JPH05112149A - 多段自動変速機付車両 - Google Patents

多段自動変速機付車両

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JPH05112149A
JPH05112149A JP3302404A JP30240491A JPH05112149A JP H05112149 A JPH05112149 A JP H05112149A JP 3302404 A JP3302404 A JP 3302404A JP 30240491 A JP30240491 A JP 30240491A JP H05112149 A JPH05112149 A JP H05112149A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多機能のセンターディファレンシャル装置と
油圧多板クラッチ装置を備えた同一の駆動系を用いて、
4輪駆動車と2輪駆動車の互換性を容易に得る。 【構成】 4輪駆動車ではセンターディファレンシャル
装置50から前輪と共に後輪にも伝動構成し、油圧多板
クラッチ装置60に差動制限すると共に前後輪のトルク
配分を可変制御する油圧多板クラッチ62、後輪への動
力を接断する油圧多板クラッチ61、更に第5速用ブレ
ーキ63を設ける。また、2輪駆動車では前輪のみに伝
動構成し、油圧多板クラッチ装置60に第5速用ブレー
キ63と油圧多板クラッチの一部を変更したロック用油
圧多板クラッチ72を設けて構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、センターディファレン
シャル装置を備えた車両の駆動系に関し、詳しくは、4
輪駆動車とFF等の2輪駆動車との共通化を最大限図る
ことを可能にした構造に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、センターディファレンシャル装
置は4輪駆動車に装備されており、従来この4輪駆動車
に関しては、例えば特願平2−134306号のものが
ある。ここで、複合プラネタリギヤのセンターディファ
レンシャル装置に、動力接断する油圧多板クラッチと、
差動制限すると共にトルク配分を可変制御する油圧多板
クラッチと、第5速の変速段を得るブレーキとが付設さ
れ、これらを軸方向に順次並べて配置構成する。そし
て、センターディファレンシャル装置により差動機能、
前後輪トルク分割機能を付与する以外に、前後輪へのト
ルク配分を可変制御したり、減速または増速装置として
利用して、走行性能、操縦性、安定性、制動性等を一段
と向上させることが示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記先行技術
のものにあっては、4輪駆動車としてのみ構成されてい
るので、この駆動系を用いてFF等の2輪駆動車に適応
することができない。ここで、センターディファレンシ
ャル装置は減速または増速変速段を得る副変速機として
の機能も有し、この機能は2輪駆動車にも利用して有効
であることから、同一の駆動系を用いて4輪駆動車と2
輪駆動車の共通化を最大限図るように構成することが望
まれる。
【0004】本発明は、この点に鑑みてなされたもの
で、多機能のセンターディファレンシャル装置と油圧多
板クラッチ装置を備えた同一の駆動系を用いて、4輪駆
動車と2輪駆動車の共通化を容易に得ることを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、トランスミッションケースに接合される
トランスファケースの内部に、種々の機能を備えた複合
プラネタリギヤ式センターディファレンシャル装置と、
複数の摩擦係合要素を有する油圧多板クラッチ装置とが
同軸上に配置され、センターディファレンシャル装置か
ら前後輪の一方へ常に動力伝達するように連結される構
成において、トランスファケースの端部にカバーが閉塞
すると共に、センターディファレンシャル装置からの1
つの出力要素を支持するように接合され、油圧多板クラ
ッチ装置がセンターディファレンシャル装置をロックま
たはフリーにする第1の摩擦係合要素と、減速または増
速変速段を得る第2の摩擦係合要素とを有するものであ
る。
【0006】
【作用】上記構成に基づき、センターディファレンシャ
ル装置から前後輪の他方へ伝動構成することで、本来の
4輪駆動車に構成され、油圧多板クラッチ装置を若干変
更して第1と第2の摩擦係合要素を設けることで、2輪
駆動車になる。そしてこの2輪駆動車では、第1の摩擦
係合要素の係合によりセンターディファレンシャル装置
がロックして自動変速機の変速動力がそのまま伝達し、
更に第2の摩擦係合要素の係合によりセンターディファ
レンシャル装置の機能が付与されて、自動変速機以外に
減速または増速した変速段を得ることが可能になる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1において、本発明が適用されるセンターディ
ファレンシャル装置付車両として、本来の4輪駆動車の
