JPH049252A - アモルファス合金薄帯の製造方法 - Google Patents

アモルファス合金薄帯の製造方法

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JPH049252A
JPH049252A JP11267790A JP11267790A JPH049252A JP H049252 A JPH049252 A JP H049252A JP 11267790 A JP11267790 A JP 11267790A JP 11267790 A JP11267790 A JP 11267790A JP H049252 A JPH049252 A JP H049252A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、高周波磁界において、優れた高透磁率特性な
いし高角形磁気特性を発揮するCO系アモルファス合金
薄帯の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、スイッチング電源のコモンモードチョークコイル
、磁気ヘッド、磁気センサー等の高透磁率材料には、フ
ェライトが、また、スイッチング電源の可飽和リアクト
ルやノイズアブソーバ等高角形比材料には、50 N 
i−F e合金ストリップよりなる巻磁心が、それぞれ
使われてきた。
フェライトは、渦電流損が少ない利点はあるが、飽和磁
束密度が低く、温度特性が悪いという欠点があった。ま
た、50 N i−F e合金は、飽和磁束密度が高く
、低周波数域における角形比は高いものの、渦電流損、
ヒステリシス損が大きく、高周波用途には対応できない
このため、フェライトに比して磁束密度が高く、50 
N i−F e合金など結晶金属に比して渦電流損を含
むコア損失が小さい高周波磁性材料として、アモルファ
ス磁性合金が有望視され、主に巻磁心として上記二様の
用途に実用されるようになった。
特にCOを主元素とし、これにFe、Ni、Mn等原子
の最外殻電子数がCoに近い元素を少量添加することに
よって、飽和磁歪定数を零に近づけたCO系のアモルフ
ァス合金は、保磁力が小さく、軟磁性材料として最も優
れた素材ということができる。CO系のアモルファス合
釡は、高周波帯域においても、電気抵抗が高くかつ10
〜50μmの薄肉リボンとして使用されることから、渦
電流損失が低くフェライトと同等以上の低損失特性を有
している。
上記磁歪が零ないし零に近いCO系アモルファス合金は
、キューリー温度以上、結晶化温度以下の温度で加熱保
持後、常温にlO℃/sec以上の冷却速度で急冷する
熱処理を施すことによって、透磁率を高めて、コモンモ
ードチョークコイル、磁気ヘッド、各種磁気センサーに
供したり、磁界中焼なまし一冷却処理によって磁路方向
に一軸異方性を付与して角形比を高め、可飽和リアクト
ルやノイズアブソーバ等に実用されている。なお、両用
途とも添加元素として、上記以外の広義の遷移金属元素
を一種以上含むことによって、熱的安定性を高めたり、
飽和磁歪定数を微細に調整することが行なわれている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術の中で、高透磁率化すること、および高角
形化することは、以下のようになされてきた。
すなわち組成的にはCoを主体とし、これに強磁性元素
としてFe、Ni、反強磁性元素Mnを適宜添加し、磁
気異方性の原因である磁歪を零ないし零に近づけること
、および熱処理による内部応力の除去の2点により種々
の高透磁率アモルファス合金が開発されてきた。前者の
組成に関しては、例えば、S、Ohnuma and 
T、’Masumoto :  “RapidlyQu
enched Metals III″(ed、B、c
antor、 The MetalsSociety、
 London 、1978) P、197.において
、Fe/(Go 十Fe)の原子比が5/100となる
Co−Fe−3i−B。
ないしCo−Fe−P−Bの合金では、はぼ飽和磁歪定
数が零となること、これら合金が良好な軟磁気特性を示
すことが示されている。また、Feばかりでなく、Ni
