JPH049331Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、液体を収納する壜体に組付けられる
注出ポンプのためのオーバーキヤツプに関するも
のである。

〔従来の技術〕

壜体内に収納された液体を吸い上げて、注出し
或いは噴霧する装置として、壜体の口筒に注出ポ
ンプを組付けた構造が広く用いられている。

この注出ポンプの代表的な作品は、注出ポンプ
のノズルヘツドを押し下げることにより、ポンプ
ノズルから内容液を注出するものであり、押し下
げ力を解除することによりノズルヘツドが上昇復
帰して内容液を吸い上げ、次の操作の待機状態と
なるものである。

この構成では、ノズルヘツドが濫りに押し下が
ることのないように、例えばノズルヘツドを上昇
させ、或いは下降させた姿勢で回転させ、注出ポ
ンプの一部に係止させ、もつてノズルヘツドの濫
りな押し下げ動作が発生しないようにしているの
であるが、注出ポンプに何らかの外力が加わつて
ノズルヘツドが回転変位し、ノズルヘツドの注出
ポンプの一部に対する係止が不正に解除されてし
まうと言う不都合があつた。

また、注出ポンプにスペーサを取付けてノズル
ヘツドの下降変位を不能に保持する手段も考えら
れているが、可動部分であるノズルヘツドが露出
した状態で搬送、格納等の取扱いを受けるので、
ノズルヘツドへの機械的衝撃により注出ポンプの
機能に支障を生じると言う不都合があつた。

これらの不都合を解消する従来技術として、実
開昭60−41340号公報に示された技術がある。こ
の実開昭60−41340号公報に示された従来技術は、
注出ポンプの可動部分であるノズルヘツドにオー
バーキヤツプを被せるものであつて、オーバーキ
ヤツプは、小円筒壁と大円筒壁の一体物の一箇所
に、大円筒壁の下端から小円筒壁の上端にかけて
ガイド孔を切欠き形成し、このガイド孔の上端部
に横方向に延びるノズル固定孔を形成して構成さ
れており、ガイド孔内にポンプノズルを嵌入させ
た状態でノズルヘツドに被せると共に、ガイド孔
内のポンプノズルをノズル固定孔内に位置させる
ことにより、ノズルヘツドに外力としての押し下
げ力が直接作用するのを防止し、かつノズルヘツ
ドを機械的衝撃から保護するようにしている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記した従来技術によるオーバ
ーキヤツプを注出ポンプに自動組付けするに際し
て、オーバーキヤツプを注出ポンプに対して最大
で一回転させる必要があるので、オーバーキヤツ
プの注出ポンプに対する自動組付け装置のオーバ
ーキヤツプ保持機能部分の回転変位差動部分の構
成が複雑になると言う問題があつた。

また、このようにオーバーキヤツプを注出ポン
プに自動組付けするに際して、オーバーキヤツプ
を注出ポンプに対して最大で一回転させるので、
自動組付けに要する作業時間が比較的長くなり、
作業効率が悪いと言う問題があつた。

さらに、オーバーキヤツプの一つのガイド孔を
注出ポンプの一つのポンプノズルに正確に対向さ
せる必要があるので、ガイド孔とポンプノズルと
の対向したことを検出する手段が面倒となると言
う問題があつた。

そこで、本考案は、上記した従来技術における
問題点を解消すべく考案されたもので、オーバー
キヤツプを注出ポンプに自動組付けするに際し、
オーバーキヤツプを組付き可能な姿勢にすること
が容易であり、要求されるオーバーキヤツプの回
転変位量を少なくすることを技術的課題とし、も
つてオーバーキヤツプの注出ポンプに対する自動
組付け装置の構成を簡単化すると共に、この自動
組付け作業の作業効率を良くすることを目的とす
る。

