JPH051101A - N,o−硫酸化ヘパロザン、製法および医薬組成物 - Google Patents

N,o−硫酸化ヘパロザン、製法および医薬組成物

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JPH051101A
JPH051101A JP3319357A JP31935791A JPH051101A JP H051101 A JPH051101 A JP H051101A JP 3319357 A JP3319357 A JP 3319357A JP 31935791 A JP31935791 A JP 31935791A JP H051101 A JPH051101 A JP H051101A
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heparosan
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acetylheparosan
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JP3319357A
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Jean Claude Lormeau
ジヤン・クロード・ロルモー
Bruno Chevallier
ブルノ・シユバリエ
Marc Louis Victor Salome
マルク・ルイ・ヴイクトール・サロム
Guy Etienne Marie Tenaille Destais
ギ・エチエンヌ・マリー・トウナイユ・デステ
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Sanofi SA
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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 新規N,O−硫酸化ヘパロザン類、その組成
物および有効成分としてこれ含む医薬組成物を提供す
る。 【構成】 式(I)で示される反復ジサッカリド構造を特
徴とする、分子質量1500ないし15000Daの鎖
または鎖の混合物から成るN,O−硫酸化ヘパロザン類
およびその医薬的に許容し得る塩類、製法および医薬組
成物。 [式中、Eは、N,O−硫酸化ヘパロザンのジサッカリド
単位の0〜80%においてアセチル基、および残りのジ
サッカリド単位において硫酸基および可能ならば水素原
子を表し、Gは水素原子および硫酸基を表す] 【効果】 (I)式で示される新規なN,O−硫酸化ヘパ
ロザン類は強い 抗凝固活性を有し、特にアテローム性
動脈硬化症の治療的処置に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規N,O−硫酸化ヘ
パロザン類、これらの新規N,O−硫酸化ヘパロザンを
含有するN,O−硫酸化ヘパロザン組成物および有効成
分として新規N,O−硫酸化ヘパロザンを含む医薬組成
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】グリコサミノグリカン類は、動物組織の
抽出により得られる生成物であることが知られている。
これらのグリコサミノグリカン類の中には、非常に有利
な抗凝固および抗血栓特性を有するものもある。この種
類に属する典型的な生成物は、ヘパリン、そのフラグメ
ントおよびそれらの誘導体並びにヘパリン硫酸塩および
デルマタン硫酸塩であるが、その供給源故にそれらは非
常に高価であるという不利な点を有する。特に、デルマ
タン硫酸塩は、ウロン酸基(イデュロニルまたはグルク
ロニル)およびアセチル−4−スルホガラクトサミニル
基から成る反復単位により構成された、ポリマー化の度
合が変化し得る種類のポリマーであることが知られてい
る(ステュールザッツ、「ザ・メトドロジー・オブ・コネ
クティブ・ティシュー・リサーチ」(The Methodology of
Connective Tissue Research)、(1976)、137−
146)。天然デルマタン硫酸塩は、20000ないし
40000Daの分子質量を有する。この生成物は、抗
凝固剤および抗血栓剤として特に有利である(フェルナ
ンデス等、「ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・ヘマ
トロジー」(British Journal of Haematology)、(198
6)、64、309−317)。
【0003】さらに、血液凝固は、下記の通り図式的に
機構が要約され得る複雑な生理学的現象であることが知
られている(ビョルクおよびリンダール、「モレキュラー
・アンド・セルラー・バイオケミストリー」(Molecular
and Cellular Biochemistry)、(1982)、ドクタ
ー・ダブリュー・ユンク・パブリッシャーズ、オランダ
国)。
【化8】
【0004】ある種の刺激因子、例えば接触活性化因子
および組織因子は、血しょう中に存在する一連の凝固因
子の連続的活性化を誘発し、これらは上記図式のローマ
数字により同定され、添え字aの存在は所定の凝固因子
の活性化形態(添え字aが存在する)または非活性化形態
(添え字aが存在しない)を示している。刺激因子の性質
とは関係無く、最終段階は同一であり、因子Xaは因子I
I(プロトロンビンとしても知られている)を活性化し、
その活性化形態(因子IIa、トロンビンとしても知られて
いる)は、血餅の主要構成要素である不溶性フィブリン
を放出しながら可溶性フィブリノゲンの部分的蛋白質加
水分解を誘発する。
【0005】正常な生理学的条件下では、調節蛋白質、
例えば抗トロンビンIII(ATIII)およびヘパリンコファ
クターII(HCII)もまた血しょう中に存在する。抗トロ
ンビンIIIは、上記図式においてアステリスク(星印)が
付された全凝固因子に関して阻害活性を及ぼす。この阻
害は、ヘパリンまたはヘパリン型の合成オリゴサッカリ
ドの存在下で非常に強く増幅される(アザ等、「バイオケ
ミストリー」(Biochemistry)、(1985)、24、67
23−6729)。ヘパリンコファクターIIは、凝固の
最終段階を触媒する因子IIa(トロンビン)に関してのみ
阻害活性を行使する。この活性は、ヘパリンまたはデル
マタン硫酸塩の存在下で大きく増幅される(トレフセ
ン、「ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリ
ー」(J.Biol.Chem.)、(1983)、258、671
3−6716)。2因子XaおよびIIaは誘発性刺激因子
とは独立して凝固における最後の2段階に関与するた
め、これら因子Xaまたは因子IIaの阻害は抗凝固および
抗血栓活性を得るのに好適な手段を構成する。因子IIa
単独の阻害を達成するため、特に有利な可能性をもたら
す方法は、ヘパリンコファクターIIの特異性を利用し、
その阻害活性の増幅に向かって努力することから成る。
デルマタン硫酸塩は、このタイプの最も強力な増幅活性
を有する公知生成物である。
【0006】また、主要ヘパリン鎖の形成は2段階で行
なわれることが知られている。最初に、ヘパリンはプロ
テオグリカン前駆体から生合成され、その多糖類部分
は、分子質量379Daの反復β−D−グルクロニル−
(1→4)−α−N−アセチル−α−D−グルコサミニル
−(1→4)−単位(ジサッカリド単位)により構成され
た、ポリマー化の度合が変化し得る種類のポリマーによ
り構成される。この多糖類部分は通常N−アセチルヘパ
ロザンと称される(ナビア、「アナリティカル・バイオケ
ミストリー」(Anal.Biochem.)、(1983)、13
5、134−140)。生合成の第二段階はこの単純な
骨格に根深い修飾を加えるため、生合成のこの第一段階
は純粋に「ジサッカリド単位」について言える唯一のポイ
ントを表す(「ヘパリン、マニュファクチュア、ストラク
チャー、プロパティーズ、アナリシス」(L'heparine,fab
rication,structure,proprietes,analyses)、デュクロ
ス、(1984)、81−83頁、マゾン編−フランス
国)。
【0007】事実上、生合成から生じる天然ヘパリン
は、恐らくは2位が硫酸化され、グルコサミンの分子と
組み合わされ、恐らくは6位が硫酸化され、2位のアミ
ンが硫酸化またはアセチル化された、グルクロン酸およ
びイデュロン酸(ウロン酸)の分子から成る多糖類であ
る。ヘパリンの構造は、12000〜18000Daの
分子量に対応する下式(i)
【化9】 (式中、AはHおよびSO3-を表し、BはSO3-および
COCH3を表し、nは20ないし30の整数である)に
より統計的に示され得る(EP−A−0116801)。
置換基AおよびBについて各々使用されている「Hおよ
びSO3-」および「SO3-およびCOCH3」という表現
は、上記20〜30ジサッカリド単位において、Aが水
素を表す場合もあればSO3-を表す場合もあり、同じく
Bが大多数の場合はSO3-であるがアセチル基の場合も
あることを示している。
【0008】同様に、結合
【化10】 は、上記20〜30ジサッカリド単位におけるCOO-
基が場合によっては立体配置(ii)
【化11】 (D−グルクロン酸に対応)を有し、n単位の大多数にお
いては、立体配置(iii)
【化12】 (L−イズロン酸に対応)を有することを意味する。こ
のため、様々な脱ポリマー化方法により得られたヘパリ
ンおよびヘパリンフラグメントは、グルクロン酸単位お
よびイズロン酸単位をともに含む巨大分子である。
【0009】脱ポリマー化方法の中には、2000ない
し9000Daの分子量およびヘパリン出発物質の場合
よりも少なくとも20%大きい硫酸化度を有するヘパリ
ン・フラグメントの生成を可能にする方法もある。それ
らの「超硫酸化」ヘパリン類は、特許出願EP−A−01
16801に記載されており、ウロン酸単位に関して上
述の2つの構造(ii)および(iii)を有する。また、エシ
ェリヒア・コリの種類に属する細菌の中には、反復β−
D−グルクロニル−(1→4)−α−N−アセチル−D−
グルコサミニル−(1→4)−単位から成る種類のポリマ
ーである、通常K5抗原と称されるきょう膜多糖類を産
生するものもあることが知られている(バン等、「ヨーロ
ピアン・ジャーナル・オブ・バイオケミストリー」(Eu
r.J.Biochem.)、(1981)、116、359−3
64)。ヘパリンのプロテオグリカン前駆体の多糖類部
分と同じ化学的性質を有するこの多糖類を、ここではN
−アセチルヘパロザンと称す。この生成物は、105
いし2×106Daの分子質量を有し、「ウロン酸」単位
については、全くD−グルクロン酸によってのみ構成さ
れる非常に規則的な構造を有する(バン等、「ヨーロピア
ン・ジャーナル・オブ・バイオケミストリー」(Eur.J.
Biochem.)、(1981)、116、359−364およ
び特許出願EP−A−0333243)。
【0010】特許出願EP−A−0333243は、O
−硫酸化K5多糖類、および同じくO−硫酸化された各
々4、6または8個の「糖」単位により構成されるそのフ
ラグメントの幾つかについて記載している。これらの生
成物は抗アンギオジェニックおよび抗腫よう活性を有
し、抗凝固特性に対するこれらの活性の割合は好適なも
のである。この文献はまた、各々4、6、8または10
個の「糖」単位により構成されるN−アセチルヘパロザン
・フラグメントについて記載している。特許出願EP−
A−0333243はまた、O−硫酸化N−アセチルヘ
パロザン構造を有するペンタサッカリドの全化学合成に
よる製法を記載している。
【0011】現在、1500ないし15000Da間で
変化し得る分子量を有するN,O−硫酸化ヘパロザン類
は、ヘパリンコファクターIIに関する抗凝固活性および
非常に高い抗Xa活性を有することが見出された。
【0012】このため、本発明の対象であるN,O−硫
酸化ヘパロザン類は、それらの新規構造、特にそれらの
硫酸化度(グルコサミンのアミン基における硫酸化も同
様)およびそれらの薬理特性によって、文献に既に記載
された他の生成物とは区別される。それらは、他の薬理
特性よりも、デルマタン硫酸塩の場合よりもヘパリンコ
ファクターII(HCII)に関して強い抗凝固活性を有し、
また非常に有利な薬物動力学的特徴を有する。事実上、
部分的化学合成により得られる生成物である本発明生成
物は、治療に常用されるグリコサミノグリカン類の薬理
活性、特にヘパリンの薬理活性を有し、それらは凝固の
調節に有用であり得、特に抗血栓剤として適用され得
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の対象は、式(I)
【化13】 [式中、Eは、N,O−硫酸化ヘパロザンのジサッカリド
単位の0〜80%においてはアセチル基、および残りの
ジサッカリド単位においては硫酸基および可能ならば水
素原子を表し、Gは水素原子および硫酸基を表す]で示
される反復ジサッカリド構造を特徴とする、分子質量1
500ないし15000Daの鎖または鎖の混合物から
成るN,O−硫酸化ヘパロザン類および前記N,O−硫酸
化ヘパロザンの医薬的に許容し得る塩類である。
【0014】硫酸基/カルボキシル基比として表される
N,O−硫酸化ヘパロザン類の硫酸化度は、好ましくは
1.5〜3.0である。
【0015】本発明はまた、本発明の対象である上記
N,O−硫酸化ヘパロザンを少なくとも70質量%の割
合で含み、好ましくは本発明の対象であるN,O−硫酸
化ヘパロザンを少なくとも90質量%の割合で含むN,
O−硫酸化ヘパロザンの組成物に関するものである。
【0016】本発明の対象であるN,O−硫酸化ヘパロ
ザン類は、明確に定義された分子質量を有する同一の多