場合について説明する。この4輪駆動車として、エンジ
ン、自動変速機を車両前後方向に縦置き配置した実施例
の駆動系について説明すると、トルクコンバータケース
1、ディファレンシャルケース2の後部にトランスミッ
ションケース3が接合し、トランスミッションケース3
の後部にトランスファケース4及びエクステンションケ
ース6が接合する。また、トランスミッションケース3
の下部にはオイルパン5が取付けられている。
【0008】符号10はエンジンであり、このエンジン
10のクランク軸11がトルクコンバータケース1内部
のロックアップクラッチ12を備えたトルクコンバータ
13に連結し、トルクコンバータ13からの入力軸14
がトランスミッションケース3内部の自動変速機30に
入力する。自動変速機30からの変速機出力軸15は入
力軸14と同軸上に出力し、この変速機出力軸15がト
ランスファケース4内部のセンターディファレンシャル
装置50に同軸上に連結する。
【0009】トランスミッションケース3内部におい
て、入,出力軸14,15に対してフロントドライブ軸
16が平行配置され、このフロントドライブ軸16の後
端はセンターディファレンシャル装置50に一対のリダ
クションギヤ17,18を介して連結し、フロントドラ
イブ軸16の前端はディファレンシャルケース2内部の
フロントディファレンシャル装置19を介して前輪に伝
動構成される。一方、センターディファレンシャル装置
50の後部には油圧多板クラッチ装置60が設けられ
て、この油圧多板クラッチ装置60から出力するリヤド
ライブ軸20は、プロペラ軸21、リヤディファレンシ
ャル装置22等を介して後輪に伝動構成される。
【0010】自動変速機30は、2組のフロントプラネ
タリギヤ31,リヤプラネタリギヤ32により前進4段
と後進1段を得る構成である。即ち、入力軸14がリヤ
プラネタリギヤ32のサンギヤ32aに、フロントプラ
ネタリギヤ31のリングギヤ31bおよびリヤプラネタ
リギヤ32のキャリア32cが変速機出力軸15に連結
する。そしてフロントプラネタリギヤ31のキャリア3
1cと一体的な連結要素33と、リングギヤ32bとの
間に、第1のワンウエイクラッチ34、フォワードクラ
ッチ35が直列的に設けられ、連結要素33と固定部材
であるケース側との間に、第2のワンウエイクラッチ3
6、ローリバースブレーキ37が並列的に設けられる。
連結要素33とリングギヤ32bとの間には、オーバラ
ンニングクラッチ38がバイパスして設けてある。
【0011】また、サンギヤ31aと一体的な連結要素
39には、バンドブレーキ40が設けられ、入力軸14
と一体的な連結要素41およびキャリア31cと一体的
な連結要素42との間には、ハイクラッチ43が設けら
れる。更に連結要素39と41との間には、リバースク
ラッチ44が設けられている。
【0012】この自動変速機30の構成により、Dレン
ジまたは3レンジと2レンジの1速ではフォワードクラ
ッチ35が係合し、加速の場合は両ワンウエイクラッチ
34,36の作用で連結要素33と共にリングギヤ32
bをロックすることで、入力軸14からサンギヤ32
a,キャリア32cを介して変速機出力軸15に動力伝
達する。このとき、惰行時は第1のワンウエイクラッチ
34がフリーになり、オーバランニングクラッチ38を
係合して第1のワンウエイクラッチ34のフリー回転を
規制しても、第2のワンウエイクラッチ36がフリーに
なってエンジンブレーキは作用しない。1レンジの1速
では、ローリバースクラッチ37の係合でオーバランニ
ングクラッチ38を介してリングギヤ32bを常にロッ
クするため、エンジンブレーキが作用する。
【0013】Dレンジまたは3レンジと2レンジの2速
では、上記フォワードクラッチ35とバンドブレーキ4
0とが係合し、このバンドブレーキ40によりサンギヤ
31aをロックする。そこでキャリア31cとリングギ
ヤ32bとが、連結要素33、フォワードクラッチ3
5、第1のワンウエイクラッチ34を介して回転し、1
速時よりもリングギヤ32bが回転する分だけ増速した
動力が出力する。このとき減速時には、オーバランニン
グクラッチ38の係合により連結要素33とリングギヤ
32bとを連結状態に保つことで、エンジン側に逆駆動
力が伝達してエンジンブレーキが作用する。
【0014】Dレンジまたは3レンジの3速では、フォ
ワードクラッチ35とハイクラッチ43とが係合し、こ
のハイクラッチ43により入力軸14が連結要素41,
42、キャリア31c、連結要素33、フォワードクラ
ッチ35、第1のワンウエイクラッチ34を介してリン
グギヤ32bに連結する。このため、リヤプラネタリギ
ヤ32は一体化して、入力軸14と変速機出力軸15と
は直結する。このとき、減速時にオーバランニングクラ
ッチ38の結合で第1のワンウエイクラッチ34の空転
を規制することで、2速と同様にエンジンブレーキが作
用する。
【0015】Dレンジの4速では、上述に加えてバンド
ブレーキ40の係合でサンギヤ31aをロックする。こ
のため、フロントプラネタリギヤ31でハイクラッチ4
3によりキャリア31cに入力した動力でリングギヤ3
