JPH048354B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はボビンの抜取装置に関する。

従来の技術 精紡上りの精紡ボビンを巻返し工程の自動ワイ
ンダーへ供給するシステムとして、精紡ボビンを
ペグを有するボビントレイに直立に挿立して一本
毎に独立してワインデイングユニツトに供給し、
空ボビンをボビントレイに挿立したまゝワインデ
イングユニツトから排出し、空ボビンをボビント
レイから抜取り、再び精紡ボビンを空のボビント
レイに供給しワインダーへ搬送するシステムを出
願人は先に出願した。

このようなシステムにおいて、空ボビンをボビ
ントレイから抜取る際、昇降するボビンチヤツク
の把持片がボビンの頭部を把持し、上昇位置で把
持を解き、所定のシユート等へ落下させるタイプ
がある。

発明が解決しようとする問題点 このようなタイプにおいては、ボビンチヤツク
は一定量のストロークで昇降するため、ボビンの
大きさ、即ちボビン長さが異なる場合、一般には
200〜300mmの長さであるがボビンチヤツクの昇降
ストロークを変更する必要があるとか、ボビンの
先端が位置ズレしている場合にはチヤツクミスを
生じる恐れがあるという問題点があり、さらに
は、ボビンチヤツクの運動が下降→把持→上昇→
解放という工程を含み、単位時間当りのボビン処
理量も高々20〜30本／分である。

本発明は上記問題点を解決することを目的とす
るものである。

更に、走行するボビントレイから空ボビンを抜
き取る際に、残糸のあるボビンを排出することを
目的とするものである。

問題を解決するための手段 本発明装置は、トレイに挿立したボビンの軸方
向上方に向けて搬送面が走行し一端部がボビンを
挟持可能な位置にあるベルトと、ベルト搬送面に
対して平行に接離可能に支持されスプリング力に
よりベルトとの間でボビンを挟持するベルト走行
方向に沿つて複数配設されたガイド板と、上流側
ガイド板に設置されたボビンの残糸フイーラと、
その残糸検知により下流側ガイド板をベルトから
離す方向に旋回させる装置と、ベルト搬送面に対
して接離可能に支持されボビンをベルトとの間に
挟持して抜き取る押圧ローラとよりなり、各ガイ
ド板及び押圧ローラがトレイに挿立したボビンの
搬送路を挟んでベルトの反対側に配されているも
のである。

作 用 ボビントレイ上のボビンは、ベルトとベルト押
接ガイド間に狭まれた状態で、ベルトの回動に伴
い、トレイから抜取られて上昇し、所定の排出路
へ移送される。その際、残糸のあるボビンは、中
間のシユートへ排出される。

実施例 以下、本発明装置を図面に従つて説明する。

第１図において、ボビン抜取りおよび搬送用の
無端ベルト１が上下方向に回動自在に上プーリ２
と下プーリ３間にかけられ、該ベルト１の搬送面
４に沿つて、該搬送面に対向する側に、分割され
たボビン押接ガイド板５，６，７が開閉自在に設
けられ、ベルト１の回動に伴い、第４図の如く、
ボビン８がベルト１とガイド板５，６，７間に挟
まれた状態で抜取られ昇挙される。

上記ベルト１を支持する上プーリ２は固定フレ
ーム９に支持されるモータ１０の出力軸１１に固
定され（第５図）、一方、下プーリ３は、フレー
ム１２，１３間に支持された軸１４に上端を枢支
された可動ブラケツト１５の下端に軸支１６され
ている。１７，１８はテンシヨンプーリである。
上記ベルト１の搬送面４は第１図実線状態では、
ほぼ垂直である。上記下プーリ３を支持した可動
ブラケツト１５にはロータリソレノイド１９の軸
２０と一体のレバー２１の一端が連結したロツド
２２の一端が連結され、ロータリソレノイド１９
の作動により、下プーリ３は二点鎖線位置３ａと
実線位置３間を移動する。なお、上記ベルト１の
搬送面の裏側には、第１，４図示のように、ベル
トのガイド板２３が固定的に配置され、ベルトの
たわみを防止している。即ち、上記ガイド板２３
は断面が第４図示の支持材２４に固定金具２５に
より支持部材２６に挟持されている。なお、支持
部材２４の一部２７は、仕切板２８によりモータ
１０、ソレノイド２９等の電線用通し孔として形
成してある。

また第１図示のベルト１の中間位置には軸１４
に二腕レバー３０が枢支され、レバーの一端には
ベルト１裏面を押圧するプーリ３１、他端にはフ
レーム１２に連るスプリング３２が係止され、上
記プーリ３１をベルト１に対し付勢するよう作用
している。

