JPH0511190A - 多層膜位相差顕微鏡 - Google Patents

多層膜位相差顕微鏡

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JPH0511190A
JPH0511190A JP16174791A JP16174791A JPH0511190A JP H0511190 A JPH0511190 A JP H0511190A JP 16174791 A JP16174791 A JP 16174791A JP 16174791 A JP16174791 A JP 16174791A JP H0511190 A JPH0511190 A JP H0511190A
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JP
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light
phase
phase difference
objective lens
microscope
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JP16174791A
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Yoshiaki Horikawa
嘉明 堀川
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 透過型の位相板を用いる代わりに、反射光の
位相を変え得るようにした光学系により構成される多層
膜位相差顕微鏡を提供することである。 【構成】 本発明による多層膜位相差顕微鏡は、物体に
向けて輪帯照明光を照射する照明手段と、前記物体から
の光を受けて該物体の像を形成する反射型対物レンズ2
5とを備えた顕微鏡において、前記対物レンズ25を構
成している反射鏡26の反射面の所定部分に、その他の
部分における反射光との間に実質的に1/4波長に相当
する位相差を付与する手段28が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、位相物体の観察又は計
測等に用いられる位相差顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の位相差顕微鏡において、
輪帯照明とこの輪帯に相当する部分の位相が1/4波長
ずれるような位相膜を施した瞳を有する対物レンズとが
用いられている。
【0003】図6はかかる位相差顕微鏡の基本的構成例
を示しているが、図において、1は光源、2はリングス
リット3に光を集めるためのコレクターレンズ、4は物
体を照明するためのコンデンサーレンズ、5は物体面、
6は対物レンズ、7は位相を1/4波長ずらすための位
相板、8は像面である。上記リングスリット3は、図7
に示したように開口3aを有しており、また上記位相板
7は上記対物レンズ6の瞳もしくはその近傍に設けられ
ている。位相板7において、対物レンズ6の瞳に投影さ
れる上記リングスリット3の開口3aと整合するリング
状の位相膜7aが形成されている。そして、この位相膜
7aはリングスリット3における開口3a以外の部分に
対して1/4波長ずれるように形成されている。
【0004】ところで近年、軟X線領域の波長(数Å〜
数百Å)を用いた顕微鏡が注目されている(例えば、レ
ーザー研究第18巻、No.10、p1〜p109;社
団法人レーザー学会等)。そして、このような波長が短
い光によれば、高い分解能が期待でき、また光のエネル
ギーが高いため被検物体との間の相互作用により新しい
情報を得ることも期待できる。ところが、かかる波長領
域の光の場合、物質に対する屈折率はほぼ1になるた
め、可視光の場合に顕著に現れる反射や屈折等の現象は
生じ得ない。また、上記軟X線領域の光に対する物質の
吸収性が大きく、従って、可視光の領域で通常用いられ
ている屈折型のレンズは使用されない。
【0005】そこで、このような軟X線領域の光の場
合、レンズ(結像素子)としては、全反射を利用する斜
入射型の反射鏡や、多層膜を用いて反射率を向上させる
直入射型の多層膜反射鏡または回析現象を利用したゾー
ンプレート等が用いられている。図8は多層膜の構造例
を示しており、これは一般には図示したように、2種類
の物質A,Bを周期1/2波長で交互の重ねたものであ
る。さらに、図9には反射鏡を2枚用いたシュヴァルツ
シルド型反射型対物レンズの構成例が示されている。即
ち一方の反射鏡である凹面鏡の中央部に形成された孔に
対向して凸面鏡が配置されて成る反射型結像系で、上記
凹面鏡及び凸面鏡のそれぞれ表面には図8に示したよう
な多層膜が形成されている。
【0006】ここで、図10はかかるシュヴァルツシル
ド型反射型対物レンズを用いた顕微鏡の光学系を示して
いる。図において、9はレーザプラズマ光源や放射光等
