JPH0497972A - アスベスト飛散防止用塗料組成物およびその製造方法 - Google Patents

アスベスト飛散防止用塗料組成物およびその製造方法

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JPH0497972A
JPH0497972A JP21207390A JP21207390A JPH0497972A JP H0497972 A JPH0497972 A JP H0497972A JP 21207390 A JP21207390 A JP 21207390A JP 21207390 A JP21207390 A JP 21207390A JP H0497972 A JPH0497972 A JP H0497972A
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asbestos
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、アスベストの飛散を防止するために用いられ
るアスベスト飛散防止用塗料組成物およびその製造方法
に関する。
[従来の技術と発明か解決しようとする課題]アスベス
トは、断熱材料、防火材料、吸音材料として建造物に多
量に使用されていた。しかし、近年、アスベストの人体
への有害性が問題となり、その使用が制限されている。
そして、既に施工されたアスベストについては、その除
去が要求されている。このような要求に応じるために、
種々のアスベスト除去方法または固化方法が提案されて
いる。例えば、特開平1−301571号公報には、ア
スベストを含有する層(以下、単に「アスベスト層」と
いう)の表面に、発泡性ケイ酸塩を混入した水性エマル
ジョン塗料を吹き付けるアスベスト飛散防止法が開示さ
れている。しかし、水性エマルジョン型塗料においては
、一般に、成膜性と、被膜の耐水性及び可撓性とを両立
させることが困難である。すなわち、この方法では、成
膜性を高めるために水性エマルジョン中のポリマー粒子
をガラス転移点の低いポリマーで構成する場合には、被
膜の耐水性が低下する。また、被膜が粘着性を有し、塵
芥が付着し易い。一方、ポリマー粒子のガラス転移点を
高くする場合には、成膜性が低下するたけでなく、被膜
の可撓性が低下し、クラックが生し易い。被膜にクラッ
クが生じると、アスベストが飛散する。
特開平1−160887号公報には、水性エマルジョン
に、保水性に優れたウレタンプレポリマーを添加したア
スベスト飛散防止剤を用いる方法が開示されている。こ
の方法は、ウレタンプレポリマーにより水分を保持して
、塗装作業中にアスベストが飛散するのを防止する。し
かし、この方法においても、水性エマルジョンを用いて
いるため、前記と同様の問題がある。さらに、保水性の
高いウレタンプレポリマーにより、塗布されたアスベス
ト飛散防止剤を長期間、湿潤状態とするため、被膜形成
までに長時間を要し、被膜形成過程で塵芥が付着し易い
また、水性エマルジョン型塗料組成物は、分散媒が水で
あるため、一般に、アスベスト層やアスベストを除去し
た基材面(以下、単に「アスベスト除去面」という)に
対する濡れ性及び浸透性が低い。このため、水性エマル
ジョン型塗料組成物により形成された被膜は、アスベス
ト層全体を同化できないだけでなく、アスベスト除去面
に対する密着性が小さい。従って、被膜がアスベスト層
やアスベスト除去面から剥離し、再びアスベストか飛散
する虞がある。
本発明の目的は、ガラス転移点の高いポリマを構成成分
としながらも、成膜性、被膜の可撓性及び耐水性が高く
、アスベスト層及びアスベスト除去面に対して優れた浸
透性及び密着性を示し、アスベストの飛散を防止できる
アスベスト飛散防止用塗料組成物を提供することにある
本発明の他の目的は、密着性、耐水性及び可撓性がさら
に優れた被膜を形成できるアスベスト飛散防止用塗料組
成物を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、上記の如き優れた特性を有
するアスベスト飛散防止用塗料組成物の製造方法を提供
することにある。
[発明の構成] 本発明者らは鋭意検討の結果、ガラス転移点の低いポリ
マーからなるコアと、ガラス転移点の高いポリマーから
なるシェルの最外層とを有するコア/シェル構造のポリ
マー粒子を含む水性エマルジョンに有機溶剤を添加する
と、成膜性、被膜の耐水性及び可撓性、アスベスト層及
びその除去面に対する浸透性及び密着性に優れ、アスベ
ストの飛散を防止できることを見出し、本発明を完成し
た。すなわち、本発明は、コアと、該コアを被覆する少
なくとも1つの層からなるシェルとで構成されたポリマ
ー粒子を含有する水性エマルジョン型塗料組成物であっ
