JP3967448B2 - 蒸気タービン制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蒸気タービンプラントにおける蒸気タービン制御方法に係り、特に機械式調速制御と電気式制御とが混在する制御装置の蒸気タービン制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図24は一般的な蒸気タービン系統を示す図である。
【0003】
蒸気発生器1で発生した蒸気は通常運転時は全開となっている主蒸気止め弁2を経て、蒸気加減弁3に入り、タービン出力を得るための蒸気流量を調節して高圧タービン4に供給される。ここで仕事をした蒸気は再熱器5に入力して加熱され中間蒸気弁6を経て低圧タービン7に供給される。ここで仕事をした蒸気は復水器8に排出される。高圧タービン4と低圧タービン7の回転出力によって発電機9を駆動して発電出力を得る。
【0004】
図25乃至図27は従来の蒸気タービン制御の全体構成の一例を示し、大別して統括制御装置12と電気カム制御装置13と機械式制御装置14とから構成されている。
【0005】
図26に全体を示す統括制御装置12は、蒸気発生器と蒸気タービンを総合的に統括して制御するもので、蒸気タービン制御装置に対してタービン要求信号を出力する。図25に全体を示す電気カム制御装置13は統括制御装置12からのタービン要求信号と後述する機械式制御装置14からの調速制御信号を入力して蒸気加減弁3の制御を行うもので電気回路で構成されている。図27に全体を示す機械式制御装置14は電動機、機械レバー、リンク、カム等の機械系で構成する機械式制御装置でタービンの調速制御信号を演算して中間蒸気弁6の開度制御を行う。また、蒸気加減弁制御のために機械式調速制御信号S15を電気カム制御装置13に出力するようにしている。
【0006】
蒸気加減弁3と中間蒸気弁6の主制御機能を以下に述べる。
【0007】
まず、図27に示す機械式制御装置14の同期設定器35は、電動機駆動の設定器でタービンの速度・負荷の設定信号m1を出力する。一方、タービン実速度信号m2は、図24に示す高圧タービン4の回転軸の回転数を速度検出器11によって検出したものである。同期設定器35から出力される設定信号m1とタービン実速度信号m2は、加算器37で偏差演算して速度偏差信号m3が求められ係数器38に入力される。
【0008】
係数器38はタービン速度偏差に対してどのぐらいの割合でタービン出力を変化させるかのゲインを決めるもので、一般には速度調定率と呼ばれており、この出力が調速制御信号m4となる。調速制御信号m4は、関数器40で所定の関数演算を行い、中間蒸気弁開度指令信号m5となり、図24に示す弁駆動装置10を経て中間蒸気弁6の開度を制御する。
【0009】
一方、調速制御信号m4は、機械的な位置信号であって位置検出器39によって電気信号に変換されて、機械式調速制御信号S15として電気カム制御装置13内の低値選択器32に入力される。この低値選択器32にはタービンの最大出力を設定する負荷制限設定器31からの負荷制限設定器信号S9も入力して両者の低い方の信号を選択して蒸気加減弁流量指令信号S16を出力する。そして、蒸気加減弁流量指令信号S16は関数器33に入力して蒸気加減弁開度指令信号S17に変換して弁駆動装置34を経て蒸気加減弁3の開度を調整する。
【0010】
このように蒸気加減弁3の制御を機械式制御装置14と電気カム制御装置13の組み合せで行う理由は、当初機械式のみで構成されるプラントに電気カム制御装置14を追加導入したためである。
【0011】
機械式制御装置14は、調速制御信号m4を位置検出器39の機械カムを経由して電気カム制御装置13へ入力して蒸気加減弁3の開度を調整する構成となっている。機械カムは、蒸気加減弁本体が持つ流量非線形特性を関数補正するのと、複数の蒸気加減弁を有する場合には弁の開閉順番を決める機能を持っている。しかしながら、機械構造のためにガタや伝達遅れがあるため制御性能の向上には限界がある。また、弁本体の流量特性が変化した時に容易に関数補正ができないことや、複数弁の開閉順番を容易に変更できない等の不都合があることから機械カムに相当する機能を電気回路構成の関数器33に持たせるようにした電気カム制御装置13を、当初は機械式のみで構成されていたプラントに追加導入されている。
【0012】
また、中間蒸気弁の制御についても機械式から電気式にする方法もあるが、図28あるいは、図29に示すように、蒸気加減弁信号m4はタービン実速度に比例して常に変化するが、中間蒸気弁開度指令信号m5は関数器40により通常時に弁全開で、タービン実速度が大きく上昇した時に閉めるような設定となっている。
【0013】
一般に、発電機が系統同期して運転している場合のタービン実速度は、大きくても定格値の±1%程度であるので通常運転では中間蒸気弁6は全開のままで、系統事故や負荷遮断のような事故時にのみ閉め制御が行われる。
【0014】
電気カム制御装置13は当初は機械式のみであったものから追設する形態で採用されるが、中間蒸気弁6の周辺も電気式に変更すると投資費用が大きくなる。通常運転での中間蒸気弁6の制御性がタービン出力には影響を与えないので機械式のままとする例が多い。
【0015】
図26において統括制御装置12は、負荷要求信号P1と実負荷信号P2を加算器15に入力して負荷偏差信号P3を演算して切替器16に入力する。そして、統括制御装置12との協調運転を行う時には、協調運転モード選択信号P6がONとなり、切替器16のa−c間が閉(b−c間が開)となって比例・積分演算器17には負荷偏差信号P3が入力されて比例・積分の演算を行ったタービン要求信号S1を出力する。
【0016】
また、協調運転を行わない場合には協調運転モード選択信号P6がOFFとなり、切替器16はb−c間が閉(a−c間が開)となる。そして、タービン要求信号S1と電気カム制御装置13から入力される位置信号S10を加算器19で偏差演算して係数器18で係数倍された位置偏差信号P5が比例・積分演算器17に入力されて、タービン要求信号S1は位置信号S10と等しくなるように追従制御される。また、この追従制御は係数器18の係数を大きく設定することでほぼ瞬時に行われる。
【0017】
蒸気加減弁の制御には調速運転と負荷制限運転の運転モードがある。
【0018】
まず、調速運転では協調運転時の調速運転モード選択信号S6がONとなり、図25に示す電気カム制御装置13の切替器22のa−c間が閉(b−c間が開)となっている。また、切替器29への協調運転時の負荷制限運転モード信号S13がOFFとなり、切替器29のb−c間が閉(a−c間が開)となっている。さらに、切替器25への調速運転モード信号S19がONとなり切替器25のa−c間が閉(b−c間が開)となっている。
【0019】
この切替状態で、図25に示す電気カム制御装置13へは統括制御装置12からのタービン要求信号S1と、同期設定器35の機械的位置信号を位置検出器36で電気信号に変換した同期設定器信号S2とが加算器20に入力して偏差を演算し、これを係数器21で係数倍して同期設定器偏差信号S4としている。そして、この信号は切替器22を介して駆動装置24に入力され、電動機駆動の同期設定器35を操作する信号S8として出力される。
【0020】
この構成により、同期設定器信号S2はタービン要求信号S1に追従制御される。また、この時の負荷制限設定器31の入力は信号発生器30からの負荷制限設定器操作信号S12を入力する。この負荷制限設定器操作信号S12は、手動または図示しない自動制御装置により、負荷制限設定器信号S9が機械式調速制御信号S15よりも大きい値となるような信号を出力している。
【0021】
次に、負荷制限運転では、切替器29の協調運転時の負荷制限運転モード信号S13がONとなり、切替器29のa−c間が閉(b−c間が開)となっている。切替器22の協調運転時の調速運転モード選択信号S6がOFFとなり、切替器22のb−c間が閉(a−c間が開)となっている。切替器25への調速運転モード信号S19がOFFとなり切替器25のb−c間が閉(a−c間が開)となっている。
【0022】
この状態で、図25に示すように統括制御装置12からのタービン要求信号S1と、負荷制限設定器信号S9とが加算器27に入力して偏差を演算し、これを係数器28で係数倍して負荷制限設定器偏差信号S11としている。そして、この信号が切替器29を介して積分器で構成される負荷制限設定器31に入力する。
【0023】