糖類鎖により構成され得、この分子質量は1500−1
5000Daの範囲内に存する。また、それらは分子質
量が変化し得る鎖の混合物により構成され得、これらの
分子質量は1500ないし15000Daである。これ
らの鎖の分子質量の分散度はより大きい場合も小さい場
合もあり得る。事実上、本発明の対象であるN,O−硫
酸化ヘパロザン類は、それらの間での分子質量差異が多
くとも約13500Daである鎖、または対照的に、そ
れらの間での分子量差異が1単位のウロニック構造(D
−グルクロン酸またはその誘導体)もしくはグルコサミ
ン構造に対応する約300Daである鎖のみにより構成
され得る。また、各N,O−硫酸化ヘパロザンの構成に
従って、最低の分子質量または最高の分子質量を有する
鎖の分子質量は、1500ないし15000Da間の値
に対応し得ることは明白である。
【0017】上記で使用されている「Gは水素原子およ
び硫酸基を表す」という表現は、ジサッカリド単位にお
けるGが、ある位置では水素原子を表し、他の残りの位
置では硫酸基を表すことを示す。同様に、Eは、幾つか
のジサッカリド単位においてはアセチル基を表し、これ
らの単位の残りにおいては硫酸基または可能ならば水素
原子を表す。このため、N,O−硫酸化ヘパロザンのジ
サッカリド単位は必ずしも同一ではない。
【0018】式(I)は、グルコサミン単位およびD−グ
ルクロン酸単位から成る反復的ジサッカリド構造を表
す。さらに特定すれば、式(I)のジサッカリド構造がn
回反復され、鎖の非還元的単位が、同等に、4位にヒド
ロキシル基を伴う式(I)で示された硫酸化または非硫酸
化グルコサミン単位、または可能ならばC4−C5位に
二重結合を含む硫酸化または非硫酸化D−グルクロン酸
であり得ると考えられる場合、前記単位は逆になり得
る。還元的単位は、アノマー酸素が水素により置換され
た式(I)で示されているD−グルクロン酸、またはグル
コサミン、または含窒素的脱ポリマー化(2,5−アンヒ
ドロ−D−マンノース)、次いで所望による酸化(2,5
−アンヒドロ−D−マンノン酸)または還元(2,5−ア
ンヒドロ−D−マンニトール)の結果として得られた2,
5−アンヒドロマンノ構造であり得る。
【0019】好ましい生成物は、本発明の対象である
N,O−硫酸化ヘパロザンの鎖の還元および非還元状2
末端が、硫酸化または非硫酸化ウロニック単位、硫酸化
または非硫酸化グルコサミン単位、硫酸化または非硫酸
化N−アセチルグルコサミン単位または2,5−アンヒ
ドロマンノ構造を有する単位である生成物である。
【0020】還元および非還元状2末端が、硫酸化また
は非硫酸化ウロニック単位、硫酸化または非硫酸化グル
コサミン単位および硫酸化または非硫酸化N−アセチル
グルコサミン単位である鎖により構成されるN,O−硫
酸化ヘパロザン類が好ましい。
【0021】また、本発明の対象は、本発明の対象であ
るN,O−硫酸化ヘパロザンを70%〜100%の割合
で含む組成物の製造方法であって、下記順序の段階: −段階a: エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)(K
5)株の培養によるN−アセチルヘパロザンの形成、 −段階b: 形成されたN−アセチルヘパロザンの単離お
よび精製後、式(II)
【化14】 で示される反復ジサッカリド構造を特徴とする、分子質
量1500ないし15000Daの鎖または鎖の混合物
から成るN−アセチルヘパロザンを70%〜100%の
割合で含む組成物の生成、 −段階c: N−アセチルヘパロザンのこの組成物の部分
的脱アセチル化による、式(III)
【化15】 (式中、R'は、ジサッカリド単位の0〜80%において
はアセチル基、および残りのジサッカリド単位において
は水素原子を表す)で示される反復ジサッカリド構造を
特徴とする、分子質量1500ないし15000Daの
鎖または鎖の混合物から成るヘパロザンを70%〜10
0%の割合で含む組成物を生成、 −段階d:−ヘパロザンのこの組成物の部分的N,O−硫
酸化、−またはヘパロザンのこの組成物の部分的N,O
−硫酸化、次いで全体的N−硫酸化の段階、−または全
体的もしくは部分的N−硫酸化、次いで全体的もしくは
部分的O−硫酸化の段階を含み、および所望により段階
a、b、cまたはdの最後に形成された分子質量の1つまた
はそれ以上の分画化段階を含み得ることを特徴とする方
法である。
【0022】本発明方法に従い、本発明の対象である
N,O−硫酸化ヘパロザンを70%〜100%の割合で
含む組成物を製造するためには、エシェリヒア・コリ
(K5)株として、好ましくはエシェリヒア・コリ株SE
BR3282が使用される。この株は、株Bi8337
−41(O10:K5:H4)ATCC23506に由来す
る株(特に、グプタ等、FEMSマイクロバイオロジー
・レターズ(MicrobiologyLetters)、(1982)、1
4、75−78およびバン、「ヨーロピアン・ジャーナ
ル・オブ・バイオケミストリー」(Eur.J.Bioche
m.)、(1981)、116、359−364に記載)であ
る。
【0023】エシェリヒア・コリ株SEBR3282
は、カイザー等の方法(「ジャーナル・オブ・クリニカル
・マイクロバイオロジー」(J.Clin.Microbiol.)、
(1984)、19、2、264−266)によるK5−
特異的ファージ類別試験において陽性応答する。このた
め、それは明らかにエシェリヒア・コリ(K5)株であ
る。この株は、フランス国パリ、パスツール研究所のC
NCMにナンバーI−1013として寄託された。ま
た、自然発生的または誘導された突然変異体および他の
適当なエシェリヒア・コリ(K5)株、例えばBi626
−42株(012:KSiNM ATCC23508)を使
用することも可能である。使用される培養培地は、好ま
しくは含窒素物質に富む培地、例えば酵母抽出物および
カゼイン加水分解物に富む培地であり、これは大量のア
ミノ酸の安価な供給手段である。エシェリヒア・コリ
(K5)株の培養は、好ましくはバイオマスの生長停止後
少なくとも2時間続行される。
【0024】式(II)の反復ジサッカリド構造を特徴とす
る、分子質量1500ないし15000Daの鎖の混合
物から成るN−アセチルヘパロザンを70%〜100%
の割合で含む組成物を得るためのN−アセチルヘパロザ
ンの単離および精製は、少なくとも一つの沈澱段階およ
び一つのイオン交換クロマトグラフィー段階を含む方法
により行なわれる。この段階は、好ましくはQセファロ
ース・カラムまたは均等内容のカラムを用いて行なわれ
る。沈澱は、適当な有機溶媒および特にアルコール、好
ましくはエタノールにより行なわれる。このプロセスの
間、N−アセチルヘパロザンは、塩形態、好ましくはナ
トリウム塩形態であり得る。
【0025】一例として、好ましい単離および精製方法
は、下記要領で概説され得る。 −段階a1: エタノール沈澱、 −段階b1: 透析、 −段階c1: エタノール沈澱、次いで脱水および乾燥、 −段階d1: アニオン交換クロマトグラフィーによる精
製、 −段階e1: 段階d1で得られた溶離物のエタノール沈澱、
脱水、乾燥および粉砕。段階a1、b1およびc1について述
べると、それらが行なわれる順序はあまり重要ではな
い。段階a1またはc1のうちの一つは省かれ得る。段階e1
において、エタノール沈澱は必須ではない。他の方法、
例えば段階d1で得られた溶離液の真空下濃縮によりN−
アセチルヘパロザンを単離することも可能である。
【0026】また、分子質量1500ないし15000
Daの鎖の混合物から成るN−アセチルヘパロザンを7
0%〜100%の割合で含む組成物を得るためのN−ア
セチルヘパロザンの単離および精製は、下記方法で行な
われ得る。 −段階a'1: 透析、 −段階b'1: 酸性培地における精製、pH3.5およびp
H1.8の水溶液に不溶性の不純物の除去、 −段階c'1: エタノール沈澱、次いで脱水および乾燥、 −段階d'1: アルカリ性加水分解および透析、 −段階e'1: アニオン交換クロマトグラフィーによる精
製、 −段階f'1: 排除クロマトグラフィーによる精製。 この単離および精製方法もまた本発明の好ましい方法で
ある。アルカリ性加水分解は、30ないし80℃の温度
でNaOH溶液により行なわれる。
【0027】単離および精製方法を適用する場合に、培
養の最後に得られた懸濁液(この場合予めろ過が必要で
ある)、または既に下記段階: −段階a"1: 培養の最後に得られた懸濁液の遠心分離、 −段階b"1: 上清をアルカリ性溶液と接触させる工程、 −段階c"1: 予備ろ過、 −段階d"1: 特定されたカット-オフいき値の膜を用い
た濃縮、 −段階e"1: 透析を含む方法に従い行なわれる予備精製
に付された生成物を出発物質として使用することが可能
である。段階e"1は必須ではない。アルカリ性溶液とし
て、0.1N NaOH溶液が使用され得る。好ましく
は、培養の最後に得られた生成物の予備精製は、上記方
法に従い行なわれる。
【0028】上述のエシェリヒア・コリ(K5)株の培養
および単離および精製方法並びに予備精製段階により、
式(II)
【化16】 で示される反復ジサッカリド構造を特徴とする、分子質
量1500ないし15000Daの鎖の混合物から成る
N−アセチルヘパロザンを70%〜100%の割合で含
むN−アセチルヘパロザンの組成物を得ることが可能で
ある。
【0029】事実、上記単離および精製方法並びに予備
精製段階の結果として、1500ないし15000Da
の分子質量を有する鎖の混合物から成るN−アセチルヘ
パロザンを少なくとも80%〜100%の割合で含むN
−アセチルヘパロザンの組成物を得ることが可能であ
る。1500ないし15000Daの分子質量を有する
鎖の混合物から成るN−アセチルヘパロザンは、新規生
成物であり、同じく本発明の対象を形成する。
【0030】上記方法に従い、エシェリヒア・コリ株S
EBR3282または上述の幾つかの他の適当な株を用
いて得られた新規N−アセチルヘパロザンの2つの還元
および非還元末端は、ウロニックまたはN−アセチルグ
ルコサミン単位である。鎖の大部分において、非還元状
末端は、式(a)
【化17】 で示されるウロニック単位である。
【0031】1500ないし15000Daの分子質量
を有する鎖の混合物から成り、式(II)の反復ジサッカリ
ド構造を有するN−アセチルヘパロザンに関して得られ
る組成物の濃縮は、様々な程度、特に前記N−アセチル
ヘパロザンの単離点まで遂行され得る。この濃縮は、慣
用的分子質量分画化技術、例えばゲル透過クロマトグラ
フィーおよび限外ろ過を用いて行なわれる(ホーナー、
「バイオケミカル・ジャーナル」(Biochem.J.)、(19
89)、262、953−958、パイラー等、「ジャー
ナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー」(J.Bio
l.Chem.)、(1988)、263、11、5197−5
201、およびリンダール等、「ジャーナル・オブ・バ
イオロジカル・ケミストリー」(J.Biol.Chem.)、
(1984)、259、20、12368−1237
6)。また、エタノール分画化方法の使用も可能である
(特許出願EP−A−0287477)。後者の分画化方
法は、考えられ得る他の方法よりも特に高い価値を有す
る。
【0032】上記N−アセチルヘパロザン類は、本発明
の対象であるN,O−硫酸化ヘパロザン類の製造だけで
なく他の誘導体の製造においても中間体として使用され
る。
【0033】本発明の対象であるN,O−硫酸化ヘパロ
ザンを製造するため、他の公知N−アセチルヘパロザン
類、例えば主に特許出願EP−A−0333243に記
載されたものと全て同数のジサッカリド単位を有する多
糖類鎖から成る、特に6、8または10個の「糖」単位か
ら成るN−アセチルヘパロザン類、平均10個のモノサ
ッカリド単位を含む鎖から成るN−アセチルヘパロザン
・フラクション(グプタ等、FEMSマイクロバイオロ
ジー・レターズ(Microbiology Letters)(1983)、
16、13−17)または次いで低分子量ヘパリンの製
造に使用される方法に従い脱ポリマー化され得る高分子
質量N−アセチルヘパロザン類を使用することも可能で
ある。事実、本発明の対象であるN,O−硫酸化ヘパロ
ザン類は、高分子質量を有する公知多糖類(K5)から他
の方法により製造され得る。この場合、脱ポリマー化段
階が必要である。
【0034】この脱ポリマー化は、高分子質量N−アセ
チルヘパロザンの脱アセチル化前、脱アセチル化後、N
−硫酸化後または別法としてN,O−硫酸化後に行なわ
れ得る。上述した通り、脱ポリマー化は、低分子量ヘパ
ロザンの製造に関する文献に記載された方法に従い、例
えばペリオデート、遊離基による脱ポリマー化、ベータ
-脱離または亜硝酸の作用により遂行され得る(特許出願
または特許EP−0040144、EP−003731
9、EP−0121067)。これらの方法は例として
与えられたものであり、限定的なものではない。グリコ
サミノグリカン類の他の脱ポリマー化方法があれば、そ
れも使用され得る。
【0035】N,O−硫酸化ヘパロザンが、それを亜硝
酸の作用に付すことによって高分子質量N−アセチルヘ
パロザン(先に脱アセチル化および可能ならばN−硫酸
化されている)から脱ポリマー化により製造される場
合、本発明の対象であるN,O−硫酸化ヘパロザンの還
元単位は、2,5−アンヒドロマンノおよび特に2,5−
アンヒドロ−D−マンノース構造を有し得る。亜硝酸の
作用による脱ポリマー化は、N−脱アセチル化またはN
−硫酸化段階後に行なわれ得る。この段階の後に酸化ま
たは還元が行なわれる場合、還元単位に2,5−アンヒ
ドロ−D−マンノン酸または2,5−アンヒドロ−D−
マンニトール構造を各々有するN,O−硫酸化ヘパロザ
ンが得られる。
【0036】上記式(III)の反復ジサッカリド構造を特
