JPH0511230Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、複写機の手差し給紙装置に関し、特
に、多数枚の用紙を用いて手差しで複写が可能な
ように構成してなる複写機の手差し給紙装置に関
する。

（従来の技術） 従来より用いられている複写機等においては、
主として用いられる定型用紙は、給紙カセツト等
に収容された状態で複写機本体に装着され、その
用紙の選択を行つた場合には、自動的に給紙の動
作が行われるようになつている。

しかし、定型外のサイズの用紙を用いる場合、
または、連続して複写を行つている間に、その指
定された以外のサイズの用紙を用いて割込み複写
を行いたい時等には、その用紙の数が少ない場合
は、手差し給紙部を用いて用紙を給紙することに
よつて行うようにしていることが多い。また、上
記した定型用紙の場合とは別に、定型サイズでな
い用紙、または、規格外の用紙を用いて複写を行
う場合には、給紙カセツトを用いることが出来な
いので、その場合には、当然手差し給紙台を用い
ることが必要になる。

従来より用いられている手差し給紙台として
は、第４図または第５図に示されるような装置が
ある。これらの前記従来例は、用紙を給紙台上に
１枚ずつ載置し、給紙を行うようにしているもの
である。

例えば、第４図に示される給紙装置は、最も単
純な機構より構成されているもので、複写機の内
部に設けられた搬送ローラ装置３５ａに対して、
給紙台２ａから用紙１を１枚ずつ挿入し、複写を
行うようにする装置である。

この装置においては、用紙１の先端を、両ロー
ラ間に挟持されるような状態で挿入し、複写のス
タート信号によつて、クラツチ等のオン・オフに
より搬送ローラの駆動を行い、その用紙１を複写
機内に送り込むようにしている。

また、第５図に示される装置は、常時駆動され
ている搬送ローラ装置３５ａの手前部分に、給紙
ローラ２０ａを設けておき、該給紙ローラ２０ａ
をソレノイド等の部材によつて揺動可能に支持す
る。

そして、複写のスタート信号によつて前記ソレ
ノイドを作動させ、給紙ローラ２０ａを給紙台２
ａ上の用紙１に押圧させ、給紙の動作を行わせる
ような構成を用いている。

上記従来例は、用紙を１枚ずつ手差しによつて
挿入するように構成したものであるが、最近は、
複写機の機能が向上していることにともない、複
数枚の用紙を給紙台に載置し、手差し給紙装置を
用いての複数枚の複写が可能な装置を開発する傾
向がある。

この分野においては、例えば、第６図に示され
るような装置がある。このような装置において
は、上記した１枚ずつ給紙を行う給紙装置とは異
なり、通常の複写機に装備されているような用紙
さばき機構を装備した給紙装置が用いられる。

第６図に示される給紙装置の構成を説明する
と、搬送ローラ装置３５ａの手前の部分に、送り
ローラ３１ａとリタードパツド３３ａより構成さ
れるさばきローラ装置３０ａを設け、さらに、そ
の給紙台２ａ側に、アーム等を介して揺動可能に
支持された給紙ローラ２０ａを設けている。

用紙１を載置するための給紙台２ａは、支点３
ａを介して揺動可能に設けられ、その給紙台２ａ
をソレノイドまたはカム装置等の駆動装置によ
り、支点３ａを介して揺動させるように構成して
いる。

そして、複写の信号が入力されると、前記駆動
装置が作動されて給紙台２ａを上に揺動させ、用
紙１を給紙ローラ２０ａに向けて押圧するととも
に、給紙ローラ２０ａ、送りローラ３１ａを駆動
して、給紙台２ａ上の用紙１を順次複写機内部に
搬入し、複写を行うようにしている。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、上記したような従来より用いられて
いる給紙装置において、用紙を１枚ずつ給紙する
ような装置の場合には、当然多数枚の用紙の複写
の動作ができないものであり、例えば、複数枚の
同一のコピーを得ようとすれば、同じ複写の動作
を繰返して行うことが必要になり、非常に繁雑な
手間を要求されることになる。

また、第６図に示されるような手差し機構を用
いる場合には、送りローラに対して用紙を押圧す
るための駆動部材と、給紙ローラ等の搬送部材の
駆動装置に対するオン・オフ用のクラツチ等を別
個に設け、それぞれを個別に作動させることが必
要になる。

