JPH0511321A - カメラの駆動切り換え機構 - Google Patents

カメラの駆動切り換え機構

Info

Publication number
JPH0511321A
JPH0511321A JP3161597A JP16159791A JPH0511321A JP H0511321 A JPH0511321 A JP H0511321A JP 3161597 A JP3161597 A JP 3161597A JP 16159791 A JP16159791 A JP 16159791A JP H0511321 A JPH0511321 A JP H0511321A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gear
lever
lens
lens barrel
switching means
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3161597A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinya Miki
伸哉 三木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Minolta Co Ltd filed Critical Minolta Co Ltd
Priority to JP3161597A priority Critical patent/JPH0511321A/ja
Publication of JPH0511321A publication Critical patent/JPH0511321A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Details Of Cameras Including Film Mechanisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 1つのモータでレンズの駆動とフィルムの巻
き上げ・巻き戻しを行うための切り換え機構の大型化、
複雑化を防止する。 【構成】 モータ10の回転方向に対応してレンズ駆動
位置とフィルム駆動位置の一方に設定される第1の遊星
ギヤ機構20,22と、レンズ駆動位置での第1の遊星
ギヤ機構20,22の出力をレンズ駆動部材130に伝
達するとともにレンズ鏡胴を沈胴位置または撮影位置に
設定するようにレンズ駆動部材130の正逆動作を切り
換え可能な差動ギヤ100を設ける。フィルム駆動位置
での遊星ギヤ22の回転をフィルムの巻き上げギヤ28
または巻き戻しギヤ32に伝達する第2の遊星ギヤ機構
24,26を設ける。レンズ鏡胴を撮影位置側へ駆動す
るときのレンズ駆動部材130と連動して第2の遊星ギ
ヤ機構26を巻き上げギヤ28と噛合させ、沈胴位置側
へ駆動するときに巻き戻しギヤ32と噛合させるレバー
70,82を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1つのモータでフィル
ムの巻き上げ・巻き戻しとレンズ鏡胴の駆動を行うため
のカメラの駆動切り換え機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりカメラの分野では、ボディ内の
省スペースによる小型化と、コストダウンとを図るた
め、モータ等のアクチュエータの個数を減らす試みがな
されてきた。例えば特開昭64−66631号公報で
は、フィルムの巻き上げ・巻き戻しの駆動源と、ズーム
レンズのテレ・ワイド間での駆動の駆動源とを1つのモ
ータで共用するようにした切り換え機構が開示されてい
る。この機構では、巻き上げ側の入力ギヤと巻き戻し側
の入力ギヤの間で移動可能で且つスプリングにより巻き
戻しギヤ側へ付勢された遊星ギヤを持った第1の遊星ギ
ヤ機構を設けるとともに、その遊星ギヤのキャリアを通
常は巻き上げ側の入力ギヤに動力を伝達する位置に保持
するために、第2の遊星ギヤ機構をモータ側にもう1段
設けて、第2の遊星ギヤと第1の太陽ギヤとが噛合した
状態でそのキャリア同士を係合させている。そして、フ
ィルムを終端まで巻き上げてフィルムが突っ張ったとき
に巻き上げ側の入力ギヤが停止することでモータ側の遊
星ギヤがその太陽ギヤの回りを公転し始めることにより
両キャリアの係合状態を解除し、第2の遊星ギヤを巻き
戻し側の入力ギヤに噛合させるようにしている。この機
構では、巻き上げ・巻き戻しはモータの一方向への回転
で行っており、モータの逆方向への回転を鏡胴駆動用の
入力ギヤに導いてレンズの繰り出し・繰り込みを行って