徴とする1500ないし15000Daの分子質量を有
する鎖の混合物から成るヘパロザンを70%〜100
%、さらには80%〜100%の割合で含む組成物を生
成させる、N−アセチルヘパロザンを70%〜100%
の割合で含む組成物の部分的脱アセチル化は、脱アセチ
ル化剤を用いた処理により行なわれる。脱アセチル化剤
としては、五硫化燐、トリエチルオキソニウム・フルオ
ロボレート、水酸化ナトリウムまたはヒドラジンを挙げ
ることができ、後の2剤は特に高い価値を有する。ま
た、強い無機酸、例えば塩酸、硫酸などの使用も可能で
ある。反応時間は、選択された作用条件、特に温度およ
び反応媒質中における脱アセチル化剤の濃度により異な
る。
【0037】式(III)の反復ジサッカリド構造を特徴と
する分子質量が1500ないし15000Daの鎖また
は鎖の混合物から成るヘパロザンに関するヘパロザンの
組成物の濃縮は、上述の慣用的分子質量分画化技術(ゲ
ル透過クロマトグラフィー、限外ろ過およびエタノール
分画化)を用いることにより行なわれる。この場合、式
(III)の反復ジサッカリド構造を有する、分子質量が1
500ないし15000Daの(鎖の)混合物から成るヘ
パロザンを質量にして90%〜100%の割合で含む組
成物が得られる。
【0038】1500ないし15000Daの分子質量
を有する鎖の混合物から成るヘパロザンを製造するため
には、高分子量N−アセチルヘパロザンを使用すること
も可能である。脱アセチル化後に得られた高分子量ヘパ
ロザンは、低分子量ヘパリンの製造に関して既に記載さ
れ、この出願で既に述べられた方法により脱ポリマー化
され得る。次いで、脱ポリマー化生成物を分画化に付す
ことにより、本発明の好ましいヘパロザンを得ることが
できる。
【0039】式(III)
【化18】 (式中、R'は、ジサッカリド単位の0〜80%において
はアセチル基を表し、残りのジサッカリド単位において
は水素原子を表す)で示される反復ジサッカリド構造を
特徴とする、1500ないし15000Daの分子質量
を有する鎖の混合物から成るヘパロザン類は、新規生成
物であるため、同じく本発明の一部を形成する。
【0040】本発明の好ましいヘパロザンは、式(III)
(ただし、アセチル基(R')は60%を越えない含有率で
存在する)で示される反復ジサッカリド構造を特徴とす
る、1500ないし15000Daの分子質量を有する
鎖の混合物から成るヘパロザンである。また、上記ヘパ
ロザンを少なくとも70質量%の割合で含むヘパロザン
の組成物も本発明の一部を形成する。これらのヘパロザ
ン類およびヘパロザンの組成物は、本発明の対象である
N,O−硫酸化ヘパロザンの製造における有用な中間体
であるが、それらはまた、他の生成物、例えば続いてD
−グルクロン酸単位においてエピマー化が行なわれる生
成物の製造においても使用され得る。
【0041】部分的N,O−硫酸化の段階の前に、ヘパ
ロザンは、有機塩基の塩または第4級アンモニウム塩に
変換され得る。ヘパロザンの第4級アンモニウム塩を形
成させるためには、好ましくはテトラブチルアンモニウ
ムが使用される。10.11.87のフランス国特許第
2584728号(出願FR−85/10787に対応)
に記載された方法に従い行なわれる部分的N,O−硫酸
化段階は、極性非プロトン性溶媒、例えばジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスフ
ァーアミドまたはアセトニトリルまたはこれらの溶媒の
混合物中、例えば有機塩基、例えばトリメチルアミン、
トリエチルアミンまたはピリジンと、無水硫酸(三酸化
硫黄:SO2)の複合体を用いて行なわれる。また、ピリ
ジンに溶かしたクロロスルホン酸を用いても行なわれ得
る。好ましくは、三酸化硫黄/ピリジン複合体が使用さ
れる。
【0042】また、他の硫酸化剤、特にギルバートによ
り「ケミカル・レビュー」(ChemicalReview)(196
2)、62、549−589頁に報告された硫酸化剤の
使用も可能である。N,O−硫酸化反応は、一般に6時
間ないし14時間の間、0〜100℃、好ましくは10
〜50℃の温度で行なわれる。製造プロセス中、部分的
N,O−硫酸化反応の最後に、本発明の対象であるN,O
−硫酸化ヘパロザンを70%〜100%の割合で含む
N,O−硫酸化ヘパロザン組成物は、塩化ナトリウムに
関して0.33モルの溶液が得られるまで塩化ナトリウ
ムを加え、次いで適量のエタノールを加えることにより
沈澱する。形成された沈澱物を0.5モル塩化ナトリウ
ム溶液中にとる。次いで、この溶液を中和する。適量の
エタノールを加えた後、形成された沈澱物を単離し、超
精製水中にとり、後者に対して透析し、凍結乾燥および
乾燥する。
【0043】N,O−硫酸化段階および上項に記載され
たN,O−硫酸化ヘパロザンの組成物の精製段階は1回
または複数回反復され得る。精製方法は一例として与え
られたものであり、均等内容の方法を排除するわけでは
ない。このN,O−硫酸化段階の後、好ましくは全体的
N−硫酸化段階が行なわれる。これは、一般に、硫酸化
剤、例えば有機塩基、例えばトリメチルアミンと無水硫
酸の複合体により、有利には塩基性pHの水性溶媒中で
行なわれる。
【0044】全体的N−硫酸化段階の最後に、塩化ナト
リウムに関して0.5モルの溶液が得られるまで塩化ナ
トリウム、さらにエタノールを加えた後、N,O−硫酸
化ヘパロザン組成物が沈澱する。次いで、形成された沈
澱物を0.5モルの塩化ナトリウム溶液に再溶解し、エ
タノールにより再沈澱させ、次に超精製水中にとり、後
者に対して透析し、凍結乾燥および乾燥する。N,O−
硫酸化ヘパロザンに関するN,O−硫酸化ヘパロザン組
成物の濃縮は、既に述べた慣用的分子質量分画化技術を
用いて行なわれる。この濃縮を行うのは有利である。
【0045】本発明の対象であるN,O−硫酸化ヘパロ
ザン、および本発明の対象である新規N,O−硫酸化ヘ
パロザンを少なくとも70%の割合で含むN,O−硫酸
化ヘパロザン組成物は、最終的N−硫酸化反応を含む方
法により有利に得られる。式(I)における反復構造で
は、Eはアセチル基および硫酸基を表す。また、最初に
N−硫酸化、次いでO−硫酸化を行うことにより、本発
明の対象であるN,O−硫酸化ヘパロザンを得ることも
可能である。好ましくはこの方法の変形を使用する。
【0046】N−硫酸化は、有機塩基、例えばトリメチ
ルアミン、トリエチルアミンまたはピリジンと三酸化硫
黄の複合体を用いて行なわれる。また、それはピリジン
に溶かしたクロロスルホン酸によっても行なわれ得る。
トリメチルアミンと三酸化硫黄の複合体を使用するのが
有利であり、N−硫酸化反応は、アルカリ性水性媒質中
20ないし80℃の温度で行なわれる。N−硫酸化反応
の最後に、適量のエタノールを加えると、それによって
得られた生成物が沈澱する。形成された沈澱物を超精製
水中にとり、後者に対して透析し、凍結乾燥および乾燥
する。精製プロセスは一例として与えられたものであ
り、均等内容のプロセスを排除するわけではない。精製
段階は数回反復され得る。本発明方法によると、O−硫
酸化段階前に、N−硫酸化ヘパロザンは、好ましくは有
機塩基の塩または第4級アンモニウム塩に変換される。
第4級アンモニウム塩の形成には、好ましくはテトラブ
チルアンモニウムが使用される。
【0047】O−硫酸化反応は、ホルムアミドまたは別
の化学的に均等な溶媒中、例えば有機塩基、例えばトリ
メチルアミン、トリエチルアミンまたはピリジンと三酸
化硫黄の複合体を用いて行なわれる。好ましくは三酸化
硫黄/ピリジン複合体が使用される。O−硫酸化反応
は、一般に10℃ないし50℃の温度で行なわれる。次
いで、N,O−硫酸化の場合と同様、NaClに関して0.
33モルの溶液が得られるまで反応媒質に塩化ナトリウ
ムを加え、次に適量のエタノールを加えることにより、
N,O−硫酸化ヘパロザンが沈澱する。次に、N,O−硫
酸化ヘパロザン組成物の精製が行なわれる。様々な段階
は既に上記で詳細に記載されている(エタノール沈澱、
透析など)。本発明によると、好ましいN,O−硫酸化ヘ
パロザンは、11000Da未満の分子質量を有する鎖
を少なくとも90質量%の割合で含む。このN,O−硫
酸化ヘパロザンは0.2マイクロモル/mg未満の割合で
アミノ基(NH2)を含むのが望ましい。アセチル基は好
ましくは60%を越えない含有率で存在し、硫酸基/カ
ルボキシル基比として表される硫酸化度は1.5ないし
3.0であるのが望ましい。
【0048】本発明の好ましい生成物は、平均分子質量
が約4000〜7000Daであり、硫酸基/カルボキ
シル基比として表される硫酸化度が1.7ないし3であ
る鎖から成るN,O−硫酸化ヘパロザン類、および分子
質量が5000ないし7000Daの鎖を少なくとも7
0質量%の割合で含み、1.8ないし2.5の硫酸化度を
有する約80%N−脱アセチル化N,O−硫酸化ヘパロ
ザン類(存在するアセチル基含有率は約20%)、または
その他に、分子質量が10000ないし12000Da
の鎖を少なくとも70質量%の割合で含み、1.8〜2.
5の硫酸化度を有する約80%N−脱アセチル化N,O
−硫酸化ヘパロザン類(存在するアセチル基含有率は2
0%)、またはその他に、分子質量が6000ないし8
000Daの鎖を少なくとも70質量%の割合で含み、
2.0〜2.8の硫酸化度を有する約40%N−脱アセチ
ル化N,O−硫酸化ヘパロザン類(存在するアセチル基含
有率は60%)である。
【0049】本発明の好ましいN−硫酸化ヘパロザン類
は、さらに特定すれば、分子質量が2300Daないし
7200Daの鎖を少なくとも80質量%の割合で含
み、 −1.8〜2.5の硫酸化度を有する約80%N−脱アセ
チル化N,O−硫酸化ヘパロザン類(存在するアセチル基
含有率は20%)、分子質量が3300Daないし77
00Daの鎖を少なくとも80質量%の割合で含み、 −1.8〜2.5の硫酸化度を有する約80%N−脱アセ
チル化N,O−硫酸化ヘパロザン類(存在するアセチル基
含有率は20%)、分子質量が6900Daないし13
500Daの鎖を少なくとも70質量%の割合で含み、 −1.8〜2.5の硫酸化度を有する約80%N−脱アセ
チル化N,O−硫酸化ヘパロザン類(存在するアセチル基
含有率は20%)、分子質量が4000Daないし10
300Daの鎖を少なくとも80質量%の割合で含み、 −2.0〜2.8の硫酸化度を有する約40%N−脱アセ
チル化N,O−硫酸化ヘパロザン類(存在するアセチル基
含有率は60%)である。
【0050】N,O−硫酸化ヘパロザンの塩類として
は、全ての医薬的に許容し得る塩類が包含される。これ
らの塩類は、特にヘパリン塩類の製造について記載され
た(アメリカ合衆国特許4168377)慣用的方法によ
り得られる。精製方法と一緒に上記のN,O−硫酸化ヘ
パロザン製造方法を行うと、N,O−硫酸化ヘパロザン
をナトリウム塩形態で得ることができる。これらの塩類
から、様々なヘパリン塩類または非塩形態のヘパリンの
製造に使用される方法(「ヘパリン、マニファクチャー、
ストラクチャー、プロパティーズ、アナリシス」(L'hep
arine,fabrication,structure,proprietes,analyses)、
デュクロス、(1984)、81−83頁、マゾン編、フ
ランス国)を適用することにより、N,O−硫酸化ヘパロ
ザンの他の塩類または塩形態にされていないN,O−硫
酸化ヘパロザンを得ることが可能である。
【0051】本発明の対象であるN,O−硫酸化ヘパロ
ザン類は、先行技術の示唆するものに対して全く驚くべ
き有利な薬理学的および生化学的特性を有する。特に、
抗アンギオジェニックおよび抗腫よう活性を有し、抗凝
固活性に対するこれらの活性の比率が好適である、特許
EP−A−0333243に記載されたK5抗原の硫酸
化生成物とは対照的に、本発明のN,O−硫酸化ヘパロ
ザン類は優れた凝固調節活性を有する。この活性は、様
々な凝固パラメーターに関してデルマタン硫酸塩の場合
よりも非常に高く、ヘパリンの場合と比べて優るとも劣
らないものであり得る。一層具体的には、この発明の代
表的な生産物のATIII依存性またはHCII依存性抗II
a活性を、デュプイ(D. Dupouy)らがヘパリン補因子II
(HCII)について報告した方法[トロンボーシス・ア
ンド・ヘモステーシス(Thrombosis andHaemostasis)、
(1988年)、60巻(2)、236〜239頁]、
およびラーセン(M.L. Larsen)らが抗トロンビン(ATI
II)について報告した方法[トロンボーシス・リサーチ
(Thrombosis Research)、(1978年)、13巻
(2)、285〜288頁]により測定した。
【0052】何れの場合も、試験は色素産生基質におけ
るトロンビンのアミド分解活性検定で、精製したHCII
または精製したATIIIの存在で、精製トロンビン(因
子IIa)に対する試験生産物の抑制効果を試験管内で測
定することからなる。スツールザッツ(H.W. Stuhlsatz)
らが報告した方法[「ザ・メソドロジー・オブ・コネク
ティブ・ティシュー・リサーチ(The Methodology of Co
nnective Tissue Re-search)」、(1976年)、13
7〜146頁]によって作成したデルマタン硫酸は、最
も強力なHCII依存性抗IIa活性を有するから、これを
この活性を測定する試験の対照生産物として使用し、そ
の試験結果を試験生産物1mgの活性に相当するデルマタ
ン硫酸(DS)のmg 数で表す(mg DS当量/mg)。こ
の発明の代表的な生産物の抗Xa活性(イン・ウエスラ
ー(Yin-Wessler)力価)を、イン(E.T. Yin)らが報告し
た方法[ジャーナル・オブ・ラボラトリー・アンド・ク
リニカル・メディシン(J. Lab. Clin.Med.)、(197
3年)、81巻(2)、298〜310頁]によって測
定し、一方、それら全体の抗凝固活性をプロクター(R.