1bを増速することになり、これが変速機出力軸15に
伝達する。この場合は、第1、第2のワンウエイクラッ
チ34,36を介しないため常にエンジンブレーキが作
用する。
【0016】Rレンジでは、リバースクラッチ44の結
合でサンギヤ31aに入力軸14の動力が入力する。ま
た、ローリバースクラッチ37の係合で連結要素33と
共にキャリア31cをロックするため、フロントプラネ
タリギヤ31でリングギヤ31bに逆転してギヤ比の大
きい動力が出力し、この逆転動力が変速機出力軸15に
伝達して後進速になる。こうして、自動変速機30にお
いて前進4段後進1段の変速段が得られる。
【0017】一方、自動変速機30の前方にはオイルポ
ンプ45が設置され、トルクコンバータ13のポンプイ
ンペラ側のドライブ軸46で常に駆動される。オイルパ
ン5にはコントロールバルブボデー47が収容され、上
述の各クラッチ、ブレーキに給排油して選択的に係合す
るようになっている。
【0018】図2において、センターディファレンシャ
ル装置50、油圧多板クラッチ装置60の部分について
説明する。先ず、変速機出力軸15の後方に第1、第2
の中間軸23,24を介してリヤドライブ軸20が同軸
上に配置される。また、変速機出力軸15には前輪側の
リダクションギヤ17が回転自在に嵌合し、これらの変
速機出力軸15、リダクションギヤ17及び第1、第2
の中間軸23,24の間に、センターディファレンシャ
ル装置50が同軸上に配置される。
【0019】センターディファレンシャル装置50は複
合プラネタリギヤに構成されるものであり、変速機出力
軸15に形成される第1のサンギヤ51と、第2の中間
軸24に形成される第2のサンギヤ53を有する。ま
た、キャリヤ55は左右のフランジ55a,55bをア
ーム55cにより一体化して成り、両フランジ55a,
55bの間に装架されたピニオン軸56に、軸方向に一
体形成される第1、第2のピニオン52,54がニード
ルベアリング27を介して回転自在に装着される。そし
て、第1のサンギヤ51に第1のピニオン52が、第2
のサンギヤ53に第2のピニオン54がそれぞれ噛合
い、トルク配分した動力を第2の中間軸24に出力する
ように構成される。
【0020】一方、第2の中間軸24の内部には更に第
1の中間軸23が遊嵌され、この第1の中間軸23の前
端で2つのサンギヤ51,53の間隙の箇所に連結部材
57が結合され、この連結部材57がキャリヤ55のア
ーム55cに一体的にスプライン結合して、差動制限等
の作用を行うようになっている。更に、キャリヤ55の
一方のフランジ55aにはリダクションギヤ17が、キ
ャリヤ55の動力を出力するように結合される。ここ
で、キャリヤ55の前方はそれと一体的なリダクション
ギヤ17がトランスミッションケース3に対してボール
ベアリング26aで支持され、後方はフランジ55bの
ボス部55dの外周がトランスファケース4に対してボ
ールベアリング26bで支持され、且つ内周が第2の中
間軸24に対しボールベアリング26cで支持され、両
端支持で回転自在に設置される。
【0021】このセンターディファレンシャル装置50
の構成により、第1のサンギヤ51に入力する動力を、
第1、第2のサンギヤ51,53と、第1、第2のピニ
オン52,54との歯車諸元によるトルク配分比でキャ
リヤ55と第2のサンギヤ53に伝達して、前後輪へ不
等トルク配分する機能を有する。また第1,第2のピニ
オン52,54の遊星回転により、旋回時の旋回半径の
差によって生じるキャリヤ55と第2のサンギヤ53と
の回転数差を吸収する差動機能を有する。
【0022】ここで、図4の略図を用いてセンターディ
ファレンシャル装置50の不等トルク配分機能について
詳記する。第1のサンギヤ51の入力トルクをTi、そ
の噛合いピッチ半径をrs1、キャリヤ55のフロント
側トルクをTF、第1,第2のピニオン52,54の噛
合いピッチ半径をrp1,rp2、第2のサンギヤ53
のリヤ側トルクをTR、その噛合いピッチ半径をrs2
とすると、 Ti=TF+TR (1) rs1+rp1=rs2+rp2 (2) が成立する。
【0023】また、第1のサンギヤ51と第1のピニオ
ン52との噛合点に作用する接線方向荷重Pは、キャリ
ヤ55に作用する接線方向荷重P1と、第2のサンギヤ
53と第2のピニオン54との噛合点に作用する接線方
向荷重P2との和に等しいので、次式が成立する。 P=Ti/rs1 P1=TF/(rs1+rp1) P2=TR/rs2 Ti/rs 1={(TF/(rs1+rp1)}+TR/rs2 (3) そこで、(1),(2)式を(3)式に代入して整理す
ると、以下のようになる。 TF=(1−rp1・rs2/rs1・rp2)×Ti TR=(rp1・rs2/rs1・rp2)×Ti
【0024】このことから、第1,第2のサンギヤ5
1,53と、第1、第2のピニオン52,54との噛合
いピッチ半径により、フロント側トルクTFおよびリヤ
側トルクTRの基準トルク配分比を自由に設定し得るこ
とがわかる。ここで、rs1、rp1、rp2、rs2
は各歯数Zs1、Zp1、Zp2、Zs2に置き換える
