆三角形の減温温度を炉温データTf
に重ね合せる変換を行うものであることを特徴とするこ
ともできる。
【0027】
【作用】本発明によれば、第1の板材温度計算過程によ
って、下記式(1)
【数7】 から補正前の板材温度TS が算出され、この板材温度T
S の板温実測データTS * に対する誤差を極小とする総
括熱吸収率関数ΦCGのパラメータが、非線形最適化過程
によって決定される。
【0028】続いて、この決定パラメータを含む総括熱
吸収率関数ΦCG * と板温実測データTS * とを用いて、
下記式(4)
【数8】 が補正輻射熱源温度計算過程によって計算され、補正輻
射熱源温度Tf * が算出される。
【0029】そして、この補正輻射熱源温度Tf * と炉
温データTf との比較が輻射熱源温度推定関数作成過程
で行われて、輻射熱源温度推定関数Tffが作成される。
【0030】最後に、第2の板材温度計算過程によっ
て、輻射熱源温度推定関数Tffに炉温データTf を代入
して変換された輻射熱源推定温度に基づいて、下記式
(5)
【数9】 が計算され、補正板材温度TS ′が算出される。
【0031】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。
【0032】図1は、本発明の連続プロセス炉における
板材温度計測方法を適用した装置のブロック図であり、
図2は、その動作フローチャート図である。
【0033】1は連続プロセス炉であり、加熱ゾーンの
中間部分2内には薄板状の被プロセス材料100を搬送
するためのハースロール3が取り付けられている。
【0034】この連続プロセス炉1の炉壁4には熱電対
5が取り付けられており、熱電対5で測定された炉温が
データTf として炉温データ部6に入力される。
【0035】10は、被プロセス材料100の輻射熱源
温度推定値Tf * を計算するための輻射熱源温度推定値
計算部である。
【0036】この輻射熱源温度推定値計算部10では、
輻射伝熱理論に基づく一次元輻射伝熱方程式
【数10】 が、Runge−Kutta法等の数値解法アルゴリズムによっ
て解かれる。ここで、TS は被プロセス材料100の板
温計算値(K)、x は炉内位置(m )、σはステファン
ボルツマン定数(5.669×10-8 J/ m2 .sec
4 )、Cは比熱(J/Kg )、ρは密度(Kg /
m3 )、Dは被プロセス材料100の厚み(m)、v は被
プロセス材料100の搬送速度(m /sec )(一定)で
ある。
【0037】又、ΦCGは総括熱吸収率であり、連続プロ
セス炉1の熱エネルギが被プロセス材料100の板表面
に伝達される熱輻射特性を示している。
【0038】被プロセス材料100の板温計算には輻射
熱源温度Tf の誤差だけでなく、この総括熱吸収率ΦCG
の誤差も大きな影響を与えることに着目して導入した。
【0039】本発明者等は、これらの誤差要因Tf とΦ
CGとの性質を研究した結果、総括熱吸収率ΦCGについ
て、次のような仮定をたてた。
【0040】第1に、総括熱吸収率ΦCGは滑らかな関数
であって、ローカルな炉温変化に対して変化が小さい。
第2に、総括熱吸収率ΦCGは、炉温と無関係な材炉時間
の関数とする。即ち、式
【数11】 が成立すると仮定する。ここで、A、Bはパラメータで
ある。
【0041】輻射熱源温度推定値計算部10は、このよ
うな仮定のもとに、計算上見地C、ρ、D、v と、炉温
データ部6からの炉温データTf と適当なパラメータ
A、Bとを入力し、式(1)と式(2)との計算を実行
して板温計算値TS を算出する(図2のステップS1〜
S4)。
【0042】更に、輻射熱源温度推定値計算部10は、
板温計算値TS と板温実測値TS * との差をとって、板
温計算値TSの誤差評価関数の計算をして、誤差評価を
する(図2のステップS5及びS6)。
【0043】ここで、誤差評価関数はΣ(TS
S * 2 、|TS −TS * |、又は誤差標準偏差σの
いずれかでよい。
【0044】なお、板温実測値TS * は、熱電対を接触
させた非製品のダミー材を通炉させて実測したダミー材