R. Proctor)らが報告したAPTT試験[アメリカン・
ジャーナル・オブ・クリニカル・パソロジー(Am. J. Cl
in. Path.)、(1961年)、36巻、212〜219
頁]によって測定した。
【0053】試験した生産物は、すべてデルマタン硫酸
より著しく高いHCII依存性抗IIa活性を示した。AT
III依存性抗IIa活性およびイン・ウエスラー力価は、
ヘパリンの活性より低いが、デルマタン硫酸の活性より
高いことが判明した。それら生産物のAPTT力価はデ
ルマタン硫酸の力価より約2倍〜約20倍高く、ヘパリ
ンの力価の60%に達することができた。したがってこ
の発明のN,O−硫酸化ヘパロザン類は、特に有利な活
性の特異性および抗凝固活性を示した。しかもこれらの
生産物の分子質量が低いことは、極めて好都合な薬物動
態性をもたらす。この発明のN,O−硫酸化ヘパロザン
類は極めて毒性が低く、その毒性は医薬用生産物として
使用するのに全く支障がない。したがってこの発明はま
た、この発明の対象であるN,O−硫酸化ヘパロザン、
またはその塩の1つを有効成分として含有する医薬組成
物、または該N,O−硫酸エステル化ヘパロザン、また
はその塩の1つの少なくとも70%を1またはそれ以上
の製薬上許容し得る好適な媒質と組み合わせて含有する
医薬組成物を包含する。
【0054】これらの医薬組成物は、特にアテローム性
動脈硬化症、およびその他の動脈硬化症のような血管壁
の障害、および例えば外科的手術後、または腫瘍の発生
に伴って観察される血液凝固亢進状態、または細菌、ウ
イルス、または酵素の活性化によって誘発された凝固障
害の予防または治療的処置に有用である。投与量は患者
の年齢、体重、健康状態、疾患の性質および重篤度、お
よび投与経路によって幅広く変わり得る。投与量は、1
日当たり1回またはそれ以上の投与で約1mg〜1g、好
ましくは1日約5mg〜500mg、例えば1日200mgの
用量単位で、断続的もしくは一定間隔で静脈内または皮
下に投与し、または経口で1日当たり200mg〜100
0mgの投与量で投与することを含む。言うまでもなくこ
れらの投与量は、各患者の観察結果、および予め実施し
た血液分析によって調節し得る。以下に実施例をあげて
この発明をさらに詳細に説明する。
【0055】
【実施例】
N−アセチルヘパロザン類 実施例1 主として低分子質量からなるN−アセチルヘパロザンの
生産(方法I) (1)エシェリキア・コリ(Escherichia coli)(K5)
細菌株の培養およびN−アセチルヘパロザンを含有する
濾液の分離 下記の表Iに示した組成の培地B 400mlにエシェリ
キア・コリSEBR3282株[パスツール・インステ
ィチュート(Pasteur Institute)のCNCM、パリ(Pari
s)、フランス(France)でNo.I−1013の番号のも
とに保管]を接種し、浮遊液を撹き混ぜながら37℃で
2時間インキュベートする。ついで得られた前培養を、
表Iに示した組成の培地A 11リットルを含有する1
8.5リットルの発酵槽へ移し、浮遊液への空気注入を
調節し(20リットル/分まで)、撹き混ぜることによ
って酸素分圧を40mm Hgに保ち、pH7.4、37℃で
4時間インキュベートする。ついでグルコース600g
/リットルを含有する滅菌溶液を250ml/時の速度で
8時間連続的に導入することによってグルコースを添加
する。グルコースの添加完了後、温度、pH、酸素分圧
をこれと同一の条件下で、さらに10時間培養を続け
る。培地のOD(λ=600nm)をモニターすることに
よって、培養の最後の12時間はバイオマスの増殖がな
いことが確認できる。ついで培養ブロスを25℃に冷却
したのち、ポアサイズ0.22μmのメンブランで濾過す
る。これによってN−アセチルヘパロザンを含有する濾
液約12リットルが得られる。
【0056】
【表1】 第1表 培地Aおよび培地Bの組成および調製 [培地A]培地Aは下記の3種の滅菌溶液を調合するこ
とによって調製する。 (溶液No.1)下記の組成を順に超精製水700mlに
溶解する。 錯化剤:N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン (トリシン、フルカ(Fluka、商標)によって市場化) 360 mg FeSO4・7H2O 280 mg CaCl2・2H2O 6.7mg MgCl2・6H2O 1270 mg K2SO4 500 mg KCl 5000 mg カゼイン加水分解物(アミノ酸の主供給源)HY CASE SF (シェフィールド(Sheffield、商標)によって市場化) 25000 mg 酵母抽出物(ディフコ(Difco、商標)によって市場化) 18000 mg 微量元素溶液(第II表参照) 1 ml 消泡剤ストラクトール(Struktol)J673(シル(Sch
ill)およびザイラヒェル(Seilacher、商標)によって市
場化) パスツールピペットを使用して数滴KOH溶
液(d=1.38)でpHを調節し、超精製水で容量を
850mlに調節する。培地を120℃で45分間加圧滅
菌する。 (溶液No.2)K2HPO4 5gを超精製水40mlに溶
解し、ついでこれと同一の溶媒で容量を50mlに調節す
る。得られた溶液をポアサイズ0.2μm のフィルター
で濾過する。 (溶液No.3)グルコース20.7gを好適量の超精製
水に溶解し、これと同一の溶媒で容量を100mlに調節
する。溶液を110℃で30分間加圧滅菌する。
【0057】[培地B]培地Bの調製は培地Aの調製と
同じであるが、ただし消泡剤添加後、さらにpH7.2
の緩衝液(3−モルホリノプロパンスルホン酸)20g
を追加すべきである。
【表2】第II表 培地Aおよび培地Bの調製に使用する微量元素溶液の調
製 下記の微量元素を(順に)超精製水800mlに溶解す
る。 H3BO3 500mg Na2MoO4・2H2O 1930mg CoCl2・6H2O 11850mg CuSO4・5H2O 25mg ZnSO4・7H2O 2000mg AlCl3・6H2O 2410mg 塩酸(密度1.19)100mlを加え、超精製水を加
えて全量1000mlに調節する。
【0058】(2)主として低分子質量のN−アセチル
ヘパロザンの単離および精製 段階a−エタノール沈殿:95%(v/v)エタノール
約48リットルを濾液へ加え、混合物を放置して沈殿さ
せ、4℃で8時間沈降させる。ポンプ吸引によって上清
を除き、ついで遠心し、遠心ペレットを超精製水約1リ
ットルで取り出す。 段階b−透析:前段階で得られた溶液を、ポアサイズ2
4Åのセルロース膜を備えたNOJAX40袋に加え、
超精製水に24時間透析する(溶液1容量:水6容量、
2時間後、8時間後、16時間後に新しい超精製水と取
り替える)。この操作によって培地内に存在する塩類、
糖類、アミノ酸、オリゴヌクレオチド、およびオリゴペ
プチドのような小分子物質を除去することができる。 段階c−沈澱、脱水、および乾燥:0.5M NaClお
よびエタノール4容量を透析液1容量へ加える。室温で
5分間放置し、沈澱を生成させる。混合物を5000g
で20分間遠心する。遠心ペレットをエタノールで取り
出し、得られた懸濁液を撹拌し、室温で1時間放置す
る。遠心および懸濁操作を反復する。混合物を5000
gで20分間再度遠心する。得られた遠心ペレットを乾
燥器で真空下に40℃で24時間乾燥する。 段階d−粉砕・粉末化:乾燥した遠心ペレットを、無水
条件下に乳鉢を使用して粉砕する。 段階e−陰イオン交換クロマトグラフィー:粉砕した遠
心ペレットを緩衝液Dと呼ばれる緩衝液[組成:20mM
トリス−HCl(pH7.5)]で取り出す(1g当た
り100mlの割合)。第4級アンモニウム基で架橋した
アガロース・マトリックス[ファーマシア(Pharmacia、
商標)、「Qセファロース・ファースト・フロー(Q Seph
arose Fast Flow)」]を含有し、予め緩衝液Dで平衡化
した強陰イオン交換カラムで、得られた溶液をクロマト
グラフィー精製する(粉末1g当たりゲル50mlの割
合)。214nmのUV検出基線へ戻るまで十分量の緩衝
液Dでゲルを洗浄し、ついで25mMピペラジン溶液(p
Hを3.5に調節)で洗浄する。カラムを0.5M Na
Clおよび25mMピペラジンの組成を有する溶液(pH
3.5)で溶出する。5N NaOH溶液を使用して溶出
液を中和する。 段階f−沈澱、脱水、乾燥、および粉砕:塩化ナトリウ
ムを添加することなく前記の段階cおよびdの操作を繰
り返す。段階fの終わりで得られたN−アセチルヘパロ
ザンをバッチAと呼ぶ。精製処理の別法として、段階
a、c、b、d、e、およびfの順に精製を実施する。
この別法によって得られたN−アセチルヘパロザンをバ
ッチBと呼ぶ。
【0059】(3)各精製段階後に得られたN−アセチ
ルヘパロザンの特性決定 核磁気共鳴(NMR)スペクトル プロトンおよび13C炭素−NMRスペクトルを、バン
(W.E.Van) によって報告されたN−アセチルヘパロザン
[ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・バイオケミストリ
ー(Eur. J. Biochem.)、(1981年)、116巻、5
9〜364頁]と比較する。バッチAおよびバッチBの
N−アセチルヘパロザンで得られたスペクトルを検討し
た結果、これらの生産物はバンによって報告されたN−
アセチルヘパロザンと化学的に同一であることを確認し
た。このものはβ−D−グルクロニル−(1→4)−α
−N−アセチル−D−グルコサミニル−(1→4)の繰
り返し構造からなるポリマー鎖を含んでいる。
【0060】排除クロマトグラフィーによる分子質量分
布の測定 分子質量の分布を、下記の条件下で排除HPLCにより
測定する。 −粒径10μm、ポアサイズ250Åのシリカ・ビーズ
からなるカラム、 −溶離液:0.5M硫酸ナトリウム水溶液、 −流速:1ml/分、 −λ=205nmにおけるUV検出。 −ヘパリンから誘導された下記の分子質量を有するオリ
ゴ糖系列:1324、1883、2436、3411、
3996、4535、4995、5365、6150、
6671、7542、8655、10088、1156
1、12950、14809、17387、および22
674Daを使用して検定を実施する。この標準系列で
は、934Da〜56703Daの分子質量だけを考慮す
る。検出した光学密度がN−アセチルヘパロザンの量に
比例していることは、容認され得る事実である。ただし
この方法の精度は、高分子質量では、特に20000Da
以上では指数的に低下する。バッチAの排除クロマトグ
ラフィーの溶出パターンを図1に示す。図1を検討する
と分布は多重分散であり、約4700Daに優勢なピーク
を含んでいることが認められる。バッチAの少なくとも
70%に等しい重量画分は1700〜8000Daの質量
を有している。バッチBの分析についても極めて類似し
たクロマトグラムが得られる。分布の優勢なピークは約
5000Daである。バッチBの少なくとも70%に等し
い重量画分は1500〜8000Daの分子質量を有して
いる。
【0061】ポリアクリルアミドゲル電気泳動による分
子質量分布の観察 これらの分析用試料は、ブロモフェノールブルーを含む
泳動終了標識物質(migration end-marker)と共に、トリ
スホウ酸塩緩衝液中アクリルアミドとN,N'−メチレン
ビスアクリルアミドの29:1の混合物の重合により得
られる15%ポリアクリルアミドゲルの電気泳動に供し
た。泳動は、40mAで約4時間、長さ18cmのゲル上
で、泳動終了標識物質が現れるまで実施する。次いで、
S.ペルコネンら(ジャーナル・オブ・バクテリオルジ
ー(Journal of Bacteriolgy)170巻、6号、264
6頁(1983年))の方法に準じて、ゲルをアルシアン
ブルーで染色した後、銀で染色する。この方法は酸性多
糖類に特異的である。この電気泳動による分析は、段階
aの最後に得られた部分精製物および最終段階、すなわ
ち、バッチAまたはバッチBから流出する精製物で実施
し、精製過程中のN−アセチルヘパロザンの分子質量分
布は実質的に変化しないことを証明することを目的とす
る。段階aの最後の得られた部分精製物および最終段階
(バッチAまたはバッチB)で精製した生成物で得られた
記録を観察すると、実質的な差異は認められない(同じ
泳動距離で、同等の強度のバンドが存在する)。従っ
て、精製中のN−アセチルヘパロザンの分子質量分布の
実質的な変化はない。
【0062】ウロン酸検定 最終段階の最後に得られる精製物(バッチAまたはバッ
チB)の単位質量あたりのウロン酸量を、T.ビターに
より報告された方法(アナリティカル・バイオケミスト
リー(Analytical Biochemistry)4巻、330〜33
4頁(1962年))に準じて比色定量法により定量し
た。この検定方法は、加熱条件下酸溶媒中グリコースア
ミノグリカンとカルバゾールの反応に基づいており、遊
離されたウロン酸量に比例してピンク色に着色する。バ
ッチAでは、段階dの最後に得られた部分精製物および
最終段階fの最後に得られた精製物のウロン酸含量は、
各々1.3および2.1マイクロモル/mgである。バッ
チBでは、最終段階の最後での精製物のウロン酸含量
は、これもまた2.1マイクロモル/mgである。
【0063】紫外および可視部における分光光度法 精製物(バッチA)を超純水に溶解し、得られた溶液(c=
1mg/ml)を光路1cmのセルに入れる。吸収スペクトル
は200および600nmの間で記録する。得られたスペ
クトルより、とりわけ256nmの吸収に基づくと、バッ
チAはDNAを1%未満しか含有しない。
【0064】全タンパク検定 バイオラッドより市販されている「タンパク検定」キット
を用いて全タンパクを検定する。検定方法は、クーマシ
ー・ブリリアント・ブルーG250の酸溶液の最大吸収
波長が、タンパクがそれに対する結合型になったとき
に、465nmから595nmに上昇するという事実に基づ
いている(ライスナーら、アナリティカル・バイオケミ
ストリー(AnalyticalBiochemistry)64巻、509頁
(1975年))。バッチAの全タンパク含量は、1.5
%未満である。
【0065】遊離アミノ基(NH2)検定 この検定は、ゼンサク・ヨシザワらにより、バイオケミ
カ・エト・バイオフィジカ・アクタ(Biochemica et B
iophysica Acta)141巻、358〜365頁(196
7年)に報告された方法に準じて実施した。媒介変数N
2含量(マイクロモル/mgで表す)は、脱アセチル化β
−グルクロール−(1→4)−α−N−アセチル−D−グ
ルコサミニル−(1→4)−単位および遊離アミノ基を含
む夾雑物の量の指標である。バッチAおよびバッチBの
各々のNH2含量は0.05マイクロモル/mgである。
NH2/グルクロン酸比=0.05/2.1は2.5%
未満である。従って、β−D−グルクロニル−(1→4)
α−N−アセチル−グルコサミニル−(1→4)、100
単位あたり、脱アセチル化したこの型の二糖は、(モル
で)2.5単位より少なくなる。
【0066】実施例2 低分子質量の優勢なN−アセチルヘパロザンの調製(方
法II) 1) エシエリキア・コリ(Escherichia coli)(K5)細
菌株の培養およびN−アセチルヘパロザン含有濾過物の
分離 エシエリキア・コリ(Escherichia coli)株SEBR3
282の培養およびN−アセチルヘパロザン含有濾過物
の分離は、実施例1に記載した方法に準じて実施した。
【0067】2) 低分子質量の優勢なN−アセチルヘパ
ロザンの単離および精製 段階a−透析 実施例1[2)低分子質量の優勢なN−アセチルヘパロザ
ンの単離および精製、段階b]に記載の方法に従って、濾
過物375mlを透析に供する。透析後、精製溶液約10
20mlを得る。 段階b−酸溶媒中の精製 5N HCl溶液適当量を透析溶液に添加し、pH3.5
にする。形成された沈澱を遠心により除去し、溶液を同
じ酸(5N HCl)で酸性にし、pH1.8にする。沈澱
形成するかもしれないが、遠心により除去する。次に、
溶液を5N NaOH溶液を用いて中和する。 段階c−沈澱、脱水および乾燥 塩化ナトリウムを適当量、中和した溶液に加え、NaCl