ことができ、Zp1=Zp2=21、Zs1=33、Z
s2=21とすると、 TF:TR=36.4:63.6 になる。従って充分に後輪偏重の基準トルク配分比に設
定し得る。
【0025】次に、センターディファレンシャル装置5
0を増速機として使用する場合について説明する。この
複合プラネタリギヤ式センターディファレンシャル装置
50では、第2の中間軸24を固定することで所定の増
速ギヤ比を得ることができ、この増速ギヤ比単独または
自動変速機30の所定の変速段との共動により更に第5
速に変速するようになっている。そこで、例えば第2速
の変速段を用いる場合について説明すると、第2速のギ
ヤ比i2、センターディファレンシャル装置50の増速
ギヤ比ipにより、第5速のギヤ比i5は以下のように
なる。 i5=i2・ip ここで、センターディファレンシャル装置50の歯車諸
元に上述のものを用いると、ip=(33−21)/3
3=0.363になり、例えばi2=1.545とする
と、i5=0.561になり、第4速よりギヤ比の小さ
い第5速が適正なギヤ比間隔で得られることになる。一
方、この第5速では、油圧多板クラッチ62を走行状態
や路面状況に応じて油圧を制御することで伝達トルクを
生じ、前後輪のトルク配分が制御可能な4輪駆動とな
る。
【0026】図3において、油圧多板クラッチ装置60
について説明する。先ず、第2の中間軸24とリヤドラ
イブ軸20の間に介設され、トルク伝達用の摩擦係合要
素としての油圧多板クラッチ61と、第1の中間軸23
とリヤドライブ軸20との間に介設され、差動制限とト
ルク移動用の摩擦係合要素としての油圧多板クラッチ6
2と、第2の中間軸24に設けられ、センターディファ
レンシャル装置50の差動機能を阻止してキャリヤ55
を増速回転させる摩擦係合要素としての第5速用ブレー
キ63とを有する。そして、これらの油圧多板クラッチ
61,62と第5速用ブレーキ63は、センターディフ
ァレンシャル装置50の直後において、第1中間軸23
等の周囲の径方向に3重に重合して同軸上に配置され
る。即ち、油圧多板クラッチ61,62は共にリヤドラ
イブ軸20に連結され、油圧多板クラッチ61と第5速
用ブレーキ63は共に第2の中間軸24に連結されるこ
とから、油圧多板クラッチ61が中間に配置され、この
油圧多板クラッチ61の外側に第5速用ブレーキ63
が、内側に油圧多板クラッチ62が配置される。
【0027】そこで、第2の中間軸24にドラム部材6
4がスプライン結合され、このドラム部材64の内側に
リヤドライブ軸20の前端に一体形成されるドラム部材
65が配置され、これらのドラム部材64,65の間に
油圧多板クラッチ61が設けられる。油圧多板クラッチ
61はドラム部材64,65の間にドライブプレート6
1aとドリブンプレート61bが交互に設けられ、ドラ
ム部材64の内部に油圧室61c、ピストン61d、リ
ターンスプリング61eが設けられ、第2の中間軸24
をリヤドライブ軸20に連結または遮断するように構成
される。
【0028】第5速用ブレーキ63は、ドラム部材64
とトランスファケース4との間に交互にドライブプレー
ト63aとドリブンプレート63bが設けられ、トラン
スファケース4の壁部4aの内部に油圧室63c、ピス
トン63d、リターンスプリング63eが設けられ、第
2の中間軸24を固定またはフリーにするように構成さ
れる。
【0029】油圧多板クラッチ62は、第1の中間軸2
3にスプライン結合するハブ部材66とドラム部材65
との間に、ドライブプレート62aとドリブンプレート
62bが交互に設けられる。また、固定側のエクステン
ションケース6のボス部6aの内部に油圧室62c、ピ
ストン62d、リターンスプリング62eが、大きい押
圧力を発生すると共に、遠心油圧の影響のない状態で油
圧を正確に制御することが可能に設けられる。そして、
このピストン62dがボールベアリング62f、押圧部
材62gを介してプレート側に連結され、可変制御され
る差動制限トルクや伝達トルクを生じるように構成され
る。尚、軸嵌合部にはブッシュ28が介設され、軸同志
や軸と他の部材との突き当て部にはスラストベアリング
25が介設されている。
【0030】これらの油圧多板クラッチ61,62及び
第5速用ブレーキ63は、コントロールバルブボデー4
7で自動変速機30の変速制御等と共に油圧制御され
る。即ち、自動変速機30で前進4段後進1段に変速さ
れる場合は、第5速用ブレーキ63を解放して油圧多板
クラッチ61を係合し、このとき後輪スリップ等に応じ
て油圧多板クラッチ62に差動制限トルクを生じる。ま
た、第4速で車速が設定値より上昇すると、逆に第5速
用ブレーキ63を係合して油圧多板クラッチ61を解放
し、このとき前輪スリップ等に応じて油圧多板クラッチ
62に伝達トルクを生じる。
【0031】以上、自動変速機30とセンターディファ
レンシャル装置50のDレンジと、Rレンジの各変速段
におけるクラッチ、ブレーキ動作をまとめて示すと、表
1のようになる。
【表1】 この表1において、○印はクラッチ,ブレーキの係合動
