JPH05111949A

JPH05111949A - 着色長尺体の製造装置

Info

Publication number: JPH05111949A
Application number: JP3302421A
Authority: JP
Inventors: Takuma Takai; 拓▲眞▼ 高井; Mutsumi Wada; 睦和田; Takeshi Ono; 武尾野
Original assignee: Mitsubishi Cable Industries Ltd
Current assignee: Mitsubishi Cable Industries Ltd
Priority date: 1991-10-21
Filing date: 1991-10-21
Publication date: 1993-05-07

Abstract

(57)【要約】【目的】樹脂ヤケの発生を防止することができ、しか
も材料ロスを減少させる。【構成】第１・第２押出機１，２と、第１・第２押出
機１，２間に介装される流路切換機構Ｍと、を備えてい
る。第１・第２押出機１，２は、夫々、クロスヘッドか
ら押出されるべき所要量の100 ％乃至それ以下の樹脂の
押出しが可能である。流路切換機構Ｍは、定常状態と第
１色替状態と第２色替状態の３個の切換位置を備えてい
る。定常状態は第１・第２押出機１，２からの所要量の
50％ずつの樹脂を合流させてクロスヘッドへ吐出する。
第１色替状態は第１押出機１からの所要量の樹脂をクロ
スヘッドへ吐出すると共に第２押出機２の樹脂のオーバ
ーフロー及び色替えを可能とする。第２色替状態は第１
押出機１からの所要量の押出しを第２押出機２からの所
要量の押出しに切換えると共に第１押出機１の樹脂のオ
ーバーフロー及び色替えを可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は着色長尺体の製造装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、着色長尺体を製造する場合、例え
ば図14に示す製造装置を使用して製造していた。

【０００３】即ち、この製造装置は、２台の主の押出機
ａ，ｂと、２台の副の押出機ｃ，ｄと、押出機ａ，ｂに
連結される流路切換機構ｅ₁と、押出機ｃ，ｄに連結さ
れる流路切換機構ｅ₂と、流路切換機構ｅ₁，ｅ₂に連
結されるクロスヘッドｇと、を備えている。なお、押出
機ａ，ｂ，ｃ，ｄは、夫々シリンダチューブａ₁，
ｂ₁，ｃ₁，ｄ₁と、スクリューａ₂，ｂ₂，ｃ₂，ｄ
₂と、該スクリューａ₂，ｂ₂，ｃ₂，ｄ₂を回転させ
る図示省略の駆動装置と、を備えている。

【０００４】しかして、流路切換機構ｅ₁，ｅ₂は、夫
々、バルブｆ₁，ｆ₂を駆動させる駆動機ｓ₁，ｓ₂と
からなり、バルブｆ₁は、図15〜図17に示すように、ブ
ロック体ｈと、該ブロック体ｈ内に内装される（弁本体
としての）回転体ｉと、を備えている。即ち、ブロック
体ｈ内には、回転体ｉが回転自在に内装されるための中
空部ｊが設けられ、この中空部ｊには、外部へ連結され
る３個の連通孔ｋ，ｍ，ｎが連通連結されている。ま
た、回転体ｉには、３個の円弧状の切欠き部ｐ，ｑ，ｒ
が形成されている。

【０００５】そして、連通孔ｋは押出機ａに連通連結さ
れ、連通孔ｍはクロスヘッドｇに連通連結され、連通孔
ｎは押出機ｂに連通連結されている。

【０００６】なお、バルブｆ₂はバルブｆ₁を左右反転
させたものであり、その説明は省略する。

【０００７】次に、従来の装置を使用して着色長尺体を
製造する方法を説明する。

【０００８】図18と図19に示すように、導体ｔを被覆し
ている被覆層ｕを、途中で他の色の被覆層ｕに色替えす
る場合には、まず、バルブｆ₁の回転体ｉの位置を図15
に示すように、連通孔ｍと連通孔ｎとが切欠き部ｑを介
して連通される状態とする。この場合、連通孔ｋは連通
孔ｍ，ｎには連通されない。

【０００９】従って、この状態では、押出機ｂからの樹
脂がバルブｆ₁を介して、クロスヘッドｇへ押出され、
この樹脂による導体ｔの被覆が行なわれ、図18に示す着
色長尺体ｖが形成されてゆく。

【００１０】この場合、副の押出機ｃ，ｄは使用されな
いが、一の主の押出機ａが使用され、樹脂を連通孔ｋを
介して切欠き部ｐに供給したままとされるか、又は、オ
ーバーフローさせている。

【００１１】次に、この状態から回転体ｉを図16の矢印
の如く回転させてゆき、図17に示す状態とする。つま
り、連通孔ｋと連通孔ｍとが連通され、連通孔ｎが連通
孔ｋ，ｍに連通されない状態となる。

