JPH0498615A - 磁気記録テープ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、非磁性支持体上に塗膜型の磁性層を有する
ビデオテープ、オーディオテープなどの磁気記録テープ
に関する。

〔従来の技術〕

磁気記録素子としてｒ−Ｆｅ、Ｏ，、Ｆｅ、１０４、Ｃ
Ｏ含有ｒ−ＦｅｚＯ，などの酸化鉄系磁性粉末を用いた
一般的な磁気記録テープでは、磁性層中に上記磁性粉末
とともにカーボンブラックを配合するのが普通である。

このカーボンブラックは、磁性層の遮光性を高めて記録
再生機器の末端検出装置によるテープ末端検出性を向上
させるとともに、その導電性によって磁性層の表面の電
気抵抗を低くして帯電による磁性層表面への塵埃の付着
を防止する機能を果たし、さらに充填剤として磁性層の
強度を高める作用も示す。

〔発明が解決しようとする課題〕

ところで、近年では、この種磁気記録テープの高記録密
度化などの高性能化が求められ、これに伴って磁性粉末
を微粒子化するとともに、カーボンブラックを含めた非
磁性固形添加剤の配合量をできるだけ減らすことが必要
になっている。

しかしながら、とくにカーボンブラックの配合量の削減
は、テープの磁性層を有する部分の光透過率が増大して
末端検出の信頼性の低下につながるとともに、磁性層表
面の電気抵抗が増大して帯電による塵埃付着に伴うドロ
ップアウトの増加を招くことになる。

したがって、従来においては、テープの末端検出性を充
分に確保し、かつドロップアウトを少なくする上で、あ
る程度以上のカーボンブラックの配合を必要とし、この
ために再生出力などの電磁変換特性を前記の高性能化に
対処し得るほど改善できないという問題があった。

この発明は、上述の事情に鑑み、テープの末端検出性が
充分でかつ磁性層表面の電気抵抗が小さく、しかも再生
出力などの電磁変換性に著しくすぐれた磁気記録テープ
を提供することを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

この発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討
を行う過程で、まずカーボンブラックの配合量を少なく
してかつテープの光透過率および表面電気抵抗を低くす
るには、磁性粉末自体を遮光性および導電性にすぐれた
ものとする必要があるという観点から、Ｃｏ含有酸化鉄
磁性粉末に着目した。

すなわち、一般に、Ｃｏ含有酸化鉄磁性粉末では、核晶
の表面にコバルト化合物と第一鉄化合物を変性被着する
際に第一鉄化合物の被着量を多くすることにより、粒子
表層のＦｅ　ｊｅ量が多くなるためにとくに遮光性と導
電性が向上するとされている。

しかしながら、この発明者らの検討によれば、Ｃｏ含有
酸化鉄磁性粉末であっても核晶の種類によって性状が大
きく異なり、変性被着時のスラリーの分散性などから被
着量のＦｅｌ＋量を多くできなかったり、厚い被着量に
よってＦｅ　ｊｎ量が多くなる反面で粒子の針状比が低
下してテープとしたときに良好な電磁変換特性が得られ
ないなど、いずれも一長一短があってテープとして低い
光透過率および表面電気抵抗と高い電磁変換特性とを両
立させ得るものではなかった。

そこで、この発明者らは、さらに綿密な実験研究を重ね
た結果、Ｃｏ含有酸化鉄磁性粉末として、γ−Ｆｅ、Ｏ
ｓを部分還元したベルトライドまたはＦｅ３Ｏ４を核晶
として粒子表層のＦｅ１２が特定量以下である磁性粉末
と、ｒＦｅｚＯｚを核晶として粒子表層に特定量のＦｅ
χ゛を含む磁性粉末とを併用した場合に、光透過率が低
く良好な末端検出性を示すとともに表面電気抵抗が低く
塵埃付着を生じにくく、しかも出力などの電磁変換特性
に非常にすぐれた磁気記録テープが得られることを知り
、この発明をなすに至った。

すなわち、この発明は、非磁性支持体上にＣｏ含有酸化
鉄磁性粉末および結合剤を含む磁性層が形成されてなる
磁気記録テープにおいて、上記のＣｏ含有酸化鉄磁性粉
末として、ＦｅＯｘ（１，３３≦ｘ≦１．４）の組成を
有する核晶の表面にＦｅ露露台含有量粉末全体の０〜５
重量％となるＣｏ含有酸化物層を有する磁性粉末〔Ａ〕
と、ＦｅＯｘ（１，４＜ｘ≦１．５）の組成を有する核
晶の表面にＦｅ”含有量が粉末全体の６〜１０重量％と
なるＣｏ含有酸化物層を有する磁性粉末〔Ｂ〕とが併用
されていることを特徴とする磁気記録テープに係るもの
である。

また、この発明では、上記の磁性粉末〔Ａ〕／磁性粉末
〔Ｂ〕の重量比が２／８〜８／２の範囲にある構成を好
適な態様としている。

〔発明の構成・作用〕

この発明で使用する磁性粉末〔Ａ〕は、核晶がＦｅＯｘ
（１，３３≦ｘ≦１．４）の組成で示されるようにＦｅ
、０４ないしベルトライドからなるものであり、単独使
用では、テープに良好な出力特性が付与されるとともに
Ｆｅ、０４の性状から充分な遮光性も確保されるが、核
晶の磁気的凝集力が強く変性被着時にスラリーが分散し
にくいため、第一鉄化合物による被着量のｐ　ｅ　ｌ　
＋量が多くならず、その結果として磁性層の表面電気抵
抗が高くなって塵埃付着によるドロップアウトを多発し
やずいという難点を有する。

一方、磁性粉末〔Ｂ〕は、核晶がＦｅＯｘ（１゜４＜ｚ
≦１．５）の組成で示されるようにγ−Ｆｅ２Ｏ３から
なるものであり、変性付着時のスラリーの分散性が良好
であるため、被着層のＦｅ　２　＋量を多くしてテープ
化した際の磁性層の表面電気抵抗を低くすることが可能
であるが、飽和磁化（σＳ）が低いためにテープに充分
な電磁変換特性を付与できないという難点がある。

しかるに、この発明のように、上記の磁性粉末〔Ａ〕と
磁性粉末〔Ｂ〕とを併用した場合は、両者のそれぞれの
短所が補完し合って長所がともに活かされる結果、光透
過率が低く末端検出性にすぐれ、磁性層の表面電気抵抗
が低（ドロップアウトの少ない、しかも非常に良好な電
磁変換特性を示す磁気記録テープを提供できる。

なお、磁性粉末〔Ａ〕と同様の核晶上にＦｅ２゛含有量
が粉末全体の５重量％を超えるＣｏ含有酸化物層を有す
るＣｏ含有酸化鉄磁性粉末では、酸化物層被着時のスラ
リーの分散が極めて悪いために粉末粒子の均一性、針状
性に劣り、磁性粉末〔Ｂ〕と併用しても充分な電磁変換
特性が得られない。

また、磁性粉末〔Ｂ〕と同様の核晶上に形成されたＣｏ
含有酸化物層のＦｅ”含有量が粉末全体の６重量％未満
であるＣｏ含有酸化鉄磁性粉末では、磁性層の表面電気
抵抗を充分に低減できず、逆に上記のＦｅ　ｇ　＊含有
量が粉末全体の１０重量％を超えるものでは、粉末粒子
の均一性、針状性が悪いために磁性粉末〔Ａ〕と併用し
ても良好な電磁変換特性を付与できない。

磁性粉末〔Ａ〕と磁性粉末〔Ｂ〕との配合比率は、〔Ａ
〕／　〔Ｂ〕の重量比で２／８〜８／２の範囲が好まし
く、磁性粉末〔Ａ〕が少なすぎては高い飽和磁化（σＳ
）を有する成分の割合が少なくなるために充分な電磁変
換特性が得られず、逆に磁性粉末（Ｂ−）が少なすぎて
は導電性の高い成分の割合が少なくなるために磁性層表
面の電気抵抗を充分に低減できない。

このような磁性粉末〔Ａ〕、　　〔Ｂ〕のＣｏ含有酸化
物層の変性被着手段としては、とくに限定されず従来よ
りＣｏ含有酸化鉄磁性粉末の製造方法として知られる種
々の方法を採用できるが、簡易には、コバルト塩および
第一鉄塩の水溶液中に核晶を分散させ、この分散液中に
アルカリ水溶液を添加混合して反応させ、核晶上にコバ
ルト化合物および第一鉄化合物を沈殿被着し、これを取
り出して空気中で焼成して被着層を酸化物に転化させれ
ばよい。

また、このような磁性粉末［Ａ）、　　［Ｂ）としては
、焼結防止を始めとする種々の目的で表面部にＳｉ、　
Ａ１．　Ｃａ、　Ｔｉ、　Ｖ、　Ｎｉ、　Ｚｎ、　Ｐな
どの化合物が含有されたものであってもよい。

この発明の磁気記録テープを製造するには、常法に準じ
、上記磁性粉末〔Ａ〕、　　（Ｂｌと結合側と必要に応
じて配合される各種の添加剤を含む磁性塗料を調製し、
この磁性塗料をポリエステルフィルムなどの非磁性支持
体上に塗布し、磁場配向、乾燥して磁性層を形成し、カ
レンダー加工などの表面平滑処理を施した上で所定幅に
裁断してテープとすればよい。

上記の結合側としては、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重
合体、繊維業系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリロニ
トリル−ブタジェンゴム、スチレン−ブタジェンゴム、
ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルブ
チラール系樹脂、架橋側としてのイソシアネート化合物
、放射線硬化型樹脂などの従来より磁気記録媒体の磁性
層用として知られるものをいずれも使用でき、これらの
２種以上を併用してもよい。

各種の添加剤としては、潤滑剤、分散側、研摩剤、帯電
防止剤、充填側などがあり、これらは必要に応じて適宜
使用される。なお、帯電防止剤としては一般に遮光性効
果も併せ持つカーボンブラックが使用されるが、この発
明では既述のように磁性粉末自体が導電性と遮光性にす
ぐれることから、上記のカーボンブラックの使用量は従
来に比し非常に少なくできる。

〔発明の効果〕

この発明によれば、磁性粉末として特定の２種のＣＯ含
有酸化鉄磁性粉末を併用することから、磁性層中へのカ
ーボンブラックの配合量を非常に少なくあるいはゼロと
しても磁性層の光透過率および表面電気抵抗が充分に低
くなり、良好な末端検出性を示すとともに、塵埃付着に
よるドロップアウトが少なく、しかも近年の高性能化に
充分に対応するすぐれた電磁変換特性を発揮し得る磁気
記録テープを提供できる。

さらに、この発明の請求項（２）の構成によれば、上記
２種の磁性粉末の短所が補完されて長所が活かされる結
果、上記効果がより確実に発揮されるという利点がある
。

〔実施例〕

以下、この発明の実施例を比較例と対比して具体的に説
明する。なお、以下において部とあるのは重量部を意味
する。

また、以下の実施例および比較例で使用した１０種のＣ
ｏ含有酸化鉄磁性粉末Ａ１〜Ａ５およびＢ１−Ｂ５につ
いて、そのｐ　ｅ　ｇ　Ｏ被着量などの特性値を下記の
第１表に示す０表中、Ａ４．Ｂｌ。

Ｂ５はＦｅ”の被着量がこの発明の規定範囲を外れる磁
性粉末である。

実施例Ｉ Ｃｏ含有酸化鉄磁性粉末Ａ２　　７０部ＣＯ含有酸化鉄
磁性粉末Ｂ３　　３０部α−Ａｌｔｏｓ粉末　　　　　
　　　６部ステアリン酸亜鉛　　　　　　　　０．５部
シクロヘキサノン　　　　　　　　７０部トルエン　　
　　　　　　　　　　７０部上記の組成物を高速撹拌機
で混合したのち、サンドグラインダーミルで分散させ、
この分散液に下記の組成物； ミリスチン酸 シクロヘキサノン トルエン １部 ５５部 ５５部 を加えて混合したのち、１μｍの平均孔径を有するフィ
ルターを通して磁性塗料を調製した。この磁性塗料を公
称１４μｍ厚の配向ポリエステルフィルムの片面上に、
カレンダー処理後の厚みが３゜６μｍとなるように塗布
、磁場配向、乾燥して磁性層を形成し、さらにカレンダ
ー加工を施したのち、１．２７ｃｍ幅に裁断してビデオ
テープを作製した。

実施例２〜５．比較例１〜６ ＣＯ含有酸化鉄磁性粉末として後記の第２表に記載のも
のを表記部数で使用するとともに、磁性塗料中にカーボ
ンブラックを表記部数で添加するかあるいは添加せず、
他は実施例１と同様にして、ビデオテープを作製した。

これらの実施例および比較例の各ビデオテープについて
、ＲＦ比出力Ｙ−３／Ｎ、表面電気抵抗、光透過率をそ
れぞれ測定したところ、第２表で示す結果が得られた。

なお、各項目の測定方法はつぎのとおりである。

＜ＲＦ比出力Ｙ−３／Ｎ＞ ４　Ｍ　Ｈｚにおける譚度信号の出力およびＳ／Ｎを測
定し、比較例１のビデオテープの出力レベルを基準（Ｏ
ｄＢ）とす□る相対値にて示した。

〈表面電気抵抗〉 ビデオテープを１２．７ｍ間隔の２本の棒状金属製電極
に磁性面側で接するように掛け、このテプ両端に１６０
ｇの荷重をかけた上で、両電極間に直流５００ｖの電圧
を印加して抵抗値を測定した。

く光透過率〉 日本ビクター社製のテープオプティカルテスタＶＴ−Ｉ
Ｍにて測定した。なお、ＶＨＳビデオカセットシステム
磁気テープ規格として測定される光透過率の許容値は０
．８％以下である。

上記第２表の結果から、Ｃｏ含有酸化鉄磁性粉末として
被着層のＦｅｔ＋含有量がそれぞれこの発明の規定範囲
にあるＦｅ５０４またはベルトライドを核晶とする磁性
粉末とγ−Ｆｅａｒ３を核晶とする磁性粉末を併用した
この発明のビデオテブ（実施例１〜５）は、カーボンブ
ラックの配合量が極く少量あるいはゼロであっても、磁
性層の光透過率が充分に小さく良好な末端検出性を示す
とともに、表面電気抵抗が低く塵埃付着によるドロップ
アウトが少なく、しかも非常にすぐれた電磁変換特性を
発揮することが判る。

これに対し、上記陶磁性粉末の一方を単独で使用した従
来構成のビデオテープ（比較例１．２）では、磁性層の
導電性と電磁変換特性のいずれかが不充分てあり、とも
に高性能化に難があることが明らかである。また、前記
のＦｅｘＯａまたはベルトライドを核晶とする磁性粉末
とγ−Ｆｅ２Ｏ３を核晶とする磁性粉末を併用する場合
でも、これらの被着層のＦｅ”含有量がその一方でも規
定範囲外となるＣｏ含有酸化鉄磁性粉末を使用したビデ
オテープ（比較例３〜６）では、いずれもこの発明のも
のに比較して満足な結果が得られず、却って従来構成の
ものよりも性能的に劣る例があることが判る。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）非磁性支持体上にＣｏ含有酸化鉄磁性粉末および
   結合剤を含む磁性層が形成されてなる磁気記録テープに
   おいて、上記のＣｏ含有酸化鉄磁性粉末として、ＦｅＯ
   ｘ（１．３３≦ｘ≦１．４）の組成を有する核晶の表面
   にＦｅ＾２＾＋＾含有量が粉末全体の０〜５重量％とな
   るＣｏ含有酸化物層を有する磁性粉末〔Ａ〕と、ＦｅＯ
   ｘ（１．４＜ｘ≦１．５）の組成を有する核晶の表面に
   Ｆｅ＾２＾＋含有量が粉末全体の６〜１０重量％となる
   Ｃｏ含有酸化物層を有する磁性粉末〔Ｂ〕とが併用され
   ていることを特徴とする磁気記録テープ。
2. （２）磁性粉末〔Ａ〕／磁性粉末〔Ｂ〕の重量比が２／
   ８〜８／２の範囲にある請求項（１）に記載の磁気記録
   テープ。