いる。なお、レンズの繰り出し・繰り込みの切り換えは
撮影者の操作により行なわれるように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、フィルムが
突っ張ったときの張力はかなり大きいため、この切り換
え機構のように巻き上げ・巻き戻しの切り換えをフィル
ムの張力増加に連動させるためには、遊星ギヤを保持す
るキャリア等の部品やこれを付勢するスプリング等の部
品を大型化しなければならないことになる。また、この
機構では巻き戻しが終了した後に遊星ギヤを巻き上げ側
ギヤに噛合するように再度切り換えるための機構が必要
であるため、構成が複雑にならざるを得ない。
【0004】このように、1個のアクチュエータで動作
させ得る機構の数を増やそうとすると、一般に切り換え
の機構が大型化したり、複雑化したり、あるいは切り換
えのために別の機構やアクチュエータが必要になったり
するという問題があった。したがって、本発明の解決す
べき技術的課題は、機構の大型化や複雑化を防止しつつ
1つのモータで巻き上げ・巻き戻しとレンズ駆動を行え
る切り換え機構を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の技術的課題を解決
するため、本発明に係るカメラの駆動力切り換え機構は
以下のように構成されている。すなわち、この機構は沈
胴式のレンズ鏡胴を備えたカメラに用いられるものであ
って、正逆回転可能なモータと、レンズ鏡胴を撮影位置
または沈胴位置に設定するために正逆動作するレンズ駆
動部材と、フィルムの巻き上げ駆動系と、フィルムの巻
き戻し駆動系とを備えている。また、モータの回転方向
に対応して第1出力位置と第2出力位置のいずれか一方
に設定される第1切り換え手段と、第1切り換え手段が
第1出力位置に設定された状態で連結されるとともに第
1切り換え手段から伝達された動力をレンズ駆動部材に
伝達し、且つレンズ鏡胴を沈胴位置または撮影位置の一
方に設定するようにレンズ駆動部材の正逆動作を選択的
に切り換え可能な第2切り換え手段と、第1切り換え手
段が第2出力位置に設定された状態で連結されるととも
に第1切り換え手段から伝達された動力をフィルムの巻
き上げ駆動系に伝達する巻き上げ位置と巻き戻し駆動系
に伝達する巻き戻し位置とに設定可能な第3切り換え手
段とを備えている。そして、第2切り換え手段によりレ
ンズ鏡胴を沈胴位置に設定するように切り換えられたレ
ンズ駆動部材に連動して第3切り換え手段を巻き戻し位
置に設定し、レンズ鏡胴を撮影位置に設定するように切
り換えられたレンズ駆動部材に連動して第3切り換え手
段を巻き上げ位置に設定する第4切り換え手段を備えて
いる。なお、この構成においてレンズ鏡胴は、撮影位置
において焦点距離が変化するものとして構成してもよ
い。
【0006】
【作用・効果】上記構成においては、モータを一方向に
回転させて第1切り換え手段を第1出力位置に設定する
と、モータの回転はレンズ駆動部材に伝達される。この
とき、レンズ鏡胴を撮影位置に設定するか沈胴位置に設
定するかに応じてレンズ駆動部材の動作を第2切り換え
手段で切り換えることにより、鏡胴の位置設定を任意に
行うことができる。一方、鏡胴が撮影位置に設定されて
いる状態では第3切り換え手段は第4切り換え手段によ
り巻き上げ位置に設定されるので、鏡胴の駆動時と逆方
向にモータを回転させることによりフィルムを巻き上げ
て次のコマでの撮影を行うことができる。また、鏡胴を
沈胴位置に設定すれば第3切り換え手段が巻き戻し位置
に設定されるので、モータを鏡胴の駆動時と逆回転させ
ることによりフィルムを巻き戻すことができる。
【0007】このように本発明は、フィルムの巻き上げ
が普通は撮影時にしか行う必要がないことを利用して、
鏡胴が撮影位置に設定されたときにモータの駆動力が巻
き上げ駆動系に伝達され、逆に鏡胴が沈胴位置に設定さ
れて撮影が行なわれないときにのみフィルムの巻き戻し
駆動系にモータの駆動力が伝達されるように構成したも
のである。そして、その切り換えはレンズ鏡胴を沈胴位
置に設定するように駆動部材が切り換えられているか、
撮影位置に設定するように切り換えられているかに応じ
て行われるので、フィルムの突っ張りを検知する場合の
ような複雑で大型の切り換え手段や、その切り換え手段
を元の位置に復帰させる手段が不要である。したがっ
て、機構が大型化したり複雑化したりすることなく、フ
ィルムの給送用の駆動源とレンズ用の駆動源とを一つの
モータで共用することができる。
【0008】
【実施例】以下に、図1から図8に示した本発明の1実
施例に係るカメラの駆動力切り換え機構について詳細に
説明する。なお、このカメラは沈胴式のズームレンズ鏡