に関して0.5Mの溶液を得、エタノール4容量を次に
加える。室温で5分間、沈澱形成させる。混合物を50
00gで20分間遠心する。遠心塊をエタノール中にと
り、得られた懸濁液を撹拌し、室温で1時間立ててお
く。遠心し、懸濁する操作を繰り返す。混合物を再び5
000gで20分遠心する。得られたペレットを減圧下
40℃で24時間、オーブン中で乾燥する。 段階d−アルカリ性加水分解および透析 前段階で乾燥後得られた生成物を、0.25N NaO
H溶液中2.5%(重量/容量)の濃度で溶解する。それ
により得られた溶液は50℃を2時間維持する。次に5
N HCl溶液を用いて中和し、多糖を含有する溶液
を、実施例1[2)低分子質量の優勢なN−アセチルヘパ
ロザンの単離および精製、段階b]記載の方法に準じて透
析に供する。透析後、約990mlの溶液が得られる。 段階e−陰イオン交換クロマトグラフィー ピペラジン、EDTAおよびトライトンX−100(商
標プロラボ)を適当量、透析溶液に添加し、各々ピペラ
ジンに関して25mM、EDTAに関して2mM、トライ
トンX−100に関して0.2%(容量/容量)の濃度に
する。次に5NHClを用いてpHを3.5に調整する。
この溶液を、25mMピペラジン、2mMEDTAおよび
0.2mMトライトンX−100を含有するピペラジン
緩衝液(pH3.5)で平衡にした400ml Qセファロー
ス・ファスト・フロー・カラムに入れる。カラムをピペ
ラジン緩衝液で洗浄し、0.5M NaCl溶液で溶離
し、生成物を次にエタノール4容量で沈澱させる。これ
を減圧下40℃で乾燥する。N−アセチルヘパロザン約
9.85gがそれにより得られる。 段階f−排除クロマトグラフィー 前段階で得られた生成物4gを、20mMトリス−HCl
pH7.5および1NNaClの組成の緩衝液60mlに
溶解し、次いであらかじめ同じ緩衝液で平衡にした20
0mlの商標オクチル−セファロースカラムに移す。エタ
ノール4容量を非保持分画に加える。形成した沈澱を洗
浄し、減圧下40℃で乾燥する。それにより、N−アセ
チルヘパロザン3.90gが得られる。
【0068】3) 種々精製段階の最後に得られるN−ア
セチルヘパロザンの特性化 核磁気共鳴(NMR)スペクトル このN−アセチルヘパロザンで得られたプロトンおよび
13C炭素NMRスペクトルの研究により、この生成物は
W.F.バン(ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・バイオ
ケミストリー(European Jourral of Biochemistry)
116巻、59〜364頁(1981年))により報告さ
れたN−アセチルヘパロザンと化学的に同一であること
が確認される。 排除クロマトグラフィーによる分子質量分布の決定 実施例1に記載されたN−アセチルヘパロザンの分子質
量分布の決定に用いた方法に準じて、分子質量分布を排
除HPLCにより決定する。実施例2から流出するバッ
チを構成する鎖の、少なくとも86%に等しい重量分画
は、1500および15000Daの間の分子質量を有
する。 ウロン酸検定 段階eから流出したN−アセチルヘパロザンのウロン酸
含量は、1.94マイクロモル/mgである。 紫外および可視部の分光光度法 得られたスペクトルより、得られたN−アセチルヘパロ
ザンのDNA含量は1%未満であることが証明できる。 全タンパク検定 N−アセチルヘパロザンのこのバッチの全タンパク含量
は1%未満である。 遊離アミノ基(NH2)検定 NH2含量は0.1マイクロモル/mg未満である。
【0069】実施例3 低分子質量の優勢なN−アセチルヘパロザンの調製(方
法III) 1) エシエリキア・コリ(Escherichia coli)(K5)株
の培養 エシエリキア・コリ(Escherichia coli)株SEBR3
282の培養は、実施例1記載の方法に従って実施し
た。N−アセチルヘパロザン含有培養物約12lを得
る。
【0070】2) 予備精製 段階a−遠心分離 培養の最後に、得られた懸濁液(12l)を8000rpm
(すなわち11000および14000gの間)で20分
間遠心にかける。段階b−溶媒をアルカリ性溶液と接触
させる。遠心後、塊を除去し、上清を0.1N NaO
Hと約1時間接触させる。 段階c−予備濾過 前段階で得られた溶液を、商標3Mシリーズ300ポリ
プロピレン−フィルターを通す予備濾過に供する。 段階d−特異的遮断限界の膜を用いる濃縮 段階cで得られた濾過物をカットオフ閾値が10000
Daの商標アミコン中空ファイバー・カートリッジかま
たはそれと同等のものを用いて濃縮する。低分子質量N
−アセチルヘパロザンに富む溶液がそれにより得られ
る。 段階e−透析 低分子質量N−アセチルヘパロザンに富む溶液を超純水
で、再び商標アミコン・システムを用いて透析し、希釈
因子を非常に高くする(>10000)。
【0071】3) 低分子質量の優勢なN−アセチルヘパ
ロザンの単離および精製:実施例1[2)低分子質量の優
勢なN−アセチルヘパロザンの単離および精製、段階c
−段階f]に記載した方法を用い、バッチAのN−アセチ
ルヘパロザンと類似の特性を有するN−アセチルヘパロ
ザンを得るか、または実施例2[2)低分子質量の優勢な
N−アセチルヘパロザンの単離および精製、段階a−段
階f]に記載した方法を用いる。
【0072】N,O−硫酸化ヘパロザン 実施例4 実施例1から流出した低分子質量の優勢なN−アセチル
ヘパロザンの化学的修飾 1) バッチBの化学的修飾 段階a−部分的脱アセチル化:バッチB500mgを1N NaOH
溶液10mlに溶解する。溶液を50℃にし、撹拌しなが
らこの温度で8時間反応させる。次に溶液を2N HC
l溶液で中和し、超純水で透析し、次いで凍結乾燥す
る。 段階b−テトラブチルアンモニウム塩の形成:上記の凍結
乾燥物を超純水20ml中にとる。得られた溶液を、ジビ
ニルベンゼンで架橋したポリスチレンに基づくイオン交
換カラム(商標ドウ・ケミカル・ドウェックス50W8)
に移し、あらかじめ酸溶媒で調製して、生成物が再び酸
の形態になるようにする。次に溶液を40%テトラブチ
ルアンモニウム溶液0.4mlと混合する。これを凍結乾
燥する。 段階c−部分的N,O−硫酸塩化 前段階で得られた塩421mgをジメチルホルムアミド3
5mlに溶解し、三酸化硫黄/ピリジン複合体(参照番号
S755−6として商標アルドリッヒにより市販)を
3.71g添加する。混合物を撹拌しながら室温で6時
間反応させる。反応溶媒1容量に、塩化ナトリウムを、
塩化ナトリウムに関する溶液濃度が0.33Mになるま
で加え、続いてエタノール2容量を加える。沈澱を形成
させる。混合物を遠心にかけ、上清を除去する。遠心塊
を0.5MNaCl溶液にとり、それを中和する。次にエ
タノール2容量を加える。沈澱を形成させ、混合物を遠
心にかけ、遠心塊を超純水にとる。混合物を超純水で透
析し、凍結乾燥する。上述の一連の操作を繰り返す。 得られた凍結乾燥物は、以下の特性を有する: *ウロン酸含量: 1.11マイクロモル/mg *遊離NH2含量: 0.01マイクロモル/mg *硫酸化の程度: 2糖単位あたり2.64 ウロン酸およびNH2含量は実施例1記載のとおりに測
定する。硫酸化の程度は、硫酸基/カルボキシル比とも
称し、カルボキシル基あたりの硫酸基の数の平均であ
る; これはB.カシューらによりカルボハイドレイト・
リサーチ(Carbohydrate Research)39巻、168〜
176頁(1975年)に報告された硫酸基検定およびカ
ルボキシル基検定の電気伝導度法により測定する。
【0073】2) バッチAの化学的修飾 バッチAを3分画に分け、バッチA1、バッチA2およ
びバッチA3と称する。 段階a−部分的脱アセチル化およびゲル濾過:バッチA
1、A2およびA3を、バッチA1のみを透析し、凍結
乾燥するということは別として、上述の段階aでバッチ
Bのために記載されたように処理する。次にバッチA
1、A2およびA3は以下の条件下、ゲル濾過(ゲル透
過クロマトグラフィーまたは排除クロマトグラフィーと
も称する)により分画化する:直径25〜75μmのビー
ズの支持は、N,N'−メチレンビスアクリルアミドで架
橋したアリルデキストラン(商標ファルマシアにより市
販されているセファクリルS−300HR)を基礎とし
た。用いた溶離液: 0.5M NaCl溶液混合物は、K
avがバッチA1から流出したヘパロザンでは1に対して
0.46、バッチA2から流出したヘパロザンでは1に
対して0.43およびバッチA3から流出するヘパロザ
ンでは0.64に対して0.43に相当する分画から成
る。これらの分画は、以下では「ゲル濾過ヘパロザン」と
称する。Kavは排除クロマトグラフィーで通常的に用い
られる係数であり、排除クロマトグラフィーの分画化を
再現させることが可能となる。これは式:
【数1】 により定義され、式中、 Ve=考慮中の分画の溶出容量 Vo=排除容量 Vt=全ゲル容量 バッチA1から流出したヘパロザンの部分的脱アセチル
化直後の分子質量分布、並びにバッチA1、A2および
A3から流出したゲル濾過ヘパロザンの分子質量分布
は、実施例1に記載した技法にしたがって排除クロマト
グラフィーにより決定する。
【0074】バッチA1から流出したヘパロザンのゲル
濾過前およびゲル濾過後に得られた溶離図は、各々図2
および図3に示す。溶離図から導かれた結果は、以下の
第III表に符号し、表中MW0は生成物の1%の重量分画
がMW0以上の分子質量を有するような分子質量を表
し、MW1は、生成物の10%の重量分画がMW1以上の
分子質量を有するような分子質量を表し、MW3は、生
成物の10%の重量分画がMW3以下の分子質量を有す
るような分子質量を表し、MW2は最大吸収に対応する
分子質量を表す。
【表3】 第III表 バッチA1から流出したヘパロザン(ゲル濾過していない)およびバッチA1、 A2およびA3から流出したゲル濾過ヘパロザンの分子質量分布 MW0 MW1 MW2 MW3 バッチA1から流出した、ゲル 濾過していないヘパロザン 41400 9600 4400 1400 バッチA1から流出したゲル 濾過ヘパロザン 10700 6900 4400 1600 バッチA2から流出したゲル 濾過ヘパロザン 12700 7000 4500 1500 バッチA3から流出したゲル 濾過ヘパロザン 10300 6900 4500 1500
【0075】図2および図3を比較して観察すると、ゲ
ル濾過により、あまり豊富でない、高分子質量ヘパロザ
ンの除去が可能となる。この結果は第III表で明白であ
り、表中ゲル濾過の操作の後にMW0が大きく低下する
のが観察される。各バッチのヘパロザンは、7000D
a未満の分子質量の鎖の、少なくとも90質量%を含有
する。バッチA1およびA2から流出したゲル濾過ヘパ
ロザンを、実施例1[2)低分子質量の優勢なN−アセチ
ルヘパロザンの単離および精製、段階c]に記載したとお
りに処理する。バッチA3から流出したゲル濾過ヘパロ
ザンは沈澱しないが、超純水で透析する。ウロン酸およ
び遊離アミノ基含量は、実施例1記載のとおり測定す
る。得られた結果は、以下の第IVに符号する。残存する
アセチル含量は、同等数のグルクロニルおよびグルコサ
ミル基が存在することを考慮することにより評価した。
脱アセチル化の程度は、遊離アミノ基含量のウロン酸含
量に対する比と同等であるとして計算した。
【0076】核磁気共鳴スペクトル バッチA3から流出したゲル濾過ヘパロザンで得られた
プロトン核磁気共鳴スペクトルの研究より、生成物が予
期した構造を有すると結論づけることができた。積分に
より計算した脱アセチル化の程度は、44%に等しいこ
とが見出された。この値は、遊離アミノ基含量のウロン
酸含量に対する比を用いて計算した値(41%)に近似す
る。
【表4】 第VI表 バッチA1、A2およびA3から流出するゲル濾過ヘパロザンの特性 ウロン酸 NH2 残存アセチル 脱アセチル 含量検定 含量検定 含量の計算値 化の程度 (マイクロモル/mg)(マイクロモル/mg)(マイクロモル/mg) バッチA1から流出した ゲル濾過ヘパロザン 2.3 1.10 1.20 48% バッチA2から流出した ゲル濾過ヘパロザン 2.4 1.00 1.40 42% バッチA3から流出した ゲル濾過ヘパロザン 2.6 1.05 1.55 41%
【0077】段階b−部分的N,O−硫酸化 脱アセチル化したバッチA1、A2およびA3から流出
したゲル濾過ヘパロザンを最初の段落で記載した操作は
繰り返さないという事は別として、上述でバッチBのた
めに記載された方法(段階c−部分的N,O−硫酸化)で処
理する。バッチA3から流出したヘパロザンのために、
最初の沈澱の後、塊を超純水にとり、超純水で透析し、
溶液のまま放置する。N,O−硫酸化生成物の特性は以
下の第V表に示す:
【表5】 第V表 部分的N,O−硫酸化反応後の、バッチA1、A2およびA3から流出した N,O−硫酸化ヘパロザンの特性 NH2含量 硫酸化度 (マイクロモル/mg) (硫酸/カルボキシル比) バッチA1から流出した N,O−硫酸化ヘパロザン 0.10 1.9 バッチA2から流出した N,O−硫酸化ヘパロザン 0.10 1.9 バッチA3から流出した N,O−硫酸化ヘパロザン 0.10 1.8 N,O−硫酸化反応の後の残存NH2含量(0.10マイ
クロモル/mg)は、精製N−アセチルヘパロザン(0.0
5マイクロモル/mg)の残存NH2含量よりも多いことが
認められるであろう。従って、硫酸化は窒素原子上では
起こっていない。
【0078】段階c−全N−硫酸化 N,O−硫酸化生成物1重量、炭酸水素ナトリウム1重
量および三酸化硫黄/トリメチルアミン複合体1重量
を、用いたN,O−硫酸生成物グラムあたり超純水20m
lの容量で混合し、混合物を撹拌しながら55℃で20
時間反応させる。次に、反応混合物を希釈し(希釈因子
10)、その後、得られた溶液の伝導度を0.5M塩化
ナトリウム溶液の伝導度に調製する。次に、エタノール
2容量を加えて沈澱させ、遠心にかけ、続いて遠心塊を
0.5M NaCl溶液にとり、次いで2容量のエタノー
ルを加えて2回目の沈澱をさせる。超純水にとり、超純
水で透析した後、生成物を凍結乾燥し、減圧下40℃で
乾燥する。
【0079】核磁気共鳴スペクトル バッチA3から流出したN,O−硫酸化ヘパロザンの13
C NMRスペクトルの研究より、この化合物では、グ
ルコサミニル基の6位のアルコールは、完全に硫酸エス
テルの形態になっていることが示される。得られたN,
O−硫酸化ヘパロザンのいくつかの特性は、上記の方法
に従って決定し、以下の第VI表に示す:
【表6】 第VI表 バッチA1、A2およびA3の全N−硫酸化後に得られた生成物の特性 ウロン酸 NH2 脱アセチル 硫酸化の 含量 含量 化の程度 程度(硫酸 (マイクロモル/mg)(マイクロモル/mg) /カルボキシル比) バッチA1から流出した N,O−硫酸化ヘパロザン 1.20 0.02 48% 2.2 バッチA2から流出した N,O−硫酸化ヘパロザン 1.30 0.02 42% 2.2 バッチA3から流出した N,O−硫酸化ヘパロザン 1.35 0.02 41% 2.1
【0080】残存NH2含量(0.02マイクロモル/m
g)は低く、精製N−アセチルヘパロザンのNH2含量(バ
ッチAおよびバッチBで0.05マイクロモル/mg)よ
り少なく、また部分的N,O−硫酸化に示す)に続いて得
られるN,O−硫酸化ヘパロザンのNH2含量(第V表に
具体的に示す)よりも少ない。このことは、N−硫酸化
反応の全体的な性質を表している。N−硫酸化の後に得
られる生成物の分子質量分布は、実施例1記載の方法に
より分析する。バッチA1から流出した生成物で得られ
た溶離図は、図4に示す。極めて類似の溶離図が、バッ
チA2およびA3から流出した生成物で得られる。
【0081】溶離図から導いた結果は表5に符号する。
MW0、MW1、MW2およびMW3の定義は第III表で記
載したのと同一である。