【００１２】従って、押出機ａからの樹脂がバルブｆ₁
を介してクロスヘッドｇへ押出され、色が相違する樹脂
からなる被覆層ｕを有する着色長尺体ｖが形成されてゆ
く。

【００１３】この場合も、押出機ｂからの樹脂は、連通
孔ｎを介して切欠き部ｒに達して停止する。又は、（図
示省略のオーバーフロー路を介して）オーバーフローさ
せている。

【００１４】また、図20と図21に示すように、色が相違
する異色部ｗを有するストライプタイプの着色長尺体ｖ
の異色部ｗ以外の被覆層本体ｘのみを、色替えする場
合、被覆層本体ｘを上述の場合と同様、主の押出機ａ，
ｂを使用して色替えを行ない、異色部ｗを形成するため
に１台の副の押出機ｃ又はｄを使用すればよい。

【００１５】また、図22と図23に示すように、異色部ｗ
及び被覆層本体ｘを共に色替えする場合、被覆層本体ｘ
を押出機ａ，ｂを使用して色替えを行ない、異色部ｗを
押出機ｃ，ｄを使用して色替えを行なえばよい。

【００１６】また、図24と図25に示すように、被覆層ｕ
が、被覆層本体ｘと、該被覆層本体ｘを被覆する外被ｙ
と、からなる場合において、外被ｙの色替えを行なう場
合、被覆層本体ｘを形成するために１台の押出機ａを使
用し、２台の副の押出機ｃ，ｄを使用して色替えを行な
えばよい。

【００１７】

【発明が解決しようとする課題】従って、上述の方法に
よれば、色替えを行なうに際して使用する２台の押出機
のうち、一方の押出機の樹脂をクロスヘッドから押出し
ている際においては、他方の押出機の樹脂は、該押出機
内で停止しているか、又は、全量がオーバーフローして
いる。

【００１８】そして、樹脂を流さずに停止させた状態と
すれば、加熱されている部分に、その熱のためにいわゆ
る「ヤケ」が生じ、熱劣化する。樹脂がふっ素樹脂、塩
化ビニール樹脂では特にその傾向が著しい（押出温度で
60〜70分で劣化する）。

【００１９】また、一方の押出機が押出作動中、他方の
押出機がずっとオーバーフローしている場合、材料の無
駄が多い。

【００２０】そこで、本発明では、樹脂に「ヤケ」を生
じさせることなく、しかも、オーバーフローの量も極め
て少なくすることができる着色長尺体の製造装置を提供
することを目的とする。

【００２１】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明に係る一の着色長尺体の製造装置は、クロ
スヘッドから押出されるべき所要量の100 ％乃至それ以
下の樹脂を夫々押出すことが可能な第１・第２押出機
と、該第１・第２押出機間に介装されて押出される樹脂
の流路を切換える流路切換機構と、を備えた着色長尺体
の製造装置であって、上記流路切換機構が、上記第１・
第２押出機から押出された上記所要量の50％ずつの樹脂
を合流させて上記クロスヘッドへ吐出する定常状態と、
第１押出機から押出された所要量の100 ％の樹脂を上記
クロスヘッドへ吐出すると共に第２押出機の樹脂のオー
バーフロー及び色替えを可能とする第１色替状態と、上
記第１押出機からのクロスヘッドへの樹脂の所要量の押
出しを上記第２押出機からのクロスヘッドへの樹脂の所
要量の押出しに切換えると共に該第１押出機の樹脂のオ
ーバーフロー及び色替えを可能とする第２色替状態の３
個の切換位置を備えている。

【００２２】また、本発明に係る他の着色長尺体の製造
装置は、クロスヘッドから押出されるべき所要量の100
％乃至それ以下の樹脂を夫々押出すことが可能な第１・
第２押出機と、該第１・第２押出機間に介装されて押出
される樹脂の流路を切換える流路切換機構と、を備えた
着色長尺体の製造装置であって、上記クロスヘッドと上
記流路切換機構との間に、該流路切換機構からの樹脂を
該クロスヘッドへ押出す定吐出ポンプを介装すると共
に、上記流路切換機構が、上記第１・第２押出機から押
出された上記所要量の50％ずつの樹脂を合流させて上記
定吐出ポンプへ吐出する定常状態と、第１押出機から押
出された所要量の100 ％の樹脂を上記定吐出ポンプへ吐
出すると共に第２押出機の樹脂のオーバーフロー及び色
替えを可能とする第１色替状態と、上記第１押出機から
の定吐出ポンプへの樹脂の所要量の押出しを上記第２押
出機からの定吐出ポンプへの樹脂の所要量の押出しに切
換えると共に該第１押出機の樹脂のオーバーフロー及び
色替えを可能とする第２色替状態の３個の切換位置を備
えているものである。