胴を装備したカメラであり、駆動力切り換え機構は、こ
の撮影レンズのワイド側(沈胴位置を含む)とテレ側との
切り換え、及びフィルムの巻き上げと巻き戻しの切り換
え用として用いられている。
【0009】図1から図7は、それぞれ、カメラが異な
った動作状態にあるときにおけるこの機構の平面図であ
る。まず、カメラのメインスイッチをオフにして得られ
る沈胴状態での平面図である図1に基づいてこの機構の
構成を説明する。なお各図において、ギヤは図の簡略化
のため歯の形状を省略してピッチ円直径のみを実線で表
している。
【0010】図において、12は仮想線で示した駆動モ
ータ10の出力軸に固定されたモータギヤであり、モー
タ10の回転に伴って正逆回転する。モータギヤ12に
はギヤ14が噛合しており、このギヤ14はこれよりも
小径のギヤ16と一体的に形成されている。また、その
側方にはギヤ16に噛合するギヤ18が設けられてお
り、これらのギヤ12,14,16,18により減速ギヤ
列が構成されている。
【0011】ギヤ18は、巻き上げ・巻き戻し駆動用の
入力ギヤ24及びレンズ駆動用の入力ギヤとしての差動
ギヤ100へ出力を切り換えるための遊星ギヤ機構(第
1切り換え手段)の太陽ギヤ20と噛合している。太陽
ギヤ20の支点軸21には遊星キャリア120が回転自
在に装着され、遊星キャリア120の先端に設けられた
軸121に、太陽ギヤ20と噛合する遊星ギヤ22が装
着されている。そして、上述の巻き上げ・巻き戻し駆動
用の入力ギヤ24とレンズ駆動用の差動ギヤ100と
は、それぞれモータギヤ12の回転方向に対応して位置
が変わる遊星ギヤ22と噛合するように配置されてい
る。
【0012】この差動ギヤ100の構成を、図8に示し
た半断面図を用いて説明する。この図において、ギヤ1
02は大径の第1ギヤ部102aと小径の第2ギヤ部1
02bとが一体に形成されたものであって、第1ギヤ部
102aが上述の遊星ギヤ22と噛合するように軸99
に装着されている。第2ギヤ部102bの周囲にはこの
ギヤ部102を中心軸として回転可能なギヤ106が装
着されており、ギヤ106は、外周の上半分の6箇所に
係止溝106aを有し、下半分に遊星ギヤ116と噛合
する歯106bを有している。ギヤ106には遊星ギヤ
116が噛合しており、遊星ギヤ116は軸99に回動
自在に装着されたキャリア112に保持されている。ま
た、ギヤ106の上面3箇所には軸106cが形成さ
れ、各軸106cには、ギヤ102の第2ギヤ部102b
と噛合する3個の遊星ギヤ104,105,107が装着
され、さらに、これらの遊星ギヤ104,105,107
を押さえるための押さえ板113が軸99に回転自在に
装着されている。
【0013】軸99には、各遊星ギヤ104,105,1
07に噛合する内歯108bを有するギヤ108が回転
自在に装着されている。このギヤ108の外周には外歯
108cが形成され、さらにその上部6箇所には係止溝
108aが形成されている。また、ギヤ108には遊星
ギヤ114が噛合しており、遊星ギヤ114は軸99に
回動自在に装着されたキャリア110に保持されてい
る。係止溝106a,108aのいずれか一方に係止して
ギヤ106,108の一方を停止させることによりギヤ
22から伝達されたギヤ101の回転をどちらの遊星ギ
ヤ114,116から出力として取り出すかを選択する
ために、先端に2つの係止部60a,60bを有する切り
換えレバー60(後に詳しく説明するが、撮影レンズの
駆動方向をテレ側もしくはワイド側に切り換えるための
レバーである)が軸60cに揺動自在に装着されている。
【0014】このレバー60はスプリング62により軸
60cの回りを時計回転する方向に付勢されている。こ
のレバー60の係止部60a,60bと反対側の先端には
ピン60dが形成され、このピン60dにレバー61が軸
支されている。レバー61は撮影レンズの駆動方向をテ
レ側に切り換えるときのオーバーチャージ用のレバーで
あって、スプリング63により軸60dの回りを時計回
転する方向へ付勢されるとともに、ストッパー61aに
よりレバー60に対して軸60dを中心として図の位置
から反時計方向へのみ回転できるように構成されてい
る。
【0015】40はカメラのメインスイッチの操作部材
であり、図の右方向へスライドさせて所定のパターンを
持った基板43上で接片41を移動させることにより、
オン・オフの切り換えを行うことができる。このスイッ
チ操作部材40を右へスライドさせると、一方の先端部
40bがレバー61を押し、レバー60と61が軸60c
の回りで一体的に回転して係止部60aがギヤ106の
係止溝106aと係止する。なお、係止部60aと係止溝