【表7】 第VII表 バッチA1、A2およびA3の全n−硫酸化の後に得られた生成物の分子質量 分布 MW0 MW1 MW2 MW3 バッチA1 14700 9000 5700 2600 バッチA2 17500 10000 5800 3400 バッチA3 11600 7600 5000 1800 各バッチのN,O−硫酸化ヘパロザンは、10000D
a未満の分子質量の鎖の、少なくとも90質量%を含有
する。実際は、バッチA1、A2およびA3は、各々2
600Daおよび9000Daの間、3400および2
0000Daの間、並びに1800および7600Da
の間の分子質量の鎖の80%を含有する。
【0082】実施例5 実施例12から生じる低分子質量の多いN−アセチルヘ
パロザンの化学修飾、N,O−硫酸化ヘパロザン類の製
造:80%N−脱アセチル化誘導体。使用したN−アセ
チルヘパロザンは実施例に記載した方法に従って製造し
た。この生成物のウロン酸含量は2.12μmol/mgであ
る。分子質量の分布の測定は、実施例1に記載した方法
による排除クロマトグラフィにより実施した。少くとも
87.5%に等しい重量フラクションは、1.500と1
5.000Daの間の分子質量の鎖を有する。分布の優勢
ピークはほぼ4.900Daである。このN−アセチルヘ
パロザンのバッチをバッチCという。 段階a−部分的脱アセチル化 2.5gのバッチCを2N NaOH溶液50mlに溶解
する。溶液を50℃とし、この温度で8時間、攪拌しな
がら反応させる。2N HCl溶液を用いてpHを8に調
整し、溶液を超精製水に対し透析し、次いで凍結乾燥す
る。これにより1.96gの生成物が得られる。 N−脱アセチル化率 遊離アミノ基(NH2)アッセーはN−アセチルヘパロシ
ンが80%N−脱アセチル化したことを示す。
【0083】段階b−N−硫酸化 上記凍結乾燥物を70mlの水に取り、2.5gのNa2CO
3と2.5gの三酸化硫酸/トリメチルアミン錯体を加え
る。混合物を20時間55℃で反応させる。反応溶液の
伝導度を脱塩水の添加により、0.5M NaClのそれ
まで持って来る。4容量のエタノールで沈澱させる。混
合物を遠心分離する。沈澱を再び0.5M NaCl溶液
に溶解する。4容量のエタノールで沈澱させる。混合物
を遠心分離する。遠心分離したペレットを超精製水に取
り、この溶液を既に記載した(実施例1)方法によって透
析し、凍結乾燥する。約2gの生成物を得る。 段階c−テトラブチルアンモニウム塩の形成 前段階で得た凍結乾燥物を、実施例4[1)バッチBの化
学修飾、段階b]に記載した方法によりテトラブチルアン
モニウム塩に変換する。2.7gの塩を得る。 段階d−O−硫酸化 前段階で得た2.680gの塩を196mlのホルムアミド
に溶解し、11.27gの三酸化硫黄/ピリジン錯体を加
える。混合物を攪拌しながら6時間30℃で反応させ
る。5容量の反応溶液当り1容量の2M NaCl溶液を
加えてNaOH溶液を用いてpHを7に調整する。2容量
のエタノールで再沈澱させ、混合物を遠心分離し、ペレ
ットを0.5M NaCl溶液に再び溶解する。次いで2
容量のエタノールを加える。沈澱を形成させ、混合物を
遠心分離し、遠心分離によるペレットを80mlの超精製
水に取る。20mlの2M NaCl溶液を加え、4容量の
エタノールを加える。沈澱を形成させて混合物を遠心分
離する。
【0084】段階e−ゲル濾過 段階dで得た生成物を超精製水に取り次いで実施例4
[2)バッチAの化学修飾、段階a]に記載した条件に従い
ゲル濾過により分画する。N,O−硫酸化ヘパロザンの
成分を構成する鎖の分子質量を実施例1に記載した方法
に従って、排除クロマトグラフィにより測定する。1.
500と12.000Daの間の分子質量を有する鎖を含
む分画[溶液C(A)]を集める一方で、他方で2.000
から30.000Daの分子質量の鎖を構成するN,O−
硫酸化ヘパロザン類を含む分画[溶液C(M)]を集める。
溶液C(A)に、4容量のエタノールを加える。沈澱を形
成させ、混合物を遠心分離し、遠心分離ペレットを超精
製水に取る。混合物を超精製水に対し透析し、凍結乾燥
する。1.8gの生成物を得る。こうして得たN,O−硫
酸化ヘパロザンをバッチC1と称する。
【0085】上述の方法によって測定した、このN,O
−硫酸化ヘパロザンのいくつかの特性は以下の第VIII表
に示す。
【表8】 第VIII表 バッチC1に対応する生成物の特性 ウロン酸 NH2 脱アセチル化 硫酸化の程度 含量 含量 の程度 (硫酸/カルボキシル比) (μモル/mg) (μモル/mg)バッチ C1 1.6 0.013 80% 1.9
【0086】生成物の分子量の分布は実施例1に記載し
た技術により評価した。溶出プロフィルから導かれるい
くつかの結果を表IXに示す。
【表9】 第IX表 バッチC1に対応する生成物の分子質量の分布 MW0 MW1 MW2 MW3 バッチC1 9.600 7.200 5.621 2.367 MW0、MW1、MW2及びMW3の定義は、第III表で与
えたものと同一である。バッチC1のN,O−硫酸化ヘ
パロザンは、1.500及び15.000Daの間の鎖9
5質量%を含む。
【0087】核磁気共鳴(NMR)スペクトル 陽子及び13C炭素NMRスペクトルはバッチC1のN,
O−硫酸化ヘパロザンで得る(スペクトルはAMX50
0、溶媒D2Oに関する)。陽子及び13C NMRスペク
トルの研究は生成物の推定構造を確認する。後者は正し
くN,O−硫酸化ヘパロザンである。陽子スペクトル中
糖陽子の強度対アセチル陽子のそれとの比の研究は、8
4%の脱アセチル化の推定度になる。この値は遊離アミ
ノ基含量対ウロン酸含量の比(80%)を用いて計算した
ものに近い。BC炭素NMRスペクトルは、特に、グル
コサミンがほとんど全てN−硫酸化したことを確認す
る。D−グルクロン酸は2及び3位で硫酸化しない。 段階f−ゲル濾過 溶液C(M)に、4容量のエタノールを加える。沈澱を形
成させて、混合物を遠心分離し、ペレットを超精製水に
取り、混合物を透析し凍結乾燥する。次いで凍結乾燥物
を0.5M NaCl溶液に溶かして段階eに定める条件に
従ってゲル濾過により分画する。
【0088】1.300と21.000Daの間の分子質
量を有する鎖を含む分画[溶液C(B)]を一方で集め、他
方1.400から37.000Daのもの[溶液C(C)]を
集める。これら二つの溶液は、溶液C(A)について上記
したように処理し、凍結乾燥後、バッチC2は溶液C
(B)から、バッチC3は溶液C(C)から得られる。第X
表はバッチC2及びバッチC3の生成物の溶出プロフィ
ルから導かれる結果のいくつかを示す。
【表10】 第X表 バッチC2及びC3に対応する生成物の分子質量の分布 MW0 MW1 MW2 MW3 バッチC2 14.600 9.600 7.597 5.950 バッチC3 28.656 17.320 10.512 7.975 MW0、MW1、MW2及びMW3の定義は、第III表で述
べたものと同一である。バッチC2に対応するN,O−
硫酸化ヘパロザンは、分子質量1,500から15,0
00Daの鎖約99質量%を含む。バッチC3に対応す
るN,O−硫酸化ヘパロザンは分子質量1,500から
15,000Daの鎖を約73%含む。
【0089】実施例6 実施例2から得られた低分子質量体が優勢なN−アセチ
ルヘパロザンの化学的修飾。N,O−硫酸化ヘパロザン:
硫酸価2.6のN−アセチル化誘導体40%の製造 出発物質として用いたN−アセチルヘパロザンは実施例
2に記載により製造した。この生成物のウロン酸含有量
は1.96μモル/mgである。このバッチをバッチDと
称する。 段階a−部分的脱アセチル化 バッチD3.7gを1NNaOH74mlに溶解し、混合物
を実施例5(段階a)に記載の方法により処理する。脱ア
セチル化は窒素雰囲気下で行う。凍結乾燥後、生成物
2.91gを得る。 脱アセチル化率 凍結乾燥後得られた生成物の遊離アミノ基(NH2)価は
N−アセチルヘパロザンが40%N−脱アセチル化され
たことを示している。 段階b−硫酸化 先の段階で得られた生成物をNaCO33.7gの存在
下、三酸化イオウ/メチルアミン錯体で、実施例5記載
の方法(段階b)により処理した。これによって、N−硫
酸化ヘパロザン約3gを得た。 段階c−テトラブチルアンモニウム塩の形成 先の段階で得られたN−硫酸化ヘパロザンを実施例5
(段階c)の方法によりテトラブチルアンモニウム塩に変
換した。凍結乾燥物2.99gを得る。 段階d−O−硫酸化 先の段階で得られた塩2.98gを三酸化イオウ/トリ
メチルアミン錯体で、実施例5(段階d)に記載の方法に
より処理し、ついで実施例5に記載と同様にして沈澱お
よび精製を行う。生成物2.8gを得る。
【0090】段階e−ゲル濾過 先の段階で得られた生成物を実施例4[2)バッチAの化
学的修飾、段階a]に記載の方法および装置を用いてゲ
ル濾過により分画する。。N,O−硫酸化ヘパロザン画
分の分子質量(molecular mass)分布を実施例1に記載
の技法により排除クロマトグラフィー(exclusion chro
natography)により測定した。N,O−硫酸化ヘパロザン
からなる画分−その鎖の大部分は1500から1500
0Da間の分子質量をもつ−を分離する。ついでこれら
の画分を濃縮し、超精製水に対して透析した。ついで沈
澱をエタノール5容を添加して生成させ、混合物を遠心
分離にかけ、沈澱物を0.5MNaCl溶液に溶解し、沈
澱操作を繰り返した。これによって得られた精製物をこ
の段階の初めに述べたプロトコルを用いて2度目の分画
にかけた。画分の分子質量分布を前記の方法による排除
クロマトグラフィーにより測定した。4000から80
00Daの分子質量を有する生成物を集めた。それらの
画分を透析にかけ、ついで、生成物をエタノールを添加
して沈澱させた。沈澱物を回収し、0.5MNaClに溶
解した。これにより得られた溶液を超精製水に対して透
析し、ついで凍結乾燥した。これにより、バッチD1と
称するところのN,O−硫酸化ヘパロザン約1gを得る。
【0091】このN,O−硫酸化ヘパロザンの性質およ
び分子質量の分布を第XI表および第XII表にそれぞれ示
す。
【表11】 第XI表 バッチD1による生成物の性質 ウロン酸含有量 NH2含有量 脱アセチル化率 硫酸化度 (μmol/mg) (μmol/mg) (硫酸基/ カルボキシル比) バッチD1 1.53 0.01 40% 2.60
【表12】 第XII表 バッチD1の生成物の分子質量分布 MW0 MW1 MW2 MW3 バッチD1 15,430 10,305 6,850 4,047 MW0,MW1,MW2およびMW3の定義は第III表にお
けると同様である。バッチD1のN,O−硫酸化ヘパロ
ザンは4047から10305Daの鎖80質量%を含
み、これらの鎖の約98.5質量%は1500から14
600Daの分子質量を有する。図5はN,O−硫酸化ヘ
パロザンにつき得られた溶出プロフィルを示す。
【0092】核磁気共鳴(NMR)スペクトル プロトンおよび13C炭素NMRスペクトルはバッチD1
のN,O−硫酸化ヘパロザンにつき得る(スペクトル走査
AMX500、溶媒D2O)。プロトンおよび13C炭素N
MRスペクトルの検討の結果は生成物の推定構造に一致
する。後者は確かにN,O−硫酸化ヘパロザンである。
13C炭素NMRスペクトルは特に、グルコサミン単位の
アミノ基は遊離アミノ(NH2)型でないことを示してい
る。グルコサミンはC6位で完全に硫酸化(sulphated)
され、反対にすべてのグルクロン酸のヒドロキシル基は
硫酸化されていない。
【0093】実施例7 実施例2から得られた低分子質量体が優勢なN−アセチ
ルヘパロザンの化学的修飾。N,O−硫酸化ヘパロザン:
硫酸価2.6のN−アセチル化誘導体40%の製造 出発物質として用いたN−アセチルヘパロザンは実施例
2に記載により製造した。この生成物のウロン酸含有量
は2μモル/mgである。このバッチをバッチEと称す
る。このN−アセチルヘパロザンの分子質量分布は実施
例1に記載の技法により評価した。このN−アセチルヘ
パロザンは1500から15000Daの鎖約75質量
%を含み、鎖の平均質量は約10900Daである。こ
の優勢部分の分子質量は5135Daである。N−アセ
チルヘパロザンは実施例6(段階a)に述べたプロトコル
により40%N−アセチル化された。このN−脱アセチ
ル化のために、出発物質2.5gを用い、これを1NNa
OH50ml中に溶解した。反応終了後、反応媒体のpH
をHClを用いて6に調整し、ついで媒体を濃縮した。 N−脱アセチル化率 遊離アミノ基(NH2)測定はN−アセチルヘパロザンが
40%−N−脱アセチル化されていることを示した。
【0094】段階b−ゲル濾過 0.5MNaClで平衡化したセファクリルS−300H
Rカラム(5cm×100cm)を用いた。各画分に含まれる
ヘパロザンを排出クロマトグラフィーにより測定した。
6000から20000Daの分子量を有する鎖を含む
画分を集め、混合物をロータリーエバポレーターで濃縮
し、エタノール4容で沈澱を生成させ、生成した沈澱物
を乾燥した。
【0095】段階c−テトラブチルアンモニウム塩の形
成および部分的N,O−硫酸化 テトラブチルアンモニウム塩を生成させるために、前段
階で得られた生成物300mgを用い、実施例4[1)バッ
チBの化学的修飾、段階b]の方法を適用した。塩490
mgを得、この塩をホルムアミド30ml中に溶解した。つ
いで実施例4に記載の方法[1)バッチBの化学的修飾、
段階c−第一節]の方法により行った。塩490mgが三酸
化シオウ/ピリジン錯体2.25gと反応させ、N,O−
硫酸化ヘパロザン406mgを得る。 段階d−総N−硫酸化およびゲル濾過 上記段階で得られた生成物372mgを5%Na2CO3
液15ml中に溶解し、実施例4に記載の方法[2)バッチ
Aの化学的修飾、段階c]により三酸化イオウ/トリメ
チルアミン錯体372mgで処理する。ついで、総N−硫
酸化後得られた生成物を、セファクリルS−300HR
カラム(2.5cm×100cm)を用いて既述のプロトコル
を適用してゲル濾過により分画した。6000から20
000Daの分子質量の画分を集め、ロータリーエバポ
レーターで濃縮し、冷超精製水に対して十分に透析し、
凍結乾燥した。これによって、N,O−硫酸化ヘパロザ
ン260mg、バッチEと称するものを得る。
【0096】この生成物の性質を第XIII表に示す。第XI
V表はバッチE1を構成する鎖の分子質量の分布を示
す。このN,O−硫酸化ヘパロザンは分子量1500か
ら15000Daの分子質量の鎖約75質量%含み、7
700から15000Daの分子質量を有する鎖65質
量%含む。
【表13】 第XIII表 バッチE1の生成物の性質 ウロン酸含有量 NH2含有量 脱アセチル化率 硫酸化度 (μモル/mg) (μモル/mg) (硫酸基/ カルボキシル比) バッチE1 1.35 0.01 40% 3
【表14】 第XIV表 バッチE1の生成物の分子質量分布 MW0 MW1 MW2 MW3 バッチE1 31,238 19,671 12,029 7,748 MW0,MW1,MW2およびMW3の定義は第III表に述べ
たのと同じである。
【0097】実施例8 N,O−硫酸化ヘパロザンの2種のバッチの製造:硫酸化
度2.25および2.4の80%N−脱アセチル化誘導
体 用いた出発物質、バッチFは実施例2記載の方法により
製造した。この化合物を構成する鎖の分子質量分布の測
定は、実施例1記載の方法により排除クロマトグラフィ
ーにより行った。プロフィールの検討により、バッチF
はその分子質量が1500から15000Daである鎖
を92質量%含むバッチFであることが確認できる。優
勢なピークは約4800Daに位置する。少なくとも8
0%に等しいバッチFの画分重量は2400から100
00Daの分子質量を有する。この生成物のウロン酸含
有量は2.4μモル/mgである。 段階a−部分的脱アセチル化 この工程は実施例5(段階a)に記載と同様であり、バッ
チF2.5gおよび2NNaOH50mlを用いる。80%
N−脱アセチル化生成物1.6gを得る。N−脱アセチ
ル百分率は遊離アミノ基測定法により評価した。段階b
およびc−N−硫酸化およびテトラブチルアンモニウム
塩の生成これらの二段階は実施例5記載の段階bおよび
段階cと同じである。テトラブチルアンモニウム塩4.