についても上記文献の中で提案され、Feの代わりにM
nによっても同様の効果が得られることが、H,R,H
ilzinger and W、Kung : J/M
agnJater、 15−18(1980) P、1
357.完納、榊間、広田:第3回日本応用磁気学会学
術講演概要集3 (1979)P、71に示されている
これらの磁歪零合金でも、より高透磁率の特性を得るに
は、磁区の固着化を回避しつつ焼なまし処理する必要が
ある。すなわち、−軸磁気異方性の生成を避けながら、
磁区の固着を取り除く熱処理として、キュリー点以上で
焼なましした後、急冷(水焼入など)する方法が有効で
ある。この指針は、H,FujiIIlori and
 T、Masumot、o:5upp1.Sci、Re
p。
RITU、A(1978) 、P、181によって実験
的に明らかにされた。この場合、キュリー点が結晶化温
度を越えていると、このような焼なましが不可能となる
ので、合金のキュリー点は結晶化温度よりも低くなけれ
ばならない。このため、ある一定程度飽和磁束密度の減
少を犠牲にして、C+B+P、Si、Geなど半金属含
有量を高めること、ないしは(: r 、 Mo IN
b等遷移金属を添加することなどがなされている。特に
後者の遷移金属の添加は、キュリー点の低下だけでなく
、一般に結晶化温度をも高めるので、より有効であり、
また軟磁性の熱的安定性を高める面でも効果的である。
これら磁歪零の高透磁率合金の実例としては、001%
、? F C4−s S l+v B rs + Co
、、、@F C4,2N14.2Si、。Bxo、 C
0g5.s Fe、、、Mo4.1si8BlalCO
@ B −* F ”4− s N i + −% N
 bz 、2 S i。0B1B1 Co、。
Mn、824等が挙げられる。これらの最適熱処理後の
IKHzにおける実効透磁率μ。1.は、各々55 X
 10’ 。
120 X 103,10 X 10’ 、26 X 
10’と報告されている。
〔出典は各々、高欄、藤森、増水:日本金属学会講演概
要(1977,4)P、393. S、Ohnoma 
and T、Masum。
to: ”Rapidly Quenched Met
als m”(ed、B、cantor。
The Metals 5ociet、y、 Lond
on 、1978) P、197.船越、金森、真鍋:
電子通信学会講演概要(1977) 1−221長谷川
、島貢、猪俣二日本金属学会講演概要(1978,4)
P72.金平、大沼、白用、井上、増本:日本金属学会
講演概要(1981,4)P、162による1以上が、
高透磁率化に関する従来技術であるが、磁区の固着化を
回避させる熱処理条件として、むしろ当初考えられたの
は、アモルファス巻磁心の磁路方向に磁場を印加しつつ
、キュリー温度以下で熱処理するいわゆる磁界生焼なま
しである。これは、磁界中では磁壁が存在しないので、
磁壁の固着化が起こり得ず、軟磁性が向上することに依
っている。しかし、この場合には、−軸磁気異方性が誘
発されるためB−Hヒステリシスループが角形性となり
、最大透磁率は高いが、初透磁率は大きくならない。し
たがって、磁化初期の急峻な立上がりを利用する高透磁
率用途には、磁界生焼なまし一冷却処理は適用されず、
むしろこの方法は、高角形性を積極的に利用して、スイ
ッチング電源の可飽和リアクトルやノイズアブソーバ等
へ適用されるように至った。
しかしながら、山内、吉沢、中高、宮崎:電気学会マグ
ネティクス研究会資料MAG−84−1,15(198
4)に指摘されるように、一般に高角形比となるとコア
損失が大きくなる。たとえば、80%以上の高い角形比
(Br/Bs280%)を維持しつつ、低損失化するに
は、磁歪原因による誘導異方性を排除する(すなわち飽
和磁歪定数を零とする)ことが前提となる。したがって
、組成的には、高角形比材料と高透磁率材料は、基本的
には同−範噂の組成か適用されている。具体的には、猪
俣、沢:電気学会全国大会シンポジウム[S、3] 、
5.3−1.7.1982に示された(Co。、、。F
e。、llNb0.C4)’1ssllBBIO合金な
どを挙げることができる。
本発明の課題は、これら磁歪の低いCo系アモルファス