106aとの係止状態を保証するために、操作部材40
の先端部40bは、レバー60の係止部60aが係止溝1
06aに当接した位置よりもさらに右側へレバー61を
押し込むように長目に寸法構成されており、そのことに
よるオーバーストローク分は、スプリング63が撓むこ
とにより吸収されるようになっている。なお、スイッチ
操作部材40はスプリング42とピン42aによって図
の位置を端として左側へ付勢されているので、この操作
部材40を操作しない限り、操作部材40の先端40b
がレバー61を押し込むことはない。このスイッチ操作
部材40の他方の先端40aは、この操作部材40を右
側へ移動した状態に保持しておくために、軸90cに軸
支されたレバー90と係合する爪として形成されてい
る。レバー90はほぼ「く」の字形でその両端に爪90a,
90dが形成されたものであり、このレバー90を軸9
0cの回りで反時計回転するように付勢するスプリング
92と、ストッパー94によって通常は図の位置で止ま
っている。
【0016】このスイッチ操作部材40に対する図の下
方の位置には、撮影レンズの駆動方向をテレ側とワイド
側に切り換えるためのスイッチの操作部材50が設けら
れている。このレンズ駆動用スイッチ操作部材50を右
側へスライドさせると端部50aがレバー61を右方向
へ押し込み、メインスイッチの操作部材40の場合と同
様にレバー60の係止部60aでギヤ106がロックさ
れるとともに、所定のパターンを持った基板53上を接
片51が移動する。逆にこのスイッチ操作部材50を左
側へスライドさせると、レバー60は係止部60bが係
止溝108aと係止した位置からそれ以上回転すること
ができないため、スイッチ操作部材50の先端50aと
レバー61との間に設けられたスプリング52が伸び
る。このスイッチ50は、解放状態では、スプリング6
2に引っ張られて係止溝108aに係止部60bが係止し
たレバー60と一体化したレバー61からスプリング5
2で引っ張られて、図の中立位置に設定される。差動ギ
ヤ100、切り換えレバー60、及びスイッチ操作部材
50により第2の切り換え手段が構成されている。
【0017】上述した遊星ギヤ114及び116がそれ
ぞれモータギヤ12の回転方向に応じて移動したときに
噛合するように、レンズ駆動部材としてカムギヤ130
が軸131に回転可能に装着されている。このカムギヤ
130の回転が不図示のギヤ等を介してレンズ鏡胴に伝
達されることによりレンズが駆動される。このカムギヤ
130にはカム溝130aが形成されており、且つこの
ギヤ130に対して図の上方の位置に軸70aが設けら
れ、この軸70aに、第4の切り換え手段としてのレバ
ー70が軸支されている。レバー70は、カムギヤ13
0のカム溝130aにはまり込むピン70bを有し、カム
ギヤ130の回転に伴って軸70aを中心として揺動す
るようになっている。
【0018】レバー70は3本のアーム70c,70d,7
0eを有しており、第1のアーム70cには、軸72aを
中心として回転できるように、レバー72と、レバー7
2を軸72aの回りで時計回転する方向へ付勢するスプ
リング73が装着されている。このレバー72はストッ
パー72cを有しており、レバー70に対し、軸72aを
中心として反時計方向へのみ回転できるようになってい
る。このレバー72の先端には、上述したレバー90の
爪90dと係合するピン72bが設けられている。レバー
72は軸72aの回りを反時計方向へのみ回転可能であ
るから、カムギヤ130が時計方向へ回転してレバー7
0が軸70aを中心として反時計方向へ回転する際に
は、レバー72はレバー70と一体的に動作し、レバー
90の爪90dが右斜め下方へ逃げる。一方、レバー7
2を軸72aの回りで反時計回転させるためにピン72b
に必要な力よりも、レバー90を時計回転させるために
爪90dに加える力の方が大きくなるように各スプリン
グ73,92の付勢力が設定されている。したがって、
ピン72bが爪90dの斜面90bを乗り越えた後にレバ
ー70を元の位置に復帰させる場合は、レバー90は動
かず、レバー72がレバー70に対して軸72aの回り
を反時計方向に回転しながらレバー70が時計方向へ動
く。
【0019】レバー70は、第2のアームとして、撮影
レンズがテレ端に設定されたときにレバー90を回転さ
せるように爪90dと係合するピン70fが形成されたア
ーム70dを有しており、第3のアームとして、軸70a
の位置から図の右上方へ伸びるアーム70eを有してい
る。アーム70eの先端にはピン70gが形成されてい
る。このピン70gは、軸82cに装着されたレバー82
の側面82bに当接するように形成されている。軸82c