この構成により、負荷制限設定器信号S9はタービン要求信号S1に追従制御される。また、この時の駆動装置24の入力は信号発生器23からの同期設定器操作信号S5を入力する。この同期設定器操作信号S5は、手動または図示しない自動制御装置により、同期設定器信号S2が負荷制限設定器信号S9よりも大きい値となるような信号を出力している。
【0024】
レベル検出器26は、同期設定器信号S2と負荷制限設定器信号S9を入力して、同期設定器信号S2<負荷制限設定器信号S9の信号関係にある時にONとなる調速運転中信号S20を出力して調速/負荷制限の運転モード切替に使用する。
【0025】
図30は調速/負荷制限の運転モードの切替ロジックを示すものである。
【0026】
まず、調速運転をする際には、運転員によって選択されるとONとなる調速運転選択信号S22と調速運転中信号S20とが論理積演算器41に入力して両者の論理積とった信号S24がロジック記憶器44のS端子へ入力される。また、負荷制限運転をする際には、運転員によって選択されるとONとなる負荷制限運転選択信号S23と調速運転中信号S20を論理反転器42で論理反転させた負荷制限運転中信号S21とが論理積演算器43へ入力されて両者の論理積とった信号S25がロジック記憶器44のR端子に入力される。
【0027】
ロジック記憶器44はS端子入力がONになった時に出力QをONとする。その後にS端子入力がOFFになっても出力QはONを出し続ける。また、R端子入力がONになった時に出力QをOFFとする。その後にR端子がOFFになっても出力QはOFFを出し続ける。
【0028】
このようにしてロジック記憶器44から出力した調速運転モード信号S19は調速運転モードでONとなる。そして、統括制御装置12との協調運転の時にONとなる協調運転モード選択信号P6と調速運転モード信号S19は論理積演算器46に入力して両者の論理積演算を行い、この協調運転時の調速運転モード選択信号S6がONの時が協調運転時の調速運転モードとなる。また、協調運転モード選択信号P6と、調速運転モード信号S19を論理反転器45で論理反転させた負荷制限運転モード信号S27は論理積演算器47に入力して両者の論理積演算を行い、この出力信号S13がONの時が協調運転時の負荷制限運転モードとなる。
【0029】
上述の調速/負荷制限の運転モード切替は次のように行われる。
【0030】
今、調速運転の状態から負荷制限運転に移行する場合の切替の様子を図31の動作図に従って説明すると、時刻t0において、負荷制限設定器信号S9は同期設定器信号S2及び機械式調速制御信号S15よりも高い状態にある。また、協調運転モード選択信号P6と協調運転中信号S20がONになっているのでタービン要求信号S1に追従して同期設定器信号S2が変化している。
【0031】
その後の時刻t1で、運転員が調速運転選択信号S22をOFFにする。続いて時刻t2で運転員が負荷制限運転選択信号をONにする。それと同時に図示しない操作により負荷制限設定器操作信号S12を減信号とすると、負荷制限設定器信号S9が減少する。
【0032】
その後の時刻t3で、負荷制限設定器信号S9が同期設定器信号S2よりも小さくなると、調速運転中信号S20がOFFになる。この結果、協調運転時の調速運転モード選択信号S6がOFFに変化して、協調運転時の負荷制限運転モード信号S13がONに変化する。これにより、タービン要求信号S1は同期設定器35の制御から負荷制限設定器の制御に切替る。
【0033】
その後、時刻t4で同期設定器信号S2は図示しない操作により同期設定器操作信号S5を増信号とすると、これに追従して機械式調速制御信号S15も増加する。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、機械式制御装置14は同期設定器35から位置検出器39までの回路は機械系で構成されており、信号の伝達のガタや長期運転による摩耗などにより同期設定器信号S2に対する機械式調速制御信号S15の関係が非線形となったり、バイアスを持った特性となっており、問題が生じる。
【0035】
例えば、図31に示すように同期設定器信号S2に対して機械式調速制御信号S15の間にΔMWに相当するような誤差が生じていると、時刻t4で同期設定器信号S2を増加し始めると同時にタービン出力が急増加して、蒸気発生器と協調した制御に支障をきたす不都合がある。
【0036】
また、タービンが定格速度から変動していた時に切替えを行うと、変動した分が同期設定器信号S2と機械式調速制御信号S15間の差となっているので、切替時に不要なタービン出力変動を発生させる不都合がある。
【0037】
また、タービン制御の応答性や精度の向上を図ろうとしても、機械式制御装置14における伝達遅れや誤差等により限界を有することや、機械式調速制御装置14の異常状態を容易に検出できないことも問題として内在している。
【0038】
そこで、本発明はこのような点に鑑み、調速/負荷制限の運転モード切替時のタービン出力変動を防止することを主目的にし、タービン出力制御の応答性や制御精度の向上にも寄与でき、かつ、制御装置の異常検出が可能な蒸気タービン制御方法を提供することを目的とする。
【0039】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、負荷要求信号と実負荷信号との偏差信号に基づくタービン要求信号によって設定される電動機駆動の同期設定器から出力される同期設定器信号とタービン実速度信号との偏差信号に基づく機械式調速制御信号によって中間蒸気弁を開度制御する機械系で構成される機械式制御装置を有する制御装置によって蒸気タービンを制御する蒸気タービン制御方法において、負荷制限運転モード時にタービン要求信号に負荷制限設定器信号が追従する低値選択信号によって蒸気加減弁を制御する一方、調速運転モード時にタービン要求信号に同期設定器信号が追従すると共に、この同期設定器信号に基づく機械式調速制御信号を低値選択信号として蒸気加減弁を制御する電気制御装置によって制御し、運転モードの切替の際に機械式調速制御信号と負荷制限設定器信号のいずれの信号が新たに低値となったかを検出し、この検出によってタービン要求信号の値が新たに低値となった運転モード側となる同期設定器信号あるいは負荷制限設定器信号の値となるように切替えることを特徴とする。この手段によれば、低値となっている運転モード側の同期設定器信号または負荷制限設定器信号の値がタービン要求信号となるように切替えられる。これにより、調速/負荷制限運転をするための低値選択信号により調速/負荷制限運転の切替り状態を監視し、かつ、切替え時に新しい運転モード側の設定器信号とタービン要求信号が一致した状態で制御移行するので、同期設定器信号と機械式調速制御信号の間に誤差があっても、切替時のタービン出力変動を抑制することができる。
【0040】
請求項2の発明は、請求項1記載の蒸気タービン制御方法において、同期設定器信号と負荷制限設定器信号との偏差信号を記憶し、この偏差信号をタービン要求信号に加算して運転モードの切替えを行うことを特徴とする。この手段によれば、同期設定器信号と負荷制限設定器信号の偏差を記憶して、この記憶信号をタービン要求信号に加算する。これにより、調速/負荷制限運転をするための低値選択信号により調速/負荷制限運転の切替り状態を監視し、かつ、切替り時に新しい運転モード側の設定器信号とタービン要求信号が一致した状態で制御移行するので、同期設定器信号と機械式調速制御信号の間に誤差があっても、切替時のタービン出力変動を阻止することができる。
【0041】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2記載の蒸気タービン制御方法において、タービン実速度信号が所定の定格値範囲内にあるときにのみ運転モードを切替える切替条件を付加することを特徴とする。この手段によれば、調速/負荷制限運転をするための低値選択の入力信号により調速/負荷制限運転の切替り状態を監視し、また、タービンが定格速度から変動している時の切替を行わない、さらに切替り時に新しい運転モード側の設定器信号とタービン要求信号が一致した状態で制御移行するので、同期設定器信号と機械式調速制御信号の間に誤差があっても、切替時のタービン出力変動を抑止することができる。
【0042】
