JPH0511233Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、複写機の給紙搬送装置に関するもの
である。

（従来技術） 上記複写機の給紙搬送装置として、カセツトケ
ースの装填部と、前記カセツトケースからの複写
紙を転写部へと導く複写紙搬送機構とを備え、か
つ、該複写紙搬送機構が上部要素と下部要素とか
ら成ると共に、カセツトケース抜出し側に引出し
自在の給紙ユニツト枠に、前記カセツトケース装
填部と下部要素とを設け、更に、感光ドラムから
離間する方向に移動自在な転写ユニツト枠に転写
部を設けると共に、これら両ユニツト枠を個々に
所定位置で固定する機構を設けたものがある。

上記の給紙搬送装置によれば、複写紙搬送機構
や転写部での紙詰りや、あるいは、その両者にわ
たつての紙詰りを、固定機構の解除操作によつて
簡単に行なえる利点がある。

しかしながら、紙詰りの発生箇所が複写紙搬送
機構と転写部の何れであるかを判断できない場合
において、ともすれば固定機構を順次解除操作す
ることがあり、あるいは、複写紙搬送装置と転写
部とにわたる紙詰りの場合には、前記２組の固定
機構を解除操作する必要があり、何れにしても紙
詰り解消の操作が煩わしく、かつ、手間がかかる
欠点があつた。

（考案の目的） 本考案は、極めて簡単な改良によつて上記欠点
を解消するとするもので、本体に対し、挿脱に馴
染む構成部品部分は挿脱できるようにしてより広
い作業空間を得るようにし、逆に一般的には挿脱
するのに馴染まない構成部品部分は挿脱しないよ
うにし、一般需要者が機器や部品を不用意に損傷
してしまう恐れを未然に防止しながらも、紙詰り
の除去作業はこれを軽快に効率よく行える複写機
の給紙搬送装置を提供することを目的としてい
る。

（考案の構成） 上記目的を達成するために、本考案による複写
機の給紙搬送装置は、 少なくともカセツトケースの装填部を有する給
紙ユニツトを備えた給紙ユニツト枠と複写機本体
とに跨がつて設けられ、かつ、前記複写機本体側
に上部複写紙搬送ローラ並びに上部複写紙案内板
を有し、さらに、前記給紙ユニツト枠側には下部
複写紙搬送ローラ並びに前記装填部に通じる下部
複写紙案内板を有する複写紙搬送機構を備え、前
記給紙ユニツト枠を前記複写機本体に対して挿脱
自在に構成すると共に、この給紙ユニツト枠を前
記複写機本体に対する所定装填位置で位置固定す
る装填位置固定機構を設け、一方、少なくとも前
記カセツトケースからの複写紙が前記複写紙搬送
機構によつて導かれる転写部を備えた転写ユニツ
ト枠を感光ドラムから離間する方向に移動自在に
構成すると共に、この転写ユニツト枠を所定の転
写作用位置で固定する固定機構を設け、前記転写
ユニツト枠の前記固定機構に対する固定解除に連
動して前記給紙ユニツト枠の前記装填位置固定機
構を固定解除状態に切換える連動機構を設けてあ
ることに特徴がある。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
ると、第１図は本考案の特徴を最も良く表わす静
電写真複写機の主要部を示し、図において、１は
感光ドラムで、この感光ドラム１の周囲には、帯
電部２、現像部３、転写部４、分離部５、除電部
６、トナー剥離部７が配置され、かつ、感光ドラ
ム１の上部には露光装置８が設けられている。

次に、第１，２図において、複写機の給紙搬送
装置は、少なくともカセツトケース１８，１８，
１８の装填部１９，１９，１９を有する給紙ユニ
ツトＡを備えた給紙ユニツト枠２２と複写機本体
２３とに跨がつて設けられ、かつ、複写機本体２
３の側に上部複写紙搬送ローラ１０，１０，１０
並びに上部複写紙案内板（ガイド板）１２，１
２，１２を有し、さらに、給紙ユニツト枠２２の
側には下部複写紙搬送ローラ１１，１１，１１並
びに装填部１９，１９，１９に通じる下部複写紙
案内板（ガイド板）１３，１３，１３を有する複
写紙搬送機構９を備え、給紙ユニツト枠２２を複
写機本体２３に対して挿脱自在に構成すると共
に、この給紙ユニツト枠２２を複写機本体２３に
対する所定装填位置で位置固定する装填位置固定
機構２７を設け、一方、少なくともカセツトケー
ス１８，１８，１８からの複写紙が複写紙搬送機
構９によつて導かれる転写部４を備えた転写ユニ
ツト枠２６を感光ドラム１から離間する方向に移
動自在に構成すると共に、この転写ユニツト枠２
６を所定の転写作用位置で固定する固定機構２７
を設け、転写ユニツト枠２６の固定機構２７に対
する固定解除に連動して給紙ユニツト枠２２の装
填位置固定機構２７を固定解除状態に切換える連
動機構Ｃを主として設けてなる。