7gを得る。 段階d−O−硫酸化 上で得た塩2.9gをホルムアミド290mlに溶解し、
三酸化イオウ/ピリジン17.4gを添加する。この工
程は実施例5の段階dに記載と同じである。2回目の遠
心分離後得られたペレットを超精製水に溶解し、ついで
混合物を超精製水に対して透析し、凍結乾燥した。これ
によって、生成物3.68gを得る。
【0098】段階e−ゲル濾過 先の段階で得られた生成物を0.5MNaCl溶液に溶解
し、ついで0.5MNaClで平衡化したセファクリルS
−300HRカラムにかけた。溶出液をフラクションコ
レクターを用いて集めた。分子質量1400Daから1
000Daの分子質量を有する画分を集め、ロータリー
エバポレーターで濃縮する。エタノール4容で沈澱さ
せ、混合物を遠心分離し、沈澱物を超精製水に溶解さ
せ、これにより得られた溶液を超精製水に対し大量に透
析し、凍結乾燥し、生成物を乾燥する。これにより、
N,O−硫酸化ヘパロザン1.6g、バッチF1を得る。
分子質量5000から35000Daに対応する画分を
集め、ロータリーエバポレーター中で濃縮し、得られた
溶液にエタノール4容を添加し、混合物を遠心分離し、
沈澱物を水に溶解し、凍結乾燥する。凍結乾燥物をさら
に、この段階の初めに記載した方法に分画する。各画分
の分子質量分布を実施例1に記載の方法により排除クロ
マトグラフィーにより測定した。2000Daから26
000Daを有するN,O−硫酸ヘパロザンを含む画分を
集める。エタノール4容で沈澱させ、混合物を遠心分離
し、ペレットを蒸溜水に溶解し、混合物を透析し、凍結
乾燥する。これにより、バッチF2と称する。N,O−
硫酸ヘパロザン0.6gを得る。
【0099】第XV表にバッチF1およびF2の性質を示
す。この溶出プロフィールから得られた結果を第XVIに
まとめる。
【表15】 第XV表 バッチF1およびF2に対応するN,O−硫酸化ヘパロザンの性質 ウロン酸含有量 NH2含有量 脱アセチル化率 硫酸化率 (μモル/mg) (μモル/mg) (硫酸基/ カルボキシル比) バッチF1 1.58 <0.01 80% 2.4 バッチF2 1.58 <0.01 80% 2.25
【表16】 第VI表 バッチF1およびF2に対応する生成物の分子質量分布 MW0 MW1 MW2 MW3 バッチF1 11,700 7,700 5,800 3,300 バッチF2 24,400 16,325 8,600 6,900 MW0,MW1,MW2およびMW3の定義は第III表に述
べたと同じである。バッチF1のN,O−硫酸ヘパロザ
ンは1500から15000Daの分子質量の鎖約99
質量%を含み、分子質量1500から15000Daの
鎖約84.6質量%、分子質量6900から13500
Da約70質量%を含む。
【0100】核磁気共鳴NMRスペクトル プロトンおよび13CNMRスペクトルをバッチF1の
N,O−硫酸ヘパロザンにつき得る(スペクトル走査AM
X500、溶媒D2O)。プロトンスペクトルの検討の結
果は、特にアミノ脱アセチルプロトンの強度に対する糖
プロトンの強度の比から、N−アセチル化グルコサミン
単位20%の推定値を得る。13Cスペクトルはグルコサ
ミン単位が確かにN−硫酸化されていることを示す。二
糖構造の大部分におけるグルクロン酸は2および3位で
O−硫酸化されていない。
【0101】製造 製造A 高分子質量の優勢なN−アセチルヘパロザンの製造(方
法1) 1) エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)(K5)株
の培養およびN−アセチルヘパロザン含有濾液の分離 下記第XVIIに詳述する組成の培地D400mlにエシェリ
ヒア・コリ株SEBR3282を接種し、けん濁物を3
7℃にて2時間撹拌しつつ、インキュベートする。つい
で、得られた前培養物をこれも下記第XVII表中詳述する
組成の培地C11lを含む18.5l培養器に移し、け
ん濁物を6時間30分、37℃にてインキュベートし、
pHを7.2、および酸素部分圧を空気の吹き込みおよ
び撹拌を調節して40mmHgに保つように調整した。つ
いでグリセリンをグリセリン500g/l含有滅菌溶液を
連続方式で、18g/時の速度で16−17時間にわた
って添加した。温度、pHおよび酸素部分圧で同一条件
下で、実質的にすべてのグリセリンが消費されるまで培
養を継続した。グリセリン添加後培養けん濁物のOD
(λ=600nm)を観測を行うと、培養容器中28−30
時間経過後の培養終了時までに静止状態、またはわずか
な融解状態にあることを示す。ついで培養ブロスを25
℃に冷却し、その後、孔径0.22μmの膜で濾過す
る。これにより高分子質量の優勢なN−アセチルヘパロ
ザンを含む濾液約12lを得る。
【0102】第XVII表 培地Cおよび培地Dの組成および製造 培地C 下記のものを超精製水900mlに順に溶解する。 NTA(ニトリロトリ酢酸)・・・・・ 1,000mg K2HPO4・・・・・・・・・・・・ 790mg グルタミン酸・・・・・・・・・・・11,000mg MgCl2.6H2O・・・・・・・・・ 500mg K2SO4・・・・・・・・・・・・・ 450mg FeSO4.7H2O ・・・・・・・・ 18mg CaCl2.2H2O・・・・・・・・・ 2mg NaCl・・・・・・・・・・・・・・ 500mg KCl ・・・・・・・・・・・・・・ 5,000mg 微量成分溶液(第2表参照、実施例1) 1ml グリセリン・・・・・・・・・・・・10,000mg pHは密度1.38の濃水酸化カリウムで7.2に調節
し、容量を超精製水で1000mlにした。滅菌濾過を
0.2μm膜を用いて行う。 グリセリン溶液 グリセリン50gを適量の超精製水に溶解し、容量を同
じ溶媒で1000mlに調整する。滅菌濾過を0.2μm
膜を用いて行う。発酵中に用いた消泡剤はストルクトル
J673(シル・アンド・ゼラシェル、商品名)である。 培地D 培地Dの調製は培地Cと同じであるが、さらに消泡剤添
加後、緩衝液(pH7.2)3−モルホリノプロパンスル
ホン酸を添加した点が異なる。 高分子質量N−アセチルヘパロザンの分離および精製 高分子質量の優勢なN−アセチルヘパロザンを実施例2
に記載の方法により分離および精製した[2)高分子質量
の優勢なN−アセチルヘパロザンの分離および精製、段
階a−段階f]
【0103】3) 得られたN−アセチルヘパロザンの性
質 排除クロマトグラフィーによる分子質量分布の測定 今回用いた基準から判断して、分子質量分布は概括的に
評価した。この製造で得られたN−アセチルヘパロザン
は分子質量20000Daから500000Daの鎖から
なり、平均質量は約100000−200000Daに
ある。 ウロン酸測定 最終段階における精製生成物のウロン酸含有量は2.2
μモル/mgである。 紫外可視分光光度測定 得られたスペクトルからこのバッチはDNA0.5%以
下を含むことが解る。 総蛋白測定 総蛋白含有量は0.5%以下である。 遊離アミノ基(NH2)測定 NH2含有量は0.1μモル/mgである。
【0104】製造B 高分子質量の優勢なN−アセチルヘパロザンの製造(方
法II) 1)エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)(K5)
株 エシェリヒア・コリ株 SEBR3282の培養を製造
Aに記載の方法により行った。高分子質量の優勢なN−
アセチルヘパロザンを含む培養物約12lを得る。 2)予備精製 実施例3に記載と同様の方法[2)予備精製]を段階d
で、カットオフ閾値30000Daまたは等質量を有す
る商品名アミコン中空糸カートリッジを用いて行った。 3)高分子質量の優勢なN−アセチルヘパロザンの分離
および精製 実施例3に記載と同様の操作[低分子質量の優勢なN−
アセチルヘパロザンの分離および精製]である。
【0105】製造C 製造Aに由来する高分子質量の優勢なN−アセチルヘパ
ロザンの化学的修飾種々の化学的修飾の出発物質とし
て、製造Aに記載の方法によって得られたバッチG1と
称するN−アセチルヘパロザンを使用した。この精製物
のウロン酸含有量は2.41μモル/mgである。 段階a−部分的脱アセチル化 1.9gのバッチG1を2N NaOH38.5mlに溶解
した。溶液を50℃にし、この温度で、8時間窒素気流
下反応させた。ついで、pHを、2N HClを用いて
8.25に調節した。この混合物を超精製水に対して透
析し、ついで凍結乾燥した。これにより、精製物1.6
g得る。 N−脱アセチル化率 遊離アミノ基(NH2)の測定はN−アセチルヘパロザ
ンが80%であることを示した。
【0106】段階b−N−硫酸化 前段階で得られた生成物1.3gを超精製水57mlに溶
解し、NaCO31.9gおよび三酸化硫黄/トリメチル
アミンの錯体1.9gを添加し、混合物を55℃にて2
0時間保った。ついで、この溶液の伝導率を脱塩水を添
加して0.5MNaCl溶液の伝導率に調節し、エタノ
ール4容を添加して沈澱させた。混合物を遠心分離し、
ペレットを0.5M NaCl溶液に取り、エタノール
4容で沈澱を生じさせ、混合物を遠心分離した。このペ
レットを超精製水に溶解し、混合物を実施例1に記載の
方法により超精製水に対して透析し、ついで、凍結乾燥
した。これにより、N−硫酸ヘパロザン1.809gを
得る。 段階c−テトラブチルアンモニウム塩の生成 前段階で製造した生成物を水100mlに溶解し、この溶
液をダウエックス50W8イオン交換カラムにかけた。
用いた操作は実施例4に記載と同様である。[1)バッ
チB、段階bの化学的修飾]。凍結乾燥後、塩約1.3
gを得る。 段階d−O−硫酸化 上記で得られた塩をホルムアミド80mlに溶解し、三酸
化硫黄/ピリジン錯体5.6gを添加した。混合物を3
0℃にて6時間反応させ、ついで、16mlの2M Na
Clを添加した。混合物をpH7にし、エタノール4容
にて沈澱を生じさせた。沈澱を0.5M NaCl溶液
に取り、エタノール2容で再沈澱させ、混合物を超精製
水に対して透析し、ロータリーエバポレーターで濃縮し
た。
【0107】段階e−ゲル濾過 前段階で得られた濃縮溶液を、セファクリルS−300
HRカラムおよび溶出液として0.5M NaCl溶液
を用いて、ゲル濾過により分画した。分子質量1000
0から500000に対応する画分を分離した。エタノ
ール2容を添加し、混合物を遠心分離した。ついで、こ
の伝導率を0.5M NaCl溶液の伝導率に水を添加
して調整した。ゲル濾過による分画を繰り返し、平均分
子質量100000から200000Daを有する鎖か
らなるN,O−硫酸化ヘパロザンを集め、同じく約50
000Daから約12000の平均分子質量を有する鎖
からなるN,O−硫酸ヘパロザンを含む画分も集めた。
これらの3種の画分の各々につき、超精製水に対する透
析を行い、透析後得られた溶液を凍結乾燥した。これに
より、3種のN,O−硫酸化ヘパロザンを得る: −バッチG1は、平均分子質量100000から200
000Daを有する鎖からなるN,O−硫酸化ヘパロザ
ンである。このバッチ0.140gを分離する。 −バッチG2は、約50000Daの平均分子質量を有
する鎖からなるN,O−硫酸化ヘパロザンである。この
N,O−硫酸化ヘパロザン0.350gを分離する。 −バッチG3は、約12000の平均分子質量を有する
鎖からなるN,O−硫酸化ヘパロザンである。この後者
のバッチ約0.100gを分離する。この実施例中の
N,O−硫酸化ヘパロザンの3種のバッチを第XVIII表
に示す。
【表17】 第XVIII表 バッチG1、G2およびG3に対応するN,O−硫酸化ヘパロザンの性質 ウロン酸含有量 NH2含有量 脱アセチル化率 硫酸化度 (μモル/mg) (μモル/mg) (硫酸基/ カルボニル比) バッチG1 1.48 <0.01 80% 2.6 バッチG2 1.45 <0.01 80% 2.6 バッチG3 1.45 <0.01 80% 2.6
【図面の簡単な説明】
【図1】 バッチAの排出曲線を示すグラフである。
【図2】 バッチA1からのヘパロザンのゲルろ過前の
排出曲線を示すグラフである。
【図3】 バッチA1からのヘパロザンのゲルろ過後の
排出曲線を示すグラフである。
【図4】 バッチA1からの生成物の排出曲線を示すグ
ラフである。
【図5】 N,O−硫酸化ヘパロザンの排出曲線をしめ
すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 19/26 8214−4B //(C12N 1/20 C12R 1:19) (C12P 19/26 C12R 1:19) (72)発明者 マルク・ルイ・ヴイクトール・サロム フランス31320カスタネ−トローザン、レ ゾルム・スゴン・バ・エフ1番 (72)発明者 ギ・エチエンヌ・マリー・トウナイユ・デ ステ フランス31400トウールーズ、ブールヴア ル・グリフル・ドルヴアル2番

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 [式中、Eは、N,O−硫酸化ヘパロザンのジサッカリド
    単位の0〜80%においてアセチル基、および残りのジ
    サッカリド単位において硫酸基および可能ならば水素原
    子を表し、Gは水素原子および硫酸基を表す]で示され
    る反復ジサッカリド構造を特徴とする、分子質量150
    0ないし15000Daの鎖または鎖の混合物から成る
    N,O−硫酸化ヘパロザン類および前記N,O−硫酸化ヘ
    パロザンの医薬的に許容し得る塩類。
  2. 【請求項2】 Eがアセチル基または硫酸基を表すこと
    を特徴とする、請求項1記載のN,O−硫酸化ヘパロザ
    ン類。
  3. 【請求項3】 硫酸基/カルボキシル基比として表され
    る硫酸化の程度が1.5ないし3であることを特徴とす
    る、請求項1および2のいずれかに記載のN,O−硫酸
    化ヘパロザン類。
  4. 【請求項4】 式(I) 【化2】 [式中、Eは、前記N,O−硫酸化ヘパロザンのジサッカ
    リド単位の0〜80%においてアセチル基、および残り
    のジサッカリド単位において硫酸基および可能ならば水
    素原子を表し、Gは水素原子および硫酸基を表す]で示
    される反復ジサッカリド構造を特徴とし、硫酸基/カル
    ボキシル基比として表される硫酸化の程度が1.5〜3.
