JPH0510474Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案はビデオデイスクプレーヤ等の映像再生
装置において再生されるFM波の波形歪を除去す
る波形歪除去装置に関するものである。

〈考案の概要〉 本考案では映像再生装置において再生FM波の
波形歪に起因する画像の乱れを防止するための波
形歪除去装置を提供するものである。

〈従来の技術〉 予めFM変調方式で記録された映像信号を映像
再生装置で再生する際、記録系等の原因によつて
FM波に歪を受けている場合、特にその歪が垂直
同期信号部に発生している場合には、このFM波
を復調すると歪部分が帯域外周波数となるために
復調映像信号の垂直同期信号部にノイズが発生す
る。

〈考案が解決しようとする問題点〉 このノイズを取り除かないままこの復調映像信
号をモニター受像機に供給した場合、そのノイズ
の大きさによつては垂直同期外れを起こし、画面
が縦方向に振動するいわゆる「Ｖジツター」と称
される映像障害を引き起こすことがあつた。

〈問題点を解決するための手段〉 そこで本考案はこのようなＶジツターの原因と
なるFM波の波形歪を除去することを目的とした
波形歪除去装置を提供するものである。

例えばVHD方式のビデオデイスクにおいては、
FM変調された映像信号周波数は同期信号部で
6.1MHz、ホワイトピーク部で7.9MHzとなつてお
り、同期信号部のFM波周波数が最も低く、他方
Ｖジツターの原因となる歪成分の周波数はそれよ
りも高い周波数成分であることが多い。

本考案ではこのような点に着目し、再生された
FM波の波形成形を行なうイコライザー回路内ま
たはその後段にFM波の高域成分をカツトする帯
域制限器を付加し、垂直同期信号期間のみFM波
の通過帯域を制限することによつてFM波の波形
歪を除去するものである。

即ち本考案では第１図に示すようにピツクアツ
プ装置１、前置増幅器２、イコライザー回路３、
FM復調器４、コントロール回路５等からなる映
像再生装置において、帯域制限器６と垂直同期パ
ルス発生器７とを追加してFM波形歪除去装置を
構成したものである。

〈作用〉 第１図に示す映像再生装置では、ピツクアツプ
装置１によつてデイスク８面上から検出再生した
信号が前置増幅器２にて増幅されイコライザー回
路３及びコントロール回路５に供給される。この
信号は映像信号成分及び音声信号成分がFM変調
されたFM波の他に、デイスクトレースを正確に
行なうためのトラツキング信号やトレースレーン
の切換を示すパイロツト信号（VHD方式の場合
には４垂直周期に１回存在する）等のコントロー
ル信号が含まれている。上記コントロール回路５
ではトラツキング信号及びパイロツト信号等のコ
ントロール信号を基にしてトラツキングサーボ等
の制御動作が行なわれる。さらにここではこのコ
ントロール回路５からの信号に基き垂直同期パル
ス発生器７において再生映像信号中の垂直同期信
号に同期した垂直同期パルスが生成され帯域制限
器６に供給される。一方映像信号成分及び音声信
号成分を含む再生FM波はイコライザー回路３に
入力され、ここで波形整形されたのち帯域制限器
６を介してFM復調器４に供給される。帯域制限
器６では、垂直同期パルスが印加されている期間
のみ帯域制限動作が行なわれ、この間イコライザ
ー回路３より出力されるFM波の特に高域成分が
カツトされる。

〈実施例〉 第２図は本考案に特に係わりのある上記帯域制
限器６の１実施例を示し、ここではアナログスイ
ツチ６１とローパスフイルタ６２とにより構成さ
れている。ここでアナログスイツチ６１は定常時
には切換子が図示する通り端子側に接続されて
おり、このときイコライザー回路３より得られる
FM波入力はそのままFM復調器４に供給される。
ところが垂直同期パルス発生器７より垂直同期パ
ルスが印加されると、そのパルス期間だけ切換子
が端子側に接続され、このときイコライザー回
路３より得られるFM波入力はローパスフイルタ
６２に通され高域成分がカツトされてFM復調器
４に供給される。

第３図は帯域制限器６の他の実施例を示し、こ
こでは増幅用トランジスタ６３及びスイツチング
用トランジスタ６４とさらにコイル６５、抵抗６
６，６７，６８及びコンデンサ６９とによりエミ
ツタピーキング回路を構成したものである。

即ちここで定常時にはスイツチング用トランジ
スタ６４がオン状態にあり、エミツタ抵抗６７と
並列にエミツタピーキング用コンデンサ６９が接
続されて高域補償回路が形成され、これによりイ
コライザー回路３より得られるFM波入力信号を
トランジスタ６３のベースに加えたときコレクタ
より高域補償されたFM波出力が取出されFM復
調器４に供給される。一方スイツチング用トラン
ジスタ６４のベースに負極性の垂直同期パルスが
印加されたとき、トランジスタ６４がカツトオフ
状態になるため、エミツタピーキング用コンデン
サ６９は切離され、このときトランジスタ６３の
コレクタからは高域成分のカツトされたFM波出
力が取り出されFM復調器４に供給される。

こうして上記帯域制限器６では垂直同期パルス
期間のみFM波入力信号の高域成分がカツトされ
るため、特に高い周波数成分に多い波形歪を除去
することが可能となる。

〈考案の効果〉 以上のように本考案のFM波形歪除去装置によ
れば、特に垂直同期信号期間の高域成分がカツト
されているためＶジツターの原因となるFM波の
波形歪を有効に除去できる。

さらに本考案によれば、FM復調後の映像信号
中から分離された垂直同期信号を用いずに再生コ
ントロール信号を基に垂直同期パルスを生成して
いるため、閉ループ回路による発振等の弊害を未
然に防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の波形歪除去装置を使用した映
像再生装置のブロツク図であり、また第２図は本
発明装置に特に係わりのある帯域制限器の１実施
例、第３図は同帯域制限器の他の実施例を示す回
路図である。 ３……イコライザー回路、４……FM復調器、
５……コントロール回路、６……帯域制限器、７
……垂直同期パルス発生器。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 デイスク面にFM変調方式で記録された映像信
   号を再生する映像再生方式において、 再生FM波の波形整形を行なうイコライザー回
   路内またはその後段に設けられ、垂直同期パルス
   に基いて垂直同期信号期間中の再生FM波の帯域
   を制限して高域成分をカツトする帯域制限器と、 デイスク面から再生されるトラツキング信号や
   パイロツト信号等の再生コントロール信号に基き
   映像信号中の垂直同期信号部に対応した前記垂直
   同期パルスを生成する垂直同期パルス発生器とを
   備え、 垂直同期信号期間中の再生FM波の通過帯域を
   制限することによつてFM波の波形歪を除去する
   ことを特徴とするFM波形歪除去装置。