さらに、給紙台全体を揺動させるようになるた
めに、その駆動部材としては、比較的大型のもの
を用いることが必要になり、複写機の構造を複雑
にすることになる。それに加えて、使用頻度の少
ない機構に対して、そのような価格の高い装置を
設けることは、複写機の製造コストを上昇させる
等の欠点が発生することにもなる。

（考案の目的） 本考案は、上記したような従来より用いられて
いる装置の欠点を解消するもので、給紙装置の構
成を簡素化するとともに、用紙の送りを確実に行
い得るような複写機の手差し給紙装置を提供する
ことを目的としている。

（問題点を解決するための手段および作用） 本考案は、固定位置に設ける補助給紙台と、該
補助給紙台の給紙方向上流側に配置する給紙台か
ら用紙の載置部を構成し、前記給紙台の用紙送り
出し側端部に対応させて、給紙ローラを配置し、
該給紙ローラの下流部に用紙さばきローラ装置、
および搬送ローラ装置を配置してなる給紙装置に
関する。

本考案において、前記給紙台は、補助給紙台側
に配置する支点を介して揺動可能に設け、下部に
配置したカム装置により揺動させる手段を設け、
前記給紙台を上昇させる位置で、用紙を給紙ロー
ラに押圧する機構を構成している。また、前記カ
ム装置の駆動軸には、クラツチ機構を介して搬送
ローラ装置からの駆動を伝達する機構を配置し、
前記カム装置の駆動軸には、ギヤ装置による増速
手段を介して、さばきローラ装置の送りローラと
給紙ローラに対する駆動機構を接続している。そ
して、前記増速手段は、カム部材により給紙台を
上昇させる間に、前記給紙ローラにより送り出し
た用紙が、搬送ローラ装置により搬送される位置
にまで到達するような速度で、前記給紙ローラと
送りローラとを駆動する機構を構成している。

したがつて、本考案の複写機の手差し給紙装置
においては、クラツチを１個設け、そのクラツチ
を介して全部の作動部材の駆動を行い得るように
構成しているために、その駆動機構の構成を簡素
化できることになる。

さらに、本考案の複写機の手差し給紙装置にお
いては、その手差し給紙装置を制御するために、
１個のクラツチに対する制御装置を設けるだけで
十分であるために、その構成が簡単になり、それ
によつて複写機の全体の構成を簡単にすることが
可能になる。

（実施例） 図示された実施例に従つて、本考案の複写機の
手差し給紙装置の構成を説明する。

第１図は、本考案の複写機の手差し給紙装置の
各構成部材を示す斜視図であり、複写機のカバー
部材、および、その他の部材を省略した状態で示
している。

第１図に示されるように、本考案の複写機の手
差し給紙装置は、用紙を載置するための給紙台
と、該給紙台にセツトされた用紙を、上のものか
ら順次送り出すための給紙ローラ２０、および給
紙ローラ２０により取り出された用紙をさばい
て、重送を防止するようにするさばきローラ装置
３０、前記さばきローラ装置３０により１枚ずつ
送り込まれた用紙を、用紙搬送路に案内するため
の搬送ローラ装置３５とから構成される。

本考案の装置において、用紙を載置するための
トレイは、第２図にも示されるように補助給紙台
４とその複写機側に設けられる給紙台２とから構
成されており、補助給紙台４は固定位置に設けら
れている。

また、給紙台２は、補助給紙台側の端部が支点
３に支持されて、複写機側の端部が揺動可能な状
態で設けられている。給紙台２の下面には、駆動
軸６に設けられたカム５が配置されており、この
カム５の回転を行う駆動軸６は、クラツチ１５を
介してプーリ１２に接続され、駆動が行われるよ
うになつており、その他端部にはギヤ７ａが固定
されている。

このギヤ７ａは、後述するように、それに噛合
うギヤ７ｂを介して、増速装置を構成する他のギ
ヤ７ｃ，７ｄを回転させ、ギヤ７ｄがそれを支持
している駆動軸３２を駆動するようになつてい
る。

