JPH0511274A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JPH0511274A
JPH0511274A JP3160336A JP16033691A JPH0511274A JP H0511274 A JPH0511274 A JP H0511274A JP 3160336 A JP3160336 A JP 3160336A JP 16033691 A JP16033691 A JP 16033691A JP H0511274 A JPH0511274 A JP H0511274A
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健作 矢野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 点欠陥等の映像欠陥の発生を低減できる液晶
表示装置を提供する。 【構成】 透光性基板11にタンタル膜を形成し、バスラ
イン12および突起部13をエッチング形成する。タンタル
膜の表面に、絶縁膜を形成し、この絶縁膜上に突起部13
と交差させて十字形状となるように対向金属膜14を形成
する。交差部にMIM型のダイオード15を形成する。透
光性基板11上の全面に、ポリイミド膜18を塗布する。対
向金属膜14の、MIM型のダイオード15となる部分から
外れた部分の真上に、ポリイミド膜18を上開きのテーパ
状となるテーパエッチングして、コンタクト用のスルー
ホール19を2個形成する。ITO膜をスパッタリング法
で形成し、電気的に接続する。画素電極16を形成し、絶
縁膜を塗布し、配向処理を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種の表示装置として
用いられるアクティブマトリクス式の液晶表示装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】各種の表示装置として広く用いられてい
る液晶表示装置には、単純マトリクス方式とアクティブ
マトリクス方式とがあるが、画質や応答スピードの点で
優れているアクティブマトリクス方式が、パーソナル・
コンピユータの表示装置や産業機器の表示端末として注
目されている。このアクティブマトリクス方式は、各絵
素をスイッチングする素子により、さらに、薄膜トラン
ジスタ(Thin Film Transistor:
TFT)を使う3端子型のものと、薄膜ダイオード(T
hin Film Diode:TFD)を使う2端子
型のものとがある。
【0003】一般に、TFT型は高画質だがコストや歩
留まりに課題があると言われ、また、TFD型は生産性
が高く低コストだが画質の点で課題があると言われてい
る。この議論は現在必ずしも決着がついたものではない
が、両型とも歩留まりに課題があることは否定できな
い。
【0004】ここで、歩留まりに影響を与えるのは、素
子特性のバラツキもあるが、製造プロセスの繁雑さによ
って生じる画像欠陥が原因となることも多い。この画像
欠陥には、白点、黒点、シミおよびムラ等がある。この
白点欠陥の、特に構造起因欠陥について、TFD型を例
にとって説明する。
【0005】通常、TFT型でも同様であるが、TFD
型において、透光性基板上には、各画素毎のダイオード
が対応する画素電極と平面的に配置されている。このた
め、ダイオードを含む各構成要素が極めて近接した配置
関係となり、画素電極をエッチングで形成する際にゴミ
等が存在すると、エッチング残りが発生し、各構成要素
間がショートし易くなる。このショートが白点欠陥とな
る。この白点欠陥の発生度合いは、画素数が高密度にな
るに従って急増する。
【0006】この事情をTFD型の一つである、MIM
(Metal InsulatorMetal)ダイオ
ードを用いた構造を例にとり、図8を参照して説明す
る。
【0007】図8は1画素分の領域を示す平面図であ
る。11は各種のガラスから選ばれる透光性基板で、この
透光性基板11の上面には、金属タンタル(Ta)膜を基
にスパッター法で形成されたバスライン12、および、ダ
イオード形成のために帯状の突起部13が配設されてい
る。これらバスライン12および突起部13を形成している
タンタル膜の表面には、陽極酸化法により絶縁体である
五酸化タンタル(Ta2 5 )を形成する。なお、陽極
酸化法はピンホールレス膜を形成することができるの
で、TFD型ダイオードの形成には必ず使用される。
【0008】上記帯状の突起部13に対しては、帯状の対