には、巻き上げ・巻き戻し駆動用の太陽ギヤ24が回転
自在に装着され、且つ遊星ギヤ26をこの太陽ギヤ24
と噛合するように保持する遊星キャリア80が装着され
ている。軸82cには、レバー82を遊星キャリア80
に対して軸82cの回りで反時計方向へ回転させるよう
に付勢するスプリング84が装着され、レバー82に
は、キャリア80に対する反時計方向への回転を規制す
るためのストッパー82aが設けられている。太陽ギヤ
24、遊星ギヤ26、レバー80及び82により、第3
の切り換え手段が構成されている。
【0020】ギヤ32〜36は巻き戻しフォークの駆動
用のギヤ列であり、ギヤ36は巻き戻しフォーク37と
一体的に回転するように構成されている。この図の状態
においては、ギヤ26とギヤ32とが確実に噛み合うよ
うに、アーム70eのオーバーストロークがスプリング
84の撓みにより吸収されている。一方、アーム70e
がレバー82から離れるとギヤ26はギヤ28と噛合す
ることが可能となる。ギヤ28は巻き上げ用入力ギヤ
で、巻き上げスプール(不図示)を回転させるためのスプ
ールギヤ30に噛合してスプールを回転させる。なお、
このスプールギヤ30とモータギヤ12とは同心上に設
けられているが、互いの回転に一体性はなく、相互の関
係に関しては自由に回転することができるようになって
いる。
【0021】次に、この機構の動作について説明する。
まずカメラの起動は、メインスイッチ操作部材40を図
1に示した沈胴状態の位置から図の右方向へ動かすこと
で行われ、それによって鏡胴はワイド端に設定される。
メインスイッチ操作部材40を右へスライドさせると、
その先端の爪40aでレバー90の爪90aがスプリング
92の付勢力に抗して押し上げられ、さらに図2に示す
ように爪90aが爪40aを乗り越えたときにレバー90
の本体がストッパー94と当接してこれらの爪90a,4
0a同士が互いに係合することにより、接片41が基板
43のパターン上の所定位置に保持される。このとき、
テレ・ワイド切り換えレバー60がメインスイッチ操作
部材40の先端40bに押されるため、係止部60bがギ
ヤ108の係止溝108aから外れるとともに、他方の
係止部60aが係止溝106aに入り込んでギヤ106の
回転を規制する。一方、接片41が基板43のパターン
上を移動したことによりモータ10が回転を開始し、モ
ータギヤ12が図において時計方向へ回転する。
【0022】モータギヤ12の回転は、ギヤ14,16,
18,20から遊星ギヤ22へ伝達される。太陽ギヤ2
0は反時計方向へ回転するので、遊星キャリア120も
反時計方向へ振られ、遊星ギヤ22の時計方向への回転
がギヤ102に伝達される。この状態では、上述したよ
うに切り換えレバー60の係止部60aと係止溝106a
が係止していてギヤ106の回転が規制されているた
め、ギヤ102の反時計方向への回転は、遊星ギヤ10
4,105,107を時計方向へ自転させ、それによって
ギヤ108を時計方向へ回転させる。したがってギヤ1
14が反時計方向へ自転しながらギヤ108の回りを時
計方向へ公転し、ギヤ114が130に噛合してこれを
時計方向に回転させる。このカムギヤ130の回転は不
図示のギヤ列を介して鏡胴に伝達され、それまで沈胴状
態にあったレンズ鏡胴が繰り出されて行く。
【0023】カムギヤ130が回転すると、レバー70
に設けたピン70bがカム溝130a内を移動するため、
レバー70が軸70aを中心として反時計方向に揺動
し、レバー72もレバー70と一体的に揺動する。この
動作において、鏡胴がワイド端から僅かにテレ側となる
ように移動したところでレバー72のピン72bがレバ
ー90の爪90dの斜面90bに乗りあげるようになって
おり、そのため、レバー90が軸90cを中心として時
計方向に回転する(図3)ので、レバー90とメインスイ
ッチの操作部材40の爪同士90a,40aの係止状態が
解除され、スイッチ操作部材40がスプリング42の付
勢力により元の位置に復帰する。このことによりレバー
61の押圧が解かれるから、レバー60,61は、それ
ぞれスプリング62,63の付勢力に従って動作し、こ
の図3に示す位置で停止する。すなわち、レバー60の
係止部60aが係止溝106aから離脱し、他方の係止部
60bが係止溝108aと係止する。したがって、ギヤ1
08の回転が規制されるため、時計方向に自転だけして
いた遊星ギヤ104,105,107が時計方向に自転し
ながら軸99の回りを反時計方向に公転するようにな
り、それに伴ってギヤ106が反時計方向に回転する。
そのため、図4に示すようにキャリア112が反時計方
向に回転して遊星ギヤ116がカムギヤ130と噛合