請求項4の発明は、負荷要求信号と実負荷信号との偏差信号に基づくタービン要求信号によって設定される電動機駆動の同期設定器から出力される同期設定器信号とタービン実速度信号との偏差信号に基づく機械式調速制御信号によって中間蒸気弁を開度制御する機械系で構成される機械式制御装置を有する制御装置によって蒸気タービンを制御する蒸気タービン制御方法において、定格時タービン実速度を基準として同期設定器信号と機械式調速制御信号との間の誤差を補正する関係式に基づいて補正信号を求め、求めた補正信号によって同期設定器信号あるいは機械式調速制御信号を補正することを特徴とする。この手段によれば、機械式調速制御信号あるいは負荷制限設定器信号を補正し、補正信号により負荷制限設定器信号あるいは機械式調速制御信号が低値選択をとるように構成して、この低値選択出力信号により蒸気加減弁を制御する。これにより、同期設定器信号と機械式調速制御信号間の誤差が補正されるので調速/負荷制限の運転モード切替時のタービン出力変動を抑えることができる。
【0043】
請求項5の発明は、負荷要求信号と実負荷信号との偏差信号に基づくタービン要求信号によって設定される電動機駆動の同期設定器からの同期設定器信号とタービン実速度信号との偏差信号に基づく機械式調速制御信号によって中間蒸気弁を開度制御する機械系で構成される機械式制御装置を有する制御装置によって蒸気タービンを制御する蒸気タービン制御方法において、負荷制限運転モード時にタービン要求信号に負荷制限設定器信号が追従する低値選択信号によって蒸気加減弁を制御する一方、調速運転モード時に機械式調速制御信号と別に電気式調速制御信号を生成し、電気式調速制御信号を低値選択信号として蒸気加減弁を制御する電気制御装置によって制御することを特徴とする。この手段によれば、機械式調速制御信号の代わりの電気式調速制御信号と負荷制限設定器信号の低値選択信号により蒸気加減弁を制御し、電気式調速制御信号と負荷制限設定器信号のいずれの信号が低値となっているかを検出して調速/負荷制限の運転モードの切替えがされる。これにより、機械式調速制御信号を使用しないことから調速/負荷制限の運転モード切替時の出力変動が生じないと共に、調速制御応答と制御精度の向上が図れる。
【0044】
請求項6の発明は、請求項5記載の蒸気タービン制御方法において、タービン実速度信号が所定の定格値範囲内にあるときにのみ運転モードを切替える切替条件を付加することを特徴とする。この手段によれば、機械式調速制御信号を使用しないことから調速/負荷制限の運転モード切替時の出力変動が生じないと共に、調速制御応答と制御精度の向上が図れる。また、タービン速度変動中の調速/負荷制限の運転モード切替を行わないことから不要なタービン出力変動を阻止できる。
【0045】
請求項7の発明は、請求項5または請求項6記載の蒸気タービン制御方法において、負荷設定器信号と同期設定器信号との偏差信号に基づいて同期設定器を駆動させ同期設定器信号が負荷設定器信号に追従させるようにすることを特徴とする。この手段によれば、同期設定器信号が負荷設定器信号に追従する。これにより、機械式調速制御信号を使用しないことから調速/負荷制限の運転モード切替時の出力変動が生じないと共に、調速制御応答と制御精度の向上が図れる。また、タービン速度が異常に上昇した時の中間蒸気弁の制御が無駄時間なく行うことができる。
【0046】
請求項8の発明は、請求項7記載の蒸気タービン制御方法において、同期設定器信号が負荷設定器信号となるように所定の不感帯をもって追従させ、あるいは、同期設定器信号がタービン速度変動量に応じて増減して設定される不感帯によって負荷設定器信号となるように追従させることを特徴とする。この手段によれば、機械式調速制御信号を使用しないことから調述/負荷制限の運転モード切替時の出力変動が生じないと共に、調速制御応答と制御精度の向上が図れる。また、タービン速度が異常に上昇した時の中間蒸気弁の制御が無駄時間なく行うことができる。さらに、通常運転中の同期設定器の駆動時間を最小にすることができるので機械式調速制御廻りの故障発生を最小にすることができる。
【0047】
請求項9の発明は、請求項7記載の蒸気タービン制御方法において、タービン実速度信号が異常のとき、電気式調速制御信号に代えて機械式調速制御信号を取込み、この機械式調速制御信号と負荷制限設定器信号とのいずれか低値の低値選択信号によって蒸気加減弁を制御することを特徴とする。この手段によれば、機械式調速制御信号を使用しないことから調速/負荷制限の運転モード切替時の出力変動が生じないと共に、調述制御応答と制御精度の向上が図れる。また、タービン速度が異常に上昇した時の中間蒸気弁の制御が無駄時間なく行うことができる。さらに、電気式調速制御が異常となっても機械式調速制御信号により制御を継続することができる。
【0048】
請求項10の発明は、請求項7または請求項9記載の蒸気タービン制御方法において、電気式調速制御信号と機械式調速制御信号との偏差信号の大きさに基づいて電気式調速制御信号、あるいは、機械式調速制御信号の異常を検出することを特徴とする。この手段によれば、電気式調速制御信号と機械式調速制御信号との偏差信号に基づいて異常検出がされる。これにより調速制御部分の異常が早期に発見でき、早期に対応措置ができる。
【0049】
請求項11の発明は、請求項4記載の蒸気タービン制御方法において、求められた補正信号の大きさに基づいて異常の検出をすることを特徴とする。この手段によれば、補正信号の大きさから異常が検出される規定値を逸脱したことを検出する。これにより、機械式調速制御部分の異常が早期に発見でき、早期に復旧できる。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0051】
図1は、本発明の第1実施の形態を示す図である。図1は従来の実施例図である図25乃至図30からの改良点に関わる回路のみを示しており、以下は改良点について説明する。
【0052】
図1は、従来の図30に対応する図であって、A部のレベル検出器51は、機械式調速制御信号S15と負荷制限設定器信号S9とを入力し、このレベル検出器51は両者の信号関係が機械式調速制御信号S15<負荷制限設定器信号S9となっている時にONとなる調速制御中信号S28を論理積演算器41及び論理反転器42に出力する。これは、従来の論理積演算器41と論理反転器42への入力を従来はレベル検出器26の出力信号S20であったものから前述の調速制御中信号S28に変更したものである。
【0053】
また、B部の状変検出器52は、ロジック記憶器44から出力する調速制御運転モード信号S19を入力し、この状変検出器52は信号S19がOFFからONに変化、または、ONからOFFに変化したのと同タイミングで立ち上がるON信号を出力し、その後数秒以内でOFFとなるワンショット信号S32を出力する。そして、論理反転器53は信号32を入力して論理反転した信号S33を論理積演算器54へ出力する。論理積演算器54は、統括制御装置12との協調運転を行う時にONとなる信号と先の信号S33とを入力して、両者の論理積信号を従来の協調運転モード選択信号P6として使用する。
【0054】
図2は、従来の図31に対応する調速制御から負荷制限への運転モード切替の動作図を示している。
【0055】
まず、負荷制限設定器信号S9が減少して、時刻t3で機械式調速制御信号S15よりも低い値になると、レベル検出器51の調速制御中信号S28がOFFとなる。これにより、協調運転時の調速運転モード選択信号S6がOFFとなり、協調運転時の負荷制限運転モード信号S13がONとなる。また、状変検出器52の信号S32がワンショットONとなり、協調制御運転モード信号S19がワンショット間OFFとなる。
【0056】
以上のロジック信号変化により、時刻t3において、図25に示す切替器25からの位置信号S10が負荷制限設定器信号S9へ切替わり、これと同時に図26に示す統括制御装置12の比例・積分演算器17のP4信号が係数器18からのP5信号となる、これによって、タービン要求信号S1が瞬時に負荷制限設定器信号S9と等しくなる。そして、タービン要求信号S1による制御は、同期設定器35から負荷制限設定器31による制御へ切替わる。
【0057】
この結果、同期設定器信号S2と機械式調速制御信号S15の間に誤差があっても、調速/負荷制限の運転モード切替時のタービン出力変動が抑制される。
【0058】
このように第1実施の形態によれば、低値となっている運転モード側の同期設定器信号または負荷制限設定器信号の値がタービン要求信号となるように切替えられる。これにより、調速/負荷制限運転をするための低値選択信号により調速/負荷制限運転の切替り状態を監視し、かつ、切替え時に新しい運転モード側の設定器信号とタービン要求信号が一致した状態で制御移行するので、同期設定器信号と機械式調速制御信号の間に誤差があっても、切替時のタービン出力変動を抑制することができる。
