JPH0510261U - 食品の鮮度保持用包装材料および包装容器 - Google Patents

食品の鮮度保持用包装材料および包装容器

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JPH0510261U JP5879191U JP5879191U JPH0510261U JP H0510261 U JPH0510261 U JP H0510261U JP 5879191 U JP5879191 U JP 5879191U JP 5879191 U JP5879191 U JP 5879191U JP H0510261 U JPH0510261 U JP H0510261U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 食品の鮮度保持ができる包装用材料および包
装容器を得る。 【構成】 食品に直接接触する部分の材料中に銀イオン
を徐々に溶出させることができる銀イオン含有溶解性ガ
ラスを含有させて、包装をするか、食品収納容器を形成
する。 【効果】 包装材料由来の食品変敗菌による汚染が防止
され、食品の鮮度が長期間維持される。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、食品、特に魚類、肉類、野菜、果実等の生鮮食品これらの加工品あ るいは菓子類等の加工食品の包装に使用する包装材料ならびに該包装材料を使用 して形成した包装容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
魚類、肉類、野菜、果実等の生鮮食品の鮮度を保持するために、従来、種々の 方策がとられているが、とり分け生鮮食品から滲出する遊離水は、該食品の鮮度 を著しく低下させることから、該遊離水を直ちに除去することが鮮度保持に欠か せない重要なファクターと認識されてきた。現在、この遊離水対策として、高吸 水性高分子材料を用いた吸水性シートを生鮮食品の包装形態中に入れて、該遊離 水を吸水除去する技術が先行技術として知られている。
【0003】 また、牛肉、豚肉、鳥肉、馬肉、羊肉等の畜肉のブロック状生肉は、プラスチ ック製の袋内に入れられた後、真空包装され、流通販売、冷蔵保存、冷凍保存等 に供せられている。 他方、カステラ、ケーキ、その他の固形食品を直接包装する食品用カートンは 、一般に、基材を紙により構成され、その内側面、即ち食品と直接接触する面に ホリエチレンの如き樹脂フィルムをコーティングされている。
【0004】 この食品用カートンに於いては、樹脂フィルムにより耐水性と耐脂性が得られ 、固形食品が含んでいる水分、脂分などがカートンに浸込むことがない。 上記のような包装態様の他に、単純なシート状フィルム、あるいは容器等に対 象とする食品が収納される場合も通常行われている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
前記従来の技術においては、生鮮食品を包装するに際して、別途、吸水性シー トを生鮮食品の包装形態中に収納せしめる必要があり、大量の生鮮食品を包装処 理する場合には、余分な手間がかかり、全体の作業能率の低下をもたらし、かつ コストアップの要因ともなる等、少なからぬ問題点となっていた。
【0006】 さらに、通常の生鮮食品を対象とする包装体は、通常の包装材料を使用するも のであり、包装材料に抗菌性がないため、包装材料由来の食品変敗菌による汚染 が原因となる生鮮食品の鮮度低下を防止することも不可能であった。 また、ブロック状生肉に対する前述したような包装体においては、長期間保存 すると雑菌が繁殖することがある。特にブロック状生肉の組織内からドリップが 滲出すると、肉の表面の部分的な水分活性の上昇を招き、雑菌の繁殖が起こりや すくなったり、ドリップ中でも雑菌の繁殖が起こったりし、これに伴い歩留りが 低下する等の問題がある。