し、遊星ギヤ116の時計方向の回転がカムギヤ130
に伝達される。カムギヤ130は反時計方向に回転する
ので、それまでの動きとは逆に鏡胴が繰り込まれ、鏡胴
がワイド位置になったときにモータの回転が停止する。
なお、モータをこのようにワイド位置で停止させるため
に、不図示ではあるが、鏡胴にはエンコーダや位置スイ
ッチなどの検出手段が設けられる。また、カムギヤ13
0が時計方向から反時計方向に反転するときには、カム
ギヤ130と噛合していたギヤ114は、太陽ギヤであ
るギヤ108が回転を阻止されているためにカムギヤ1
30の回転に従動してカムギヤ130と噛合しない位置
まで退避する。
【0024】レバー70は、カムギヤ130が反時計方
向へ反転した瞬間からモータが停止するまでの間に、軸
70aを中心として僅かに時計方向へ揺動する。上述し
たように、レバー90を付勢するスプリング92の付勢
力の方がレバー72を付勢するスプリング73の付勢力
よりも大きく設定されているので、レバー70が動く間
にレバー90は動かず、レバー72がピン72aを中心
にして反時計方向に回転する。以上のようにして鏡胴が
沈胴位置からワイド端の位置まで駆動されて撮影可能な
状態となったときのこの機構の平面図をこの図4に示し
ている。レバー72の反対側に設けられたアーム70e
のピン70gは鏡胴がワイド端に達する少し前にレバー
82の側面82bから離れ、キャリア80が回転可能な
状態となる。
【0025】次に、ズームレンズ鏡胴のテレ側及びワイ
ド側への駆動時のこの機構の動きについて説明する。鏡
胴がワイド端に設定された図4の状態からレンズ駆動用
のスイッチ操作部材50を図の右方向へスライドさせる
と、基板53の上を接片51が摺動し、モータ10が起
動してギヤ12が時計方向に回転を開始する。スイッチ
操作部材50の先端50aはレバー60をレバー61と
ともに右方向へ押し込む。したがって、メインスイッチ
をオンにした場合と同様に係止部60aと係止溝106a
が係止し、カムギヤ130が時計方向に回転するため、
鏡胴がテレ側へ繰り出される。このようにして鏡胴をテ
レ端に設定した状態を図5に示している。ここでスイッ
チの操作部材50から手を離すと、レバー60がスプリ
ング62の付勢力により元の位置に復帰するので操作部
材50が中立位置に戻り、モータの回転が停止する。す
なわち、任意の位置でズーミングを中止できる。
【0026】鏡胴を逆にワイド側に駆動する場合には、
スイッチ操作部材50を図6に示すように左方向へスラ
イドさせる。中立状態においてレバー60の係止部60
bが係止溝108aと係止した状態にあるので、操作部材
50を左へスライドさせるとスプリング52が伸びて接
片51が基板53上を左側へ摺動し、モータが起動して
ギヤ12が時計方向へ回転を開始する。レバー60によ
る差動ギヤの係止状態は変化していないので、カムギヤ
130は反時計方向へ回転し、鏡胴はワイド端へ向けて
繰り込まれる。
【0027】次に、フィルムの巻き上げ駆動時のこの機
構の動きについて図7を用いて説明する。このカメラで
は、フィルムの巻き上げはシャッターレリーズ後に1コ
マずつ行なわれるように、ボディ内に設けられたマイコ
ンで制御される。すなわち、シャッターレリーズが完了
するとまずモータ10が反時計方向に回転を開始する。
この回転はギヤ12,14,16,18から太陽ギヤ20
へと伝達され、太陽ギヤ20は時計方向へ回転する。し
たがって、キャリア120も時計方向に回転し、遊星ギ
ヤ22の反時計方向への回転がギヤ24に伝えられる。
ギヤ24は時計方向へ回転するので、遊星キャリア80
も時計方向へ回転する。ここで、ワイド端からテレ端ま
での領域ではレバー70のピン70gはレバー82の可
動範囲外に退避しており、したがって、遊星ギヤ26が
ギヤ28と噛合し、スプールギヤ30が反時計方向へ回
転してフィルムが巻き上げられる。
【0028】このカメラでは、フィルムが終端にきたこ
とを電気的に検知する手段が設けられており、この手段
の検知信号がマイコンに送られるかもしくは撮影者によ
り途中巻き戻しの操作が行なわれると、まず鏡胴が沈胴
状態まで繰り込まれてから巻き戻しが行なわれる。すな
わち、モータギヤ12が時計方向に回転を始め、差動ギ
ヤ100を構成するギヤ102が反時計方向へ回転す
る。この状態ではレバー60の係止部60aと係止溝1
06aが係止しているので、カムギヤ130は反時計方
向へ回転し、鏡胴が繰り込まれる。したがって、レバー
70は軸70aを中心として時計方向へ回転し、沈胴が
完了する少し前にアーム70eのピン70gがレバー82
の側面82bを図の下方へ押し込み、キャリア80が軸