合金の高透磁率ないし高角形比用途の合金の性能、特に
高周波磁性をさらに向上させようとするものである。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的に鑑み、鋭意検討の結果、本発明者は、いわゆ
る磁歪を零ないし零近傍に調整し、磁場中熱処理を施し
て高角形比と低損失特性を得る、あるいは高透磁率を得
るためキュリー温度以上結晶化温度以下の温度において
加熱保持後常温にlO℃/sec以上の冷却速度で急冷
する熱処理を施して実用に供されるCo系アモルファス
合金において、上記溶湯がノズルを介して、回転中のロ
ール表面に押し出され、該ロール表面で急冷凝固されて
薄帯となる際に、該ロール表面の温度が100 ’C以
上、かつ当該組成のアモルファス合金の結晶化温度Tx
より50°C低い温度(Tx−50)’C以下に制御さ
れて製造されることで、該Co系アモルファス合金の高
周波磁性が向上することを見出し、本発明に想到した。
すなわち本発明は、 一般式(Cot −a −b−[、N 1a F eb
MnJx T yMzここで、T:遷移金属。
M: C!  B +  P +  S L+ Geか
らなる元素の一種以上 X、  y、Zは原子%であって、 x+y+z=loo、O≦y≦8゜ 13≦z≦28 a、b、cは原子比であって、 O≦a≦0.20,0≦b≦0.20 0≦C≦0.20 で示される組成を有する溶湯をノズルを介して、回転中
のロール表面に供給し、該ロール表面で急冷凝固せしめ
る飽和磁歪定数±5×10″G以下のアモルファス合金
薄帯の製造方法であって、前記ロール表面の温度を10
0℃以上、かつ当該組成のアモルファス合金の結晶化温
度Txより50℃低い温度(Tx−50)’C以下に制
御することを特徴とするアモルファス合金薄帯の製造方
法である。
また、上記ロール表面の温度を、一定に維持すること、
特にロール表面が熱的平衡に至るまでの間、外部から該
ロール表面を加熱して、その温度を一定に維持すること
がより好ましく、そのための加熱手段として、赤外線輻
射加熱ヒーターを用いることが望ましい。
なお、本発明が対象とするアモルファス合金薄帯の板厚
は、単ロール法によって作製し得る範囲内であって、前
述のように10〜50μmである。実際上は、高周波帯
域での軟磁性の面では薄肉はど好ましいが、大気中で安
定して製造し得ることを考慮すれば、15〜25μmが
代表的な板厚範囲である。
また、上記板厚の薄帯を得るためのロールの回転速度は
、周速20 m /sec以上が必要であり、代表的に
は25−40 m /secである。
本発明において、ロール表面の温度を100’C以上、
かつ当該組成のアモルファス合金の結晶化温度Txより
50℃低い温度(Tx−50)’C以下とすることによ
って、急冷熱処理後の透磁率あるいは磁場中熱処理後の
角形比Br/Bmが向上し、かつ急冷凝固ままのアモル
ファス合金薄帯の靭性が向上する。ロール表面の温度の
相違によって得られるアモルファス合金薄帯の熱処理後
の高周波磁性が異なるメカニズムについて、明確なとこ
ろは解明されていないが、ロール表面の温度が100℃
未満と低い場合には、アモルファス合金薄帯のロール接
触面側の表面粗度が粗いとか、溶湯がロール表面に供給
されてからアモルファス薄帯となってロール表面から剥
離するまでのロール表面上の接触時間(密着時間)が短
いなどの現象が認められる。したがって、初期の微細な
ロール表面の凹凸に起因して、溶湯が凝固する間にロー
ル表面上に巻き込まれる気流が薄帯のロール接触面側の
気泡の痕跡となっているが、ロール表面温度が高い場合
には気泡の痕跡のサイズが小さく、故にロール表面温度
が低い場合に比べ溶湯の実効的な冷却が速くなっている
可能性がある。薄帯のロール表面上の接触時間(密着時
間)も気泡の大小による差と聞達していると思われる。
この点の傍証として、ロール表面粗度を細かく仕上げた
場合に、薄帯のロール表面上の接触時間(密着時間)が
長くなることを本発明者は確認している。
また、ロール表面温度を当該組成のアモルファス合金の
結晶化温度Txより50℃低い温度(Tx−50)℃以
下とすることは、急冷凝固ままでアモルファス構造を取