の板温であり、板温実測値入力部11から輻射熱源温度
推定値計算部10に入力される。
【0045】輻射熱源温度推定値計算部10における誤
差評価は、誤差評価関数の大小によって行う。
【0046】即ち、この誤差評価関数が大きく、所望の
板温計算精度が得られていないと判断したときは、総括
熱吸収率ΦCGにおけるA、B値の設定が誤っているとし
て、Newton 法及びMarquardt法等の非線形関数の極値
探索アルゴリズムを用いて、A値とB値を変更する(図
2のステップS7)。
【0047】又、誤差評価関数が小さく、所望の板温精
度が得られると判断したときは、このときのA値とB値
をもってこのデータの最尤ΦCG関数を
【数12】 と決定する(図2のステップS8)。この関数Φ
CG * は、前記仮定に従って、滑らかな関数であり且つロ
ーカルな炉温変化に対しての変化が小さいとすると、輻
射熱源温度Tf の誤りに対して鈍感であると考えられ
る。従って、関数ΦCG * は輻射熱源温度誤差をもった板
温計算値TS をもとに得られたものであるが、輻射熱源
温度誤差の影響が少なく、真値に近い総括熱吸収率を示
すものと考えられる。
【0048】そして、輻射熱源温度推定値計算部10
は、この関数ΦCG * と板温実測値TS * とを用いて、式
(1)の変形式
【数13】 を計算し、炉温の逆算を行って、輻射熱源温度推定値T
f * を算出する(図2のステップS9)。
【0049】20は、輻射熱源温度推定値計算部10で
導出された輻射熱源温度推定値Tf * と、炉温データ部
6からの炉温データTf とを比較して輻射熱源温度推定
関数Tffを作成する輻射熱源温度推定関数作成部である
(図2のステップS10)。
【0050】図3は、輻射熱源温度推定関数作成部20
で作成される輻射熱源温度推定関数Tffの説明図であ
る。
【0051】本図において、HR length は連続プロセ
ス炉1の中間部分における低温化影響を範囲を定義する
定数、HR1、HR2、HR3、HR4は各中間部分2
の低温化減温最大値を定義する定数である。
【0052】輻射熱源温度推定関数作成部20は、複数
の板材通炉データから得られる輻射熱源温度推定値Tf
* を輻射熱源温度推定値計算部10から入力し、これら
の輻射熱源温度推定値Tf * とそのときの炉温データT
f との値の差を平均化して、HR length とHR1〜H
R4との値を決定する。
【0053】そして、これらの決定値を用いて、図3に
示すように、中間部分2の近傍に逆三角形の温度曲線を
形成して、図3に示すような輻射熱源温度推定関数Tff
を作成する。
【0054】即ち、作成される輻射熱源温度推定関数T
ffは、輻射熱源温度推定値Tf * 及び炉温データTf
変換関数であり、計算ソフト中の極めて簡単なアルゴリ
ズムとして達成することができる。
【0055】具体的には、この輻射熱源温度推定関数T
ffは、中間部分2の中心点からHRlength 以上の距離
では、炉温データTfと略同じであり、HR length 以
内の距離では、中間部分2の中心点でHR1、HR2、
HR3、HR4の値を炉温データTf から減温し、中心
点前後でこの減温値と炉温データTf 値とを直線で結ん
だ形状になっている。
【0056】この輻射熱源温度推定関数Tffによれば、
図8に示した従来の技術による輻射熱源温度曲線T2
は低温化領域について考慮していなかったのに対し、こ
れを定量的に与えている。
【0057】ところで、この輻射熱源温度推定関数Tff
は、逆三角形の頂点で不連続となっているが、これはハ
ースロール3と被プロセス材料100との接触による熱
伝達の影響が、輻射熱源温度として置換表現されたもの
と考えられる。正確には、ハースロール3の接触部で
は、式(1)において、輻射伝熱方程式と接触熱伝達の
方程式とを立て、連立モデルとして考察すべきなのであ
るが、本実施例では、実用的な簡略化として接触熱伝達
による影響を輻射熱源温度変化に置き換えてモデル化し
た。
【0058】30は板温計算部で、輻射熱源温度推定関
数作成部20で作成された輻射熱源温度推定関数Tff