82cを中心として反時計方向に回転する。ギヤ26が
ギヤ32に噛合したところでキャリア80の回転は停止
するが、この噛合状態を確実にするために、本実施例で
はさらにレバー70が回転してスプリング84をオーバ
ーチャージするようになっている(図1)。このようにし
て沈胴が完了した時点で、モータが反転し、反時計方向
に回転を始める。したがって、遊星ギヤ22はギヤ24
と噛合して、このギヤ24を時計方向に回転させる。こ
のギヤ24の回転はさらにギヤ26,32,33,34,3
5,36へと伝達され、ギヤ36が時計方向へ回転して
巻き戻しフォーク37によりフィルムが巻き戻される。
【0029】巻き戻しと関係なく鏡胴を沈胴させる場合
の動作は、以下のようにして行なわれる。すなわち、メ
インスイッチの操作部材40を右方向へスライドさせ、
レバー90の爪90aとこの操作部材の先端40aを係止
させて、操作部材をその位置に保持する。そうするとモ
ータが起動し、モータギヤ12が時計方向へ回転して、
鏡胴がまずテレ側へ繰り出される。鏡胴がテレ端になる
と図5に示したようにレバー70のピン70cがレバー
90の爪90dを押し込み、爪40a,90aの係止状態を
解除してスイッチの操作部材40を元の位置に復帰させ
る。ここで差動ギヤの係止状態が入れ代わるため鏡胴が
繰り込まれ、沈胴位置となった時にモータが停止する。
もしレンズがテレ端にあるときにメインスイッチの操作
部材40を同じように操作すると図5に示すようにレバ
ー90の爪90aが逃げているので操作部材40のロッ
クは行なわれないが、接片41が基板43上を移動する
ため、モータは回転を開始する。このときには操作部材
50は中立位置にあってレバー60の係止部60aが係
止溝108aと係止しているため、遊星ギヤ116の回
転がカムギヤ130に伝達され、鏡胴が繰り込まれるこ
とになる。
【0030】以上説明したように、本実施例では、フィ
ルムの巻き戻しはレンズ鏡胴が沈胴した状態において実
行でき、巻き上げは鏡胴がワイド端からテレ端の間に設
定されたときに実行可能である。そして巻き戻しを行う
ための遊星ギヤの動きを、レンズ鏡胴を沈胴させたとき
のカムギヤの動きから取るようにしているので、その切
り換え用として複雑な機構は必要でなく、しかも大きな
力がレバー70,80,82等にかかることもないので、
機構の大型化も防止できる。したがって、カメラの小型
化及びコストダウンを達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 レンズ鏡胴が沈胴位置に設定された状態での
本発明の1実施例に係る駆動切り換え機構の平面図であ
る。
【図2】 メインスイッチをオンにした状態での駆動切
り換え機構の平面図である。
【図3】 メインスイッチをオンにした後にこのスイッ
チのロックを解除した状態での駆動切り換え機構の平面
図である。
【図4】 レンズ鏡胴がワイド端に設定された状態での
駆動切り換え機構の平面図である。
【図5】 レンズ鏡胴がテレ端に設定された状態での駆
動切り換え機構の平面図である。
【図6】 レンズ鏡胴をワイド側へ駆動する状態での駆
動切り換え機構の平面図である。
【図7】 フィルムの巻き上げ状態での駆動切り換え機
構の平面図である。
【図8】 差動ギアの半断面図である。
【符号の説明】
10…モータ 20,22…第1切り換え手段 20…太陽ギヤ 22…遊星ギヤ 50,60,100…第2切り換え手段 50…レンズ駆動用スイッチ操作部材 60…レバー 100…差動ギヤ 24,26,80,82…第3切り換え手段 24…太陽ギヤ 26…遊星ギヤ 80,82…レバー 70…第4切り換え手段(レバー) 28,30…巻き上げ駆動系(ギヤ) 32,33,34,35,36…巻き戻し駆動系(ギヤ) 130…レンズ駆動部材(カムギヤ)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 沈胴位置と撮影位置とに設定可能なレン
    ズ鏡胴の駆動とフィルム給送駆動とを1つのモータで行
    うためのカメラの駆動切り換え機構にして、 正逆回転可能なモータ(10)と、上記レンズ鏡胴を撮影位
    置または沈胴位置に設定するために正逆動作するレンズ
    駆動部材(130)と、フィルムの巻き上げ駆動系(28,30)
    と、フィルムの巻き戻し駆動系(32,33,34,35,36)と、を
    備え、 さらに、上記モータ(10)の回転方向に対応して第1出力
    位置と第2出力位置のいずれか一方に設定される第1切
    り換え手段(20,22)と、 上記第1切り換え手段(20,22)が第1出力位置に設定さ