得する上で必須である。急冷凝固によりアモルファス構
造を得るには、当該組成のアモルファス形成のための臨
界冷却速度以上の冷却速度で冷却し、該組成のアモルフ
ァスのガラス化温度以下にもち来たす必要がある。しか
しながら、ガラス化温度は冷却速度に依存すること、厳
密にはガラス化温度は結晶化温度より低いのであるが、
アモルファス金属のガラス化温度は測定が困難でかつ測
定の容易な結晶化温度にほぼ等しいことから、アモルフ
ァス構造を形成するためのロール表面温度の上限は、そ
の該当組成の結晶化温度と考えられる。もっとも、結晶
化温度(ガラス化温度)以下であっても、長時間の恒温
加熱によって結晶化が進行するので、ロール上の冷却過
程によっては、凝固した薄帯のアモルファス化が阻害さ
れることもあり得る。本発明者の得た知見としては、ロ
ール表面温度を結晶化温度Txより50℃低い温度(T
x−50)’C以下とすれば、全部もしくは部分的な結
晶化および脆化を生じることなく所定の目的である高周
波磁性の向上を図ることができる。
上述のようなロール表面温度により最適熱処理を施した
後の高周波磁性に差異が生じることは、薄帯製造中のロ
ール表面温度の計測によって関連付けられる。ロールは
多くの場合、周速20 m /sec以上で高速回転し
ているため、非接触の放射温度計等により測定する。し
かしながら、通常アモルファス合金薄帯製造用のロール
は、前述のごとくロール接触面側の気泡の巻き込みを抑
制して実効的な冷却速度を高めること、およびこの要因
が薄帯の面粗さにも影響することから、鏡面に近い研磨
加工を施した金属製ロールであるために、その表面の放
射率は著しく低く、放射温度計による測定には細心の注
意が必要である。すなわち、測定サイトは、ノズル位置
近傍で出湯の反対側、薄帯の接触通過後の軌跡を測定す
るのが好ましいが、輻射の大きいノズル、るつぼないし
これを加熱するための高周波コイルが近く外乱が大きい
。また、ロールが静止している場合と回転している場合
でも放射率は異なる。このため、外乱防止のため、ロー
ル表面(信号発生面)からセンサ一部までを鏡筒当で保
護すること、黒体塗料を塗布したロール面を基準として
接触式温度計で較正すること(所定回転時と静止時の較
正も含む)、およびセンサーとしても薄帯の幅(測定対
象物)に見合った測定視野のものを選択することなどが
重要なポイントとなる。特に、ロール表面を含めて周囲
の熱気が直接センサ一部に当らない配慮が必要である。
単ロール溶湯急冷法による薄帯の冷却速度は、同一合金
の場合、主としてロールの熱伝導度、熱容量といったロ
ールの冷却能と、融体(当該合金の溶湯)の厚さにほぼ
依存するとされている。(たとえば、増車、銘木、藤森
、橋本:アモルファス金属の基礎、オーム社刊、198
2.P15)後者の溶湯の厚さは、溶湯の押出量とロー
ルの周速との相互関係で決まる。本発明の対象としてい
る磁歪が零に近い高周波用途のアモルファス合金薄帯の
板厚は15〜25μmであるが、巻磁心製造上最大でも
その板厚変動は±4μm内には制御される必要がある。
この程度の変動となるよう、ノズルのスリットサイズ、
溶湯の押出圧力、ノズル先端とロール表面間の距離、溶
湯の流動性、すなわち操作上は溶湯の温度などの要因に
より溶湯の押出量を制御すると共に、ロール周速を調整
して、板厚を一定とすることがなされている。しかしな
がら、ロール冷却能を定量的に示し得る因子は必ずしも
明確になっておらず、したがって薄帯の板厚、幅が決ま
っても、冷却速度の特定には困難がある。また冷却速度
の実測例も公表されておらず、少なくとも現実の製造諸
因子の影響を検証し得るような簡便な冷却速度(溶湯か
ら薄帯に凝固する過程の冷却曲N)の判定法も未確立な
状態である。
理想的には上述の溶湯の冷却曲線からアモルファス合金
の微細構造との関連、および微細構造と磁気的性質との
関連を把握する中で、製造諸因子と磁気的性質の相関が
明確にされるべきだか、現状ではそのような統一的指針
は得られていない。
本発明者は、ロール表面温度と得られたアモルファス合
金薄帯の熱処理後の高周波磁性に関係があることを知見
し、本発明に到ったものである。
本発明における、ロール表面温度とは、出湯前に予め制
