JPH0510096U - 車両の後方視認装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】リヤスポイラーを備えた乗用車において、デザ
インを損ねることなく、車両後方下部をルームミラーで
確認できるようにする。 【構成】センターステー10を介してトラックリッド６上
にリヤスポイラー７が支持される自動車１において、前
記センターステー10と一体に横断面が三角形であるプリ
ズム11を保持させた。前記プリズム11は、車両後方下部
の光画像を、ルームミラー３に向けて屈折させるもので
あり、運転者は、ルームミラー３及びプリズム11を介し
て車両後方下部の情報を確認することができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は車両の後方視認装置に関し、詳しくは、車両の後方下部を視認するた めの装置であって、特に乗用車に好適なものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、車両において運転者が後方を視認するための装置として、バックミ ラーが備えられている。このバックミラーは、車両の外側に取り付けられ主に車 両の側方及び後方を確認するアウトサイドミラー（フェンダーミラー又はドアミ ラー）と、車室内に設けられ主にリヤウインドを通して後方の状況を確認するイ ンサイドミラー（ルームミラー）との２つに大別され、これらのバックミラーに よって、車両の側方及び後方の外部情報を運転者が後を振り向かないで見ること ができ、また、運転席から直接視界でとらえられない死角部の情報を運転席に座 ったまま映像として運転者に提供することができるようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、前記ルームミラーやサイドミラーでは車両の後方下部を視認するこ とができず死角となるため、特に車両を後進させる場合には、障害物があったり 子供が隠れていたりすることに気づき難いという問題がある。特に、車高の高い １ボックスタイプの車両では、車両の後方下部の死角が大きくなるため、従来か ら、図３に示すように、後部ドア外側の上方に凸面鏡21を支持し、この凸面鏡21 に写る車両後方下部の像をインサイドミラー（ルームミラー）22で視認できるよ うにしているものがある。

【０００４】 このように、実用車である１ボックスタイプの車両においては、凸面鏡を後方 ドアに固定させることで特に不具合が生じないが、乗用車に同様な凸面鏡を設け ることは、車両のデザインを大きく損ねるという問題があり、１ボックスタイプ などに比べて死角が少ないこともあって、後方下部をインサイドミラーで確認で きるようにした装置を備えたものはなかった。

【０００５】 本考案は上記問題点に鑑みなされたものであり、乗用車におけるデザインを大 きく損ねることなく、車両後方下部をインサイドミラー（ルームミラー）で視認 できる後方視認装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

そのため本考案にかかる車両の後方視認装置は、車両のテール部にステーを介 して取り付けられるリヤスポイラーと車体本体との間隙の車体左右方向略中央に 、車両後方下部の光画像を車室内のルームミラーに向けて屈折させるプリズムを 設けて構成した。

【０００７】

【作用】

即ち、車両のテール部にステーを介してリヤスポイラーが取り付けられる場合 には、このリヤスポイラーと車体本体との間に間隙が発生するので、かかる間隙 を有効利用して、後方下部の光画像をルームミラーに向けて屈折させるためのプ リズムを目立たないようにリヤスポイラーと一体的にを設けられるようにしたも のである。

【０００８】 従って、外観デザインが重視される乗用車に好適であり、デザインを損ねるこ となく、後方下部の確認が行えるようになり、後進時の安全性が向上する。

【０００９】

【実施例】

以下に本考案の実施例を説明する。 本考案にかかる車両の後方視認装置の一実施例を示す図１及び図２において、 自動車（車両）１は、ボディー形態を２ドアクーペとする乗用車であり、フロン トウインドー２の内側の中央部上方にルームミラー３が支持されており、更に、 左右のドア４の外側には、それぞれドアミラー５が設けられており、運転者はこ れらのミラー３，５によって車両の後方及び側方の映像情報を得ることができる ようになっている。

【００１０】 また、前記自動車１のテール部、詳細には、トランクリッド６の後端部に、左 右方向に延設される板状のリヤスポイラー７が一対のサイドステー８，９及びセ ンターステー10を介して設けられている。 前記センターステー10は、三角形の横断面を有した棒状のプリズム11を一体的 に保持しており、前記プリズム11はリヤスポイラー７と車体本体（トランクリッ ド６）との間の間隙の車体左右方向略中央に設けられる構成となっている。

【００１１】 前記プリズム11は、図１に示すように、自動車１の前後方向の断面が三角形と なるよう保持されており、３つの端面のうちの１つの端面11ａが前記リヤスポイ ラー７の下面に略平行となり、車両前側の端面11ｂは車室内のルームミラー３に 向けられ、更に、残る車両後側の端面11ｃは、車両後方の下部に向けられるよう にしてある。

【００１２】 即ち、前記プリズム11は、車両後方下部の光画像を車室内のルームミラー３に 向けて屈折させるべく設けられたものであり、前記端面11ｂに写し出される車両 後方下部の光画像を、運転者はルームミラー３で確認することができるものであ る。従って、特に車両を後進させるときには、ルームミラー３やドアミラー５で 確認できない車両後方下部の情報を、前記プリズム11及びルームミラー３を介し て得ることができ、安全に車両を後進させることが可能となる。

【００１３】 また、上記のようにプリズム11をリヤスポイラー７と車体本体との間隙に設け る構成であれば、リヤスポイラー７と一体物のように設けることが可能であるた め、車両デザインを大きく損なうことがなく、本実施例のような２ドアクーペの ようなスポーティな車両にも適用が容易である。 即ち、前記プリズム11は車両左右方向から見えないように設けることができ、 また、例えば後続の車両から見た場合には、トランクリッド６付近が端面11ｃに 写し出されることになるから、プリズム11の存在を目立たなくすることが容易で あり、プリズム11を車両デザインの中に溶け込ませることが可能であり、乗用車 のように外観デザインが重視される車両であっても無理なく設けることができる ものである。

【００１４】 尚、前記プリズム11の端面11ｃを曲面で構成し、より広角に車両後方下部の像 を屈折させるようにすることもできる。 また、本実施例では、センターステー10と一体的にプリズム11を設けたが、例 えばリヤスポイラー７の下面に吊り下げるようにして支持させても良い。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によると、車両の後方下部の光画像をプリズムによ って屈折させてルームミラーで確認できるようにしたので、車両を後進させると きの安全性が向上すると共に、前記プリズムをリヤスポイラーと車体本体との間 隙の車体左右方向略中央に設けるようにしたので、プリズムを設けることで車両 デザインを大きく損なうことを回避でき、特に乗用車に好適であるという効果が ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す車両の側面図。

【図２】本考案の一実施例を示す車両の後面図。

【図３】１ボックスタイプの実用車における後方下部確
認用の凸面鏡を示す車両側面図。

【符号の説明】

１ 自動車 ３ ルームミラー ５ ドアミラー ６ トランクリッド ７ リヤスポイラー 10 センターステー 11 プリズム

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】車両のテール部にステーを介して取り付け
   られるリヤスポイラーと車体本体との間隙の車体左右方
   向略中央に、車両後方下部の光画像を車室内のルームミ
   ラーに向けて屈折させるプリズムを設けてなる車両の後
   方視認装置。