一方、上記ベルト１の搬送面に沿つて、該搬送
面に対向する側に配置される分割したガイド板
５，６，７は、各々、リンク対３３ａ，３３ｂ，
３４ａ，３４ｂ、および３５ａ，３５ｂによつて
ベルト搬送面４から平行移動して離反・接近する
ように構成されている。即ち、第１，５図におい
て上方のガイド板７は、フレーム３６に軸支４１
ａ，４１ｂされた旋回自在なリンク３５ａ，３５
ｂの一端に軸支３６ａ，３６ｂされ、リンク３５
ａとフレーム３６間にはスプリング３８がかけら
れ、ガイド板７をベルト搬送面４へ接近する方向
に付勢している。リンク３５ｂはフレーム３６の
突部（第５図３６ａ）に当接して接近位置が位置
決めされる。上記リンク３５ａ，３５ｂに支持さ
れるガイド板７は第５図のように、断面がＶ形の
ガイド板で、ベルト１とガイド板７間にボビンを
挟圧する。また中間部のガイド板６は、リンク３
４ａのみがフレーム２４に軸支４０され、一方の
リンク３４ｂは、第１，４図のように、ブラケツ
ト３９に設けたロータリソレノイド４２のアーム
４３に軸支４４されており、ロータリソレノイド
４２の作動により、ガイド板６は二点鎖線位置６
ａへ旋回可能である。さらに、下方のガイド板５
は、第１，３図のように、フレーム１３に固定の
軸４５に支持された揺動板４６の２箇所に軸支４
７ａ，４７ｂされており、揺動板４６と共に旋回
移動すると共に、揺動板４６に対しても平行移動
が可能である。上記揺動板４６の下端部にはベル
トに対向してボビン８を押圧するローラ４８が回
転自在に軸支４９される。該ローラ４８は第１，
２図のように、周囲に曲面状凹部５０が形成され
ボビン８の周側部に当接して、トレイ５１上のボ
ビン８を走行ベルト１との間に挟持してトレイか
ら取上げるボビン取上手段として作用する。また
上記揺動板４６の中間部には前記ロータリソレノ
イド１９のレバー２１に連るロツド５２の一端が
連結され、ロータリソレノイド１９の作動によ
り、前記ブラケツト１５の揺動と連動して、ボビ
ンの進行方向に直角に開閉運動を行う。即ちロー
ラ４８は二点鎖線位置４８ａと実線位置４８間を
移動する。

即ち、上記押圧ローラ４８はペグ上に挿立した
ボビンを中心として上記走行ベルトと反対側の位
置に設けられ、上記揺動板４６はトレイ上のペグ
と一体のボビンの搬送方向即ち、第１図紙面直角
方向に移送されるボビンの進行方向と直交する平
面内を揺動し、トレイ５１と一体のボビンが抜取
位置に到着する際は揺動板は開いており抜取り動
作の際、揺動板４８が閉じる。

上記下方のガイド板５は、第３図示の如く、前
記ガイド板６，７と異なり断面円弧状のガイド面
５ａが形成されたものである。即ち、該ガイド板
５の中間には第６図で示す極少残糸付ボビンの残
糸検出用フイーラ５３が設けられ、該フイーラ５
３は例えば、ガイド板５の切欠部５４からガイド
面側に突出するブラシ状部材が回転軸５５に取付
けられ、ボビンが上昇する際、上記ブラシに残糸
が係合することによりフイーラ５３が水平軸５５
と共に回転変位し、軸５５端部の鉄片５６が近接
スイツチ５７を作動させることにより、残糸付ボ
ビンを検出するようなものが用いられている。従
つて、ボビン８の外周面がガイド板５のガイド面
５ａに密接するして上昇するようにしておけば残
糸の検出ミスを防止できるのである。上記センサ
５７のオン・オフは中間のガイド板を旋回させる
ロータリソレノイド４２を制御し、本実施例の場
合は、残糸を検出した時に、ロータリソレノイド
４２を作動させ、極少残糸付ボビンを中間のシユ
ート５８へ排出するようになつている。