向金属膜14を交差させて十字形状に積層形成し、ダイオ
ード15を形成する。この対向金属膜14には、ダイオード
特性の安定性を考慮してクロム(Cr)膜を使用する。
したがって、この例でのMIMのダイオード15は、Ta
/Ta2 5 /Crの構成を有する。また、このダイオ
ード15は、金属膜14の部分において画素電極16と電気的
に接続している。この画素電極16には、エッチングが容
易であることからITO(Indium Tin Ox
ide)膜が使用され、図示のようにダイオード15を囲
むように平面的に配置されている。
【0009】上記構成において、各構成要素は互いに接
近して配置されているが、最も寸法が小さいのは、バス
ライン12と画素電極16とが隣接している領域Aであり、
その間隔は約5μmである。
【0010】このような寸法関係において、画素電極16
をエッチングする際にゴミが存在すると、ゴミと同一形
状のエッチング残り17が発生する。このエッチング残り
17が図示のような状態で生じると、バスライン12の表面
に形成されたTa2 5 膜が絶縁破壊し易くなり、バス
ライン12のタンタル膜と画素電極16とが短絡する。すな
わち、このような過程が白点欠陥の原因である。
【0011】このような白点欠陥を減少させる手段とし
ては、ゴミの低減を図ることが最も重要で直接的な手段
である。ここで、半導体の場合は、確率論的にウェーハ
当り何枚ものチップが良品として取れる。しかし、液晶
表示装置では透光性基板1枚当りの面積が10インチ等
と極めて大きいため、チャージ数が1〜3枚と小さく、
ゴミの絶対数が問題になってしまい、1枚も良品が取れ
ない場合も起こり得るため、半導体とは異なる難しさが
ある。
【0012】上記説明は液晶表示装置の画像欠陥を問題
点としているが、次に、高精細化に伴う開口率の低下に
ついて説明する。
【0013】近年、カラー液晶表示装置の技術発展には
目覚ましいものがあり、その中心となっているのはアモ
ルファスシリコン膜でTFT型のスイッチング素子を構
成した、アクティブマトリクス型のものである。その理
由は、前述のようにアクティブマトリクス型の画質が良
いとされていることと、アモルファスシリコン膜が、他
の材料と異なって価電子制御が容易なことから、バルク
半導体と同様にTFT型のスイッチング素子を形成する
に最適な材料との評価を得たためであり、この10年急
速に技術発展が続いている。この他に、アクティブマト
リクス型の一つとして、前述した2端子型のものも、そ
の製造方法の容易さから独自に発達している。
【0014】このようなTFT型の現在の技術展開は大
きく分けて2つがある。1つは大面積化であり、対角1
0インチ級が主力製品となっている。この場合、画素数
は640(×3原色)×480個のいわゆる中精細表示
であり、パーソナルコンピュータのディスプレイに使わ
れ始めている。他の1つは高精細化である。
【0015】いずれにしても、これらの場合、ライン数
が増え、画素の蓄積容量を大きくする必要がある。しか
し、アモルファスシリコン膜を使用するTFT型では、
アモルファスシリコン膜の移動度が小さいため、各TF
Tのサイズを小さくして画素の開口率を維持することが
難しくなりつつある。
【0016】同様に、前述した2端子型液晶表示装置に
おいても、大面積化の傾向にあり、12インチ級が開発
されつつある。高精細化についても、2端子型の一つで
ある前記MIM型の液晶表示装置では、9.8インチで
画素数640(×3原色)×400のものが開発されて
いる。この2端子型液晶表示装置でのダイオード面積
は、TFT型とは異なり、通常5μm角程度の面積しか
ないため、開口率の点ではTFT型より優れている。
【0017】しかし、TFD型である2端子、TFT型
である3端子のいずれのスイッチング形態を採るにして
も、今後さらに高精細化が進めば、開口率の低下に伴う
コントラストの低下は避けられない。
【0018】これらの事情をMIM型のダイオードを用
いた構造を例にとり、図9および図10を参照して説明
する。
【0019】図9に示す透光性基板11は、2値表示にお
ける1画素分の領域の平面図であり、1画素分の領域
は、図示のように例えば垂直方向210μm×水平方向
210μmのピッチを有する。なお、各構成要素に付し
た符号は図8と共通のもので、同一符号は対応する構成
要素を表す。これら各構成要素は図示のように次の寸法
関係を有する。
【0020】まず、バスライン12は線幅20μm、突起
部13は幅5μm×長さ20μmであり、この突起部13
と、これに対して交差するように十字形状に積層配置さ