【００２３】

【作用】上述の一の着色長尺体の製造装置では、流路切
換機構を定常状態の切換位置として、第１・第２押出機
から、夫々、クロスヘッドから押出されるべき所要量の
50％ずつの樹脂（同色）を流路切換機構へ押出せば、樹
脂は合流して所要量の100 ％の樹脂がクロスヘッドへ吐
出され、この樹脂による樹脂部形成が行なわれる。

【００２４】次に、流路切換機構を、第１色替状態の切
換位置として、第１押出機から所要量の100 ％の樹脂を
クロスヘッドへ押出し、上述の樹脂による樹脂部形成を
引き続いて行ないつつ、他方、第２押出機の樹脂をオー
バーフローさせつつ色替えを行なうことができる。

【００２５】このとき、第２押出機内の樹脂は常にオー
バーフローさせつつ色替えするため、「ヤケ」を生じな
いと共に、比較的短い色替え時間のみこの第２押出機か
らの材料ロスを生じる。

【００２６】その後、流路切換機構を、第２色替状態の
切換位置として、第１押出機からのクロスヘッドへの樹
脂の所要量の押出しを第２押出機からのクロスヘッドへ
の樹脂の所要量の押出しに切換えれば、クロスヘッドか
らは、色が相違する樹脂部が形成されてゆく。

【００２７】このとき、第１押出機内の樹脂は常にオー
バーフローさせつつ色替えするため、同様に「ヤケ」を
生じないと共に、比較的短い色替え時間のみこの第１押
出機からの材料ロスを生じる。

【００２８】次に、流路切換機構を、定常状態である切
換位置として、第１・第２押出機から夫々所要量の50％
ずつの樹脂を押出せば、樹脂は合流して所要量の100 ％
の樹脂がクロスヘッドへ吐出され、樹脂部形成が引き続
いて行なわれる。

【００２９】また、上述の他の着色長尺体の製造装置に
よれば、上述の一の製造装置と同様、常に、第１・第２
押出機内の樹脂が流れつつ着色長尺体形成が行なわれ、
しかも、定吐出ポンプを使用しているので、流路切換機
構の切換作動時にもクロスヘッドへの樹脂吐出量が一定
に保持される。

【００３０】

【実施例】以下、実施例を示す図面に基づいて本発明を
詳説する。

【００３１】図３は本発明に係る着色長尺体の製造装置
を示し、この装置は、２台の主の押出機１，２と、２台
の副の押出機３，４と、押出機１，２間に介装される流
路切換機構Ｍと、押出機３，４間に介装される流路切換
機構Ｍ₁と、流路切換機構Ｍ，Ｍ₁間に介装されるクロ
スヘッド７と、を備えている。なお、一方の押出機１を
第１押出機１と呼び、他方の押出機２を第２押出機２と
呼ぶ。

【００３２】しかして、第１・第２押出機１，２は、図
１に示すように、シリンダチューブ８，９と、シリンダ
チューブ８，９に挿入されるスクリュー10，11と、スク
リュー10，11を回転駆動させる駆動装置12，13と、を備
えている。

【００３３】また、駆動装置12，13は、夫々、駆動用モ
ータ14，15と、該モータ14，15の出力軸14ａ，15ａに取
付けられるプーリー18，19と、該プーリー16，18，17，
19に巻回されるベルト20，21と、を備えている。

【００３４】即ち、モータ14が駆動すれば、スクリュー
10が回転し、シリンダチューブ８内の樹脂が連通路22を
介して流路切換機構Ｍへ押出され、モータ15が駆動すれ
ば、スクリュー11が回転し、シリンダチューブ９内の樹
脂が連通路23を介して流路切換機構Ｍへ押出される。

【００３５】そして、各シリンダチューブ８，９の基端
側には樹脂供給路24，25が形成され、樹脂供給路24，25
の上方開口部には、ベースレジン用ホッパ26，27が付設
され、このベースレジン用ホッパ26，27内のベースレジ
ンＢは順次シリンダチューブ８，９に落下する。

【００３６】また、樹脂供給路24，25には、夫々、一対
の連通路28，29，30，31が連通連結され、各連通路28…
には、カラー材用ホッパ32，33，34，35が連通連結され
ている。

【００３７】そして、カラー材用ホッパ32，33, 34，35
内のカラー材Ｃは、夫々、カラー材フィーダ36，37，3
8，39を介して樹脂供給路24，25に押出される。

【００３８】カラー材フィーダ36，37，38，39とは、各
連通路28，29，30，31に挿入されるスクリュー40，41，
42，43と、スクリュー40，41，42，43を回転駆動させる
駆動装置44，45，46，47と、を備えている。