御された温度ではなく、出湯中すなわち、ロール表面に
溶湯が供給され薄帯として凝固し、ロール表面から剥離
している間の溶湯(または薄帯)とロールとの相互間の
熱収支によって結果として決まるロール表面温度を指し
たものである。
出湯前の予めの制御は、ロール構造を内部循環冷却液に
よって冷却する構造とした上で、冷却液を一定温度に加
熱維持する方法、ヒーターをロール表面内部側に内蔵す
る方法、またはロール外部からの輻射、火炎、熱風など
の加熱による方法か採用し得る。しかし、溶湯流との接
触によって、薄帯製造中に表面温度は上昇し、熱的平衡
がとれる十分な冷却能を有するロールであれば、表面温
度は飽和に至る。したがって、出湯中のロール表面温度
は、出湯前のロール表面温度ばかりてなく、ロール上に
接触する溶湯流の熱容量、ロール冷却能(材質、構造な
どによる)等が総合された結果としてのパラメータであ
る。
また、アモルファス合金薄帯の品質の一様性確保の観点
から長手方向の位置によって磁気特性かばらつかないこ
とも要請される。このためには、ロール表面温度は時間
的に一定で変動しないことが望まれる。二〇のためには
、ロールの冷却能を大きくとることが基本で、出湯前の
ロール表面温度に体して、溶湯がロール面上に接触し始
めてから、ロール表面での溶湯とロールの入熱−脱熱の
バランスがとれて一定のロール表面温度となるまでの過
渡的時間を極力短くすることが肝要である。
さらに、過渡的時間を減少するには、この間、ロール表
面の外部加熱ないしは内部加熱により、熱的平衡を得た
一定値との差を補償する方法がとられることが好ましい
。加熱方法は前述した通り、種々の方法が可能だが、設
備的に最も簡便で有効なのは、回転しているロール表面
に直接輻射熱を与える方法である。高速回転しているロ
ール周回面には、高速気流が存在しているから、火炎に
よる加熱では炎を均一に当てること、および金属ロール
の酸化防止に配慮する必要がある。また、熱風による加
熱では、制御性は火炎より優れるが、高速気流を乱す傾
向があるので、この点には注意が必要である。これらに
比し、輻射熱によれば高速気流の影響をほとんど受けず
、制御し易く有効な加熱がなされ得る。
これらロール表面温度を高めて、その熱処理後の高周波
磁性が改善されるベースとなる組成の限定理由について
、以下に述べる。
前述のように、高周波における低損失を得るため磁歪は
、零ないし零に近いことが必要で、具体的には、+5 
X 10”内の飽和磁歪定数とすることが必要である。
そのためには、Go、 N i、 Fe、Mnの原子比
を適正となるように調整してやればよく、(Cot−a
−b−c Nia FebMnc)において、a、b。
Cとも各々0から0.26の範囲の組合せで実施するこ
とができる。a、b、cのいずれか一つ以上が0.20
を越えると飽和磁歪定数は+5 X 10′を越えて大
きくなる。
遷移元素Tとしては、3A、4A、5A、6A。
Mnを除< 7A、Fe、Co、Niを除く8族の元素
が含まれる。これらは、1種以上で合計8原子%以下ま
で含むことができるが、8原子%を越えると飽和磁化の
著しい減少ないしアモルファス形成が困難になる。
非金属元素Mは、Cr B +  P +  S i 
+ G eからなる一種以上が13原子%以上28原子
%以下含有される必要がある。
13原子%未満では、アモルファス形成が困難になり、
28原子%を越えるとアモルファス形成の困難性ととも
に飽和磁化の減少が著しくなる。また、これらC,B、
P+  si、Geは、通常の単ロール法の冷却速度]
0“〜106℃/secでは、単独でアモルファス形成
が可能なのはB、Pで、その他は2種以上の複合添加が
必要となる。総合的には、増車二「非晶質材料の特性と
応用J日本金属学会セミナ、 (1979) P、85
ニ示されテいルようl:5i−B(7)組合せが最も望
ましい。
〔実施例〕
以下、本発明の詳細を実施例により説明する。
実施例1 原子%で、(Co。、14 Feo、ojyz Nbs
 S its B+。
のアモルファス合金薄帯を製造した。
予め成分調整をした母合金を溶製しておき、これを石英
るつぼ内で再溶解して1300℃の溶湯とした後、0.