【0007】 さらに、前記の食品用カートンは、食品の品質保持に関しては何等考慮されて おらず、このためカステラ等に於いては、防腐、防黴のために、カステラ等を収 容したカートンを脱酸素剤を同封したガゼットピロー等にて密閉包装することが 従来より行われている。 この密閉包装は、品質保持効果を生じるが、しかしガゼットピロー包装にピン ホールが生じる等してその密閉性が破壊されると、品質保持効果が消滅し、カス テラ等の食品に黴(かび)が発生する虞れが生じる。またガゼットピロー等によ る密閉包装に於いては、食料品カートン以外にガゼットピロー包装シートの如き 密閉用シート及びその密閉工程が必要であり、このため包装コストが高くなり、 またこの密閉包装は店頭等に於いては容易には行われ得ない。
【0008】 そして、一般的な包装材料については、尚更に防腐、防黴等についての考慮は なされておらず、食品等の保存上、その対策が望まれていた。 本考案は、上述の如き問題点に鑑み、品質保持効果を有し、防腐、防黴のため に有効な食品包装用材料および容器を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の如き目的は、本考案によれば、少なくとも直接食品に接する部分を構成 する包装材料中に、銀イオンを徐々に溶出されることができる銀イオン含有溶解 性ガラスを含有させることにより達成される。 すなわち本考案は、食品を包装あるいは収容する材料としてのフィルム状シー ト状の熱可塑性樹脂あるいはこれらと紙等の積層材より構成されるシートあるい は容器において、食品と直接接触する部分を、前記銀イオン含有溶解性ガラスを 含有させた材料により構成したフィルム、シートあるいは容器を要旨としている 。
【0010】
【作用】
本考案の構成と作用を説明する。 本考案においては、食品における細菌の繁殖を防止するため、図2または図3 に示すように食品と接する面を構成する材料に銀イオンを徐々に溶出させること ができる銀イオン含有溶解性ガラスを含有せしめた点に特徴を有する。
【0011】 本考案において使用する銀イオンを徐々に溶出させることができる銀イオン含 有溶解性ガラスとは、制御された溶解速度を持つように、ガラスの物理的、化学 的特性を考慮して組成を調節したガラスであり、それ自体は既に知られているも のである。したがって銀化合物を添加した銀イオン含有溶解性ガラスは、数時間 から数年間の任意の期間に渡って決められた一定速度で銀イオンを溶出させるこ とができる。そして溶出した銀イオンが、カビや雑菌に対して抗菌作用を発揮す ることになる。
【0012】 本考案においては、このような銀イオン含有溶解性ガラスを200 μ以下、好ま しくは50μ以下の微粒子として、包装形成材料中に含有させる。ここで、粒径が 200 μを超えると、形成材料中に均一に分散しなくなる。また、その含有量は、 0.05%〜15重量%が好ましい。0.05%未満であると、銀イオンによる抗菌効果が 不十分となり、また15重量%を超えると、形成材料中への混入が難しくなり、好 ましくない。
【0013】 本考案の包装形成材料である熱可塑性樹脂への銀イオン含有溶解性ガラスの配 合方法としては、例えば熱可塑性樹脂と銀イオン含有溶解性ガラスとを溶融混練 する方法、銀イオン含有溶解性ガラスを含有するマスターバッチをあらかじめ作 成しておき、これと樹脂成分とをドライブレンドしてフィルムに加工する方法等 が挙げられる。
【0014】 また、包装形成材料としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等 の熱可塑性樹脂が使用可能である。 本考案で使用される図3の酸素バリア性を有するフィルム5としては、ポリア ミドフィルム、ポリエステルフィルム、二軸延伸ポリアミドフィルム、二軸延伸 ポリエステルフィルム、塩化ビニリデンコート層を有する二軸延伸ポリアミドフ ィルム、塩化ビニリデンコート層を有する二軸延伸ポリエステルフィルム、エチ レン−酢酸ビニル共重合体鹸化フィルム、塩化ビニリデンフィルム等が挙げられ る。