【００３９】また、駆動装置44，45，46，47は、夫々、
スクリュー40，41，42，43に連通連結される駆動用モー
タ48，49，50，51を備えている。

【００４０】従って、駆動用モータ48，49，50，51が駆
動してスクリュー40，41，42，43が回転すれば、カラー
材用ホッパ32，33，34，35内のカラー材Ｃ…は供給路2
4，25に押出され、各供給路24，25からシリンダチュー
ブ８，９内に落下する。

【００４１】そして、連通路28，29，30，31の供給路側
開口部には、シャッタ52，53，54，55が付設されてい
る。

【００４２】即ち、シャッタ52，53，54，55にて、カラ
ー材Ｃ…のシリンダチューブ８，９への供給・停止を行
なう。

【００４３】しかして、流路切換機構Ｍは、バルブ５ａ
と、該バルブ５ａを駆動する駆動機５ｂと、を備えてい
る。

【００４４】バルブ５ａは、図５〜図９に示すように、
ブロック体56と、該ブロック体56内に内装される回転体
57と、を備えている。

【００４５】即ち、ブロック体56には、（弁本体として
の）回転体57を回転自在に内装するための中空部58が設
けられ、この中空部58には、外部へ連結される４本の連
通孔59，60，61，62が連通連結されている。この場合、
連通孔59，61は回転体57の中心を通る直線上に配設さ
れ、連通孔60，62は該直線と直交する直線上に配設され
るが、連通孔60，62の中心線は回転体57の中心を通過せ
ず、連通孔61寄りとされる。

【００４６】また、（弁本体としての）回転体57は、両
側面に夫々一対の円弧状の切欠き部63，64，65，66を有
する先細体からなり、図５に示す状態では、先端弯曲面
67が連通孔59，62間の内面68に当接すると共に基端弯曲
面69が連通孔59，60間の内面70に当接し、切欠き部65，
66が連通孔61に対面状となって、連通孔60，61，62が連
通連結状態となる。

【００４７】図６に示す状態では、先端弯曲面67が、連
通孔61，62間の内面71に当接し、基端弯曲面69の切欠き
部65側が、連通孔59，60間の内面70に当接し、連通孔60
と連通孔61とが連通連結状態となると共に、連通孔59と
連通孔62とが連通連結状態となる。

【００４８】図７と図８に示す状態では、先端弯曲面67
が、連通孔60，61間の内面72に当接すると共に、基端弯
曲面69の切欠き部63側が、内面68に当接し、連通孔59，
60が連通連結状態となると共に、連通孔61，62が連通連
結状態となる。

【００４９】しかして、回転体57は、駆動機５ｂ（図３
参照）により回転し、図５〜図９に示す状態に切換わ
る。即ち、図５と図９に示す状態を定常状態とし、図６
に示す状態を第１色替状態とし、図７と図８に示す状態
を第２色替状態とする。

【００５０】また、クロスヘッド７は、図２に示すよう
に、ヘッド本体73と、該ヘッド本体73に連設されるダイ
74と、ヘッド本体73乃至ダイ74の孔部75内に内有される
ニップル76と、を備え、ニップル76内の挿通孔77を導体
78が矢印方向に走行し、その際、孔部75内に導入路79か
ら導入される樹脂にて、該導体78が被覆されてゆく。な
お、図２は主の押出機１，２に対応するものを示してい
るが、このクロスヘッド７には、その下流側（図２の右
方）副の押出機３，４に対応する別のダイ、ニップル、
導入路等が設けられている。

【００５１】なお、副の押出機３については、主の第１
押出機１と同一であり、副の押出機４については、主の
第２押出機２と同一であり、流路切換機構Ｍ₁について
は流路切換機構Ｍと同一であるので、その説明を省略す
る。

【００５２】次に、図４はこの装置の制御系統図を示
し、この場合、演算器80と、形成される着色長尺体81の
長さ寸法を測定する計尺器82、設定器83と、各押出機
１，２，３，４のスクリュー10，11，10，11の回転数を
検出する回転数検出器84と、増幅器85と、を備えてい
る。

【００５３】即ち、検出器84にて検出した各押出機のス
クリューの回転数を、増幅器85を介して演算器80に入力
し、また、設定器83にて、〔吐出量／押出回転数〕特
性、〔カラー材供給量／押出回転数〕特性、カラー材Ｃ
とベースレジンＢとの配合比率を設定し、それらの設定
値を演算器80に入力する。