    0であり、前記N,O−硫酸化ヘパロザンの鎖の2つの
    還元および非還元末端が、硫酸化もしくは非硫酸化ウロ
    ン酸単位、硫酸化もしくは非硫酸化グルコサミン単位、
    硫酸化もしくは非硫酸化N−アセチルグルコサミン単位
    である、分子量1500ないし15000Daの鎖また
    は鎖の混合物から成る請求項1記載のN,O−硫酸化ヘ
    パロザン類および前記N,O−硫酸化ヘパロザンの医薬
    的に許容し得る塩類。
  5. 【請求項5】 アセチル基が60%を越えない含有率で
    存在することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1
    項記載のN,O−硫酸化ヘパロザン類。
  6. 【請求項6】 分子質量11000Da未満の鎖を少な
    くとも90質量%の割合で含むことを特徴とする、請求
    項1〜5のいずれか1項記載のN,O−硫酸化ヘパロザ
    ン類。
  7. 【請求項7】 0.2マイクロモル/mg未満の割合でア
    ミノ基(NH2)を含むことを特徴とする、請求項1記載
    のN,O−硫酸化ヘパロザン類。
  8. 【請求項8】 平均分子質量約4000Daないし70
    00Daの鎖から成り、1.7ないし3の硫酸基/カル
    ボキシル基比として表される硫酸化度を有する、請求項
    1〜5のいずれか1項記載のN,O−硫酸化ヘパロザン
    類。
  9. 【請求項9】 分子質量5000ないし7000Daの
    鎖を少なくとも70質量%の割合で含むこと、および硫
    酸基/カルボキシル基比として表される硫酸化度が1.
    8ないし2.5であること、およびアセチル基が20%
    を越えない含有率で存在することを特徴とする、請求項
    1記載のN,O−硫酸化ヘパロザン類。
  10. 【請求項10】 分子質量10000ないし12000
    Daの鎖を少なくとも70質量%の割合で含むこと、硫
    酸基/カルボキシル基比として表される硫酸化度が1.
    8ないし2.5であること、およびアセチル基が20%
    を越えない含有率で存在することを特徴とする、請求項
    1記載のN,O−硫酸化ヘパロザン類。
  11. 【請求項11】 分子質量6000ないし8000Da
    の鎖を少なくとも70質量%の割合で含むこと、硫酸基
    /カルボキシル基比として表される硫酸化度が2.0な
    いし2.8であること、およびアセチル基が60%を越
    えない含有率で存在することを特徴とする、請求項1記
    載のN,O−硫酸化ヘパロザン類。
  12. 【請求項12】 分子質量2300ないし7200Da
    の鎖を少なくとも80質量%の割合で含むこと、硫酸基
    /カルボキシル基比として表される硫酸化度が1.8な
    いし2.5であること、およびアセチル基が20%を越
    えない含有率で存在することを特徴とする、請求項1記
    載のN,O−硫酸化ヘパロザン類。
  13. 【請求項13】 分子質量3300ないし7700Da
    の鎖を少なくとも80質量%の割合で含むこと、硫酸基
    /カルボキシル基比として表される硫酸化度が1.8な
    いし2.5であること、およびアセチル基が20%を越
    えない含有率で存在することを特徴とする、請求項1記
    載のN,O−硫酸化ヘパロザン類。
  14. 【請求項14】 分子質量6900ないし13500D
    aの鎖を少なくとも70質量%の割合で含むこと、硫酸
    基/カルボキシル基比として表される硫酸化度が1.8
    ないし2.5であること、およびアセチル基が20%を
    越えない含有率で存在することを特徴とする、請求項1
    記載のN,O−硫酸化ヘパロザン類。
  15. 【請求項15】 分子質量4000ないし10300D
    aの鎖を少なくとも80質量%の割合で含むこと、硫酸
    基/カルボキシル基比として表される硫酸化度が2.0
    ないし2.8であること、およびアセチル基が60%を
    越えない含有率で存在することを特徴とする、請求項1
    記載のN,O−硫酸化ヘパロザン類。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15のいずれか1項記載の
    N,O−硫酸化ヘパロザン類を少なくとも70質量%の
    割合で含むことを特徴とする、N,O−硫酸化ヘパロザ
    ンの組成物。
  17. 【請求項17】 請求項1記載のN,O−硫酸化ヘパロ
    ザンを70%〜100%の割合で含む組成物の製造方法
    であって、下記順序の段階: −段階a: エシェリヒア・コリ(K5)株の培養、 −段階b: 形成されたN−アセチルヘパロザンの単離お
    よび精製により(先に予備精製を行う場合も行わない場
    合もある)、式(II) 【化3】 で示される反復ジサッカリド構造を特徴とする、分子質
    量1500ないし15000Daの鎖または鎖の混合物
    から成るN−アセチルヘパロザンを70%〜100%の
    割合で含む組成物を得、 −段階c: N−アセチルヘパロザンのこの組成物の部分
    的脱アセチル化により、式(III) 【化4】 (式中、R'は、ジサッカリド単位の0〜80%において
    アセチル基、および残りのジサッカリド単位において水
    素原子を表す)で示される反復ジサッカリド構造を特徴
    とする、分子質量1500ないし15000Daの鎖ま
    たは鎖の混合物から成るヘパロザンを70%〜100%
    の割合で含む組成物を得、 −段階d:−ヘパロザンのこの組成物の部分的N,O−
    硫酸化、−またはヘパロザンのこの組成物の部分的N,
    O−硫酸化、次いで全体的N−硫酸化の段階、−または
    全体的もしくは部分的N−硫酸化、次いで全体的もしく
    は部分的O−硫酸化の段階を含み、および所望により段
    階a、b、cまたはdの最後に形成された分子質量の1つま
    たはそれ以上の分画化段階を含み得ることを特徴とする
    方法。
  18. 【請求項18】 エシェリヒア・コリ(Escherichia co
    li)(K5)株がSEBR3282株(寄託番号 I−10
    13としてフランス国パスツール研究所のCNCMに寄
    託)またはこの株の自然発生的もしくは誘導された突然
    変異体であることを特徴とする、請求項17記載の方
    法。
  19. 【請求項19】 エシェリヒア・コリ(Escherichia co
    li)(K5)株の培養が、バイオマスの生長停止後少なく
    とも2時間続行されることを特徴とする、請求項17記
    載の方法。
  20. 【請求項20】 N−アセチルヘパロザンの単離および
    精製が、少なくとも一つのアルコール沈澱段階および少
    なくとも一つのイオン交換クロマトグラフィー段階を含
    むことを特徴とする、請求項17記載の方法。
  21. 【請求項21】 N−アセチルヘパロザンの単離および
    精製が、下記順序の段階: −段階a1: エタノール沈澱、 −段階b1: 透析、 −段階c1: エタノール沈澱、次いで脱水および乾燥、 −段階d1: アニオン交換クロマトグラフィーによる精
    製、 −段階e1: 段階d1で得られた溶離物のエタノール沈
    澱、脱水、乾燥および粉砕(ただし、段階a1またはc1
    うちの一つは省かれ得る)を含む方法を用いて行なわれ
    ることを特徴とする、請求項17記載の方法。
  22. 【請求項22】 N−アセチルヘパロザンの単離および
    精製が、下記順序の段階: −段階a'1: 透析、 −段階b'1: 酸性培地における精製、pH3.5およびp
    H1.8の水溶液に不溶性の不純物の除去、 −段階c'1: エタノール沈澱、次いで脱水および乾燥、 −段階d'1: アルカリ性加水分解および透析、 −段階e'1: アニオン交換クロマトグラフィーによる精
    製、 −段階f'1: 排除クロマトグラフィーによる精製を含む
    方法を用いて行なわれることを特徴とする、請求項17
    記載の方法。
  23. 【請求項23】 エシェリヒア・コリ(Escherichia co
    li)(K5)株の培養から得られたN−アセチルヘパロザ
    ンを、単離および精製前に、下記順序の段階: −段階a"1: 培養の最後に得られた懸濁液の遠心分離、 −段階b"1: 上清をアルカリ性溶液と接触させる工程、 −段階c"1: 予備ろ過、 −段階d"1: 特定されたカット-オフいき値の膜を用い
    た濃縮、 −段階e"1: 透析(ただし、段階e"1は省かれ得る)を含
    む方法を用いて行なわれる予備精製に付すことを特徴と
    する、請求項17記載の方法。
  24. 【請求項24】 部分的N,O−硫酸化の段階の後、塩
    基性pHの水性溶媒中有機塩基との硫酸無水物の複合体
    により行なわれる全体的N−硫酸化が行なわれることを
    特徴とする、請求項17記載の方法。
  25. 【請求項25】 全体的N−硫酸化の段階の後、分子質
    量分画化が行なわれることを特徴とする、請求項17記
    載の方法。
  26. 【請求項26】 医薬的に許容し得る不活性賦形剤と組
    み合わせまたは混合して、請求項1〜15のいずれか1
    項記載のN,O−硫酸化ヘパロザンを有効成分として含
    む医薬組成物。
  27. 【請求項27】 医薬的に許容し得る不活性賦形剤と組
    み合わせまたは混合して、請求項16記載のN,O−硫
    酸化ヘパロザンの組成物を有効成分として含む医薬組成
    物。
  28. 【請求項28】 凝固の調節に使用され得る、請求項2
    6および27のいずれかに記載の医薬組成物。
  29. 【請求項29】 フランス国パリ、パスツール研究所の
    CNCMに寄託番号I−1013として寄託された、エ
    シェリヒア・コリ(Escherichia coli)(K5)株SEB
    R3282。
  30. 【請求項30】 式(II) 【化5】 で示される反復ジサッカリド構造を特徴とする、分子質
    量1500ないし15000Daの鎖の混合物から成る
    N−アセチルヘパロザン類であって、前記N−アセチル
    ヘパロザンの2つの還元および非還元的末端がウロニッ
    クまたはN−アセチルグルコサミン単位である、N−ア
    セチルヘパロザン類。
  31. 【請求項31】 鎖の大部分において、非還元的末端が
    式(a) 【化6】 で示されるウロン酸単位であることを特徴とする、請求
    項30記載のN−アセチルヘパロザン。
  32. 【請求項32】 請求項30記載のN−アセチルヘパロ
    ザンを少なくとも70%の割合で含むことを特徴とす
    る、N−アセチルヘパロザンの組成物。
  33. 【請求項33】 式(III) 【化7】 (式中、R'は、ジサッカリド単位の0〜80%において
    アセチル基、および残りのジサッカリド単位において水
    素原子を表す)で示される反復ジサッカリド構造を特徴
    とする、分子質量1500ないし15000Daの鎖の
    混合物から成るヘパロザン類。
  34. 【請求項34】 アセチル基が60%を越えない含有率
    で存在することを特徴とする、請求項33記載のヘパロ
    ザン類。
  35. 【請求項35】 請求項33および44のいずれかに記
    載のヘパロザンを少なくとも70質量%の割合で含むこ
    とを特徴とする、ヘパロザンの組成物。
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