JPH0510103A - 蒸気タービン制御装置 - Google Patents

蒸気タービン制御装置

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JPH0510103A
JPH0510103A JP16547391A JP16547391A JPH0510103A JP H0510103 A JPH0510103 A JP H0510103A JP 16547391 A JP16547391 A JP 16547391A JP 16547391 A JP16547391 A JP 16547391A JP H0510103 A JPH0510103 A JP H0510103A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 タービン制御の不安定性をなくし、機械系の
ガタや伝達遅れの影響を受けない制御装置を得ること。 【構成】 タービンの速度・負荷を設定する設定器30
と、タービン実速度と上記設定器の設定信号との偏差を
演算する加算器31と、その偏差を係数倍する係数器3
3と、その係数器からの出力信号及び調速制御部からの
位置信号のいずれか低値信号を選択し、その低値信号を
蒸気加減弁制御器25a,25bに出力する選択装置3
4とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蒸気タービンプラント
における蒸気タービン制御装置に係り、特に機械油圧式
制御装置における調速制御部からの位置信号によって蒸
気加減弁を制御するようにした蒸気タービン制御装置の
改良に関する。
【0002】
【従来の技術】図4は、機械油圧式制御装置と電気カム
制御装置とを有する従来の蒸気タービン制御装置の概略
構成を示す図であり、蒸気発生器1で発生した蒸気は主
蒸気止め弁2及び蒸気加減弁3a,3bを経てタービン
4に供給され、そこでタービンを回転して出力を発生
し、その出力によって発電機5を駆動し発電電力を得
る。
【0003】ところで、上記主蒸気止め弁2には、全蒸
気量の十数%程度の蒸気容量が小さい主蒸気止め弁バイ
パス弁2aが並列に接続されている。この主蒸気止め弁
2と主蒸気止め弁バイパス弁2aは機械的に連動され、
後述するタービン起動・負荷制御装置10により作動さ
れる電動機11及びその電動機11により駆動される弁
駆動装置12を介して開閉制御され、主蒸気止め弁バイ
パス弁2aが全開未満では主蒸気止め弁2は全閉され、
主蒸気止め弁バイパス弁2aが全開以上で主蒸気止め弁
2が開くようにしてある。また、蒸気加減弁は本図中で
は2つしか示してないが、蒸気容量に応じて適宜数の蒸
気加減弁とするのが一般的である。
【0004】上記蒸気加減弁3a,3bは機械油圧式制
御装置13及び電気カム制御装置14によってその開閉
制御が行なわれるが、機械油圧式制御装置13では電動
機、機械レバー、リンク、カム等の機械系と油圧による
伝達及び演算が行なわれる。
【0005】すなわち、タービン・負荷制御装置10か
らの制御信号が同期設定用電動機15及び負荷制限用電
動機16に加えられ、上記電動機15及び16によって
それぞれ同期設定器17及び負荷制限器18を作動し、
同期設定及び負荷制限が行なわれる。同期設定器17は
タービンの速度・負荷を設定するもので、発電機5が電
力系統と並列していない時には、タービン速度を定格速
度の概ね95〜107%の範囲で設定でき、発電機が電
力系統と並列して同期運転状態の時にはタービン負荷の
設定となる。
【0006】しかして、同期設定器17の設定信号P1
は加算器19に入力され、そこでタービン速度検出器2
0で検出されたタービン速度信号P2 と比較され、その
偏差信号P3 が係数器21に入力されて偏差に対応した
所要タービン蒸気流量が求められる。そして、上記係数
器21からの出力信号P4 が低値優先器22に入力され
る。
【0007】一方、負荷制限器18の設定信号P5 も上
記低値優先器22に入力され、係数器21からの出力信
号P4 と負荷制限器18の設定信号P5 の低い方の信号
6 が選択され、信号伝達のためのスピードリレー23
に入力される。ここで、同期設定器17の設定値を大き
くして信号P4 を負荷制限器18の設定信号P5 よりも
大きくすると、P6 =P5 の状態となりタービン速度に
関係なく一定のタービン出力とすることができ、また逆