一方、空ボビンは、ベルト１に沿つて最上端ま
で昇挙されて、シユート５９へ排出される。な
お、上記各シユート５８，５９は、移送されるボ
ビンが一品種の場合はストレートなシユートとし
て形成されるが、ボビンが２品種即ち、糸の種類
が異なる場合には、シユート５９が第９図示のよ
うに二叉状に分岐５９ａ，５９ｂして形成され、
分岐点にはロータリソレノイド２９によつて二位
置に位置決めされる可動ガイド６０が設けられ、
ボビンの種類に応じて切換えられ、異品種のボビ
ンが混同することなく、シユート５９から排出さ
れ、貯溜ボツクス、あるいはコンベア上へ選別し
て貯溜あるいは搬出される。シユート５８につい
ても同様にロータリソレノイド６１により作動す
る可動ガイド６２により区別される。なお、上記
ボビンの種類の検出は、例えば、ボビンを挿立す
るトレイ５１の色をボビンの種類に対応して決め
ておき、例えばＡ品種は黒色のトレイ、Ｂ品種は
白色のトレイとし、抜取位置に至つたトレイの色
をマークセンサで読取り、上記可動ガイドを所定
位置に位置決めすることにより、品種の選別が可
能である。

なお、第１図において、ボビン抜取位置には、
トレイ５１の検出用センサ６３、ボビン８の検出
用センサ６４が配置され、例えば光電管センサが
適用可能である。さらに、多量の糸層を有する残
糸付ボビンの検出用センサが配置される（図示せ
ず）。該センサは、例えば残糸付ボビンの移送に
よつて、糸層部分によつて押されて変位し、空ボ
ビン、極少残糸付ボビンによつては変位しないフ
イーラを用いたもの、あるいは、抜取位置に停止
したボビンの中心軸より半径方向にズレた位置即
ち糸層部分を照射する光電管センサを用いたもの
等が適用される。

次に上記抜取装置の作用について説明する。

第１，７図において、空ボビン８を挿立したト
レイ５１がワインダーから排出され、コンベア６
５上を移送されて、抜取位置に至ると、切出し兼
ストツパ６６により定位置に位置決めされる。な
お、該位置に至る間、下プーリ３、ローラ４８は
第１図二点鎖線位置３ａ，４８ａにあり、開いた
状態で、ボビン８の移送に支障にならない。続い
て、マークセンサによつてトレイの品種が読み取
られ、品種に応じて各シユート５８，５９のロー
タリソレノイド６１，２９がオンまたはオフに制
御されて、可動ガイド６２，６０が所定位置に位
置決めされる。さらに、センサー６３，６４のオ
ンによつて、ロータリソレノイド１９が作動し、
レバー２１が二点鎖線位置２１ａから反時計針方
向に回転し、実線位置に至ると、下プーリ３ロー
ラ４８がボビン８を挟圧する位置に移動し、第７
図の状態となり、ベルト１の矢印６７方向の回動
により、ボビン８はトレイ５１から抜取られて、
ベルト１とガイド板５間を上方へ移送される。こ
の時、トレイ５１はトレイの搬送路に沿つて延び
る規制板６７，６７によつて搬送ベルト６５から
の離反を阻止され、ボビン８のみが抜取られるの
である。

上記ボビン８がベルト１と下方のガイド板５間
を上昇する際、ガイド板５はボビン８の太さに応
じてベルト１から離反する方向にスプリング６８
力に抗してリンク３３ａ，３３ｂにより平行移動
してボビンの通過路を形成する。５ｂはガイド板
５の下側入口に形成した傾斜部分でボビンの進入
をスムーズに行わせる。上記ガイド板５とベルト
１間を通過中のボビン８が空ボビンである場合、
第６図示のフイーラ５３は変位することなく、従
つて、中間のガイド板６は第１図実線位置を維持
する。従つて、空ボビン８は中間のガイド板６と
ベルト１間の通路さらには、上方のガイド板７と
ベルト１間の通路を上昇し、空ボビン８は、上プ
ーリ２の位置に至ると空ボビン８の頭部８ａはガ
イド板７に沿つて上昇し、尻部８ｂはプーリ２を
巻回するベルト１に追従して、二点鎖線８′の状
態から、シユート５９へ落下し、第９図示の可動
ガイド板６０によつて所定の分岐路へ移送され、
空ボビン貯溜ボツクスまたはコンベア上へ移送さ
れる。