て、前記コアがガラス転移点20℃以下のポリマーて形
成され、前記シェルの最外層がガラス転移点20℃を越
えるポリマーて形成され、かつ有機溶剤を含有するアス
ベスト飛散防止用塗料組成物を提供する。
また、本発明は、水媒体中で、組成の異なるモノマーを
多段に乳化重合し、得られた水性エマルジョンに少なく
とも有機溶剤を添加する方法であって、ガラス転移点が
20℃以下のポリマーを構成する少なくとも一種のモノ
マーを乳化重合し、得られた重合体エマルジョンの存在
下、乳化重合の少なくとも最終段階で、ガラス転移点が
20℃を越えるポリマーを構成する少なくとも一種のモ
ノマーを乳化重合するアスベスト飛散防止用塗料組成物
の製造方法を提供する。
本発明の塗料組成物に含まれる水性エマルジョンは、コ
アと、このコアを被覆する少なくとも1つの層からなる
シェルとで構成された多層構造のポリマー粒子を含む多
層構造エマルジョンである。
水性エマルジョンのポリマー粒子は、慣用のモノマー、
例えば、スチレン系モノマー、アクリレート、メタクリ
レート;酸性モノマー;ヒドロキシ基含有するモノマー
:アミド基を有するモノマーアミノ基を有する七ツマー
;グリシジル基を有するモノマー;N−メチロール基又
はN−アルコキシメチル基を有するモノマー;ビニル系
モノマーその他のモノマーを用いて調製できる。
スチレン系モノマーとしては、例えば、スチレン、α−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチ
レン、p−クロロスチレン、mクロロスチレン、p−メ
トキシスチレンなどが挙げられる。好ましいスチレン系
モノマーはスチレンである。
アクリレートおよびメタクリレートとしては、例えば、
メチルアクリレート、エチルアクリレト、プロピルアク
リレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレ
ート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレー
ト、ペンチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オ
クチルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート
、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、ステア
リルアクリレート、α−クロロエチルアクリレート、シ
クロへキシルアクリレート、フェニルアクリレート、メ
トキシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレー
ト、メトキンプロピルアクリレート、エトキシプロピル
アクリレートなどのアクリレートおよびこれらに対応す
るメタクリレートが挙げられる。好ましいアクリレート
およびメタクリレートは、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2エチルヘ
キシル及びこれに対応するメタクリ1−トである。
酸性モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリ
ル酸、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸半エステル
、マレイン酸、マレイン酸半エステルなどのカルボキシ
ル基を有するモノマー スルホン酸基を有するモノマー
なとか挙げられる。
好ましい酸性モノマーは、アクリル酸、メタクリル酸で
ある。
ヒドロキン基を有するモノマーとしては、例えば、2−
ヒドロキンエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート
、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキ
シプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメ
タクリレート、アリルアルコール、多価アルコールのモ
ノアクリル酸エステル、多価アルコールのモノメタクリ
ル酸エステルなどが挙げられる。
アミド基を有するモノマーとしては、例えば、アクリル
アミド、メタクリルアミド、マレインアミドなどが挙げ
られる。好ましいアミド基を有するモノマーは、アクリ
ルアミドである。
アミノ基を有するモノマーとしては、例えば、2−アミ
ノエチルアクリレート、3−アミノプロピルアクリレー
ト、ジメチルアミノエチルアクリレート、2−ブチルア
ミノエチルアクリレート、これに対応するメタクリレー
ト、ビニルピリジンなとか挙げられる。
前記グリシジル基を有するモノマーとしては、例えば、
グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、
アリルグリシジルエーテル、2以上のグリシジル基を有
するエポキシ化合物と、活性水素原子を有するモノマー
との反応により得られる七ツマ−やオリゴマーなどが挙
げられる。活性水素原子を有するモノマーとしては、例
えば、前記酸性モノマー ヒドロキシ基を有するモノマ
アミノ基を有するモノマーなどか挙げられる。
好ましいグリシジル基を有するモノマーは、グリシジル
アクリレート、グリシジルメタクリレートである。
N−メチロール基又はN−アルコキシメチル基を有する
モノマーとしては、N−メチロールアクリルアミド、N
−メトキシメチルアクリルアミド、N−エトキシメチル
アクリルアミド、N−プロポキシメチルアクリルアミド
、N−イソプロポキシメチルアクリルアミド、N−ブト
キシメチルアクリルアミド、これらに対応するメタクリ
ルアミドなとが挙げられる。これらのうち、好ましいモ
ノマーは、N−メチロールアクリルアミドである。
ビニル系モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、塩化
ビニル、カプロン酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バー
サチック酸ビニル等のVeoVaと総称されるビニル系
モノマー メチルビニルケトンなどが挙げられる。好ま
しいビニル系モノマーは、酢酸ビニル、Ve oVaで
ある。
その他のモノマーとしては、例えば、エチレン、ブタジ
ェン、イソプレン、クロロブレン、アクリロニトリル、
メタクリロニトリル、クロトンアルデヒド、ジエチルフ
マレート、ジプロピルフマレート、ジブチルフマレート
、ジ(2−エチルヘキシル)フマレートが挙げられる。
これらのうち、好ましいモノマーは、アクリロニトリル
、ジアルキルフマレートである。
水性エマルジョン中のポリマー粒子のコアは、ガラス転
移点20℃以下、好ましくは一80〜20℃、さらに好
ましくは一50〜0℃程度のポリマーで形成されている
。また、シェルの最外層は、ガラス転移点20℃を越え
るポリマー、好ましくはガラス転移点40℃〜130℃
、さらに好ましくは50〜110℃程度のポリマーで形
成されている。なお、シェルが多層のポリマーで形成さ
れている場合、コアと、シェルの最外層との間に介在す
るポリマー層のガラス転移点は、特に制限されず、例え
ば、ガラス転移点−50〜110℃程度である。また、
シェルがこのような構造を有する場合、コアとシェルの
最外層との間に介在するポリマー層の組成は連続的に変
化していてもよく、シェルの最外層は、介在するポリマ
ー層から連続的に変化した組成のポリマーで形成されて
いてもよい。
コア及びシェルは、ガラス転移点を容易に調整でき、か
つ多層構造のエマルジョンを容易に調製できるアクリル
系ポリマーまたはスチレン−アクリル系ポリマーで形成
されているのが好ましい。
前記ガラス転移点を有するコア及びシェルは、一種又は
二種以上のモノマーを組合せて乳化重合することにより
形成てきる。モノマーの組合せに際しては、通常、少な
くとも1種のハード成分モノマーと、少なくとも1種の
ソフト成分モノマーとが使用される。I\−ド成分モノ
マーとしては、ガラス転移点が70℃以上のホモポリマ
ーを構成するモノマー、例えば、アクリロニトリル、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸t−ブチル、スチレン
等が挙げられる。ソフト成分モノマーとしては、ガラス
転移点が0℃以下のホモポリマーを構成するのモノマー
、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アク
リル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−2−エチ
ルヘキシル等が挙げられる。
複数のモノマーを組合せてコアを形成する場合、ハード
成分モノマーとソフト成分モノマーとの割合は、例えば
、ハード成分モノマー10〜60重量%程度、ソフト成
分モノマー90〜40重量%程度である。ハード成分モ
ノマーの量が10重量%未満では被膜の耐水性が低下し
易く、60重量%を越えると被膜の可撓性が低下し易い
また、複数のモノマーを組合せてシェルの最外層を形成
する場合、ハード成分モノマーとソフト成分モノマーと
の割合は、例えば、ハード成分モノマー60〜100重
量%程度、ソフト成分モノマー40〜0重量%程度であ
る。ハード成分モノマーの量が60重量%未満では被膜
の耐水性、密着性が低下し易い。
七ツマ−は、実測したガラス転移点に基づいて選択して
もよく、下記のトボルスキ(Tobolsky)の計算