に負荷制限設定信号P5 を大きく設定してP5 ≧P4
状態にすると、P6 =P4 となってタービン調速状態と
なる。
【0008】そこで、上記スピードリレー23からの出
力P7 は、スピードリレーの位置を検出する位置検出器
24に入力され、その検出信号P8 が電気カム制御装置
14に入力される。
【0009】電気カム制御装置14は電気回路で構成さ
れており、スピードリレー位置信号P8 が各蒸気加減弁
3a,3b用の蒸気加減弁制御器25a,25bに入力
され、各蒸気加減弁制御器25a,25bから蒸気加減
弁開度指令信号v1 ,v2 が出力し、その蒸気加減弁開
度指令信号v1 ,v2 によって各弁駆動装置26a,2
6bを介して各蒸気加減弁3a,3bの開度が調節され
る。
【0010】ところで、蒸気加減弁の開度の蒸気流量の
関係は弁本体の構造上、非線形になっているので、指令
値に対して直線的な制御を行なうために非線形を補償す
る補償器27a,27b,28a,28bが、図5に示
すように各蒸気加減弁制御器25a,25bに設けられ
ている。
【0011】また、複数の蒸気加減弁3a,3bは一般
に、通常の負荷運転では例えば第1弁が全開してから第
2弁が開き、第2弁が全開したら次の弁が開くように順
番に開または閉を行ない、タービン出力が低い時には第
1の蒸気加減弁のみが開いて残りは全閉となる。ところ
が、このような状態が長時間継続すると、蒸気加減弁本
体の振動の誘発と騒音の発生を生ずる。また1個の蒸気
加減弁の絞りによって冷却された蒸気がタービンに流入
し、タービンケーシングが局部的に温度変化し熱応力を
生じケーシングの変形からタービン軸振動の増加につな
がることがある。そのためタービン低出力で長時間運転
する場合には、複数の蒸気加減弁を同時に開または閉に
する方法がとられる。
【0012】しかして、図5において、補償器27a,
28aによって蒸気加減弁3a,3bが同時に開閉制御
され、補償器27b,28bによって蒸気加減弁3a,
3bが順番に開閉制御される。そして、補償器27a,
28aを使用するか、補償器27b,28bを使用する
かは、図示しない選択指令信号によって各選択器29
a,29bによってそれぞれ選択され、その選択器29
a,29bを介して蒸気加減弁開度指令信号v1 ,v2
が出力される。
【0013】このようなタービン制御装置において、タ
ービン起動は機械油圧式制御装置で行なう方法と、電動
機11で行なう方法とがある。
【0014】そこで、機械油圧式制御装置でタービン起
動するには、同期設定用電動機15および負荷制限用電
動機16を操作して行なう方法があるが、同期設定用電
動機15は速度調整範囲が定格速度付近の±数%である
ため、零速度からの制御はできない。したがって、同期
設定用電動機15を最大または低速限に設定して、負荷
制限用電動機16の操作により負荷制限設定値P5 を選
択することによりタービン起動することも可能である。
しかし、タービンを定格速度にするために必要な蒸気流
量は、発電機が電力系統と接続されておらずタービン負
荷が零であるため、全蒸気流量の数%である。そのた
め、この数%を全蒸気流量を設定できる負荷制限用電動
機16で制御することとなり、高い速度制御精度を得る
ことは不可能である。
【0015】一方、電動機11により主蒸気止め弁バイ
パス弁2aの開度を制御することによってタービン起動
を行なう場合には、その電動機11が全蒸気流量の十数
%迄の狭い範囲で調整できるので、速度制御精度の問題
はない。
【0016】すなわち、この電動機11によるタービン
起動は、同期設定器17及び負荷制限器18を最大に設
定して各蒸気加減弁を全開にしておき、主蒸気止め弁バ
イパス弁2aの開度を電動機11により零から制御し、
主蒸気止め弁バイパス弁2aを通過する蒸気流量を調整
することにより行なわれる。そして、タービンが定格速
度に到達してから発電機を電力系統と並列状態にして、
以降は電力系統と同期した負荷運転状態とする。
【0017】そして、電動機11の最大調整範囲に達す
る前に同期設定用電動機15及び負荷制限用電動機16
を作動して蒸気加減弁を全開点から絞って、その時にタ
ービンに流れている蒸気流量まで蒸気加減弁を絞ったと
ころで、同期設定用電動機15及び負荷制限用電動機1
6の操作を中止し、主蒸気止め弁バイパス弁2aを全開
さらに主蒸気止め弁2を全開にし、タービン制御を電動
