JPH1146500A - 系列負荷制御方式 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】コンバインドサイクル発電プラントの出力追従
性を改善する。 【解決手段】系列出力と各軸目標値の偏差を検出し、各
軸への目標値として加算する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は複数のガスタービン
（＋スチームタービン）設備の総合出力を調整するコン
バインドサイクル発電プラントの出力調整方式に係わ
る。

【０００２】

【従来の技術】ガスタービン（＋スチームタービン）設
備一式を一般に「軸」と呼ぶ。また、複数「軸」をひと
まとまりとして「系列」と呼んでいる。この「系列」単
位に出力（＝負荷）を調整しようとするのが系列負荷制
御方式である。

【０００３】基本的には系列に求められる出力値を軸の
台数で等分し、各軸への指令を渡すことによって本制御
の目的は達成可能であるが、各軸設備は単独での起動／
停止，単独での出力調整（オペレータ操作による手動調
整）が可能であるため、これらの操作によっても系列と
して総合した出力値が目標値に従う様に回路が構成され
ている（〈公知例〉特開昭59−122710号「複合サイクル
発電プラントの負荷制御装置」）。

【０００４】特に今回の発明に対し、関わりが深い回路
は、各軸設備が自動モード（各軸単独操作ではなく、系
列負荷制御により指示された値に従うモード）に切換わ
った際に軸に対する指令値を強制的にその時点での実出
力値（プラントの出力フィードバック）に切換えてしま
う回路である。

【０００５】本回路の効果を説明するに当たり、本回路
不在時の制御動作を説明する。系列負荷制御では、系列
として総合した出力を目標値に導くため、自動モードに
ない軸の発生した出力分については、予め目標値から差
し引いてしまう。この残った分を自動モードの軸数で割
り配分している。尚、系統への変動を抑制するため、引
き算の後に、変化率制限器を持たせている。

【０００６】従って特定軸が自動モードに切換わると、
引き算した結果の値は今まで自動モードでなかった軸の
出力分急変する。ところが、変化率制限器がこれを許さ
ないため、徐々に変化していく。その後で自動モードの
軸が増えた分だけ多い軸数で割り算するため、結果的に
各軸への出力指令が下がってしまい、出力もそれに合わ
せて減少してしまう。

【０００７】これを改善するために設けてあるのが、先
の切換回路であり、自動モードに切換わる軸が発生した
場合は、瞬時変化率制限器を動作停止し、実出力を目標
に置き換えることで、自動モードに切換わる軸が発生し
ても、各軸への指示値が前回値を維持出来る様にしてい
る。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】本発明では、系列の出
力が系列の目標値に到達していない時に、自動モードに
切換わる軸が発生した時の、出力の追従性を向上させる
ことを目的とする。

【０００９】従来技術では、自動モードへの切換が発生
した際に切換の変動による出力の変動を防止する様に回
路を設けていたが、これは、系列の出力が系列の目標値
に到達している場合にのみ有効であった。すなわち、系
列出力が目標値に到達している場合は、自動モードにな
った軸が発生すると自動モードになっている軸数の変化
により、新たに決定された各軸の目標に向かって各軸の
出力は変化する。これが自動モードに切り換わった軸の
出力変化分と元々自動モードであった軸の出力変化分を
相殺し合う様に働き、出力変動を抑制していた。

【００１０】ところが、系列の出力が目標値に到達して
いない場合を考えると、自動モードの軸数が変化した時
点で新たに決定された各軸指令は、自動モード軸の追加
で平均化されることを考えると、自動モードであった軸
の出力と自動モードでなかった軸の出力との間に設定さ
れることになる。そして、自動モードの軸は全てその同
じ軸の目標値から変化率に従い変化して、最終的には各
軸の出力がその値になることによって系列目標値になる
が、その経過においては、系列出力が目標値に到達して
いないにも係わらず、逆方向に向かう軸が存在すること
になる。

【００１１】従い、この動作を解消するのが目的であ
る。

【００１２】

【課題を解決するための手段】従来の制御法において追
従遅れとなる系列目標に対し、軸出力が逆方向に向かっ
てしまうことを防止するため、各軸への目標値と系列出
力との偏差分を算出し、これを従来の各軸への目標値に
加算する回路を追加する。

【００１３】即ち、系列出力と各軸目標値の偏差を検出
し、それを各軸への目標値として加える回路は、系列目
標値に対し系列出力が追従しようとする際に自動モード
に切換わる軸が発生しても、系列の出力変化率に応じた
追従を可能とする。

【００１４】

【発明の実施の形態】図１に系列負荷制御回路の概要を
示す。１０１は系列出力目標値と系列出力値を切換える
切換器であり、自動モードに切換わる軸が発生した場合
に一時的に系列出力目標値から系列出力値に切換える役
割を持つ。１０２の引算器は自動モード（制御下）にあ
る軸に求められる出力値を算出するため系列出力目標値
から自動モード以外の軸の出力値を差し引いている。変
化率制限器１０３は系列の出力が急変して系統電力が動
揺するのを防止する出力変化量の制限器であり、自動モ
ードに切換わる軸が発生した際は一時的に制限を停止す
る機能をもつ。また、割算器１０４では以上により算出
された自動モード軸への合計出力指令を各軸個別の指令
とするため、自動モード軸数で等分している。

【００１５】引算器１０５，割算器１０６，加算器１０
７，変化率制限器１０８が今回の発明にて付加した回路
である。引算器１０５は系列出力目標値と系列出力との
偏差を算出し、割算器１０６は自動モード軸数でこれを
割ることによって、軸の分担とする。この算出値を加算
器１０７で従来回路の指令値に加える。変化率制限器１
０８は追加回路による系列出力の急変を防止している。
これらにより、系列出力値が系列目標値に追従していな
い場合に、自動モードに切換わる軸が発生しても、系列
出力指令を按分した値を開始点として各軸への出力指令
が演算される。

【００１６】

【発明の効果】本発明によって系列出力目標と系列出力
とに偏差があり、自動モードに切換わる軸が発生した場
合の挙動が改善される。すなわち、現状の回路では切換
わり発生による自動モード軸数変化で、系列目標値と系
列出力との偏差に係わらず、新たに按分設定された各軸
の出力指令に向かって、各軸が追従していたのに対し、
本発明回路では、偏差が残っている際には、按分された
設定にこの偏差分をバイアスとして加えた値から、偏差
がなくなるに従い徐々に按分値になる様な各軸出力指令
を作成する回路に改善している。

【００１７】これにより、上記の様な切換え発生時の系
列出力目標へのより早い追従が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施である系列負荷制御回路。

【符号の説明】

１０５…引算器、１０６…割算器、１０７…加算器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】コンバインドサイクル発電プラントにおい
   て、出力変動範囲の運用性向上を図る系列負荷制御方
   式。