    れた状態で連結されるとともに該第1切り換え手段(20,
    22)から伝達された動力を上記レンズ駆動部材(130)に伝
    達し、且つ上記レンズ鏡胴を沈胴位置または撮影位置の
    一方に設定するように該レンズ駆動部材(130)の正逆動
    作を選択的に切り換え可能な第2切り換え手段(50,60,1
    00)と、 上記第1切り換え手段(20,22)が第2出力位置に設定さ
    れた状態で連結されるとともに該第1切り換え手段(20,
    22)から伝達された動力をフィルムの巻き上げ駆動系(2
    8,30)に伝達する巻き上げ位置と巻き戻し駆動系(32,33,
    34,35,36)に伝達する巻き戻し位置とに設定可能な第3
    切り換え手段(24,26,80,82)と、 上記第2切り換え手段(50,60,100)により上記レンズ鏡
    胴を沈胴位置に設定するように切り換えられた上記レン
    ズ駆動部材(130)に連動して上記第3切り換え手段(24,2
    6,80,82)を上記巻き戻し位置に設定し、上記レンズ鏡胴
    を撮影位置に設定するように切り換えられた上記レンズ
    駆動部材(130)に連動して該第3切り換え手段(24,26,8
    0,82)を巻き上げ位置に設定する第4切り換え手段(70)
    と、を備えたことを特徴とするカメラの駆動切り換え機
    構。
JP3161597A 1991-07-02 1991-07-02 カメラの駆動切り換え機構 Pending JPH0511321A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3161597A JPH0511321A (ja) 1991-07-02 1991-07-02 カメラの駆動切り換え機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3161597A JPH0511321A (ja) 1991-07-02 1991-07-02 カメラの駆動切り換え機構

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0511321A true JPH0511321A (ja) 1993-01-22

Family

ID=15738173

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3161597A Pending JPH0511321A (ja) 1991-07-02 1991-07-02 カメラの駆動切り換え機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0511321A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4752796A (en) Still camera
JP2003057705A (ja) ズームレンズを備えた沈胴式カメラ
US5105212A (en) Motor-driven camera
JPH0511321A (ja) カメラの駆動切り換え機構
JPH0511310A (ja) レンズバリヤを備えたカメラ用の撮影レンズ鏡胴装置
US6061524A (en) Camera
JPS6135435A (ja) カメラ
JPH0714979Y2 (ja) カメラのトルク検知装置
JP2624486B2 (ja) カメラのレンズ鏡胴駆動装置
JP3196359B2 (ja) カメラの駆動機構
JPH0193711A (ja) カメラの電動装置
JPH1062852A (ja) カメラの駆動機構
JP3043892B2 (ja) 遊星歯車機構
JPH0648497Y2 (ja) カメラのフイルム給送装置
JP2583557B2 (ja) カメラの遊星クラッチ機構
JPS62299950A (ja) モ−タドライブカメラ
JP2000002916A (ja) カメラ
JPH03102332A (ja) ズームカメラ
JPS63254425A (ja) カメラのaf駆動装置
JPH0229725A (ja) カメラの焦点距離切換え装置
JP2001100284A (ja) 巻き上げ,巻き戻し機構を用いたバリア開閉機構
JP2004004255A (ja) 動力伝達機構
JP2001100276A (ja) バリア開閉クラッチ機構
JPH087368B2 (ja) 可変焦点装置付カメラのクラッチ装置
JPH05323430A (ja) カメラの電動機構

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees