JPH0510018Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） この考案は除雪作業を行なう小型除雪機に係わ
り、特に除雪作業装置の高低調節を容易に行なう
ことができるようにした小型除雪機の高低調節装
置に関する。

（従来の技術） この種の小型除雪機は、第４図に示すように、
エンジン１を搭載した機体２の前方に除雪作業装
置３を、後方にハンドル４を備える一方、前記機
体２の中程はクローラ走行装置５のフレーム６
に、駆動軸７回りに回動自在に取付けられる。

この小型除雪機で除雪作業を行なう場合、ハン
ドル４を上下に操作して除雪作業装置３の地上高
さを調節するようになつており、この高低調節を
行なう従来の小型除雪機の高低調節装置８は、ハ
ンドル４に案内棒９をクロスさせて固定し、この
案内棒９をクローラ走行装置５のフレーム後端か
ら上方に延びる一対の調節部材１０，１０の長孔
にスライド自在に挿入し、外側から調節ナツト１
１，１１で締付けている（特開昭54−112524号公
報参照）。案内棒９の両端に螺装された調節ナツ
ト１１，１１を共締めすることにより、クローラ
走行装置５に対して機体２を任意の位置に締付固
定できるようになつている。

小型除雪機の高低調節装置として、実公昭40−
35611号公報に示されたものも開発されている。
この高低調節装置は機体２に連結板１３を固定
し、この連結板１３のスライド孔にクローラ走行
装置５のフレーム後部から上方に延びる調節ロツ
ド１４を挿入し、調節ナツト１５で締付けたもの
である。

（考案が解決しようとする問題点） この種の小型除雪機は、旋回時や後退時に除雪
作業装置３を持ち上げて動き易くするが、従来の
小型除雪機ではその都度調節ナツト１１，１５を
締付けたり、緩める作業を要し、操作性が悪く、
煩雑であつた。

また、除雪作業中には、雪の固着を防ぎ、雪の
取り込みを円滑に行なうために、除雪作業装置３
を上下に揺動させるが、この場合のハンドル４操
作に大きな操作力を必要とし、しかも操作性が悪
いため、除雪作業を効率的に行なうことが困難で
あつた。

この考案は上述した事情を考慮してなされたも
ので、除雪作業装置の高さ位置調節をワンタツチ
操作により簡単かつ瞬時に行なつて、操作性を向
上させ、除雪作業を効率的に行なうことができる
小型除雪機の高低調節装置を提供することを目的
とする。

この考案の他の目的は、除雪作業中に除雪作業
装置の上下の揺動を簡単に行なうことができ、除
雪効率を高めた小型除雪機の高低調節装置にあ
る。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） この考案に係る小型除雪機の高低調節装置は上
述した目的を達成するために、エンジンを搭載し
た機体の中程をクローラ走行装置に揺動自在に取
付け、上記機体の前方に除雪作業装置を、その後
方にハンドルを設けた小型除雪機において、前記
機体およびクローラ走行装置の一方の後部に連結
板を、その他方の後部に押圧ばねを介装した調節
ロツドをそれぞれ設け、上記連結板にスライド孔
を形成したストツパをスライド自在に支持し、上
記ストツパのスライド孔に調節ロツドを遊嵌させ
る一方、前記ストツパを軸方向にスライドさせる
スライド機構を連結リンク機構を介して操作レバ
ーに連結し、この操作レバーのレバー操作により
ストツパを調節ロツドのロツク位置と解放位置と
の間でスライド自在としたものである。

（作用） この小型除雪機の高低調節装置は、操作レバー
のワンタツチ操作により連結リンク機構およびス
ライド機構を介してストツパを軸方向にスライド
させ、このストツパを押圧ばねが介装された調節
ロツドのロツク位置を解放位置との間を選択的に
スライドさせることができる。そして、この操作
レバーのレバー操作によりストツパを軸方向にス
ライドさせて調節ロツドを簡単かつ容易にロツク
させたり、解放させることができるので、除雪作
業装置を任意の位置に簡単に移動させることがで
き、操作性を向上させる。しかも、除雪作業装置
の上下揺動をスムーズに行なうことができ、除雪
作業を能率的に行なうことができる。

