JPH0483861A - ブレーキロータのアーク溶射用線材 - Google Patents

ブレーキロータのアーク溶射用線材

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JPH0483861A
JPH0483861A JP2195653A JP19565390A JPH0483861A JP H0483861 A JPH0483861 A JP H0483861A JP 2195653 A JP2195653 A JP 2195653A JP 19565390 A JP19565390 A JP 19565390A JP H0483861 A JPH0483861 A JP H0483861A
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健二 下田
Takahiro Satou
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、アーク溶射により車両のプレーキロル夕の溶
射対象表面に溶射層を形成するために用いられる溶射用
線材に係り、特に銅(Cu)と、Fe−Cr−c系合金
が混合した複合溶射層を形成するに好適なブレーキロー
タのアーク溶射用線材に関する。
[従来の技術] 従来、アーク溶射により溶射対象表面に異種材料か混合
した溶射層を形成する技術としては、例えば車両のブレ
ーキロータ摺動面の耐熱性、耐摩耗性を向上させるため
に用いられるものか知られている。この場合、異種材料
よりなる溶射用線材として、例えば銅(Cu)線とFe
−Cr−C合金線とを撚り合せたものを用いてアーク溶
射法で銅(Cu)とFe−Cr−C合金とか混った溶射
層をブレーキロータの溶射対象表面に形成することが有
効であることが知られている。
また、特開昭6C)−238468号、実開昭61−8
2955号等の公開公報には、溶射用線材として中空線
材と、中空線材の中空部に中空線材と異なる材料の線材
を同芯的に充填した構成が開小されている。
[発明が解決しようとする課題] (1)アーク溶射では前記材料が異なる複数の線材を同
芯的に組合わせたり、撚り合わされた溶射用線材を用い
た場合、通電に伴って各線材を流れる電流が不安定とな
りアークの発生が不安定になり易く、スパッタ(不完全
溶融粒子)を発生させる。そして、溶射中に発生したス
パッタがブレーキロータの溶射対象物表面に形成された
溶射層中に含まれると、溶射層の一部が剥離したりして
、その耐久性か悪くなる。
また、例えば異種材料として銅と、[e−CrC合金よ
り形成された溶射層の耐摩耗性をざらに向上させるため
に、 (2)溶射層中のFe−Cr−C合金の量を多くすると
、この分、銅の量か少なくなり溶射層の熱伝達率が低下
し、かつ放熱効果も低下し耐熱性が悪くなる。このため
、 (3)Fe−Cr−C合金の量を多くせずに、この合金
中のcr、cの配合量を多くして硬度を上げることによ
り耐摩耗性を向上させることが考えられるが、この場合
には、アーク溶射時に用いるFe−Cr−C合金製の線
材を形成することが困難となるという問題があった。
本発明は上記従来の問題点を解決した溶射用線材を提供
することを目的とする。
1課題を解決するための手段] 本発明のブレーキロータのアーク溶射用線材は、アーク
溶射によりブレーキロータの表面に溶射層を形成するた
めに用いられる溶射用線材であって、銅製の中空線材と
、前記中空線材の中空部に充填された粒状のFe−Cr
−C系合金粉末とより構成されたことを特徴とする。
銅製の中空線材は、例えば純銅や、銅の組成比率を多く
した銅合金等の金属を用いることができる。なお、銅合
金を用いる場合には、溶射層の熱伝達率を向上し、かつ
放熱効果を得て耐熱性を向上するため、可及的に銅の比
率の多いものを用いることが好ましい。銅製の中空線材
の外径および内径は、目的に応じて種々、設定した値の
ものを用いることかできる。例えば銅製の中空線材は、
外径が9〜11mm、内径か4〜6mm、のちのを用い
ることかできる。この中空線材は、その中空部に、粒状
のFe−Cr−C系合金粉末を充填した後、数回に分け
、アーク溶射に適する値の外径に伸線化され溶射用線材
として形成される。
Fe−Cr−C系合金粉末は、前記銅製の中空線材に粒
状で充填され、アーク溶射時に中空線材を構成する銅と
溶融、混合され複合溶射層か形成される。この合金粉末
は、平均粒径が40〜150μmのものを用いることか
できる。なあ、前記平均粒径は、銅製の中空線材の中空
部への充填性か良いことおよび溶射時のスパッタの発生
を少なく保つ必要があることから110C1未満のもの
を用いることが好ましい。