れた対向金属膜14とで構成されるダイオード15は5μm
×5μmである。画素電極16は垂直方向190μm×水
平方向170μmの大きさを有し、突起部13を避けるべ
く図示のような切欠部を有する。この場合の開口率(画
素電極16の面積/1画素領域の面積)は約72%であ
る。
【0021】ここでカラー化する場合は、この1画素領
域を3原色分として3分割して構成しなければならな
い。2端子型ではカラーフィルタはストライプ型に配置
されているので図10で示すように1画素領域を垂直方
向に沿ってRGBの3原色用に3等分し、それぞれにバ
スライン12、突起部13、この突起部13と共にダイオード
15を構成する対向金属膜14を設けている。
【0022】この場合、3等分されたRGB毎の各1画
素領域の寸法は、垂直方向210μm×水平方向70μ
mとなる。各構成要素の寸法についてみると、バスライ
ン12は、ライン抵抗の関係から細くすることが出来ず、
幅20μmのままである。ダイオード15の大きさも、現
在のマスク作成技術の限界から小さく出来ず、5μm×
5μmのままである。
【0023】したがって、画素電極16のみが小さくな
り、図の例では、垂直方向190μm×水平方向30μ
mとなる。このときの開口率を図に従って計算すると約
35%となり、図9での開口率約72%に対して半減し
てしまう。また、光の透過量(輝度)も16%と予想以
上に低下してしまい、図9の場合に対して低下の割合は
30%程度となる。
【0024】このような問題を解決するためには、全体
の画素数を少なくして1画素領域の面積を大きくする
か、または表示装置の大きさを拡大して画素数を保った
まま1画素領域の面積を大きくするかである。
【0025】ところが、このような画素数や表示装置の
大きさの変更を伴うことは、高精細化とはならない。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、各構成
要素が同一平面に配置されているため、これらの配置構
成に寸法上の制約が加わり、その結果、白点欠陥等の画
像欠陥が生じたり、カラー化の場合に、開口率の大幅な
低下が生じたりする。
【0027】このような状況に対する新しい試みとし
て、立体的な配置構成が考えられている。一般に、平面
的な配置による集積度に限界が生じた場合、半導体の分
野では、IC回路のダイナミックラム(DRAM)やC
CDなどの映像デバイスのように立体的(3次元)に配
置するのが技術的な流れである。液晶表示装置において
もこのような試みが行なわれた例がある。例えば、ハイ
ビジョン用液晶投射型表示装置の場合、透過型では開口
率が大幅に低下するので反射型として、開口率を低下さ
せないことが考えられている。
【0028】本発明はこのような立体化の流れに沿った
もので、その目的とするところは、各構成要素の立体的
な配置構成により、白点欠陥等の映像欠陥の発生を低減
でき、或いは、カラー化に当たって開口率の大幅な低下
が生じることのない液晶表示装置を提供することにあ
る。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の液晶表示装置は、バスライン、このバスラインに接続
された画素毎のダイオードおよびこのダイオードに接続
される画素電極を有する液晶表示装置において、前記バ
スラインおよびダイオードを同一平面上に形成し、これ
らバスラインおよびダイオードに対して層間絶縁膜を介
するとともに前記ダイオード上に位置して前記画素電極
を積層形成し、前記ダイオードと画素電極とを、層間絶
縁膜に設けたテーパエッチングが施されたスルーホール
を介して導電接続したものである。
【0030】請求項2に記載の液晶表示装置は、バスラ
イン、このバスラインに接続される画素毎のダイオード
およびこのダイオードに接続された画素電極を有する液
晶表示装置において、前記バスラインを透明導電膜によ
り形成し、前記ダイオードおよび前記画素電極は、前記
透明導電膜によるバスライン上に位置するように層間絶
縁膜を介して積層形成し、かつ前記ダイオードとバスラ
インとを、層間絶縁膜に設けたスルーホールを介して導
電接続したものである。
【0031】
【作用】請求項1に記載の液晶表示装置では、画素電極
をバスラインやダイオードに対して、層間絶縁物を介し
て別の層に設けたので、各構成要素間の配置に寸法的な
余裕が生じ、各構成要素の大きさが同じで、従来と同程
度のゴミの量が積載されても、白点欠陥等の映像欠陥の
発生が大幅に少なくなる。また、スルーホールをテーパ
エッチングにすることにより、断線の発生を減少させ
る。