（実施例） 以下、この考案に係る小型除雪機の高低調節装
置の一実施例について添付図面を参照して説明す
る。

第１図および第２図は除雪作業を行なう小型除
雪機を示すもので、この小型除雪機は、エンジン
２０を搭載した機体２１を備える。機体２１の前
方にはオーガ２２を有する除雪作業装置２３が、
その後方にハンドル２４および操作盤２５がそれ
ぞれ設けられる。

前記機体２１の中程はクローラ走行装置２６の
フレーム２７に揺動自在に取付けられる。具体的
には機体２１はクローラ走行装置２６に対し、そ
の駆動軸２８廻りに揺動自在に支持される。クロ
ーラ走行装置２６は駆動軸２８に軸装された駆動
輪２９と転動輪３０との間にクローラ３１が転動
自在に装荷される。転動輪３０はクローラ走行装
置２６のフレーム２７に支持された軸３２に回動
自在に支持される。

一方、クローラ走行装置２６のフレーム２７後
端部と機体２１との間に除雪作業装置２３の高さ
位置を調節する高低調節装置３５が設けられる。
この高低調節装置３５は機体２１に固定されたコ
字状をなす連結板３６を有し、この連結板３６の
水平方向の支持孔３７に第３図に示すように円筒
あるいは角筒をなすスリーブ状ストツパ３８がス
ライド自在に支持される。

ストツパ３８はスライド孔３９を穿設したボデ
イ部３８ａとこのボデイ部３８ａから側方に延び
るスクリユ部３８ｂとを一体に有し、ボデイ部３
８ａのスライド孔３９に調節ロツド４０がスライ
ド自在に遊嵌される。調節ロツド４０はクローラ
走行装置２６のフレーム２７後端部に立設され、
この調節ロツド４０に介装された押圧ばね４１に
より、機体２の後部を上方に常時押圧している。
符号４２は調節ロツド４０に装着された座金であ
る。

ストツパ３８はスライド機構４５により軸方向
にスライド自在に支持される。スライド機構４５
はストツパ３８のスクリユ部３８ｂと、このスク
リユ部３８ｂに螺装されるロツクナツト４６とか
ら構成される。このロツクナツト４６は鍔状フラ
ンジ４６ａを備え、このフランジ４６ａに操作レ
バー４７が連結リンク機構４８を介して連結され
る。操作レバー４７はハンドル４２の近くに設け
られ、レバー操作を容易にしている。

次に、小型除雪機の高低調節装置の作用を説明
する。

除雪作業装置２３の高さ位置調節を行なう場合
は、操作レバー４７のワンタツチ操作により連結
リンク機構４８を介してスライド機構４５のロツ
クナツド４６を回動させ、ストツパ３８をロツク
位置と解除位置との間で軸方向にスライドさせる
ことができる。ストツパ３８を軸方向に移動させ
て第３図に示すように持ち来たすことにより、調
節ロツド４０はスライド孔３９内でフリーにな
り、ロツク状態が解除される。ロツク状態を解除
することにより、除雪作業装置２３を任意の位置
に簡単かつ瞬時に移動させることができ、ハンド
ル操作による除雪作業装置２３の操作性を向上で
きる。また操作レバー４７の操作により、ロツク
ナツト４６が回動してストツパ３８を軸方向反対
方向、第３図において左方向に移動させて調節ロ
ツド４０を締付けることにより、調節ロツド４０
を容易にロツクさせることができる。

ロツク状態を解除した状態では押圧ばね４１の
ばね力より機体２１は上方に弾撥されたフリー状
態にセツトされるので、この状態でハンドル２４
を押し下げたり、押圧ばね４１のばね力で元に戻
すことにより、除雪作業装置２３の上下の揺動を
簡単に行なうことができる。したがつて、除雪作
業装置２３の操作性や作業性が向上し、除雪作業
中の雪の固着を防止し、雪の取り込みを円滑に行
なうことができる。