炉温データTf を入力して輻射熱源温度推定データTff
(Tf )を形成し、このデータTff(Tf )と関数ΦCG
* とを用いて、式(1)と同様の輻射伝熱方程式
【数14】 を計算して、板温計算値TS ′を算出する(図2のステ
ップS11)。
【0059】なお、ここで、関数ΦCG * は上記のオフラ
イン解析で統計的に得られた標準的(回帰的)な関数で
なく、例えば特開平3−48126号に記載したオンラ
インで決定される関数ΦCG * としてもよい。
【0060】図4は、板温計算部30で算出された板温
計算値TS ′と板温実測値TS * とを対比して示してい
る。
【0061】次に、本実施例の動作について説明する。
【0062】ここでは、連続プロセス炉1として、中間
部分2での輻射熱源温度低下が予想されるステンレス連
続焼鈍加熱炉を用い、,プロセス材料100として、厚
さ1mm且つ幅1000mmのSUS430を用いる。
【0063】又、輻射熱源温度推定値計算部10で計算
される誤差評価関数を誤差標準偏差σとし、且つ、この
誤差標準偏差σが20℃〜25℃の間となるように、最
尤ΦCG関数ΦCG * のパラメータA* 、B* の値を決定し
た(A* =0.2、B* =0.07)。図5は、このと
きの関数ΦCG * の曲線を示している。
【0064】輻射熱源温度推定値計算部10に、被プロ
セス材料100の比熱C、密度ρ、厚さD、速度v と、
連続プロセス炉1の熱電対5で検出した炉温データTf
と、パラメータA、Bが決定された総括熱吸収率ΦCG
が入力されると、これらのデータに基づいて式(1)及
び(2)が計算され、被プロセス材料100の板温計算
値TS が算出される(図2のステップS1〜S4)。
【0065】そして、板温計算値TS と板温実測値TS
* との差がとられ、誤差標準偏差σが20℃〜25℃で
あると判断されると、式(3)により、A* =0.2及
びB* =0.07の関数ΦCG * が決定される(図2のス
テップS5〜S8)。
【0066】この関数ΦCG * は、板温実測値TS * と共
に式(4)に代入され、式(4)から輻射熱源温度推定
値Tf * が算出される(図2のステップS9)。
【0067】図6は、以上のようにして得られた輻射熱
源温度推定値Tf * を点線の曲線で示している。本図の
輻射熱源温度推定値Tf * によれば、中間部分2での温
度低下は左から1番目の中間部分2で150℃程度、2
番目の中間部分2で100℃程度・・・となっている。
この値は実測検証することはできないが、中間部分2で
のハースロール3による冷却と、ハースロール3の接触
熱伝達とによる低温化影響に関する理論的概算値と概ね
一致する。
【0068】この輻射熱源温度推定値Tf * は、輻射熱
源温度推定関数作成部20に入力される炉温データTf
と比較され、図3及び図4の実線に示す輻射熱源温度推
定関数Tffが作成される(図2のステップS10)。
【0069】この輻射熱源温度推定関数Tffは板温計算
部30に入力され、板温計算部30において、輻射熱源
温度推定関数Tffに炉温データTf が入力されて形成さ
れた輻射熱源温度推定データTff(Tf )と、関数ΦCG
* とに基づいて式(5)が計算されて、板温計算値
S ′が算出される(図2のステップS11)。
【0070】この板温計算値TS ′は、図4に示すよう
に、板温実測値TS * と略一致しており、その誤差標準
偏差σは10℃〜15℃であった。
【0071】このようにして輻射熱源推定関数を決定す
る。
【0072】従って、本実施例によれば、任意の板材が
プロセス炉に入った時に、その板温を炉温の計測値がど
のように変化しようとも高精度の板温計測を行うことが
できる。
【0073】なお、本実施例では、総括熱吸収率ΦCG
式(2)のように仮定したが、これに限らず、滑らかな
連続関数で且つ炉温と無関係な炉温時間の関数であれば
よい。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来では定量的データがなかった輻射熱源温度を輻射熱
源温度逆算によって求め、その結果として得られる輻射