【００５４】従って、この装置は、演算器80にて、上述
の設定値と、回転数検出器84からの回転数と、計尺器82
からの着色長尺体81の長さ寸法と、に基づいて、押出機
１，２，３，４の駆動用モータ14，15，14，15の回転数
と、カラー材フィーダ36…の駆動用モータ48…の回転数
と、シャッタ52…と、を制御して、着色長尺体81を製造
する。

【００５５】次に、上述の製造装置を使用して着色長尺
体81を製造する方法を説明する。なお、実施例において
は、図10と図11に示すように、着色長尺体81は、導体78
と、該導体78を被覆する被覆層86と、からなり、被覆層
86が、導体78を被覆する被覆層本体87と、該被覆層本体
87を被覆する外被88と、からなる場合である。

【００５６】まず、被覆層本体87を導体78に被覆してゆ
く場合を説明する。この場合、主の押出機１，２が使用
され、被覆途中で、被覆層本体87の色を変更するもので
ある。

【００５７】初めは、バルブ５ａの回転体57を図５に示
す定常状態とする。この場合、連通孔61はクロスヘッド
７に連通連結され、連通孔60は第１押出機１の連通路22
に連通連結され、連通孔62は第２押出機２の連通孔23に
連通連結されている。

【００５８】そして、カラー材用ホッパ32，33のカラー
材Ｃ，Ｃの色を相違させると共に、カラー材用ホッパ34
のカラー材Ｃの色と、カラー材用ホッパ32のカラー材Ｃ
の色とを同一とし、かつ、カラー材用ホッパ35のカラー
材Ｃの色と、カラー材用ホッパ33のカラー材Ｃの色と、
を同一としておく。

【００５９】この状態で、ベースレジン用ホッパ26，27
のベースレジンＢ，Ｂをシリンダチューブ８，９に落下
させると共に、シャッタ52，54を開状態として、カラー
材用ホッパ32，34のカラー材Ｃ，Ｃをシリンダチューブ
８，９に落下させ、ベースレジンＢとカラー材Ｃとを混
合させつつその混合材を流路切換機構Ｍへ押出す。この
場合、シャッタ53，55は閉状態とされ、カラー材用ホッ
パ33，35内のカラー材Ｃ，Ｃはシリンダチューブ８，９
に供給されない。

【００６０】従って、流路切換機構Ｍを介してクロスヘ
ッド７へ同色の樹脂が押出され、着色長尺体81が順次製
造されてゆく。

【００６１】この場合、押出機１，２からの樹脂の押出
量は、クロスヘッド７から押出されるべき所要量の50％
とされる。所要量とは、被覆層本体87の形成に必要な樹
脂吐出量であり、100 ％で被覆層本体87は所定の外径寸
法Ｄ₁（図10参照）とされる。

【００６２】即ち、２台の第１・第２押出機１，２から
の樹脂により、所要量の100 ％の樹脂がクロスヘッド７
から押出され、この樹脂による導体78の被覆が行なわれ
る。なお、所要量の50％の樹脂をクロスヘッド７に押出
すとは、所要量の100 ％の樹脂をクロスヘッド７へ押出
す際のスクリュー10，11の回転数を半分にすることであ
る。

【００６３】従って、図５に示す定常状態は、第１・第
２押出機１，２から押出された所要量の50％ずつの樹脂
を合流させてクロスヘッド７へ吐出する状態である。

【００６４】この場合、回転数検出器84にて各押出機
１，２のスクリュー10，11の回転数が検出され、この回
転数と、カラー材フィーダ36，38の駆動用モータ48，50
の回転数とを同調させ、ベースレジンＢとカラー材Ｃと
の配合比を一定に保つように構成している。

【００６５】次に、色替え（被覆層本体87の色替え）す
る僅か前（計尺器82にて形成された着色長尺体81の長さ
寸法は測定されているので、そのときを判断することが
できる。）に、回転体57を回転させて、図６に示す第１
色替状態とし、押出機１からの樹脂の押出しを、所要量
の100 ％とすると共に、第２押出機２からの樹脂を連通
孔59を介して、オーバーフローさせつつ色替えを行な
う。

【００６６】ここで、押出機１からの樹脂の押出しを、
所要量の100 ％とするとは、押出機１のスクリュー10の
回転数を今までの２倍とするものであり、押出機１の駆
動用モータ14の回転数を増加させる。この場合も勿論、
カラー材フィーダ36の駆動用モータ48の回転と、押出機
１のスクリュー10の回転とを同調させることにより、ベ
ースレジンＢとカラー材Ｃとの配合比を一定としてい
る。

【００６７】また、押出機２の樹脂の色替えを行なうに
は、シャッタ54を閉状態として、カラー材用ホッパ34か
らのカラー材Ｃの供給を停止すると共に、シャッタ55を
開状態として、カラー材用ホッパ35からのカラー材Ｃを
シリンダチューブ９に供給し、このカラー材Ｃとベース
レジンＢとを混合しつつ流路切換機構Ｍへ押出す。