〔課題を解決するための手段〕

上記技術的課題を解決する本考案の手段は、液
体を収納する壜体の口筒に固定キヤツプにより組
付けられる注出ポンプ用のオーバーキヤツプであ
ること、 注出ポンプのノズルヘツドから固定キヤツプに
かけて被せられる有頂筒体構造をしていること、 この有頂筒体の筒壁の中心軸芯に関して対称位
置に一対の切欠きを設けること、 この一対の切欠きは、筒壁の下端からほぼ全高
さ範囲にわたつて形成されると共に、ノズルヘツ
ドに側方に突出して設けられるポンプノズルの横
幅よりもやや大きい幅を有していること、 筒壁の内周面下端に、固定キヤツプの下端縁に
乗り越えて係止する引つ掛け片を設けること、 にある。

〔作用〕

オーバーキヤツプは、その切欠きを注出ポンプ
のポンプノズルに対向させた状態で、注出ポンプ
のノズルヘツドから固定キヤツプにかけて上方か
ら被せ、さらに引つ掛け片を固定キヤツプの下端
縁に乗り越えさせて係止させ、もつて注出ポンプ
に対する組付けが達成される。

オーバーキヤツプを注出ポンプに組付けた状態
では、オーバーキヤツプは不動部分である固定キ
ヤツプに組付いて固定された状態にあり、切欠き
から突出したポンプノズル部分を除いてノズルヘ
ツドの全体がオーバーキヤツプに覆われた状態と
なつている。

このため、オーバーキヤツプは、他の物品が衝
突する等の外力による機械的衝撃からノズルヘツ
ドを保護して、注出ポンプとしての機能の劣化発
生を防止し、かつ押し下げ力等の外力がノズルヘ
ツドに直接作用するのを阻止して、注出ポンプが
不正に注出動作を行うのを防止する。

注出ポンプを組付けた壜体は、その組立て工程
において、所定のラインに沿つて搬送されるが、
注出ポンプのポンプノズルは、自動組立て作業の
都合から、一般には搬送方向に沿つて前方、もし
くは後方に突出した姿勢となつている。

このように姿勢となつている注出ポンプに対し
てオーバーキヤツプを被せて組付ける際に、切欠
きを前方または後方に突出しているポンプノズル
に上方から正確に対向させる必要があるが、切欠
きが筒壁の対称箇所に一対設けられているで、こ
の切欠きを前後方向に位置させるだけで、オーバ
ーキヤツプの注出ポンプに対する正確な組付け姿
勢を得ることができる。

このオーバーキヤツプを注出ポンプに対して組
付け可能な姿勢にするに際して、オーバーキヤツ
プの一対の切欠きは前後方向に位置するので、搬
送されて来る注出ポンプにおけるポンプノズルの
突出方向を検出して確認する必要は全くない。

また、オーバーキヤツプを組付け可能な姿勢に
するに際して、切欠きが筒壁の対称位置に一対設
けられているので、保持したオーバーキヤツプを
組付き可能な姿勢にするのに要する回動変位は、
最大で半回転となる。

それゆえ、オーバーキヤツプを自動組付け可能
な姿勢であると正確に判断するのが簡単であると
共に、このオーバーキヤツプを自動組付け可能な
姿勢にする回動変位操作も簡単であるので、オー
バーキヤツプの自動組付けを達成する装置の構造
を簡単化できると共に、その自動組付け作業も良
好な作業効率で達成されることになる。

なお、ポンプノズルが前方または後方に正確に
突出していない場合でも、オーバーキヤツプを半
回転される内に一方の切欠きが必ずポンプノズル
に対向するので、オーバーキヤツプを速やかに組
付け可能な姿勢にすることができる。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を、図面を参照しなが
ら説明する。

壜体１は、その胴部が四角筒形状に成形されて
おり、胴部の上端に口筒を一体設して構成されて
いる。

ポンプノズル５を側方に突出させたノズルヘツ
ド４と固定キヤツプ３とから構成される注出ポン
プ２は、固定キヤツプ３により壜体１の口筒に螺
合組付けされる。

図示実施例の場合、ノズルヘツド４は、その平
面形状が、壜体１の胴部に合わせて四角形状とな
つており、同様にポンプノズル５も四角筒形状と
なつている。

オーバーキヤツプ６は、四角平板形状をした頂
壁８の周端縁から下方にゆくに従つて拡径した四
角筒形状をした筒壁７を垂設し、この筒壁７の四
つの平板状の壁部分の内の一対の壁部分の中央部
に切欠き９が形成されており、筒壁７の内周面下
端に設けられた引つ掛け片１０は、筒壁７の内周
面下端縁から内鍔状に突出形成されている。