作を、●は油圧多板クラッチ62による差動制限トルク
の発生を、◎は油圧多板クラッチ62による前後輪への
駆動力配分制御をする場合の伝達トルク状態をそれぞれ
示す。
【0032】また各変速段におけるギヤ比、ギヤ比の
例、トルク配分率をまとめて示すと、表2のようにな
る。
【表2】 この表2において、α1はフロントプラネタリギヤ31
のサンギヤ31aの歯数Zs1とリングギヤ31bの歯
数Zr1の比で、α1=Zs1/Zr1、α2はリヤプ
ラネタリギヤ32のサンギヤ32aの歯数Zs2とリン
グギヤ32bの歯数Zr2の比で、α2=Zs2/Zr
2を示す。
【0033】フロントプラネタリギヤ31の各要素の回
転数の関係を示すと、次式のようになる。 Nr1+α1・Ns1=(1+α1)・Nc1 但し、α1=Zs1/Zr1 リヤプラネタリギヤ32の各要素の回転数の関係を示す
と、次式のようになる。 Nr2+α2・Ns2=(1+α2)・Nc2 但し、α2=Zs2/Zr2 ここで、フロントプラネタリギヤ31のリングギヤ31
bの回転数Nr1、サンギヤ31aの回転数Ns1、キ
ャリヤ31cの回転数Nc1であり、またリヤプラネタ
リギヤ32のリングギヤ32bの回転数Nr2、サンギ
ヤ32aの回転数Ns2、キャリヤ32cの回転数Nc
2である。
【0034】次に、この実施例の作用について説明す
る。先ず、エンジン10の動力はトルクコンバータ1
3、入力軸14を介して自動変速機30に入力し、2組
のフロントプラネタリギヤ31とリヤプラネタリギヤ3
2の作動、クラッチ44,43,35,38,36,3
4とブレーキ40,37の選択的係合により、Dレンジ
にシフトすると前進速の第1速ないし第4速に自動変速
され、Rレンジにシフトする場合は後進速になる。そし
てこの変速動力が、変速機出力軸15からセンターディ
ファレンシャル装置50の第1のサンギヤ51に入力し
て、トルク配分される。またこの場合は、油圧多板クラ
ッチ装置60の油圧多板クラッチ61が係合して、セン
ターディファレンシャル装置50の第2のサンギヤ53
がリヤドライブ軸20に連結される。
【0035】ここでセンターディファレンシャル装置5
0の各歯車諸元により、例えばTF:TR=36.4:
63.6に設定されているため、変速動力の36.4%
がキャリヤ55に、63.6%が第2のサンギヤ53に
それぞれ配分して出力される。そしてキャリヤ55の動
力は、リダクションドライブギヤ17、リダクションド
リブンギヤ18、フロントドライブ軸16、フロントデ
ィファレンシャル装置19を介して前輪に伝達する。ま
た、第2のサンギヤ53の動力は、第2の中間軸24、
油圧多板クラッチ61、リヤドライブ軸20以降の後輪
に伝達し、後輪偏重の4輪駆動走行になり、このトルク
配分ではオーバステア気味になって回頭性、操縦性等が
良好になる。この4輪駆動走行の旋回時には、センター
ディファレンシャル装置50の第1、第2のピニオン5
2,54の遊星回転により、旋回時に生じる前後輪の回
転数差が吸収され、自由に旋回可能になる。
【0036】次いで、滑り易い路面走行時には、基準ト
ルク配分が後輪偏重のトルク配分のため通常は後輪が先
にスリップし、この場合に油圧多板クラッチ62の差動
制限トルクTcがスリップ状態に応じて制御される。す
ると、センターディファレンシャル装置50のキャリヤ
55と第2のサンギヤ53との間に、キャリヤ55、連
結部材57、第1の中間軸23及び油圧多板クラッチ6
2による他の伝動系路がバイパスして形成され、高回転
の第2のサンギヤ53の後輪側から低回転のキャリヤ5
5の前輪側に、差動制限トルクTcに応じてトルクバイ
パスする。そこで、前輪寄りにトルク配分制御されて後
輪スリップが防止され、走破性を向上する。
【0037】このとき差動制限トルクTcが最大になる
と、第2のサンギヤ53とキャリヤ55との直結により
センターディファレンシャル装置50はロックして直結
式4輪駆動になり、前後輪の輪荷重配分に相当したトル
ク配分になる。こうして差動制限トルクTcを制御する
ことにより、後輪偏重と直結式との間でトルク配分が可
変制御されることになる。
【0038】一方、第4速の走行条件より更に高速にな
ると、自動変速機30が第2速の状態になり、同時に第
5速用ブレーキ63の係合によりセンターディファレン
シャル装置50の第2のサンギヤ53が固定して、キャ
リヤ55が増速回転する。このため、自動変速機30の
第2速の動力が、センターディファレンシャル装置50
で大幅に増速されてキャリヤ55以降の前輪に伝達し、
第4速よりギヤ比の小さいオーバドライブの第5速に変
速されて高速走行することが可能になるのであり、この
場合はアンダーステア気味になって高速安定性を向上す
る。この時、走行状態や前輪スリップの状況等に応じて
油圧多板クラッチ62の伝達トルクTDが可変制御され
ると、キャリヤ55から第1の中間軸23、油圧多板ク
ラッチ62を介して後輪にもトルク伝達される。そこで
前輪スリップを防止すると共に、同様に前後輪のトルク
配分が制御可能な4輪駆動走行になる。
【0039】図5において、上述のセンターディファレ