【0059】
図3は、本発明の第2実施の形態に示す図である。
【0060】
第2実施の形態は第1実施の形態で示した構成を基本としており、図3が図1の第1実施の形態と異なる点は、A1部分であり、以下は異なる点について説明する。
【0061】
図3において、速度検出器55はタービンの実速度に比例した信号S34を出力し、レベル検出器56に入力する。このレベル検出器56はタービン実速度信号が定格速度を基準にして±数回転の範囲内にある時にONとなる信号S35を検出して出力する。そして、論理積演算器57は調速運転選択信号S22と調速制御中信号S28と先のタービン実速度規定値以内信号S35を入力して、三つの信号の論理積を演算して信号S36をロジック記憶器44のS端子へ出力する。
【0062】
また、論理積演算器58は負荷制限運転選択信号S23と、調速制御中信号S28を論理反転器42で反転させた負荷制限制御中信号S29と先のタービン実速度規定値以内信号S35を入力して、三つの信号の論理積を演算して信号S37をロジック記憶器44のR端子へ出力する。そして、ロジック記憶器44は、信号S36とS37とが第1実施の形態と同様に入力する。
【0063】
第2実施の形態は、第1実施の形態に対して、調速/負荷制限の運転モード切替にタービン実速度信号が規定速度以内の条件が付加されたものであり、基本的な動作は第1実施の形態と同様である。ただし、タービン実速度が定格速度以外においては、同期設定器35の値が同じであっても機械式調速制御部の係数器38で設定したゲインに比例して機械式調速制御信号S15が変化しており、同期設定器信号S2と機械式調速制御信号S15の間には差が生じている。この状態で調速/負荷制限の運転モード切替を行うとこの差分がタービン出力変動となるが、タービン実速度規定値以内信号S35を切替条件に付加することで、この時には切替は行わずにタービン速度の変動幅が小さい時に切替えるように動作する。
【0064】
なお、レベル検出器56は、係数器38の設定ゲインと蒸気発生器とタービンの統括制御上許容されるタービン出力変動を考慮した検出値に設定する。
【0065】
このように第2実施の形態によれば、同期設定器信号と機械式調速制御信号の間に誤差があっても、調速/負荷制限の運転モード切替時のタービン出力変動が防止される。その上、タービンの実速度が変動している時の運転モード切替を阻止するので、タービン出力変動の幅を小さくできる。
【0066】
図4及び図5は、本発明の第3実施の形態を示す図である。
【0067】
第3実施の形態は、従来の実施例図である図25乃至図30からの改良点に関わる回路のみを示しており、以下は改良点について説明する。
【0068】
図4は、図25の一部の異なる部分を示し、図4において加算器61は、同期設定器信号S2と負荷制限設定器信号S9を入力して信号S2から信号S9を差し引いた負荷制限運転モード時負荷制限偏差信号S38を出力する。切替器63は、負荷制限運転モード時負荷制限偏差信号S38を入力して、協調運転モード選択信号S6がONの時には、端子a−c間を閉とし、信号S40=信号S38とする。
【0069】
加算器62は、同期設定器信号S2と負荷制限設定器信号S9を入力して信号S9から信号S2を差し引いた協調運転モード時負荷制限偏差信号S39を出力する。切替器64は、協調運転モード時負荷制限偏差信号S39を入力して、協調運転時の負荷制限運転モード信号S13がONの時には端子a−c間を閉とし、信号S40=信号S39とする。信号記憶器65は信号S40を入力し、信号S32がONとなっている間に信号S40を入力して記憶し信号S41を出力する。また、信号S32がOFFになっても記憶した信号はそのまま出力し続ける。
【0070】
加算器66は、タービン要求信号S1と信号S41を入力して加算した信号S42を出力する。そして信号S42は図25に示す電気カム制御装置13の従来構成の加算器20と加算器27に対して、従来構成で入力していた信号S1に代わって入力される。
【0071】
図5において、A部は、図1のA部と同じ構成であり、図5のB1部については、図1のB部から論理反転器53と論理積演算器54を削除して、協調運転モード選択信号P6を論理演算しないように構成したものである。
【0072】
図6は、調速制御から負荷制限への運転モード切替の動作図を示している。
【0073】
まず、負荷制限設定器信号S9が減少して、時刻t3で機械式調速制御信号S15よりも低い値になると、レベル検出器51の調速制御中信号S28がOFFとなる。これにより、協調運転時の調速運転モード選択信号S6がOFFとなり、協調運転時の負荷制限運転モード信号S13がONとなる。また、状変検出器52のワンショット信号S32がワンショットONとなる。
【0074】
以上のロジック信号の変化により、時刻t3において、負荷制限設定器信号S9から同期設定器信号S2を差し引いた偏差信号ΔS値を記憶器65に記憶して出力する。そして、この偏差信号をタービン要求信号S1に加算するので、信号S42はそれまでの同期設定器信号S2と等しい値となり、この信号により負荷制限設定器の制御が行われる。
【0075】
このように第3実施の形態によれば、同期設定器信号S2と機械式調速制御信号S15の間に誤差があっても、調速/負荷制限の運転モード切替時のタービン出力変動が抑制される。
【0076】
なお、第3実施の形態は、他実施の形態として図7に示すように実施できる。
【0077】
図7は第3実施の形態と異なる回路のみを示しており、以下は異なる点について説明する。
【0078】
図7に示すA1は図3のA1部と同じであり、図7に示すB1部は図5のB1部と同様の構成である。第3実施の形態と異なるのは論理積演算器57と論理積演算器58に第2実施の形態で示したタービン実速度規定値以内信号S35を入力して、三つの信号の論理積をとった点である。
【0079】
本実施の形態は、第3実施の形態に対して、調速/負荷制限の運転モード切替にタービン実速度信号が規定速度以内の条件が付加されたもので基本的な動作は第3実施の形態と同様である。ただし、タービン実速度が定格速度以外においては、同期設定器35の値が同じであっても、機械式制御装置14の係数器38で設定したゲインに比例して機械式調速制御信号S15が変化しており同期設定器信号S2と機械式調速制御信号S15の間には差が生じている。この状態で、調速/負荷制限の運転モード切替を行うとこの差分がタービン出力変動となるが、タービン実速度規定値以内信号S35を切替条件に付加すれば、タービン速度の変動幅が小さい時に切替るように動作する。
【0080】
なお、レベル検出器は係数器38の設定ゲインと蒸気発生器とタービンの統括制御上許容されるタービン出力変動を考慮した検出値に設定する。
【0081】
この本実施の形態によれば、同期設定器信号と機械式調速制御信号の間に誤差があっても、調速/負荷制限の運転モード切替時のタービン出力変動が防止される。また、タービンの実速度が変動している時の運転モード切替を阻止するので、タービン出力変動も極めて小さくすることができる。
【0082】
図8は、本発明の第4実施の形態を示す図である。
【0083】
図8は従来の実施例図である図25乃至図30からの改良点に関わる回路のみを示しており、以下は改良点について説明する。
【0084】
図8において、演算器71は、速度検出器55により検出したタービン実速度信号S34と同期設定器信号S2と機械式調速制御信号S15とを入力する。演算器71は入力信号から演算したゲイン信号S45とバイス信号S46を出力する。乗算器72は、機械式調速制御信号S15とゲイン信号S45を入力して両者の乗算を行い、信号S47を出力する。そして、加算器73は、信号S47とバイス信号S46を入力して両者の信号を加算して補正された機械式調速制御信号S48を出力し、この信号を従来構成の図25に示す電気カム制御装置13の低値選択器32に入力して、負荷制限設定器信号S9との低値選択をとり蒸気加減弁制御信号S16を出力する。
【0085】
この構成で、演算器71はタービン速度信号が定格値の時の機械式調速制御信号S15に対する同期設定器信号S2との関係式を用いて計算するもので、計算した結果としてゲイン信号S45とバイス信号S46として出力する。そして、この計算結果で機械式調速制御信号S15の補正を行い機械式制御装置14の誤差が除去された同期設定器相当信号が出力され、これにより蒸気加減弁3の制御が行われる。
【0086】
