JPS6288827A - デイスクロ−タ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はディスクブレーキに使用されるディスクロータ
（ブレーキディスク）に関し、詳しくは金属製ディスク
ロータの少なくとも摺動面に耐摩耗性、耐熱性材料から
なる溶射層が形成されたディスクロータに関する。

〔従来の技術〕

自動車等のブレーキとしてディスクブレーキが多用され
ている。このディスクブレーキの構成部品の一つがディ
スクロータであり、ディスクブレーキで制動作用をさせ
るためにパッドが押しつけられる円板状の部品である。

このディスクロータは、比較的大きな部品であり、従来
はアルミニウム合金、鋳鉄、鋼等の金属を用いて本体を
作製し、パッドが当接する摺動面に鉄系材料等をプラズ
マ溶射して耐摩耗性、耐熱性等の特性を持たしていた（
例えば、Ｉ　ｎｄｕｓｔｒｉａｌ　Ｈｅａｔｉｎｇ　：
　１９８５年２月刊、Ｐ４５）。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところで、車両が制動を行う場合、車両の持つ運動エネ
ルギの殆どは、ディスクロータとパッドの圧接により発
生する熱エネルギに変換され、溶射層、ディスクロータ
本体を経由して外部に放出されるが、気孔が存在すると
熱伝導性が阻害される。しかるに、通常の溶射層は、そ
の製造法に起因して４％〜８％の気孔を有する。この結
果、ディスクロータの表面温度が過度に上昇し、ディス
クロータが熱変形したり、ヘアークラックが発生するこ
とがある。

そこで、ン容量を施すディスクロータにおいて、熱伝導
性を改善する工夫が求められていた。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題は、次に述べる本発明のディスクロータによっ
て解決される。

即ち、本発明のディスクロータは、少なくとも摺動面に
耐摩耗性、耐熱性材料からなる溶射層が形成されたディ
スクロータであって、 前記溶射層と母材との間に熱伝導性の良好な中間層が形
成されていることを特徴としている。

本発明において、ディスクロータ本体の材料としてはア
ルミニウム合金、鋳鉄、鋼等の金属を用いることができ
、ディスクロータはこれらを用いて鋳造、プレス、機械
加工等の適宜手段で成形される。

この金属製ディスクロータの少なくとも摺動面には、熱
伝導性に優れた材料、例えば銅または銅合金からなる中
間層が形成される。この中間層のｊ￥さは、溶射層の厚
さの１１５〜１とするのが望ましい。ここで、中間層の
厚さを溶射層の厚さの１１５〜１としたのは、１１５よ
り薄いと所望の熱伝導性改良効果が得られないためであ
り、溶射層より厚くしても熱伝導性はそれ以上よくはな
らず、経済上好ましくないからである。この中間層は、
メッキ、溶射等の適宜方法で形成することができる。

この金属製ディスクロータの中間層の上には、耐摩耗性
、耐熱性に優れた材料からなる溶射層が形成される。こ
こで、耐摩耗性、耐熱性に優れた材料としては、例えば
Ｆｅ−Ｃｒ系合金、Ｎｌ系合金、ＣＯ系合金等を用いる
ことができる。

このＦｅ−Ｃｒ系合金としては、重量％でクロム：１０
％〜４０％、炭素：１％〜８％、モリブデン、ニッケル
、タングステン、ボロン、珪素のうちの１種もしくは２
種以上の合計：５％〜２０％および残部鉄からなる組成
のものが好ましい。

ここで、クロムは炭素と結合して硬いクロム炭化物を生
成させ耐摩耗性を向上させるために添加する。このクロ
ムを１０％〜４０％としたのは、１０％未満では所望の
耐摩耗性が十分得られず、一方４０％を超えると耐熱衝
撃性が低下し、かつ経済上好ましくないからである。