の高輝度光源、10は全反射を利用したコンデンサーレ
ンズ、11は被検物体、12は反射型対物レンズ、13
は像面である。上記反射型対物レンズ12は多層膜反射
鏡により構成されている。そして上記軟X線領域におい
て、該多層膜を構成する物質がX線を一部吸収し、この
ような吸収性があるため理論的には反射率を100%に
することはできない。実際の反射率は光の波長により相
違するが、10〜40%程度である。また、反射型対物
レンズ12は既に図9に示した通り、通常2枚以上の反
射鏡によって構成されており、その全体的な反射率とし
ては1〜16%にまで低下する。そして更にコンデンサ
ーレンズ10の全反射反射率を考慮すると、これよりも
更に低下する。従って、光量損失がない光学系が必要不
可欠である。
【0007】また、位相板についても、従来同様な透過
型の位相板(図6、位相板7)を作製することは、光量
の著しい低下を来たすため好ましくない。物質の複素屈
折率をn* =n+iδとすると(実数部nは位相を、ま
たδは吸収を表す)、物質の厚さをdとすれば、物質を
通った光と真空中を通った光との光路差は(n−1)d
であり、また透過率tはexp(−4πδd/λ)とな
る(λは波長)。このため、位相板を作製するための物
質としては、上記実数部nができるだけ1から離れてお
り、しかも虚数部が小さいものが望ましい。例えば、1
/4波長の位相差とするために必要な物質の厚さdは、
d=λ/{4|n−1|}で表され、また透過率tは、
exp{−πδ/|n−1|}となる。そして次にこれ
らの関係の数値例を示す。
【0008】 波長(λ) 物質 n δ d t 39.8 Å Ni 0.9882 0.0041 843 Å 0.33 39.8 Å Ti 0.9957 0.0009 2313 Å 0.51 44.7 Å Ni 0.9855 0.0057 771 Å 0.29 44.7 Å Ti 0.9944 0.0013 1995 Å 0.48 72.2 Å Ti 0.9858 0.0043 1271 Å 0.38 72.2 Å Mo 0.9800 0.0033 903 Å 0.59
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記数値例から明らか
なように、1/4波長の位相板を用いると、いずれの波
長の場合においても透過率は半減してしまう結果にな
る。そしてまた、上記の各例は物質と真空の場合の例で
あり、実際には、位相板(薄膜)を支える基板(薄膜)
が必要になるので、かかる基板の吸収も加味しなければ
ならないから、このような吸収の影響はさらに大きくな
る。つまり、X線顕微鏡では元々光路の途中で失われる
光量が多いため、位相差顕微鏡に適用した場合には、一
般的な光学顕微鏡におけるような透過型の位相板を用い
ると光量損失が益々増大する。
【0010】本発明はかかる実情に鑑み、透過型の位相
板を用いる代わりに、反射光の位相を変える得るように
した光学系により構成される多層膜位相差顕微鏡を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による多層膜位相
差顕微鏡は、物体に向けて輪帯照明光を照射する照明手
段と、前記物体からの光を受けて該物体の像を形成する
反射型対物レンズとを備えた顕微鏡において、前記対物
レンズを構成している反射鏡の反射面の所定部分に、そ
の他の部分における反射光との間に実質的に1/4波長
に相当する位相差を付与する手段が設けられている。
【0012】
【作用】本発明によれば、光学系内に元々存在している
反射型対物レンズの反射面に上記のような段差を形成し
たことにより、反射光の特定部分のみの位相をその他の
部分に対して変化せしめることができる。
【0013】
【実施例】以下、図1乃至図3に基づき本発明による多
層膜位相差顕微鏡の第一実施例を説明する。図におい
て、21はレーザプラズマ光源や放射光等の高輝度光
源、22は光を物体24上に集光させるための全反射型
コンデンサーレンズ、23は輪帯照明用の遮光板であ
る。ここで、上記コンデンサーレンズ22自体により、
輪帯照明に相当する照明を行うようにしてもよい、即ち
後述する反射鏡の形状を工夫することにより反射光がリ
ング状になるようにすることができる。
【0014】25はシュヴァルツシルド型反射型対物レ
ンズで、図3に示したように、凹面反射鏡26と凸面反
射鏡27とにより構成されている。そして本実施例で
は、上記凹面反射鏡26の反射面に位相差を付与するた
めの段差28が形成されている。この段差28は反射面
上の、物体からの0次回折光が入射する部分に設けら
れ、0次回折光が入射される領域とほぼ同じ大きさを持
った輪帯形状を有している。この段差28は図1に示し
たように、この例では凹面反射鏡26の基盤に予め1/
8波長に相当する段部26aを形成したもので、図3に
示される直入射の場合には入射角θのときに必要になる