【0032】請求項2に記載の液晶表示装置では、バス
ラインを透明導電膜により形成すると共に、ダイオード
およびこのダイオードに接続された画素電極を、上記透
明導電膜によるバスライン上に位置するように、層間絶
縁膜を介して積層構成したので、画素電極の面積を、従
来設置困難であったバスラインの上部にまで拡大するこ
とができ、カラー化のために、1画素領域を3現象に3
分割しても、画素電極面積が従来のように極端に減少す
ることはなく、従来に比べて大きな開口率を保てる。
【0033】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。
【0034】図1は2端子型の液晶表示装置の一実施例
における1画素領域を示す平面図であり、各構成要素に
付した符号は、図8で付した符号と対応し、同じ符号は
同じ構成要素を表している。
【0035】以下、各部の構成を、液晶表示装置の製造
プロセスに従って説明する。透光性基板11は、各種のガ
ラス材から選ばれており、必要によっては予めその表面
にコーティング膜が施される。この場合のコーティング
膜としては五酸化タンタル膜(Ta2 Ox:x〜5)或
いは酸化シリコン膜(SiOx)等がある。
【0036】上記透光性基板11に、厚さ2000〜30
00オングストロームのタンタル(Ta)膜を、通常ス
パッタリング法によって形成する。この透光性基板11上
に形成されたタンタル膜に対して、図示のようなバスラ
イン12および突起部13が形成されるようにエッチングを
行なう。この場合、バスライン12の幅寸法は10μm、
突起部13の幅寸法は5μmとする。また、上記エッチン
グとしてテーパエッチングを施すため、CF4ガスとO
2 ガスとから成る混合ガスによりプラズマエッチングを
行なう。
【0037】次に、これらのタンタル膜の表面に、陽極
酸化法により絶縁膜(Ta2 5 膜)を形成する。この
陽極酸化法は、純水に0.01wt%のクエン酸を混合
した溶液中で、約40V程度の電圧を印加することによ
り行なわれる。膜厚は500〜1000オングストロー
ムの範囲とする。すなわち、五酸化タンタル膜を用いる
MIM型のダイオードは、プールフレンケル伝導を用い
るため、前記膜厚が薄すぎるとリーク気味になり、厚す
ぎると絶縁体の効果が出過ぎて電流が流れなくなるの
で、上記寸法範囲が選ばれる。
【0038】ダイオード15を構成するための対向金属膜
14には、クロム(Cr)を用い、先ず、スパッタリング
法により、厚さ1500オングストローム程度のクロム
膜を形成する。ここで、クロム膜を選んだのは、特性の
安定性と非直線性とが良いためである。このようにして
形成したクロム膜をエッチングし、前記突起部13と交差
させて十字形状となるように対向金属膜14を形成する。
このエッチングには、下地である五酸化タンタル膜との
選択比を考慮して、一般にウエットエッチング法を用い
る。対向金属膜14の幅寸法は5μmとする。このため、
上記十字形状の交差部に5μm×5μmのMIM型のダ
イオード15が形成される。ここまでのプロセスは、従来
からのMIM型のダイオード15の形成法と同じである。
【0039】そして、このようにバスライン12とMIM
型のダイオード15とを形成した透光性基板11上の全面
に、層間絶縁膜18としての、低温焼成ポリイミド膜を塗
布する。この場合、キュア温度は180℃であり、膜厚
は5000オングストロームである。
【0040】なお、層間絶縁膜18として低温焼成ポリイ
ミド膜を例示したが、酸化シリコン膜、金属酸化物或い
は他の有機絶縁膜であっても良い。ただし、以下の説明
は、層間絶縁膜としてポリイミド膜18を用いたものとし
て行なう。
【0041】上記塗布により図1のII−II断面図である
図2に示すように、MIM型のダイオード15の表面は、
ポリイミド膜18により完全に覆われる。この後、対向金
属膜14の、MIM型のダイオード15となる部分から外れ
た部分の真上に位置するポリイミド膜18をエッチングし
て、コンタクト用のスルーホール19を2個形成する。こ
のエッチングは酸化プラズマを用いて行なう。このと
き、図1のIII −III の断面図である図3に示すよう
に、スルーホール19が上開きのテーパ状となるようにテ
ーパエッチングを行なう。スルーホール19をテーパ状と
するのは、このスルーホール19内に形成される導電部
に、断線が生じないようにするためである。
【0042】上記低温焼成ポリイミド膜18は、他の積層
膜との付着力が弱いので、相手の表面をプラズマによっ
て荒らす必要がある。なお、プラズマとしては、対向金