また、合金粉末の形状は、種々のものを用いることがで
きるが充填性を向上させるため、球形のものを用いるこ
とが好ましい。前記合金粉末を銅製の中空線材の中空部
に充填する場合の充填率は、80〜90%とすることが
できる。
さらに、アーク溶射によりブレーキロータ溶射対象表面
に形成された溶射層を構成する成分組成の比率は、前記
中空線材の外径と内径との比と、その中空部に充填され
る合金粉末の量および充填率とを変更することにより、
目的に応じ種々設定することかできる。
[作用および効果] 本発明のブレーキロータのアーク溶射用線材は、アーク
溶射によりブレーキロータの表面に溶射層を形成するた
めに用いられ、銅製の中空線材と、前記中空線材の中空
部に充填された粒状のFeCr−C系合金粉末とより構
成されている。
このため耐摩耗性に優れ合金線となりにくく、合金率か
制限されているFe−cr−c系合金を線材化しなくて
済み、また線材化したものを撚り合わせて使用しなくて
済むので、撚り合わせたものを溶射用線材として用いる
ことにより発生するスパッタを解消できる。すなわち、
Fe−CrC系合金を線材としてではなく、粉末として
用いることができるため、スパッタの発生が、線材とし
て用いたものに比較して大巾に減少でき、溶射後、形成
された溶射層は実用に耐える。また、Fe−Cr−c系
合金中のOrおよびCの組成比率を自由に変更した溶射
層が得られるめ、ブレーキロータの性能設計の自由度を
向上できる。例えば、Fe−Cr−C系合金中のCrお
よびCの組成比率を高めることにより、溶射層の耐摩耗
性を向上させ得るため、溶射層の組成中Fe−Cr−C
系合金の比率を少なく抑えることができ、かつこの分、
放熱効果が良好な銅の比率を多くすることができ、溶射
層の熱伝導か良好となりブレーキの効きを向上できる。
従って本発明のブレーキロータのアーク溶射用線材によ
れば、溶射層中の銅の量を減少させることなく、Fe−
Cr−C系合金中のCrおよびCの組成比率を自由に組
合せることにより、溶射層の成分組成の比率を自由に変
化させることができ、耐熱性および耐摩耗性を向上させ
ブレーキロータに適した溶射層を得ることができる。
[実施例] 以下、本発明に係るブレーキロータのアーク溶射用線材
の実施例を図面を参照して説明する。
実施例の溶射用線材1Aは、その成形用素材1として第
1図に示すように銅(Cu)製の中空線材10と、中空
線材10の中空部100に充填された粒状のFe−60
Cr−7C合金粉末(Jy、下、合金粉末と称す)11
とより構成されたものが伸線化されて形成される。なあ
、この溶射用線材1Aは、溶射後の溶射層3中の銅と、
Fe−60Cr−7Cの配合比率が7:3となるように
、予じめ下記のように外径d]値および内径d2値が設
定された中空線材10と、平均粒怪値および充填率が設
定された合金粉末11か用いられる。中空線材10は、
外径d1が’l□mm、内径d2が5mm、肉厚が2.
5mmのものが用いられる。
合金粉末11は、平均粒径が100μm以下の球状粒と
して製造されたものか用意される。そしてこの合金粉末
1つは、前記中空線材10の中空部100に充填率か8
5%となるように1000kgf/Cm2の圧力で圧入
される。
引続き前記合金粉末11か圧入された中空線材1Qは、
4回に分けて伸線化され、伸線化後の外径が1.6mm
、内径が1.0mmで合金粉末11の充填率が85%の
溶射用線材1Aを得た。
次いてこの溶射用線材1Aを用いてアーク溶射するに先
立ち、母材として鋼板(JISによる545C)製のブ
レーキロータ本体2が用意される。
このブレーキロータ本体2は、第2図に断面図として示
すように、中心軸Pを中心とする回転時に図略のブレー
キパッドが両垂直面側で摺接するリング状摺動部20を
備えている。そしてこのリング状摺動部20の両垂直面
側が機械加工により研削された2つの加工面21.21
にそれぞれ前記溶射用線材1Aがアーク溶射法で溶射さ
れる。
なお溶射条件は(メテコ4R1電流20OA、電圧30
V、吹付は圧力9O−90pS i 、溶射層@100
mm) である。
そして中空線材10の銅よりなる溶射積層粒子と合金粉
末11の溶射積層粒子とが7対3の比率で積層された厚
さが約1mmの溶射層3が形成された。
このようにして形成された溶射層3は、溶射時にスパッ
タを形成しないため、ブレーキロータ本体2に対し接着
力が強く、耐剥離性を向上できる。
また溶9A層3を形成する材料が銅と、Fe−60Cr
−7Cとよりなり、その配合比率が7:3で構成されて
いるので、耐熱性a3J−ひ耐食性を向上でさる。また
、プレー:1目 夕本体2の回転時に溶射層3の表面を