ンシャル装置付4輪駆動車の駆動系をそのまま用いて、
2輪駆動車を構成した実施例について説明する。即ち、
上述の複合プラネタリギヤ式センターディファレンシャ
ル装置50においては、キャリヤ55から一対のリダク
ションギヤ17,18を介して前輪側に常に動力伝達す
るように伝動構成されているので、このセンターディフ
ァレンシャル装置50を一体的にロックすることで、自
動変速機30の変速動力がそのまま前輪側に伝達する。
また、センターディファレンシャル装置50の増速機の
機能を上述と同様に用いることができ、これにより5速
のFF車になり得る。
【0040】そこで、トランスファケース4の後端にリ
ヤカバー70が閉塞するように接合され、このリヤカバ
ー70でセンターディファレンシャル装置50から出力
する第1の中間軸23の後端部がボールベアリング26
dにより支持される。一方、センターディファレンシャ
ル装置50においては、キャリヤ55と一体的な第1の
中間軸23、第2のサンギヤ53と一体的な第2の中間
軸24を直結することによりロックすることができる。
そこで油圧多板クラッチ装置60においては、第2の中
間軸24に上述と同様にドラム部材64が設けられ、第
1の中間軸23には上述の場合より大径のハブ部材71
がスプライン結合され、これらのドラム部材64とハブ
部材71の間にロック用油圧多板クラッチ72が設けら
れる。
【0041】ロック用油圧多板クラッチ72はドラム部
材64とハブ部材71の間にドライブプレート71aと
ドリブンプレート71bが交互に設けられ、ドラム部材
64の内部に上述と同様に油圧室72c、ピストン72
d、リターンスプリング72eが設けられ、第1と第2
の中間軸23,24を接断するように構成される。ま
た、ドラム部材64とトランスファケース4の間には、
上述と同様に第5速用ブレーキ63を設けて構成され
る。
【0042】次にこの実施例の作用について説明する
と、所定の車速以下の場合はロック用油圧多板クラッチ
72が係合されるのであり、これによりセンターディフ
ァレンシャル装置50はキャリヤ55と第2のサンギヤ
53が直結してロックされる。そこで、自動変速機30
による前進4段後進1段の変速動力がそのままセンター
ディファレンシャル装置50以降の前輪側に伝達して、
2輪駆動で走行する。そして、所定の車速以上の高速時
にはロック用油圧多板クラッチ72を解放して第5速用
ブレーキ63が係合され、且つ自動変速機30が第2速
に変速制御されるのであり、こうして第5速に変速され
る。
【0043】尚、油圧多板クラッチ装置60は中心に配
置される第1の中間軸23からオイル通路やオイル孔等
により潤滑するように構成され、FF車においてもその
第1の中間軸23がそのまま使用される。このためFF
車においては、油圧多板クラッチ装置60の潤滑が4輪
駆動車の場合と全く同様に行われる。
【0044】以上、本発明の実施例について説明した
が、自動変速機は実施例に限定されるものではなく、横
置き配置の駆動系にも全く同様に適応することができ
る。センターディファレンシャル装置は単純プラネタリ
ギヤ、ベベルギヤで構成する場合や、減速機として使用
する場合や、センターディファレンシャル装置から得ら
れる増速ギヤ比自体を用いる場合にも適応することがで
きる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、セ
ンターディファレンシャル装置付車両として、4輪駆動
車と同一の駆動系を2輪駆動車に適応することができる
ので、両者の共通化が良好になって、車種を容易に拡大
することができる。2輪駆動車の場合には、油圧多板ク
ラッチ装置の2つの油圧多板クラッチの1つを除き、も
う1つを若干変更するだけであるから、部材の共用化に
優れて大量生産性が向上し、コスト、メンテナンス等の
点で非常に有利になる。センターディファレンシャル装
置の減速または増速機能により、2輪駆動車の走行性能
等も向上することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセンターディファレンシャル装置
付車両として、4輪駆動車の実施例の全体の駆動系を示
すスケルトン図である。
【図2】センターディファレンシャル装置と油圧多板ク
ラッチ装置の部分の拡大断面図である。
【図3】油圧多板クラッチ装置の部分の拡大断面図であ
る。
【図4】トルク配分状態,差動制限と直結用伝達トルク
の流れを説明する略図である。
【図5】本発明を2輪駆動車に適応した実施例の要部を
示す断面図である。
【符号の説明】
3 トランスミッションケース 4 トランスファケース 16 フロントドライブ軸 17,18 リダクションギヤ 30 自動変速機 50 センターディファレンシャル装置 60 油圧多板クラッチ装置 63 第5速用ブレーキ(第2の摩擦係合要素) 70 リヤカバー 72 ロック用油圧多板クラッチ(第1の摩擦係合要
素)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年10月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 多段自動変速機付車両