機11から同期設定用電動機15等の制御に移行させ、
以降の負荷運転を行なう。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のタ
ービン起動は、主蒸気止め弁バイパス弁作動用の電動機
の操作により行なっているが、この電動機の制御は電動
機と電動機につながる機械系で構成されているので、機
械系のガタや伝達遅れによって速度制御性が不安定にな
る等の問題がある。さらにこのような問題をなくすため
の機械系の保守や、制御装置の調整も困難である。ま
た、主蒸気止め弁バイパス弁作動用電動機は伝達関数上
積分器であり、さらにタービン本体も積分系であるの
で、全体の制御系としては二重積分となるので、制御の
安定を図ることが困難である等の問題がある。
【0019】本発明はこのような点に鑑み、上記制御の
不安定性をなくし、また機械系のガタや伝達遅れの影響
を受けないタービン制御装置を得ることを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、タービンの速
度・負荷を設定する設定器と、タービン実速度と上記設
定器の設定信号との偏差を演算する加算器と、その偏差
を係数倍する係数器と、その係数器からの出力信号及び
調速制御部からの位置信号のいずれか低値信号を選択
し、その低値信号を蒸気加減弁制御器に出力する選択装
置とを有することを特徴とする。
【0021】
【作用】タービン起動時には電気カム制御装置内のター
ビン速度・負荷設定器からの信号により蒸気加減弁が制
御され、タービン起動から通常の負荷制御は機械油圧式
制御装置からの信号により蒸気加減弁の制御が行なわ
れ、タービン起動時における制御の安定性が得られる。
【0022】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の実施例に
ついて説明する。なお、図中図4と同一部分には同一符
号を付しその詳細な説明は省略する。
【0023】図1において、符号30はタービンの零速
度から上限速度までの速度設定と上限負荷までの設定が
可能な速度と負荷を設定する速度・負荷設定器であっ
て、その速度・負荷設定器30で設定された設定信号S
1 が加算器31に入力されるようにしてある。上記加算
器31にはタービン速度検出器32からのタービンの実
速度信号S2 も入力されており、両者の偏差信号S3
係数器33で係数倍された後、タービン出力指令値S4
として低値優先回路34に入力される。
【0024】上記低値優先回路34には、従来の機械油
圧式制御装置のスピードリレー位置信号P8 も入力され
ており、これらの二つの信号のうちの低い方の信号が選
択されてタービン流量指令値S5 として各蒸気加減弁制
御器25a,25bに入力され、各蒸気加減弁制御器2
5a,25bからの加減弁開度指令信号v1 ,v2 によ
って各蒸気加減弁の開度が制御される。
【0025】しかして、タービンの起動に際しては、主
蒸気止め弁バイパス弁2a及び主蒸気止め弁2は電動機
11によって全開とされており、また同期設定用電動機
15及び負荷制限用電動機16(図4)は上限付近に設
定されてスピードリレー位置信号P8 は上限付近にある
ようにしてある。
【0026】この状態で図2に示すように、時刻t1
速度・負荷設定器30を増操作して速度・負荷設定信号
1 を増加すると、低値優先回路34に入力するタービ
ン出力指令値S4 が増加する。この時低値優先回路34
の入力信号はP8 >S4 の関係になっているので、ター
ビン流量指令値はS5 =S4 となり、上記タービン出力
指令値S4 によって蒸気加減弁が開き始める。
【0027】このようにしてタービンに蒸気が流入して
タービンが回転し始め、タービン回転量は速度検出器3
2で検出され加算器31に入力され速度閉ループ制御が
行なわれる。
【0028】時刻t2 でタービン速度が定格速度に到達
して、以降時刻t3 で発電機を電力系統と並列状態にす
ると同時に、速度・負荷設定器30をさらに増操作する
と、速度・負荷設定信号S1 に比例してタービン負荷が
増加する。
【0029】その後、時刻t5 で機械油圧式制御装置に
おける同期設定用電動機及び負荷制限用電動機を減操作
してスピードリレー位置信号P8を減少させ、S4 =P
8 となったところで(時刻t6 )、上記両電動機の減操
作を中止するとともに、速度・負荷設定器30を上限値
まで増操作する。