6mm厚さの矩形スリットから押出し、内部水冷構造を
有する500肛φのCr銅単ロールを周速30m1se
cで回転させ、この土で急冷凝固させ、5゜10.25
mm幅の19〜23μm厚さのアモルファス合金薄帯と
した。
ロール表面温度は、ロール内部を潤滑冷却する冷却水の
温度制御により初期ロール表面温度として第1表のよう
に変化させたが、得られた薄帯の幅によっても結果とし
て変動した。
−回に溶解・出湯した薄帯の重量は2.5kgとしたが
、ロール冷却能は十分高く、いずれの薄帯の幅において
も、全出湯時間の10〜20%経過後には、ロール表面
温度は一定値に至った。
ノズルは、ロール回転軸直上の最高位置から前方(薄帯
流れ方向)に10’の位置で鉛直方向に取り付けた。ロ
ール表面温度は、ロール回転軸直上の最高位置から後方
45°の位置で放射温度計により連続測定した。
薄帯は得られた薄帯幅をそのままとして外径22薗φ、
内径14mmφの形状に巻回し巻磁心とした後1巻磁心
の円周方向に800A/mの直流磁界を印加しつつ、4
50℃で1時間加熱後、200℃まで徐冷するパターン
で、磁場中熱処理を施した。磁界は、銅製の棒に巻磁心
をはめこみ、棒に電流を流す二とによって印加した。な
お、本合金のキュリー点Tcは約200℃、結晶化温度
Txは約550’Cである。
第1表に初期ロール表面温度をかえた各種幅の薄帯の、
出湯中熱平衡状態となったロール表面温度と、磁場中熱
処理後の巻磁心(各10ケの平均)の20KHzにおけ
るHeと、B r/ B 、。(B、。: Hm=80
A/mのB)を示した。
第1表 出湯中のロール表面温度が高いほど、Hcが低減し、B
r/Beeが向上するが、Br/B、。でその傾向が大
である。可飽和リアクトルやノイズアブソーバとして最
も重要なりr/B、。が95%以上という特性を満足す
るのは、N003〜6である。すなわち出湯中のロール
表面温度は、100℃以上であれば特性的に優れている
ことがわかる。
実施例2 実施例1と全く同様にして、原子%で、(G。
6.14 Fe11.@1)765lll B10のア
モルファス合金薄帯を製造し、6種類の巻磁心とし、こ
れに400℃で30分間加熱保保持水冷する熱処理を施
した。本合金のキューリー点Tcは約390℃、結晶化
温度Txは約430℃である。
第2表に、6種の薄帯の熱処理後の巻磁心(各10ケの
平均)の各周波数における実効透磁率μeを示す。
第2表 呂湯中のロール表面温度が高いほど、μ6が各周波数で
向上し、特にIKHzで効果が大きい。特にNo、3−
No、6では、10KHzまでのμeが高く、No、1
゜2では、明らかにμ。のレベルが低下する。すなわち
、出湯中のロール表面温度は、100℃以上であれば特
性的に優れていることがわかる。
実施例3 原子%で、(Co。、、、 Fe、、。、 Mn。、o
v)taL S11、B、の5圓幅のアモルファス合金
薄帯を実施例1と同様に製造するとともに、内部水冷の
冷却水だけでなく、これにロール外部から極く表層を赤
外線ヒータで加熱する方法を加えて、磁場中熱処理を同
様に施した巻磁心のの特性比較を行なった。
内部水冷および外部加熱とも、溶湯をロール上に押し出
す前から加熱を開始した。いずれも全出湯期間の10%
以内にロール表面温度は一定となった。初期加熱温度が
高いほど一定値に至るまでの時間は短い。
第3表に、結果として観測された出湯中のロール表面温
度(一定値となった後の温度)と、特性の結果を示す。
第3表 本合金のキュリー点Tcは約240’C1結晶化温度T
xは約530℃で、N o’、 8の出湯中のロール表
面温度490℃は、(Tx−40)’Cである。No、
8ではHeが大幅に上昇し、B r/ B 、。も大き
く低下している。
No、1〜4までは、出湯中のロール表面温度が高いほ
どHcが低減し、B r/ B 、。が向上するが、N
o、4の161℃以上では、あまり大きな向上はない。