更に、複写紙搬送機構９の上部複写紙搬送ロー
ラ１０，１０，１０は、給紙ユニツト枠２２を複
写機本体２３に対して挿入固定されたときに、下
部複写紙搬送ローラ１１，１１，１１と互いに協
働して複写紙を搬送する対になつた３組の複写紙
搬送ローラを構成し、同時に、複写紙搬送機構９
の上部複写紙案内板１２，１２，１２も、下部複
写紙案内板１３，１３，１３と互いに協働して複
写紙を搬送する対になつた３組の複写紙案内板を
構成する。この際、給紙ユニツトＡの手差し部２
０からの複写紙を上部複写紙案内板１２，１２，
１２、上部複写紙搬送ローラ１０，１０，１０お
よび下部複写紙搬送ローラ１１，１１，１１で転
写部４に搬送できる。

また、給紙ユニツトＡの装填部１９，１９，１
９は、サイズの異なる複写紙を収容する３個のカ
セツトケース１８，１８，１８を抜出し自在に装
填するためのものであり、給紙ユニツトＡは、こ
の装填部１９，１９，１９の他に、上述した手差
し部２０と、さらに、カセツトケース１８，１
８，１８内の複写紙を送出する給紙ローラ２１，
２１，２１と、複写紙搬送機構９の下部複写紙搬
送ローラ１１，１１，１１と、同じく下部複写紙
案内板１３，１３，１３とが設けられており、給
紙ユニツト枠２２を複写機本体２３に対してカセ
ツトケース１８，１８，１８の抜出し側（給紙方
向とは反対側）に抜出し自在に設けて成る。

そして、前記給紙ユニツト枠２２が所定位置に
ある状態、つまり、上側および下側の搬送ローラ
１０，１１が所定のニツプ巾を有する状態にある
ときに、当該給紙ユニツト枠２２を所定位置で固
定するための固定機構２４が設けられている。

次に、前記転写ユニツトＢは、前記レジストロ
ーラ１４，１５対のうち駆動側の下部ローラ１５
近くの横軸２５まわりで揺動自在に転写ユニツト
枠２６を設け、この転写ユニツト枠２６に、前記
転写部４と分離部５および下側ガイド板１７を設
けて成る。

そして、前記感光ドラム１に対して転写部４が
所定の転写位置にあるときに、前記転写ユニツト
枠２６をその位置で固定するための固定機構２７
を設けてあり、この固定機構２７を固定解除操作
することにより、第２図に示すように、前記転写
ユニツト枠２６が感光ドラム１から離間する方向
に移動し、同時に、被動側である上部のレジスト
ローラ１４を駆動側の下部レジストローラ１５か
ら離間させるようにしてある。

即ち、前記上部レジストローラ１４は、それの
回転軸２８が長孔（図外）に沿つて上下移動自在
に設けられ、かつ、コイルスプリングによる付勢
機構３０によつて下部レジストローラ１５側に押
圧当接されており、そして、前記転写ユニツト枠
２６には、上部レジストローラ１４の下方に当接
する舌片３１を設けてあつて、前記転写ユニツト
枠２６の感光ドラム１からの離間に伴つて上部レ
ジストローラ１４を前記付勢機構３０の付勢力に
抗して上方に移動させるようになつている。

尚、上部レジストローラ１４を駆動側にし、下
部レジストローラ１５を被動側に構成するも良
く、この場合は、下部レジストローラ１５を給紙
ユニツト枠２２側に設けて、給紙ユニツトＡの引
出しによつてレジストローラ１４，１５対での紙
詰りを解消できるようにすれば良い。