【0030】このような操作によってP8 <S4 となっ
て、タービン流量指令値S5 はスピードリレー位置信号
8 となり、時刻t6 以降は機械油圧式制御装置からの
制御信号によって蒸気加減弁の開度が制御される。
【0031】上記実施例においては、速度・負荷の設定
を一つの設定器で行なうものを示したが、図3に示すよ
うに速度設定器と負荷設定器を分離して設定しても同様
の効果を得ることができる。
【0032】図3において、符号35は零速度から上限
速度まで設定できる速度設定器であって、この速度設定
器35の速度設定信号S6 とタービンの実速度信号S2
が加算器36において比較され、その偏差信号S7 が係
数器37を経て加算器38に入力される。一方、その加
算器38には負荷設定器39からの負荷設定信号S9
入力されており、両者の偏差信号がタービン出力指令値
4 として出力するようにしてある。
【0033】しかして、発電機を電力系統と並列する前
のタービン昇速制御においては、負荷設定信号S9 を零
にして速度設定器のみで制御し、発電機を電力系統に並
列した後は、速度設定値を一定の定格速度に設定し、負
荷設定器による負荷調整制御を行なう。そして、制御を
機械油圧式制御に移す時には、負荷設定器または速度設
定器、或いはその両者を上限設定することにより行なう
ことができる。
【0034】したがって、この実施例においては設定器
の設定範囲を目的の制御分のみとすることができ、設定
精度の向上を図ることができる。
【0035】なお、上記実施例においては低値優先回路
を設け二つの信号の低値を選択するようにしたものを示
したが、切替えスイッチによる切替を行なうようにして
もよい。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明においては
タービンの速度・負荷設定信号と実速度との偏差と、機
械油圧式制御装置における調速制御部からの位置信号の
低値信号によって蒸気加減弁を制御するようにしたの
で、タービン起動・負荷制御を電気回路化された制御系
により行なうことができ、機械系による制御のようにガ
タの影響を受けることがなく、タービンの制御を安定化
させることができる。また、タービン起動を蒸気加減弁
のみで行なうので、主蒸気止め弁バイパス弁による制御
が不要となり、このための制御装置も不要となる等の効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制御装置の要部の系統図。
【図2】本発明の制御装置における制御信号の動作説明
図。
【図3】本発明の他の実施例を示す図。
【図4】従来のタービン制御装置の概略系統図。
【図5】電気カム制御装置の蒸気加減弁制御器の概略系
統図。
【符号の説明】
3a 蒸気加減弁 3b 蒸気加減弁 10 タービン・負荷制御装置 15 同期設定電動機 16 負荷制限用電動機 24 スピードリレーの位置検出器 25a 蒸気加減弁制御器 25b 蒸気加減弁制御器 30 速度・負荷設定器 32 タービン速度検出器 34 低値優先回路

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】タービンの速度・負荷を設定する設定器
    と、タービン実速度と上記設定器の設定信号との偏差を
    演算する加算器と、その偏差を係数倍する係数器と、そ
    の係数器からの出力信号及び調速制御部からの位置信号
    のいずれか低値信号を選択し、その低値信号を蒸気加減
    弁制御器に出力する選択装置とを有することを特徴とす
    る、蒸気タービン制御装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9638054B2 (en) 2011-09-28 2017-05-02 Mitsubishi Heavy Industries Compressor Corporation Steam turbine

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5084703A (ja) * 1973-12-03 1975-07-08
JPH0261302A (ja) * 1988-08-23 1990-03-01 Hitachi Ltd タービン制御装置

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