例えば、従来の図31で示したΔMWに相当する誤差はバイアス信号S46として出力されて、この信号が加算器73で加算され、同期設定信号S2と等しい値となるように補正がされる。
【0087】
この第4実施の形態によれば、同期設定器信号S2と機械式調速制御信号S15間の誤差が補正されるので調速/負荷制限の運転モード切替時のタービン出力変動を抑えることができる。
【0088】
図9は、本発明の第4実施の形態の他の実施の形態を示す図である。図9は従来の実施例図である図25乃至図30からの改良点に関わる回路のみを示しており、以下は改良点について説明する。
【0089】
図9において、演算器74は、速度検出器55で検出したタービン実速度信号S55と同期設定器信号S2と機械式調速制御信号S15とを入力し、演算器74は入力信号から演算したゲイン信号S61とバイス信号S62を出力する。乗算器75は、負荷制限器設定信号S9とゲイン信号S61を乗算器75に入力して両者の乗算を行い信号S63を出力する。そして、加算器76は、信号S63とバイアス信号S62を入力して両者の信号を加算して補正された負荷制限設定器信号S64を出力し、この信号を図25に示す従来構成の低値選択器32に入力して、機械式調速制御信号S15との低値選択をとり蒸気加減弁制御信号S16を出力する。
【0090】
以上の構成で、演算器74はタービン速度信号が定格値の時の同期設定器信号S2に対する機械式調速制御信号S15の関係式を用いて計算するもので、計算した結果がゲイン信号S61とバイス信号S62として出力される。そして、この計算結果により負荷制限設定器信号S9の補正を行うので、機械式制御装置14による誤差を含んだ負荷制限設定器信号が出力され、これにより蒸気加減弁の制御が行われる。
【0091】
例えば、従来実施の形態の図31で示したΔMWに相当する誤差はバイアス信号S62として出力され、この信号が加算器76で加算され機械式調速制御信号S15と等しい値となるように補正がされる。
【0092】
このように本実施の形態によれば、同期設定器信号S2と機械式調速制御信号S15間の誤差が補正されるので調速/負荷制限の運転モード切替時のタービン出力変動を抑えることができる。
【0093】
図10及び図11は本発明の第5実施の形態を示す図である。図10は従来の実施例図である図25乃至図30からの改良点に関わる回路を主体に示しており、以下は改良点について説明する。
【0094】
図10において、電気式制御装置13Aの加算器81は、タービン要求信号S1と負荷設定器信号S52を入力して得られた偏差信号S51を係数器82に出力し係数倍した信号S53を出力する。信号発生器85は、負荷設定器信号S52を増減するための負荷設定器操作信号S55を出力する。切替器83は、偏差信号S53と負荷設定器操作信号S55を入力し、切替器83は調速運転モード選択信号S6がONの時にa−c間が閉(b−c間が開)となってS54=S53となる。また、切替器83は、協調運転時の調速運転モード選択信号S6がOFFの時はb−c間が閉(a−c間が開)となってS54=S55となる。負荷設定器84は、切替えられた信号S54を入力し、負荷設定器84は積分器で構成され、入力信号を積分して、負荷設定器信号S52を出力する。
【0095】
また、速度検出器55は、タービン実速度に比例した信号S34を検出して出力する。加算器86は、タービン実速度信号S34と負荷設定器信号S52とを入力して、両者の偏差を演算し、速度偏差信号S56を出力する。係数器87はこの速度偏差信号S56を入力して係数倍した電気式調速制御信号S57を出力する。係数器87の係数値は従来の機械式制御装置14の係数器38と同じ機能を持つもので、速度調定率が設定される。低値選択器32は、電気式調速制御信号S57と負荷制限設定器信号S9とを入力して両者の低い方の信号を選択し、蒸気加減弁制御信号S16を出力し、これにより蒸気加減弁3の制御が行われる。
【0096】
また、レベル検出器88は電気式調速制御信号S57と負荷制限設定器信号S9を入力して、両者の信号関係がS57<S9となっている時にONとなる調速制御中信号S58を出力する。切替器89は負荷設定器信号S52と負荷制限設定器信号S9を入力して、調速運転モード信号S19がONの時にはa−c間が閉となってS10=S52を、信号S19がOFFの時にはb−c間が閉となってS10=S9の切替信号を出力する。
【0097】
図10において、図25の加算器27から負荷制限設定器31までの負荷制限設定回路は従来構成と同じである。機械式制御装置14は図示省略している。図11のA2部は従来構成の図30のA0部に調速制御中信号S20の代わりにS58の信号が入力された点が異なる。また、図11のB0部は従来構成の図30のB0部と同じ構成としている。
【0098】
以上の構成で、図10に示すように調速運転時には、負荷設定器信号S52とタービン実速度信号S34の偏差を係数倍した電気式調速制御信号S57により行われる。このため、統括制御装置12からのタービン要求信号S1が加算器81に入力して、負荷設定器信号S52を制御することで行われる。
【0099】
図12は調速運転から負荷制限運転への切替の動作図を示している。
【0100】
まず、時刻t0において、機械式制御装置14の同期設定器35の設定位置m1と調速制御信号m4は上限付近にある。これは、蒸気加減弁3による調速制御は機械式調速制御信号を使用しないために同期設定器35は上限方向に逃がしていることによる。また、調速運転は負荷設定器信号S52を負荷制限設定器信号S9よりも低い値とすることで行われている。
【0101】
その後の時刻t2で信号発生器30を操作すると負荷制限設定器信号S9が減少し始める。時刻t3で負荷制限設定器信号S9が電気式調速制御信号S57よりも低い値になると、調速制御中信号S58がONからOFFとなる。これにより、協調運転時の調速運転モード選択信号S6がOFFとなって、協調運転時の負荷制限運転モード信号S13がONとなる。これにより、以降のタービン要求信号S1による制御が負荷制限設定器31に基づく信号により行われる。
【0102】
このように第5実施の形態によれば、調速制御が電気回路で行われることにより負荷設定器と電気式調速制御信号間の誤差は生じないので、調速/負荷制限の運転モード切替時のタービン出力変動が防止される。また、調速制御の制御応答と制御精度の向上が図れる。
【0103】
図13は、本発明の第6実施の形態を示す図である。
【0104】
第6実施の形態は第5実施の形態で示した構成を基本にしており、図13は第5実施の形態と異なる回路のみを示しており、以下は異なる点について説明する。
【0105】
図13において、レベル検出器56はタービンの実速度に比例した信号S34を入力し、レベル検出器56はタービン実速度信号が定格速度を基準にして±数回転の範囲内にある時にONとなる信号S35を検出して出力する。そして、論理積演算器57は調速運転選択信号S22と調速制御中信号S58と先のタービン実速度規定値以内信号S35を入力して、三つの信号の論理積を演算して信号S36を出力する。また、論理積演算器58は、負荷制限運転選択信号S23と、調速制御中信号S58を論理反転器42で反転させた負荷制限制御中信号S29と先のタービン実速度規定値以内信号S35を入力して、三つの信号の論理積を演算して信号S37を出力する。ロジック記憶器44は、信号S36とS37を入力し、以降の構成は従来の実施の形態の図30のB0部と同じ構成となる。
【0106】
以上の構成で、第6実施の形態では第5実施の形態に対して、調速/負荷制限の運転モード切替にタービン実速度信号が規定速度以内の条件が付加されたもので基本的な動作は第5実施の形態と同様である。ただし、タービン実速度が定格速度以外においては、図10に示す負荷設定器84の値が同じであっても、係数器87で設定したゲインに比例して電気式調速制御信号S57が変化している。このため負荷設定器信号S52と電気式調速制御信号S57の間には差が生じている。この状態で調速/負荷制限の運転モード切替を行うとこの差分がタービン出力変動となる。ところが、タービン実速度規定値以内信号S35の信号を切替条件に付加するので、この時には切替は行わずにタービン速度の変動幅が小さい時に切替るように動作する。なお、レベル検出器56は係数器87の設定ゲインと蒸気発生器1とタービンの統括制御上許容されるタービン出力変動を考慮した検出値に設定する。
【0107】
このように第6実施の形態によれば、調速制御が電気回路で行うことにより負荷設定器と電気式調速制御信号間の誤差は生じないので、調速/負荷制限の運転モード切替時のタービン出力変動は生じない。また、調速制御の制御応答と制御精度の向上が図れる。また、タービンの実速度が変動している時の運転モード切替を阻止するので、運転モード切替時のタービン出力変動を極めて小さくすることができる。