さて、前記給紙ユニツト枠２２に対する固定機
構２４は、第１図乃至第３図に示すように、先端
側にカム部分ａと係合凹部ｂとが形成されたフツ
ク部材３２を給紙ユニツト枠２２に設ける一方、
上下方向の長孔ｃが形成された前後（感光ドラム
１の回転軸芯方向）一対のブラケツト３３，３３
を、それの長孔ｃを前後方向視で前記係合凹部ｂ
に重合させる状態で複写機本体２３の底板２３ａ
に立設し、そして、上下に間隔をへだてる状態で
両端側がロツド３６で連結された上下一対の係止
ロツド３４，３５を、前記一対のブラケツト３
３，３３の長孔ｃに係入（下部の係止ロツド３５
は前記係合凹部ｂにも係入する。）させて成り、
而して、下部の係止ロツド３５を係合凹部ｂから
離脱させることによつて固定を解除でき、かつ、
圧縮スプリング３７の付勢力によつて、第２図に
示すように、給紙ユニツトＡがカセツトケース抜
出し側に押出されるようになつている。

そして、前記圧縮スプリング３７の付勢力に抗
して給紙ユニツト枠２２を押し込むことにより、
下部係止ロツド３５がカム部分ａによつて持上げ
られると共に係合凹部ｂに落ち込み、而して、給
紙ユニツトＡを固定できるのである。

一方の転写ユニツト枠２６に対する固定機構２
７は次のように構成されている。即ち、第１図乃
至第８図に示すように、前後一対のブラケツト３
８，３８を転写部４下方に臨ませるべく複写機本
体底板２３ａに立設すると共に、このブラケツト
３８，３８に、前記転写ユニツト枠２６の揺動横
軸２５に平行な軸４０を介して、支持部材４１両
端の連結用板部４２，４２を枢支連結し、そし
て、前記転写ユニツト枠２６の底面板２６ａを乗
載支持する転動ローラ４３を、それの軸芯P₁が
前記揺動横軸２５の軸芯P₂と平行になるように
して前記支持部材４１に取付けると共に、前記支
持部材４１に回動操作レバー４４を連設し、か
つ、前記転写ユニツトＢが所定の転写位置にある
状態において、前記転動ローラ４３と前記軸４０
の両軸芯P₁，P₃を結ぶ線Ｐと、前記転写ユニツ
ト枠２６の底面板２６ａとの挾角θが90度をやや
上回るように、つまり、前記転写ユニツトＢの重
力を受けて前記支持部材４１が給紙方向とは逆方
向（図において時計回りの方向）の回動付勢力を
受けるように構成すると共に、前記挾角θが90度
をやや上回つた状態において、前記回動付勢力に
抗して前記支持部材４１の回動を阻止するストツ
パー４５を、前記操作レバー４４に当接させる状
態で複写機本体２３に設けて成る。

つまりは、転写ユニツトＢによる回動付勢力の
付与構成とその付勢力に抗するストツパー４５と
を基にして、転写ユニツト枠２６に対する固定機
構２７を構成しており、而して、前記回動付勢力
に抗して前記操作レバー４４を給紙方向（反時計
方向）に回動させることによつて固定解除の状態
を現出できるのである。

尚、第１，２図において、図中の３９は転写ユ
ニツト枠２６の浮上り防止用ストツパー、５０は
クツシヨン材である。

さて、上記の転写ユニツト枠２６に対する固定
機構２７と前記給紙ユニツト枠２２に対する固定
機構２４とにわたつて連動機構Ｃを設けてある。

この連動機構Ｃは、特に第３図に示すように、
前後一対のレバー４６，４６を前記横軸２５に平
行な軸４７まわりで揺動自在に複写機本体２３に
取付けると共に、該レバー４６，４６の遊端と前
記連結用板部４２，４２とを夫々ロツド４８，４
８で枢支連結し、かつ、前記レバー４６，４６の
夫々にアーム４９，４９を固着すると共に、この
アーム４９，４９の遊端を、前記給紙ユニツト枠
用固定機構２４の上下一対の係止ロツド３４，３
６間に挿入位置させて成る。

而して、前記転写ユニツト枠２６に対する固定
機構２７を固定解除すると、これに連動して前記
アーム４９，４９の遊端側が上方に移動し、これ
に伴つて下部係止ロツド３５が係合凹部ｂ，ｂか
ら離脱するもので、前記固定機構２７の固定解除
に連動して給紙ユニツト枠２２に対する固定機構
２４を固定解除状態に切換えられるようになつて
いる。

従つて、一方の固定機構２７のみを固定解除す
るだけの操作で、前記複写紙搬送機構９や転写部
４での紙詰りや、あるいは、その両者９，４にわ
たる紙詰りの解除を、手間をかけずに簡単に行な
うことができるのであり、そして、紙詰り解除後
においては、前記転写ユニツト枠２６に対する固
定機構２７を固定状態に切換えると共に、給紙ユ
ニツト枠２２を前記スプリング３７の付勢力に抗
して押し込んで、該給紙ユニツト枠２２に対する
固定機構２４を固定状態に切換えるのである。