また、クローラ走行装置２６は押圧ばね４１の
ばね力により地面に押し付けられるので、その接
地圧を向上させ、牽引力を向上させることができ
る。

なお、この考案の一実施例では、連結板を機体
側に、調節ロツドをクローラ走行装置側に取付け
た例について説明したが、機体側に調節ロツド
を、クローラ走行装置に連結板をそれぞれ設けて
もよい。この場合には、ストツパのスクリユ部に
螺装されるロツクナツトは操作レバーに可撓性ワ
イヤ等を介して連結される。

また、この考案は小型除雪機だけでなく、耕運
機にも適用できる。

〔考案の効果〕

以上に述べたようにこの考案に係る小型除雪機
の高低調節装置は機体およびクローラ走行装置の
一方の後部に連結板を、その他方の後部に押圧ば
ねを介装した調節ロツドをそれぞれ設け、上記連
結板にスライド孔を形成したストツパをスライド
自在に支持し、上記ストツパのスライド孔に調節
ロツドを遊嵌させる一方、前記ストツパを軸方向
にスライドさせるスライド機構を連結リンク機構
を介して操作レバーに連結し、この操作レバーの
レバー操作によりストツパを調節ロツドのロツク
位置と解放位置との間でスライド自在としたか
ら、操作レバーのワンタツチレバー操作によりス
トツパをスライドさせ、ロツク作用とロツク解除
作用を選択的に行なうことができ、除雪作業装置
を任意の位置に簡単かつ瞬時移動させることがで
き、操作性を向上させて除雪作業を効率的に行な
うことができる。

また、操作レバーを操作してストツパをフリー
にすることにより、機体は押圧ばねのばね力で上
方に弾撥されたフリー状態にセツトされるので、
ハンドル操作と押圧ねのばね力とにより除雪作業
装置の上下の揺動を簡単かつ容易に行なうことが
でき、除雪作業中の雪の固着を防ぎ、雪の取り込
みを円滑に行なうことができ、また、クローラ走
行装置は押圧ばねにより地面に押付けられるの
で、接地圧が強くなり、牽引力が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る小型除雪機の高低調節
装置の一実施例を示す図、第２図は上記高低調節
装置を備えた小型除雪機を前方から見た斜視図、
第３図は上記高低調節装置の要部を示す図、第４
図は従来の小型除雪機を示す図、第５図は従来の
小型除雪機の高低調節装置を示す図である。 ２０……エンジン、２１……機体、２３……除
雪作業装置、２４……ハンドル、２５……操作
盤、２６……クローラ走行装置、２７……フレー
ム、３５……高低調節装置、３６……連結板、３
８……ストツパ、３８ａ……ボデイ部、３８ｂ…
…スクリユ部、３９……スライド孔、４０……調
節ロツド、４１……押圧ばね、４２……座金、４
５……スライド機構、４６……ロツクナツト、４
７……操作レバー、４８……連結リンク機構。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ エンジンを搭載した機体の中程をクローラ走
   行装置に揺動自在に取付け、上記機体の前方に
   除雪作業装置を、その後方にハンドルを設けた
   小型除雪機において、前記機体およびクローラ
   走行装置の一方の後部に連結板を、その他方の
   後部に押圧ばねを介装した調節ロツドをそれぞ
   れ設け、上記連結板にスライド孔を形成したス
   トツパをスライド自在に支持し、上記ストツパ
   のスライド孔に調節ロツドを遊嵌させる一方、
   前記ストツパを軸方向にスライドさせるスライ
   ド機構を連結リンク機構を介して操作レバーに
   連結し、この操作レバーのレバー操作によりス
   トツパを調節ロツドのロツク位置と解放位置と
   の間でスライド自在としたことを特徴とする小
   型除雪機の高低調節装置。 ２ スライド機構はストツパに一体成形されたス
   クリユ部とこのスクリユ部にねじ結合されるロ
   ツクナツトとを備え、このロツクナツトは連結
   リンク機構を介して操作レバーに連結された実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の小型除雪機
   の高低調節装置。 ３ 連結板はコ字状をなし、その支持孔にストツ
   パのボデイ部をスライド自在に支持した実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の小型除雪機の高
   低調節装置。 ４ 操作レバーはハンドルの近くに付設された実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の小型除雪機
   の高低調節装置。