式により推定したガラス転移点に基づいて選択すること
もてきる。
1/Tg −Wa /Tga+Wb /Tgb+−=[
式中、Tg :共重合体のガラス転移点(K)T ga
 :モノマーaのホモポリマーのガラス転移点(K) T gb :モノマーbのホモポリマーのガラス転移点
(K) Wa:モノマーaの重量分率 Wb:モノマーbの重量分率] 被膜の密着性、耐水性及び可撓性を高めるためには、シ
ェルの少なくとも最外層を形成するポリマーは、架橋性
官能基を有するのが好ましい。さらに好ましくは、コア
およびシェルを構成する双方のポリマーは、架橋性官能
基を有する。架橋性官能基は、架橋性官能基を有するモ
ノマーを前記モノマーと共重合することにより導入でき
る。架橋性官能基を有するモノマーの量は、コア及び/
又はシェルの構成モノマー総量に対して、0.1〜20
重量%、好ましくは0.5〜15重量%程度である。架
橋性官能基を有する七ツマ−の量か0.1重量%未満て
は、形成された被膜の耐水性などがさほど向上せず、2
0重量%を越えると、被膜が硬質となる。
架橋性官能基を有するモノマーの種類は、架橋系を構成
できる限り特に限定されない。好ましい官能基を有する
七ツマ−は、自己架橋型ポリマーを形成するモノマー、
例えば、(1)少なくとも、グリシジル基を有するモノ
マーと、活性水素原子を有するモノマーとの組合せ、(
2)少なくとも、N−メチロール基またはN−アルコキ
シメチル基を有するモノマーである。前記活性水素原子
を有するモノマーとしては、例えば、カルボキシ基、ヒ
ドロキシ基、アミド基またはアミノ基を有するモノマー
などが例示される。
自己架橋型ポリマーを形成する七ツマ−としてはN−メ
チロールアクリルアミド;アクリル酸りリシジル又はメ
タクリル酸グリシジルと、カルボキシ基を有するモノマ
ー ヒドロキシ基を有するモノマーとの組合せが好まし
い。
さらに、エマルジョンの安定性を高めるためには、シェ
ルの少なくとも最外層、好ましくはコア及び/又はシェ
ルの双方の構成上ツマー総量に対して、酸性モノマーを
0.2〜8重量%共重合するのが好ましい。
前記構造のポリマー粒子を含むエマルジョンは、水媒体
中で、組成の異なるモノマーを多段に乳化重合する多段
重合法などにおいて、ガラス転移点か20℃以下のポリ
マーを構成する少なくとも一種のモノマーを乳化重合し
、得られた重合体エマルジョンの存在下、−乳化重合の
少なくとも最終段階で、ガラス転移点が20℃を越える
ポリマーを構成する少なくとも一種のモノマーを乳化重
合することにより調製できる。
より具体的には、例えば、コアと1つの層からなるシェ
ルとて構成された2層構造のポリマー粒子を含むエマル
ジョンを製造する場合には、先ず、コアを構成する少な
くとも1種のモノマーを、水媒体中で乳化重合し、得ら
れた重合体エマルジョンの存在下、シェルを構成する少
なくとも1種のモノマーを添加して乳化重合する二段重
合法により調製できる。多層構造のポリマー粒子を含む
エマルジョンを製造する場合には、前記と同様にしてコ
アを形成した後、得られた重合体エマルジョンの存在下
、構成の異なるモノマーを順次段階的にフィードして乳
化重合し、乳化重合の最終段階で、シェルの最外層を構
成する少なくとも1種のモノマーをフィードして乳化重
合するマルチステージ重合法により調製できる。さらに
、連続層構造のポリマー粒子を含むエマルジョンは、例
えば、前記と同様にしてコアを形成した後、ijlられ
た重合体エマルジョンの存在下、最終的にシェルの最外
層を構成するモノマー組成となるように、モノマー組成
を連続的に変化させなからフィードして重合するパワー
フィード重合法により調製できる。
なお、乳化重合に際しては、慣用成分、例えば、アニオ
ン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界
面活性剤、両性界面活性剤などの界面活性剤、および水
溶性ポリマー、水溶性オリゴマー等の保護コロイドから
選択された少なくとも一種の乳化剤;緩衝剤;重合開始
剤、連鎖移動剤などが使用できる。
前記のようにして得られた水性エマルジョンに、少なく
とも有機溶剤を添加することにより、本発明のアスベス
ト飛散防止用塗料組成物が得られる。
有機溶剤には、慣用の溶剤、例えば、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族系溶剤ニジクロヘキサンなどの
脂環族系溶剤:ヘキサンなどの脂肪族系溶剤;メチルア
ルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール
等のアルコール類;エチレンクリコール、アセチレング
リコール等の多価アルコール類;メチルセロソルブ、エ
チルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ系
溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;アセト
ン、メチルエチルケトン等のケトン類;これらの混合溶
剤などが挙げられる。
有機溶剤を添加すると、ガラス転移点の高いポリマーを
構成ポリマーとしているにも拘らず、成膜性、ひいては
耐水性及び可撓性を高めることができるだけでなく、塗
料組成物のアスベスト層及びアスベスト除去面に対する
浸透性及び密着性を高めることができる。有機溶剤の添
加量は、水性エマルジョンの固形分100重量部に対し
て、1〜20重量部、好ましくは2.5〜15重量部程
度である。有機溶剤の量が1重量部未満の場合には、ア
スベスト層及びアスベスト除去面への浸透性および密着
性が低下し、20重量部を越える場合には、臭気が強く
なったり、エマルジョンの安定性が損われる場合がある
本発明のアスベスト飛散防止用塗料組成物は、必要に応
じて、慣用の添加剤、例えば、可塑剤、着色剤、防錆剤
、分散剤、消泡剤、増粘剤、中和剤、防腐剤、凍結防止
剤等を含んでいてもよい。
可塑剤の添加量は、通常、水性エマルジョンの固形分1
00重量部に対して0〜15重量部、好ましくは1〜1
0重量部程度である。この可塑剤を添加することにより
、シェルを構成するポリマーのガラス転移点が高くても
成膜性及び可撓性を高めることができる。可塑剤として
は、例えば、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル等
のフタル酸エステル、トリクロルフォスフェート等のリ
ン酸エステル、2,2.4−1−リフチルペンタンジオ
−ルー1等が用いられる。
着色剤としては、有機系および無機系の染顔料か用いら
れる。その添加量は、通常、水性エマルジョンの固形分
100重量部に対して0〜40重量部、好ましくは2〜
30重量部程度である。
防錆剤の添加量は、通常、水性エマルジョンの固形分1
00重量部に対して0〜5重量部、好ましくは0.1〜
2重量部程度である。防錆剤を添加することにより、ア
スベスト除去面に露呈する鉄筋などの腐蝕を防止できる
分散剤の添加量は、通常、水性エマルジョンの固形分1
00重量部に対して0〜10重量部、好ましくは0.5
〜5重量部程度である。
これらの添加剤の添加順序および添加方法は、特に制限
されないが、着色剤は、予め水溶性ポリマーや界面活性
剤などの分散剤により分散させて、添加することができ
る。
本発明の塗料組成物は、アスベスト層及びアスベスト除
去面に、直接塗布することにより、アスベストの飛散を
防止する。塗料組成物の塗布は、通常の塗布方法、例え
ば、スプレー、刷毛、ローラー刷毛等の手段を利用して
行なうことができる。
水性エマルジョン中のポリマー粒子が架橋性官能基を有
する場合には、塗布後、硬化することにより、耐水性、
可撓性、密着性などに優れた被膜を形成できる。前記自
己架橋型ポリマー粒子を含むエマルジョン、特に常温硬
化型エマルジョンを用いる場合には、加熱することなく
、被膜を硬化させてもよい。
本発明のアスベスト飛散防止用塗料組成物は、体育館の
天井、講堂の天井、壁等のアスベスト層又はアスベスト
除去面に適用できる。
[発明の効果] 本発明のアスベスト飛散防止用塗料組成物は、特定の構
造のポリマー粒子を含むエマルジョンと有機溶剤とを含
有するので、ガラス転移点の高いポリマーを構成成分と
しながらも、成膜性、被膜の可撓性及び耐水性か高く、
アスベスト層及びアスベスト除去面に対する浸透性、密
着性に優れ、アスベストの飛散を防止できる。
また、水性エマルジョン中のポリマー粒子が架橋性官能
基を有する場合には、密着性、耐水性及び可撓性かさら
に優れた被膜を形成できる。
さらに、本発明の製造方法では、上記の如き優れた特性
を有するアスベスト飛散防止用塗料組成物が得られる。
[実施例] 以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明する
実施例1 水26重量部を入れたフラスコに、水20重量部、ポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル1重量部、ポリ
オキンエチレンラウリルスルフェート3重量部、スチレ
ン9重量部、アクリル酸ブチル21重量部、メタクリル
酸グリシジル1重量部、及びメタクリル酸0.3重量部
を混合した乳化液と、水4重量部及び過硫酸カリウム0
.2重量部からなる重合開始剤水溶液とを、窒素ガス雰
囲気中、逐次添加しながら、85℃で3時間乳化重合し
、重合体エマルジョンを得た。エマルジョン中のポリマ
ーのガラス転移点は一20℃である。
得られた重合体エマルジョンを90℃に昇温し、次いで
、ガラス転移点98℃のポリマーを形成するモノマー混