【００６８】次に、押出機２の色替えが終了すれば、バ
ルブ５ａの回転体57を図６に示す状態から図７に示す第
２色替状態とし、押出機２からの所要量の100 ％の樹脂
をクロスヘッド７へ押出すと共に、押出機１からの樹脂
を連通孔59を介してオーバーフローさせる。

【００６９】このオーバーフローさせている際に、押出
機１の樹脂の色替えを行なう。つまり、シャッタ52を閉
状態として、カラー材用ホッパ32のカラー材Ｃのシリン
ダチューブ８への供給を停止すると共に、シャッタ53を
開状態として、カラー材用ホッパ33のカラー材Ｃをシリ
ンダチューブ８へ供給し、このカラー材Ｃとベースレジ
ンＢとを混合しつつバルブ５ａへ押出す。

【００７０】従って、第１押出機１の樹脂と第２押出機
２の樹脂とは図８に示すように、同色の樹脂となる。

【００７１】次に、図８に示す状態から回転体57を定常
状態として図９に示すように、所要量の50％ずつの同色
の樹脂を２台の押出機１，２からクロスヘッド７を押出
すようにする。

【００７２】従って、上述の如く被覆層本体87を被覆し
てゆけば、その外周面は、Ａ₁（図10参照）を境にして
色替えが行なわれる。

【００７３】ところで、図10に示すグラフ図は、実線は
押出機１の樹脂のクロスヘッド７への押出量を示し、破
線は押出機２の樹脂のクロスヘッド７への押出量を示
し、０％以下においてはオーバーフローさせていること
を示している。

【００７４】即ち、押出機２の樹脂のオーバーフロー長
さは、範囲Ｘであり、押出機１の樹脂のオーバーフロー
長さは、範囲Ｙであることを示しているので、各樹脂の
オーバーフロー量を極めて少なくすることができる。

【００７５】また、の範囲は図５の定常状態を示し、
の範囲は図６の第１色替状態を示し、の範囲は図７
の第２色替状態を示し、の範囲は図８の第２色替状態
を示し、の範囲は図９の定常状態を示している。イは
押出機１による樹脂部形成、ロは押出機２による樹脂部
形成を示している。なお、範囲Ｚの部分は色が異なった
樹脂が混ざっているので廃棄部位を示している。

【００７６】次に、外被88を被覆層本体87に被覆してゆ
く場合を説明する。

【００７７】この場合、副の押出機３，４と流路切換機
構Ｍ₁とを使用するが、副の押出機３が第１押出機１に
対応し、副の押出機４が第２押出機２に対応するので、
副の押出機３を第１押出機３とし、副の押出機４を第２
押出機４として説明する。

【００７８】まず、流路切換機構Ｍ₁（流路切換機構Ｍ
と同一構成である。）を図５に示す定常状態として、ク
ロスヘッド７から押出されるべき所要量の50％ずつの同
色の樹脂を、２台の押出機３，４からクロスヘッド７へ
押出す。

【００７９】ここで、所要量とは、外被88の形成に必要
な樹脂吐出量であり、100 ％で外被88は所定の外径寸法
Ｄ（図11参照）とされる。

【００８０】その後、流路切換機構Ｍ₁を第１色替状態
の切換位置として、第１押出機３からこの所要量の100
％の樹脂をクロスヘッド７へ押出し、第２押出機４の樹
脂をオーバーフローさせつつ色替えを行なう。

【００８１】次に、流路切換機構Ｍ₁を第２色替状態の
切換位置として、第１押出機３からのクロスヘッド７へ
の樹脂の所要量の押出しに切換え、第１押出機３の樹脂
をオーバーフローさせつつ第２の押出機の樹脂を同一色
とする色替えを行なう。

【００８２】その後、流路切換機構Ｍ₁を定常状態の切
換位置として、所定量の50％ずつの同色の樹脂を２台の
第１・第２押出機３，４からクロスヘッド７へ押出せ
ば、図11に示すように、Ａを境にして色が切換わる。

【００８３】ところで、図11に示すグラフ図は、実線は
押出機３の樹脂のクロスヘッド７への押出量を示し、破
線は押出機４の樹脂のクロスヘッド７への押出量を示し
ている。

【００８４】従って、第２押出機４の樹脂のオーバーフ
ロー長さは、範囲Ｘであり、第１押出機３の樹脂のオー
バーフロー長さは、範囲Ｙである。

【００８５】また、この場合も、の範囲は図５の定常
状態を示し、の範囲は図６の第１色替状態を示し、
の範囲は図７の第２色替状態を示し、の範囲は図８の
第２色替状態を示し、の範囲は図９の定常状態を示し
ている。ハは第１押出機３による樹脂部形成、ニは第２
押出機４による樹脂部形成を示している。なお、範囲Ｚ
の部分は色が異なった樹脂が混ざっているので、廃棄部
位を示している。