熱源温度推定関数を用いて板材温度を計算するので、板
温計算値の板温実測値に対する誤差を極めて小さくする
ことができ、その結果、板温計算精度が大幅に向上し、
被プロセス材料の品質向上及び不良品発生の防止を図る
ことができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例を示すブロック図であ
る。
【図2】図2は、本実施例の動作を説明するためのフロ
ーチャート図である。
【図3】図3は、輻射熱源温度推定関数Tffの作成方法
を示す線図である。
【図4】図4は、算出された板温計算値TS ′と板温実
測値TS * とを対比して示す線図である。
【図5】図5は、関数ΦCG * を示す線図である。
【図6】図6は、算出された輻射熱源温度推定値Tf *
を示す線図である。
【図7】図7は、従来例を説明するための連続プロセス
炉の概略断面図である。
【図8】図8は、従来例で算出された輻射熱源温度T2
を示す線図である。
【図9】図9は、従来例による板温計算値T3 と板温実
測値T4とを対比して示す線図である。
【符号の説明】
1…連続プロセス炉、 2…中間部分、 3…ハースロール、 4…炉壁、 5…熱電対、 Tf …炉温データ、 6…炉温データ部、 ΦCG…総括熱吸収率、 10…輻射熱源温度推定値計算部、 Tf * …輻射熱源温度推定値、 11…板温実測値入力部、 TS * …板温実測値、 20…輻射熱源温度推定関数作成部、 Tff…輻射熱源温度推定関数、 30…板温計算部、 TS ′…板温計算値。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炉温データTf とパラメータを含む総括熱
    吸収率関数ΦCGとを用いて、下記式(1) 【数1】 から補正前の板材温度TS を計算する第1の板材温度計
    算過程と、 板温実測データTS * に対する上記補正前板材温度TS
    の誤差を極小とするように総括熱吸収率関数ΦCGのパラ
    メータを決定する非線形最適化過程と、 上記決定パラメータを含む総括熱吸収率関数ΦCG * と、
    上記板温実測データTS * とを用いて下記式(4) 【数2】 から補正輻射熱源温度Tf * を計算する補正輻射熱源温
    度計算過程と、 上記炉温データTf と補正輻射熱源温度Tf * とを比較
    して、炉温データTf を補正して補正輻射熱源温度Tf
    * を導くための輻射熱源温度推定関数Tffを作成する輻
    射熱源温度推定関数作成過程と、 上記輻射熱源温度推定関数Tffに上記炉温データTf
    代入して変換された輻射熱源推定温度を用いて、下記式
    (5) 【数3】 から補正板材温度TS ′を計算する第2の板材温度計算
    過程とを有することを特徴とする連続プロセス炉におけ
    る板材温度計測方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、 上記輻射熱源温度推定関数Tffは、板材の支持ロールが
    ある連続プロセス炉中間部分での炉温データTf と、上
    記補正輻射熱源温度Tf * との差の平均値を頂点とした
    逆三角形の減温温度を炉温データTf に重ね合せる変換
    を行うものであることを特徴とする連続プロセス炉にお
    ける板材温度計測方法。
JP3300995A 1991-10-21 1991-10-21 連続プロセス炉における板材温度計測方法 Pending JPH05113372A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5244832A (en) * 1985-10-16 1993-09-14 Texas Instruments Incorporated Method for fabricating a poly emitter logic array and apparatus produced thereby

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