ブレーキパッドが当接する摺動面30として使用された
時、摩擦係数が高くてブレーキ効率が良く、かつ摩擦係
数か高いのにかかわらず、その摩耗量が少ないといった
効果を呈する。
(比較例) 本実施例の溶射用線材1Aを用いて溶射層3を形成した
場合の効果を明確にするため、実施例の溶射用線材1A
と、比較例として用いた2つのテストサンプル(以下、
それぞれ比較例1、比較例2と称すa)における溶射用
線材をそれぞれ後で述べる試験に供し、その結果として
摩耗係数の比較および摩擦量の比較をそれぞれ第4図お
よび第5図に示す。
比較例1は、直径が1.6#の銅製線材と、5US42
0製線材とを溶射用線材として用い、溶射対象表面とし
て実施例と同じブレーキロータ本体2のリング状摺動部
20の加工面21.21に同じ条件で溶射し、溶射層中
の銅と5US420との比率を5:5としたものである
また、比較例2は、直径0.8#の銅製線材と、5US
420とを撚り合せたものを溶射用線材として用い比較
例1と同じように溶射し、溶射層中の銅と5US420
との比率を7:3としたものである。
そして実施例と、比較例1、比較例2の3者の溶射用線
材によりそれぞれ形成された溶射層をもつブレーキロー
タに対しスパッタ発生状況を評価するとともに、ブレー
キの性能評価として、下記条件のロータ耐摩耗性試験、
ブレーキ効力試験(摩擦係数で評価〉を実施した。
(a)ロータ耐摩耗性試験条件 速度: 1100k/H−+Okm/l−1減速度:0
.3G ブレーキイン温度:50’C 制動回数: 1000回 相手材:セミメタ系パッド (b)効力試験条件 速度: 1100k、/H−+Okm/H減速度:0.
6G ブレーキイン温度二65℃ 相手材:セミメタ系パッド (評価) 上記試験の結果、実施例の溶射用線材を用いた場合には
、摩擦係数が比較例1の0.3μより高い0.4μ以上
(第4図参照)でプレー二Fの効き性能が良好であり、
かつこれに係わらず摩耗量か比較例1.2の3Qμm、
40μmに対し1/′2以下の’15f1m(第5図参
照)と少なく、耐摩耗性に優れていることか判明した。
比較例1は、摩耗量か30.czm(第5図参照)でや
や良好である。しかし摩擦係数が0.3μ(第4図参照
)と低くブレーキ効き性能が悪い。
また、比較例2は、摩擦係数が0.4μ以上(第4図参
照)でブレーキ効き性能が良好である。
しかし摩耗量が40μm(第5図参照)で耐摩耗性が悪
い。
また、比較例1.2の溶射用線材を用いて溶射したもの
は、第6図に示すように溶射層3形成時にその表面30
に発生させたスパッタ4をもつため、上記試験終了後、
第7図の示すようにスパッタ4を起点とした線状の摩耗
痕40が発生していることが確認されたが、実施例の場
合には、前記線状の摩耗痕40の発生は確認されなかっ
た。
なお、前記実施例では銅製の中空線材の中空部に圧入さ
れる合金粉末かFe−60Cr−7C合金製でおる場合
について説明したが、CrおよびCの組成比率は、前記
、比率に限定されるものではなく、自由に設定すること
かできる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は、本発明に係るブレーキロータのアー
ク溶射用線材の実施例の説明図で、第1図は溶射用線材
を形成するための素材を示す斜視図、第2図は、溶射用
線材を用いて溶射対象物としてブレーキロータ本体に溶
射し溶射層を形成する状態を示す断面図、第3図は、ブ
レーキロータ本体に形成された溶射層を示す部分拡大断
面図である。第4図および第5図は、実施例と、比較例
1、比較例2どの摩擦係数の比較および摩耗量の比較を
示すグラフである。第6図は、比較例1.2による溶射
層の表面にスパッタが発生した状態を示す部分拡大断面
図、第7図は、比較例1.2におけるスパッタを起点す
る線状の摩耗痕の発生を小す正面図である。 1・・・素材      1A・・・溶射用線材10・
・・銅(Cu)製の中空線材 11・ Fe−60Cr−7C合金粉末100・・・中
空部 2・・・ブレーキロータ本体 20・・・リング状摺動部 3・・・溶射層     30・・・摺動面特許出願人
  トヨタ自動車株式会社

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)アーク溶射によりブレーキロータの表面に溶射層
    を形成するために用いられる溶射用線材であって、 銅製の中空線材と、前記中空線材の中空部に充填された
    粒状のFe−Cr−C系合金粉末とより構成されたこと
    を特徴とするブレーキロータのアーク溶射用線材。
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