段部26aの高さDは、次の式で与えられる。 D=λcosθ/8n そして、像面29には、マイクロチャンネルプレート
(MCD)やCCD等の画像検出記が設置されるように
なっている。
【0015】本発明による多層膜位相差顕微鏡は、上記
のように構成されているから、光源21からの照明光は
コンデンサーレンズ22及び遮光板23を介して物体2
4を透過して来て、シュヴァルツシルド型反射型対物レ
ンズ25の凹面反射鏡26へ入射する。そしてこの実施
例では入射光線は凹面反射鏡26に対して入射角θ=1
1°で入射するが、上記のように段部26aを形成した
ことにより、段差28部分における反射面は、それ以外
の部分の反射面よりも反射光の波面が1/4波長だけず
れる。このように従来例の場合のような位相板を用いる
ことなく、反射光に位相差を付けることができるが、こ
れは特に軟X線領域の光を用いた場合に、一般的な光学
顕微鏡における透過型の位相板を用いると光量損失が著
しく増大するのに比べて反射型対物レンズの作用により
かかる軟X線領域においても光量損失を少なくした上で
この種の位相差顕微鏡としての機能を有効に発揮させる
ことができる。
【0016】なお、上記実施例の段差28は凸面反射鏡
27の適所に設けてもよいが、対物レンズ25の瞳位置
のできるだけ至近位置に配置するようにすることが好ま
しい。
【0017】図4は本発明による多層膜位相差顕微鏡の
第二実施例を示す。この第二実施例では、全反射を利用
した斜入射鏡により対物レンズ30を構成したものであ
る。上記斜入射鏡は図5に示したように、回転双曲面3
1と回転楕円面32とを有する所謂、ウォルター型対物
レンズであるが、この第二実施例によれば、上記回転楕
円面32上に位相差を生じさせるために形成した段差2
8´より、段差28´部分における反射面での反射光の
波面を1/4波長だけずらすことができる。
【0018】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、この種
の位相差顕微鏡において、光量損失を少なくするように
した上で、反射光に対して有効に位相差を付けることが
でき、特に軟X線領域の光を用いた場合に優れた効果を
発揮し得る等の利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層膜位相差顕微鏡にかかる多層位相
膜の構造例を示す反射型対物レンズの要部縦断面図であ
る。
【図2】本発明の多層膜位相差顕微鏡の第一実施例によ
る光学系の概略構成を示す図である。
【図3】本発明の多層膜位相差顕微鏡の第一実施例にお
けるシュヴァルツシルド型反射型対物レンズの構成を示
す図である。
【図4】本発明の多層膜位相差顕微鏡の第二実施例によ
る光学系の概略構成を示す図である。
【図5】本発明の多層膜位相差顕微鏡の第二実施例にお
けるウォルター型対物レンズの構成を示す図である。
【図6】従来の位相差顕微鏡の光学系の基本的構成例を
示す図である。
【図7】従来の位相差顕微鏡の光学系に用いられるリン
グスリットの正面図である。
【図8】従来の位相差顕微鏡の光学系における多層膜反
射鏡の構造例を示要部縦断面図である。
【図9】従来の位相差顕微鏡の光学系における反射型対
物レンズの構成を示す図である。
【図10】従来の多層膜位相差顕微鏡の光学系の概略構
成を示す図である。
【符号の説明】
21 光源 22 コンデンサーレンズ 23 遮光板 24 物体 25 反射型対物レンズ 26 凹面反射鏡 27 凸面反射鏡 28 段差 28´ 段差 29 像面 30 対物レンズ 31 回転双曲面 32 回転楕円面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体に向けて輪帯照明光を照射する照明
    手段と、前記物体からの光を受けて該物体の像を形成す
    る反射型対物レンズとを備えた顕微鏡において、前記対
    物レンズを構成している反射鏡の反射面の所定部分に、
    その他の部分における反射光との間に実質的に1/4波
    長に相当する位相差を付与する手段を設けたことを特徴
    とする位相差顕微鏡。
  2. 【請求項2】 前記反射面が多層膜により構成されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の位相差顕微鏡。
JP16174791A 1991-07-02 1991-07-02 多層膜位相差顕微鏡 Withdrawn JPH0511190A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007058130A (ja) * 2005-08-26 2007-03-08 Japan Science & Technology Agency 極端紫外線顕微鏡及び検査方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19981008