【0108】
図14は、本発明の第7実施の形態を示す図である。
【0109】
第7実施の形態は第5または第6実施の形態で示した構成を基本にしており、図14は図10に示す電気式制御装置13Aに対して第5または第6実施の形態の構成を付加する回路を示している。
【0110】
図14において、加算器91は、負荷設定器信号S52と同期設定器信号S2を入力して、両者の負荷設定偏差信号S71を出力する。係数器92は、負荷設定偏差信号S71を入力して係数倍した信号S72を出力し、この信号を駆動装置24に入力する。駆動装置24は同期設定器35を駆動するための駆動信号S8を出力して、同期設定器35に入力する。
【0111】
この構成で、同期設定器信号S2が負荷設定器信号S52に自動追従するように動作する。これにより、タービン実速度が異常に上昇した時の中間蒸気弁の閉め制御が決められた速度値から開始される。
【0112】
このように第7実施の形態によれば、調速制御が電気回路で行うことにより負荷設定器と電気式調速制御信号間の誤差は生じないため、調速/負荷制限の運転モード切替時のタービン出力変動が防止される。また、調速制御の制御応答と制御精度の向上が図れる。
【0113】
なお、調速制御を図10に示す負荷設定器84で行う際に同期設定器35を上限方向に逃がしておくと、タービン実速度が異常に加速した場合の中間蒸気弁の閉め制御が、決められたタービン速度以上に加速しないと行われない。ところが、同期設定器信号S2を負荷設定器信号S52に自動追従していることにより、決められた速度から無駄時間無く閉め制御が開始され、必要以上のタービン加速を抑制することができる。
【0114】
図15は、本発明の第8実施の形態を示す図である。
【0115】
第8実施の形態は、第5または第6実施の形態で示した構成を基本にしており、図15は第5または第6実施の形態を示す図10に対して構成を付加する回路を示している。
【0116】
図15において、加算器91は、負荷設定器信号S52と同期設定器信号S2を入力して、両者の負荷設定偏差信号S71を出力する。不感帯器93は、負荷設定偏差信号S71を入力して、所定の不感帯と係数を乗じた信号S73を出力し、この信号を駆動装置24に入力する。駆動装置24は同期設定器35を駆動するための駆動信号S8を出力して、同期設定器35に入力する。
【0117】
以上の構成で、同期設定器信号S2が、図17に示すように負荷設定器信号S52に自動追従するように動作する。不感帯器93の入出力信号は、図16に示すような特性となっている。この不感帯の設定幅(+V1、−V2)はタービン実速度が異常加速した際に中間蒸気弁の閉め制御開始速度が、タービン加速抑制制御上許容される値に設定する。
【0118】
これにより、負荷設定偏差信号S71が所定の不感帯(+V1、−V2)を越えるまでは同期設定器35の自動追従は行われないが、一旦、不感帯を越えると負荷設定偏差信号S71が零になるまで、すなわち、負荷設定器信号S52と同期設定器信号S2が等しくなるまで自動追従が行われる。
【0119】
このように第8実施の形態によれば、調速制御が電気回路で行うことにより負荷設定器と電気式調速制御信号間の誤差は生じないので、調速/負荷制限の運転モード切替時のタービン出力変動が防止される。また、調速制御の制御応答と制御精度の向上が図れる。第7実施の形態では常に同期設定器35を負荷設定器に自動追従することで、機械系で構成された同期設定器や機械レバー伝達系の機械的な寿命が短縮され、故障の発生や摩耗による演算誤差の増加になるが、第8実施の形態とすることで、前述の問題を減少させることができる。
【0120】
図18は、第8実施の形態の他の実施の形態を示す図である。
【0121】
本実施の形態は第5または第6実施の形態で示した構成を基本にしており、図18は、第5または第6実施の形態に対して構成を付加する回路を示している。
【0122】
図18において、加算器91は、負荷設定器信号S52と同期設定器信号S2を入力して、両者の負荷設定偏差信号S71を出力する。不感帯器95は、負荷設定偏差信号S71を入力し、不感帯器95はタービン実速度信号S34を関数器94に入力して不感帯設定値+V1と−V2演算した信号により不感帯設定された信号S73を出力する。
【0123】
駆動装置24は信号73を入力して同期設定器35を駆動するための駆動信号S8を出力して、同期設定器35に入力する。
【0124】
以上の構成で、同期設定器信号S2が負荷設定器信号S52に自動追従するように動作する。不感帯器95の入出力信号は、第8実施の形態で示した図16と同じような特性となっているが、設定幅(+V1、−V2)は関数器94からの信号により行われる。図19は関数器94の入出力特性の一例を示し、タービン実速度信号が定格速度よりも増加または減少するのに応じて設定幅信号を増減させている。
【0125】
これにより、負荷設定偏差信号S71が所定の不感帯(+V1、−V2)を越えるまでは同期設定器35の自動追従は行われないが、一旦、不感帯を越えると負荷設定偏差信号S71が零になるまで、すなわち、負荷設定器信号S52と同期設定器信号S2が等しくなるまで自動追従が行われる。また、タービン実速度信号S34の定格速度値からの変動量が大きい場合には不感帯幅が小さくなり、負荷設定器84と同期設定器35の追従幅が狭くなるように動作する。
【0126】
この実施の形態によれば、調速制御が電気回路で行うことにより負荷設定器と電気式調速制御信号間の誤差は生じないため、調速/負荷制限の運転モード切替時のタービン出力変動が防止される。また、調速制御の制御応答と制御精度の向上が図れる。第7実施の形態では常に同期設定器を負荷設定器に自動追従することで、機械系で構成された同期設定器や機械レバー伝達系の機械的な寿命が短縮され、故障の発生や摩耗による演算誤差の増加になるが、本実施の形態とすることで、前述の問題を減少させることができる。
【0127】
また、第8実施の形態では自動追従幅を一定にしているため、中間蒸気弁によりタービン加速抑制制御に影響しないようにあまり大きな幅の設定ができないという問題があるが、本実施の形態によれば、タービン速度変動量が小さい場合には大きな追従幅にして機械式調速制御部の機械的な不適合発生をより減少させることができる。また、タービン実速度の変動量が大きい場合には追従幅を小さくして中間蒸気弁によるタービン加速抑制制御が速やかに行うことができるという効果がある。
【0128】
図20は、本発明の第9実施の形態を示す図である。
【0129】
第9実施の形態は、第7実施の形態で示した構成を基本にしており、図20は、図10及び図14に示す第7実施の形態と異なる回路のみを示している。
【0130】
図20において、異常検出器102は、タービン実速度信号S34を入力して、速度信号が異常となった時にONとなる速度異常信号S82を出力する。信号発生器101は蒸気加減弁全開に相当する信号S81を発生する。切替器103は信号S81を入力して、速度異常信号S82がONの時にはa−c間を閉としてS83=S81の出力、信号S82がOFFの時にはa−c間を開としてS83=0の信号を出力する。そして、加算器105は、信号S83と電気式調速制御信号S57と信号加算を行って信号S85を出力する。
【0131】
また、切替器104は速度異常信号S82がOFFの時にはb−c間を閉としてS84=S81の出力、信号S82がONの時にはb−c間を開としてS84=0の信号を出力する。そして、加算器106は、信号S84と機械式調速制御信号S15と信号加算を行って信号S86を出力する。そして、低値選択器32は、信号S85と信号S86と負荷制限設定器信号S9を入力して、三つの低値選択をとった蒸気加減弁制御信号S16を出力して、これにより蒸気加減弁制御が行われる。
【0132】
以上の構成で、タービン実速度信号が正常の状態では速度異常信号S82がOFFになっているので、信号S83=0、信号S84は蒸気加減弁全開信号になっている。このため調速運転における蒸気加減弁制御信号S16は電気式調速制御信号S57が出力され、負荷制限運転では負荷制限設定器信号S9が出力される。タービン実速度信号が異常になると、速度異常信号S82がONになり信号S83は蒸気加減弁全開信号、信号S84=0となる。このため調速運転における蒸気加減弁制御信号S16として機械式調速制御信号S15が出力され、負荷制限運転では負荷制限設定器信号S9が出力される。