属膜14の表面酸化膜の除去を兼ねてアルゴン(Ar)プ
ラズマを用いている。
【0043】次に上記ポリイミド膜18上に画素電極16を
形成すべく、ITO膜をスパッタリング法により、約1
000オングストロームの厚さに形成し、さらに希塩酸
溶液でエッチングして、図示のような画素電極16の形状
に形成する。この画素電極16の形状は、図8で示した従
来のものと異なり、図1で示すように、下層に位置する
ダイオート15を覆うように作ることが可能であり、この
ようにした場合、従来に比べてコントラストの高い表示
を得ることができる。
【0044】ここで上述のようにITO膜をスパッタリ
ング法で形成した際、ITO膜はテーパ上のスルーホー
ル19を介して、下層に位置する対向金属膜14と、図3で
示すように、電気的に接続する。この場合、スルーホー
ル19は滑らかなテーパ角を有するように形成されている
ため、前述のように、ITO膜はいわゆる段切れによる
断線を生じることなく対向金属膜14に接続される。
【0045】図1の例では、コンタクト用のスルーホー
ル19を2個設けたが、電気的接続が確実であれば何個で
あってもよい。
【0046】なお、以下の構成およびその製造プロセス
は、通常の液晶表示装置と同じである。図2および図3
にしたがって説明すると、上述のように、画素電極16を
形成した後、絶縁膜20として再度低温焼成ポリイミド膜
を塗布し、配向処理を施す。この絶縁膜20の膜厚は画素
電極16上で約800オングストロームとする。
【0047】図示上方の対向透明電極基板21は、透光性
基板22上にストライプ状のITO膜23を形成し、その上
に低温焼成ポリイミド膜24を塗布したもので、このポリ
イミド膜24の表面にも配向処理が施されている。
【0048】そして、これら両透光性基板間に図2で示
す如く液晶25が注入され、液晶表示装置として組み立て
られる。
【0049】上記構成によれば、バスライン12と画素電
極16とがスルーホール19を介して異なる層に配置されて
いるので、原理的にこれら両者の短絡を完全になくすこ
とができる。したがって、従来の製造プロセスに比べて
やや工程数は増えるが、白点画像欠陥の確実な低減が可
能で、総合的に見た効果は大である。
【0050】次に、図4および図5で示す実施例を説明
する。図4は1画素領域の平面図、図5は図4のV−V
断面図である。
【0051】この実施例は、図1、図2および図3で示
したものをさらに発展させたもので、コンタクト用のス
ルーホール19の構造を改善している。すなわち、前記実
施例では、対向金属膜14上を覆うポリイミド膜18が厚い
ため、対向金属膜14に向かって開けられたスルーホール
19が深くなり、そのテーパ角度が急俊になり易い。この
スルーホール19のテーパ角が急俊になると、その内部に
形成されるITO膜23に段切れが生じ易くなる。
【0052】そこで、この実施例では、透光性基板11上
にタンタル膜によるバスライン12を形成する際、同時に
このタンタル膜によりパッド部27を形成しておく。この
パッド部27を形成しておく位置は、後で形成される対向
金属膜14の下面と対向する位置とする。対向金属膜14
は、前述のようにクロム膜により、突起部13と十字状に
交差形成されるが、その際、図5で示すように、パッド
部27上にも積層状態で形成する。
【0053】この後、前述のようにポリイミド膜18が塗
布されるが、パッド部27が設けられた部分の、対向金属
膜14上面までのポリイミド膜18の厚さが薄くなる。この
ため、この部分にコンタクト用のスルーホール19を形成
すると、その深さが浅くなり、このスルーホール19のテ
ーパ角をなだらかに形成することができる。したがっ
て、前述したITO膜23の段切れがより一層生じ難くな
る。
【0054】なお、上記実施例は、いずれもMIM型の
ダイオードを例にとって説明したが、MSI(Meta
l Semi−Insulator)のような、一般的
な他の2端子型の液晶表示装置にも適用することができ
る。
【0055】次に、他の一実施例を図6および図7を参
照して説明する。なお、図6はR,G,Bのうち1原色
分の1画素領域を示し、図7は、図6のVII−VII 断面
図である。
【0056】この発明は、図10で説明したように1画
素領域をR,G,B用に3分割した場合でも、分割され
た1画素についての開口率を大幅に低下させないための
ものである。
【0057】ここで、開口率を低下させる最大の要因
は、図10におけるバスライン12がタンタルなどの金属
で構成されているために不透過であることによる。図1