また、前記プーリ１２は駆動ベルト１３によ
り、搬送ローラ装置３５のプーリ１４とともに駆
動されるように構成されていて、そのクラツチ１
５はソレノイド１０により、リンク１１を介して
オン・オフされる。

本考案の給紙ローラ２０は、前記支持軸３２ま
たは複写機のフレームに対して、揺動可能に設け
られたブラケツト２５に支持されており、そのブ
ラケツト２５の後端部には、ストツパー２６が設
けられ、このストツパー２６が複写機のフレーム
に当接して、給紙ローラ２０の下方への揺動を制
限出来るようにされている。

前記したように、ギヤ７ａ〜７ｄを介して駆動
される支持軸３２には、送りローラ３１が固定さ
れ、用紙の送りを行うが、その支持軸３２には、
プーリ２３が固定されていて、そのプーリ２３に
掛渡した駆動ベルト２１が、給紙ローラ２０の駆
動を行うプーリ２２に掛渡されている。

また、駆動ベルト１３が巻き掛けられるプーリ
１４は、駆動軸３７に固定されており、その駆動
軸３７には駆動ローラ３６が設けられている。こ
の駆動ローラ３６に対向してピンチローラ３８が
設けられており、これらのローラ３６，３８が用
紙を挟持し、搬送を行うための搬送ローラ装置３
５として構成される。

本考案の装置において、駆動ベルト１３は常時
駆動がなされているものであるから、搬送ローラ
装置３５の駆動ローラ３６は常時回転されてお
り、給紙ローラ２０およびさばきローラ装置３０
の作動により、複写機の機内に搬入された用紙を
搬送ローラ装置３５によつて用紙搬送路に案内
し、通常の複写モードの場合と同様にしてトナー
画像の転写等の動作を行う。

したがつて、本考案の複写機の手差し給紙装置
においては、ソレノイド１０が作動され、リンク
１１を介してクラツチ１５を接続すると、駆動軸
６によりカム５が一回転され、それとともに、ギ
ヤ７ａ〜７ｄを介して増速された状態で、駆動軸
３２が駆動され、送りローラ３１の回転を行うと
ともに、駆動ベルト２１を介して給紙ローラ２０
が駆動されることになるために、給紙台２の揺動
により給紙ローラ２０に対して押圧される用紙
が、そのローラ２０により搬出されることにな
る。

（作用） つぎに、第２図および第３図にもとづいて、本
考案の複写機の手差し給紙装置における用紙の搬
送の動作を説明する。

第２図は、用紙１を載置する場合の状態を示す
もので、給紙台２が下降している場合で、補助給
紙台４と同一の面を形成している。そして、その
状態の給紙台の上に複写を行うに必要な枚数の用
紙１をセツトする。

また、手差し給紙装置が作動されない時には、
搬送ローラ装置３５は常時駆動される状態にある
が、給紙ローラ２０とさばきローラ装置３０とは
停止されている。そして、ブラケツト２５はその
端部に突出しているストツパー２６が、フレーム
２７に係止されるので、図示される状態に保持さ
れたままになつている。また、給紙台２の先端部
は、カム５の平面部に支持されて保持されるが、
その他に、フレームに給紙台２の先端部に向けて
突出する部材２７ａを設け、その部材に支持させ
るように構成することも可能である。

用紙１を給紙台の上にセツトし、複写のスター
ト信号を入力すると、ソレノイド１０が付勢さ
れ、クラツチ１５をオンにする。したがつて、駆
動軸６に固定されているカム５が回転され、給紙
台２を支点３を介して複写機側を上に揺動させ、
第３図に示されるような状態にし、積重ねられた
用紙１の先端部を給紙ローラ２０に押圧する。

それとともに、ギヤ部材を介して駆動軸６より
も高速で駆動軸３２を回転させ、送りローラ３
１、および、その駆動軸３２に連動される給紙ロ
ーラ２０の駆動を行い、給紙台２上の用紙１を順
次取り出し、さばきローラ装置３０に向けて送り
出しを行うとともに、さばきローラ装置３０によ
つて用紙の重送を防止して、次の搬送ローラ装置
３５に供給出来るようにする。