【0015】 このような酸素バリア性を有するフィルムの厚さは通常5〜30μm程度である 。 本考案において用いられる図5の高吸水性高分子材料8としては、デンプン・ アクリル酸塩のグラフト重合体、カルボキシメチルセルロース架橋体、ビニルア ルコール・アクリル酸塩共重合体、ピリアクリルニトリル加水分解物、架橋ポリ アクリル酸塩、変性ポリビニルアルコール、アクリル酸塩重合体、アクリル酸塩 ・アクリルアミド共重合体又はイソブチレン・無水マレイン酸共重合体等の高吸 水性を有する樹脂が挙げられる。上記の高吸水性高分子材料の2種以上を用いる ことが可能であることはいうまでもない。吸水材の形成には、 1.図5のように高吸水性高分子材料とバインダーからなる混合物を均一に散布 後、基材フィルムの間に熱挟着し、一体化する方法、 2.図4のように高吸水性高分子材料シート6を基材7に貼り合わせ一体化する 方法、 が挙げられる。
【0016】 本考案による図6の食品用容器特にカートン10に於いては、樹脂層1は、ポリ エチレン、ポリプロピレン、ポリエステルの如き熱可塑性樹脂であってよく、好 ましくはポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンであってよい。 本考案による食品用カートンに於いては、図7のように基材11は板紙により構 成され、樹脂層1は銀イオン含有溶解性ガラスが含有されていてよく、この場合 、板紙は、100 〜500g/m2程度のクラフト紙、アート紙が適当である。
【0017】
【実施例】
以下に、本考案の実施例および比較例を示して、本考案の食品鮮度保持用包装 材料の特徴を詳細に説明する。
【0018】
【実施例1】 1.抗菌性を有する包装材料 銀イオン含有溶解性ガラス (石塚硝子(株)イオンピュアWAlli) 3部 低密度ポリエチレン (三井日石ポリマー社製、ミラソン16P) 97部 上記成分を均一に分散処理し、インフレーション法により厚み30μのフィルム を作製し330×210 mmにカッティングし、抗菌性を有する包装材料とした。 2.吸水性を有する包装材料 高吸収性高分子材料 (製鉄化学社製、アクアキープ10SHP) 20g/m2 バインダー (東レ社製 ケミットR272S) 1g/m2 紙(坪量25g/m2 メーテル社製 MSP25) 上に高吸水性高分子材料とバインダー の混合物を均一に散布し、加熱エンボスロールを通し挟着一体化する。一体化後 の原紙を 320×200mm にカッティングし、不織布 (クラレ社製 NA240JP2096) に 載せ、下部の不織布を原紙サイド部に巻き込む。さらに上部より不織布 (クラレ 社製 NA240JP2096) を給紙し、サイド部をギアロールによりヒートシールする。 エンド部はシールバーによりヒートシールし、さらに全体を加熱エンボスロール を通し、挟着一体化する。全体を一体化した後、エンド部において 330×210mm にカッティングし、吸水性を有する包装材料とした。 3.鮮度保持用パウチ 上記で作製した抗菌性を有する包装材料と吸水性を有する包装材料を重ね合わ せ3方をヒートシールし鮮度保持用パウチを作製した。
【0019】
【実施例2】 1.抗菌性を有する包装材料 実施例1の銀イオン含有溶解性ガラス 3部 線状低密度ポリエチレン (出光化学社製、モアテック0238N) 97部 上記成分を均一に分散処理し、インフレーション法により厚み30μのフィルム を作製し330×210 mmにカッティングし、抗菌性を有する包装材料とした。 2.吸水性を有する包装材料 高吸水性高分子材料 (三洋化成工業社製サンウェットIM-300MPS) 50部 ポリウレタン系樹脂バインダー溶液 21部 (ラックスキンEX-499 固形分30%) ポリエチレンワックス 1部 トルエン 10部 メチルエチルケトン 12部 イソプロピルアルコール 6部 上記成分を均一に分散処理し、吸水層形成用インキとした。