尚、前記スプリング３７を省略する構成とする
も良く、この場合は、給紙ユニツト枠２２を所定
の固定位置に位置させて後に、転写ユニツト枠２
６に対する固定機構２７を固定状態に切換える形
態をとることもできる。

また、前記転写ユニツト枠２６に対する固定機
構２７として、例えば、前記操作レバー４４を複
写機本体２３に対して解除自在に連結する構造に
したり、あるいは、前記操作レバー４４に対して
給紙方向とは逆方向（時計方向）の回動付勢力を
付与するスプリングを設ける構成にしたりするも
良く、その固定機構２７の具体構造は種々変形可
能である。

以上説明したように本考案によれば、一方の転
写ユニツト枠に対する固定機構のみの固定解除に
連動して他方の給紙ユニツト枠に対する固定機構
を固定解除状態に切換えられるので、而して、複
写紙搬送機構と転写部の何れにおいて紙詰りを生
じたとしても、あるいは、その両者にわたつて紙
詰りを生じたとしても、その紙詰りの解除操作
を、手間をかけずに簡単に行なえるのであり、簡
単な改良によつて目的を達成できるに至つたので
ある。

そして、殊に本考案は、転写ユニツト枠の固定
機構は感光ドラムに対し離間する方向に移動自在
に構成された該転写ユニツト枠を転写作用姿勢に
固定するように働くもので、複写機本体に対して
頻繁に挿脱することに馴染まない該転写ユニツト
枠はなるべく本体内での位置変位にとゞめるよう
に構成し、翻つて給紙ユニツト枠の装填位置固定
機構は本体に対して挿脱するように構成された給
紙ユニツト枠を本体内の所定装填位置で位置固定
するように働き、複写機本体に対して頻繁に挿脱
することに馴染みやすい給紙ユニツト枠はこれを
積極的に本体外に引き出すように構成したところ
に特徴があつて、これが故に、給紙ユニツト枠を
機外に引き出すことによつて、手を差し入れ難い
複写紙搬送機構部分の上部要素の下方に広い空間
を形成でき、この広い空間を活用して、該複写紙
搬送機構部分のみならず転写部での紙詰りをも極
めて軽快に、且つ、効率よくこれを取り除くこと
ができる上に、転写ユニツト枠はそのまゝ機内に
残して、専門でない作業者などの手に触れること
で不用意に機器や部品を損傷するといつた不都合
を未然に防止でき、一般需要者においても不用意
に機器や部品を損傷することなく容易に紙詰りの
解除作業が行える利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は静電写
真複写機の主要部の正面図、第２図は固定解除の
状態を示す説明図、第３図は連動機構部分の斜視
図である。 １……感光ドラム、４……転写部、９……複写
紙搬送機構、１８……カセツトケース、１９……
カセツトケース装填部、２２……給紙ユニツト
枠、２４，２７……固定機構、２６……転写ユニ
ツト枠、Ｃ……連動機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 少なくともカセツトケースの装填部を有する給
   紙ユニツトを備えた給紙ユニツト枠と複写機本体
   とに跨がつて設けられ、かつ、前記複写機本体側
   に上部複写紙搬送ローラ並びに上部複写紙案内板
   を有し、さらに、前記給紙ユニツト枠側には下部
   複写紙搬送ローラ並びに前記装填部に通じる下部
   複写紙案内板を有する複写紙搬送機構を備え、前
   記給紙ユニツト枠を前記複写機本体に対して挿脱
   自在に構成すると共に、この給紙ユニツト枠を前
   記複写機本体に対する所定装填位置で位置固定す
   る装填位置固定機構を設け、一方、少なくとも前
   記カセツトケースからの複写紙が前記複写紙搬送
   機構によつて導かれる転写部を備えた転写ユニツ
   ト枠を感光ドラムから離間する方向に移動自在に
   構成すると共に、この転写ユニツト枠を所定の転
   写作用位置で固定する固定機構を設け、前記転写
   ユニツト枠の前記固定機構に対する固定解除に連
   動して前記給紙ユニツト枠の前記装填位置固定機
   構を固定解除状態に切換える連動機構を設けてあ
   ることを特徴とする複写機の給紙搬送装置。