一方、前記と同様にトレイから抜取られたボビ
ンが極少残糸付ボビンの場合は、下方のガイド板
５を通過する際、ボビンの一部に巻付いた糸が、
ガイド板５よりわずかにベルト側に突出している
ブラシに引つかかり、ブラシを支持固定した回転
軸（第６図５５）が回転して、近接センサー５７
が作動する。該センサー５７が極少残糸付ボビン
であることを判別し、中間のガイド板６作動用ロ
ータリソレノイド４２を励磁し、第１図のレバー
４３を出力軸６９を中心に反時計針方向へ旋回さ
せて、リンク３４ｂ、ガイド板６を二点鎖線位置
６ａへ移動させる。なお、リンク３４ａのガイド
板６支持軸は上記出力軸６９と同位置にあるた
め、リンク３４ａは旋回することがない。この状
態、即ち第８図の状態で、ボビン８Ｘがさらに上
昇すると、もはや中間のガイド板位置ではベルト
１にボビンを押圧するものがないために、ボビン
８Ｙは第８図二点鎖線位置のボビン８Ｙの尻部か
らシユート５８内へ落下する。なおこの時、第１
図示のシユート５８近傍に設けた、ベルト１を裏
面から押圧しているローラ３１ａにより、ベルト
１の一部が右側方へ膨出した状態であるので、下
方ガイド板５を通り抜けたボビンがシユート５８
側へ押されるため、確実にベルト搬送面より外れ
てシユート５８内へ落下する。シユート５８内の
可動ガイド６２も予めトレイの種類に応じて第９
図同様に定位置に移動させておけば極少残糸付ボ
ビンについても品種別に分類してストツクあるい
は搬送することができる。

なお、第１図において、抜取位置に、多量の残
糸を有するボビンが至つた時は通常は抜取ること
なく通過するが、検出ミスにより誤つて抜取り動
作を行つた場合、糸層を有し直径の大きなボビン
がベルト１とガイド板５，６，７間を移送される
際には、ガイド板５，６，７は上方のガイド板７
で代表して示すようにリンク３５ａ，３５ｂが二
点鎖線位置３５a′，３５b′まで大きく旋回し、移
送動作は続行し、抜取装置の故障を防止するよう
になつている。即ち、第４図は糸層直径の大なボ
ビン８″の移送状態を示している。

発明の効果 以上のように、本発明によると、上下方向に回
動するベルトと該ベルト搬送面に沿つて、該搬送
面に対向する側に設けたガイド部材とによつてボ
ビンを挟持してトレイから抜き取り搬送するよう
にしたので、ボビンをチヤツクして抜取る形式に
比べ、ボビン長さ方向においてチヤツク位置を規
定する必要がなく、長さの異るボビンに対しても
また直径の異なるボビンに対しても、軸支したガ
イド板の付勢力により確実に挟持することがで
き、複数種類のボビンを扱うシステムにおいて極
めて効果的で、また抜取動作の１サイクルの時間
が短縮でき、単位時間当りの処理量もチエツク方
式に比べると大巾に増大し２〜３倍の処理スピー
ドが可能である。更に、複数のガイド板とベルト
によつてボビンを搬送するので、異直径のボビン
が続いて来るような場合でも、２本のボビンが
各々別々のガイド板に挟持されることになるか
ら、両ボビンとも落下することなく昇挙搬送で
き、ボビンの抜取り、搬送が更に確実になる。品
種別ボビンを混在させて処理するシステムにおい
ては特に効果的である。また、残糸付きボビン
は、中間のシユートに排出されるので、残糸付き
ボビンを排除するための別の装置を設ける必要は
ない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す正面図、第２図
は第１図−断面平面図、第３図は第１図−
断面図、第４図は第１図−断面図、第５図
は第１図−断面図、第６図は第１図の一部側
面図、第７図は空ボビンの抜取り状態を示す説明
図、第８図は極少残糸付きボビンの抜取り状態を
示す説明図、第９図は異種ボビンを振り分ける可
動ガイド付きシユートの部分側面図である。 １……ベルト、４……ベルトの搬送面、５〜７
……ボビン押接ガイド板、８……ボビン、１９…
…ロータリソレノイド、３２，３８……スプリン
グ、３３ａ，３３ｂ，３４ａ，３４ｂ，３５ａ，
３５ｂ……リンク対、４６……揺動板、４８……
押圧ローラ、５１……ボビントレイ、５３……残
糸検出用フイーラ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ トレイに挿立したボビンの軸方向上方に向け
   て搬送面が走行し一端部がボビンを挟持可能な位
   置にあるベルトと、ベルト搬送面に対して平行に
   接離可能に支持されスプリング力によりベルトと
   の間でボビンを挟持するベルト走行方向に沿つて
   複数配設されたガイド板と、上流側ガイド板に設
   置されたボビンの残糸フイーラと、その残糸検知
   により下流側ガイド板をベルトから離す方向に旋
   回させる装置と、ベルト搬送面に対して接離可能
   に支持されボビンをベルトとの間に挟持して抜き
   取る押圧ローラとよりなり、各ガイド板及び押圧
   ローラがトレイに挿立したボビンの搬送路を挟ん
   でベルトの反対側に配されているボビン抜取り装
   置。