【0133】
このように第9実施の形態によれば、タービン実速度信号が正常な状態では、調速制御が電気回路により行うことにより負荷設定器と電気式調速制御信号間の誤差が生じないので、調速/負荷制限の運転モード切替時のタービン出力変動が生じない。また、調速制御の制御応答と制御精度の向上が図れる。一方、第7実施の形態においてタービン実速度信号が異常となった場合に調速運転は不可能となる。また、タービン実速度信号が増加方向に異常になった場合は蒸気加減弁を全閉としてタービン運転を停止させることになる。しかし、本実施の形態ではタービン実速度信号が異常となった時には電気式調速制御信号から機械式調速制御信号による制御が移行して前述のような問題は生じない。
【0134】
図21は、本発明の第9実施の形態の他の実施の形態を示す図である。
【0135】
本実施の形態は第7実施の形態で示した構成を基本にしており、図21は、図14に示す第7実施の形態と異なる回路のみを示している。
【0136】
図21において、異常検出器102は、タービン実速度信号S34を入力して、速度信号が異常となった時にONとなる速度異常信号S82を出力する。切替器107は、電気式調速制御信号S57と機械式調速制御信号S15とを入力して、速度異常信号S82がOFFの時にはb−c間を閉(a−c間を開)としてS87=S57の出力する。また、信号S82がONの時にはa−c間を閉(b一c間を開)としてS87=S15として出力とする。そして、低値選択器32は切替えた信号S87を入力して、負荷制限設定器信号S9との低値選択をとった蒸気加減弁制御信号S16を出力して、これにより蒸気加減弁制御が行われる。
【0137】
以上の構成で、タービン実速度信号が正常の状態では速度異常信号S82がOFFになっているので、低値選択器32には電気式調速制御信号S57が入力される。このため調速運転における蒸気加減弁制御信号S16は電気式調速制御信号S57が出力され、負荷制限運転では負荷制限設定器信号S9が出力される。タービン速度信号が異常となって速度異常信号S82がONになると、低値選択器32には機械式調速制御信号S15が入力される。このため調速運転における蒸気加減弁制御信号S16は機械式調速制御信号S15が出力され、負荷制限運転では負荷制限設定器信号S9が出力される。
【0138】
このように本実施の形態によれば、タービン実速度信号が正常な状態では、調速制御が電気回路により行うことにより負荷設定器と電気式調速制御信号間の誤差は生じないため、調速/負荷制限の運転モード切替時のタービン出力変動は生じない。また、調速制御の制御応答と制御精度の向上が図れる。
【0139】
第7実施の形態においてタービン実速度信号が異常となった場合に調速運転は不可能となる。また、タービン実速度信号が増加方向に異常になった場合は蒸気加減弁を全閉としてタービン運転を停止させることになる。しかし、本実施の形態ではタービン実速度信号が異常となった時には電気式調速制御から機械式調速制御に制御が移行して前述のような問題は生じない。
【0140】
図22は、本発明の第10実施の形態を示す図である。
【0141】
第10実施の形態は第7または第9または第9実施の他の形態で構成した場合の制御異常検出に関するもので、これら実施の形態に付加する回路のみを図22は示している。
【0142】
図22において、異常検出器108は、機械式調速制御信号S15と電気式調速制御信号S57を入力して、両者の信号の調速制御偏差信号が異常に大きくなったことを検出して制御異常信号S88を出力する。そして、この信号は図示しない警報装置に出力して運転員へ異常状態を知らせる。
【0143】
この構成で、同期設定器35は負荷設定器84に常に自動追従しているので、機械式制御装置14や電気式制御装置13Aが正常な状態においては、機械式調速制御信号S15と電気式調速制御信号S57はほぼ同じ値となっているが、いずれかの調速制御機能が異常になると両者の調速制御信号の偏差値が大きくなるので、この偏差大の状態を異常検出器108で検出して、この結果を警報装置で知らせる。
【0144】
このように第10実施の形態によれば、調速制御の異常の状態を検出することができるので早期に補修対応が可能となる。
【0145】
図23は、第11実施の形態を示す図である。
【0146】
第11実施の形態は第4実施の形態の他の形態で構成した場合の制御異常検出に関するもので、これら実施の形態に付加する回路のみを図23に示している。
【0147】
図23において、レベル検出器121は、演算器74で演算したゲイン信号S61を入力して、設計上から決まる規定信号よりも大きな信号となった時にONとなる信号S101を出力する。また、レベル検出器122はバイアス信号S62を入力して、設計上から決まる規定信号よりも大きな信号となった時にONとなる信号S102を出力する。論理和演算器123は、信号S101と信号S102は入力して論理和をとり信号S103を出力する。そして、この信号は図示しない警報装置に出力して運転員へ異常状態を知らせる。
【0148】
この構成で、演算器で演算したゲイン信号S61とバイアス信号S62は機械式制御装置14の設計上から規定値が決められており、この規定値を逸脱したことをレベル検出器121とレベル検出器122により検出して、いずれか一方でも規定値を逸脱したら警報装置で知らせる。
【0149】
この第11実施の形態によれば、機械式制御装置14が異常となった状態を検出することができるので早期に補修対応が可能となる。このように調速/負荷制限の運転モード切替時のタービン出力変動を防止することができる。さらに、調速制御を電気回路で構成することにより、タービン出力制御の応答性や制御精度の向上にも寄与できる。また、調速制御機能の異常状態を検出することで早期の補修対応が可能となる。
【0150】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明によれば、低値となっている運転モード側の同期設定器信号または負荷制限設定器信号の値がタービン要求信号となるように切替えるので、同期設定器信号と機械式調速制御信号の間に誤差があっても、切替時のタービン出力変動を抑制することができる。
【0151】
また、請求項2の発明によれば、同期設定器信号と負荷制限設定器信号の偏差を記憶して、この記憶信号をタービン要求信号に加算し、切替り時に新しい運転モード側の設定器信号とタービン要求信号が一致した状態で制御移行するので、同期設定器信号と機械式調速制御信号の間に誤差があっても、切替時のタービン出力変動を阻止することができる。
【0152】
また、請求項3の発明によれば、タービンが定格速度から変動していない時にのみ新しい運転モード側の設定器信号とタービン要求信号が一致した状態で制御移行するので、同期設定器信号と機械式調速制御信号の間に誤差があっても、切替時のタービン出力変動を抑止することができる。
【0153】
また、請求項4の発明によれば、機械式調速制御信号あるいは負荷制限設定器信号の誤差が補正されるので調速/負荷制限の運転モード切替時のタービン出力変動を抑えることができる。
【0154】
また、請求項5の発明によれば、機械式調速制御信号の代わりの電気式調速制御信号と負荷制限設定器信号の低値選択信号により蒸気加減弁を制御し、機械式調速制御信号を使用しないことから調速/負荷制限の運転モード切替時の出力変動が生じないと共に、調速制御応答と制御精度の向上が図れる。
【0155】
また、請求項6の発明によれば、タービン速度変動中の調速/負荷制限の運転モード切替を行わないことから不要なタービン出力変動を阻止できる。
【0156】
また、請求項7の発明によれば、同期設定器信号が負荷設定器信号に追従する一方、機械式調速制御信号を使用しないので、調速/負荷制限の運転モード切替時の出力変動が生じないと共に、調速制御応答と制御精度の向上が図れる。また、タービン速度が異常に上昇した時の中間蒸気弁の制御が無駄時間なく行うことができる。
【0157】
また、請求項8の発明によれば、機械式調速制御信号を使用しないので、調速/負荷制限の運転モード切替時の出力変動が生じないと共に、タービン速度が異常に上昇した時の中間蒸気弁の制御が無駄時間なく行うことができる。さらに、通常運転中の同期設定器の駆動時間を最小にすることができるので機械式調速制御機能廻りの故障発生を最小にすることができる。
【0158】