0におけるバスライン12は、ダイオード15を構成する突
起部13と切り離すことができれば、透過性の材料であっ
てもよい。もちろん、ライン抵抗の条件が満たされるこ
とが条件ではある。また、図10のように、バスライン
12と画素電極16とが平面配置されている場合は、画素電
極16の面積に制約を受けるため、バスライン12が透過性
であれ不透過性であれ開口率に影響はない。このため、
開口率を大きく取れる新たな立体配置が要望されてい
る。
【0058】図6における1画素領域の大きさは、図1
0の場合と同じで、垂直方向210μm×水平方向70
μmである。先ず、各種のガラス材から選ばれた透光性
基板11の上面に、電子ビーム蒸着法によってITOによ
る透明導電膜31(バスライン)を厚さ1000オングス
トロームで形成する。形成温度は220℃で完全にポリ
化することにより、シート抵抗として15Ω/シートの
極めて低い値とする。しかし、金属材料であるタンタル
の、厚さ3000オングストロームでのシート抵抗値5
Ω/シートに対しては数倍あるため、線幅を狭くするこ
とができず、図示のように1画素領域ほぼ一杯に配線す
る。図の例では線幅は50μmである。
【0059】次に、透明導電膜31を形成した透光性基板
11の全面に層間絶縁膜32を約3000オングストローム
程度形成する。本実施例では低温焼成ポリイミド膜を被
着して約180℃で固化させる。
【0060】ここで、層間絶縁膜32に低温焼成ポリイミ
ド膜を用いた理由は、配線間の溝を十分に埋められるか
らである。しかし、前記透明導電膜31の形状にテーパを
つけるなど工夫すれば、層間絶縁膜32の材料として、酸
化シリコン膜など、有機・無機を問わず何でも使用する
ことができる。
【0061】次に、この層間絶縁膜32に孔径7μm程度
のコンタクト用スルーホール33を形成し、このスルーホ
ール33を介して透明導電膜31の一部を外部に露出させ
る。このスルーホール33は、酸素ガスのプラズマエッチ
ングによって形成する。このとき、レジストには予めテ
ーパ角を施しておき、エッチング後に層間絶縁膜32であ
るポリイミド膜に、図7で示すようなテーパ角を有する
スルーホール33が形成されるようにする。また、層間絶
縁膜32が、例えば酸化シリコン膜の場合は、フロンガス
(CF4 ガス)により反応性イオンエッチングを行なっ
てスルーホール33を形成し、その後、このスルーホール
33のコーナをラウンドエッチングすることによりテーパ
角を設けてもよい。
【0062】次に、層間絶縁膜32の表面およびスルーホ
ール33の底部に露出している透明導電膜31の表面を逆ス
パッタ法によって荒らし、それぞれ膜付着力を増大させ
る。この後、上記スルーホール33を含む層間絶縁膜32の
上面にタンタル膜などの金属膜を付着させ、その後、図
6で示すように、電極部34および突起部35を有する所定
の形状にエッチングする。上記スルーホール33の周囲
の、電極部34の形状は15μm角であり、また突起部35
の形状は、幅5μm×長さ20μmである。
【0063】なお、上記逆スパッタ法とタンタル膜の付
着は連続スパッタ装置で行なう。
【0064】次に、これら電極部34および突起部35から
なるタンタル膜の表面に酸化膜を形成する。この酸化膜
は酸化タンタル膜であり、純水にクエン酸0.1%を混
入させた陽極酸化法で形成する。そして、この膜厚はプ
ールフレンケル伝導を考慮して800オングストローム
とする。
【0065】上記突起部35と共にMIM型のダイオード
36を形成する対向金属電極37には、クロムを用い、同じ
くスパッタ法により膜厚2000オングストロームに形
成される。この対向金属電極37の線幅は、幅5μmで長
さは20μmとする。この結果、MIM型のダイオード
36の面積は5μm×5μmとなる。
【0066】次に、MIM型のダイオード36を形成した
層間絶縁膜32の全面に、画素電極38としてITOによる
透明導電膜を膜厚1000オングストロームで被着さ
せ、その後、上記MIM型のダイオード36の部分を避け
るように、図6で示す形状にエッチングする。この場
合、画素電極38の大きさは、およそ垂直方向170μm
×水平方向60μmとなり、開口率は64%となる。こ
れは、従来の開口率35%に比べ大幅な増大である。ま
た、輝度低下も30%となり、R,G,Bへの3等分に
対応した輝度低下になっており、妥当な値が得られる。
【0067】その他の構成およびその製造プロセスは一
般の液晶表示装置と同じであり、それらの説明は省略す
る。
【0068】上記構成によれば、バスライン31を透明導