【0020】 このインキを80線/in.-80μ深度、格子幅2mm、格子ピッチ5×5mmのパター ングラビア版を用いて10g/m2の塗布量でビスコース加工紙 (37.5g/m2、サフロン 535 、三晶社製) にパターン状に塗布し、乾燥して溶剤を除去し、吸水層を形成 した。 吸水層を形成した面に加熱溶解ポリエチレンをT型ダイスから押し出し、連続 的にコーティングし、30μのポリエチレン層を形成し、 330×210mm にカッティ ングし吸水性を有する包装材料を得た。 3.鮮度保持用パウチ 上記で作製した抗菌性を有する包装材料と吸水性を有する包装材料を重ね合わ せ3方をヒートシールし鮮度保持用パウチを作製した。
【0021】 〔比較例1〕 実施例1で用いた低密度ポリエチレンを用い、インフレーション法により厚み 30μのフィルムを作製し、 330×210mm のパウチを作製した。吸水性シートとし ては実施例1と同様の方法で作製した 300×180mm のものを用いた。 実験1 スダチをパウチ内にいれ開口部を輪ゴムを用いて密封する作業を行った。なお 比較例1についてはパウチ内に吸水性シートを入れる作業も同時に行った。 100 ヶのスダチをパウチ内に充填し (20袋) その時間を測定した。その結果を表1に 示す。
【0022】
【表1】 実験2 実験1で充填したスダチを1℃のインキュベーターで保存し、カビの発生の度 合いを調べた。その結果を表2に示す。
【0023】
【表2】 以上の実験結果から明らかなように、本考案の鮮度保持用パウチは、吸水性シー トが袋と一体化されているため、袋内に吸水性シートを入れる作業がはぶける結 果、作業時間やコストの削減が可能となる等の効果を有する。
【0024】 また、包装材料自体が抗菌性を有しているため、食品の鮮度を長期間保持する ことができる効果を有する等、従来の包装体にみられない顕著な効果を奏するこ とが確認された。 尚、上記以外の包装材料を使用して、同様に作製した包装体の場合についても 、同様に顕著な効果を奏することが確認された。
【0025】
【実施例3】 低密度ポリエチレン(三井石油化学工業(株)製、ミラソン16)80重量部を加 熱溶融した後、銀イオン含有溶解性ガラス(石塚硝子(株)製、イオンピュアWA lli )20重量部を添加し、混合して銀イオン含有溶解性ガラス含有量が20重量% のマスターバッチを作成した。
【0026】 上記マスターバッチ15重量部を線状低密度ポリエチレン(三井石油化学工業( 株)製、ウルトゼックス3021F )85重量部と混合したものを第1層とし、第2層 として線状低密度ポリエチレン(出光石油化学(株)製、モアテック0238N)を用 いて、多層インフレーション法により、厚さ30μmのヒートシール性を有するフ ィルムを得た。
【0027】 なお、各層の厚さは第1層が10μm、第2層が20μmであった。 次に厚さ15μmの塩化ビニリデンコーティング層を有する二軸延伸ナイロンフ ィルム(興人(株)製、ボニールK)と、上記抗菌剤を含有した厚さ30μmのフ ィルムとをウレタン系2液硬化型接着剤(武田薬品工業(株)製、タケラックA5 15−タケネートA10)を用いて接着し、積層フィルムを作成した。
【0028】 得られた積層フィルムを用いて350 mm×600mm サイズのパウチを作成した。 上記パウチに、牛肉(テンダーロイン、5kg)を入れ、60mmHgの減圧度で真空 包装し、フィルムを肉に密着させた。 この牛肉包装パウチを0℃で7日間保存した後開封し、肉及びドリップ中の一 般生菌数及び大腸菌数を測定した。
【0029】 また0℃で14日間保存した後の肉及びドリップ中の一般生菌数及び大腸菌数を 測定した。 これらの測定結果を表3に示す。
【0030】
【実施例4】 低密度ポリエチレン(三井石油化学工業(株)製、ミラソン16)80重量部を加 熱溶融した後、銀イオン含有溶解性ガラス(石塚硝子(株)製、イオンピュア W Alli)20重量部を添加し、混合して銀イオン含有溶解性ガラス含有量が20重量% のマスターバッチを作成した。