合液、すなわちスチレン11重量部、メタクリル酸グリ
シジル1重量部、及びメタクリル酸0.7重量部からな
るモノマー混合液を窒素ガス雰囲気中で逐次添加しなが
ら、2時間、乳化重合し、水性エマルジョンを得た。
得られた水性エマルジョンの固形分は約46重量%、粘
度は約200cps 、pH9,0であツタ。
この水性エマルジョンの固形分100重量部に対して、
有機溶剤としてブチルセロソルブアセテート5重量部、
可塑剤としてフタル酸ジブチル2重量部、着色顔料とし
て二酸化チタン15重量部、防錆剤としてヘキサメタリ
ン酸ナトリウム1重量部、分散剤としてトリポリリン酸
ナトリウム1重量部、消泡剤0,1重量部、増粘剤とし
てヒドロキシエチルセルロース0.1重量部、アンモニ
ア水0.1重量部、防腐剤としてポルマリン。、1重量
部、凍結防止剤としてエチレングリコール1重量部を添
加混合し、アスベスト飛散防止用塗料組成物を得た。
実施例2〜4 ブチルセロソルブアセテートに代えて、表iこ示す有機
溶剤を用いる以外、実施例1と同様にして、アスベスト
飛散防止用塗料組成物を得た。
比較例1 有機溶剤を添加することなく、実施例1と同様にして、
アスベスト飛散防止用塗料組成物を得た。
比較例2および3 水26重量部を入れたフラスコに、実施例〕て用いた全
モノマーの乳化液(水20重量部、ポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテル1重量部、ポリオキシエチレン
ラウリルスルフェート3重量部、スチレン20重量部、
アクリル酸ブチル21重量部、メタクリル酸グリシジル
2重量部、及びメタクリル酸1重量部)と、水4重量部
及び過硫酸カリウム屹 2重量部からなる重合開始剤水
溶液とを、窒素ガス雰囲気中、逐次添加しながら、85
℃で5時間乳化重合を行ない、水性エマルジョンを調製
した。
得られた水性エマルジョンに、表に示す量のブチルセロ
ソルブアセテートを添加する以外、実施例1と同様にし
て、アスベスト飛散防止用塗料組成物を得た。
実施例及び比較例で得られた用塗料組成物の密着性およ
び安定性を、以下の方法により評価した。
密着性 コンクリート板上に、実施例及び比較例で得られた塗料
組成物を、湿潤状態で0.3kg/ばとなるように、ス
プレーで塗布した後、常温で70間自然乾燥した。被膜
に布粘着テープの粘着面を貼付して、布粘着テープを剥
離する剥離テストを行った。被膜の剥離状態から、密着
性を以下の基準で評価した。
優:全く剥離しない 良:5%未満の剥離が認められる 可=5〜30%の剥離が認められる 不可二30%以上剥離する 安定性 ガラスビンに詰めた200gの塗料組成物を、60℃の
恒温槽中て、7日間放置し、高温安定性調べた。放置後
の組成物の状態を観察し、その安定性を、以下のような
基準で評価した。
優:組成物に変化は認められない 良:組成物の粘度が少し変化する 不可:組成物がゲル化する 結果を表に示す。
表より、本発明のアスベスト飛散防止用塗料組成物は、
比較例の塗料組成物よりも、密着性、高温安定性に優れ
ている。
なお、本発明のアスベスト飛散防止用塗料組成物は、ガ
ラス転移点の高いポリマーを構成ポリマとしているにも
拘らず、成膜性、被膜の耐水性および可撓性に優れてい
ると共に、被膜は塵芥により汚染されなかった。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、コアと少なくとも1つの層からなるシェルとで構成
    されたポリマー粒子を含有する水性エマルジョン型塗料
    組成物であって、前記コアがガラス転移点20℃以下の
    ポリマーで形成され、前記シェルの最外層がガラス転移
    点20℃を越えるポリマーで形成され、かつ有機溶剤を
    含有するアスベスト飛散防止用塗料組成物。 2、シェルの少なくとも最外層が架橋性官能基を有する
    請求項1記載のアスベスト飛散防止用塗料組成物。 3、水性エマルジョンの固形分100重量部に対して、
    有機溶剤1〜20重量部を含有する請求項1記載のアス
    ベスト飛散防止用塗料組成物。 4、水媒体中で、組成の異なるモノマーを多段に乳化重
    合し、得られた水性エマルジョンに少なくとも有機溶剤
    を添加する方法であって、ガラス転移点が20℃以下の
    ポリマーを構成する少なくとも一種のモノマーを乳化重
    合し、得られた重合体エマルジョンの存在下、乳化重合
    の少なくとも最終段階で、ガラス転移点が20℃を越え
    るポリマーを構成する少なくとも一種のモノマーを乳化
    重合するアスベスト飛散防止用塗料組成物の製造方法。
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