本考案の複写機の手差し給紙装置においては、
給紙ローラ２０と、さばきローラ装置３０とが駆
動されるのは、ソレノイド１０がオンされた時だ
けであるが、それらのローラの回転は、ギヤ装置
により増速されているので、用紙１を複写機の機
内に設けた搬送ローラ装置３５に供給するため
に、充分な搬送距離を確保することが可能にな
る。

本考案の装置において、給紙台２上からの両ロ
ーラによる用紙１の搬送距離は、ギヤ装置におけ
るギヤ比率を変更することによつて、容易に調節
することが出来る。また、給紙ローラ２０の回転
数を、送りローラ２１に比較して速い速度に設定
しようとする場合には、プーリ２２と２３との径
を変えることによつて容易に出来る。

さらに、本考案の装置において、クラツチ１５
としては、スプリングクラツチを用いることを想
定しているが、その他に従来より用いられている
一般のクラツチを任意に適用することが可能であ
り、そのクラツチをオン・オフするための作動部
材としても、ソレノイドに限定されることはな
い。

また、ギヤ装置は、駆動ベルトを用いることが
出来、その変速比を任意に設定出来るような構成
を採用することが可能であるとともに、駆動ベル
トとしても、歯付きベルト等のような樹脂製のベ
ルトの他に、チエーン等を用いても良いことは当
然のことである。

（考案の効果） 本考案の複写機の手差し給紙装置は、上記した
ような構成を有するものであるから、手差し給紙
部を用いて、複数枚のコピーを連続して行うこと
が可能になり、その複写の動作を容易に行い得る
ことになる。

また、本考案の複写機の手差し給紙装置は、給
紙部の各部材の連動のための構成を、従来より用
いられている複写機に比較して、１個のクラツチ
によりその駆動の制御を行うことが出来るため
に、その構成を簡素化出来るとともに、複写機の
製造コストを引下げ得ることにもなる。

さらに、本考案の給紙装置は、上記したように
１個のクラツチにより、給紙台の揺動の動作と、
各ローラ装置の駆動とを行い得るものであるため
に、コントロールが容易に出来、その制御装置の
回路等を簡素化することが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の複写機の手差し給紙装置の構
成を示す斜視図、第２図は本考案の給紙台に用紙
を載置する場合の状態を示す側面図、第３図は用
紙送り出し時の状態を示す側面図、第４図ないし
第６図はそれぞれ従来より用いられている給紙装
置の構成を示す説明図であり、第４図および第５
図は用紙を一枚ずつ給紙する給紙装置の構成を示
し、第６図は複数枚の用紙をセツト出来るような
タイプの給紙装置を示す図である。 図中の符号、１……用紙、２……給紙台、３…
…支点、４……補助給紙台、５……カム、６……
駆動軸、７……ギヤ、１０……ソレノイド、１３
……駆動ベルト、１５……クラツチ、２０……給
紙ローラ、２１……駆動ベルト、２５……ブラケ
ツト、２７……フレーム、３０……さばきローラ
装置、３１……送りローラ、３３……リタードパ
ツド、３５……搬送ローラ装置、３６……駆動ロ
ーラ、３８……ピンチローラ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 固定位置に設ける補助給紙台と、該補助給紙台
   の給紙方向上流側に配置する給紙台から用紙の載
   置部を構成し、前記給紙台の用紙送り出し側端部
   に対応させて、給紙ローラを配置し、該給紙ロー
   ラの下流部に用紙さばきローラ装置、および搬送
   ローラ装置を配置してなる給紙装置において、 前記給紙台は、補助給紙台側に配置する支点を
   介して揺動可能に設け、下部に配置したカム装置
   により揺動させる手段を設け、前記給紙台を上昇
   させる位置で、用紙を給紙ローラに押圧する機構
   を構成し、 前記カム装置の駆動軸には、クラツチ機構を介
   して搬送ローラ装置からの駆動を伝達する機構を
   配置し、 前記カム装置の駆動軸には、ギヤ装置による増
   速手段を介して、さばきローラ装置の送りローラ
   と給紙ローラに対する駆動機構を接続し、 前記増速手段は、カム部材により給紙台を上昇
   させる間に、前記給紙ローラにより送り出した用
   紙が、搬送ローラ装置により搬送される位置にま
   で到達するような速度で、前記給紙ローラと送り
   ローラとを駆動することを特徴とする複写機の手
   差し給紙装置。