【0031】 上記マスターバッチ15重量部を線状低密度ポリエチレン(三井石油化学工業( 株)製、ミラソン11)85重量部と混合したものを第1層とし、第2層として低密 度ポリエチレン(三井石油化学工業(株)製、ミラソン11)を用いて、多層エク ストルージョン法により、厚さ15μmの収縮二軸延伸ナイロンフィルム(出光石 油化学(株)製、S300) 上に銀イオン含有溶解性ガラスを含有するヒートシール 層をコーティングし、積層フィルムを作成した。
【0032】 なお、コーティング層の厚さは約20μmであり、各層の厚さは第1層が7μm 、第2層が13μmであった。 得られた積層フィルムを用いて350 mm×600 mmサイズのパウチを作成した。 上記パウチに、牛肉(テンダーロイン、5kg)を入れ、60mmHgの減圧度で真空 包装した後、80℃の熱水中でフィルムを収縮させ、肉に密着させた。
【0033】 この牛肉包装パウチを0℃で7日間保存した後開封し、肉及びドリップ中の一 般生菌数及び大腸菌数を測定した。 また0℃で14日間保存した後の肉及びドリップ中の一般生菌数及び大腸菌数を 測定した。 これらの測定結果を表3に示す。
【0034】 〔比較例2〕 線状低密度ポリエチレン(三井石油化学工業(株)製、ウルトゼックス3021F) を第1層とし、第2層として線状低密度ポリエチレン(出光石油化学(株)製、 モアテック0238N)を用いて、多層インフレーション法により、厚さ30μmのヒー トシール性を有するフィルムを得た。
【0035】 なお、各層の厚さは第1層が10μm、第2層が20μmであった。 次に厚さ15μmの塩化ビニリデンコーティング層を有する二軸延伸ナイロンフ ィルム(興人(株)製、ボニールK)と、上記抗菌剤を含有した厚さ30μmのフ ィルムとをウレタン系2液硬化型接着剤(武田薬品工業(株)製、タケラックA5 15−タケネートA10)を利用して接着し、積層フィルムを作成した後、積層フィル ムを用いて350 mm×600 mmサイズのパウチを作成した。
【0036】 上記パウチに、牛肉(テンダーロイン、5kg)を入れ、60mmHgの減圧度で真空 包装し、フィルムを肉に密着させた。 この牛肉包装パウチを0℃で7日間保存した後開封し、肉及びドリップ中の一 般生菌数及び大腸菌数を測定した。 また0℃で14日間保存した後の肉及びドリップ中の一般生菌数及び大腸菌数を 測定した。
【0037】 これらの測定結果を表3に示す。 〔比較例3〕 低密度ポリエチレン(三井石油化学工業(株)製、ミラソン11)をエクストル ージョンコーティング法により、厚さ15μmの収縮二軸延伸ナイロンフィルム( 出光石油化学(株)製、S300)上にコーティングし、積層フィルムを作成した後 、積層フィルムを用いて350 mm×600 mmサイズのパウチを作成した。
【0038】 なお、コーティング層の厚さは約20μmであった。 上記パウチに、牛肉(テンダーロイン、5kg)を入れ、60mmHgの減圧度で真空 包装した後、80℃の熱水中でフィルムを収縮させ、肉に密着させた。 この牛肉包装パウチを0℃で7日間保存した後開封し、肉及びドリップ中の一 般生菌数及び大腸菌数を測定した。
【0039】 また0℃で14日間保存した後の肉及びドリップ中の一般生菌数及び大腸菌数を 測定した。 これらの測定結果を表3に示す。 表3より明らかなように、本発明の包装方法による実施例3、4による牛肉包 装体は、それぞれ対応する比較例2、3による牛肉包装体より0℃で7日間保存 した後の肉及びドリップ中の一般生菌数及び大腸菌群の数が好ましくなかった。
【0040】 さらに0℃で14日間保存した後の肉及びドリップ中の一般生菌数及び大腸菌群 の数は、大幅に少ないものであった。
【0041】
【表3】
【0042】
【実施例5】 図1に示されている如きカステラ用のカートンを製作し、このカートンによっ て市販のカステラを包み、これを脱酸素剤を同封することなくガゼットピロー包 装した。この包装品に於けるカステラの黴の発生を肉眼にて観察したところ、カ ステラには11日目にコロニー径が0.5 程度の若干の黴が認められた。