このオーバーキヤツプ６は、外部からの機械的
衝撃に対してノズルヘツド４を機械的に保護する
機能を発揮する必要があることから、比較的硬質
な合成樹脂材料で一体成形されているので、全体
として剛性の高いものとなつているが、一対の切
欠き９が筒壁７の軸芯に関して対称位置に設けら
れているので、引つ掛け片１０が割り溝として機
能して、固定キヤツプ３の下端縁に係止する際の
弾性変形は円滑に無理なく達成される。

なお、図示実施例では、ノズルヘツド４を下降
限位置に自己保持した状態でオーバーキヤツプ６
を組付ける構造のものを示したが、このオーバー
キヤツプ６の組付けられる注出ポンプ２は、上記
したノズルヘツド４を下降限位置に自己保持する
ことのできる構成のものに限定されず、外力の作
用のない状態においてはノズルヘツド４が上昇限
位置に停止したままとなる通常の注出ポンプに対
しても利用することができる。

この場合、オーバーキヤツプ６の高さは、当然
のことながら大きくなるが、ノズルヘツド４の不
正な下降動作による注出を防止する効果は、より
高いものとなる。

〔考案の効果〕

本考案は、上記した構成となつているので、以
下に示す効果を奏する。

注出ポンプのノズルヘツドを、注出ポンプの固
定キヤツプに組付け固定されるオーバーキヤツプ
で覆うので、不都合な外力がノズルヘツドに直接
作用することがなく、これにより機械的衝撃によ
るノズルヘツドの機械的損傷の発生を防止するこ
とができると共に、不正に注出動作が行われるの
を防止することができ、もつて注出ポンプの安全
な搬送、格納および使用を得ることができる。

一対の切欠きが筒壁の対称位置に対向して形成
されているので、オーバーキヤツプの注出ポンプ
に対する自動組付けに際して、オーバーキヤツプ
が組付け可能な姿勢になつたことを検出するのが
簡単であると共に、オーバーキヤツプを組付け可
能な姿勢にする作業が簡単であり、もつてオーバ
ーキヤツプの注出ポンプに対する自動組付け作業
を、正確にかつ効率良く達成することができ、ま
たオーバーキヤツプを注出ポンプに自動組付けす
るための装置の構造を簡単化することができる。

筒壁の軸芯に関して対称に対向した箇所に、筒
壁の下端から上端部にかけて一対の切欠きを設け
たので、例えオーバーキヤツプ全体を硬質材料で
一体成形したとしても、両切欠きが割り溝として
機能して、引つ掛け片が設けられた筒壁下端開放
部の固定キヤツプ乗り越えのための弾性変形が容
易に達成でき、これによりオーバーキヤツプの注
出ポンプに対する着脱操作が容易となり、もつて
良好な使用形態を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す、壜体に組
付けられた注出ポンプに対して上方に位置させた
状態の全体外観斜視図である。第２図は、第１図
に示した実施例の底面図である。 符号の説明、１……壜体、２……注出ポンプ、
３……固定キヤツプ、４……ノズルヘツド、５…
…ポンプノズル、６……オーバーキヤツプ、７…
…筒壁、８……頂壁、９……切欠き、１０……引
つ掛け片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 液体を収納する壜体の口筒に固定キヤツプによ
   り組付けられる注出ポンプ用のオーバーキヤツプ
   であつて、前記注出ポンプのノズルヘツドから固
   定キヤツプにかけて被せられる有頂筒体の筒壁の
   中心軸芯に関して対称位置に、前記筒壁の下端か
   らほぼ全高さ範囲にわたつて、前記ノズルヘツド
   に側方に突出して設けられるポンプノズルの横幅
   よりもやや大きい幅の切欠きを一対設け、前記筒
   壁の内周面下端に、前記固定キヤツプの下端縁に
   乗り越えて係止する引つ掛け片を設けて成る注出
   ポンプ用オーバーキヤツプ。