電膜とし、同じく透明導電膜による画素電極38とは、層
間絶縁物32を介して別の層に配置したので、開口率を従
来に比べ大幅に増大することができ、従来のように1画
素領域の面積を増大させたり、画素数を減少させたりす
ることなく、高精細な表示を行なうことができる。
【0069】上記実施例では、バスライン31は透明電極
膜のみで構成しているが、例えばライン抵抗の低減化を
助けるため等により、1部分を金属配線で並列配線して
もよい。また、バスライン31としての透明電極膜の幅寸
法は、その抵抗値によって自由に選べるものであり、さ
らに、コンタクト用スルーホール33の数も必要に応じて
決めればよい。
【0070】さらに、2端子型の一例として、MIM型
のダイオードを例にとって説明したが、他の2端子型、
例えばMSI型にも適用することができる。
【0071】
【発明の効果】請求項1に記載の液晶表示装置によれ
ば、画素電極をバスラインやダイオードに対して、層間
絶縁物を介して別の層に設けたので、各構成要素間の配
置に寸法的な余裕が生じ、各構成要素の大きさが同じ
で、従来と同程度のゴミの量が積載されても、白点欠陥
等の映像欠陥の発生を大幅に少なくすることができる。
また、スルーホールをテーパエッチングにすることによ
り、断線の発生を減少させることができる。
【0072】請求項2に記載の液晶表示装置によれば、
バスラインを透明導電膜により形成すると共に、ダイオ
ードおよびこのダイオードに接続された画素電極を、上
記透明導電膜によるバスライン上に位置するように、層
間絶縁膜を介して積層構成したので、画素電極の面積
を、従来設置困難であったバスラインの上部にまで拡大
することができ、カラー化のために、1画素領域を3現
象に3分割しても、画素電極面積が従来のように極端に
減少することはなく、従来に比べて大きな開口率を保つ
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示装置の一実施例を示す1画素
領域の平面図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】図1のIII −III 断面図である。
【図4】他の実施例を示す1画素領域の平面図である。
【図5】図4のIV−IV断面図である。
【図6】他の実施例の液晶表示装置を示す1画素領域の
平面図である。
【図7】図6のVII −VII 断面図である。
【図8】従来例の液晶表示装置を示す1画素領域の平面
図である。
【図9】他の従来例の液晶表示装置を示す1画素領域の
平面図である。
【図10】さらに他の従来例の液晶表示装置を示す1画
素領域の平面図である。
【符号の説明】
12,31 バスライン 15,36 ダイオード 16,38 画素電極 19,33 スルーホール

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バスライン、このバスラインに接続され
    た画素毎のダイオードおよびこのダイオードに接続され
    る画素電極を有する液晶表示装置において、 前記バスラインおよびダイオードを同一平面上に形成
    し、これらバスラインおよびダイオードに対して層間絶
    縁膜を介するとともに前記ダイオード上に位置して前記
    画素電極を積層形成し、前記ダイオードと画素電極と
    を、層間絶縁膜に設けたテーパエッチングが施されたス
    ルーホールを介して導電接続したことを特徴とする液晶
    表示装置。
  2. 【請求項2】 バスライン、このバスラインに接続され
    る画素毎のダイオードおよびこのダイオードに接続され
    た画素電極を有する液晶表示装置において、 前記バスラインを透明導電膜により形成し、前記ダイオ
    ードおよび前記画素電極は、前記透明導電膜によるバス
    ライン上に位置するように層間絶縁膜を介して積層形成
    し、かつ前記ダイオードとバスラインとを、層間絶縁膜
    に設けたスルーホールを介して導電接続したことを特徴
    とする液晶表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001337347A (ja) * 2000-05-29 2001-12-07 Toshiba Corp 液晶表示装置およびその製造方法
JP2008052154A (ja) * 2006-08-28 2008-03-06 Optrex Corp 電子機器及び電子機器の製造方法

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