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】一般に、センターディファレンシャル装
置は4輪駆動車に装備されており、従来この4輪駆動車
に関しては、例えば特願平2−134306号のものが
ある。ここで、複合プラネタリギヤのセンターディファ
レンシャル装置に、動力接断する油圧多板クラッチと、
差動制限すると共にトルク配分を可変制御する油圧多板
クラッチと、第5速の変速段を得るブレーキとが付設さ
れ、これらを軸方向に順次並べて配置構成する。そし
て、センターディファレンシャル装置により差動機能、
前後輪へのトルク分割機能を付与する以外に、前後輪へ
のトルク配分を可変制御したり、減速または増速装置と
して利用して、走行性能、操縦性、安定性、制動性等を
一段と向上させることが示されている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記先行技術
のものにあっては、4輪駆動車用としてのみ構成されて
いるので、この駆動系を用いてFF等の2輪駆動車に適
応されていない。ここでセンターディファレンシャル装
置は、減速または増速変速段を得る副変速機としての機
能も有し、この機能は2輪駆動車にも利用して有効であ
ることから、同一の駆動系構成要素を用いて4輪駆動車
と2輪駆動車の共通化を最大限図るように構成すること
が望まれる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】 本発明は、この点に鑑みてなされたもの
で、多機能のセンターディファレンシャル装置と油圧多
板クラッチ装置を備えた同一の駆動系構成要素を用い
て、4輪駆動車と2輪駆動車の共通化を容易に得ること
を目的とする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、自動変速機のトランスミッションケース
に接合されるトランスファケースの内部に、複合式プラ
ネタリギヤと、複数の摩擦係合要素とが同軸上に配置さ
れ、複合式プラネタリギヤから前後輪の一方へ常に動力
伝達するように連結される構成において、トランスファ
ケースの端部にカバーが閉塞すると共に、複合式プラネ
タリギヤからの1つの出力要素を支持するように接合さ
れ、油圧多板クラッチ装置が複合式プラネタリギヤの構
成要素間を締結または解放する第1の摩擦係合要素と、
自動変速機の有する変速段以外の減速または増速変速段
を得る第2の摩擦係合要素とを有するものである。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】
【作用】上記構成に基づき、複合式プラネタリギヤから
前後輪の他方へ伝動構成することで、本来の4輪駆動車
に構成され、油圧多板クラッチ装置を若干変更して第1
と第2の摩擦係合要素を設けることで、2輪駆動車用の
多段自動変速機になる。そしてこの2輪駆動車用の多段
自動変速機では、第1の摩擦係合要素の係合により複合
式プラネタリギヤの構成要素間が締結して自動変速機の
変速動力がそのまま伝達し、更に第2の摩擦係合要素の
係合により複合式プラネタリギヤに増速機能が付与され
て、自動変速機の有する変速段以外の減速または増速し
た変速段を得ることが可能になる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】 図5において、上述のセンターディファ
レンシャル装置付4輪駆動車の駆動系構成要素をそのま
ま用いて、2輪駆動車用多段自動変速機を構成した実施
例について説明する。即ち、上述の複合プラネタリギヤ
式センターディファレンシャル装置50においては、キ
ャリヤ55から一対のリダクションギヤ17,18を介
して前輪側に常に動力伝達するように伝動構成されてい
るので、このセンターディファレンシャル装置50を一
体的に締結することで、自動変速機30の変速動力がそ
のまま前輪側に伝達する。また、センターディファレン
シャル装置50から増速機としての機能を上述と同様の
手段で得ることができ、これにより5速のFF車用自動
変速機になり得る。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】 そこで、トランスファケース4の後端に
リヤカバー70が閉塞するように接合され、このリヤカ
バー70でセンターディファレンシャル装置50から出
力する第1の中間軸23の後端部がボールベアリング2
6dにより支持される。一方、センターディファレンシ
ャル装置50においては、キャリヤ55と一体的な第1
の中間軸23、第2のサンギヤ53と一体的な第2の中
間軸24を直結することによりロックすることができ
る。そこで油圧多板クラッチ装置60においては、第2
の中間軸24に上述と同様にドラム部材64が設けら
れ、第1の中間軸23には上述の場合より大径のハブ部
材71がスプライン結合され、これらのドラム部材64
とハブ部材71の間に締結または解放用の油圧多板クラ