すなわち、出湯中のロール表面温度はNo、3〜N o
、7の100℃以上、(Tx−50)’Cの範囲内で特
性的に優れていることがわかる。
実施例4 原子%で、(G o、。、ss Fe6.62M0O−
as)yaCr、5L14Blの5画幅のアモルファス
合金薄帯を実施例3と同様に製造し、これに470’C
で30分間の加熱保持後、水冷する熱処理を施した。
第4表に結果として観測された出湯中のロール表面温度
と特性の結果を示す。
第4表 本合金のキュリー点Tcは約150℃、結晶化温度Tx
は約580℃で、N098の出湯中のロール表面温度5
38℃は、(Tx−42)’Cである。N018ではF
eが各周波数で大幅に低下している。N011〜6まで
は、出湯中のロール表面温度が高いはどFeが上昇する
が、No、6.7では向上はない。以上から出湯中のロ
ール表面温度はN013〜No、7の100℃以上、(
Tx−50)”Cの範囲内で特性的に優れていることが
わかる。
〔発明の効果〕
本発明のアモルファス合金によれば、スイッチング電源
の可飽和リアクトルやノイズアブソーバなど高周波にお
ける高角形比が要求される用途、あるいはスイッチング
電源のコモンモードチョークや、磁気ヘッド、各種磁気
センサーなど、高周波における実効透磁率の高いことが
要求される用途で、優れた特性のコア材やセンサーが得
られ、l事件の表示 3補正をする 事件との関係 住  所 名  称 者

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式(Co_1_−_a_−_b_−_cNi_
    aFe_bMn_c)_XT_YM_Zここで、T:遷
    移金属、 M:C、B、P、Si、Geからなる元素の一種以上 x、y、zは原子%であって、 x+y+z=100、0≦y≦8、 13≦z≦28 a、b、cは原子比であって、 0≦a≦0.20、0≦b≦0.20 0≦c≦0.20 で示される組成を有する溶湯をノズルを介して、回転中
    のロール表面に供給し、該ロール表面で急冷凝固せしめ
    る飽和磁歪定数±5×10^−^6以下のアモルファス
    合金薄帯の製造方法であって、前記ロール表面の温度を
    、100℃以上、かつ当該組成のアモルファス合金の結
    晶化温度T_Xより50℃低い温度(T_X−50)℃
    以下に制御することを特徴とするアモルファス合金薄帯
    の製造方法。 2 ロール表面の温度を、100℃以上、かつ当該組成
    のアモルファス合金の結晶化温度T_Xより50℃低い
    温度(T_X−50)℃以下の一定温度に維持すること
    を特徴とする請求項1に記載のアモルファス合金薄帯の
    製造方法。 3 回転中のロール表面に溶湯をノズルから供給開始と
    同時ないしは供給開始以前から、前記ロール表面が熱的
    平衡を得てその温度が一定値に至るまでの間、ロールの
    外部ないし内部から該ロール表面を加熱して、その温度
    をほぼ一定に維持することを特徴とする請求項2に記載
    のアモルファス合金薄帯の製造方法。 4 外部からロール表面を加熱する手段として、赤外線
    輻射加熱ヒーターを用いることを特徴とする請求項3に
    記載のアモルファス合金薄帯の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002541331A (ja) 1999-04-12 2002-12-03 アライドシグナル インコーポレイテッド 高周波用途のための磁性ガラス状合金
CN114515822A (zh) * 2020-11-18 2022-05-20 安泰非晶科技有限责任公司 一种非晶纳米晶合金带材及其制备方法

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