【００８６】このようにして、着色長尺体81が形成され
るが、この場合、流路切換機構Ｍ，Ｍ₁の切換え、押出
機１，２，３，４の駆動用モータ14，15の回転、カラー
材フィーダ36，37，38，39の駆動用モータ48，49，50，
51の回転、シャッタ52，53，54，55の開閉動作は、回転
数検出器84からの各押出機１，２，３，４の駆動用モー
タ14，15の回転数、計尺器82による着色長尺体81の長さ
寸法の測定値、及び設定器83からの設定値に基づいて制
御される。

【００８７】従って、複数のカラー材フィーダを組合わ
せて行なう色替えを、自動制御により実施することがで
き、色替作業を容易とすることができる。

【００８８】即ち、使用する押出機内の樹脂を押出機内
で停止させることなく常に流すことができ、樹脂に「ヤ
ケ」を生じることがなく、また、オーバーフローさせる
量としても少なくて済む。

【００８９】従って、上述の装置を使用すれば、押出機
１，２を使用して、図18と図19に示すように、被覆層が
一層で途中でその被覆層の色替えが行なわれる着色長尺
体81を形成することができ、主の押出機１，２と副の押
出機３，４のどちらか一方を使用して、図20と図21に示
すように、被覆層が被覆層本体と該本体とは色が相違す
る異色部とからなり、被覆層本体の色替えが行なわれる
ストライプタイプの着色長尺体81を形成することがで
き、押出機１，２，３，４を使用して、図22と図23に示
すように、ストライプタイプであって、異色部及び被覆
層本体と共に色替えが行なわれる着色長尺体81を形成す
ることができ、主の押出機１，２のどちらか一方と、副
の押出機３，４と、を使用して、図24と図25に示すよう
に、被覆層が、被覆層本体と、該被覆層本体を被覆する
外被と、からなり、外被の色替えが行なわれる着色長尺
体81を形成することができる。

【００９０】次に、図12は他の実施例を示し、この場
合、クロスヘッド７と流路切換機構Ｍとの間に、流路切
換機構Ｍからの樹脂を該クロスヘッド７へ押出す定吐出
ポンプ90を介装している。

【００９１】しかして、定吐出ポンプ90は、例えば、歯
車ポンプが好適である。即ち、図13に示すように、定吐
出ポンプ90は、ブロック体91と、該ブロック体91内に内
装されて相互に噛合する一対のギアー形回転子92，93
と、該回転子92，93を回転駆動させる駆動用モータ94
と、を備えたものであり、各回転子92，93が夫々矢印の
如く回転することにより、各回転子92，93の凹凸歯の凹
部内の樹脂がクロスヘッド７に送り込まれる。

【００９２】また、定吐出ポンプ90へは、流路切換機構
Ｍの連通孔61（図５等参照）に連通連結された連通路95
を介して該流路切換機構Ｍから樹脂が供給される。

【００９３】従って、この場合も、上述の実施例と同
様、流路切換機構Ｍが順次、定常状態の切換位置→第１
色替状態の切換位置→第２色替状態の切換位置→定常状
態の切換位置に切換えられて、着色長尺体81が形成され
てゆく。

【００９４】しかして、クロスヘッド７と流路切換機構
Ｍとの間に、定吐出ポンプ90が介装されているので、流
路切換機構Ｍの切換作動時にもクロスヘッド７への樹脂
吐出量が一定に保持され、クロスヘッド７から押出され
る着色長尺体81の外径が一定に保たれ、外径変動が防止
される。

【００９５】また、定吐出ポンプ90の駆動用モータ94に
は回転数検出器（タコジェネレータ）84が付設され、こ
の回転数検出器84にて定吐出ポンプ90の回転数を検出
し、吐出量を一定に保持させている。

【００９６】なお、本発明は上述の実施例に限定され
ず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更自由であ
り、例えば、流路切換機構Ｍのバルブ５ａとしては、回
転体57を使用するものとせずに、スライド体を使用する
ものとして、該スライド体のスライドにより流路を切換
えるものであってもよい。

【００９７】しかして、着色長尺体とは、一般線、通信
ケーブル、自動車電線、電子ワイヤ等であり、心線（導
体等）に押出工程にて着色合成樹脂が被覆されているも
の、、又は、中実棒状のものや中空棒状（管状）のもの
である。また、勿論、心線（導体）に被覆される被覆層
としても、外被を有さないものでもよい。