【0043】 〔比較例4〕 銀イオン含有溶解性ガラスを含まないこと以外については実施例1と同じ材質 のカートンによって実施例4と同じカステラを包み、これを脱酸素剤を使用する ことなくガセットピロー包装した。この包装品に於けるカステラの黴の発生を肉 眼にて観察したところ、6日目にしてカステラに黴の発生が認められた。
【0044】 実施例5と比較例4の結果は、本考案による銀イオン含有溶解性ガラスを含有 した樹脂層を有する食品用カートンは、そうでない従来品のカートンと比較して 、有効な抗菌能力をもち、カステラの如き食品の品質保持効果を奏したことを示 している。 本考案による食品用カートンは、カステラ以外に、ケーキ、バターあるいはそ の他の食品、特に固形食品の包装に適しているものであり、またこれは、食品の 包装以外に、紙製の寿司折、紙製のピクニック用弁当箱等の紙製食品収容箱とし て用いられてもよい。
【0045】
【考案の効果】
本考案の食品鮮度保持用包装材料は、包装材料自体が抗菌性を有しているため 、包装材料由来の食品変敗菌による汚染が防止できるため、衛生的でかつ食品の 鮮度も長期に渡って保持することができるという効果が奏され、産業上益すると ころ大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の鮮度保持用包装体の断面図である。
【図2】抗菌剤である銀イオン含有溶解性ガラスを含有
する包装材料の1例の拡大断面図である。
【図3】抗菌剤である銀イオン含有溶解性ガラスを含有
する包装材料の他の例の拡大断面図である。
【図4】本考案の吸収性を有する包装材との組合せの1
例を示す拡大断面図である。
【図5】本考案の吸収性を有する包装材の具体的構成を
模式的に示した拡大断面図である。
【図6】本考案の容器の1例を示す展開図である。
【図7】図6の容器の材料の断面拡大図である。
【符号の説明】
1…抗菌性を有する包装材料 6…吸水材 2…吸水性を有する包装材料 7…基材 3…銀イオン含有溶解性ガラス 8…高吸水性高分子
材料 4…包装体基材 9…バインダー 5…酸素バリア性材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A23B 7/00 101 9281−4B 7/14 9281−4B A23L 3/00 101 A 2114−4B B32B 7/00 7188−4F 17/00 7148−4F B65D 81/24 D 7191−3E

Claims (9)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食品に直接接触する部分の材料中に、銀
    イオンを徐々に溶出させることができる銀イオン含有溶
    解性ガラスを含有してなることを特徴とする食品の鮮度
    保持用包装材料。
  2. 【請求項2】 吸水性を有する包装材料を組み合わせて
    構成した請求項1記載の食品の鮮度保持用包装材料。
  3. 【請求項3】 内側にヒートシール層と、外側に酸素バ
    リア層とを有するフィルムで前記ヒートシール層が単層
    又は多層構造を有している請求項1記載の食品の鮮度保
    持用包装材料。
  4. 【請求項4】 フィルムまたはシートから構成された請
    求項1、2または3記載の食品の鮮度保持用包装材料。
  5. 【請求項5】 フィルムまたはシートが熱可塑性樹脂で
    ある請求項1ないし4のいずれかに記載の食品の鮮度保
    持用包装材料。
  6. 【請求項6】 袋状に形成された請求項1ないし5のい
    ずれかに記載の食品の鮮度保持用包装材料よりなること
    を特徴とする袋状包装体。
  7. 【請求項7】 容器状に形成された請求項1記載の食品
    の鮮度保持用容器。
  8. 【請求項8】 基材上に請求項1または5記載の材料を
    積層してなる食品の鮮度保持容器。
  9. 【請求項9】 基材が紙質材料である請求項8記載の食
    品の鮮度保持容器。
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