また、請求項9の発明によれば、機械式調速制御信号を使用しないので調速/負荷制限の運転モード切替時の出力変動が生じないと共に、タービン速度が異常に上昇した時の中間蒸気弁の制御が無駄時間なく行うことができ、電気式調速制御が異常となっても機械式調速制御信号により制御を継続することができる。
【0159】
また、請求項10の発明によれば、電気式調速制御信号と機械式調速制御信号との偏差信号に基づいて異常検出をするので、調速制御部分の異常が早期に発見でき、早期に対応措置ができる。
【0160】
また、請求項11の発明によれば、補正信号の大きさから異常が検出される規定値を逸脱したことを検出する異常検出機能を有するので、機械式調速制御部分の異常が早期に発見でき、早期に復旧できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態を示す部分構成図である。
【図2】本発明の第1実施の形態の作用を示す動作図である。
【図3】本発明の第2実施の形態を示す部分構成図である。
【図4】本発明の第3実施の形態を示す部分構成図である。
【図5】本発明の第3実施の形態を示す切替部分の構成図である。
【図6】本発明の第3実施の形態の作用を示す動作図である。
【図7】本発明の第3実施の形態の他の形態を示す部分構成図である。
【図8】本発明の第4実施の形態を示す部分構成図である。
【図9】本発明の第4実施の形態の他の形態を示す部分構成図である。
【図10】本発明の第5実施の形態を示す部分構成図である。
【図11】本発明の第5実施の形態を示す切替部分の構成図である。
【図12】本発明の第5実施の形態の作用を示す動作図である。
【図13】本発明の第6実施の形態を示す部分構成図である。
【図14】本発明の第7実施の形態を示す部分構成図である。
【図15】本発明の第8実施の形態を示す部分構成図である。
【図16】図15に示す不感帯器の特性図である。
【図17】本発明の第8実施の形態の作用を示す動作図である。
【図18】本発明の第8実施の形態の他の形態を示す部分構成図である。
【図19】図18に示す不感帯器の特性図である。
【図20】本発明の第9実施の形態を示す部分構成図である。
【図21】本発明の第9実施の形態の他の形態を示す部分構成図である。
【図22】本発明の第10実施の形態を示す部分構成図である。
【図23】本発明の第11実施の形態を示す部分構成図である。
【図24】蒸気タービン系統図である。
【図25】従来のタービン制御装置の第1部分構成図である。
【図26】従来のタービン制御装置の第2部分構成図である。
【図27】従来のタービン制御装置の第3部分構成図である。
【図28】従来の蒸気加減弁、中間蒸気弁の第1制御特性図である。
【図29】従来の蒸気加減弁、中間蒸気弁の第2制御特性図である。
【図30】従来の蒸気タービン制御の調速/負荷制限運転切替ロジック図である。
【図31】従来の蒸気タービン制御装置の動作図である。
【符号の説明】
1 蒸気発生器
2 主蒸気止め弁
3 蒸気加減弁
4 高圧タービン
5 再熱器
6 中間蒸気弁
7 低圧タービン
8 復水器
9 発電機
10 弁駆動装置
11、55 速度検出器
12 統括制御装置
13 電気カム制御装置
14 機械式制御装置
15,19,20,27,37,61,62,66,73,76,81,86,91,105,106 加算器
16,22,25,29,63,64,83,89,103,104,107切替器
17 比例・積分演算器
18,21,28,38,82,87,92 係数器
23,30,85,101 信号発生器
24,34 駆動装置
26,51,56,88,121,122 レベル検出器
31 負荷制限設定器
32 低値選択器
33,40,94 関数器
35 同期設定器
36,39 位置検出器
41,43,46,47,54,57,58 論理積演算器
42,45,53 論理反転器
44 ロジック記憶器
52 状変検出器
65 信号記憶器
71,74 演算器
72,75 乗算器
84 負荷設定器
93,95 不感帯器
102,108 異常検出器
123 論理和演算器

Claims (11)

  1. 負荷要求信号と実負荷信号との負荷偏差信号に基づくタービン要求信号によって設定される電動機駆動の同期設定器から出力される同期設定器信号とタービン実速度信号との速度偏差信号に基づく機械式調速制御信号によって中間蒸気弁を開度制御する機械系で構成される機械式制御装置を有する制御装置によって蒸気タービンを制御する蒸気タービン制御方法において、負荷制限運転モード時に前記タービン要求信号に負荷制限設定器信号が追従する低値選択信号によって蒸気加減弁を制御する一方、調速運転モード時に前記タービン要求信号に前記同期設定器信号が追従すると共に、この同期設定器信号に基づく機械式調速制御信号を低値選択信号として蒸気加減弁を制御する電気制御装置によって制御し、運転モードの切替の際に前記機械式調速制御信号と前記負荷制限設定器信号のいずれの信号が新たに低値となったかを検出し、この検出によって前記タービン要求信号の値が新たに低値となった運転モード側となる同期設定器信号あるいは負荷制限設定器信号の値となるように切替えることを特徴とする蒸気タービン制御方法。
  2. 前記同期設定器信号と負荷制限設定器信号との負荷制限偏差信号を記憶し、この負荷制限偏差信号を前記タービン要求信号に加算して運転モードの切替えを行うことを特徴とする請求項1記載の蒸気タービン制御方法。
  3. タービン実速度信号が所定の定格値範囲内にあるときにのみ運転モードを切替える切替条件を付加することを特徴とする請求項1または請求項2記載の蒸気タービン制御方法。
  4. 負荷要求信号と実負荷信号との負荷偏差信号に基づくタービン要求信号によって設定される電動機駆動の同期設定器から出力される同期設定器信号とタービン実速度信号との速度偏差信号に基づく機械式調速制御信号によって中間蒸気弁を開度制御する機械系で構成される機械式制御装置を有する制御装置によって蒸気タービンを制御する蒸気タービン制御方法において、定格時タービン実速度を基準として前記同期設定器信号と前記機械式調速制御信号との間の誤差を補正する関係式に基づいて補正信号を求め、求めた補正信号によって前記機械式調速制御信号あるいは負荷制限運転モード時の負荷制限設定器信号を補正することを特徴とする蒸気タービン制御方法。
  5. 負荷要求信号と実負荷信号との負荷偏差信号に基づくタービン要求信号によって設定される電動機駆動の同期設定器から出力される同期設定器信号とタービン実速度信号との速度偏差信号に基づく機械式調速制御信号によって中間蒸気弁を開度制御する機械系で構成される機械式制御装置を有する制御装置によって蒸気タービンを制御する蒸気タービン制御方法において、負荷制限運転モード時に前記タービン要求信号に負荷制限設定器信号が追従する低値選択信号によって蒸気加減弁を制御する一方、調速運転モード時に前記機械式調速制御信号と別に電気式調速制御信号を生成し、電気式調速制御信号を低値選択信号として蒸気加減弁を制御する電気制御装置によって制御することを特徴とする蒸気タービン制御方法。
  6. タービン実速度信号が所定の定格値範囲内にあるときにのみ運転モードを切替える切替条件を付加することを特徴とする請求項5記載の蒸気タービン制御方法。
  7. 前記負荷設定器信号と前記同期設定器信号との負荷設定偏差信号に基づいて同期設定器を駆動させ同期設定器信号が負荷設定器信号に追従させるようにすることを特徴とする請求項5または請求項6記載の蒸気タービン制御方法。
  8. 前記同期設定器信号が前記負荷設定器信号となるように所定の不感帯をもって追従させ、あるいは、前記同期設定器信号が前記タービン速度変動量に応じて増減して設定される不感帯によって前記負荷設定器信号となるように追従させることを特徴とする請求項7記載の蒸気タービン制御方法。
  9. タービン実速度信号が異常のとき、前記電気式調速制御信号に代えて前記機械式調速制御信号を取込み、この機械式調速制御信号と前記負荷制限設定器信号とのいずれか低値の低値選択信号によって蒸気加減弁を制御することを特徴とする請求項7記載の蒸気タービン制御方法。
  10. 前記電気式調速制御信号と前記機械式調速制御信号との調速制御偏差信 の大きさに基づいて前記電気式調速制御信号、あるいは、前記機械式調速制御信号の異常を検出することを特徴とする請求項7または請求項9記載の蒸気タービン制御方法。
  11. 前記求められた補正信号の大きさに基づいて異常の検出をすることを特徴とする請求項4記載の蒸気タービン制御方法。
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