【００９８】

【発明の効果】本発明は上述の如く構成されているの
で、次に記載する効果を奏する。

【００９９】請求項１記載の着色長尺体の製造装置によ
れば、使用する第１・第２押出機１，２内の樹脂は滞留
することなく常に流れ、樹脂に「ヤケ」を発生させず、
該樹脂は熱劣化しない。

【０１００】また、樹脂のオーバーフロー量は少なく、
材料ロスを減少させることができる。

【０１０１】請求項２記載の着色長尺体の製造装置によ
れば、請求項１記載の製造装置と同様の作用効果を有す
る。さらに、（請求項１記載の製造装置でもクロスヘッ
ドから押出される長尺体の外径変動はほとんど無い
が、）請求項２記載の装置では、定吐出ポンプを有する
ため、流路切換機構Ｍの切換作動時にもクロスヘッド７
への樹脂吐出量が一定に保持され、クロスヘッド７から
押出される長尺体の外径が一層高精度に一定に保たれ、
一層確実に外径変動が防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の断面図である。

【図２】クロスヘッドの断面図である。

【図３】簡略平面図である。

【図４】制御系統図である。

【図５】流路切換機構の要部簡略拡大断面図である。

【図６】流路切換機構の要部簡略拡大断面図である。

【図７】流路切換機構の要部簡略拡大断面図である。

【図８】流路切換機構の要部簡略拡大断面図である。

【図９】流路切換機構の要部簡略拡大断面図である。

【図10】樹脂押出量と流路切換機構の切換位置との関係
を示す説明図である。

【図11】樹脂押出量と流路切換機構の切換位置との関係
を示す説明図である。

【図12】他の実施例の簡略平面図である。

【図13】要部断面図である。

【図14】従来例の簡略図である。

【図15】流路切換機構の簡略拡大断面図である。

【図16】流路切換機構の簡略拡大断面図である。

【図17】流路切換機構の簡略拡大断面図である。

【図18】着色長尺体の拡大断面図である。

【図19】着色長尺体の拡大断面図である。

【図20】着色長尺体の拡大断面図である。

【図21】着色長尺体の拡大断面図である。

【図22】着色長尺体の拡大断面図である。

【図23】着色長尺体の拡大断面図である。

【図24】着色長尺体の拡大断面図である。

【図25】着色長尺体の拡大断面図である。

【符号の説明】

１第１押出機２第２押出機７クロスヘッド 90 定吐出ポンプＭ流路切換機構

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】クロスヘッドから押出されるべき所要量
の100 ％乃至それ以下の樹脂を夫々押出すことが可能な
第１・第２押出機と、該第１・第２押出機間に介装され
て押出される樹脂の流路を切換える流路切換機構と、を
備えた着色長尺体の製造装置であって、上記流路切換機
構が、上記第１・第２押出機から押出された上記所要量
の50％ずつの樹脂を合流させて上記クロスヘッドへ吐出
する定常状態と、第１押出機から押出された所要量の10
0 ％の樹脂を上記クロスヘッドへ吐出すると共に第２押
出機の樹脂のオーバーフロー及び色替えを可能とする第
１色替状態と、上記第１押出機からのクロスヘッドへの
樹脂の所要量の押出しを上記第２押出機からのクロスヘ
ッドへの樹脂の所要量の押出しに切換えると共に該第１
押出機の樹脂のオーバーフロー及び色替えを可能とする
第２色替状態の３個の切換位置を備えていることを特徴
とする着色長尺体の製造装置。
【請求項２】クロスヘッドから押出されるべき所要量
の100 ％乃至それ以下の樹脂を夫々押出すことが可能な
第１・第２押出機と、該第１・第２押出機間に介装され
て押出される樹脂の流路を切換える流路切換機構と、を
備えた着色長尺体の製造装置であって、上記クロスヘッ
ドと上記流路切換機構との間に、該流路切換機構からの
樹脂を該クロスヘッドへ押出す定吐出ポンプを介装する
と共に、上記流路切換機構が、上記第１・第２押出機か
ら押出された上記所要量の50％ずつの樹脂を合流させて
上記定吐出ポンプへ吐出する定常状態と、第１押出機か
ら押出された所要量の100 ％の樹脂を上記定吐出ポンプ
へ吐出すると共に第２押出機の樹脂のオーバーフロー及
び色替えを可能とする第１色替状態と、上記第１押出機
からの定吐出ポンプへの樹脂の所要量の押出しを上記第
２押出機からの定吐出ポンプへの樹脂の所要量の押出し
に切換えると共に該第１押出機の樹脂のオーバーフロー
及び色替えを可能とする第２色替状態の３個の切換位置
を備えていることを特徴とする着色長尺体の製造装置。