ッチ72が設けられる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】 油圧多板クラッチ72はドラム部材64
とハブ部材71の間にドライブプレート72aとドリブ
ンプレート72bが交互に設けられ、ドラム部材64の
内部に上述と同様に油圧室72c、ピストン72d、リ
ターンスプリング72eが設けられ、第1と第2の中間
軸23,24を接断するように構成される。また、ドラ
ム部材64とトランスファケース4の間には、上述と同
様に第5速用ブレーキ63を設けて構成される。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】次にこの実施例の作用について説明する
と、所定の車速以下の場合は油圧多板クラッチ72が係
合されるのであり、これによりセンターディファレンシ
ャル装置50はキャリヤ55と第2のサンギヤ53が直
結して一体に回転する。そこで、自動変速機30による
前進4段後進1段の変速動力がそのままセンターディフ
ァレンシャル装置50以降の前輪側伝達要素に伝達し
て、2輪駆動で走行する。そして、所定の車速以上の高
速時には油圧多板クラッチ72を解放して第5速用ブレ
ーキ63が係合され、且つ自動変速機30が第2速に変
速制御されるのであり、こうして第5速に変速される。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、セ
ンターディファレンシャル装置付車両として、4輪駆動
車と同一の駆動系構成要素を2輪駆動車用多段自動変速
機に適応することができるので、両者の共通化が良好に
なって、車種展開の融通性を拡大することができる。2
輪駆動車用多段自動変速機の場合には、油圧多板クラッ
チ装置の2つの油圧多板クラッチの1つを除き、もう1
つを若干変更するだけであるから、部材の共用化に優れ
て大量生産性が向上し、コスト、メンテナンス等の点で
非常に有利になる。センターディファレンシャル装置か
らの減速または増速機能を得ることにより、2輪駆動車
の走行性能等も向上することが可能になる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トランスミッションケースに接合される
    トランスファケースの内部に、種々の機能を備えた複合
    プラネタリギヤ式センターディファレンシャル装置と、
    複数の摩擦係合要素を有する油圧多板クラッチ装置とが
    同軸上に配置され、センターディファレンシャル装置か
    ら前後輪の一方へ常に動力伝達するように連結される構
    成において、トランスファケースの端部にカバーが閉塞
    すると共に、センターディファレンシャル装置からの1
    つの出力要素を支持するように接合され、油圧多板クラ
    ッチ装置がセンターディファレンシャル装置をロックま
    たはフリーにする第1の摩擦係合要素と、減速または増
    速変速段を得る第2の摩擦係合要素とを有することを特
    徴とするセンターディファレンシャル装置付車両。
  2. 【請求項2】 上記第1の摩擦係合要素はセンターディ
    ファレンシャル装置からの第1と第2の出力要素の間に
    設けられ、第2の摩擦係合要素は第2の出力要素に設け
    られ、これらの第1と第2の摩擦係合要素が2重に重合
    して同軸上に配置されることを特徴とする請求項1記載
    のセンターディファレンシャル装置付車両。
  3. 【請求項3】 上記第1の摩擦係合要素は4輪駆動の場
    合に前後輪の他方に動力を伝達または遮断する機能を有
    し、第1の出力要素は4輪駆動の場合に前後輪のトルク
    配分を可変制御する第3の摩擦係合要素が装着されるこ
    とを特徴とする請求項1記載のセンターディファレンシ
    ャル装置付車両。
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US6685594B2 (en) 2000-11-09 2004-02-03 Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha Differential limiting device for a differential device

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US6554735B2 (en) 2000-09-28 2003-04-29 Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha Planetary gear type differential apparatus
DE10147969B4 (de) * 2000-09-28 2007-03-29 Fuji Jukogyo K.K. Ausgleichsgetriebevorrichtung vom Planetengetriebetyp
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