また、炭素はタングステン、モリブデン等と結合して炭
化物を形成し、耐摩耗性を向上させるために添加する。

この炭素を１％〜８％としたのは、１％未満では所望の
耐摩耗性が得られず、一方８％を超えると耐衝撃性が低
下するからである。

モリブデン、ニッケル、タングステン、ボロン、珪素は
、耐摩耗性および耐熱性を向上させるために添加する。

ここで、これらの合計を５％〜２０％としたのは、５％
未満では所望の耐摩耗性、耐熱性が得られず、また２０
％を超えると経済上好ましくないからである。

このＦｅ−Ｃｒ系合金等は、溶射によりディスクロータ
の中間層の上に被着されるが、特にプラズマ溶射が密着
性等の関係で望ましい。

ディスクロータ本体に中間層および溶射層を形成後、研
磨を行い、所定形状、所定寸法に仕上げる。

〔作用〕

本発明によれば、ディスクロータ本体と溶射層の間に熱
伝導性の良好な中間層を形成したため、摩擦により溶射
層表面に発生した熱は、迅速に中間層に伝達される。こ
の結果、溶射層の表面温度の上昇が抑えられ、ディスク
ロータの熱変形やクランクの発生が防止される。

〔実施例〕

次に、本発明の実施例を図面を参考にして説明する。

ここで、第１図は本発明の実施例に係るディスクロータ
の概略構成図、第２図は本発明および比較例で得られた
ディスクロータの制動時間とディスクロータの表面温度
の関係を示すグラフである。

まず、ねずみ鋳鉄（ＪＩＳ　　Ｆｅ１２）を用いて、外
径２５０Ｉのディスクロータ本体１を鋳造した。得られ
たディスクロータ本体１の摺動面に、電気メッキにより
銅からなる中間層２を１００μｍ形成した。続いて、重
量％でＦｅ：３６％、Ｃｒ：５０％、Ｃ：４％、Ｍｏ：
１０％の混合粉末をプラズマ溶射して、溶射層３を５０
０μｍ形成した。次いで、研磨を行い、溶射Ｎ３の厚さ
が４００μｍとなるように仕上げ加工して、第１図に示
すようなディスクロータＡを得た。

（比較例） 実施例と異なる点は、中間層を形成することなく、ディ
スクロータの摺動面に直接溶射層を形成したことにあり
、他は実質的に実施例と同様にしてディスクロータＢを
製造した。

（比較試験） 実施例と比較例で得られたディスクロータＡ、Ｂを用い
、次の条件で評価試験を行った。

まず、相手材としてセミメタリック系のパッドを使用し
、速度１１００ｋ／Ｈとしたものを減速度０．４５　Ｇ
で制動してディスクロータの表面温度の変化を調べた。

この結果を第２図に示す。第２図より明らかなように、
本実施例のディスクロータＡ（第２図にＡで示す。以下
、同じ）は、比較例で得られたディスクロータＢより最
高温度が約５０度低くなっていることが判る。　次に、
耐久試験を行った。即ち、次の条件でディスクロータの
溶射層の表面にヘアークラックが発生するまでの制動回
数を調べた。

耐久試験条件 車速：　１８０　ｋｍ／Ｈ−Ｏｋｍ／Ｈ減速度：　０．
４５　Ｇ ブレーキイン温度＝１２０℃ この結果、比較例のディスクロータＢは制動回数１６０
回でヘアークラックの発生が見られたが、本実施例で得
られたディスクロータＡは、−３００回の制動試験でも
なんらヘアークラックの発生は認められなかった。

以上、本発明の特定の実施例について説明したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲内において種々の実施態様を包含するものである。

〔発明の効果〕

以上より、本発明のディスクロータによれば、熱伝導性
が良くなるため、溶射層の表面温度の上昇を抑えること
ができる。この結果、溶射層の熱変形が減少すると共に
、耐久性が向上するという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例に係るディスクロータの概略構
成図、 第２図は本発明および比較例で得られたディスクロータ
の制動時間とディスクロータの表面温度の関係を示すグ
ラフである。 ■・−・−・・ディスクロータ本体 ２・−・−中間層 ３・・−・−溶射層 Ａ−・・−ディスクロータ 出願人　　トヨタ自動車株式会社 第１図 第２図 弗り動時間　（ｓｅｃ）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）少なくとも摺動面に耐摩耗性、耐熱性材料からな
   る溶射層が形成されたディスクロータであって、 前記溶射層と母材との間に熱伝導性の良好な中間層が形
   成されていることを特徴とするディスクロータ。